説明

レーザ製版用スクリーン印刷用版およびその製造方法ならびにスクリーン印刷版およびその製造方法

【課題】排水処理を必要とせず、環境問題を起こすことなく、短納期が可能なレーザ製版方法、スクリーン印刷版材の提供。
【解決手段】エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物をフィルムに予めしておき、スクリーンメッシュに積層し、樹脂塗膜を作製し、この塗膜にレーザ照射を行うことにより、樹脂塗膜を蒸発、飛散あるいは消去して、所望のパターン(印刷文字、図案など)開口を形成させることのできるスクリーン印刷用版の提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷用版、スクリーン印刷用版の製造方法および該スクリーン印刷用版を用いたスクリーン印刷版および製版方法に関する。より詳細にはスクリーン紗に2液硬化型樹脂組成物を積層したレーザ製版用スクリーン印刷版、その製造方法並びに前記スクリーン印刷用版を用いて作製されたスクリーン印刷版およびレーザ製版方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷は、孔版印刷の1種で、枠に張った紗に版膜を密着し、紗の目開きよりインキを通過させて、被印刷体に転移させる印刷方式であり、フィルムから成形品まで被印刷体の厚さ、大小、平面、曲面を問わず印刷でき、また紙、布、樹脂、金属、フィルムなど種々の材料に印刷することができる印刷方法であり、さらに、厚いインキ着肉層を形成することができる印刷法として知られている。スクリーンの製版方法としては大きくわけて(1)直接法製版(2)間接法製版がある。
【0003】
直接法製版は、スクリーン紗に感光液(乳剤)をバケットで塗布するか、コーティングマシーンで塗布して、感光皮膜を形成した後、原画であるポジフィルムあるいはネガフィルムを通して露光し感光皮膜を硬化させ、硬化しなかった部分を溶剤等で洗浄、除去することにより、原画のパターンを有するスクリーン印刷版を製造する方法である。しかしながら、この直接法製版では、製版を行うための原画の作成、露光、現像工程が必要とされ、生産性に問題があると共に、熟練を要し、さらに現像工程で使用する薬品類に費用がかかる上、使用した薬品による環境問題を引き起こさないために、これらの廃液処理も必要とされる。また紫外線硬化しない樹脂あるいはモノマーは使用できないといった問題点もあるし、紗の介在のもとで露光、現像を行うため、紗の糸に起因する表面乱反射による画線部の乱れ、あるいは織目とポジの干渉によるモアレの発生等の問題もある。
間接法製版は、枠張りしたスクリーンとは別に感光性フィルムを用いて画像を作り、これをスクリーンに移す方法で、転写法とも呼ばれている。間接法製版は、直接法製版に比較して感光膜厚が均一であり、露光と水洗現像に紗の干渉がなく、鮮鋭な画像が得られるが、版膜が薄く、物理的に傷つきやすく、また厚膜印刷に適しておらず、印刷枚数が少ないという問題がある。
【0004】
また、直接法製版と間接法製版とを組み合わせた直間法製版も考案されている。この製版は、直接法製版の乳剤を生かし、フィルムの上に感光層をコーティングした感光性フィルムの感光層を水または溶剤で紗に貼り付け、乾燥後、フィルムを剥がしてから露光することにより製版する方法である。この方法は、直接フィルム法とも呼ばれ、直接法製版の一種として分類されることもある。しかしながら、直接法製版と同様に露光、現像の問題、環境等への配慮が必要とされる問題がある。
【0005】
他方、上記のような従来からのスクリーン印刷版の製版方法とは異なり、レーザ光線を版材に選択的に照射し、選択的に孔を開け、この孔によるパターンを版として用いるスクリーン製版方法も提案されている。(特許文献1、2)例えば金属板にレーザ光線を照射し、金属板の一部を溶融、穿孔して、該金属板に細孔によるパターン画像を形成させた後、該金属板の表面をサンドブラストにより研磨してスクリーン印刷版を製造する方法。(特許文献3)金属スクリーン紗にガラス転移点が150〜500℃の重合体シートを積層し、波長が150〜400nmのレーザ光線を照射して、高分子量物を低分子量物に分解し、飛散させてスクリーン印刷版を製造する方法。(特許文献4)ポリマーフィルム層を接着剤により金属スクリーンメッシュ層に接着した積層体にレーザ光を照射してポリマーフィルム層に開口部を形成させ、ついで開口部の接着剤層を薬剤処理により除去することによりスクリーン印刷版を製造する方法。(特許文献5)また、スクリーン紗にカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布してスクリーン印刷版を製造する方法。(特許文献6)などが知られている。
【0006】
レーザ光をスクリーン印刷用版(製版前の版材)のフィルムに所定パターンで照射して蒸散形成することでスクリーン印刷版を形成する方法(本明細書ではこれを「レーザスクリーン製版方法」という。)によれば、スクリーン印刷版材として感光膜を用いる場合に必要とされるパターンマスクの作製やフォトレジストの未硬化部分の洗浄、除去などの作業を必要としないので、生産性の向上が期待できる。
【0007】
しかし特許文献1に記載の方法においては、従来の乳化剤を利用しているため、生産性が高いとは言えず、環境等への配慮の必要性もある。特許文献2の場合は製版方法について書かれているものであり、材料について言及していない。特許文献3の場合は金属板を使用するため、一般的なスクリーン紗を使用できない。特許文献4の方法においてはYAGや炭酸ガスレーザのようなレーザ照射装置として一般的に用いられているものではなく、特殊なレーザ照射装置が必要とされるし、特許文献5の方法においてはレーザ照射後開口部の接着剤層を薬剤処理により除去しなければならないという問題がある。更に特許文献6の場合、レーザクリーン製版前の版において、十分な物性を得るためには、エージング処理が必要であること、また樹脂組成物を分散するのに、有機溶剤を必要とするため、換気等を含め環境への配慮が必要である。
【0008】
また、オレフィン系の水性分散液について記載されている特許文献があるが、熱シール接着剤について書かれているものであり、本発明と利用分野が異なる。(特許文献7)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭60−107342
【特許文献2】特開昭62−90241
【特許文献3】特許3160084
【特許文献4】特許2812728
【特許文献5】特開平11−77948
【特許文献6】国際出願番号:WO2009/150996
【特許文献7】特開平2001−179909
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来スクリーンの製版方法は感光液を感光させた後、未感光部分を溶剤等で洗い流すため、排水処理が必要であった。レーザ製版は排水処理を必要としないが、レーザ製版用にスクリーン版を作製する際、有機溶剤を使用するため、換気等を含め環境問題に配慮しなければならなかった。このため排水処理を必要とせず、環境問題を起こすことなく、短納期が可能なレーザ製版方法、スクリーン印刷版材が要望されていた。
【0011】
本発明は、このような従来の課題、要望に鑑みたもので、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物をフィルムに予めしておき、スクリーンメッシュに積層し、樹脂塗膜を作製し、この塗膜にレーザ照射を行うことにより、樹脂塗膜を蒸発、飛散あるいは消去して、所望のパターン(印刷文字、図案など)開口を形成させることのできるスクリーン印刷用版を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、上記スクリーン印刷用版を製造する方法、該スクリーン印刷版を用いて形成されたスクリーン印刷版、および前記スクリーン印刷用版を用いてレーザ製版する方法をも提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、前記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、スクリーン紗に塗布する樹脂組成物として、特定のものを用いて、フィルム状に形成し、スクリーン印刷用版を作製し、レーザ照射により、スクリーン印刷版を製造することができることを見出して、本発明をなしたものである。
【0014】
すなわち、本発明は以下のレーザ製版用スクリーン印刷用版、該レーザ製版用スクリーン印刷用版の製造方法に関するものである。
【0015】
(1)
スクリーン紗と、
前記スクリーン紗に、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合 物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物を、塗布することにより形成された 樹脂塗膜と、
を有することを特徴とするレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【0016】
(2)
2液硬化型樹脂組成物が、樹脂組成物全量に対して、多官能アジリジン化合物を1〜20重量%含有することを特徴とする前記(1)記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【0017】
(3)
2液硬化型樹脂組成物が、波長1100〜1200nmの光に対する透過率85%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【0018】
(4)
2液硬化型樹脂組成物が、樹脂組成物全量に対して、着色剤を0.1〜20重量%含有することを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【0019】
(5)
前記2液硬化型樹脂組成物を、フィルム状に形成し、
前記フィルムが、2液硬化型樹脂組成物を、スクリーン紗に塗布することにより形成さ れた樹脂塗膜上
に積層されてなることを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【0020】
(6)
スクリーン紗に、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物を、塗布することにより、スクリーン紗に樹脂塗膜を形成することを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版の製造方法。
【0021】
(7)
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有 する2液硬化型樹脂組成物を、フィルム状に形成し、
前記フィルムが、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物お よび着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物を、スクリーン紗に塗布してなる樹脂塗 膜に接着させることにより、
該フィルム、前記2液硬化型樹脂組成物からなる樹脂塗膜およびスクリーン紗
を有する前記(5)記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版を製造する、レーザ製版用スクリーン印刷用版の製造方法。
【0022】
(8)
前記(1)〜(5)いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版にレーザ光を照射することにより、樹脂塗膜、または、前記フィルムおよび樹脂塗膜に所定パターンの開口を形成することを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
【0023】
(9)
前記(8)記載のスクリーン印刷版の製造方法により製造されたスクリーン印刷版。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、フィルムを貼ったスクリーン紗に、レーザ光を照射することで、ポリマーを蒸発、飛散、或いは消去し、除去することによって、スクリーン印刷版を製造することができることから、従来スクリーン印刷版を製造する際に必要とされたネガまたはポジ原稿の作成、感光性皮膜を露光、現像する工程を必要とせず、熟練者を要すること無く、簡便にかつ生産性よくスクリーン印刷版を製造することができる。また現像液を用いないことから、現像液による環境汚染の問題も無くスクリーン印刷版を製造することができ、スクリーン印刷版のさらなる品質アップ、生産性向上に寄与することができる。更に印刷面側にポリマーフィルムがあることから、より細線の印刷再現性の高いスクリーン印刷版を形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物 および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物をスクリーン紗に塗工した レーザ製版用スクリーン印刷用版の断面概念図である。
【図2】図1に示すレーザ製版用スクリーン印刷用版に、レーザ光照射により開口部 が形成されたスクリーン印刷版の断面概念図である。
【図3】本発明のフィルムを張ったレーザ製版用スクリーン印刷用版の断面概念図で ある。
【図4】図3に示すレーザ製版用スクリーン印刷用版に、レーザ光照射により開口 部が形成されたスクリーン印刷版の断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下本発明について、図1、図2、図3および図4を参照しつつ、更に詳しく説明するが、図は説明にために便宜上使用されるものであり、本発明の実施形態が図示のものに限定されるものではない。
【0027】
図1は本発明のレーザ製版用スクリーン印刷用版の部分拡大断面を模式的に示した図であり、図2は本発明のスクリーン印刷用版をレーザ光照射することにより、開口が形成されたスクリーン印刷版の部分拡大断面を模式的に示した図である。
【0028】
図1中、1はスクリーン印刷用版を、2はスクリーン紗を、3はエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂塗膜を示す。
【0029】
スクリーン紗は従来のスクリーン印刷版を製造する際と同様の方法、すなわち、例えば紗張り機を用いて、スクリーン紗2を伸ばし、通常使用されている市販の接着剤を用いて図示されていない枠に固定される。この接着剤は本発明に用いている樹脂組成物ではない。樹脂塗膜3は、こうして紗張りされたスクリーン上に樹脂組成物を塗布することにより形成される。
【0030】
次に、スクリーン紗にフィルムを貼った場合の図3および図4について説明する。図3は本発明のレーザ製版用スクリーン印刷用版の部分拡大断面を模式的に示した図であり、図4は本発明のスクリーン印刷用版をレーザ光照射することにより、開口が形成されたスクリーン印刷版の部分拡大断面を模式的に示した図である。
【0031】
図3中、1はスクリーン印刷用版を、2はスクリーン紗を、3は樹脂塗膜を7はフィルムを示す。
【0032】
フィルム7は予め、剥離フィルム上に、アプリケーター等で、樹脂組成物をフィルム状に塗布して、熱風乾燥オーブン等で乾燥させて作製させておく。スクリーン紗は従来のスクリーン印刷版を製造する際と同様の方法、すなわち、例えば紗張り機を用いて、スクリーン紗2を伸ばし、通常使用されている市販の接着剤を用いて図示されていない枠に固定される。この接着剤は本発明に用いている樹脂組成物ではない。樹脂塗膜3は、こうして紗張りされたスクリーン上に樹脂組成物を塗布することにより接着層として形成される。
【0033】
フィルムはスクリーン紗に本発明に使用する樹脂組成物を塗布し、接着層を形成した後、樹脂組成物が乾燥する前に積層される。フィルムはその後樹脂組成物が乾燥することにより、スクリーン紗に固着される。
【0034】
フィルムと接着層は同一の組成物であることが好ましいが、実用物性を妨げなければ、異なる組成でも使用できる。スクリーンのメッシュ数は印刷される図形に要求される解像度、使用されるインキ、印刷対象に応じ、従来知られた適宜のメッシュ数のものを用いればよい。
【0035】
本発明の分散体において、着色剤として使用されるものは、レーザ光を吸収するものであれば、何れも使用可能であるが、具体的に、カーボンブラック、ファストイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、アイアンオキサイドブラック、クロモフタルイエロー、アンスラピリジンイエロー、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ベンゾイミダゾロンイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルジオキシンイエロー、ニッケルジオキシンイエロー、フラバンスイエロー、黄鉛、チタンイエロー、ジスアゾイエロー、ベンゾイミダゾロンオレンジ、ピランスロンオレンジ、ペリノンオレンジ、パラレッド、レーキレッド、ナフトールレッド、ピラゾロンレッド、パーマネントレッド、マダーレーキ、チオインジゴボルドー、ベンガラ、鉛丹、カドミウムレッド、キナクリドンマゼンタ、ペリレンバーミリオン、ペリレンレッド、クロモフタルスカーレット、アンスアンスロンレッド、ジアントラキノリルレッド、ペリレンマルーン、ベンゾイミダゾロンカーミン、ペリレンスカーレット、キナクリドンレッド、ピランスロンレッド、マンガンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、フタロシアニンブルー、紺青、コバルトブルー、群青、インダンスロンブルー、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーン、酸化クロム、ビリジアン、ベンゾイミダゾロンブラウン、ブロンズパウダー、鉛白、亜鉛華、リトポン、酸化チタン、パール顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。染料としては、アゾ系、アントラキノン系、ニグロシン系等の従来公知の染料の1種または2種以上が、染料単独であるいは顔料と併用して用いられる。
【0036】
このなかでも、特に好ましいのはカーボンブラック、フタロシアニン顔料である。
本発明において着色剤の量はあまりに少量であると効率良くレーザ光を吸収出来ないため、分散体の全体量の0.1重量%以上が好ましい。より好ましくは0.5重量%以上である。また含有量が多すぎると印刷面の視認性が悪くなったり、レーザ光による熱の影響を受けるため、分散体の全体量の20重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下である。
【0037】
本発明のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物のバインダーとして用いられるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸を高温、高圧で、触媒の存在下共重合させることにより、もしくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとエチレンの共重合体を加水分解することにより得られる。また、市販品としては、ザイクセンシリーズ(住友精化株式会社製)、ハイテックSシリーズ(東邦化学工業株式会社製)、プリマコールシリーズ(ダウ・ケミカル日本株式会社製)、ニュクレルシリーズ(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、等が提供されている。
【0038】
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、通常は、カルボキシル基をアルカリ化合物で中和し、水に溶解または分散したワニスとして、2液硬化型樹脂組成物のバインダーに用いられる。アルカリ化合物としては、アンモニア、有機アミン類、アミノアルコール類およびアルカリ金属の水酸化物が挙げられるが、より良好な再溶解性を得るためには、ジメチルアミノアルコール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することが好ましい。
【0039】
次に分子中に少なくとも2個以上アジリジニル基を有する多官能アジリジン化合物としては、ジフェニルメタン−ビス−4,4'-N,N'-ジエチレンウレア、1,6-ヘキサメチレンジエチレンウレア、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3-(1-アジリジニル) プロピオネート] 、トリメチロールプロパン−トリ−β-(2-メチルアジリジン) プロピオネート等が挙げられるが、特に2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール−トリ[3-(1-アジリジニル) プロピオネート] が硬化性に優れ、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、密着性の良好な塗膜を提供するので好ましい。
【0040】
本発明において、硬化剤の量は樹脂組成物100重量部に対して、1〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部がよい。硬化剤の量が少ない場合、樹脂塗膜の耐性が劣り、硬化剤の量が多い場合、樹脂組成物の安定性が悪くなる。
【0041】
更に、本樹脂組成物には、必要に応じて、流動性、分散性等を改良するために、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、ワックスなどの添加剤、消泡剤、レベリング剤、或いはアクリル樹脂、ブチラール樹脂、ロジン系樹脂、繊維素系樹脂等の樹脂を併用できる。
【0042】
樹脂組成物からフィルムを作製するにあたり、必要に応じて粘度、レベリングを目的として、水、アルコール系溶剤を適宜用いることが出来、必要であればこれらの2種類以上を混合して使用することも出来る。
【0043】
上記アルコール系溶剤としては、炭素数1〜10の1〜3級のアルコールであり、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert- ブタノール、n-ペンタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、3-メチル-2- ブタノール、2-メチル-2- ブタノール、n-ヘキサノール、イソヘキサノール、4-メチル -2-ペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-オクタノール、2-エチルヘキサノール、n-ノナノール、3,3,5-トリメチルヘキサノール等の鎖状モノアルコールや、シクロペンタノール、メチルシクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール等の環状モノアルコール、多官能のエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンおよびその誘導体等が挙げられる。
【0044】
得られた樹脂組成物は既知の方法でフィルム化される。フィルムは剥離フィルムの上にアプリケーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、リップコーター、カーテンコーター、ロールコーター、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー等でコーティングして乾燥して得られる。こうして得られたフィルムは、紗張りされて枠に固定されたスクリーン紗に接着剤を塗布し、貼り合わせて乾燥した後、剥離フィルムを剥がして、印刷用版として得られる。乾燥は必要であれば、常温以上の温度、例えば40〜120℃に加温した状態で行っても良い。
【0045】
こうして製造された印刷用版は図−2に示すようにレーザ光により所定パターンで照射され、フィルム層と接着剤層が蒸発、消去されて所定パターンの開口部6が形成されて、スクリーン印刷版とされる。レーザ光としては炭酸ガスレーザ光、YAGレーザ光またはYVO4レーザ光が好ましい。YAGレーザの高次高調波は、YAGレーザ発信機の内部に組み込んだ第2もしくは第3高調波変換素子によって、第2高調波(波長532nm)もしくは第3高調波(波長355nm)が効率よく出力されることが知られており、第4高調波(波長266nm)は一般に第2高調波が第4高調波変換素子を通過することで、出力され、YAGレーザの高次高調波のいずれかまたはこれらの任意のミキシング光を用いることが特に好ましい。これら炭酸ガスレーザ光およびYAGレーザ光は、エキシマレーザ光よりも発振安定性に優れており、エキシマレーザを使用した場合に比べ生産性を高めることができる。
【0046】
こうして作製されたスクリーン印刷版は、従来のスクリーン印刷と同様な方法で被印刷体に印刷される。使用されるインキも従来と同様のものでよい。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を具体的に説明するために挙げられているものであり、本発明をなんら制限するものではない。
【0048】
〈エチレン−アクリル酸共重合体A〉
住友精化株式会社製「ザイクセンAC」(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、固形分30%)をエチレン−アクリル酸共重合体Aとした。
〈エチレン−アクリル酸共重合体B〉
東邦化学工業株式会社製「ハイテックS−3148」(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、固形分25%)をエチレン−アクリル酸共重合体Bとした。
〈エチレン−アクリル酸共重合体C〉
東邦化学工業株式会社製「ハイテックS−3121」(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、固形分25%)をエチレン−アクリル酸共重合体Cとした。
〈ウレタンD〉
DIC株式会社製「ハイドラン AP−20」(水溶性ポリウレタン樹脂、固形分30%)をウレタンDとした。
〈アジリジン〉
多官能アジリジン化合物として、日本触媒株式会社製「ケミタイトPZ−33」(2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3-(1-アジリジニル) プロピオネート])をアジリジンとした。
〈分散剤〉
エアープロダクツジャパン社製「サーフィノールCT136」(アセチレンジオール/ノニオン界面活性剤/アニオン分散剤)を分散剤とした。
【0049】
〔実施例1〕
カーボン4重量部、n−プロパノール1重量部、イオン交換水2重量部、エチレン−アクリル酸共重合体Aを23重量部配合し、ペイントコンディショナーにて2時間分散した。得られた分散物にエチレン−アクリル酸共重合体Aを70重量部デスパーで攪拌しながら配合して、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に対し、アジリジン5重量部を配合し、デスパーにて10分間混合し、2液硬化型樹脂組成物を調整した。
混合後、直ちに、この2液硬化型樹脂組成物を版枠に張ったスクリーン紗にスキージーに より下側から塗布し、上側(反対面)より余った樹脂組成物をかきとった。その後、このスクリーン印刷版を60℃10分間乾燥させた後、製版前の版(印刷用版)を作製した。
【0050】
更に、この製版前のスクリーン印刷版にYAGレーザ(レーザパワー80%、スキャンスピード500mm/s、Qスイッチ周波数10KHz、スキャン回数2回)にてフォント18ポイントで0〜9までの数字パターンを製版した。数字パターンをパターニングしたスクリーン印刷版について上記試験方法により、「レーザによる加工性」、「レーザ製版性」、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」、「細線印刷再現性試験」の評価を行った。結果を表1に示す。
【0051】
[レーザによる加工性試験]
レーザ光照射により開口した部分の状況を50倍光学顕微鏡により観察を行い、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:開口部がきっちりと開いており、スクリーン紗に損傷が無い。
△:開口部が開いているが、スクリーン紗に損傷が多少観察される。
×:開口部がほとんど貫通されていないか、スクリーン紗に損傷がかなり観察される。
【0052】
[レーザ製版性試験]
作製したスクリーン印刷版を使用し、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)を紙に印刷し、その印刷効果を下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:きれいに印刷できる。
△:エッジが欠ける印刷しか出来ない。または多少滲んだ印刷である。
×:印刷出来ない。または滲んだ印刷しか出来ない。
【0053】
[耐溶剤性試験(塗膜の密着性試験)]
スクリーン版に上記のように作製したフィルムを貼り合わせ60℃20分間過熱乾燥した。乾燥直後および一日常温放置した塗膜をシクロヘキサノンで含浸した脱脂綿にて50回擦り、塗膜の剥がれ具合を下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:皮膜がほとんど剥がれない。
△:皮膜が一部剥がれる。
×:皮膜が完全に剥がれる。
【0054】
[印刷耐久性試験]
学振型耐摩擦試験機(テスター産業製)の駆動部にスキージー素材を固定し、500gの加重をかけるように取り付けたものに、レーザにより製版したスクリーン版をセットし、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製SS8391藍)を載せた状態で1万回往復後、この版を使用して、シルクスクリーンインキを紙に印刷し、印刷品質の劣化具合を下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:印刷品質の劣化が無い。
△:印刷品質の劣化が一部観察される。
×:印刷品質の劣化が観察される。
【0055】
[連続印刷性試験]
シルクスクリーン印刷機(美濃商事株式会社製、MEDIA 68−AN−11)に、レーザにより製版したスクリーン印刷版をセットし、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)により、紙に5000回印刷を行い、5000回目の印刷効果および版の状態を書き評価基準に基づいて評価した。
【0056】
[連続印刷性試験:印刷効果]
(評価基準)
○:印刷品質の劣化が無い。
△:印刷品質の劣化が一部観察される。
×:印刷品質の劣化が観察される。
【0057】
[連続印刷性試験:版の状態]
(評価基準)
○:版の劣化が無い。
△:版の劣化が一部に観察されるものの実用上問題のないレベルである。
×:版の劣化が全体に観察される。
【0058】
尚、これらの試験と共に、上記製版前の印刷用版の「細線印刷再現性」について、柿条件により試験試料を作成し、下記条件で試験および評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
[細線印刷再現性試験]
上記で得られた印刷用版を用い、上記条件(印刷面側からYAGレーザ(レーザパワー80%、スキャンスピード500mm/s、Qスイッチ周波数10KHz、スキャン回数2回)で照射)で線幅100μmの細線を製版し、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)にて紙に印刷を行い、印刷物を50倍の光学顕微鏡によりエッジ部分を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:滑らかな細線である。
△:ぎざぎざな細線であるものの実用上問題の無いレベルである。
×:細線が印刷出来ない。
【0060】
〔実施例2〜6、比較例1〜5〕
樹脂組成物の組成物処方を表1の実施例1〜6比較例1〜5に記載した。その際分散剤はペイントコンディショナー分散時に添加した以外は、樹脂組成物作成は実施例1に準じた。
【0061】
比較例1は、現行の乳化剤であるムラカミ(株)製「ONEPOT 50M」にて通常の方法より作製したことを除き、実施例1と同様にして数字パターンをパターニングしたスクリーン印刷版を作製した。このスクリーン版について、実施例1と同様にして、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」、「細線印刷再現性」の評価を行った。
比較例1はレーザ製版ではないため、「レーザによる加工性」および「レーザ製版性」については評価を行わなかった。
【0062】
比較例2は、1,4−ブタンジオールとアジピン酸から合成したポリエステルポリオール(OH価210)70重量部、カーボンブラック5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25重量部を配合し、3本ロールにて分散し、主剤の樹脂組成物を調整した。
この主剤に対して硬化剤であるトリレンジイソシアネートを70重量部配合し、デスパーで10分間混合し、2液硬化型樹脂組成物を調合した。混合後、直ちに、この2液硬化型樹脂組成物を版枠に張ったスクリーン紗にスキージーにより下側から塗布し、上側(反対面)より余った2液硬化型樹脂組成物をかきとった。その後、このスクリーン印刷版を、60℃10分乾燥後、24時間室温にて放置し、製版前の版(印刷用版)を作製した。尚、膜厚は10μmであった。
また、「耐溶剤性(塗膜の密着性試験)」の直後は60℃20分乾燥後を測定した。
【0063】
比較例3はレーザ製版出来ず、「印刷耐久性」、「連続印刷性」および「細線印刷性」については評価を行わなかった。
【0064】
比較例4は多官能アジリジン化合物を配合していないため、塗膜の耐溶剤性が劣り、スクリーン版として十分に機能していない。
表1から本発明のスクリーン印刷版は、スクリーン紗には実用上の損傷が無く、しかも、レーザ光により簡便に製版でき、細線の印刷再現性に優れ、さらに耐久性にも優れていることがわかる。
【0065】
【表1】

【0066】
〔実施例7〕
カーボン4重量部、n−プロパノール1重量部、イオン交換水2重量部、エチレン−アクリル酸共重合体Aを23重量部配合し、ペイントコンディショナーにて2時間分散した。得られた分散物にエチレン−アクリル酸共重合体Aを70重量部デスパーで攪拌しながら配合して、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に対し、アジリジン5重量部を配合し、デスパーにて10分間混合し、2液硬化型樹脂組成物を調整した。混合後、直ちに、この2液硬化型樹脂組成物を剥離フィルムにアプリケーターにて塗布した後、熱風乾燥オーブンにて80℃30分間乾燥し、フィルム(膜厚7μm)を得た。
次に予め紗張りしたスクリーン版に2液硬化型樹脂組成物を塗布し、フィルムを貼り合わせた後、60℃10分間乾燥させた後、剥離フィルムを剥がして、製版前のスクリーン印刷版を作製した。
更に、この製版前のスクリーン印刷版にYAGレーザ(レーザパワー80%、スキャンスピード500mm/s、Qスイッチ周波数10KHz、スキャン回数2回)にてフォント18ポイントで0〜9までの数字パターンを製版した。数字パターンをパターニングしたスクリーン印刷版について下記試験方法により、「レーザによる加工性」、「レーザ製版性」、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」、「細線印刷再現性試験」の評価を行った。結果を表2に示す。
【0067】
〔実施例8〜12、比較例6〜10〕
樹脂組成物の組成物処方を表2の実施例7〜12比較例6〜10に記載した。その際分散剤はペイントコンディショナー分散時に添加した以外は、樹脂組成物作成は実施例1に準じた。
【0068】
比較例6は、現行の乳化剤であるムラカミ(株)製「ONEPOT 50M」にて通常の方法より作製したことを除き、実施例1と同様にして数字パターンをパターニングしたスクリーン印刷版を作製した。このスクリーン版について、実施例1と同様にして、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」、「細線印刷再現性」の評価を行った。
比較例6はレーザ製版ではないため、「レーザによる加工性」および「レーザ製版性」については評価を行わなかった。
【0069】
比較例7は、1,4−ブタンジオールとアジピン酸から合成したポリエステルポリオール(OH価210)70重量部、カーボンブラック5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25重量部を配合し、3本ロールにて分散し、主剤の樹脂組成物を調整した。
この主剤に対して硬化剤であるトリレンジイソシアネートを70重量部配合し、デスパーで10分間混合し、2液硬化型樹脂組成物を調合した。
この樹脂組成物を剥離フィルムにアプリケーターにて塗布した後、熱風乾燥オーブンにて60℃10分間乾燥し、フィルム(膜厚10μm)を得た。
次に予め紗張りしたスクリーン版に前記樹脂組成物を塗布し、フィルムを貼り合わせた後、60℃10分間乾燥させた後、剥離フィルムを剥がして、24時間室温にて放置し、製版前のスクリーン印刷版を作製した。
また、「耐溶剤性(塗膜の密着性試験)」の直後は剥離フィルムを剥がした直後に測定した。
【0070】
比較例8はレーザ製版出来ず、「印刷耐久性」、「連続印刷性」および「細線印刷性」については評価を行わなかった。
【0071】
比較例9は多官能アジリジン化合物を配合していないため、フィルムの耐溶剤性が劣り、スクリーン版として十分に機能していない。
表2から本発明のスクリーン印刷版は、スクリーン紗には実用上の損傷が無く、しかも、レーザ光により簡便に製版でき、耐久性にも優れていることがわかる。
【0072】
【表2】

【符号の説明】
【0073】
1:スクリーン印刷用版
2:スクリーン紗
3:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂塗膜
4:スクリーン印刷用版
5:レーザ光
6:開口部
7:フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン紗と、
前記スクリーン紗に、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合 物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物を、塗布することにより形成された 樹脂塗膜と、
を有することを特徴とするレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【請求項2】
2液硬化型樹脂組成物が、樹脂組成物全量に対して、多官能アジリジン化合物を1〜20重量%含有することを特徴とする請求項1記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【請求項3】
2液硬化型樹脂組成物が、波長1100〜1200nmの光に対する透過率85%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【請求項4】
2液硬化型樹脂組成物が、樹脂組成物全量に対して、着色剤を0.1〜20重量%含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【請求項5】
前記2液硬化型樹脂組成物を、フィルム状に形成し、
前記フィルムが、2液硬化型樹脂組成物を、スクリーン紗に塗布することにより形成さ れた樹脂塗膜上
に積層されてなることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版。
【請求項6】
スクリーン紗に、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物を、塗布することにより、スクリーン紗に樹脂塗膜を形成することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版の製造方法。
【請求項7】
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物および着色剤を含有 する2液硬化型樹脂組成物を、フィルム状に形成し、
前記フィルムが、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、多官能アジリジン化合物お よび着色剤を含有する2液硬化型樹脂組成物を、スクリーン紗に塗布してなる樹脂塗 膜に接着させることにより、
該フィルム、前記2液硬化型樹脂組成物からなる樹脂塗膜およびスクリーン紗
を有する請求項5記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版を製造する、レーザ製版用スクリーン印刷用版の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜5いずれか記載のレーザ製版用スクリーン印刷用版にレーザ光を照射することにより、樹脂塗膜、または、前記フィルムおよび樹脂塗膜に所定パターンの開口を形成することを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載のスクリーン印刷版の製造方法により製造されたスクリーン印刷版。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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