説明

レンズ支持枠

【課題】接着剤を利用して前後のレンズを確実に固定可能でありながら、前後のレンズ間への微小ゴミの進入を効果的に抑制でき、しかも前後のレンズ間でのガスの滞留を防止できるレンズ支持枠を提供する。
【解決手段】環状の本体部14の軸線方向の一方の端面が開放した大径レンズ保持溝15と、一方側の端部が開放した大径レンズ保持溝より小径の小径レンズ保持溝16と、大径レンズ保持溝の内周面に凹設した、大径レンズL1の外周面に塗布する接着剤を注入可能な大径溝側接着用凹部19と、小径レンズ保持溝の内周面に凹設した、小径レンズL2の外周面に塗布する接着剤を注入可能な小径溝側接着用凹部20と、を備え、上記軸線方向に見たときの大径溝側接着用凹部と小径溝側接着用凹部の周方向位置を互いにずらした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ等の光学機器等に搭載可能なレンズ支持枠に関する。
【背景技術】
【0002】
図7、図8はコンパクトデジタルカメラのレンズ鏡筒の一部品であるレンズ支持枠100と、レンズ支持枠100の内部に固定した3枚のレンズ(第1レンズ107、第2レンズ108、第3レンズ109)を図示している。
レンズ支持枠100の内周面には環状溝である第1レンズ保持溝101、第2レンズ保持溝102、及び、第3レンズ保持溝103が前後に並べて凹設してある。第1レンズ保持溝101は第2レンズ保持溝102より大径であり、第1レンズ保持溝101及び第2レンズ保持溝102の前端は共に開放している。第3レンズ保持溝103は第2レンズ保持溝102より小径であり、その後端は開放している。
【0003】
第1レンズ保持溝101の内周面には3つの正面視円弧形をなす調芯用凹部104が、周方向に等角度間隔で、外周側に向かう凹部として形成してある(図7の矢印Aが調芯用凹部104の形成領域)。各調芯用凹部104の前端は開放しており、後端は閉じている。
さらに第1レンズ保持溝101の内周面には、3つの正面視円弧形をなす第1接着用凹部105が外周側に向かう凹部として形成してある。第1接着用凹部105は周方向に等角度間隔で形成してあり(図7の矢印Bが第1接着用凹部105の形成領域)、その周方向位置は調芯用凹部104とずれている。各第1接着用凹部105の前端は開放しており、後端は閉じている。
第2レンズ保持溝102の内周面には3つの正面視円弧形をなす第2接着用凹部106が、外周側に向かう凹部として周方向に等角度間隔で形成してある(図7の矢印Cが第2接着用凹部106の形成領域)。各第2接着用凹部106の前端は開放しており、後端は閉じている。図示するように各第2接着用凹部106は各第1接着用凹部105の直後に位置している(正面視に見たときの周方向位置が各第1接着用凹部105と一致している)。
【0004】
第2レンズ保持溝102と略同径の第2レンズ108は、その外周部を前方から第2レンズ保持溝102内に位置させた後に、各第2接着用凹部106に前方(第2接着用凹部106の前端開放部)から接着剤を注入し、第2レンズ108の外周面と第2接着用凹部106の内面とに付着した接着剤を固化させることにより第2レンズ保持溝102に固定してある。
第1レンズ保持溝101と略同径の第1レンズ107は、第2レンズ108を第2レンズ保持溝102に固定した後に、第1レンズ保持溝101に固定してある。即ち、第1レンズ107の外周部を前方から第1レンズ保持溝101内に位置させた後に、前方(調芯用凹部104の前端開放部)から調芯用凹部104に挿入した調芯用工具(図示略)によって第1レンズ107の調芯作業を行った後に、各第1接着用凹部105に前方(第1接着用凹部105の前端開放部)から接着剤を注入し、第1レンズ107の外周面と第1接着用凹部105の内面とに付着した接着剤を固化させることにより第1レンズ107を第1レンズ保持溝101に固定してある。
第3レンズ保持溝103と略同径の第3レンズ109は、その外周部を後方から第3レンズ保持溝103内に位置させた後に、第3レンズ保持溝103の周縁部を第3レンズ109の外周部に対して熱カシメすることにより、第3レンズ保持溝103に固定してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3442507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、各第1接着用凹部105と各第2接着用凹部106への接着剤の注入量は、第1接着用凹部105と第2接着用凹部106の全体が接着剤によって満たされる程大量ではなく、第1接着用凹部105と第2接着用凹部106の一部の空間のみが満たされる程度の量(少量)である。従って、接着剤が固化した後においても各第1接着用凹部105と各第2接着用凹部106の一部には空間が残されたままとなる。
そのためレンズ支持枠100のように各第2接着用凹部106を各第1接着用凹部105の直後に位置させている場合は、第1レンズ107の前方から各第1接着用凹部105を通して第1レンズ保持溝101に進入した微小なゴミ(塵や埃など)が、各第1接着用凹部105の直後に位置する各第2接着用凹部106を通って第1レンズ107の後面と第2レンズ108の前面の間に進入するおそれが高くなる。
【0007】
なお、仮に各第2接着用凹部106全体を満たすほど大量の接着剤を各第2接着用凹部106に注入して固化させれば、固化した接着剤によって第2接着用凹部106全体が塞がれるので(第2接着用凹部106が存在しない第2レンズ保持溝102が形成されるので)、ゴミが各第2接着用凹部106を通って第1レンズ107の後面と第2レンズ108の前面の間に進入することを防止できる。
しかし、接着剤は固化する際にガスを発生するため、接着剤によって各第2接着用凹部106を完全に埋めてしまうと、接着剤から発生したガスが第1レンズ107の後面と第2レンズ108の前面の空間に滞留して、第1レンズ107及び第2レンズ108を曇らせてしまうので、第2接着用凹部106全体に接着剤を注入するのは好ましくない。
【0008】
本発明は、接着剤を利用して前後のレンズを確実に固定可能でありながら、前後のレンズ間への微小ゴミの進入を効果的に抑制でき、しかも前後のレンズ間でのガスの滞留を防止できるレンズ支持枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のレンズ支持枠は、環状の本体部と、該本体部の内周面に凹設した、該本体部の軸線方向の一方の端面が開放した環状溝である大径レンズ保持溝と、該本体部の内周面に上記大径レンズ保持溝より上記軸線方向の他方側に位置させて凹設した上記一方側の端部が開放した環状溝であり、上記大径レンズ保持溝より小径の小径レンズ保持溝と、上記大径レンズ保持溝の内周面に凹設した、該大径レンズ保持溝に嵌合した大径レンズの外周面に塗布する接着剤を、自身の上記一方側の端面開口部を通して注入可能な大径溝側接着用凹部と、上記小径レンズ保持溝の内周面に凹設した、該小径レンズ保持溝に嵌合した小径レンズの外周面に塗布する接着剤を、上記大径溝側接着用凹部と連通する自身の上記一方側の端面開口部を通して注入可能な小径溝側接着用凹部と、を備え、上記軸線方向に見たときの上記大径溝側接着用凹部と小径溝側接着用凹部の周方向位置を互いにずらしたことを特徴としている。
【0010】
上記大径レンズ保持溝と上記小径レンズ保持溝の少なくとも一方の内周面に、上記一方側の端面開口部を通してレンズ調芯用工具を挿脱可能な調芯用凹部を、上記周方向位置を上記大径溝側接着用凹部及び小径溝側接着用凹部とはずらして凹設してもよい。
【0011】
上記大径溝側接着用凹部と上記小径溝側接着用凹部の少なくとも一方を、上記周方向に等角度間隔で複数設けてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、レンズ支持枠の軸線方向に見たときの大径溝側接着用凹部と小径溝側接着用凹部の周方向位置が互いにずれているので、大径レンズ側から大径溝側接着用凹部を通って大径レンズ保持溝に進入した微小なゴミ(塵や埃など)が、小径溝側接着用凹部に到達する可能性は低い。そのため当該ゴミが小径溝側接着用凹部を通って大径レンズと小径レンズの対向面の間に進入するおそれは小さい。
また小径溝側接着用凹部全体を接着剤で埋める必要がないので、小径溝側接着用凹部に注入した接着剤から発生したガスが大径レンズと小径レンズの対向面の間に一時的に流れても、このガスは小径溝側接着用凹部を通って大径レンズ保持溝側に流れ、大径溝側接着用凹部を通ってレンズ支持枠の外部空間に排出される。そのため大径レンズと小径レンズの間にガスが滞留し続けて、大径レンズと小径レンズを曇らせるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のレンズ支持枠及び第1レンズの正面図である。
【図2】第1、第2、第3レンズを取り外したレンズ支持枠の正面図である。
【図3】第1、第2、第3レンズを取り外したレンズ支持枠の斜視図である。
【図4】図2のIV−IV矢線に沿う断面図である。
【図5】図2のV−V矢線に沿う断面図である。
【図6】図2のVI−VI矢線に沿う断面図である。
【図7】従来例の第1、第2、第3レンズを取り外したレンズ支持枠の正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1〜図6を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお以下の説明における前後方向は、図中に記載した矢線方向を基準としている。
合成樹脂製の一体成形品であるレンズ支持枠10は、コンパクトデジタルカメラ(全体形状は図示略)のレンズ鏡筒(撮像素子の直前に設けてある)を構成する一部品であり、環状をなす外側筒状部11と、外側筒状部11の前縁部から内周側に突出する環状の前壁部12と、前壁部12の内周縁部から後方に延びる、外側筒状部11より前後長が短い環状の内側筒状部13と、を具備している。外側筒状部11、前壁部12、及び、内側筒状部13が本体部14の構成要素である。
内側筒状部13の内周面の前端部には、前端が開放した後述する光軸Oを中心とする環状溝である第1レンズ保持溝15(大径レンズ保持溝)が凹設してある。さらに内側筒状部13の内周面には、第1レンズ保持溝15の直後に位置する第2レンズ保持溝16(小径レンズ保持溝)が凹設してある。第2レンズ保持溝16は第1レンズ保持溝15と同軸かつ第1レンズ保持溝15より小径の(光軸Oを中心とする)環状溝であり、その前端が開放している。また内側筒状部13の内周面の後端部には第3レンズ保持溝17が凹設してある。第3レンズ保持溝17は第1レンズ保持溝15及び第2レンズ保持溝16と同軸かつ第2レンズ保持溝16より小径の(光軸Oを中心とする)環状溝であり、その後端が開放している。
【0015】
図示するように第1レンズ保持溝15の内周面には、正面視円弧状をなす3つの調芯用凹部18が、かつ外周側に向かう凹部として、周方向に等角度間隔で形成してある(図2の矢印Aが調芯用凹部18の形成領域)。各調芯用凹部18の前端は開放しており、後端は閉じている。
さらに第1レンズ保持溝15の内周面には、正面視円弧状をなす3つの第1接着用凹部19(大径溝側接着用凹部)が、外周側に向かう凹部として、周方向に等角度間隔で形成してある(図2の矢印Bが第1接着用凹部19の形成領域)。各第1接着用凹部19の周方向位置は各調芯用凹部18とはずれている。各第1接着用凹部19の前端は開放しており、後端は閉じている。
第2レンズ保持溝16の内周面には3つの第2接着用凹部20(小径溝側接着用凹部)が、外周側に向かう凹部として、周方向に等角度間隔で形成してある(図2の矢印Cが第2接着用凹部20の形成領域)。各第2接着用凹部20の後端は閉じており、前端は開放することにより第1レンズ保持溝15と連通している。図示するように各第2接着用凹部20の周方向位置は調芯用凹部18及び第1接着用凹部19とずれている(各調芯用凹部18、第1接着用凹部19の直後に各第2接着用凹部20が位置しない)。
【0016】
レンズ支持枠10には、光軸Oを中心とする透光性の回転対称部材である第1レンズL1(大径レンズ)、第2レンズL2(小径レンズ)、及び、第3レンズL3が、以下の手順によって固定してある。
第2レンズ保持溝16と略同径の第2レンズL2は、その外周部を前方から第2レンズ保持溝16内に位置させた後に、各第2接着用凹部20に前方(第2接着用凹部20の前端開放部)からUV接着剤(図示略)を注入し、第2レンズL2の外周面と第2接着用凹部20の内面とに付着したUV接着剤に紫外線(UV)を照射して該UV接着剤を固化させることにより第2レンズ保持溝16に固定してある。第2接着用凹部20に対する上記接着剤の注入量は第2接着用凹部20全体を満たす程大量ではないので、上記接着剤が固化すると各第2接着用凹部20の一部には第1レンズ保持溝15と第2レンズ保持溝16を連通する空間が残る。
第1レンズ保持溝15の内周面より小径(第2レンズL2より大径)の第1レンズL1は、第2レンズL2を第2レンズ保持溝16に固定した後に第1レンズ保持溝15に固定してある。具体的には、第1レンズL1の外周部を前方から第1レンズ保持溝15内に位置させた後に、各第1接着用凹部19に前方(第1接着用凹部19の前端開放部)からUV接着剤(図示略)を注入し、第1レンズL1の外周面と第1接着用凹部19の内面とに付着したUV接着剤によって第1レンズL1を仮保持する。次いで、調芯用凹部18と同数の爪を具備するレンズ調芯用工具(図示略)の各爪を前方(調芯用凹部18の前端開放部)から各調芯用凹部18に挿入し、各爪で第1レンズL1の外周を保持し、調芯用工具押圧部材(図示略)によってレンズ調芯用工具の各爪を径方向に押圧して第1レンズL1の偏芯調整を行なう。そして各第1接着用凹部19に注入したUV接着剤に紫外線(UV)を照射することによりUV接着剤を硬化させて、第1レンズL1を第1レンズ保持溝15に固定する。第1接着用凹部19に対する該UV接着剤の注入量は、第1接着用凹部19全体を満たす程大量ではないので、上記UV接着剤が固化すると各第1接着用凹部19の一部には第1レンズ保持溝15と第1接着用凹部19の前方空間とを連通する空間が残る。
第3レンズ保持溝17と略同径(第2レンズL2より小径)の第3レンズL3は、その外周部を後方から第3レンズ保持溝17内に位置させた後に、第3レンズ保持溝17の周縁部を第3レンズL3の外周部に対して熱カシメすることにより第3レンズ保持溝17に固定してある。なお第3レンズL3の固定作業は、第1レンズL1、第2レンズL2の固定作業より前であっても後であってもよい。
【0017】
このようにして第1レンズL1、第2レンズL2、及び、第3レンズL3をレンズ支持枠10に固定すると、第1レンズL1の前方空間にある微小なゴミ(塵や埃など)が調芯用凹部18や第1接着用凹部19の(接着剤が満たされていない)上記空間を通って第1レンズ保持溝15に進入することがある。しかし正面視における各第2接着用凹部20の周方向位置が調芯用凹部18及び第1接着用凹部19とずれている(各調芯用凹部18、第1接着用凹部19の直後に各第2接着用凹部20が位置しない)ので、第2レンズ保持溝16に進入したゴミが各第2接着用凹部20に到達する可能性は低い。そのため当該ゴミが各第2接着用凹部20を通って第1レンズL1の後面と第2レンズL2の前面の間に進入するおそれは小さい。
また、各第2接着用凹部20全体を接着剤で埋めずに、各第2接着用凹部20に上記空間を残しているので、各第2接着用凹部20に注入した上記接着剤から発生したガスが第1レンズL1の後面と第2レンズL2の前面の間に一時的に流れても、このガスは各第2接着用凹部20の上記空間を通って第1レンズ保持溝15側に流れ、さらに調芯用凹部18及第1接着用凹部19を通ってレンズ支持枠10の外部空間に排出される。そのため、当該ガスが第1レンズL1の後面と第2レンズL2の前面の間で滞留し続けて、当該ガスによって第1レンズL1及び第2レンズL2に曇りが発生することはない。
なお本実施形態のレンズ支持枠10は、その構造上、大量のUV接着剤によって各第1接着用凹部19全体を埋めたとしても、UV接着剤から発生するガスは第1レンズ保持溝15及び調芯用凹部18を介してレンズ支持枠10の外部空間に排出されるので、各第1接着用凹部19に大量のUV接着剤を注入しても問題はない。
【0018】
以上本実施形態を利用して本発明を説明したが、本発明は様々な変形を施しながら実施可能である。
例えば上記実施形態では本発明を第1レンズ保持溝15と第2レンズ保持溝16に適用しているが、後方に位置するレンズ保持溝の径が前方(直前)に位置するレンズ保持溝より小径でかつ各レンズ保持溝の前端が開放していれば、前後に並ぶ別の2つのレンズ保持溝に本発明を適用してもよい(例えば、第2レンズ保持溝を「大径レンズ保持溝」とし、第3レンズ保持溝を「小径レンズ保持溝」としてもよい)。
また前後に並び、かつ後方に位置するレンズ保持溝の径が前方(直前)に位置するレンズ保持溝より小径である3つ以上のレンズ保持溝(例えば、第1レンズ保持溝と第2レンズ保持溝と第3レンズ保持溝)に本発明を適用してもよい(この場合は、前後に隣接する2つのレンズ保持溝に形成した接着用凹部及び調芯用凹部の周方向位置を互いにずらす)。
さらに、前後に並び、かつ前方に位置するレンズ保持溝の径が後方(直後)に位置するレンズ保持溝より小径である3つ以上のレンズ保持溝に本発明を適用してもよい。この場合は、各レンズ保持溝、各接着用凹部、及び、各調芯用凹部の後端を開放させ、さらに前後に隣接する2つのレンズ保持溝に形成した接着用凹部及び調芯用凹部の周方向位置を互いにずらす。
【0019】
また本発明を適用する(取付対象である後方のレンズより大径である)後方のレンズ保持溝に調芯用凹部18を形成したり、本発明を適用する前後のレンズ保持溝の双方に調芯用凹部18を形成してもよい。この場合も、各調芯用凹部18及び調芯用凹部と直後に位置する接着用凹部及び調芯用凹部の周方向位置を互いにずらす(すべての凹部の周方向位置をずらす)。
また上記接着剤として、UV接着剤以外の接着剤を用いても良い。
各レンズ保持溝に形成する調芯用凹部18、第1接着用凹部19、第2接着用凹部20の数は1つや、2つ、或いは4つ以上の複数であってもよい。さらに調芯用凹部18、第1接着用凹部19、第2接着用凹部20を複数とする場合の各調芯用凹部18、第1接着用凹部19、第2接着用凹部20の位置関係は等角度間隔でなくてもよい。
さらに本発明を、コンパクトデジタルカメラ以外の光学機器のレンズ支持枠(例えば、一眼レフカメラのレンズ鏡筒や、携帯電話端末に内蔵するカメラのレンズ鏡筒、或いはカメラや携帯電話端末とは別の機器の撮像光学系等)に適用してもよい。
【符号の説明】
【0020】
10 レンズ支持枠
11 外側筒状部
12 前壁部
13 内側筒状部
14 本体部
15 第1レンズ保持溝(大径レンズ保持溝)
16 第2レンズ保持溝(小径レンズ保持溝)
17 第3レンズ保持溝
18 調芯用凹部
19 第1接着用凹部(大径溝側接着用凹部)
20 第2接着用凹部(小径溝側接着用凹部)
100 レンズ支持枠
101 第1レンズ保持溝
102 第2レンズ保持溝
103 第3レンズ保持溝
104 調芯用凹部
105 第1接着用凹部
106 第2接着用凹部
107 第1レンズ
108 第2レンズ
109 第3レンズ
O 光軸
L1 第1レンズ(大径レンズ)
L2 第2レンズ(小径レンズ)
L3 第3レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の本体部と、
該本体部の内周面に凹設した、該本体部の軸線方向の一方の端面が開放した環状溝である大径レンズ保持溝と、
該本体部の内周面に上記大径レンズ保持溝より上記軸線方向の他方側に位置させて凹設した上記一方側の端部が開放した環状溝であり、上記大径レンズ保持溝より小径の小径レンズ保持溝と、
上記大径レンズ保持溝の内周面に凹設した、該大径レンズ保持溝に嵌合した大径レンズの外周面に塗布する接着剤を、自身の上記一方側の端面開口部を通して注入可能な大径溝側接着用凹部と、
上記小径レンズ保持溝の内周面に凹設した、該小径レンズ保持溝に嵌合した小径レンズの外周面に塗布する接着剤を、上記大径溝側接着用凹部と連通する自身の上記一方側の端面開口部を通して注入可能な小径溝側接着用凹部と、
を備え、
上記軸線方向に見たときの上記大径溝側接着用凹部と小径溝側接着用凹部の周方向位置を互いにずらしたことを特徴とするレンズ支持枠。
【請求項2】
請求項1記載のレンズ支持枠において、
上記大径レンズ保持溝と上記小径レンズ保持溝の少なくとも一方の内周面に、上記一方側の端面開口部を通してレンズ調芯用工具を挿脱可能な調芯用凹部を、上記周方向位置を上記大径溝側接着用凹部及び小径溝側接着用凹部とはずらして凹設したレンズ支持枠。
【請求項3】
請求項1または2記載のレンズ支持枠において、
上記大径溝側接着用凹部と上記小径溝側接着用凹部の少なくとも一方を、上記周方向に等角度間隔で複数設けたレンズ支持枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−83806(P2013−83806A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223831(P2011−223831)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】