説明

ロジウムおよびイリジウム錯体

【課題】リン光発光器である新規な有機金属化合物であり、このタイプの化合物は、最も広い意味で電子産業に分類され得る一連の種々のタイプの用途で活性成分(=機能性材料)として用いられるロジウム及びイリジウム錯体の提供。
【解決手段】化合物は


(式中、M:Rh,Ir、X:ハロゲン、Y:O、S、Se、R:芳香族炭化水素、およびa,b,n:整数をあらわす。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機金属化合物、特にd8 金属の化合物は、近い将来、最も広い意味で電子産業に分類され得る一連の種々のタイプの用途において活性成分(=機能性材料)として用途を見出すであろう。
【背景技術】
【0002】
有機成分に基づく有機エレクトロルミネッセンスデバイス(構造の一般的記述については、特許文献1および特許文献2を参照されたい)およびその個別のコンポーネント、すなわち有機発光ダイオード(OLED)は、すでに、パイオニアが提供している有機ディスプレーを有するカーラジオによって確認されているように市場に導入されている。このタイプの今後の製品は、すぐに導入されるようになるであろう。それにもかかわらず、現在市場を主導している液晶ディスプレー(LCD)に対して真の競争を持ち込むために、または液晶を克服するために現時点でも明白な改良がなお必要である。
【0003】
ここ2年間に出現したこの方向の進歩は、蛍光発光の代わりに燐光発光を示す有機金属錯体の使用である[非特許文献1]。スピン確率(spin probability)に関連する理論的理由のために、燐光発光物質として有機金属化合物を用いると、4倍に達するエネルギー効率と性能効率が可能である。この新たな展開がそれ自体確立するかどうかは、OLEDとしてそれらの利点(3重項発光=単発光と比較しての燐光発光=蛍光発光)もまた利用し得る対応するデバイス構成が見出され得るかどうかに強く依存している。実際の使用のための必須の条件は特に、モバイル用途を可能とするために、長い動作寿命、熱ストレスに対する高い安定性、および低い使用電圧および動作電圧である。
【0004】
加えて、対応する有機金属化合物に対して効率的な化学的アクセスが存在しなければならない。この点では、有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物は、特に関心がもたれる。特に、ロジウムとイリジウムのコストを考慮すると、それらの金属の場合には、対応する誘導体への効率的なアクセスが可能とされることが決定的に重要である。
【0005】
本発明の主題の一部を構成する5’−モノ−、5,5”−ジ−および5,5”,5”’−トリ−ハロゲン官能化トリス−オルソ−メタル化(metalated)有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物(化合物(I)または(II))、5’,5”−ジ−および5’,5”,5”’,5””−テトラ−ハロゲン官能化テトラキス−オルソ−メタル化有橋(bridged)有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物(化合物(V)および(VII))およびカチオン性、中性またはアニオン性5’−モノ−および5’,5”−ジ−ハロゲン官能化ビス−オルソ−メタル化有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物(化合物(IX)、(XI)、(XIII)および(XV))は、きわめて効率的な3重項発光体を得るための中心となる重要なビルディングブロックである。というのは、ハロゲン官能基は、文献に記載されている通常の方法により多数の官能基に変換され得るからである。このことは、これらの活性発光中心を多数のポリマーに共有結合で組み込むことだけではなく、それらのビルディングブロックの光電特性の調整も可能とする。例えば、上記構造から出発して、ハロゲン官能化化合物の更なる官能基付与のために、または対応するポリマーの調製の際の(コ)モノマーとしての使用のために、典型的なC−C結合生成反応(例えば、スチレまたはスズキカップリング)またはC−ヘテロ原子結合生成反応(例えば、C−Nについては、ハートビッヒ−ブッフバルトカップリング、また、C−OおよびC−Pについても同様)が可能である。
【0006】
5’−モノ−,5,5”−ジ−および5,5”,5”’−トリ−ハロゲン官能化トリス−オルソ−メタル化有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物(化合物(I)または(II))、5’,5”−ジ−および5’,5”,5”’,5””−テトラ−ハロゲン−官能化テトラキス−オルソ−メタル化有橋有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物(化合物(V)および(VII))およびカチオン性、中性またはアニオン性5’−モノ−および5’,5”−ジ−ハロゲン官能化ビス−オルソ−メタル化有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物(化合物(IX)、(XI)、(XIII)および(XV))は、純粋な材料としてのその効率的な調製および有用性が様々の電子工学的用途にとって極めて有意義であるにもかかわらず、これまで文献に記載されてこなかった。
【0007】
最も近い先行技術は、オルソメタル化2−フェニルピリジンリガンドに加えて、2,2’−ビピリジンリガンドをも有するカチオン性ルテニウム(II)錯体のモノ臭素化およびモノヨウ素化であるとみなされ得る(非特許文献2)。用いられる臭素化剤は、N−ブロモスクシンイミドであり、ヨウ素化剤は、1対1のモル比の二酢酸ヨードベンゼンと元素ヨウ素の混合物である。クロマトグラフィーによる精製後の単離収率は、臭素化の場合には95%とされ、ヨウ素化の場合には50%とされている。
【0008】
類似の反応は、クラークらにより記載されている、過臭化ピリジニウムによるルテニウム(II)カルボニルクロロ錯体およびオスミウム(II)カルボニルクロロ錯体のオルソメタル化2−フェニルキノリンおよび2,3−ジフェニルキノキサリンリガンドの臭素化であるとみなされ得る。クロマトグラフィーによる精製の後、27%から92%の収率が確認された[非特許文献3]。
【0009】
それら2報の参照文献は、以下の欠点を有する。
【0010】
(1)RuまたはOs錯体の誘導体化のみであり、RhまたはIr化合物の誘導体化は記載されていない。
【0011】
(2)複数の置換位置が存在する場合にどのようにしたら所望のモノ−、またはジ−、またはトリ−またはテトラ−官能化化合物を選択的に得ることが可能であるかについて実行可能な教示が提供されていない。というのは、どちらの場合でも、錯体分子あたり1つのハロゲン化のみが可能であるにすぎないからである。
【0012】
対照的に、ビス−、トリス−、またはテトラキス−オルソメタル化有機ロジウムまたは有機イリジウム化合物の選択的な5’−モノ−、5’,5”−ジ−、5’,5”,5”’−トリ−および5’,5”,5”’,5””−テトラハロゲン化は、これまで文献に記載されてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】US−A−4,539,507
【特許文献2】US−A−5,151,629
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】M.A.バルドー、S.ラマンスキー、P.E.バローズ、M.E.トンプソン、S.R.フォレスト、Applied Physics Letters,1999,75,4〜6
【非特許文献2】C.クードレ、S.フレイス、J.−P−ローネー、Chem.Commun.、1998、663〜664
【非特許文献3】A.M.クラーク、C.E.F.リッカート、W.R.ローパー、L.J.ライト、J.Organomet.Chem.,2000、598、262〜275
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
驚くべきことに、このたび、塩基および任意にルイス酸の存在下で、または有機N−ハロゲン化合物の存在下で、または有機O−ハロゲン化合物およびハロゲンX2 からなるハロゲン化剤の存在下でハロゲンまたはハロゲン間化合物により、化合物(III)、(IV)、(VI)、(VIII)、(X)、(XII)、(XIV)または(XVI)を与えるように、対応するハロゲン化剤の化学量論比の適切な選択により、およびまた、反応温度、反応媒体、濃度および反応時間のような反応パラメーターの適切な選択により、クロマトグラフィーによる精製方法を用いることなくNMRまたはHPLCによる>99%の純度で(例1〜10を参照)、90〜98%収率で再現性をもって、トリス−オルソ−メタル化有機ロジウムまたは有機イリジウム化合物から出発して、スキーム1により新規な化合物(I)または(II)が得られ、テトラキス−オルソ−メタル化有橋有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物から出発して、スキーム2により新規な化合物(V)または(VII)が得られ、カチオン性、中性またはアニオン性官能化ビス−オルソ−メタル化有機ロジウムおよび有機イリジウム化合物から出発して、スキーム3により新規な化合物(IX)、(XI)、(XIII)または(XV)が得られることが見出された。
【0016】
上記方法は、文献にその形態でこれまで記載されてこなかった3つの特徴について注目すべきである。
【0017】
第1に、選択的な5’−モノ−、5’,5”−ジ−、5’,5”,5”’−トリおよび5’,5”,5”’,5””−テトラ−ハロゲン化は、この形態では予測されていないし公知ではない。それは、ロジウムまたはイリジウム原子に対してパラ位が当該金属のために受ける活性に由来すると推定される。求電子置換反応、この場合にはハロゲン化に向かうこの位置の予想外に高い活性は、故意に、穏やかなハロゲン化剤の使用により利用される。
【0018】
高い選択性と大きな反応速度の達成のための決定的要因は、置換の過程で生成するハロゲン化水素酸を結合する酸結合剤の存在下で作用させることである。これは、副反応を明らかに効果的に抑制する驚くべき知見である。それゆえ、本発明によるハロゲン化剤は、ハロゲン化剤に固有の構成成分であるかまたはハロゲン化剤に付加的に加えられるかのいずれかである、塩基のような酸結合剤を含む。
【0019】
第2に、単離される生成物の再現性のあるきわめて良好な収率に反映される、達成された高い変換率は、三つ組元素の金属に結合するオルソ−メタル化リガンドのハロゲン化にとって予期せぬものであり、独特のことである。
【0020】
第3に、得られる化合物は、複雑なクロマトグラフィーによる精製を行わないでも、NMRまたはHPLCにより>99%のきわめて良好な純度で産生される。このことは、光電子部品としての使用にとって、または対応する化合物の調製のための中間体としての利用にとって必須である。
【0021】
上に概説されたように、本発明による化合物は、現在まで記載されておらず、それゆえ新規である。
【0022】
それゆえ、本発明は、スキーム1
【化1】

【0023】
(上記式中、記号および添字は以下の通りに定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Xは、F、Cl、Br、Iであり、
Yは、O、S、Seであり、
Rは、それぞれの存在(occurrence)について同一か異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、CN、または1〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が、−O−、−S−、NR1 −または−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子がFにより置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、または1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基であり、同一環上または2つの異なる環上のいずれかの複数のR置換基は、さらに、互いに単環または多環状環系を包含し得るものであり、
1 およびR2 は、同一または異なり、それぞれHであるかまたは1〜20個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
aは、0、1、2、3または4であり、好ましくは0、1または2であり、
bは、0、1、2または3、好ましくは0または1であり、
nは、1、2または3である)
により化合物(I)および(II)を提供する。
【0024】
本発明の更なる態様は、化合物(I)の場合のようなタイプのリガンドと化合物(II)のリガンドを同時に有する、すなわち、混合リガンド系であるRhおよびIr錯体に関する。
【0025】
それは、式(Ia)および(IIa)
【化2】

【0026】
(式中、記号と添字は、式(I)および(II)の下で定義された通りである)
により記述される。
【0027】
それゆえ、本発明は、同様に、スキーム2
【化3】

【0028】
(式中、記号および添字は以下の通り定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Xは、F、Cl、Br、Iであり、
Yは、O、S、Seであり、
Zは、F、Cl、Br、I、O−R1 、S−R1 、N(R1 2 であり、
Rは、それぞれの存在について同一かまたは異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、CN、1〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が−O−、−S−、−NR1 −または−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子が、Fにより置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、または1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基であり、同一環上または2つの異なる環上のいずれかで複数のR置換基がさらに互いに単環または多環状環系を包含し、
1 およびR2 は、同一または異なり、それぞれHまたは1〜20個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
aは、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2であり、
bは、0、1、2または3、好ましくは0または1であり、
pは、1または2である。)
により化合物(V)および(VII)を提供する。
【0029】
それゆえ、本発明は、同様に、スキーム3
【化4】

【0030】
(式中、記号および添字は、以下の通りに定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Xは、F、Cl、Br、Iであり、
Yは、O、S、Seであり、
Rは、それぞれの存在について同一または異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、CN、1〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が、−O−、−S−、−NR1 −または−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子がFにより置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、または1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基であり、同一環状または2つの異なる環上のいずれかの複数のR置換基は、互いにさらなる単環または多環状環系を包含し得るものであり、
1 およびR2 は、同一または異なり、Hまたは1〜20個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
1 は、中性のモノデンテート(monodentate)リガンドであり、
2 は、モノアニオン性モノデンテートリガンドであり、
3 は、中性またはモノもしくはジアニオン性ビデンテートリガンドであり、
aは、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2であり、
bは、0、1、2または3、好ましくは0または1であり、
mは、0、1または2であり、
pは、1または2である。)
による化合物(IX)、(XI)、(XIII)および(XV)を提供する。
【0031】
本発明による中性のモノデンテートリガンドL1 は、一酸化炭素、例えばtert−ブチルイソニトリル、シクロヘキシルイソニトリル、アダマンチルイソニトリルのようなイソニトリル、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリンのようなアミン、例えばトリフルオロホスフィン、トリメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンのようなホスフィン、例えばトリメチルホスフィット、トリエチルホスフィットのようなホスフィット、例えばトリフルオロアルシン、トリメチルアルシン、トリシクロヘキシルアルシン、トリ−tert−ブチルアルシン、トリフェニルアルシニン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルシンのようなアルシン、例えばトリフルオロスチビン、トリメチルスチビン、トリシクロヘキシルスチビン、トリ−tert−ブチルスチビン、トリフェニルスチビン、トリス(ペンタフルオロフェニル)スチビンのようなスチビンおよびピリジン、ピリダジン、トリアジンのような窒素へテロ環である。
【0032】
本発明によるモノアニオン性モノデンテートリガンドL2 は、ハライド、シアナイド、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、例えばメトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、tert−ブトキシド、フェノキシドのようなアルコキシド、例えばメタンチオレート、エタンチオレート、プロパンチオレート、イソ−プロパンチオレート、tert−チオブトキシド、チオフェノキシドのようなチオアルコキシド、例えばジメチルアミド、ジエチルアミド、ジイソプロピルアミド、ピロリド、モルホリドのようなアミド、例えばアセテート、トリフルオロアセテート、プロピオネート、ベンゾエートのようなカルボキシレート、またはピロリド、アミダゾリド、ピラゾリドのようなアニオン性窒素ヘテロ環である。
【0033】
本発明による中性またはモノもしくはジアニオン性ビデンテートリガンドL3 は、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、シス−、トランス−ジアミノシクロヘキサン、シス−、トランス−N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノシクロヘキサンのようなジアミン、例えば2[(1−(フェニルイミノ)エチル]ピリジン、2[(1−(2−メチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2[(1−(2,6−ジ−イソ−プロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2[(1−(メチルイミノ)エチル]ピリジン、2[(1−(エチルイミノ)エチル]ピリジン、2[(1−(イソ−プロピルイミノ)エチル]ピリジン、2[(1−(tert−ブチルイミノ)エチル]ピリジンのようなイミン、例えば1,2−ビス(メチルイミノ)エタン、1,2−ビス(エチルイミノ)エタン、1,2−ビス(イソプロピルイミノ)エタン、1,2−ビス(tert−ブチルイミノ)エタン、2,3−ビス(メチルイミノ)ブタン、2,3−ビス(エチルイミノ)ブタン、2,3−ビス(イソプロピルイミノ)ブタン、2,3−ビス(tert−ブチルイミノ)ブタン、1,2−ビス(フェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2−メチルフェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルイミノ)エタン、2,3−ビス(フェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2−メチルフェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルイミノ)ブタンのようなジイミン、例えば2,2’−ビピリジン、o−フェナンスロリンのような2つの窒素原子を含むヘテロ環、例えばビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジエチルホスフィノ)メタン、ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、ビス(ジエチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)メタン、ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)エタン、ビス(tert−ブチルホスフィノ)プロパンのようなジホスフィン、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、1,5−ジフェニルアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ビス(1,1,1−トリフルオロアセチル)メタンのような1,3−ジケトンから誘導される1,3−ジケトネート、例えば、エチルアセトアセテートのような3−ケトエステルから誘導される3−ケトネート、例えばピリジン−2−カルボン酸、キノリン−2−カルボン酸、グリシン、ジメチルグリシン、アラニン、ジメチルアミノアラニンのようなアミノカルボン酸から誘導されるカルボキシレート、例えばメチルサリチルイミン、エチルサリチルイミン、フェニルサリチルイミンのようなサリチルイミンから誘導されるサリチルイミネート、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコールのようなジアルコールから誘導されるジアルコキシド、例えば1,2−エチレンジチオール、1,3−プロピレンジチオールから誘導されるジチオレートである。
【0034】
本発明はさらに、化合物(III)または(IV)
【化5】

【0035】
(式中、Mおよび基および添字Y、R、aおよびbは上記定義の通りである)をハロゲン化剤と反応させることにより化合物(I)および(II)を調製するための方法を提供する。
【0036】
本発明はさらに、化合物(VI)または(VIII)
【化6】

【0037】
(式中、Mおよび基および添字Z、Y、R、aおよびbは、上記定義の通りである)をハロゲン化剤と反応させることにより化合物(V)および(VII)を調製するための方法を提供する。
【0038】
本発明はさらに、化合物(X)、(XII)、(XIV)または(XVI)
【化7】

【0039】
(式中、Mおよび基および添字L1 、L2 、L3 、Y、R、a、bおよびmは、上記定義の通りである)をハロゲン化剤と反応させることにより、化合物(IX)、(XI)、(XIII)および(XV)を調製するための方法を提供する。
【0040】
本発明による方法は、スキーム4により示される。
【0041】
スキーム4:
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【0042】
本発明によるハロゲン化剤は、1:1ないし1:100の比のハロゲンX2 もしくはハロゲン間化合物X−Xと塩基および任意に1:0.1ないし1:0.0001の比(ハロゲン対ルイス酸)のルイス酸であり、例えばトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリンおよびピリジンのようなアミンのような有機塩基または、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸の塩、またはリン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムまたはリン酸水素、炭酸水素カリウムまたは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような無機塩基または過臭化ピリジニウムのような有機臭素錯体と組合せで、そして任意にそれぞれ例えば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテレート(boron trifluoride etherate)、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三ヨウ化アルミニウム、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、塩化亜鉛(II)、臭化亜鉛(II)、塩化スズ(IV)、臭化スズ(IV)、五塩化リン、五塩化ヒ素、および五塩化アンチモンのようなルイス酸と組合せで、例えば、塩素、臭素またはヨウ素、またはフッ化塩素、フッ化臭素、フッ化ヨウ素、塩化臭素、塩化ヨウ素または臭化ヨウ素が用いられる。
【0043】
それらのハロゲン化剤は、本明細書で以下ハロゲン化剤(I)と称される。
【0044】
本発明による更なるハロゲン化剤は、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テタラフルオロボレート)のような有機N−X化合物、N−クロロ−、N−ブロモ−およびN−ヨードアセトアミド、N−クロロ、N−ブロモ−およびN−ヨードプロピオンアミド、N−クロロ−、N−ブロモ−およびN−ヨードベンズアミドのようなN−ハロカルボキサミド、または、N−クロロ−、N−ブロモ−およびN−ヨードスクシンイミド、N−クロロ−、N−ブロモ−およびN−ヨードフタルイミドのようなN−ハロカルボキシミドまたはベンゼンスルホ−N−ジブロムアミドのようなN−ジハロスルホンアミドまたはクロラミンBまたはTのようなN−ハロスルホンアミドである。
【0045】
それらのハロゲン化剤は、本明細書で以下ハロゲン化剤(II)と称される。
【0046】
ハロゲン化剤(II)の場合には、例えば上記ルイス酸の追加使用は、同様に有益であり得る。
【0047】
本発明による更なるハロゲン化剤は、例えば、0.5:1ないし1:1のモル比の二酢酸ヨードベンゼンまたはビストリフルオロアセトキシヨードベンゼンと元素臭素または0.5:1ないし1:1のモル比の二酢酸ヨードベンゼンまたはビストリフルオロアセトキシヨードベンゼンと元素ヨウ素のような0:5ないし1:1のモル比のヨードアリールジカルボキシレートとハロゲンX2 のような0.5:1ないし1:1のモル比のO−X化合物とハロゲンX2 である。
【0048】
それらのハロゲン化剤は、本明細書で以下ハロゲン化剤(III)と称される。
【0049】
本発明による方法において、1:1の活性ハロゲンの含有量に基づくハロゲン化剤(I)、(II)または(III)対化合物(III)、(IV)、(X)、(XII)、(XIV)または(XVI)の化学量論比は、n=1である化合物(I)、(II)およびp=1である(IX)、(XI)、(XIII)または(XV)を選択的にもたらす。これは驚嘆すべきことであり、予期せぬ結果である。
【0050】
本発明による方法において、2:1の活性ハロゲンの含有量に基づくハロゲン化剤(I)、(II)または(III)対化合物(III)、(IV)、(VI)、(VIII)、(X)、(XII)、(XIV)または(XVI)の化学量論比は、p=1である化合物(V)または(VII)およびn=2である(I)または(II)およびp=2である(IX)、(XI)、(XIII)または(XV)を選択的にもたらす。これは驚嘆すべきことであり、予期せぬ結果である。
【0051】
3:1の活性ハロゲンの含有量に基づくハロゲン化剤(I)、(II)または(III)対化合物(VI)または(VIII)の化学量論比は、n=3である化合物(I)または(II)を選択的にもたらす。これは、驚嘆すべきことであり、予期せぬ結果である。
【0052】
本発明による方法において、4:1ないし1000:1の活性ハロゲンの含有量に基づくハロゲン化剤(I)、(II)または(III)対化合物(VI)または(VIII)の化学量論比は、p=2である化合物(V)または(VII)を選択的にもたらす。これは驚嘆すべきことであり、予期せぬ結果である。
【0053】
本明細書に記載される化学量論比は、本発明の好ましい態様である。と言うのは、それらの比は、均一に置換された生成物をもたらすからである。上記の比からのわずかな逸脱があってもやはり良好な許容し得る結果をもたらすことが理解されるであろう。
【0054】
本発明によれば、化合物(III)、(IV)、(VI)、(VIII)、(X)、(XII)、(XIV)または(XVI)に基づいて0.1:1ないし10:1のモル比で還元剤が、任意に、反応混合物に加えられ得る。本発明による還元剤は、ヒドラジンおよび例えば、ヒドロキノンまたはテトラクロロヒドロキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノヒドロキノンのようなヒドロキノン類である。
【0055】
本発明による反応媒体は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールのようなアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールのような多価アルコール、アセトニトリル、プロピオニトリルまたはベンゾニトリルのようなニトリル、ジエチルエーテル、THFまたはジオキサンのようなエーテル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼンまたはクロロベンゼンのような芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、メチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドンのようなN,N−ジアルキルアミド、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド、ジメチルスルホンまたはスルホランのようなスルホン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素のようなプロトン性または非プロトン性のハロゲンを含有しないかハロゲン化された溶媒であるが、しかしながら、好ましいのは、芳香族または塩素化された溶媒である。
【0056】
本発明によれば、反応は、−78℃から150℃、好ましくは0℃から100℃、きわめて好ましくは10℃から60℃で行われる。
【0057】
本発明によれば、化合物(III)、(IV)、(VI)、(VIII)、(X)、(XII)、(XIV)または(XVI)に対するロジウムまたはイリジウム反応物質の濃度は、0.0005モル/lないし2モル/l、より好ましくは0.002モル/lないし0.1モル/lの範囲にある。
【0058】
本発明によれば、ロジウムまたはイリジウム反応物質は、反応媒体中に溶解もしくは懸濁され得る。
【0059】
本発明によれば、反応は、10分から100時間、好ましくは1時間ないし40時間行われる。
【0060】
本明細書に例示される合成方法は、とりわけ、本明細書で以下提示される例の、化合物(I)、(II)、(Ia)、(IIa)、(V)、(VII)、(IX)、(XI)、(XIII)または(XV)のために用いられ得る。
【化15】

【化16】

【化17】

【0061】
この場合、このようにして得られる本発明による化合物は、例えば、対応する共役(conjugated)または半共役ポリマーを得るためのコモノマーとしての用途を見出し得る。例えば、それらは、とりわけ、溶解性ポリフルオレン(例えば、EP−A−842208またはWO00/22026による)、ポリ−スピロ−ビフルオレン(例えば、EP−A−707020による)、ポリ−パラ−フェニレン(例えば、WO92/18552による)、ポリカルバゾールまたはポリチオフェン(例えばEP−A−1028136による)に重合により組み込まれうる。
【0062】
EP−A−842208およびWO00/22026に開示されているポリフルオレンは、本明細書の一部を構成する。
【0063】
EP−A−707020に開示されているポリ−スピロ−ビフルオレンは、本明細書の一部を構成する。
【0064】
WO92/18552に開示されているポリ−パラ−フェニレンは、本明細書の一部を構成する。
【0065】
EP−A−1028136に開示されているポリチオフェンは、本明細書の一部を構成する。
【0066】
もちろん、本発明による化合物もまた、例えば、上記反応タイプによりさらに官能化されうるし、したがって、広範囲の(extended)低分子量RhまたはIr錯体に変換され得る。例は、スズキに従うアリールボロン酸によるまたはハートビッヒ−ブッフバルトに従うアミンによる官能化である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【実施例】
【0068】
本発明は以下に記載される例により例証されるが、本発明をそれら例に限定する意図はない。当業者は、いかなる創意もなしに本明細書の説明から本発明による更なる錯体を調製し得るかまたは本発明による方法を実施し得る。
【0069】
1.対称的におよび非対称的に官能化されたトリス−オルソ−メタル化有機ロジウムまたは有機イリジウム化合物の合成:
別段の言及のない限り、以下に記載される合成は、市販の溶媒を用いて空気中で行った。反応物質はアルドリッチから入手した[臭素、ヨウ素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−エチルジイソプロピルアミン、塩化鉄(III)、二酢酸ヨードベンゼン、ヒドロキノン]。N−ハロイミドおよび二酢酸ヨードベンゼンを用いる前に、活性ハロゲンの含有量をヨウ素酸塩滴定により定量した[K.W.ローゼンムント、W.クーンヘン、Ber.1923、56、1262に類似の方法]。fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)、fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)4−フルオロフェニル−κC]イリジウム(III)およびfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)−4−メトキシフェニル−κC]イリジウム(III)は、未公開の出願DE10104426.7に記載されているように調製した。テトラキス[(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC][ジ−μ−クロロ]ジイリジウム(III)は、文献記載の方法により調製した(S.スプルーズ、K.A.キング、P.J.スペレーン、R.J.ワッツ、J.Am.Chem.Soc.1984、106、6647)。
【0070】
1H NMRシグナルの帰属は、H−H COSYスペクトルにより一部補助し、13C{ 1H}NMRシグナルの帰属はそれぞれDEPT−135による補助によった。
【0071】
1H NMRシグナルの帰属のための番号付けスキーム[C.クードレ、S.フレイス、J.−P−ローネイ、Chem.Commun.,1998、663〜664による]は、
【化18】

【0072】
例1:fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)(5−クロロフェニル)−κC]イリジウム(III)
4.407g(33.0ミリモル)のN−クロロスクシンイミドを、光を遮断して、1500mlのジクロロメタン中の6.548g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)の十分攪拌されている溶液に加えた。反応混合物を、さらに20時間室温で攪拌した。50mlの体積まで減圧下で濃縮した後、その溶液を500mlのエタノールと混合した。次いで、微結晶沈殿物をろ過し(P4)、50mlのエタノールで3回洗浄し、次いで、減圧下(60℃、10-4ミリバール)で乾燥させた。 1H NMRによる>99.7%の純度で、収量は、7.210〜7.356gであり、95.1〜97.0%に相当した。
【0073】
1H NMR(DMSO−d6):[ppm]=8.32(br.dd,1H, 3HH=8.4Hz, 4HH=1.3Hz,H6),7.91(d,1H, 4HH=2.0Hz,H6’),7.87(ddd,1H, 3HH=8.4Hz, 3HH=8.4Hz, 4HH=1.6Hz,H5),7.42(dd,1H, 3HH=5.4Hz, 4HH=1.6Hz,H3),7.26(ddd,1H, 3HH=8.4Hz, 3HH=5.4Hz, 4HH=1.3Hz,H4),6.87(dd,1H, 3HH=8.0Hz, 4HH=2.0Hz,H4’),6.63(d,1H, 3HH=8.0Hz,H3’)。
【0074】
例2:fac−ビス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]−[2−(2−ピリジニル−κN)(5−ブロモフェニル)−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、100mlジクロロメタン中の1.816g(10.2ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド(活性臭素の含有量:98%)の溶液を、1500mlのジクロロメタン中の6.548g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)の十分に攪拌された溶液に1時間掛けて滴下した。その溶液を室温でさらに15時間攪拌した。100mlの体積まで減圧下で濃縮した後、その溶液を500mlのエタノールと混合した。次いで、微結晶沈殿物をろ過し(P4)、50mlのエタノールで3回洗浄し、次いで、減圧下(60℃、10-4ミリバール)で乾燥した。 1H NMRによる>99.7%の純度で、収量は、8.138〜7.197gであり、97.2〜98.1%に相当した。
【0075】
1H NMR(DMSO−d6):[ppm]=8.25−8.22(m,1H),8.16−8.12(m,2H),7.95−7.93(m,1H),7.86−7.74(m,5H),7.52−7.45(m,3H),7.21−7.17(m,1H),7.16−7.11(m,2H),6.89−6.78(m,3H),6.75−6.53(m,5H)。
【0076】
例3:fac−[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]−ビス[2−(2−ピリジニル−κN)(5−ブロモフェニル)−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、100mlジクロロメタン中の3.632g(20.4ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド(活性臭素の含有量:98%)の溶液を、6.548g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)の十分攪拌されている溶液に1時間かけて滴下した。その溶液を室温でさらに15時間攪拌した。100mlの体積まで減圧下で濃縮した後、溶液を500mlのエタノールと混合した。次いで、微結晶沈殿物をろ過し(P4)、50mlのエタノールで3回洗浄し、次いで、減圧下(60℃、10-4ミリバール)で乾燥した。 1H NMRによる>99.7%の純度で、収量は、7.858〜7.907gであり、96.7〜97.3%に相当した。
【0077】
1H NMR(DMSO−d6):[ppm]=8.25−8.22(m,2H),8.16−8.12(m,1H),7.95−7.93(m,2H),7.86−7.74(m,4H),7.52−7.45(m,3H),7.21−7.17(m,2H),7.16−7.11(m,1H),6.89−6.78(m,3H),6.75−6.53(m,4H)。
【0078】
例4:fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)(5−ブロモフェニル)−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、7.120g(40ミリモル)のN−ブロモスクシンイミドを、1500mlのジクロロメタン中の6.548g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)の十分に攪拌されている溶液に加えた。ほぼ1時間後、生成物が、黄色の微結晶沈殿物として黄色の反応溶液から沈殿した。この懸濁液をさらに20時間室温で攪拌した。200mlの体積まで減圧下で懸濁液を濃縮した後、微結晶沈殿物をろ過し(P4)、100mlの水で10回そして100mlのエタノールで1回洗浄し、続いて減圧下(60℃、10-4ミリバール)で乾燥した。 1H NMRによる>99.7%の純度で、収量は、8.520〜8.610gであり、95.5〜96.5%に相当した。
【0079】
1H NMR(DMSO)=d6):[ppm]=8.26(br.dd.1H, 3HH=8.4Hz, 4HH=1.3Hz,H6),7.96(d,1H, 4HH=2.0Hz,H6’),7.85(ddd,1H, 3HH=8.4Hz, 3HH=8.4Hz, 4HH=1.6Hz,H5),7.49(dd,1H, 3HH=5.4Hz, 4HH=1.6Hz,H3),7.20(ddd,1H, 3HH=8.4Hz, 3HH=5.4Hz, 4HH=1.3Hz,H4),6.89(dd,1H, 3HH=8.0Hz, 4HH=2.0Hz,H4’),6.53(d,1H, 3HH=8.0Hz,H3’)。
【0080】
13C{ 1H}NMR(DMSO−d6):[ppm]=163.8(q),158.1(q),147.2(t),146.8(q),138.0(t),137.6(t),131.8(t),126.7(t),123.9(t),120.0(t),113.5(q)。
【0081】
例5:fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)(5−ブロモフェニル)−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、12.925g=17.42ml(100ミリモル)のN−エチルジイソプロピルアミン、7.991g=2.58ml(50ミリモル)の臭素および16.2mg(0.1ミリモル)の無水塩化鉄(III)を、1500mlのジクロロメタン中の6.548g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)の十分に攪拌されている溶液に加えた。ほぼ6時間後、生成物は、黄色の微結晶沈殿物として赤茶色の反応溶液から沈殿した。この懸濁液を室温でさらに16時間攪拌した。200mlの体積まで減圧下で懸濁液を濃縮した後、微結晶沈殿物を吸引によりろ過し(P4)、100mlの水で10回洗浄し、100mlのエタノールで3回洗浄し、次いで、減圧下(60℃、10-4ミリバール)乾燥した。 1H NMRによる>99.5%の純度で、収量は、8.340〜8.481gであり、93.6〜95.1%に相当した。
【0082】
1H NMRおよび13C{ 1H}NMR分光分析データは、例4を参照されたい。
【0083】
例6:fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)(5−ヨードフェニル)−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、10.152g(40ミリモル)のヨウ素および6.442g(20ミリモル)の二酢酸ヨードベンゼンを、1500mlのジクロロメタン中の6.548g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)の十分に攪拌されている溶液に加えた。ほぼ24時間後、生成物は、黄色の微結晶沈殿物として赤茶色の反応溶液から沈殿した。この懸濁液を室温でさらに16時間攪拌した。100mlの体積まで減圧下で懸濁液を濃縮した後、500mlのエタノールと混合し、次いで、微結晶沈殿物をろ過し(P4)、100mlのエタノールで3回、100mlの水で3回、そして100mlのエタノールで3回洗浄し、減圧下(60℃、10-4ミリバール)で乾燥した。 1 NMRによる99.7%の純度で、収量は、9.819〜9.995gであり、95.1〜96.8%に相当した。
【0084】
1H NMR(DMSO−d6):[ppm]=8.22(br.D,1H, 3HH=8.4Hz,H6),8.06(d,1H, 4HH=2.0Hz,H6’),7.83(br.m,1H,H5),7.45(br.d,1H, 3HH=5.4Hz,H3),7.40(br.m,1H,H4),7.02(dd,1H, 3HH=8.0Hz, 4HH=2.0Hz,H4’),6.41(d,1H, 3HH=8.0Hz,H3’)。
【0085】
例7:fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)(5−ヨードフェニル)−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、13.500g(60ミリモル)のN−ヨードスクシンイミドおよび16mg(0.1ミリモル)の塩化鉄(III)を、1500mlのジクロロメタン中の6.548g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC]イリジウム(III)の十分に攪拌された溶液に加えた。ほぼ48時間後、生成物は、黄色の微結晶沈殿物として黄色の反応溶液から沈殿した。この懸濁液を室温でさらに16時間攪拌した。100mlの体積まで減圧下で懸濁液を濃縮した後、500mlのエタノールと混合し、次いで微結晶沈殿物をろ過し(P4)、100mlのエタノールで3回洗浄し、100mlの水で3回洗浄し、100mlのエタノールで3回洗浄し、減圧下(60℃、10-4ミリバール)で乾燥した。 1H NMRによる>99.5%の純度で、収量は、9.427〜9.657gであり、91.3〜93.5%に相当した。
【0086】
1H NMR分光分析データについては、例6を参照されたい。
【0087】
例8:fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)−5−ブロモ−4−フルオロフェニル−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、100mlのジクロロメタン中の5.323g(30.2ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド(活性臭素の含有量98%)の溶液を、1200mlのジクロロメタン中の7.082g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)4−フルオロフェニル−κC]イリジウム(III)の十分に攪拌された溶液に1時間にわたって滴下して加えた。その溶液を室温でさらに15時間攪拌した。100mlの体積まで減圧下で濃縮した後、溶液を500mlのエタノールと混合した。次いで、微結晶沈殿物をろ過し(P4)、50mlのエタノールで3回洗浄し、次いで、減圧下で(60℃,10-4ミリバール)乾燥した。 1H−NMRによる>99.7%の純度で収量は8.916gであり、94.3%に相当した。
【0088】
1H NMR(DMSO−d6):[ppm]=8.29(d,1H, 3HH=8.0Hz,H6),8.18(d,1H, 4HF=6.7Hz,H6’),7.89(br.dd,1H, 3HH=8.0Hz, 3HH=6.0Hz,H5),7.48(d,1H, 3HH=6.0Hz,H3),7.23(br.dd,1H, 3HH=6.0Hz, 3HH=6.0Hz,H4),6.27(d,1H, 3HF=9.7Hz,H3’)。
【0089】
例9:fac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)−5−ブロモ−4−メトキシフェニル−κC]イリジウム(III)
光を遮断して、7.120g(40.0ミリモル)のN−ブロモスクシンイミドを、1500mlのジクロロメタン中の7.449g(10.0ミリモル)のfac−トリス[2−(2−ピリジニル−κN)−4−メトキシフェニル−κC]イリジウム(III)の十分に攪拌された溶液に加えた。その溶液を室温でさらに20時間攪拌した。0.3mlのヒドラジン水和物を加えて200mlの体積まで減圧下でその懸濁液を濃縮した後、500mlのエタノールと混合して、20時間室温で攪拌した。沈殿した微結晶固体をろ過し(P4)、100mlの水/エタノール(1:1vv)で10回洗浄し、100mlのエタノールで1回洗浄し、続いて、減圧下で(60℃,10-4ミリバール)乾燥した。 1H NMRによる>99.7%の純度で、収量は、9.190gであり、93.6%に相当した。
【0090】
1H NMR(DMSO−d6):[ppm]=8.11(d,1H, 3HH=7.8Hz,H6),7.96(s,1H,H6’),7.78(br.dd,1H, 3HH=7.8Hz, 3HH=6.0Hz,H5),7.48(d,1H, 3HH=6.0Hz,H3),7.21(br.dd,1H, 3HH=6.0Hz, 3HH=6.0Hz,H4),6.35(s,1H,H3’)。
【0091】
例10:テトラキス[(2−ピリジニル−κN)−5−ブロモフェニル)−κC][ジ−μ−クロロ]ジイリジウム(III)
光を遮断して、10.680g(60ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド(活性臭素の含有量:98%)の溶液を、1200mlのジクロロメタン中の10.721g(10.0ミリモル)のテトラキス[(2−ピリジニル−κN)フェニル−κC][ジ−μ−クロロ]ジイリジウム(III)および1.081g(10ミリモル)のヒドロキノンの十分に攪拌されている溶液に加えた。溶液を、室温でさらに15時間攪拌した。200mlの体積まで減圧下で濃縮した後、溶液を2000mlのエタノールと混合した。続いて、微結晶沈殿物をろ過し(P4)、50mlのエタノールで3回洗浄し、次いで、減圧下(60℃、10-4ミリバール)で乾燥した。 1H NMRによる>99.0%の純度で、収量は、12.68gであり、91.0%に相当した。
【0092】
1H NMR(CDCl3 ):[ppm]=9.11(d,1H, 3HH=5.7Hz,H6),7.79(d,1H, 3HH=7.6Hz,H3),7.72(br.dd,1H,H5),7.54(d,1H, 4HH=2.15Hz,H6’),6.74(br.dd,1H,H4),6.62(dd,1H, 4HH=2.15Hz, 3HH=8.35Hz,H4’),5.65(d,1H, 3HH=8.35Hz,H3’)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)
【化1】

(式中、記号および添字は以下の通りに定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Xは、同一か異なり、Cl、Br、Iであり、
Yは、同一か異なり、O、S、Seであり、
Rは、それぞれの存在について同一か異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、CN、または1〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が、−O−、−S−、NR1
−または−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子がFにより
置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、
または1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有する
アリールもしくはヘテロアリール基であり、同一環上または2つの異なる環上のいずれか
の複数のR置換基は、さらに、互いに単環または多環状環系を包含し得るものであり、
1 およびR2 は、同一または異なり、それぞれHであるかまたは1〜20個の炭素原
子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
aは、同一か異なり、0、1、2、3または4であり
bは、同一か異なり、0、1、2または3であり、
nは、1、2または3である。)
の化合物。
【請求項2】
式(Ia)または(IIa)
【化2】

(式中、記号および添字は以下の通りに定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Xは、同一または異なり、Cl、Br、Iであり、
Yは、同一または異なり、O、S、Seであり、
Rは、それぞれの存在について同一か異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、CN、または1〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が、−O−、−S−、NR1
−または−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子がFにより
置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、
または1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有する
アリールもしくはヘテロアリール基であり、同一環上または2つの異なる環上のいずれか
の複数のR置換基は、さらに、互いに単環または多環状環系を包含し得るものであり、
1 およびR2 は、同一または異なり、それぞれHであるかまたは1〜20個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
aは、同一または異なり、0、1、2、3または4であり
bは、同一または異なり、0、1、2または3であり、
nは、1、2または3である)
の化合物。
【請求項3】
式(VII)
【化3】

(式中、記号および添字は以下の通り定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Xは、Cl、Br、Iであり、
Yは、O、S、Seであり、
Zは、F、Cl、Br、I、O−R1 、S−R1 、N(R1 2 であり、
Rは、それぞれの存在において同一かまたは異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、C
N、1〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が−O−、−S−、−NR1
−または−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子が、Fにより置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、または1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有す
るアリールもしくはヘテロアリール基であり、同一環上または2つの異なる環上のいずれかで複数のR置換基が、さらに互いに単環または多環状環系を包含し、
1 およびR2 は、同一または異なり、それぞれHであるかまたは1〜20個の炭素原
子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
aは、0、1、2、3または4であり、
bは、0、1、2または3であり、
pは、1または2である。)
の化合物。
【請求項4】
式(XIII)または(XV)
【化4】

(式中、記号および添字は、以下の通りに定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Xは、Cl、Br、Iであり、
Yは、O、S、Seであり、
Rは、それぞれの存在について同一か異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、CN、1
〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が−O−、−S−、−NR1 −また
は−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子がFにより置換さ
れていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、または
1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するアリー
ルもしくはヘテロアリール基であり、同一環状または2つの異なる環上のいずれかの複数
のR置換基は、互いにさらなる単環または多環状環系を包含し得るものであり、
1 およびR2 は、同一または異なり、それぞれHまたは1〜20個の炭素原子を有す
る脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
3 は、ジアミン、イミン、ジイミン、2つの窒素原子を含むヘテロ環、ジホスフィン、1,3−ジケトンから誘導される1,3−ジケトネート、3−ケトエステルから誘導される3−ケトネート、アミノカルボン酸から誘導されるカルボキシレート、サリチルイミンから誘導されるサリチルイミネート、ジアルコールから誘導されるジアルコキシド、ジチオールから誘導されるジチオレートから選択される中性またはモノもしくはジアニオン性ビデンテートリガンドであり、
aは、0、1、2、3または4であり、
bは、0、1、2または3であり、
mは、0、1または2であり、
pは、1または2である。)
の化合物。
【請求項5】
化合物(III)または(IV)
【化5】

(式中、M並びに基および添字Y、R、aおよびbは請求項1に定義の通りである)をハロゲン化剤と反応させることにより請求項1記載の化合物を製造するための方法。
【請求項6】
化合物(VI)または(VIII)
【化6】

(式中、M並びに基および添字Z、Y、R、aおよびbは、請求項3に定義の通りである)をハロゲン化剤と反応させることにより請求項3記載の化合物を製造するための方法。
【請求項7】
化合物(XIV)または(XVI)
【化7】

(式中、M並びに基および添字L3 、Y、R、a、bおよびmは、上記定義
の通りである)をハロゲン化剤と反応させることにより、請求項4記載の化合物を製造するための方法。
【請求項8】
用いられるハロゲン化剤が、1:1ないし1:100の比のハロゲンX2 もしくはハロゲン間化合物X−Xおよび塩基、または過臭化ピリジニウムのような有機臭素錯体、および
それぞれの場合において、任意に1:0.1ないし1:0.0001の比(ハロゲン対ルイス酸)のルイス酸であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
式(I)および/または(II)
【化8】

および/または式(Ia)および/または(IIa)
【化9】

式(XIII)および/または(XV)
【化10】

(式中、記号および添字は、以下の通りに定義される:
Mは、Rh、Irであり、
Yは、同一か異なって、O、S、Seであり、
Rは、それぞれの存在について同一または異なり、H、F、Cl、Br、NO2 、CN
、1〜20個の炭素原子を有し、1以上の非隣接CH2 基が−O−、−S−、−NR1
または−CONR2 −により置換されていてもよく、かつ1以上の水素原子がFにより置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖もしくは環状アルキルもしくはアルコキシ基、または1以上の非芳香族R基により置換されていてもよい4〜14個の炭素原子を有するア
リールもしくはヘテロアリール基であり、同一環状または2つの異なる環上のいずれかの
複数のR置換基は、互いにさらなる単環または多環状環系を包含し得るものであり、
1 およびR2 は、同一または異なり、Hまたは1〜20個の炭素原子を有する脂肪族
もしくは芳香族炭化水素基であり、
3 は、ジアミン、イミン、ジイミン、2つの窒素原子を含むヘテロ環、ジホスフィン、1,3−ジケトンから誘導される1,3−ジケトネート、3−ケトエステルから誘導される3−ケトネート、アミノカルボン酸から誘導されるカルボキシレート、サリチルイミンから誘導されるサリチルイミネート、ジアルコールから誘導されるジアルコキシド、ジチオールから誘導されるジチオレートから選択される中性またはモノもしくはジアニオン性ビデンテートリガンドであり、
aは、同一または異なり、0、1、2、3または4であり、
bは、同一または異なり、0、1、2または3であり、
nは、1、2または3であり、および
mは、0、1または2であり、
pは、1または2であり、
Xは、共役または半共役ポリマーに対する結合である)の1以上の化合物を含むポリフルオレン、ポリ−スピロ−ビフルオレン、ポリ−パラ−フェニレン、ポリカルバゾールおよびポリチオフェンから選択される共役または半共役ポリマー。
【請求項10】
ポリマーが、ホモポリマーまたはコポリマーであることを特徴とする請求項記載のポリマー
【請求項11】
ポリマーが有機溶媒に可溶性であることを特徴とする請求項9ないし10のいずれか1
項記載のポリマー。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれか1項記載の少なくとも1種のポリマーを含む有機電子素子。

【公開番号】特開2009−149655(P2009−149655A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5838(P2009−5838)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【分割の表示】特願2002−567945(P2002−567945)の分割
【原出願日】平成14年2月21日(2002.2.21)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】