レンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法
【課題】レンズ面の位置測定に要する労力、時間およびコストの軽減を図ることができるとともに、測定精度および量産性の向上を図ることができるレンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法を提供する。
【解決手段】第1レンズ面4および第2レンズ面6の位置を測定する際における両レンズ面4、6の周端部の像の検出を第1レンズ面4側からの検出作業のみによって行うことを可能とするために、第1のレンズ面4が、これに対応する第2のレンズ面6よりも小径に形成され、透光性基材2における光の透過を介して第2のレンズ面6の周端部の像を第1レンズ面4側から検出可能とされていること。
【解決手段】第1レンズ面4および第2レンズ面6の位置を測定する際における両レンズ面4、6の周端部の像の検出を第1レンズ面4側からの検出作業のみによって行うことを可能とするために、第1のレンズ面4が、これに対応する第2のレンズ面6よりも小径に形成され、透光性基材2における光の透過を介して第2のレンズ面6の周端部の像を第1レンズ面4側から検出可能とされていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法に係り、特に、レンズ面の位置を測定する際におけるレンズ面の周端部の検出に好適なレンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信の高速化および通信デバイスの小型化のニーズを反映して、マルチチャンネルの光通信をコンパクトな構成で実現するのに有効な光学部品として、複数のレンズが並列配置されたレンズアレイの需要が益々高まりつつある。
【0003】
この種のレンズアレイは、実使用状態において、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の複数の発光素子を備えた光電変換装置が、各発光素子をレンズアレイの入射側の各レンズ面に臨ませるようにして取り付けられるとともに、光伝送体の一例としての複数の光ファイバが、これらの端面をレンズアレイの出射側の各レンズ面に臨ませるようにして取り付けられるようになっていた。そして、レンズアレイは、このように光電変換装置と光ファイバとの間に配置された状態で、光電変換装置の各発光素子から出射された光を、各レンズによって各光ファイバの端面に光学的に結合させることにより、マルチチャンネルの光通信(送信)を行うことが可能とされていた。
【0004】
なお、このような送信用の用途以外にも、レンズアレイは、光ファイバの端面を光電変換装置に備えられた受光素子(フォトディテクタ等)に光学的に結合させて受信に用いることや、光ファイバの端面同士の光学的な結合に用いることもあった。また、この種のレンズアレイは、金型を用いた樹脂材料(例えば、ポリエーテルイミド等)の射出成形によって形成することが主流となっている。
【0005】
ここで、図7は、このような従来から採用されていたレンズアレイ1の一例を示す断面図である。また、図8は、図7の平面図であり、図9は図7の下面図である。
【0006】
図7に示すように、レンズアレイ1は、平面形状が略長方形状とされた長尺な板状の透光性基材2を有しており、この透光性基材2の厚み(板厚)方向(図7における上下方向)における一方の端面すなわち上端面3には、凸状の複数の第1のレンズ面4が形成されている。図8に示すように、各第1のレンズ面4は、透光性基材2の長手方向に沿って互いに隣接するように整列形成されているとともに、外形がいずれも同径の円形に形成されている。なお、図8においては、上端面3が中央側の部位3aおよび周辺側の部位3bの2段構造に形成されていて、中央側の部位3aに各第1のレンズ面4が形成されている。これら各第1のレンズ面4は、使用状態において例えば複数本の光ファイバの端面にそれぞれ臨むようになっている。
【0007】
一方、図7に示すように、透光性基材2の厚み方向における他方の端面すなわち下端面5には、第1のレンズ面4と同数の凸状の第2のレンズ面6が形成されている。図9に示すように、各第2のレンズ面6も、各第1のレンズ面4と同様に、透光性基材2の長手方向に沿って互いに隣接するように整列形成されているとともに、外形がいずれも同径の円形に形成されている。さらに、各第2のレンズ面6は、それぞれに対応する各第1のレンズ面4と互いに光軸が一致する(すなわち、同軸状となる)ような設計にしたがって形成されているとともに、各第1のレンズ面4と同径に形成されている。なお、両レンズ4、6の光軸方向は、図7における上下方向に相当する。また、図9においては、下端面5が中央側の部位5aおよび周辺側の部位5bの2段構造に形成されていて、中央側の部位5aに各第2のレンズ面6が形成されている。これら各第2のレンズ面6は、使用状態において例えば光電変換装置の複数の発光素子にそれぞれ臨むようになっている。
【0008】
さらに、図7〜図9に示すように、透光性基材2におけるレンズ面4、6の形成領域に対する整列方向の両外側位置には、レンズアレイ1に取り付けられるべき光ファイバまたは光電変換装置の位置決めを行うための一対の位置決め孔7が形成されている。各位置決め孔7は、上端面3における周辺側の部位3bから下端面5における周辺側の部位5bに亘って透光性基材2を上下方向に貫通するように形成されている。なお、上端面3および下端面5は、位置決め孔7を形成する部位が、中央側の部位3a、5aおよび周辺側の部位3b、5bのいずれとも段差を有するように形成されていてもよい。このような位置決め孔7には、使用状態において、例えば、複数本の光ファイバの端部を収容した多芯一体型のコネクタに配置されたファイバ位置決めピンが第1のレンズ面4側から嵌合するとともに、光電変換装置の半導体基板に配置されたデバイス位置決めピンが第2のレンズ面6側から嵌合することになる。ただし、光ファイバ側/光電変換装置側の位置決め構造に応じては、位置決め孔7の代わりに、凸部または穴部(有底孔)もしくはこれらを組み合わせた構造が形成される可能性もある。
【0009】
このようなレンズアレイ1は、これまでにも、例えば、特許文献1において提案されている。
【0010】
ところで、このようなレンズアレイ1は、良好な光結合効率を実現する上で、各レンズ面4、6の位置精度、とりわけ互いに対応するレンズ面4、6同士の相対位置精度(換言すれば、同軸精度)が重要とされていた。
【0011】
このため、このような各レンズ面4、6の位置精度を判定すべく各レンズ面4、6の位置を測定する際には、ミクロンオーダ以下の極めて高い測定精度が要求されていた。
【0012】
ここで、図10は、このような従来から採用されていたレンズアレイ1のレンズ面4、6の位置測定の概要を示している。
【0013】
図10に示すように、従来から、各レンズ面4、6の位置測定には、顕微鏡の原理によって各レンズ面4、6の拡大像を検出(撮像)し、検出結果に基づいて位置測定を行う測定機8が用いられていた。このような測定機8としては、例えば、非接触三次元測定装置(三鷹光器株式会社製)やその他のマイクロスコープを挙げることができる。
【0014】
このような測定機8を用いて位置測定を行う際には、例えば、まず、図10(a)に示すように、測定機8のXYステージ10上に、レンズアレイ1を、その第1のレンズ面4が測定機8の対物レンズ11に臨むように設置する。なお、XYステージ10は、不図示のアクチュエータによってX方向(図10における左右方向)およびY方向(図10における紙面垂直方向)に移動可能とされている。また、対物レンズ11は、不図示のオートフォーカス機構によってZ方向(図10における上下方向)に移動可能とされている。なお、Z方向は、ステージ10上に設置された状態のレンズアレイ1における光軸方向に相当する。
【0015】
次いで、XYステージ10および対物レンズ11を適宜移動させるとともに、測定機8のレーザ光源12から出射されたレーザ光を対物レンズ11によって収束させてレンズアレイ1上に照射し、その反射光を対物レンズ11を経てCCDカメラ14に結像させつつ、1つの位置決め孔7の内周面における第1のレンズ面4側の端部(以下、第1の内周面端部と称する)の像を検出する。なお、対物レンズ11とCCDカメラ14との光路上には、必要に応じてビームスプリッタ15やレンズ16等の光学系が配置される。また、CCDカメラ14による検出像は、モニタTV18の画面上で確認することができる。
【0016】
ここで、位置決め孔7の第1の内周面端部の像の検出は、対物レンズ11を位置決め孔7の第1の内周面端部上の一点に合焦させる作業を、第1の内周面端部上の互いに異なる複数の点に対して繰り返すことによって、各点の像を検出するための一連の検出作業として行う。そして、その過程で、各点の座標を、各点の像の検出の都度取得していく。ただし、このときの座標は、その原点が測定機8に応じたXYステージ10上の位置にとられている。
【0017】
そして、このような位置決め孔7の第1の内周面端部の像の検出が完了した場合、すなわち、前述した複数の点のすべての像が検出された場合には、これまでに取得していた各点の座標の重心座標を算出することによって、位置決め孔7の第1の内周面端部の中心点の座標を求める。
【0018】
さらに、このような第1の内周面端部の中心点の座標の算出を、もう1つの位置決め孔7に対しても行う。
【0019】
次いで、このようにして算出された2つの位置決め孔7の第1の内周面端部の中心点同士を結ぶ線分Lを割り出し(図11参照)、割り出された線分Lに基づいて、第1のレンズ面4の位置を測定する際における位置の基準点となるべきレンズアレイ1上の一点の座標を算出する。このレンズアレイ1上の一点は、例えば、図11に示すように、線分Lの垂直二等分線(図中の一点鎖線部)が上端面3の前端部と交わる点Pであってもよい。
【0020】
次いで、このようにして算出されたレンズアレイ1上の一点Pの座標を、原点(0,0)として座標変換することによって、第1のレンズ面4の位置を測定する際における位置の基準点を設定する。
【0021】
次いで、位置決め孔7の第1の内周面端部の像の検出と同じ要領で、第1のレンズ面4の周端部(換言すれば、輪郭もしくは外形線)の像の検出を、第1のレンズ面4の周端部上の複数の点の像の検出作業として行う。そして、その過程で、第1のレンズ面4の周端部上の各点についての基準点(すなわち原点(0,0))を基準とした座標を、各点の像の検出の都度取得していく。
【0022】
そして、このような第1のレンズ面4の周端部の像の検出が完了した場合には、これまでに取得していた第1のレンズ面4の周端部上の各点の座標の重心座標を算出することによって、基準点を基準とした第1のレンズ面4の中心点の座標を求める。
【0023】
さらに、このような第1のレンズ面4の中心点の座標の算出を、すべての第1のレンズ面4に対して行うことによって、第1のレンズ面4の位置測定が完了する。
【0024】
次に、このような第1のレンズ面4の位置測定が完了した後には、図10(b)に示すように、今度は、レンズアレイ1を図10(a)の状態から反転させて(裏返して)、第2のレンズ面6が対物レンズ11に臨むようにレンズアレイ1をXYステージ10上に設置する。
【0025】
そして、第1のレンズ面4の場合と同じ要領で各第2のレンズ面6の中心点の座標を算出することによって、第2のレンズ面6の位置測定を行う。
【0026】
ただし、このときの位置の基準点すなわち原点(0,0)の算出には、前述した位置決め孔7の第1の内周面端部の像の代わりに、これに対向する位置決め孔7の内周面における第2のレンズ面6側の端部(以下、第2の内周面端部と称する)の像が用いられることになる。蓋し、第2のレンズ面6側からは、位置決め孔7の第1の内周面端部の像は透光性基材2の厚みによって検出できないからである。
【0027】
そして、このようにして位置測定が行われた各レンズ面4、6の位置精度を評価する際には、各レンズ面4、6のそれぞれの中心点の座標が、設計上の座標から所定の許容誤差(例えば、φ0.1)以内に収まっているか否か、また、互いに対応する両レンズ面4、6の中心点同士の座標の相対的なズレが許容量(例えば、φ0.1)以内に収まっているか否かに基づいて、レンズ面4、6の位置精度の良否を判定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特開2009−229996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
しかしながら、従来は、一方のレンズ面4の位置測定が完了した後に他方のレンズ面6の位置測定に切り替える際に、レンズアレイ1を反転させて測定機8に設置し直さなければならない上に、一方のレンズ面4の位置測定に用いた位置の基準点とは異なる位置の基準点を新たに設定し直さなければならかったため、両レンズ面4、6の位置測定に多大な労力、時間およびコストを要するといった問題が生じていた。
【0030】
さらに、こればかりでなく、両レンズ面4、6の位置測定の際にそれぞれ求められた位置の基準点は、例えば、位置決め孔7の形状誤差やレンズアレイ1を測定機8に設置し直す際の設置誤差等に起因して互いにずれる場合があった。そして、このような場合には、互いに対応する両レンズ面4、6同士の同軸精度を評価する際に、両レンズ面4、6の中心点の座標が、それぞれ互いにずれた原点を基準として算出されたものとなるため、正確な良否判定を行うことが困難といった問題も生じていた。
【0031】
これらの問題は、複数のレンズ面4、6を有するレンズアレイ1においては極めて重大であり、また、最近のレンズアレイ1の更なる多チャンネル化は、これらの問題をより一層深刻化していた。
【0032】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、レンズ面の位置測定に要する労力、時間およびコストの軽減を図ることができるとともに、測定精度および量産性の向上を図ることができるレンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係るレンズアレイの特徴は、板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面とを備えたレンズアレイであって、前記第1レンズ面および前記第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を前記第1レンズ面側からの検出作業のみによって行うことを可能とするために、前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径に形成され、前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部の像を前記第1レンズ面側から検出可能とされている点にある。
【0034】
そして、この請求項1に係る発明によれば、第1のレンズ面を第2のレンズ面よりも小径に形成して、第2のレンズ面の周端部の像を透光性基材における光の透過を介して第1のレンズ面側から検出可能としたことによって、第1レンズ面および第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を第1レンズ面側からの検出作業のみによって一回的に行うことができる。これにより、第1のレンズ面の位置測定の後に第2のレンズ面の位置測定を行う場合にレンズアレイを反転させる必要がなくなり、また、両レンズ面の位置測定を単一の位置の基準を用いて高精度に行うことが可能となる。
【0035】
また、請求項2に係るレンズアレイの特徴は、請求項1において、更に、前記透光性基材に、前記第1のレンズ面の位置を測定する際における位置の基準の設定に用いることが可能とされた特定形状が、前記第1のレンズ面側から検出可能に形成されている点にある。
【0036】
そして、この請求項2に係る発明によれば、第1のレンズ面の位置測定の際に設定された特定形状に基づく位置の基準を、第2のレンズ面の位置測定の際にそのまま利用することができる。
【0037】
さらに、請求項3に係るレンズアレイの特徴は、請求項2において、更に、前記特定形状は、前記一方の端面に取り付けられるべき光伝送体または光電変換装置の取り付けの際における位置決めを行うための位置決め構造の外形とされている点にある。
【0038】
そして、この請求項3に係る発明によれば、既存の形状をレンズ面の位置測定に活用することができる。
【0039】
さらにまた、請求項4に係るレンズアレイの特徴は、請求項1〜3のいずれか1項において、更に、前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面は、一方のレンズ面に入射した発散光を他方のレンズ面から収束光として出射させるように形成されている点にある。
【0040】
そして、この請求項4に係る発明によれば、光伝送体と光電変換装置との光学的な結合および光伝送体間の光学的な結合をいずれも適切に行うことができる。
【0041】
また、請求項5に係るレンズエッジ検出方法の特徴は、板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面とを備えたレンズアレイに対して、所定の測定装置を用いた前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面の位置の測定を行う際に、両レンズ面の周端部の像を前記測定装置によって検出するためのレンズエッジ検出方法であって、前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径となるように前記レンズアレイを形成する第1のステップと、この第1のステップによって形成された前記レンズアレイを、前記第1レンズ面が前記測定装置の結像光学系に臨むように前記測定装置における所定の設置位置上に設置する第2のステップと、この第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記第1のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第1のレンズ面の周端部の像の検出を行う第3のステップと、前記第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第2のレンズの周端部の像の検出を行う第4のステップとを含む点にある。
【0042】
そして、この請求項5に係る発明によれば、第1〜第4のステップにより、第1レンズ面および第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を第1レンズ面側からの検出作業のみによって行うことができるので、第1のレンズ面の位置測定の後に第2のレンズ面の位置測定を行う場合にレンズアレイを反転させる必要がなくなるとともに、両レンズ面の位置測定を単一の位置の基準を用いて高精度に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、レンズ面の位置測定に要する労力、時間およびコストの軽減を図ることができるとともに、測定精度および量産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るレンズアレイの実施形態を示す断面図および部分拡大図
【図2】図1のレンズアレイの平面図
【図3】図1のレンズアレイの下面図
【図4】本発明に係るレンズアレイの変形例を示す平面図
【図5】図4の下面図
【図6】本発明に係るレンズエッジ検出方法の実施形態を示す概念図
【図7】従来のレンズアレイの一例を示す断面図
【図8】図7の平面図
【図9】図7の下面図
【図10】従来のレンズアレイにおけるレンズ面の位置測定方法を示す概念図
【図11】図10の位置測定方法における基準点の設定方法の一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0045】
(レンズアレイの実施形態)
以下、本発明に係るレンズアレイの実施形態について、従来との相違点を中心に図1〜図5を参照して説明する。
【0046】
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0047】
図1は、本実施形態におけるレンズアレイ20の断面図およびその部分拡大図である。また、図2は、図1の平面図であり、図3は、図1の下面図である。
【0048】
本実施形態におけるレンズアレイ20は、従来のレンズアレイ1とは異なり、第1レンズ面4および第2レンズ面6の位置測定の際における両レンズ面4、6の周端部の像の検出を、第1レンズ面4側からの検出作業のみによって行うことが可能に形成されている。
【0049】
すなわち、図1に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ20は、第1のレンズ面4の直径dが、この第1のレンズ面4に対応する第2のレンズ面6の直径Dよりも小さく形成されている。このような関係は、すべての第1のレンズ面4に成立している。そして、このことによって、透光性基材2における光の透過を介して、第2のレンズ面6の周端部の像を第1レンズ面4側から検出可能とされている。なお、Dの値を250μm、dの値を230μmとしてもよい。
【0050】
このような構成によれば、第1のレンズ面4の位置測定の際における位置の基準点(すなわち原点)さえ求めれておけば、この基準点を、第1のレンズ面4側から透光性基材2における光の透過を介して検出(撮像)可能な第2のレンズ面6の位置測定にそのまま適用することができる。なお、基準点の設定には、従来と同様に位置決め孔7(位置決め構造)の外形(特定形状)を利用すればよいが、本実施形態においては、第1のレンズ面14側の基準点の設定のみで済むため、位置決め孔7の第1の内周面端部の像のみを検出すれば足り、位置決め孔7の第2の内周面端部の像は要しない。
【0051】
したがって、従来のように、第1のレンズ面4の位置測定を行った後に第2のレンズ面6の位置測定に切り替える際のレンズアレイ1を反転させる手間や、第1のレンズ面4の位置測定時の基準点と異なる新たな基準点を第2のレンズ面6の位置測定のために別途算出する作業は要しなくなる。
【0052】
さらに、単一の基準点を用いて両レンズ面4、6の位置測定を行うことができるので、両レンズ面4、6の同軸精度の評価を適切に行うことができる。
【0053】
なお、本発明は、図1〜図3に示した12チャンネルのレンズアレイ20に限らず、例えば、図4および図5に示す24チャンネルのレンズアレイ21にも有効に適用することができる。なお、図4および図5に示すレンズアレイ21は、一連の12個のレンズ面4、6が二列並列配置された構成となっている。
【0054】
また、両レンズ面4、6は、一方のレンズ面4、6に入射した発散光を他方のレンズ面4、6から収束光として出射させるように形成されていてもよい。
【0055】
さらに、両レンズ面4、6の曲率半径は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0056】
さらにまた、第1のレンズ面4側からの検出作業によって第2のレンズ面6の周端部の像を適正に検出するためには、第2のレンズ面の周端部からの物体光が、第1のレンズ面4側に向かって透光性基板2を透過した上で、第1のレンズ面4側の出射位置から第1のレンズ面4の光軸方向と同方向に出射されることが望ましい。このような第2のレンズ面6の周端部からの物体光の出射位置を確保するためには、図1に示すように、互いに隣位する第1のレンズ面4同士の間隙部を、光軸方向に垂直な平坦面22に形成することが望ましい。
【0057】
(レンズエッジ検出方法の実施形態)
次に、本発明に係るレンズエッジ検出方法の実施形態について、図6を参照して説明する。
【0058】
本実施形態においては、まず、前述したようなレンズアレイ20(21)を形成する(第1のステップ)。
【0059】
そして、この後の本実施形態の各工程(ステップ)は、レンズ面4、6の位置測定における一工程として行う。
【0060】
すなわち、第1のステップの後には、図10(a)に示した場合と同様に、レンズアレイ20(21)を、その第1レンズ面4が測定機8(測定装置)の結像光学系としての対物レンズ11に臨むようにXYステージ10上に設置する(第2のステップ)。
【0061】
次いで、従来と同じ要領で、位置決め孔7の第1の内周面端部の検出像に基づいた基準点の設定を行う。
【0062】
次いで、レンズアレイ20(21)に対して、対物レンズ11を第1のレンズ面4の周端部上に合焦させて、第1のレンズ面4の周端部の像の検出を行う(第3のステップ)。この第3のステップにおける第1のレンズ面4の周端部の像の検出は、従来と同様に、この周端部上の複数の点を検出するための一連の検出作業として行う。
【0063】
次いで、従来と同じ要領で、第3のステップにおいて検出された第1のレンズ面4の周端部の像に基づいた第1のレンズ面4の中心点の座標の算出を行う。
【0064】
そして、従来と同様に、このような第1のレンズ面4の中心点の座標の算出をすべての第1のレンズ面4に対して行うことによって、第1のレンズ面4の位置測定が完了する。
【0065】
次いで、第2のレンズ面6の位置測定に移行するが、このとき、レンズアレイ20(21)を反転させてXYステージ10上に設置し直す必要もなく、また、位置の基準点を新たに設定し直す必要もない。
【0066】
すなわち、本実施形態においては、第2のレンズ面6の位置測定を開始した後に、まず、XYステージ10上に設置されているレンズアレイ20(21)に対して、対物レンズ11を透光性基材2における光の透過を介して第2のレンズ面6の周端部上に合焦させて、第2のレンズ面6の周端部の像の検出を行う(第4のステップ)。この第4のステップにおける第2のレンズ面6の周端部の像の検出は、この周端部上の複数の点を検出するための一連の検出作業として行う。
【0067】
次いで、第1のレンズ面4の場合と同じ要領で、第4のステップにおいて検出された第2のレンズ面6の周端部の像に基づいた第2のレンズ面6の中心点の座標の算出を行う。
【0068】
そして、このような第2のレンズ面6の中心点の座標の算出をすべての第2のレンズ面6に対して行うことによって、第2のレンズ面6の位置測定が完了する。
【0069】
以上述べたように、本実施形態によれば、第1のレンズ面4を第2のレンズ面6よりも小径に形成して、第2のレンズ面6の周端部の像を透光性基材2における光の透過を介して第1のレンズ面4側から検出可能としたことによって、第1レンズ面4および第2レンズ面6の位置を測定する際における両レンズ面4、6の周端部の像の検出を第1レンズ面4側からの検出作業のみによって行うことができる。これにより、第1のレンズ面4の位置測定の後に第2のレンズ面6の位置測定を行う際のレンズアレイ20(21)を反転させる手間を要しなくなり、また、両レンズ面4、6の位置測定を単一の位置の基準点を用いて高精度に行うことができるので、レンズ面4、6の位置測定に要する労力、時間およびコストの軽減を図ることができるとともに、測定精度および量産性の向上を図ることができる。
【0070】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0071】
例えば、本発明は、24チャンネルよりも更に多チャンネルのレンズアレイにも有効に適用することができる。
【0072】
また、本発明は、光導波路等の光ファイバ以外の光伝送体にも有効に適用することができる。
【0073】
さらに、本発明は、第1のレンズ面4側からの撮像によって位置の基準点を求めることさえ遵守すれば、その後に第1のレンズ面4の位置測定および第2のレンズ面6の位置測定のいずれを先に行ってもよい。
【0074】
さらにまた、光伝送体および光電変換装置の位置決めを、レンズアレイに形成されたアライメントマークを光学的に読み取って行う場合には、そのアライメントマークの外形を特定形状として採用して位置測定の基準点の設定に用いてもよい。
【符号の説明】
【0075】
2 透光性基材
3 上端面
4 第1のレンズ面
5 下端面
6 第2のレンズ面
20 レンズアレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法に係り、特に、レンズ面の位置を測定する際におけるレンズ面の周端部の検出に好適なレンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信の高速化および通信デバイスの小型化のニーズを反映して、マルチチャンネルの光通信をコンパクトな構成で実現するのに有効な光学部品として、複数のレンズが並列配置されたレンズアレイの需要が益々高まりつつある。
【0003】
この種のレンズアレイは、実使用状態において、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の複数の発光素子を備えた光電変換装置が、各発光素子をレンズアレイの入射側の各レンズ面に臨ませるようにして取り付けられるとともに、光伝送体の一例としての複数の光ファイバが、これらの端面をレンズアレイの出射側の各レンズ面に臨ませるようにして取り付けられるようになっていた。そして、レンズアレイは、このように光電変換装置と光ファイバとの間に配置された状態で、光電変換装置の各発光素子から出射された光を、各レンズによって各光ファイバの端面に光学的に結合させることにより、マルチチャンネルの光通信(送信)を行うことが可能とされていた。
【0004】
なお、このような送信用の用途以外にも、レンズアレイは、光ファイバの端面を光電変換装置に備えられた受光素子(フォトディテクタ等)に光学的に結合させて受信に用いることや、光ファイバの端面同士の光学的な結合に用いることもあった。また、この種のレンズアレイは、金型を用いた樹脂材料(例えば、ポリエーテルイミド等)の射出成形によって形成することが主流となっている。
【0005】
ここで、図7は、このような従来から採用されていたレンズアレイ1の一例を示す断面図である。また、図8は、図7の平面図であり、図9は図7の下面図である。
【0006】
図7に示すように、レンズアレイ1は、平面形状が略長方形状とされた長尺な板状の透光性基材2を有しており、この透光性基材2の厚み(板厚)方向(図7における上下方向)における一方の端面すなわち上端面3には、凸状の複数の第1のレンズ面4が形成されている。図8に示すように、各第1のレンズ面4は、透光性基材2の長手方向に沿って互いに隣接するように整列形成されているとともに、外形がいずれも同径の円形に形成されている。なお、図8においては、上端面3が中央側の部位3aおよび周辺側の部位3bの2段構造に形成されていて、中央側の部位3aに各第1のレンズ面4が形成されている。これら各第1のレンズ面4は、使用状態において例えば複数本の光ファイバの端面にそれぞれ臨むようになっている。
【0007】
一方、図7に示すように、透光性基材2の厚み方向における他方の端面すなわち下端面5には、第1のレンズ面4と同数の凸状の第2のレンズ面6が形成されている。図9に示すように、各第2のレンズ面6も、各第1のレンズ面4と同様に、透光性基材2の長手方向に沿って互いに隣接するように整列形成されているとともに、外形がいずれも同径の円形に形成されている。さらに、各第2のレンズ面6は、それぞれに対応する各第1のレンズ面4と互いに光軸が一致する(すなわち、同軸状となる)ような設計にしたがって形成されているとともに、各第1のレンズ面4と同径に形成されている。なお、両レンズ4、6の光軸方向は、図7における上下方向に相当する。また、図9においては、下端面5が中央側の部位5aおよび周辺側の部位5bの2段構造に形成されていて、中央側の部位5aに各第2のレンズ面6が形成されている。これら各第2のレンズ面6は、使用状態において例えば光電変換装置の複数の発光素子にそれぞれ臨むようになっている。
【0008】
さらに、図7〜図9に示すように、透光性基材2におけるレンズ面4、6の形成領域に対する整列方向の両外側位置には、レンズアレイ1に取り付けられるべき光ファイバまたは光電変換装置の位置決めを行うための一対の位置決め孔7が形成されている。各位置決め孔7は、上端面3における周辺側の部位3bから下端面5における周辺側の部位5bに亘って透光性基材2を上下方向に貫通するように形成されている。なお、上端面3および下端面5は、位置決め孔7を形成する部位が、中央側の部位3a、5aおよび周辺側の部位3b、5bのいずれとも段差を有するように形成されていてもよい。このような位置決め孔7には、使用状態において、例えば、複数本の光ファイバの端部を収容した多芯一体型のコネクタに配置されたファイバ位置決めピンが第1のレンズ面4側から嵌合するとともに、光電変換装置の半導体基板に配置されたデバイス位置決めピンが第2のレンズ面6側から嵌合することになる。ただし、光ファイバ側/光電変換装置側の位置決め構造に応じては、位置決め孔7の代わりに、凸部または穴部(有底孔)もしくはこれらを組み合わせた構造が形成される可能性もある。
【0009】
このようなレンズアレイ1は、これまでにも、例えば、特許文献1において提案されている。
【0010】
ところで、このようなレンズアレイ1は、良好な光結合効率を実現する上で、各レンズ面4、6の位置精度、とりわけ互いに対応するレンズ面4、6同士の相対位置精度(換言すれば、同軸精度)が重要とされていた。
【0011】
このため、このような各レンズ面4、6の位置精度を判定すべく各レンズ面4、6の位置を測定する際には、ミクロンオーダ以下の極めて高い測定精度が要求されていた。
【0012】
ここで、図10は、このような従来から採用されていたレンズアレイ1のレンズ面4、6の位置測定の概要を示している。
【0013】
図10に示すように、従来から、各レンズ面4、6の位置測定には、顕微鏡の原理によって各レンズ面4、6の拡大像を検出(撮像)し、検出結果に基づいて位置測定を行う測定機8が用いられていた。このような測定機8としては、例えば、非接触三次元測定装置(三鷹光器株式会社製)やその他のマイクロスコープを挙げることができる。
【0014】
このような測定機8を用いて位置測定を行う際には、例えば、まず、図10(a)に示すように、測定機8のXYステージ10上に、レンズアレイ1を、その第1のレンズ面4が測定機8の対物レンズ11に臨むように設置する。なお、XYステージ10は、不図示のアクチュエータによってX方向(図10における左右方向)およびY方向(図10における紙面垂直方向)に移動可能とされている。また、対物レンズ11は、不図示のオートフォーカス機構によってZ方向(図10における上下方向)に移動可能とされている。なお、Z方向は、ステージ10上に設置された状態のレンズアレイ1における光軸方向に相当する。
【0015】
次いで、XYステージ10および対物レンズ11を適宜移動させるとともに、測定機8のレーザ光源12から出射されたレーザ光を対物レンズ11によって収束させてレンズアレイ1上に照射し、その反射光を対物レンズ11を経てCCDカメラ14に結像させつつ、1つの位置決め孔7の内周面における第1のレンズ面4側の端部(以下、第1の内周面端部と称する)の像を検出する。なお、対物レンズ11とCCDカメラ14との光路上には、必要に応じてビームスプリッタ15やレンズ16等の光学系が配置される。また、CCDカメラ14による検出像は、モニタTV18の画面上で確認することができる。
【0016】
ここで、位置決め孔7の第1の内周面端部の像の検出は、対物レンズ11を位置決め孔7の第1の内周面端部上の一点に合焦させる作業を、第1の内周面端部上の互いに異なる複数の点に対して繰り返すことによって、各点の像を検出するための一連の検出作業として行う。そして、その過程で、各点の座標を、各点の像の検出の都度取得していく。ただし、このときの座標は、その原点が測定機8に応じたXYステージ10上の位置にとられている。
【0017】
そして、このような位置決め孔7の第1の内周面端部の像の検出が完了した場合、すなわち、前述した複数の点のすべての像が検出された場合には、これまでに取得していた各点の座標の重心座標を算出することによって、位置決め孔7の第1の内周面端部の中心点の座標を求める。
【0018】
さらに、このような第1の内周面端部の中心点の座標の算出を、もう1つの位置決め孔7に対しても行う。
【0019】
次いで、このようにして算出された2つの位置決め孔7の第1の内周面端部の中心点同士を結ぶ線分Lを割り出し(図11参照)、割り出された線分Lに基づいて、第1のレンズ面4の位置を測定する際における位置の基準点となるべきレンズアレイ1上の一点の座標を算出する。このレンズアレイ1上の一点は、例えば、図11に示すように、線分Lの垂直二等分線(図中の一点鎖線部)が上端面3の前端部と交わる点Pであってもよい。
【0020】
次いで、このようにして算出されたレンズアレイ1上の一点Pの座標を、原点(0,0)として座標変換することによって、第1のレンズ面4の位置を測定する際における位置の基準点を設定する。
【0021】
次いで、位置決め孔7の第1の内周面端部の像の検出と同じ要領で、第1のレンズ面4の周端部(換言すれば、輪郭もしくは外形線)の像の検出を、第1のレンズ面4の周端部上の複数の点の像の検出作業として行う。そして、その過程で、第1のレンズ面4の周端部上の各点についての基準点(すなわち原点(0,0))を基準とした座標を、各点の像の検出の都度取得していく。
【0022】
そして、このような第1のレンズ面4の周端部の像の検出が完了した場合には、これまでに取得していた第1のレンズ面4の周端部上の各点の座標の重心座標を算出することによって、基準点を基準とした第1のレンズ面4の中心点の座標を求める。
【0023】
さらに、このような第1のレンズ面4の中心点の座標の算出を、すべての第1のレンズ面4に対して行うことによって、第1のレンズ面4の位置測定が完了する。
【0024】
次に、このような第1のレンズ面4の位置測定が完了した後には、図10(b)に示すように、今度は、レンズアレイ1を図10(a)の状態から反転させて(裏返して)、第2のレンズ面6が対物レンズ11に臨むようにレンズアレイ1をXYステージ10上に設置する。
【0025】
そして、第1のレンズ面4の場合と同じ要領で各第2のレンズ面6の中心点の座標を算出することによって、第2のレンズ面6の位置測定を行う。
【0026】
ただし、このときの位置の基準点すなわち原点(0,0)の算出には、前述した位置決め孔7の第1の内周面端部の像の代わりに、これに対向する位置決め孔7の内周面における第2のレンズ面6側の端部(以下、第2の内周面端部と称する)の像が用いられることになる。蓋し、第2のレンズ面6側からは、位置決め孔7の第1の内周面端部の像は透光性基材2の厚みによって検出できないからである。
【0027】
そして、このようにして位置測定が行われた各レンズ面4、6の位置精度を評価する際には、各レンズ面4、6のそれぞれの中心点の座標が、設計上の座標から所定の許容誤差(例えば、φ0.1)以内に収まっているか否か、また、互いに対応する両レンズ面4、6の中心点同士の座標の相対的なズレが許容量(例えば、φ0.1)以内に収まっているか否かに基づいて、レンズ面4、6の位置精度の良否を判定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特開2009−229996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
しかしながら、従来は、一方のレンズ面4の位置測定が完了した後に他方のレンズ面6の位置測定に切り替える際に、レンズアレイ1を反転させて測定機8に設置し直さなければならない上に、一方のレンズ面4の位置測定に用いた位置の基準点とは異なる位置の基準点を新たに設定し直さなければならかったため、両レンズ面4、6の位置測定に多大な労力、時間およびコストを要するといった問題が生じていた。
【0030】
さらに、こればかりでなく、両レンズ面4、6の位置測定の際にそれぞれ求められた位置の基準点は、例えば、位置決め孔7の形状誤差やレンズアレイ1を測定機8に設置し直す際の設置誤差等に起因して互いにずれる場合があった。そして、このような場合には、互いに対応する両レンズ面4、6同士の同軸精度を評価する際に、両レンズ面4、6の中心点の座標が、それぞれ互いにずれた原点を基準として算出されたものとなるため、正確な良否判定を行うことが困難といった問題も生じていた。
【0031】
これらの問題は、複数のレンズ面4、6を有するレンズアレイ1においては極めて重大であり、また、最近のレンズアレイ1の更なる多チャンネル化は、これらの問題をより一層深刻化していた。
【0032】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、レンズ面の位置測定に要する労力、時間およびコストの軽減を図ることができるとともに、測定精度および量産性の向上を図ることができるレンズアレイおよびそのレンズエッジ検出方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係るレンズアレイの特徴は、板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面とを備えたレンズアレイであって、前記第1レンズ面および前記第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を前記第1レンズ面側からの検出作業のみによって行うことを可能とするために、前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径に形成され、前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部の像を前記第1レンズ面側から検出可能とされている点にある。
【0034】
そして、この請求項1に係る発明によれば、第1のレンズ面を第2のレンズ面よりも小径に形成して、第2のレンズ面の周端部の像を透光性基材における光の透過を介して第1のレンズ面側から検出可能としたことによって、第1レンズ面および第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を第1レンズ面側からの検出作業のみによって一回的に行うことができる。これにより、第1のレンズ面の位置測定の後に第2のレンズ面の位置測定を行う場合にレンズアレイを反転させる必要がなくなり、また、両レンズ面の位置測定を単一の位置の基準を用いて高精度に行うことが可能となる。
【0035】
また、請求項2に係るレンズアレイの特徴は、請求項1において、更に、前記透光性基材に、前記第1のレンズ面の位置を測定する際における位置の基準の設定に用いることが可能とされた特定形状が、前記第1のレンズ面側から検出可能に形成されている点にある。
【0036】
そして、この請求項2に係る発明によれば、第1のレンズ面の位置測定の際に設定された特定形状に基づく位置の基準を、第2のレンズ面の位置測定の際にそのまま利用することができる。
【0037】
さらに、請求項3に係るレンズアレイの特徴は、請求項2において、更に、前記特定形状は、前記一方の端面に取り付けられるべき光伝送体または光電変換装置の取り付けの際における位置決めを行うための位置決め構造の外形とされている点にある。
【0038】
そして、この請求項3に係る発明によれば、既存の形状をレンズ面の位置測定に活用することができる。
【0039】
さらにまた、請求項4に係るレンズアレイの特徴は、請求項1〜3のいずれか1項において、更に、前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面は、一方のレンズ面に入射した発散光を他方のレンズ面から収束光として出射させるように形成されている点にある。
【0040】
そして、この請求項4に係る発明によれば、光伝送体と光電変換装置との光学的な結合および光伝送体間の光学的な結合をいずれも適切に行うことができる。
【0041】
また、請求項5に係るレンズエッジ検出方法の特徴は、板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面とを備えたレンズアレイに対して、所定の測定装置を用いた前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面の位置の測定を行う際に、両レンズ面の周端部の像を前記測定装置によって検出するためのレンズエッジ検出方法であって、前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径となるように前記レンズアレイを形成する第1のステップと、この第1のステップによって形成された前記レンズアレイを、前記第1レンズ面が前記測定装置の結像光学系に臨むように前記測定装置における所定の設置位置上に設置する第2のステップと、この第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記第1のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第1のレンズ面の周端部の像の検出を行う第3のステップと、前記第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第2のレンズの周端部の像の検出を行う第4のステップとを含む点にある。
【0042】
そして、この請求項5に係る発明によれば、第1〜第4のステップにより、第1レンズ面および第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を第1レンズ面側からの検出作業のみによって行うことができるので、第1のレンズ面の位置測定の後に第2のレンズ面の位置測定を行う場合にレンズアレイを反転させる必要がなくなるとともに、両レンズ面の位置測定を単一の位置の基準を用いて高精度に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、レンズ面の位置測定に要する労力、時間およびコストの軽減を図ることができるとともに、測定精度および量産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るレンズアレイの実施形態を示す断面図および部分拡大図
【図2】図1のレンズアレイの平面図
【図3】図1のレンズアレイの下面図
【図4】本発明に係るレンズアレイの変形例を示す平面図
【図5】図4の下面図
【図6】本発明に係るレンズエッジ検出方法の実施形態を示す概念図
【図7】従来のレンズアレイの一例を示す断面図
【図8】図7の平面図
【図9】図7の下面図
【図10】従来のレンズアレイにおけるレンズ面の位置測定方法を示す概念図
【図11】図10の位置測定方法における基準点の設定方法の一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0045】
(レンズアレイの実施形態)
以下、本発明に係るレンズアレイの実施形態について、従来との相違点を中心に図1〜図5を参照して説明する。
【0046】
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0047】
図1は、本実施形態におけるレンズアレイ20の断面図およびその部分拡大図である。また、図2は、図1の平面図であり、図3は、図1の下面図である。
【0048】
本実施形態におけるレンズアレイ20は、従来のレンズアレイ1とは異なり、第1レンズ面4および第2レンズ面6の位置測定の際における両レンズ面4、6の周端部の像の検出を、第1レンズ面4側からの検出作業のみによって行うことが可能に形成されている。
【0049】
すなわち、図1に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ20は、第1のレンズ面4の直径dが、この第1のレンズ面4に対応する第2のレンズ面6の直径Dよりも小さく形成されている。このような関係は、すべての第1のレンズ面4に成立している。そして、このことによって、透光性基材2における光の透過を介して、第2のレンズ面6の周端部の像を第1レンズ面4側から検出可能とされている。なお、Dの値を250μm、dの値を230μmとしてもよい。
【0050】
このような構成によれば、第1のレンズ面4の位置測定の際における位置の基準点(すなわち原点)さえ求めれておけば、この基準点を、第1のレンズ面4側から透光性基材2における光の透過を介して検出(撮像)可能な第2のレンズ面6の位置測定にそのまま適用することができる。なお、基準点の設定には、従来と同様に位置決め孔7(位置決め構造)の外形(特定形状)を利用すればよいが、本実施形態においては、第1のレンズ面14側の基準点の設定のみで済むため、位置決め孔7の第1の内周面端部の像のみを検出すれば足り、位置決め孔7の第2の内周面端部の像は要しない。
【0051】
したがって、従来のように、第1のレンズ面4の位置測定を行った後に第2のレンズ面6の位置測定に切り替える際のレンズアレイ1を反転させる手間や、第1のレンズ面4の位置測定時の基準点と異なる新たな基準点を第2のレンズ面6の位置測定のために別途算出する作業は要しなくなる。
【0052】
さらに、単一の基準点を用いて両レンズ面4、6の位置測定を行うことができるので、両レンズ面4、6の同軸精度の評価を適切に行うことができる。
【0053】
なお、本発明は、図1〜図3に示した12チャンネルのレンズアレイ20に限らず、例えば、図4および図5に示す24チャンネルのレンズアレイ21にも有効に適用することができる。なお、図4および図5に示すレンズアレイ21は、一連の12個のレンズ面4、6が二列並列配置された構成となっている。
【0054】
また、両レンズ面4、6は、一方のレンズ面4、6に入射した発散光を他方のレンズ面4、6から収束光として出射させるように形成されていてもよい。
【0055】
さらに、両レンズ面4、6の曲率半径は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0056】
さらにまた、第1のレンズ面4側からの検出作業によって第2のレンズ面6の周端部の像を適正に検出するためには、第2のレンズ面の周端部からの物体光が、第1のレンズ面4側に向かって透光性基板2を透過した上で、第1のレンズ面4側の出射位置から第1のレンズ面4の光軸方向と同方向に出射されることが望ましい。このような第2のレンズ面6の周端部からの物体光の出射位置を確保するためには、図1に示すように、互いに隣位する第1のレンズ面4同士の間隙部を、光軸方向に垂直な平坦面22に形成することが望ましい。
【0057】
(レンズエッジ検出方法の実施形態)
次に、本発明に係るレンズエッジ検出方法の実施形態について、図6を参照して説明する。
【0058】
本実施形態においては、まず、前述したようなレンズアレイ20(21)を形成する(第1のステップ)。
【0059】
そして、この後の本実施形態の各工程(ステップ)は、レンズ面4、6の位置測定における一工程として行う。
【0060】
すなわち、第1のステップの後には、図10(a)に示した場合と同様に、レンズアレイ20(21)を、その第1レンズ面4が測定機8(測定装置)の結像光学系としての対物レンズ11に臨むようにXYステージ10上に設置する(第2のステップ)。
【0061】
次いで、従来と同じ要領で、位置決め孔7の第1の内周面端部の検出像に基づいた基準点の設定を行う。
【0062】
次いで、レンズアレイ20(21)に対して、対物レンズ11を第1のレンズ面4の周端部上に合焦させて、第1のレンズ面4の周端部の像の検出を行う(第3のステップ)。この第3のステップにおける第1のレンズ面4の周端部の像の検出は、従来と同様に、この周端部上の複数の点を検出するための一連の検出作業として行う。
【0063】
次いで、従来と同じ要領で、第3のステップにおいて検出された第1のレンズ面4の周端部の像に基づいた第1のレンズ面4の中心点の座標の算出を行う。
【0064】
そして、従来と同様に、このような第1のレンズ面4の中心点の座標の算出をすべての第1のレンズ面4に対して行うことによって、第1のレンズ面4の位置測定が完了する。
【0065】
次いで、第2のレンズ面6の位置測定に移行するが、このとき、レンズアレイ20(21)を反転させてXYステージ10上に設置し直す必要もなく、また、位置の基準点を新たに設定し直す必要もない。
【0066】
すなわち、本実施形態においては、第2のレンズ面6の位置測定を開始した後に、まず、XYステージ10上に設置されているレンズアレイ20(21)に対して、対物レンズ11を透光性基材2における光の透過を介して第2のレンズ面6の周端部上に合焦させて、第2のレンズ面6の周端部の像の検出を行う(第4のステップ)。この第4のステップにおける第2のレンズ面6の周端部の像の検出は、この周端部上の複数の点を検出するための一連の検出作業として行う。
【0067】
次いで、第1のレンズ面4の場合と同じ要領で、第4のステップにおいて検出された第2のレンズ面6の周端部の像に基づいた第2のレンズ面6の中心点の座標の算出を行う。
【0068】
そして、このような第2のレンズ面6の中心点の座標の算出をすべての第2のレンズ面6に対して行うことによって、第2のレンズ面6の位置測定が完了する。
【0069】
以上述べたように、本実施形態によれば、第1のレンズ面4を第2のレンズ面6よりも小径に形成して、第2のレンズ面6の周端部の像を透光性基材2における光の透過を介して第1のレンズ面4側から検出可能としたことによって、第1レンズ面4および第2レンズ面6の位置を測定する際における両レンズ面4、6の周端部の像の検出を第1レンズ面4側からの検出作業のみによって行うことができる。これにより、第1のレンズ面4の位置測定の後に第2のレンズ面6の位置測定を行う際のレンズアレイ20(21)を反転させる手間を要しなくなり、また、両レンズ面4、6の位置測定を単一の位置の基準点を用いて高精度に行うことができるので、レンズ面4、6の位置測定に要する労力、時間およびコストの軽減を図ることができるとともに、測定精度および量産性の向上を図ることができる。
【0070】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0071】
例えば、本発明は、24チャンネルよりも更に多チャンネルのレンズアレイにも有効に適用することができる。
【0072】
また、本発明は、光導波路等の光ファイバ以外の光伝送体にも有効に適用することができる。
【0073】
さらに、本発明は、第1のレンズ面4側からの撮像によって位置の基準点を求めることさえ遵守すれば、その後に第1のレンズ面4の位置測定および第2のレンズ面6の位置測定のいずれを先に行ってもよい。
【0074】
さらにまた、光伝送体および光電変換装置の位置決めを、レンズアレイに形成されたアライメントマークを光学的に読み取って行う場合には、そのアライメントマークの外形を特定形状として採用して位置測定の基準点の設定に用いてもよい。
【符号の説明】
【0075】
2 透光性基材
3 上端面
4 第1のレンズ面
5 下端面
6 第2のレンズ面
20 レンズアレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、
前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面と
を備えたレンズアレイであって、
前記第1レンズ面および前記第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を前記第1レンズ面側からの検出作業のみによって行うことを可能とするために、前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径に形成され、前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部の像を前記第1レンズ面側から検出可能とされていること
を特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
前記透光性基材に、前記第1のレンズ面の位置を測定する際における位置の基準の設定に用いることが可能とされた特定形状が、前記第1のレンズ面側から検出可能に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ。
【請求項3】
前記特定形状は、前記一方の端面に取り付けられるべき光伝送体または光電変換装置の取り付けの際における位置決めを行うための位置決め構造の外形とされていること
を特徴とする請求項2に記載のレンズアレイ。
【請求項4】
前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面は、一方のレンズ面に入射した発散光を他方のレンズ面から収束光として出射させるように形成されていること
を特徴等する請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズアレイ。
【請求項5】
板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面とを備えたレンズアレイに対して、所定の測定装置を用いた前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面の位置の測定を行う際に、両レンズ面の周端部の像を前記測定装置によって検出するためのレンズエッジ検出方法であって、
前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径となるように前記レンズアレイを形成する第1のステップと、
この第1のステップによって形成された前記レンズアレイを、前記第1レンズ面が前記測定装置の結像光学系に臨むように前記測定装置における所定の設置位置上に設置する第2のステップと、
この第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記第1のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第1のレンズ面の周端部の像の検出を行う第3のステップと、
前記第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第2のレンズの周端部の像の検出を行う第4のステップと
を含むことを特徴とするレンズエッジ検出方法。
【請求項1】
板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、
前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面と
を備えたレンズアレイであって、
前記第1レンズ面および前記第2レンズ面の位置を測定する際における両レンズ面の周端部の像の検出を前記第1レンズ面側からの検出作業のみによって行うことを可能とするために、前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径に形成され、前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部の像を前記第1レンズ面側から検出可能とされていること
を特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
前記透光性基材に、前記第1のレンズ面の位置を測定する際における位置の基準の設定に用いることが可能とされた特定形状が、前記第1のレンズ面側から検出可能に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ。
【請求項3】
前記特定形状は、前記一方の端面に取り付けられるべき光伝送体または光電変換装置の取り付けの際における位置決めを行うための位置決め構造の外形とされていること
を特徴とする請求項2に記載のレンズアレイ。
【請求項4】
前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面は、一方のレンズ面に入射した発散光を他方のレンズ面から収束光として出射させるように形成されていること
を特徴等する請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズアレイ。
【請求項5】
板状の透光性基材の厚み方向における一方の端面に形成された円形の複数の第1のレンズ面と、前記透光性基材の厚み方向における他方の端面に、前記複数の第1のレンズ面とそれぞれ同軸状に形成された各第1のレンズ面にそれぞれ対応する円形の複数の第2のレンズ面とを備えたレンズアレイに対して、所定の測定装置を用いた前記第1のレンズ面および前記第2のレンズ面の位置の測定を行う際に、両レンズ面の周端部の像を前記測定装置によって検出するためのレンズエッジ検出方法であって、
前記第1のレンズ面が、これに対応する前記第2のレンズ面よりも小径となるように前記レンズアレイを形成する第1のステップと、
この第1のステップによって形成された前記レンズアレイを、前記第1レンズ面が前記測定装置の結像光学系に臨むように前記測定装置における所定の設置位置上に設置する第2のステップと、
この第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記第1のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第1のレンズ面の周端部の像の検出を行う第3のステップと、
前記第2のステップによって前記設置位置上に設置された前記レンズアレイに対して、前記結像光学系を前記透光性基材における光の透過を介して前記第2のレンズ面の周端部上に合焦させて前記第2のレンズの周端部の像の検出を行う第4のステップと
を含むことを特徴とするレンズエッジ検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−63377(P2012−63377A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205063(P2010−205063)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
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