説明

レンジフード

【課題】様々な現場でのレンジフードの設置において、補強工事をしなくても、レンジフードの取付金具を補強部分に取り付けることを可能とするなど、設置の自由度が向上したレンジフードを提供することを目的とする。
【解決手段】取付金具4はフードの固定部と壁面の固定部を逆にしても取付け可能なL字状の取付金具4であるという構成にしたことにより、L字状の取付金具4はL字の曲げ部から壁面固定の穴とフード固定の穴の距離が等距離であるため、取付金具4の向きを逆にしても、同様に固定するので、レンジフード50の本体を取付金具4を壁面に固定する時に設置位置に制約を受けて補強工事をする必要がなく、また、取付金具4を決められた方向で取付金具4を固定する必要がないレンジフードを得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードの取り付け方に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のレンジフードは、キャビネットの下面などとの位置合わせを行うフード部の設置姿勢の調整機能を持ったものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、そのレンジフードについて図5を参照しながら説明する。
【0004】
図5示すように、壁面101にレンジフード102を保持させる保持装置103であって、保持装置103本体は、壁面101に取り付けられる壁取付部材104と、壁取付部材104に一端側が取り付けられ、他端側がレンジフード102に取り付けられる連結部材105とを備えて構成され、さらに、壁取付部材104と連結部材105との両部材に、レンジフード102の設置姿勢を調整する調整兼連結手段を備え、かつ、壁取付部材104には壁面101に取り付けられるフード部106の一辺縁側を固着保持させる固着辺部107を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−137614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来のレンジフードにおいて、レンジフードを強固に壁面固定するために、レンジフード本体に取付けた固定金具を壁面の補強桟などの補強部分に固定する方法が一般的であるが、古いレンジフードの取替え時などではその現場により補強部分や梁などの位置が異なるため、取付金具が短すぎて補強部分に届かず追加補強が必要になったり、取付金具が長すぎて梁などに固定金具が干渉してレンジフードを取り付けられないなど、取付時に様々な制約を受けるという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明は、上記のような課題を解決するものであり、様々な現場でのレンジフードの設置において、レンジフード設置の自由度を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、本発明は、取付金具はフード固定部と壁面固定部を逆にしても壁面またはレンジフード本体に取付け可能な長短を有するL字状の取付金具であることとすることで初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レンジフードは送風機ボックス部およびフード部を壁面に固定するための長短を有するL字状の取付金具を有し、前記取付金具はフード固定部と壁面固定部を逆にしても壁面に取付け可能な長短を有するL字状の取付金具としたことにより、様々な現場でのレンジフードの設置において、レンジフードの取付金具を補強部分に取り付けることを可能とするなど、レンジフード設置の自由度が向上する、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1のレンジフードの取り付け状態を示す正面図
【図2】同レンジフードの取り付け状態を示す側面図
【図3】同レンジフードの取付金具を示す斜視図
【図4】同レンジフードの取付金具を示す図((a)正面図、(b)側面図、(c)平面図)
【図5】従来のレンジフードの取り付け状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の請求項1記載のレンジフードは、加熱調理機器の上部に設置され、調理時に発生する油煙や臭いを屋外へ排気する送風機ユニットと前記送風機ユニットを覆う送風機ボックス部およびフード部とを備え、前記送風機ボックス部およびフード部を壁面に固定するための長短を有するL字状の取付金具を有し、前記取付金具はフード固定部と壁面固定部を逆にしても壁面またはレンジフード本体に取付け可能な長短を有するL字状の取付金具とし、これにより、天井との距離が近い場合でも、レンジフードの本体を壁面に取り付けることができる、という効果を奏する。
【0012】
また、L字状の取付金具の一方が、他方よりも多数の穴を有しているという構成にしてもよい。これにより、取付金具の壁面固定部と固定する壁面の補強部分が一致しないために、補強工事をしなくてはならないという事態が発生することを防止することができる、という効果を奏する。
【0013】
また、L字状の取付金具に、複数の折り目を設けるという構成にしてもよい。これにより、取付金具が長すぎて梁などに固定金具が干渉してレンジフードを取り付けられない時など、壁面に固定できない場合などに、L字状の取付金具の先端部を切断することによって、梁などに固定金具が干渉することを防ぎ、容易にレンジフードの本体を壁面に取り付けることができる、という効果を奏する。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1および図2に示すように、本実施の形態のレンジフード50は、調理時に発生する油煙や臭いを屋外へ排気するファン8とモーター9とファンケーシング10とで構成された送風機ユニット1と、送風機ユニット1を覆う送風機ボックス部2およびフード部3を備え、送風機ボックス部2およびフード部3とを壁面11に固定するためのL字状の取付金具4を有している。この取付金具4は、フード固定部と壁面固定部を逆にしても壁面またはレンジフード本体に取付け可能なL字状の取付金具である。詳細には、図3および図4に示すように、L字の曲げ部12からの送風機ボックス部2およびフード部3とに固定されるフード固定部5すなわち穴との距離AとA’すなわちL字の曲げ部12から壁面と固定される壁面固定部6との距離およびBとB’との距離をそれぞれ等しくする。なお、1例としてフード固定部5の穴の形状は、必ず1つはだるま状である。
【0016】
これによって、送風機ボックス部2およびフード部3とのフード固定部5と壁面11との壁面固定部6を逆にしても取付け可能となる。すなわち、フード固定部5は壁面11側でも取り付け可能である。
【0017】
また、L字状の取付金具4は壁面11との壁面固定部6の穴を複数有する(一方が他方よりも、多数の固定用の穴を有している)ことによって(1例として3個の場合で説明)、レンジフード50を壁面11に設置する際に、梁など十分強度のある位置に取り付けることが容易であり、なおかつ、天井が低く取付金具4と天井が接触してしまう場合には、送風機ボックス部2およびフード部3とのフード固定部5と壁面11との壁面固定部6を逆にすることで、取付位置に制約を受けるということもなくなる。
【0018】
ただし、本状態では送風機ボックス部2およびフード部3とのフード固定部5よりも長い壁面固定部6を使用することができなくなるが、複数の折り目7(ここでは1つで説明している)すなわち取付金具4の両端に切り込み入れて切断可能とすることで、取付金具4の様々な設置条件(例えば梁が近くにある場合や天井が近くにある場合等)に対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明にかかるレンジフードは、壁面に固定する時に設置位置に制約を受けて補強工事をする必要がなく、また、取付金具を決められた方向で取付金具を固定する必要をなくすことで、設置を容易にするものに有用である。
【符号の説明】
【0020】
1 送風機ユニット
2 送風機ボックス部
3 フード部
4 取付金具
5 フード固定部
6 壁面固定部
7 折り目
8 ファン
9 モーター
10 ファンケーシング
11 壁面
12 曲げ部
50 レンジフード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理機器の上部に設置され、調理時に発生する油煙や臭いを屋外へ排気する送風機ユニットと前記送風機ユニットを覆う送風機ボックス部およびフード部とを備え、前記送風機ボックス部およびフード部を壁面に固定するための長短を有するL字状の取付金具を有し、前記取付金具はフード固定部と壁面固定部を逆にしても壁面またはレンジフード本体に取付け可能な長短を有するL字状の取付金具とすることを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
L字状の取付金具の一方が、他方よりも多数の穴を有していることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
L字状の取付金具に、複数の折り目を設けることを特徴とする請求項1または2に記載のレンジフード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−113490(P2013−113490A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259943(P2011−259943)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】