レンズアレイ
【課題】凹形状のレンズ面のエッジを高精度に形成することができ、ひいては、レンズ面の位置測定の精度を向上させることができるレンズアレイを提供すること。
【解決手段】複数のレンズ面7の外周端部7aは、これらを一端とするとともに所定の面2上に形成された各外周端部7aにそれぞれ対向する複数の開口部2aを他端とした各レンズ面7ごとの筒状の段差面12を介して、所定の面2よりも面頂部側の位置に形成されていること。
【解決手段】複数のレンズ面7の外周端部7aは、これらを一端とするとともに所定の面2上に形成された各外周端部7aにそれぞれ対向する複数の開口部2aを他端とした各レンズ面7ごとの筒状の段差面12を介して、所定の面2よりも面頂部側の位置に形成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイに係り、特に、金型を用いた製造に好適なレンズアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信の高速化および通信デバイスの小型化のニーズを反映して、マルチチャンネルの光通信をコンパクトな構成で実現するのに有効な光学部品として、複数のレンズが並列配置されたレンズアレイの需要が益々高まりつつある。
【0003】
この種のレンズアレイは、複数の発光素子(例えば、VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と複数の光ファイバとを光学的に結合することによるマルチチャンネルの光送信や、複数の光ファイバと複数の受光素子(例えば、フォトディテクタ)とを光学的に結合することによるマルチチャンネルの光受信が可能とされていた。また、このような利用形態に止まらず、光導波路への適用等、レンズアレイの光通信の分野における有用性は今後も更に高まり、これにともなって、設計の自由度も更に広がると予想される。
【0004】
このようなレンズアレイは、凸形状のレンズ面を備えたものが多いが、得るべき光束形状や満たすべき光束径、製品寸法等によっては、凹形状のレンズ面が必要とされる場合もあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−121615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種のレンズアレイは、そのコンパクトな構成上、金型を用いた樹脂成形によって効率的かつ低コストに製造されることが主流とされており、このような傾向は今後も続くと予想される。
【0007】
しかるに、凹形状のレンズ面を備えたレンズアレイを金型を用いて製造する場合には、レンズ面の凹形状に起因して、次のような問題点が指摘されていた。
【0008】
すなわち、レンズアレイの製品検査においては、通常は、レンズ面のエッジ(外周端部)をレンズ面の撮像画像に基づいて目視確認することによって、レンズ面の位置を測定することが行われているが、この際に、金型を用いて成形された凹形状のレンズ面の場合には、エッジを正確に確認することができない場合があった。ここで、エッジの確認は、このエッジ上の複数の代表点(座標)に基づいたレンズ面の中心点(座標)の算出によるレンズ面の位置測定を行うために必要不可欠である。したがって、エッジを正確に確認することができない場合には、個々のレンズ面の位置の測定精度が悪くなるばかりでなく、各レンズ面同士で測定精度にばらつきが生じてしまい、レンズアレイの効率的な製造といった金型を用いることによる利点が著しく低減してしまう結果となっていた。
【0009】
このように、凹形状のレンズ面のエッジを正確に確認することができない理由は、凹形状のレンズ面を成形する金型の加工精度が悪く、エッジの成形自体を高精度に行うことができないからである。
【0010】
このことを、凸形状のレンズ面の場合と比較して説明すると、まず、図10(a)に示すように、レンズアレイ1として、これの所定の平面2上に複数の凸形状のレンズ面3が整列形成されたものを成形するためには、図10(b)に示すように、各レンズ面3の面形状に応じた(反転させた)凹形状の転写面3’と、平面2の転写面2’とを備えた金型4を用いることになる。このような金型4は、金型加工機によってバイト(刃)を用いて加工する際に、レンズ面3の転写面3’が凹形状であることによって、レンズ面3の転写面3’と平面2の転写面2’との境界線をバイトによって高精度に加工することができる。そして、この境界線は、成形品においてレンズ面3のエッジとなって現われることになる。図10(c)は、このような凸形状のレンズ面3の位置測定の際におけるCCDカメラ等によるレンズ面3の撮像結果を示す写真画像である。図10(c)に示すように、凸形状のレンズ面3は、エッジが鮮明であり、正確に視認できることが分かる。
【0011】
一方、図11(a)に示すように、レンズアレイ5として、これの所定の平面2上に複数の凹形状のレンズ面7が整列形成されたものを成形するためには、図11(b)に示すように、各レンズ面7の面形状に応じた凸形状の転写面7’と、平面2の転写面2’とを備えた金型8を用いることになる。このような金型8は、加工の際に、レンズ面7の転写面7’の凸形状が邪魔して、レンズ面7の転写面7’と平面2の転写面2’との境界部分を高精度に加工することができず、バイトの先端の形状を反映したR形状が形成されてしまう。図11(c)は、このような凹形状のレンズ面7の位置測定の際におけるレンズ面7の撮像結果を示す写真画像である。図11(c)に示すように、凹形状のレンズ面7は、エッジがぼやけていて、正確な視認が困難であることが分かる。
【0012】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、凹形状のレンズ面のエッジを高精度に形成することができ、ひいては、レンズ面の位置測定の精度を向上させることができるレンズアレイを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係るレンズアレイの特徴は、金型を用いて形成され、レンズアレイ本体における所定の面に、所定の整列方向に沿って整列するように形成された複数のレンズ面を備え、前記複数のレンズ面は、外周端部よりも面頂部が前記所定の面から離間されるようにして前記所定の面に対して凹入された凹形状のレンズ面とされたレンズアレイであって、前記複数のレンズ面の前記外周端部は、これらを一端とするとともに前記所定の面上に形成された各外周端部にそれぞれ対向する複数の開口部を他端とした各レンズ面ごとの筒状の段差面を介して、前記所定の面よりも前記面頂部側の位置に形成されている点にある。
【0014】
そして、この請求項1に係る発明によれば、凹形状のレンズ面の外周端部を段差面を介して所定の面よりも面頂側に位置させることによって、金型加工時に、外周端部の転写部を、所定の面の転写面よりも突出させた状態でバイトを用いて高精度に加工することができるので、外周端部を高精度に成形することが可能となる。この結果、レンズ面の位置測定の際には、外周端部を正確に確認することができるので、位置測定を高精度に行うことが可能となる。
【0015】
また、請求項2に係るレンズアレイの特徴は、請求項1において、更に、前記複数のレンズ面の外周端部は、前記所定の面から互いに同一の距離だけ前記面頂部側にずれた位置に形成されている点にある。
【0016】
そして、この請求項2に係る発明によれば、レンズ面の外周端部の所定の面からのずれ量を各レンズ面同士で統一することができるので、レンズ面の位置測定を効率的に行うことが可能となる。
【0017】
さらに、請求項3に係るレンズアレイの特徴は、請求項1または2において、更に、前記各レンズ面ごとの段差面における前記開口部には、前記金型の加工に用いたバイトの先端部の形状を反映したR形状が形成されている点にある。
【0018】
そして、この請求項3に係る発明によれば、金型加工上回避が困難なR形状を、外周端部の確認の際に開口部との混同を防止する手段として活用することができるので、レンズ面の位置測定をさらに効率的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、凹形状のレンズ面のエッジを高精度に形成することができ、ひいては、レンズ面の位置の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るレンズアレイの実施形態において、(a)は、レンズアレイの概略構成図であり、(b)は、(a)に対応する金型の概略構成図である。
【図2】本発明に係るレンズアレイの実施形態において、変形例を示す要部拡大図
【図3】本発明に係るレンズアレイの第1実施例を示す上方側斜視図
【図4】図3の下方側斜視図
【図5】図3のレンズアレイによって実現される光路の一例を示す模式図
【図6】第1実施例の比較例を示す模式図
【図7】本発明に係るレンズアレイの第2実施例を示す断面図
【図8】図7のレンズアレイによって実現される光路の一例を示す模式図
【図9】第2実施例の比較例を示す模式図
【図10】(a)は、凸形状のレンズ面を備えたレンズアレイの概略構成図であり、(b)は、(a)に対応する金型の概略構成図であり、(c)は、(a)のレンズ面の撮像画像である。
【図11】従来の凹形状のレンズ面を備えたレンズアレイの問題点を説明するための説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るレンズアレイの実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
【0022】
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0023】
本実施形態におけるレンズアレイは、樹脂材料の射出成形法等の金型を用いた製造方法によって製造されるようになっている。樹脂材料としては、ポリエーテルイミドや環状オレフィン樹脂等を適宜選択することができる。
【0024】
図1(a)に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ11は、レンズアレイ11(レンズアレイ本体)における所定の面としての平面2に、所定の整列方向(図1における横方向)に沿って整列するように形成された互いに同一寸法の平面円形状の複数のレンズ面7を備えている。各レンズ面7は、図11(a)において示した従来のものと同様に、外周端部7a(エッジ)よりも面頂部(レンズ面7の光軸OAとの交点)が平面2から離間されるようにして平面2に対して面法線方向(換言すれば、光軸OA方向)に凹入された凹形状のレンズ面(凹レンズ面)とされている。
【0025】
ただし、本実施形態におけるレンズ面7は、従来とは異なり、各レンズ面7の外周端部7aが、平面2よりも面頂部側の位置に形成されている。より具体的には、図1(a)に示すように、各レンズ面7と平面2との間には、光軸OA方向に所定の厚みを有する筒状の段差面12が、各レンズ面7ごとにそれぞれ介在されている。各段差面12は、各レンズ面7の外周端部7aを一端とするとともに、平面2上に各外周端部7aに対向するように形成された複数の円形の開口部2aを他端としている。このようにして、各レンズ面7の外周端部7aは、段差面12を介して平面2よりも面頂部側に位置されている。
【0026】
このようなレンズアレイ11を成形するためには、図1(b)に示すように、各レンズ面7の面形状に応じた(反転させた)凸形状の転写面7’と、平面2の転写面2’とに加えて、段差面12の転写面12’を備えた金型14を用いる。このような金型14は、金型加工機によってバイトを用いて加工する際に、レンズ面7の転写面7’が図11(b)に示した従来の金型8のように凸形状であるものの、この転写面7’の端部と平面2の転写面2’との境界部分が、従来のように平面2の転写面2’と同一平面上にあるのではなく、平面2の転写面2’よりも突出した位置にある。このような金型14は、隣接するレンズ面7の転写面7’同士の間に凹部があることと同様であるので、図10(b)に示した凸形状のレンズ面3の転写面3’(凹部)を形成する場合と同様に、凹部の端部に相当するレンズ面7の転写面7’と段差面12の転写面12’との境界線をバイトを用いて高精度に加工することができる。なお、このような金型14の加工には、レンズ面7の転写面7’の加工と、平面2の転写面2’の加工と、段差面12の転写面12’の加工とを、ワンチャックで同時加工(同一工程加工)することが可能な金型加工機を用いることが望ましい。このような金型加工機としては、例えば、旋盤加工機やフライス加工機を用いてもよい。
【0027】
このようにして、本実施形態によればレンズ面7の転写面7’と段差面12の転写面12’との境界線すなわちレンズ面7の外周端部の転写部を高精度に加工することができるので、凹形状のレンズ面7の外周端部7aを金型14を用いて高精度に成形することが可能となる。したがって、レンズ面7の位置測定の際には、レンズ面7の外周端部7aを正確に確認することができるので、位置測定を高精度に行うことができる。
【0028】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、各レンズ面7の外周端部7aは、平面2から互いに同一の距離だけ面頂部側にずれた位置に形成されている。換言すれば、各レンズ面7ごとの段差面12の厚みは互いに同一とされている。
【0029】
そして、このような構成によれば、レンズ面7の外周端部7aの平面2からのずれ量を各レンズ面7同士で統一することができるので、レンズ面7の位置測定を効率的に行うことが可能となる。
【0030】
また、各レンズ面7ごとの段差面12における開口部2aには、図2に示すように、金型14の加工に用いたバイトの先端部の形状を反映したR形状(同図における符号R)が形成されていてもよい。このように構成すれば、金型加工上回避が困難な形状を成形品の形状として許容できるばかりでなく、開口部2aがシャープなエッジに形成されると仮定した場合に比べて、開口部2aとレンズ面7の外周端部7aとが混同されることを確実に防止することができるので、レンズ面7の位置測定を更に効率的に行うことが可能となる。
【0031】
さらに、各レンズ面7は、球面であってもよいし、または、非球面であってもよい。また、段差面12は、設計の容易性を考慮して円筒形状に形成してもよいし、または、金型からの離型性を考慮して、外周端部7a側から開口部2a側に向かって内径が漸増する円錐面(テーパ面)状に形成してもよい。
【実施例1】
【0032】
次に、図3は、本実施形態のレンズアレイ11の第1実施例を示す斜視図であり、図4は、図3の上下を反転させた斜視図である。図3に示すように、本実施例におけるレンズアレイ11は、全体形状が上下に所定の厚みを有する平面長方形状の板状に形成されており、凹形状のレンズ面7が形成された平面2が、レンズアレイ11の上端面11aよりも凹入された上端面11aと平行な凹入面に形成されている。また、平面2に対してレンズ面7の整列方向における両外側位置には、一対の円形の貫通孔15が穿設されている。これらの貫通孔15は、例えば、レンズアレイ11に光電変換装置(VCSELやフォトディテクタ等)や光伝送体(光ファイバや光導波路等)を取り付ける際に、光電変換装置/光伝送体側に配設されたピンを挿入させることによって、光電変換装置/光伝送体の位置決めに用いられるようになっている。
【0033】
一方、図4に示すように、レンズアレイ11の下端面11bには、各凹形状のレンズ面7にそれぞれ対応する同数の凸形状のレンズ面3が整列形成されている。これらの凸形状のレンズ面3は、レンズアレイ11の下端面11bよりも凹入された平面16上に形成されている。
【0034】
このような本実施例におけるレンズアレイ11は、例えば、図5の模式図に示すように、凹形状のレンズ面(非球面)7を光の入射側、凸形状のレンズ面(非球面)3を光の出射側とした上で、出射側においてΦ0.25mmのコリメート光を得るために用いることができる。具体的には、このような光束径のコリメート光は、凹形状のレンズ面7に対して光軸OA上における0.15mmの位置をレンズ面7に向けた光の出射位置に設定し、また、凹形状のレンズ面7の有効径をΦ0.06mmに設定し、さらに、凸形状のレンズ面3の有効径をΦ0.25mmに設定し、さらにまた、レンズアレイ11内部における中心光の光路長(レンズ中心厚)を0.4mmに設定することによって実現することができる。なお、光の出射位置には、例えば、VCSELの発光点や光ファイバの端面等が配置されてもよい。また、コリメート光は、例えば、光導波路によって受光されるようにしてもよい。
【0035】
一方、図6に示すように、図5のレンズアレイ11と同一の光束径のコリメート光を、平凸のレンズアレイ17によって得ようとする場合には、入射側の平レンズ面18に対して光軸上における0.32mmの位置に、平レンズ面18に向けた光の出射位置を設定し、また、レンズアレイ17内部における中心光の光路長を0.5mmに設定することが必要となる。
【0036】
このようなことから、凹レンズ面7を用いる場合には、所望の光束径のコリメート光を得ようとする場合における装置の光路長の短縮化およびレンズ厚の薄型化に有利であると言える。
【実施例2】
【0037】
次に、図7は、本実施形態のレンズアレイ11の第2実施例を示す断面図である。図7に示すように、本実施例におけるレンズアレイ11は、凹形状のレンズ面7が形成された平面2が、レンズアレイ11の前端面11Aよりも凹入された前端面11Aと平行な凹入面に形成されている。また、レンズアレイ11の下端面11Bには、第1実施例と同様の複数の凸形状のレンズ面3が整列形成されている。本実施例においては、各凹形状のレンズ面7と各凸形状のレンズ面3との間に、これらを結ぶ光路を形成するための全反射面19が形成されている。この全反射面19は、凹形状のレンズ面7上における光軸OAおよび凸形状のレンズ面3上における光軸OAの双方に対して45°の角度をなしている。
【0038】
このような本実施例におけるレンズアレイ11は、例えば、図8に示すように、凹形状のレンズ面(非球面)7を光の入射側、凸形状のレンズ面(非球面)3を光の出射側とした上で、出射側においてΦ0.25mmのコリメート光を得るために用いることができる。具体的には、このような光束径のコリメート光は、凹形状のレンズ面7に対して光軸OA上における0.1mmの位置をレンズ面7に向けた光の出射位置に設定し、また、凹形状のレンズ面7の有効径をΦ0.04mmに設定し、さらに、凸形状のレンズ面3の有効径をΦ0.25mmに設定し、さらにまた、レンズアレイ11内部における中心光の光路長を0.85mmに設定することによって実現することができる。
【0039】
一方、図9に示すように、図5のレンズアレイ11と同一の光束径のコリメート光を、平凸のレンズアレイ20によって得ようとする場合には、入射側の平レンズ面18に対して光軸上における0.18mmの位置をレンズ面18に向けた光の出射位置に設定することが必要となる。
【0040】
このようなことから、本実施例においても、、凹レンズ面7を用いる場合には、所望の光束径のコリメート光を得ようとする場合における装置の光路長の短縮化に有利であると言える。
【0041】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。例えば、実施例において説明した具体的な数値は、一例に過ぎないものであり、これ以外にも、コンセプトに応じた種々の好適な数値を選択してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
2 平面
2a 開口部
7 レンズ面
7a 外周端部
11レンズアレイ
12段差面
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイに係り、特に、金型を用いた製造に好適なレンズアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信の高速化および通信デバイスの小型化のニーズを反映して、マルチチャンネルの光通信をコンパクトな構成で実現するのに有効な光学部品として、複数のレンズが並列配置されたレンズアレイの需要が益々高まりつつある。
【0003】
この種のレンズアレイは、複数の発光素子(例えば、VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と複数の光ファイバとを光学的に結合することによるマルチチャンネルの光送信や、複数の光ファイバと複数の受光素子(例えば、フォトディテクタ)とを光学的に結合することによるマルチチャンネルの光受信が可能とされていた。また、このような利用形態に止まらず、光導波路への適用等、レンズアレイの光通信の分野における有用性は今後も更に高まり、これにともなって、設計の自由度も更に広がると予想される。
【0004】
このようなレンズアレイは、凸形状のレンズ面を備えたものが多いが、得るべき光束形状や満たすべき光束径、製品寸法等によっては、凹形状のレンズ面が必要とされる場合もあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−121615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種のレンズアレイは、そのコンパクトな構成上、金型を用いた樹脂成形によって効率的かつ低コストに製造されることが主流とされており、このような傾向は今後も続くと予想される。
【0007】
しかるに、凹形状のレンズ面を備えたレンズアレイを金型を用いて製造する場合には、レンズ面の凹形状に起因して、次のような問題点が指摘されていた。
【0008】
すなわち、レンズアレイの製品検査においては、通常は、レンズ面のエッジ(外周端部)をレンズ面の撮像画像に基づいて目視確認することによって、レンズ面の位置を測定することが行われているが、この際に、金型を用いて成形された凹形状のレンズ面の場合には、エッジを正確に確認することができない場合があった。ここで、エッジの確認は、このエッジ上の複数の代表点(座標)に基づいたレンズ面の中心点(座標)の算出によるレンズ面の位置測定を行うために必要不可欠である。したがって、エッジを正確に確認することができない場合には、個々のレンズ面の位置の測定精度が悪くなるばかりでなく、各レンズ面同士で測定精度にばらつきが生じてしまい、レンズアレイの効率的な製造といった金型を用いることによる利点が著しく低減してしまう結果となっていた。
【0009】
このように、凹形状のレンズ面のエッジを正確に確認することができない理由は、凹形状のレンズ面を成形する金型の加工精度が悪く、エッジの成形自体を高精度に行うことができないからである。
【0010】
このことを、凸形状のレンズ面の場合と比較して説明すると、まず、図10(a)に示すように、レンズアレイ1として、これの所定の平面2上に複数の凸形状のレンズ面3が整列形成されたものを成形するためには、図10(b)に示すように、各レンズ面3の面形状に応じた(反転させた)凹形状の転写面3’と、平面2の転写面2’とを備えた金型4を用いることになる。このような金型4は、金型加工機によってバイト(刃)を用いて加工する際に、レンズ面3の転写面3’が凹形状であることによって、レンズ面3の転写面3’と平面2の転写面2’との境界線をバイトによって高精度に加工することができる。そして、この境界線は、成形品においてレンズ面3のエッジとなって現われることになる。図10(c)は、このような凸形状のレンズ面3の位置測定の際におけるCCDカメラ等によるレンズ面3の撮像結果を示す写真画像である。図10(c)に示すように、凸形状のレンズ面3は、エッジが鮮明であり、正確に視認できることが分かる。
【0011】
一方、図11(a)に示すように、レンズアレイ5として、これの所定の平面2上に複数の凹形状のレンズ面7が整列形成されたものを成形するためには、図11(b)に示すように、各レンズ面7の面形状に応じた凸形状の転写面7’と、平面2の転写面2’とを備えた金型8を用いることになる。このような金型8は、加工の際に、レンズ面7の転写面7’の凸形状が邪魔して、レンズ面7の転写面7’と平面2の転写面2’との境界部分を高精度に加工することができず、バイトの先端の形状を反映したR形状が形成されてしまう。図11(c)は、このような凹形状のレンズ面7の位置測定の際におけるレンズ面7の撮像結果を示す写真画像である。図11(c)に示すように、凹形状のレンズ面7は、エッジがぼやけていて、正確な視認が困難であることが分かる。
【0012】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、凹形状のレンズ面のエッジを高精度に形成することができ、ひいては、レンズ面の位置測定の精度を向上させることができるレンズアレイを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係るレンズアレイの特徴は、金型を用いて形成され、レンズアレイ本体における所定の面に、所定の整列方向に沿って整列するように形成された複数のレンズ面を備え、前記複数のレンズ面は、外周端部よりも面頂部が前記所定の面から離間されるようにして前記所定の面に対して凹入された凹形状のレンズ面とされたレンズアレイであって、前記複数のレンズ面の前記外周端部は、これらを一端とするとともに前記所定の面上に形成された各外周端部にそれぞれ対向する複数の開口部を他端とした各レンズ面ごとの筒状の段差面を介して、前記所定の面よりも前記面頂部側の位置に形成されている点にある。
【0014】
そして、この請求項1に係る発明によれば、凹形状のレンズ面の外周端部を段差面を介して所定の面よりも面頂側に位置させることによって、金型加工時に、外周端部の転写部を、所定の面の転写面よりも突出させた状態でバイトを用いて高精度に加工することができるので、外周端部を高精度に成形することが可能となる。この結果、レンズ面の位置測定の際には、外周端部を正確に確認することができるので、位置測定を高精度に行うことが可能となる。
【0015】
また、請求項2に係るレンズアレイの特徴は、請求項1において、更に、前記複数のレンズ面の外周端部は、前記所定の面から互いに同一の距離だけ前記面頂部側にずれた位置に形成されている点にある。
【0016】
そして、この請求項2に係る発明によれば、レンズ面の外周端部の所定の面からのずれ量を各レンズ面同士で統一することができるので、レンズ面の位置測定を効率的に行うことが可能となる。
【0017】
さらに、請求項3に係るレンズアレイの特徴は、請求項1または2において、更に、前記各レンズ面ごとの段差面における前記開口部には、前記金型の加工に用いたバイトの先端部の形状を反映したR形状が形成されている点にある。
【0018】
そして、この請求項3に係る発明によれば、金型加工上回避が困難なR形状を、外周端部の確認の際に開口部との混同を防止する手段として活用することができるので、レンズ面の位置測定をさらに効率的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、凹形状のレンズ面のエッジを高精度に形成することができ、ひいては、レンズ面の位置の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るレンズアレイの実施形態において、(a)は、レンズアレイの概略構成図であり、(b)は、(a)に対応する金型の概略構成図である。
【図2】本発明に係るレンズアレイの実施形態において、変形例を示す要部拡大図
【図3】本発明に係るレンズアレイの第1実施例を示す上方側斜視図
【図4】図3の下方側斜視図
【図5】図3のレンズアレイによって実現される光路の一例を示す模式図
【図6】第1実施例の比較例を示す模式図
【図7】本発明に係るレンズアレイの第2実施例を示す断面図
【図8】図7のレンズアレイによって実現される光路の一例を示す模式図
【図9】第2実施例の比較例を示す模式図
【図10】(a)は、凸形状のレンズ面を備えたレンズアレイの概略構成図であり、(b)は、(a)に対応する金型の概略構成図であり、(c)は、(a)のレンズ面の撮像画像である。
【図11】従来の凹形状のレンズ面を備えたレンズアレイの問題点を説明するための説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るレンズアレイの実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
【0022】
なお、従来と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0023】
本実施形態におけるレンズアレイは、樹脂材料の射出成形法等の金型を用いた製造方法によって製造されるようになっている。樹脂材料としては、ポリエーテルイミドや環状オレフィン樹脂等を適宜選択することができる。
【0024】
図1(a)に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ11は、レンズアレイ11(レンズアレイ本体)における所定の面としての平面2に、所定の整列方向(図1における横方向)に沿って整列するように形成された互いに同一寸法の平面円形状の複数のレンズ面7を備えている。各レンズ面7は、図11(a)において示した従来のものと同様に、外周端部7a(エッジ)よりも面頂部(レンズ面7の光軸OAとの交点)が平面2から離間されるようにして平面2に対して面法線方向(換言すれば、光軸OA方向)に凹入された凹形状のレンズ面(凹レンズ面)とされている。
【0025】
ただし、本実施形態におけるレンズ面7は、従来とは異なり、各レンズ面7の外周端部7aが、平面2よりも面頂部側の位置に形成されている。より具体的には、図1(a)に示すように、各レンズ面7と平面2との間には、光軸OA方向に所定の厚みを有する筒状の段差面12が、各レンズ面7ごとにそれぞれ介在されている。各段差面12は、各レンズ面7の外周端部7aを一端とするとともに、平面2上に各外周端部7aに対向するように形成された複数の円形の開口部2aを他端としている。このようにして、各レンズ面7の外周端部7aは、段差面12を介して平面2よりも面頂部側に位置されている。
【0026】
このようなレンズアレイ11を成形するためには、図1(b)に示すように、各レンズ面7の面形状に応じた(反転させた)凸形状の転写面7’と、平面2の転写面2’とに加えて、段差面12の転写面12’を備えた金型14を用いる。このような金型14は、金型加工機によってバイトを用いて加工する際に、レンズ面7の転写面7’が図11(b)に示した従来の金型8のように凸形状であるものの、この転写面7’の端部と平面2の転写面2’との境界部分が、従来のように平面2の転写面2’と同一平面上にあるのではなく、平面2の転写面2’よりも突出した位置にある。このような金型14は、隣接するレンズ面7の転写面7’同士の間に凹部があることと同様であるので、図10(b)に示した凸形状のレンズ面3の転写面3’(凹部)を形成する場合と同様に、凹部の端部に相当するレンズ面7の転写面7’と段差面12の転写面12’との境界線をバイトを用いて高精度に加工することができる。なお、このような金型14の加工には、レンズ面7の転写面7’の加工と、平面2の転写面2’の加工と、段差面12の転写面12’の加工とを、ワンチャックで同時加工(同一工程加工)することが可能な金型加工機を用いることが望ましい。このような金型加工機としては、例えば、旋盤加工機やフライス加工機を用いてもよい。
【0027】
このようにして、本実施形態によればレンズ面7の転写面7’と段差面12の転写面12’との境界線すなわちレンズ面7の外周端部の転写部を高精度に加工することができるので、凹形状のレンズ面7の外周端部7aを金型14を用いて高精度に成形することが可能となる。したがって、レンズ面7の位置測定の際には、レンズ面7の外周端部7aを正確に確認することができるので、位置測定を高精度に行うことができる。
【0028】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、各レンズ面7の外周端部7aは、平面2から互いに同一の距離だけ面頂部側にずれた位置に形成されている。換言すれば、各レンズ面7ごとの段差面12の厚みは互いに同一とされている。
【0029】
そして、このような構成によれば、レンズ面7の外周端部7aの平面2からのずれ量を各レンズ面7同士で統一することができるので、レンズ面7の位置測定を効率的に行うことが可能となる。
【0030】
また、各レンズ面7ごとの段差面12における開口部2aには、図2に示すように、金型14の加工に用いたバイトの先端部の形状を反映したR形状(同図における符号R)が形成されていてもよい。このように構成すれば、金型加工上回避が困難な形状を成形品の形状として許容できるばかりでなく、開口部2aがシャープなエッジに形成されると仮定した場合に比べて、開口部2aとレンズ面7の外周端部7aとが混同されることを確実に防止することができるので、レンズ面7の位置測定を更に効率的に行うことが可能となる。
【0031】
さらに、各レンズ面7は、球面であってもよいし、または、非球面であってもよい。また、段差面12は、設計の容易性を考慮して円筒形状に形成してもよいし、または、金型からの離型性を考慮して、外周端部7a側から開口部2a側に向かって内径が漸増する円錐面(テーパ面)状に形成してもよい。
【実施例1】
【0032】
次に、図3は、本実施形態のレンズアレイ11の第1実施例を示す斜視図であり、図4は、図3の上下を反転させた斜視図である。図3に示すように、本実施例におけるレンズアレイ11は、全体形状が上下に所定の厚みを有する平面長方形状の板状に形成されており、凹形状のレンズ面7が形成された平面2が、レンズアレイ11の上端面11aよりも凹入された上端面11aと平行な凹入面に形成されている。また、平面2に対してレンズ面7の整列方向における両外側位置には、一対の円形の貫通孔15が穿設されている。これらの貫通孔15は、例えば、レンズアレイ11に光電変換装置(VCSELやフォトディテクタ等)や光伝送体(光ファイバや光導波路等)を取り付ける際に、光電変換装置/光伝送体側に配設されたピンを挿入させることによって、光電変換装置/光伝送体の位置決めに用いられるようになっている。
【0033】
一方、図4に示すように、レンズアレイ11の下端面11bには、各凹形状のレンズ面7にそれぞれ対応する同数の凸形状のレンズ面3が整列形成されている。これらの凸形状のレンズ面3は、レンズアレイ11の下端面11bよりも凹入された平面16上に形成されている。
【0034】
このような本実施例におけるレンズアレイ11は、例えば、図5の模式図に示すように、凹形状のレンズ面(非球面)7を光の入射側、凸形状のレンズ面(非球面)3を光の出射側とした上で、出射側においてΦ0.25mmのコリメート光を得るために用いることができる。具体的には、このような光束径のコリメート光は、凹形状のレンズ面7に対して光軸OA上における0.15mmの位置をレンズ面7に向けた光の出射位置に設定し、また、凹形状のレンズ面7の有効径をΦ0.06mmに設定し、さらに、凸形状のレンズ面3の有効径をΦ0.25mmに設定し、さらにまた、レンズアレイ11内部における中心光の光路長(レンズ中心厚)を0.4mmに設定することによって実現することができる。なお、光の出射位置には、例えば、VCSELの発光点や光ファイバの端面等が配置されてもよい。また、コリメート光は、例えば、光導波路によって受光されるようにしてもよい。
【0035】
一方、図6に示すように、図5のレンズアレイ11と同一の光束径のコリメート光を、平凸のレンズアレイ17によって得ようとする場合には、入射側の平レンズ面18に対して光軸上における0.32mmの位置に、平レンズ面18に向けた光の出射位置を設定し、また、レンズアレイ17内部における中心光の光路長を0.5mmに設定することが必要となる。
【0036】
このようなことから、凹レンズ面7を用いる場合には、所望の光束径のコリメート光を得ようとする場合における装置の光路長の短縮化およびレンズ厚の薄型化に有利であると言える。
【実施例2】
【0037】
次に、図7は、本実施形態のレンズアレイ11の第2実施例を示す断面図である。図7に示すように、本実施例におけるレンズアレイ11は、凹形状のレンズ面7が形成された平面2が、レンズアレイ11の前端面11Aよりも凹入された前端面11Aと平行な凹入面に形成されている。また、レンズアレイ11の下端面11Bには、第1実施例と同様の複数の凸形状のレンズ面3が整列形成されている。本実施例においては、各凹形状のレンズ面7と各凸形状のレンズ面3との間に、これらを結ぶ光路を形成するための全反射面19が形成されている。この全反射面19は、凹形状のレンズ面7上における光軸OAおよび凸形状のレンズ面3上における光軸OAの双方に対して45°の角度をなしている。
【0038】
このような本実施例におけるレンズアレイ11は、例えば、図8に示すように、凹形状のレンズ面(非球面)7を光の入射側、凸形状のレンズ面(非球面)3を光の出射側とした上で、出射側においてΦ0.25mmのコリメート光を得るために用いることができる。具体的には、このような光束径のコリメート光は、凹形状のレンズ面7に対して光軸OA上における0.1mmの位置をレンズ面7に向けた光の出射位置に設定し、また、凹形状のレンズ面7の有効径をΦ0.04mmに設定し、さらに、凸形状のレンズ面3の有効径をΦ0.25mmに設定し、さらにまた、レンズアレイ11内部における中心光の光路長を0.85mmに設定することによって実現することができる。
【0039】
一方、図9に示すように、図5のレンズアレイ11と同一の光束径のコリメート光を、平凸のレンズアレイ20によって得ようとする場合には、入射側の平レンズ面18に対して光軸上における0.18mmの位置をレンズ面18に向けた光の出射位置に設定することが必要となる。
【0040】
このようなことから、本実施例においても、、凹レンズ面7を用いる場合には、所望の光束径のコリメート光を得ようとする場合における装置の光路長の短縮化に有利であると言える。
【0041】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。例えば、実施例において説明した具体的な数値は、一例に過ぎないものであり、これ以外にも、コンセプトに応じた種々の好適な数値を選択してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
2 平面
2a 開口部
7 レンズ面
7a 外周端部
11レンズアレイ
12段差面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を用いて形成され、レンズアレイ本体における所定の面に、所定の整列方向に沿って整列するように形成された複数のレンズ面を備え、
前記複数のレンズ面は、外周端部よりも面頂部が前記所定の面から離間されるようにして前記所定の面に対して凹入された凹形状のレンズ面とされたレンズアレイであって、
前記複数のレンズ面の前記外周端部は、これらを一端とするとともに前記所定の面上に形成された各外周端部にそれぞれ対向する複数の開口部を他端とした各レンズ面ごとの筒状の段差面を介して、前記所定の面よりも前記面頂部側の位置に形成されていること
を特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
前記複数のレンズ面の外周端部は、前記所定の面から互いに同一の距離だけ前記面頂部側にずれた位置に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ。
【請求項3】
前記各レンズ面ごとの段差面における前記開口部には、前記金型の加工に用いたバイトの先端部の形状を反映したR形状が形成されていること
を特徴とする請求項1または2に記載のレンズアレイ。
【請求項1】
金型を用いて形成され、レンズアレイ本体における所定の面に、所定の整列方向に沿って整列するように形成された複数のレンズ面を備え、
前記複数のレンズ面は、外周端部よりも面頂部が前記所定の面から離間されるようにして前記所定の面に対して凹入された凹形状のレンズ面とされたレンズアレイであって、
前記複数のレンズ面の前記外周端部は、これらを一端とするとともに前記所定の面上に形成された各外周端部にそれぞれ対向する複数の開口部を他端とした各レンズ面ごとの筒状の段差面を介して、前記所定の面よりも前記面頂部側の位置に形成されていること
を特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
前記複数のレンズ面の外周端部は、前記所定の面から互いに同一の距離だけ前記面頂部側にずれた位置に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ。
【請求項3】
前記各レンズ面ごとの段差面における前記開口部には、前記金型の加工に用いたバイトの先端部の形状を反映したR形状が形成されていること
を特徴とする請求項1または2に記載のレンズアレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−194455(P2012−194455A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59516(P2011−59516)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
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