説明

レンタサイクルシステム

【課題】低コストで導入可能なレンタサイクルシステムを提供する。
【解決手段】レンタサイクルシステム100は、インターネットに接続可能なコード読取装置20で、保管場所30に保管された自転車40に付される2次元コードを読取る自転車認識手段と、コード読取装置20で、保管場所30に設けられた2次元コードを読取る保管場所認識手段と、インターネットを介して、2つの2次元コードの情報に基づき、自転車40が保管場所30において貸出または返却されることを設定する貸出返却設定手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低コストで導入可能なレンタサイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のレンタサイクルに関する技術として、例えば特許文献1には、ユーザが自己を識別するICカード(C)を携帯し、自転車には各自転車に固有の識別番号である自転車番号を記憶しているICタグが備えられた車両管理システムが提案されている。これは、ユーザが自転車を借りる際には、ICカード(C)をICカードリーダに提示し、カードの照会が終了した後に、自転車が保管される自転車保管部の施錠器を開錠することで、貸出したユーザのユーザ識別情報と、自転車の車両識別情報とを関連付けることができ、自転車の適切な管理を実現することができる、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−163921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記車両管理システムでは、駐輪設備内に、自転車を一台ずつ保管する複数の自転車保管部や自転車を固定する施錠器、ICカードリーダを備える利用認識部、自転車保管部及び利用者認識部の動作を制御するコントローラ等の装置を設置する必要がある。そのため、自転車の保管場所の確保には、ある程度の広さの土地や装置を導入するための費用が必要であり、保管場所の普及が見込めないという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、低コストで導入可能なレンタサイクルシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレンタサイクルシステムは、インターネットに接続可能なコード読取装置で、保管場所に保管された自転車に付される2次元コードを読取る自転車認識手段と、前記コード読取装置で、前記保管場所に設けられた2次元コードを読取る保管場所認識手段と、インターネットを介して、前記2つの2次元コードの情報に基づき、前記自転車が前記保管場所において貸出または返却されることを設定する貸出返却設定手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記保管場所に保管される自転車はダイヤル錠で施錠され、前記貸出返却設定手段で貸出が設定されると、前記コード読取装置に前記ダイヤル錠の暗証番号が通知されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、インターネットに接続可能なコード読取装置で自転車に付された2次元コード及び保管場所に設けられた2次元コードを読取り、インターネットを介してこれらの情報を管理設定することで、保管場所において管理人の常駐や高額な装置を必要とすることなく低コストで、どの利用者がどこの保管場所で自転車を借り、どこで返却したかといった管理を行うレンタサイクルシステムを実現することができる。したがって、自転車の保管場所を格段に多くすることができ、放置自転車の対策に貢献することができる。また、ユーザは、インターネットに接続することで、保管場所の位置や利用できる自転車の情報を簡単に取得することができる。
【0009】
請求項2の発明では、自転車を貸出す際に、利用者にダイヤル錠の暗証番号を通知するようにすることで、安価な市販のダイヤル錠のみで、自転車の盗難を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明におけるレンタサイクルシステムの全体構成を示す説明図である。
【図2】同上、自転車に2次元コードを付する一例を示す概略図である。
【図3】同上、自転車を施錠するダイヤル錠の一例を示す概略図である。
【図4】同上、保管場所に2次元コードを設ける一例を示す概略図である。
【図5】同上、レンタサイクルシステムの自転車管理機能に関する構成を示すブロック図である。
【図6】同上、自転車情報DBに用いられる情報の一例を示す説明図である。
【図7】同上、自転車の貸出時におけるクラウドサーバの動作を示す流れ図である。
【図8】同上、自転車の返却時におけるクラウドサーバの動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
【0012】
図1は、本実施例におけるレンタサイクルシステム100の全体構成図である。当該レンタサイクルシステム100は、センター装置に相当するクラウドサーバ10と、このクラウドサーバ10に対してインターネット網12などの通信手段を介してアクセスが可能な携帯端末20、22やPC(パーソナルコンピュータ)24と、レンタル対象である自転車40と、自転車の保管場所30、自転車の修理場所32とを備えて構成される。
【0013】
クラウドサーバ10は、ソフトウェアの機能を、インターネット経由でユーザに提供することを実現するものである。クラウドサーバ10は、アプリケーションプログラムを保有する記録媒体14と、このアプリケーションプログラムを処理実行することにより、レンタサイクルシステム100の動作を制御する制御部16とを備える。さらにクラウドサーバ10は、制御部16が行う動作に基づいて、後述するユーザ情報や自転車情報、保管場所情報、修理情報などを随時更新記憶する記憶部18を備える。こうした情報には、後述するように、ユーザのインターネットを介した入力に基づいて更新されるものと、レンタサイクルシステムの運営会社や保管場所の管理者、修理を行うサイクルショップの店員などが、携帯端末22やPC24からインターネットを介して随時更新することができるようになっているものとがある。記録媒体14は、磁気ディスク、光ディスク、ROM、RAMなどで構成され、記憶部18を含めた構成としてもよい。
【0014】
携帯端末20は、インターネットへの接続機能及び2次元コードの読取り機能を備え、コード読取装置20として機能するものであり、例えば携帯電話機が用いられる。
【0015】
レンタル対象である自転車40には、携帯端末20で読取り可能な2次元コード50が付される。例えば図2に示されるように、自転車のフレームにレンタル対象であることが一目で分かるシール状の印刷体34を貼付け、この印刷体34に2次元コード50が表示される。この2次元コード50には、自転車40の識別番号など各自転車に固有の識別情報が含まれる。同時に、自転車を借りる際にユーザが予約した自転車40を容易に判別することができるように、例えば前述の自転車40に固有の識別番号を印刷体34に表示するようにすればよい。こうして、自転車認識手段として、携帯端末20で2次元コード50を読取ることにより、レンタル対象の自転車40が認識されるようになっている。また、各自転車40は、ダイヤル錠42として例えば図3に示すような安価なダイヤル式ワイヤ錠42で施錠されている。なお、ダイヤル錠42は、ダイヤル式ワイヤ錠42に限定されるものではなく、暗証番号を用いて開錠できるものであればよい。
【0016】
自転車40の保管場所30には、例えば図4に示すような、携帯端末20で読取り可能な2次元コード52が表示された印刷体36が備えられる。この2次元コード52には、各保管場所30に固有の識別情報が含まれる。こうして、保管場所認識手段として、携帯端末20で2次元コード52を読取ることにより、レンタル対象の自転車40が保管される保管場所30が認識されるようになっている。印刷体36は、ユーザに保管場所30であることを示す役割も備える。保管場所30の管理者は、こうした印刷体36を用意するのみで、駐輪設備として特別な装置を導入する必要がないことから、装置導入コストや装置の占有場所を省くことができるため、駅駐輪場や空き店舗に加え、自宅などの小スペースな場所も保管場所30として活用可能となる。さらに、保管場所30には常駐する管理人を必要とせず、無人で保管場所30を運営することが可能である。
【0017】
レンタサイクルシステム100は、前述の2つの2次元コード50、52に基づき、後述するようにして、自転車40が保管場所30において貸出または返却されることを設定する貸出返却設定手段を備える。
【0018】
修理場所32は、自転車40を修理することができるサイクルショップなどであり、ユーザやレンタサイクルシステム100の運営会社、保管場所30の管理者が持ち込んだ自転車40を修理するようになっている。また、サイクルショップの店員などが、保管場所30に出向き、故障した自転車40を修理するようにしてもよい。
【0019】
また、インターネットを介してクラウドサーバ10に接続可能な携帯端末22やPC24は、自転車40及び保管場所30の情報や修理情報を入力できるようになっている。例えばレンタサイクルシステム100を運営する運営会社がまとめて入力するようにしてもよいし、各保管場所30の管理者がそれぞれ有する携帯端末22やPC24から入力するようにしてもよい。修理情報については、修理場所32に備えた携帯端末22やPC24で入力するようにしてもよい。
【0020】
図5はクラウドサーバ10の特に自転車管理機能に関する構成をブロック図として示したものである。同図において、60は制御部に備えた自転車管理制御部である。自転車管理制御部60は、クラウドサーバ10に接続する携帯端末20、22やPC24に対して、ユーザ情報や自転車情報、保管場所情報、修理情報の入力を促す第1制御部61と、携帯端末20、22やPC24で入力された情報をユーザ情報DB65や自転車情報DB66、保管場所情報DB67、修理情報DB68として記憶部18に蓄積記憶させる第2制御部62と、クラウドサーバ10に接続する携帯端末20に対して、ユーザ情報の入力や自転車40及び保管場所30の2次元コード50、52の読取り、故障状況の入力を促す第3制御部63と、携帯端末20で入力された情報及び記憶部18に記憶された情報に基づき、ユーザのログインを許可し、空き自転車の情報などをユーザが確認できるようにソフトウェア上で表示し、自転車40の予約や貸出、返却に伴い、自転車情報DB66を更新する第4制御部64とにより構成される。
【0021】
自転車情報DB66は、例えば図6に示すような情報を有するデータベースである。識別番号71は、自転車40固有の番号を示す。管理者72は、自転車40が管理されている保管場所30を示す。暗証番号73は、各自転車40に施錠されるダイヤル式ワイヤ錠42の暗証番号を示す。状態情報74は、自転車40が空き自転車であれば「レンタル可」を示し、予約を受け付ければ「予約中」を示し、貸出中のものであれば「レンタル中」を示し、修理中であれば「修理中」を示すものである。ユーザ75は、自転車40を予約したユーザのユーザIDを示す。保管情報76は、状態情報が「レンタル可」及び「予約中」であれば実際に保管されている保管場所30を示し、「レンタル中」であれば貸出された保管場所30を示し、「修理中」であれば修理を行っているサイクルショップの識別番号を示すものである。また、特に図示しないが、保管情報76のデータによって、各保管場所30に何台の自転車40が保管されているか、管理できるようになっている。識別番号71、管理者72及び暗証番号73は、携帯端末22やPC24から入力変更できるようになっている。状態情報74、ユーザ75及び保管情報76は、自転車40の予約や貸出、返却などに伴い、第4制御部64の作用により適宜変更されるようになっている。
【0022】
修理情報DB68には、修理場所32の情報が含まれる。さらに、後述の修理通知ステップS25で自転車40の故障情報が入力された場合には、入力された故障情報が記憶されるようになっている。
【0023】
また、第4制御部64は、ダイヤル式ワイヤ錠42の暗証番号を携帯端末20に送信する機能を備える。ダイヤル式ワイヤ錠42の暗証番号は、前述のように自転車情報DB66で各自転車40の識別番号と関連付けて記憶され、ダイヤル式ワイヤ錠42が別の自転車40と取り替えられた場合には、自転車情報DB66の情報を変更するものとする。
【0024】
次に、図7を参照しながら、ユーザの動作と併せて自転車40の貸出時のクラウドサーバ10の動作について説明する。ユーザはまず、携帯端末20でインターネットにアクセスし、ユーザ登録を行う。第1制御部61は、ユーザのアクセスに応じて、ユーザ登録ステップS11で、例えばユーザIDやログインパスワード、メールアドレスなどのユーザ情報の入力を促す。第2制御部62は、入力されたユーザ情報を記憶部18のユーザ情報DB65に記憶させる。ユーザは、例えば旅行先でも簡単にユーザ登録を行うことができ、また、ユーザ情報はクラウドサーバ10の記憶部18に記憶されるので、一度ユーザ登録を行えば再度ユーザ登録を行う必要はない。したがって、ユーザ登録が済んでいるユーザに対しては、次のユーザログインステップS12から開始すればよい。
【0025】
ユーザログインステップS12において、ユーザは、ユーザIDおよびログインパスワードを入力する。第4制御部64は、入力された情報を記憶部18のユーザ情報DB65の情報と照合し、ユーザIDとログインパスワードが一致していれば、ユーザのログインを許可する。ログイン後、ユーザは、クラウドサーバ10により提供されるソフトウェア上で所定の機能を利用できるようになる。
【0026】
空き自転車検索ステップS13で、ユーザは近くの保管場所30及び空き自転車40を検索する。ユーザが現在地を入力すると、第4制御部64は、入力された情報を記憶部18の自転車情報DB66及び保管場所DB67の情報と照合し、近くにある保管場所30及び空き自転車40の情報をソフトウェア上に表示する。空き自転車40は、自転車情報DB66で状態情報が「レンタル可」であるかどうかで判別することができる。また、地図上に保管場所30を表示し、保管場所30を選択すると空き自転車情報が表示されるようにするなど、ユーザが利用しやすい形態で保管場所30及び空き自転車40を検索できるようにすればよく、検索方法は前述のような検索方法に限定されるものではない。
【0027】
レンタル可能な空き自転車40が見つかると、ユーザはその空き自転車40を予約することができる。クラウドサーバ10は予約を受け付けると予約ステップS14に移行し、第4制御部64は自転車情報DB66の状態情報を「予約中」に変更する。その際には、予約したユーザが判別できるように、予約したユーザのユーザIDも同時に記憶される。このとき、貸出制限時間や貸出制限日数、予約を何時間前から行えるようにするかといった予約機能は、レンタサイクルシステム100の運営会社が一括して設定したり、保管場所30の管理者が個別に設定したりすることができる。貸出期間が経過すると、第4制御部64はユーザに貸出期間が経過した旨のメールを自動配信し、自転車40の盗難などを防止して、自転車40の適切な管理が実現される。
【0028】
予約が完了すると、ユーザは保管場所30に行き、予約した自転車40を確認する。保管場所30には前述のように、図3に示す印刷体36が備えられているので、ユーザは比較的簡単に保管場所30を見つけることができる。また、レンタル対象の自転車40には例えば図2に示すように印刷体34が貼付けられ、識別番号も表示されているので、ユーザは比較的簡単に予約した自転車40を見つけ出すことができる。
【0029】
ユーザが携帯端末20でインターネットを介してクラウドサーバ10にアクセスすると、保管場所コードデータ認識ステップS15で、第3制御部63は、保管場所30に設けられた印刷体36に表示される2次元コード52の読取をユーザに促す。ユーザが2次元コード52を読取ると、第4制御部64は、2次元コード52の情報及び保管場所情報DB67の保管場所情報を照合する。ユーザの手間の軽減やシステムの簡略化のために、この保管場所コードデータ認識ステップS15は省略されることもできる。
【0030】
次に、自転車コードデータ認識ステップS16で、第3制御部63は、予約した自転車40に付される2次元コード50の読取をユーザに促す。ユーザが2次元コード50を読取ると、第4制御部64は、2次元コード50の情報及び自転車情報DB66の状態情報74を照合する。予約をしたユーザと自転車40との一致が確認されると、自転車情報DB66の状態情報74が「レンタル中」に変更される。さらに、暗証番号通知ステップで、ユーザの携帯端末20にダイヤル式ワイヤ錠42の暗証番号が電子メールにより通知される。ユーザは、通知された暗証番号でダイヤル式ワイヤ錠42を開錠し、自転車40を乗り出すことができる。なお、ダイヤル式ワイヤ錠42は、セキュリティの観点から、定期的に別な自転車40と取り替えるようにするとよい。
【0031】
次に、図8を参照しながら、ユーザの動作と併せて自転車の返却時のクラウドサーバ10の動作について説明する。まず、ユーザは、携帯端末20でインターネットを介してクラウドサーバ10にアクセスし、ユーザログインステップS21でログインする。ログインを許可するクラウドサーバ10の動作は貸出時と同様であるので、説明は省略する。
【0032】
ログイン後、ユーザは、保管場所検索ステップS22で、自転車40を返却する保管場所30を検索する。保管場所30を検索するクラウドサーバ10の動作は貸出時と同様であるので、説明は省略する。保管場所30の検索結果を表示する際、第4制御部64は、現在保管されている自転車40の台数が少ない保管場所30が分かるように表示する。例えば、予め設定された台数以下の自転車40しか保管されていない保管場所30が、台数が少ないと判断されるようにする。設定される台数は、保管場所30毎に異なってもよい。ユーザが台数の少ない保管場所30に自転車40を返却した場合には、例えば地元の商店街で買い物などに使用できるポイントをユーザに付与するようにする。こうすることで、台数の少ない保管場所30への自転車40の返却が促され、自転車40が一部の保管場所30に集中するといったことや、保管場所30に自転車40が一台もないといったことを抑制することができる。また、商店街を利用する人の増加が期待できる。なお、自転車40を借りた保管場所30に返却する際など、ユーザが保管場所30の位置を予め把握している場合には、保管場所検索ステップS22を省略して、次の自転車2次元コードデータ認識ステップS23に移行してもよい。
【0033】
ユーザが保管場所30に到着すると、自転車コードデータ認識ステップS23で、第3制御部63は、予約した自転車40に付される2次元コード50の読取をユーザに促す。ユーザが2次元コード50を読取ると、第4制御部64は、2次元コード50の情報及び自転車情報DB66の状態情報74を照合する。ユーザと自転車40との一致が確認されると、保管場所コードデータ認識ステップS24で、第3制御部63は、保管場所30に備えられた印刷体36に表示される2次元コード52の読取をユーザに促す。ユーザが2次元コード52を読取ると、第4制御部64は、2次元コード52の情報と保管場所情報DB67の情報とを照合して対応する保管場所30の情報を取得する。
【0034】
さらに、修理通知ステップS25で、第3制御部63は故障情報の入力をユーザに促す。故障情報には、ライトやチェーン、ブレーキの不具合及びタイヤのパンクなどが含まれる。故障なしと通知された場合、第4制御部64は、返却された自転車40の自転車情報DB66の状態情報74を「レンタル可」に変更し、保管情報76を新たな保管場所30に変更する。ユーザが故障を通知した場合、第2制御部62は、入力された故障情報を記憶部18の修理情報DB68に記憶させる。そして、第4制御部64は、自転車情報DB66の状態情報74を「修理中」に変更し、修理対象の自転車がある旨を、レンタサイクルシステム100を運営する運営会社及び/又は各保管場所30の管理者に通知する。通知を受けた運営会社及び/又は管理者は、修理場所32に自転車40を運んだり、保管場所30にサイクルショップの店員などに来てもらったりして、自転車40を修理する。修理場所32に自転車40を運んだ場合は、自転車情報DB66の保管情報76が修理場所32の識別番号に変更される。修理が完了すると、運営会社及び/又は管理者は、自転車情報DB66の状態情報74を「レンタル可」に変更し、自転車情報DB66の保管情報76が修理場所32の識別番号に変更されている場合は、保管情報76を保管場所30の識別番号に変更する。
【0035】
ユーザは、修理通知ステップS25で故障情報を入力後、自転車40にダイヤル式ワイヤ錠42で施錠し、返却が完了する。
【0036】
自転車40の使用中に自転車40が故障し、修理の必要が生じた場合には、ユーザは、携帯端末20でインターネットにアクセスし、近くにある修理場所32を検索することができる。検索方法は、保管場所30の検索と同様であればよく、記憶部18の修理情報DB68が用いられればよい。
【0037】
保管場所30以外の場所に自転車40が放置され、ユーザによる返却操作が行われない場合が想定される。こうした場合には、予め設定した貸出制限時間を超えた自転車について、自転車情報DB66の状態情報74を例えば「迷子中」と設定するようにして、自転車の状態を管理することができる。
【0038】
以上のように本実施例では、インターネットに接続可能なコード読取装置20で、保管場所30に保管された自転車40に付される2次元コード50を読取る自転車認識手段と、前記コード読取装置20で、前記保管場所30に設けられた2次元コード52を読取る保管場所認識手段と、インターネットを介して、前記2つの2次元コード50、52の情報に基づき、前記自転車40が前記保管場所30において貸出または返却されることを設定する貸出返却設定手段とを備える。
【0039】
このようにすると、インターネットに接続可能なコード読取装置20で自転車40に付された2次元コード50及び保管場所30に設けられた2次元コード52を読取り、インターネットを介してこれらの情報を管理設定することで、保管場所30において高額な装置を必要とすることなく低コストで、どの利用者がどこの保管場所30で自転車40を借り、どこで返却したかといった管理を行うレンタサイクルシステム100を実現することができる。したがって、駐輪設備として特別な装置を導入する必要がないことから、装置導入コストや装置の占有場所を省くことができるため、駅駐輪場や空き店舗に加え、自宅などの小スペースな場所も保管場所30として活用可能となり、さらに、保管場所30は無人で運営することができるので、自転車40の保管場所30を格段に多くすることができる。こうしたシステムの構築に町全体で取り組むことで、自転車40による移動が増えてCO削減に寄与することができ、環境対策に取り組む街づくりに貢献することができる。また、利用者は、インターネットに接続することで、簡単に登録を行い、保管場所30の位置や利用できる自転車40の情報を簡単に取得することができるので、例えば観光客が自由に利用することができ、観光対策にも貢献することができる。さらに、一般の人の活用も期待でき、市民の健康促進にも貢献することができる。そして、自転車40の保管場所30を多くすることで、放置自転車を低減することもできる。また、自転車40の盗難を防ぎ、犯罪防止にも貢献することができる。
【0040】
また、自転車40を貸出す際に、利用者にダイヤル錠42の暗証番号を通知するようにすることで、安価な市販のダイヤル錠42のみで、自転車40の盗難を防止することが可能になる。
【0041】
なお本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。上記実施例では、ユーザは携帯端末20からインターネットにアクセスして自転車を予約するとしたが、自宅などのPC(図示せず)から自転車40を予約するようにしてもよい。また、ユーザに課金する場合には、ユーザ登録時などに、予めクレジットカードなどの情報を登録しておくようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
20 携帯端末(コード読取装置)
30 保管場所
40 自転車
42 ダイヤル式ワイヤ錠(ダイヤル錠)
50、52 2次元コード
100 レンタサイクルシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続可能なコード読取装置で、保管場所に保管された自転車に付される2次元コードを読取る自転車認識手段と、
前記コード読取装置で、前記保管場所に設けられた2次元コードを読取る保管場所認識手段と、
インターネットを介して、前記2つの2次元コードの情報に基づき、前記自転車が前記保管場所において貸出または返却されることを設定する貸出返却設定手段とを備えることを特徴とするレンタサイクルシステム。
【請求項2】
前記保管場所に保管される自転車はダイヤル錠で施錠され、前記貸出返却設定手段で貸出が設定されると、前記コード読取装置に前記ダイヤル錠の暗証番号が通知されることを特徴とする請求項1に記載のレンタサイクルシステム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−248813(P2011−248813A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124015(P2010−124015)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(395023118)株式会社テクノクラフト (13)