説明

ロボットシステムおよび被加工物の製造方法

【課題】保持対象物の配置状態を検出する際のハレーション(ぼやけ)を抑制することが可能なロボットシステムを提供する。
【解決手段】このロボットシステム100は、内部に複数のワーク201が配置され、網状に形成されている仮置き部4a、4b、4cおよび4dと、網状に形成されている仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部に配置された複数のワーク201の配置状態を検出するための配置状態検出部3と、配置状態検出部3により検出された複数のワーク201の配置状態に基づいて、ワーク201を保持するハンド部15を含むロボットアーム11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボットシステムおよび被加工物の製造方法に関し、特に、保持対象物を保持するための保持部を含むロボットアームを備えるロボットシステムおよび被加工物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保持対象物を保持するための保持部を含むロボットアームを備えるロボットシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ワーク(保持対象物)を保持するための把持装置(保持部)を含むロボットアームと、平板状の側面および底面を有する箱状のストッカの内部に配置された複数のワークを検出(撮像)するためのセンサユニットとを備えるロボットシステムが開示されている。上記特許文献1のロボットシステムでは、ストッカの内部に配置された複数のワークをセンサユニットにより撮像することにより、複数のワークのそれぞれの配置状態が検出される。その後、複数のワークのうちから選択された1つのワークを把持装置により把持するように、ロボットアームが駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−115930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のロボットシステムでは、複数のワークが平板状の側面および底面を有する箱状のストッカの内部に配置されており、センサユニットにより複数のワークを撮像する際に、ストッカの平板状の側面および底面からレーザ光が反射され、反射されたレーザ光が特に強い部分の像が白くぼやける現象であるハレーションを起こす場合がある。このため、ワーク(保持対象物)の配置状態を撮像(検出)する際のハレーション(ぼやけ)を抑制することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、保持対象物の配置状態を検出する際のハレーション(ぼやけ)を抑制することが可能なロボットシステムおよび被加工物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるロボットシステムは、内部に複数の保持対象物が配置され、少なくとも一部分が網状に形成されている容器と、一部分が網状に形成されている容器の内部に配置された複数の保持対象物の配置状態を検出するための配置状態検出部と、配置状態検出部により検出された複数の保持対象物の配置状態に基づいて、保持対象物を保持する保持部を含むロボットアームとを備える。
【0008】
この第1の局面によるロボットシステムでは、上記のように、内部に複数の保持対象物が配置され、少なくとも一部分が網状に形成されている容器と、一部分が網状に形成されている容器の内部に配置された複数の保持対象物の配置状態を検出するための配置状態検出部とを備えることによって、容器の少なくとも一部分が網状に形成されているので、保持対象物を検出する際の光の一部が容器から反射されずに容器を通過する。これにより、容器からの光の反射量を減少させることができるので、保持対象物を検出する際のハレーション(ぼやけ)を抑制することができる。
【0009】
この発明の第2の局面による被加工物の製造方法は、少なくとも一部分が網状に形成されている容器の内部に配置された複数の被加工物の配置状態を配置状態検出部により検出するステップと、配置状態検出部により検出された複数の被加工物の配置状態に基づいて、被加工物をロボットアームの保持部により保持するとともに被加工物を次工程に搬送するステップと、次行程において被加工物に対して所定の処理を施すステップとを備える。
【0010】
この発明の第2の局面による被加工物の製造方法では、上記のように、少なくとも一部分が網状に形成されている容器の内部に配置された複数の被加工物の配置状態を配置状態検出部により検出するステップを備えることによって、容器の少なくとも一部分が網状に形成されているので、保持対象物を検出する際の光の一部が容器から反射されずに容器を通過する。これにより、容器からの光の反射量を減少させることができるので、保持対象物を検出する際のハレーション(ぼやけ)を抑制することが可能な被加工物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態によるロボットシステムを上方から見た全体図である。
【図2】本発明の一実施形態によるロボットシステムを側方から見た全体図である。
【図3】本発明の一実施形態によるロボットシステムのハンド部の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるロボットシステムのハンド部に保持されるワークの斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態によるロボットシステムの配置状態検出部の正面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるロボットシステムのブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態によるロボットシステムの仮置き部の斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態によるロボットシステムの持ち直し台の正面図である。
【図9】図8の300−300線に沿った断面図である。
【図10】本発明の一実施形態によるロボットシステムの制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態によるロボットシステムの配置状態検出部がワークパレットのワークを走査する状態を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態によるロボットシステムのハンド部がワークを保持した状態を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態によるロボットシステムのハンド部によりワークが仮置き部に載置された状態を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態によるロボットシステムの配置状態検出部が仮置き部のワークを走査する状態を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態によるロボットシステムの配置状態検出部により撮像された画像を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態によるロボットシステムのハンド部によりワークがワーク受けに載置された状態を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態によるロボットシステムのハンド部によりワークが持ち直し台に載置された状態を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態の第1変形例によるロボットシステムを側方から見た全体図である。
【図19】本発明の一実施形態の第2変形例によるワークを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
まず、図1〜図9を参照して、本実施形態によるロボットシステム100の構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、ロボットシステム100は、ロボット1と、ロボットシステム100の全体の動作を制御するロボットコントローラ2と、配置状態検出部3と、ワーク201が仮置きされる4つの仮置き部4a、4b、4cおよび4dと、ワーク201を持ち直すための持ち直し台5aおよび5bとを備えている。また、ロボットシステム100に隣接するように、複数のワーク201が内部に配置される2つのワークパレット200aおよび200bが配置されている。また、4つの仮置き部4a、4b、4cおよび4dは、ワークパレット200aおよび200bに対して、それぞれ、2つずつ配置されている。なお、ロボットコントローラ2は、本発明の「制御部」の一例である。また、仮置き部4a、4b、4cおよび4dは、本発明の「容器」の一例である。また、持ち直し台5aおよび5bは、本発明の「台部」の一例である。また、ワーク201は、本発明の「保持対象物」および「被加工物」の一例である。また、ワークパレット200aおよび200bは、本発明の「収納部」の一例である。
【0015】
また、ロボットシステム100に隣接するように、2つの次工程の機器202aおよび202b(たとえば加工機)が配置されている。また、次工程の機器202a(機器202b)とロボットシステム100との間には、ワーク201を次工程の機器202a(機器202b)に搬送するためのワーク受け203a(ワーク受け203b)が設けられるレール204a(レール204b)が配置されている。また、レール204a(レール204b)を取り囲むように、ワーク201の磁気を脱磁するための脱磁器205a(脱磁器205b)が配置されている。また、レール204a(レール204b)と次工程の機器202a(機器202b)との間には、ワーク201を次工程の機器202a(機器202b)に投入するためのワーク投入機206a(ワーク投入機206b)が配置されている。
【0016】
また、図4に示すように、ワーク201は、円柱状の第1部分201aと、第1部分201aよりも小さい直径を有する円柱状の第2部分201bとから構成されている。また、ワーク201は、磁性材料から構成されている。
【0017】
図1および図2に示すように、ロボット1は、ロボットアーム11により構成される多関節ロボットからなる。また、ロボットアーム11は、基台12と、複数のアーム部分13と、各アーム部分13を接続する複数の関節14とを有する。また、ロボットアーム11には、関節14を駆動するためのサーボモータ(図示せず)が内蔵されており、ロボットアーム11(サーボモータ)の駆動は、ロボットコントローラ2により制御されるように構成されている。
【0018】
また、本実施形態では、図3に示すように、ロボットアーム11の先端には、ワーク201を磁力によって保持するための磁性材料からなるハンド部15が設けられている。ハンド部15には、3本の指部材151a、151bおよび151cが設けられている。図4に示すように、指部材151aおよび151bの長さは、ワーク201の直径の大きい第1部分201aの側面に接するように、ワーク201の直径の小さい第2部分201bの側面に接する指部材151cの長さよりも小さい。また、ハンド部15には、電磁石部152が設けられている。そして、電磁石部152が発生する磁力により、指部材151a、151bおよび151cが磁化され、指部材151a、151bおよび151cにワーク201が保持される。また、ハンド部15には、フローティング部(バネ部)153が設けられている。フローティング部153は、ハンド部15がワーク201に押し付けられた際、ワーク201にかかるハンド部15の力(衝撃)を吸収する機能を有する。なお、ハンド部15は、本発明の「保持部」の一例である。
【0019】
ここで、本実施形態では、ロボットアーム11の先端側のアーム部分13には、ワークパレット200aおよび200bの内部に配置された複数のワーク201の3次元の配置状態を検出するとともに、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部に配置された複数のワーク201の3次元の配置状態を検出するための配置状態検出部3が設けられている。なお、配置状態検出部3により検出されたワークパレット200aおよび200bの内部の複数のワーク201の配置状態に基づいて、ロボットアーム11のハンド部15によりワーク201が保持された後、仮置き部4a、4b、4cおよび4dにワーク201が移動される。その後、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部に配置された複数のワーク201の3次元の配置状態が検出されるように構成されている。具体的には、ワークパレット200aおよび200b内のワーク201の配置状態の検出は、仮置き部4a、4b、4cおよび4d内のワーク201の配置状態の検出よりもラフ(大雑把)に行われ、ワークパレット200aおよび200b内に配置されるワーク201の2次元の平面的な配置状態(ワーク201の向きは検出されない)、および、ワーク201の配置される高さを検出することにより、3次元の配置状態が検出されるように構成されている。
【0020】
また、仮置き部4a、4b、4cおよび4dに移動されたワーク201の配置状態を配置状態検出部3により検出する際には、ワークパレット200aおよび200bの内部に配置された複数のワーク201の配置状態を検出する際よりもより詳細に検出するように構成されている。すなわち、配置状態検出部3は、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部に配置されているワーク201については、2次元の平面的な配置状態および高さに加えて、ワーク201の向きまで詳細に検出するように構成されている。たとえば、ワーク201が縦向きになった状態(第1部分201aの平坦部201c(図4参照)が、上方向(矢印Z1方向)、下方向(矢印Z2方向)に向いている状態)か、または、横向きになった状態(第1部分201aの平坦部201cが水平方向に向いている状態)かが検出される。
【0021】
また、図5および図6に示すように、配置状態検出部3は、カメラ31と、レーザスキャナ32と、制御部33と、記憶部34とを含んでいる。なお、レーザスキャナ32と、制御部33とは、それぞれ、「レーザ投光機」および「距離演算部」の一例である。また、レーザスキャナ32は、スリット光を発生するレーザ光源(図示せず)と、ミラー(図示せず)と、ミラーを駆動するサーボモータ(図示せず)とを含んでいる。そして、レーザ光源から照射されたスリット状のレーザ光がミラーに照射され、ミラーがモータにより回転されることにより、ワーク201にスリット状のレーザ光が照射(走査)されるように構成されている。ワーク201に照射されたレーザ光の反射光は、カメラ31によって撮像される。そして、制御部33は、サーボモータの回転角度位置情報と、カメラ31の撮像素子の設置位置と、レーザ光源、ミラーおよびカメラの位置関係とに基づいて、三角測量の原理によりワーク201までの距離(ワークパレット200aおよび200b、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部のワーク201の3次元形状情報)を算出して画像の各画素毎に距離情報を有する距離画像を求めるように構成されている。
【0022】
また、制御部33には、予め検出されるワーク201の特徴情報が記憶されており、制御部33は得られた距離画像とワーク201の特徴情報とを照合させてワーク201の位置及び姿勢を求めるように構成されている。なお、ワーク201の特徴情報は、単純にはワーク全体の形状情報でもよいが、演算量を削減するために、ワーク201の特徴的な形状(孔部、棒状部、平坦部の形状など)をワーク201の特徴情報として記憶させておいてもよい。このようにして配置状態検出部3は、検出されたワーク201までの間の距離に基づいて、ワークパレット200aおよび200b(仮置き部4a、4b、4cおよび4d)の内部に配置された複数のワーク201の配置状態を検出するように構成されている。具体的には、検出された部分の寸法(長さ)や、曲面(ワーク201の円柱状の側面に対応)を認識することにより、個々のワーク201が検出される。なお、配置状態検出部3の記憶部34に予めワーク201の3次元形状情報を記憶させて、予め記憶部34に記憶されたワーク201の3次元形状情報と検出されたワークパレット200aおよび200b(仮置き部4a、4b、4cおよび4d)の内部のワーク201の3次元形状情報とを比較することにより、個々のワーク201の配置状態を検出してもよい。また、図1に示すように、配置状態検出部3は、ケーブル35によってロボットコントローラ2に接続されている。
【0023】
また、図1に示すように、ロボットコントローラ2は、ロボット1および配置状態検出部3に接続されている。ここで、本実施形態では、ロボットコントローラ2は、ロボットアーム11のハンド部15に保持される前の複数のワーク201が予め内部に配置されたワークパレット200aおよび200bから、ワーク201をロボットアーム11のハンド部15の磁力により保持した後、ハンド部15に保持されたワーク201を網状の仮置き部4a、4b、4cおよび4dに移動するようにロボットアーム11を制御するように構成されている。また、ロボットコントローラ2は、検出された仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部のワーク201の配置されている向き(ワーク201が縦向きになった状態、横向きになった状態)に応じて、ワーク201を持ち直し台5aおよび5bに載置してワーク201の向きを変更させる動作と、ワーク201を持ち直し台5aおよび5bに載置せずに直接次工程の機器202aおよび202b(ワーク受け203aおよび203b)に搬送する動作とを選択的に行うようにロボットアーム11を制御するように構成されている。具体的には、ロボットコントローラ2は、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部において、縦向きになった状態のワーク201を持ち直し台5aおよび5bに載置してワーク201の向きを横向きになった状態(図8および図9参照)に変更させるとともに、横向きになった状態のワーク201は、持ち直し台5aおよび5bに載置せずに直接次工程の機器202aおよび202b(ワーク受け203aおよび203b)に搬送するようにロボットアーム11を制御するように構成されている。また、ロボットコントローラ2には、予め仮置き部4a、4b、4cおよび4dの4隅の角部分41(図7参照)の位置座標が記憶されており、ロボットコントローラ2は、ロボットアーム11が仮置き部4a、4b、4cおよび4dに接触しないように、ロボットアーム11を制御するように構成されている。
【0024】
ワークパレット200aおよび200bは、金属や樹脂などから形成されており、図2に示すように、ワークパレット200aおよび200bの内部には、複数のワーク201が無作為に配置(バラ積み)されている。
【0025】
図1および図2に示すように、仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)は、仮置き台207の上に配置されている。ここで、本実施形態では、図7に示すように、仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)は、箱状に形成されており、仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)の枠部42以外の底面43と側面44とは、網状に形成されている。また、仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)の側面44は、底面43から上方に向かって対向する側面44の間隔が広がるように傾斜している。なお、仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)の側面44により、ワーク201が仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)から外側に飛び出すのが抑制される。また、仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)は、鉄などの磁性材料により構成されている。また、仮置き部4a(仮置き部4b、4cおよび4d)の網状の部分は、円形の断面を有する線状の部材45(たとえば針金)により構成されており、線状の部材45の太さ(直径)は、配置状態検出部3の分解能よりも小さい寸法を有する。具体的には、円形の断面を有する線状の部材45の太さ(直径)は、1mm以下になるように構成されている。また、仮置き部4aの底面43は、ロボットアーム11のハンド部15が磁力により保持可能な複数(たとえば4つ、図12参照)のワーク201が積み重ならずに平積み可能な大きさ(面積)を有する。
【0026】
図8および図9に示すように、持ち直し台5a(持ち直し台5b)は、柱状部51と、平板状の底部52と、底部52に接続される傾斜面53aを有する2つの側壁部53とから構成されている。また、平板状の底部52には、段差部52aが設けられている。平板状の底部52は、段差部52aの下方に接続される底部52の表面にワーク201の直径の大きい第1部分201aが載置されるとともに、段差部52aの上方に接続される底部52の表面にワーク201の直径の小さい第2部分201bが載置されるように構成されている。また、側壁部53は、ワーク201が底部52上に配置された状態で、対向する2つの傾斜面53aの間にワーク201の側面が接触するように形成されている。
【0027】
また、図1に示すように、持ち直し台5a(持ち直し台5b)に隣接するように、レール204a(レール204b)が配置されている。レール204a(レール204b)の上には、ワーク受け203a(ワーク受け203b)が配置されている。ワーク受け203a(ワーク受け203b)は、ハンド部15に保持されたワーク201が載置されるとともに、レール204a(レール204b)上を移動し、ワーク201をワーク投入機206a(ワーク投入機206b)に投入する機能を有する。また、レール204a(レール204b)は、磁化されたワーク201を脱磁するための脱磁器205a(脱磁器205b)内を貫通するように配置されている。
【0028】
次に、図10〜図17を参照して、本実施形態によるロボットシステム100の動作について説明する。なお、以下では、ワークパレット200aに配置されるワーク201が、次工程の機器202aに搬送される例について説明する。
【0029】
まず、図10のステップS1において、図11に示すように、ワークパレット200aの上方(矢印Z1方向側)に配置状態検出部3を移動させるとともに、配置状態検出部3から照射されたレーザ光により、ワークパレット200aの内部にバラ積みされているワーク201が走査される。そして、ステップS2において、配置状態検出部3とワーク201との間の距離(ワークパレット200a内のワーク201の3次元形状情報)が、配置状態検出部3により検出される。そして、検出されたワークパレット200a内のワーク201の3次元形状情報に基づいて、ワークパレット200a内のワーク201の配置状態が検出される。なお、ワークパレット200a内のワーク201の配置状態の検出は、後述する仮置き部4a(仮置き部4b)内のワーク201の配置状態の検出よりもラフ(大雑把)に行われる。
【0030】
次に、ステップS3に進んで、図12に示すように、たとえば、ワークパレット200a内において最も高い位置に配置されているワーク201がハンド部15の磁力によって保持される。このとき、磁性材料からなるワーク201が磁化することにより、ワーク201同士が磁力により引き付け合って、複数のワーク201(図12では、4つのワーク201)が保持される。
【0031】
次に、ステップS4に進んで、図13に示すように、複数のワーク201が仮置き部4aに載置される。次に、ステップS5に進んで、全ての仮置き部(ここでは、仮置き部4aおよび仮置き部4b)にワーク201が載置されたか否かが判断される。たとえば、仮置き部4bにワーク201が載置されていないと判断された場合には、上記ステップS1〜ステップS4の動作が繰り返され、複数のワーク201が仮置き部4bに載置される。なお、仮置き部4aの底面43は、ワーク201が積み重ならずに平積み可能な大きさ(面積)を有しているので、複数のワーク201は、仮置き部4aの内部において積み重ならずに平積みされた状態となる。
【0032】
ステップS5において、全ての仮置き部(ここでは、仮置き部4aおよび仮置き部4b)にワーク201が載置されたと判断された場合には、ステップS6に進んで、図14に示すように、仮置き部4aの内部に配置されている複数のワーク201が配置状態検出部3から照射されたレーザ光により走査される。たとえば、図15に示すように、仮置き部4aの枠部42の画像208aおよび4つのワーク201の画像208bが撮像される。なお、仮置き部4aが網状に形成されているので、レーザ光の一部は、反射されずに通過する。これにより、仮置き部4aの枠部42以外の部分は、撮像されにくくなる。なお、仮置き部4aにワーク201を載置した直後には、仮置き部4a内でワーク201が移動している(転がっている)場合がある。一方、仮置き部4aにワーク201を載置した後、仮置き部4bにワーク201を載置している間に、仮置き部4a内のワーク201は静止する。これにより、安定した状態の仮置き部4a内の複数のワーク201を配置状態検出部3により検出することが可能となる。なお、2つの仮置き部4aおよび4bを設けずに、1つの仮置き部のみを設けている場合には、ワーク201が安定した状態になるまで待つ必要があるため、その分、タクトタイムが長くなる。
【0033】
次に、ステップS7において、配置状態検出部3とワーク201との間の距離(仮置き部4a内のワーク201の3次元形状情報)が、配置状態検出部3により検出される。なお、仮置き部4a内のワーク201の配置状態の検出は、上記ステップS2のワークパレット200a内のワーク201の配置状態の検出よりもより詳細に行われる。次に、ステップS8に進んで、検出されたワーク201の配置状態に基づいて、複数のワーク201のうちの1つのワーク201がハンド部15の磁力により保持される。
【0034】
次に、ステップS9に進んで、保持したワーク201を持ち直す必要があるか否かが判断される。ステップS9において、保持したワーク201を持ち直す必要がないと判断される場合には、ステップS10に進んで、図16に示すように、ワーク201が、レール204a上のワーク受け203aに載置される。具体的には、仮置き部4aの内部において、横向きになった状態(第1部分201aの平坦部201c(図4参照)が水平方向に向いている状態)のワーク201を保持した場合は、ワーク201を持ち直す必要がないと判断される。そして、ワーク201が載置されたワーク受け203aが、レール204a上を移動するとともに、磁化されたワーク201が脱磁器205aにより脱磁される。そして、ワーク受け203aがワーク投入機206a側に反転することにより、ワーク201がワーク投入機206aに投入され、ワーク201が次工程の機器202aに搬送される。その後、機器202aにおいて次工程の処理(たとえばワーク201の加工)が行われる。
【0035】
ステップS9において、縦向きになった状態(第1部分201aの平坦部201c(図4参照)が矢印Z1方向または矢印Z2方向に向いている状態)のワーク201を保持している場合には、ワーク201を持ち直す必要があると判断されて、ステップS11に進む。ステップS11では、ワーク201を保持したハンド部15が持ち直し台5aに移動されるとともに、ステップS12において、図17に示すように、ワーク201が持ち直し台5aに載置されて縦向きの状態のワーク201が、横向きの状態にされる。その後、ステップS10に進んで、ワーク201が、レール204a上のワーク受け203aに載置される。そして、ワーク201は、次工程の機器202aに搬送される。
【0036】
次に、ステップS13において、仮置き部4aの内部に載置されたワーク201の全てがワーク受け203aに載置されたか否かが判断される。ステップS13において、仮置き部4aの内部に載置されたワーク201の全てがワーク受け203aに載置されていないと判断された場合には、上記ステップS8〜ステップS12の動作が繰り返される。ステップS13において、仮置き部4aの内部に載置されたワーク201の全てがワーク受け203aに載置されたと判断された場合には、ステップS1〜ステップS13の動作が、繰り返し行われる。そして、ワークパレット200aの内部に配置されるワーク201が全て無くなった場合には、ワークパレット200bの内部に配置されるワーク201について、上記ステップS1〜ステップS13の動作が同様に行われる。そして、この間に、ワーク201が配置されたワークパレット200aが補充される。これにより、ワークパレットが1つだけ設けられている場合と異なり、ワークパレットの内部にワーク201が無くなってからワーク201を補充するまでの間の時間のロスが抑制される。
【0037】
本実施形態では、上記のように、内部に複数のワーク201が配置され、網状に形成されている仮置き部4a、4b、4cおよび4dと、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部に配置された複数のワーク201の配置状態を検出するための配置状態検出部3とを備える。これにより、仮置き部4a、4b、4cおよび4dが網状に形成されているので、ワーク201を検出(撮像)する際のレーザ光の一部が仮置き部4a、4b、4cおよび4dから反射されずに仮置き部4a、4b、4cおよび4dを通過する。その結果、仮置き部4a、4b、4cおよび4dからのレーザ光の反射量を減少させることができるので、ワーク201を検出する際のハレーション(ぼやけ)を抑制することができる。
【0038】
また、仮置き部4a、4b、4cおよび4dを網状に形成することにより、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの網状の部分(底面43、側面44)が配置状態検出部3により検出されにくくなるので、ワーク201の画像と仮置き部4a、4b、4cおよび4dの画像とが繋がるのを抑制することができる。その結果、ワーク201の形状を正確に検出することができる。また、仮置き部4a、4b、4cおよび4dを網状に形成することにより、ロボットアーム11のハンド部15の磁力によりワーク201を保持する際に、磁化したワーク201と仮置き部4a、4b、4cおよび4dとが磁力によって引き付け合うのを抑制することができる。その結果、ハンド部15によってワーク201を保持する際に、ハンド部15に保持されたワーク201が磁力によって仮置き部4a、4b、4cおよび4dに引き付けられることに起因して、ハンド部15がワーク201を保持する精度が悪くなる(ハンド部15に対するワーク201の保持位置がずれる)のを抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの底面43を網状に形成する。これにより、ワーク201を検出(撮像)する際のレーザ光の一部が網状の底面43を通過するので、底面43からのレーザ光の反射量を減少させることができる。その結果、ワーク201を検出する際のハレーション(ぼやけ)を容易に抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの側面44を網状に形成する。これにより、ワーク201を検出(撮像)する際のレーザ光の一部が網状の側面44を通過するので、側面44からのレーザ光の反射量を減少させることができる。その結果、ワーク201を検出する際のハレーション(ぼやけ)を容易に抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、複数のワーク201が配置される仮置き部4a、4b、4cおよび4dの側面44を、底面43から上方に向かって対向する側面44の間隔が広がるように傾斜するように構成する。これにより、側面44が傾斜するように構成されているので、ハンド部15(たとえばハンド部15の電磁石部152)が仮置き部4a、4b、4cおよび4dの側面44に接触するのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの網状の部分を構成する線状の部材45を、円形の断面を有するように構成する。これにより、線状の部材45が円形の断面を有するので、配置状態検出部3から線状の部材45に照射されたレーザ光の一部分は、配置状態検出部3に反射されずに、配置状態検出部3以外の部分に反射される。その結果、ワーク201を検出する際のハレーション(ぼやけ)をより効果的に抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの網状の部分を、線状の部材45により構成して、線状の部材45の太さを、配置状態検出部3の分解能よりも小さい寸法にする。これにより、仮置き部4a、4b、4cおよび4dの網状の部分が配置状態検出部3により検出されるのが抑制されるので、ワーク201の画像と仮置き部4a、4b、4cおよび4dの画像とが繋がるのを抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、カメラ31により得られた画像に基づいて網状に形成されている仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部に配置された複数のワーク201の3次元の配置状態を算出する制御部33を設ける。これにより、ワーク201の2次の配置状態(水平方向の配置状態)に加えてワーク201までの距離も検出することができるので、ロボットアーム11のハンド部15によってワーク201を保持する際に、ハンド部15がワーク201に過度な力で衝突してワーク201が損傷するのを抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4dに配置された複数のワーク201の配置状態を検出する配置状態検出部3を、ロボットアーム11に設ける。これにより、ロボットアーム11を駆動することにより、仮置き部4a、4b、4cおよび4dに配置された複数のワーク201に加えて、ワークパレット200aおよび200bの内部に配置された複数のワーク201の配置状態も1台の配置状態検出部3により検出することができる。その結果、配置状態検出部3をロボットアーム11とは別個に2台設けて、仮置き部4a、4b、4cおよび4dに配置された複数のワーク201とワークパレット200aおよび200bの内部に配置された複数のワーク201との配置状態を別個に設けられた2台の配置状態検出部3により検出する場合と異なり、システムの構成を簡略化することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4d(ワークパレット200aおよび200b)の内部に配置されているワーク201を磁力によって保持するようにロボットアーム11のハンド部15を構成する。これにより、ワーク201の表面がざらついて吸盤で吸着できない場合や、複数のワーク201が隣接するように配置されてハンド部が1つのワーク201を把持しにくい場合でも、容易に、磁力によりワーク201を保持することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、ワークパレット200aおよび200bから、ワーク201をロボットアーム11のハンド部15の磁力により保持した後、ハンド部15に保持されたワーク201を網状の仮置き部4a、4b、4cおよび4dに移動するようにロボットアーム11を制御するようにロボットコントローラ2を構成する。これにより、ハンド部15の磁力により複数のワーク201が磁化して互いに引き付け合うことによって、ハンド部15に複数のワーク201が保持された場合でも、ワーク201を網状の仮置き部4a、4b、4cおよび4dに移動することにより、互いに引き合った複数のワーク201を離間した状態にすることができる。その結果、離間した状態の複数のワーク201のうちの1つのワーク201をハンド部15により保持し直すことができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4dを、ハンド部15が保持可能な複数のワーク201が積み重ならずに平積み可能な大きさを有するように構成する。これにより、ハンド部15に複数のワーク201が保持された場合でも、ワーク201を網状の仮置き部4a、4b、4cおよび4dに移動することにより、互いに引き付け合った複数のワーク201を仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部で平積みされた状態にすることができる。その結果、ロボットアーム11を仮置き部4aの上方から略垂直下方に移動させることにより、ワーク201を保持することができるので、ロボットアーム11が他のワーク201に干渉(接触)するのを抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、ワークパレット200aおよび200bの内部に配置された複数のワーク201を配置状態検出部3により検出してワーク201をワークパレット200aおよび200bから仮置き部4a、4b、4cおよび4dに移動させるとともに、仮置き部4a、4b、4cおよび4dに移動されたワーク201を、ワークパレット200aおよび200bの内部に配置された複数のワーク201を検出する際よりもより詳細に配置状態検出部3により検出するように構成する。これにより、ワーク201の2次元の配置状態およびワーク201の配置される高さに加えて、付加的な情報(ワーク201の向き)を検出することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、仮置き部4a、4b、4cおよび4dに配置されているワーク201の向きを検出するように配置状態検出部3を構成する。これにより、ワーク201の向きが、ワーク201を次工程に搬送するのに適さない場合と適する場合とで、ロボットアーム11の駆動を異ならせることができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、ワーク201の向きを変更するための持ち直し台5aおよび5bを設けて、検出された仮置き部4a、4b、4cおよび4dの内部のワーク201の配置されている向きに応じて、ワーク201を持ち直し台5aおよび5bに載置してワーク201の向きを変更させる動作と、ワーク201を持ち直し台5aおよび5bに載置せずに直接次工程(ワーク受け203aおよび203b)に搬送する動作とを選択的に行うようにロボットアーム11を制御するようにロボットコントローラ2を構成する。これにより、ワーク201の向きが、ワーク201を次工程に搬送するのに適さない場合には、ワーク201が持ち直し台5aおよび5bに載置されてワーク201の向きが変更されるので、ワーク201を次工程に適切に搬送することができる。
【0052】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0053】
たとえば、上記実施形態では、仮置き部の底面および側面が網状に形成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、仮置き部の一部分(たとえば、底面のみ、側面のみ)が網状に形成されていればよい。
【0054】
また、上記実施形態では、仮置き部の側面が、底面から上方に向かって対向する側面の間隔が広がるように傾斜している例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、仮置き部の側面が傾斜せずに略垂直方向に沿って配置されていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、仮置き部が、円形の断面を有する線状の部材から構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、仮置き部を、矩形形状の断面を有する線状の部材から構成してもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、仮置き部が、磁性材料から構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、仮置き部を非磁性材料により構成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、仮置き部が、1つのワークパレットに対して2つずつ設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、仮置き部を、1つのワークパレットに対して1つまたは3つ以上設けてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、配置状態検出部がレーザ光を照射することにより、ワークの3次元の配置状態が検出される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、CCDやCMOSセンサから構成される配置状態検出部により、ワークの2次元の配置状態を検出するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、配置状態検出部がロボットアームに設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、配置状態検出部をロボットアームには設けずに、ロボットアームとは別個(たとえば、ワークパレットおよび仮置き部の上方)に設けてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、ロボットアームのハンド部が磁力によってワークを保持する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワークを把持したり、ワークを吸盤によって吸着したりすることにより、ワークを保持するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、仮置き部が網状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示すように、仮置き部に加えてワークパレット200c(底面、側面)を網状に形成してもよい。また、仮置き部は網状に形成せずに、ワークパレット200cのみを網状に形成してもよい。ワークパレット200cを網状に形成することにより、ワークパレット200cからのレーザ光の反射量を減少させることができるので、ワーク201を検出(撮像)する際のハレーション(ぼやけ)を抑制することができる。また、ワークパレット200cの網状の部分(底面、側面)が配置状態検出部3により検出されにくくなるので、ワーク201の画像とワークパレット200cの画像とが繋がるのを抑制することができる。その結果、ワークパレット200cの内部のワーク201の形状を正確に検出することができる。なお、ワークパレット200cは、本発明の「容器」および「収納部」の一例である。
【0062】
また、上記実施形態では、ワークが、大きい直径を有する円柱状の第1部分と小さい直径を有する円柱状の第2部分とから構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図19に示すように、ワーク209が平板状に形成されていてもよい。なお、網状ではなく平板状の仮置き部の底部に、平板状のワーク209が配置された場合には、平板状の仮置き部の底部と平板状のワーク209との境界の認識が困難になり、ワーク209が検出(認識)できない場合がある。一方、仮置き部を網状に形成することにより、仮置き部の底部が検出されにくくなるので、容易に、ワーク209を検出(認識)することができる。
【符号の説明】
【0063】
2 ロボットコントローラ(制御部)
3 配置状態検出部
4a、4b、4c、4d 仮置き部(容器)
5a、5b 持ち直し台(台部)
11 ロボットアーム
15 ハンド部(保持部)
31 カメラ
32 レーザスキャナ(レーザ投光機)
33 制御部(距離演算部)
43 底面
44 側面
45 部材
200a、200b ワークパレット(収納部)
200c ワークパレット(容器、収納部)
201 ワーク(保持対象物、被加工物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数の保持対象物が配置され、少なくとも一部分が網状に形成されている容器と、
前記一部分が網状に形成されている容器の内部に配置された前記複数の保持対象物の配置状態を検出するための配置状態検出部と、
前記配置状態検出部により検出された前記複数の保持対象物の配置状態に基づいて、前記保持対象物を保持する保持部を含むロボットアームとを備える、ロボットシステム。
【請求項2】
前記複数の保持対象物が配置される前記容器は、少なくとも前記容器の底面が網状に形成されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記複数の保持対象物が配置される前記容器は、前記容器の底面および側面が網状に形成されている、請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記複数の保持対象物が配置される前記容器の側面は、底面から上方に向かって対向する前記側面の間隔が広がるように傾斜している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記容器の網状の部分は、線状の部材により構成されており、前記容器の網状の部分を構成する前記線状の部材は、円形の断面を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記容器の網状の部分は、線状の部材により構成されており、前記線状の部材の太さは、前記配置状態検出部の分解能よりも小さい寸法を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記配置状態検出部は、
前記容器にレーザ光を投光するレーザ投光機と、
前記容器を撮像するカメラと、
前記カメラにより得られた画像に基づいて前記容器の内部に配置された複数の保持対象物の3次元の配置状態を算出する距離演算部と、を有している、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記容器に配置された前記複数の保持対象物の配置状態を検出する前記配置状態検出部は、前記ロボットアームに設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記容器は、磁性材料により構成されており、
前記ロボットアームの保持部は、前記少なくとも一部分が網状に形成されているとともに前記磁性材料により構成されている容器に配置されている前記保持対象物を、磁力によって保持するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記ロボットアームの駆動を制御するための制御部をさらに備え、
前記少なくとも一部分が網状に形成されている容器は、仮置き部を含み、
前記制御部は、前記ロボットアームの保持部に保持される前の複数の保持対象物が予め内部に配置された収納部から、前記保持対象物を前記ロボットアームの保持部の磁力により保持した後、前記保持部に保持された前記保持対象物を網状の前記仮置き部に移動するように前記ロボットアームを制御するように構成されている、請求項9に記載のロボットシステム。
【請求項11】
前記仮置き部は、前記保持部が保持可能な複数の前記保持対象物が積み重ならずに平積み可能な大きさを有し、
前記収納部の内部に配置された前記複数の保持対象物を前記配置状態検出部により検出して前記保持対象物を前記収納部から前記仮置き部に移動させるとともに、前記仮置き部に移動された前記保持対象物を、前記収納部の内部に配置された前記複数の保持対象物を検出する際よりもより詳細に前記配置状態検出部により検出するように構成されている、請求項10に記載のロボットシステム。
【請求項12】
前記配置状態検出部は、前記仮置き部に配置されている前記保持対象物の向きを検出するように構成されている、請求項11に記載のロボットシステム。
【請求項13】
前記保持対象物の向きを変更するための台部をさらに備え、
前記制御部は、検出された前記容器の内部の前記保持対象物の配置されている向きに応じて、前記保持対象物を前記台部に載置して前記保持対象物の向きを変更させる動作と、前記保持対象物を前記台部に載置せずに直接次工程に搬送する動作とを選択的に行うように前記ロボットアームを制御するように構成されている、請求項12に記載のロボットシステム。
【請求項14】
前記ロボットアームの駆動を制御するための制御部をさらに備え、
前記少なくとも一部分が網状に形成されている容器は、前記ロボットアームの保持部に保持される前の複数の保持対象物が予め内部に配置された収納部を含み、
前記制御部は、前記配置状態検出部により検出された前記複数の保持対象物の配置状態に基づいて、前記収納部の内部に配置された前記複数の保持対象物のうちの1つの保持対象物を前記ロボットアームの保持部により保持するように前記ロボットアームを制御するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項15】
少なくとも一部分が網状に形成されている容器の内部に配置された複数の被加工物の配置状態を配置状態検出部により検出するステップと、
前記配置状態検出部により検出された前記複数の被加工物の配置状態に基づいて、前記被加工物をロボットアームの保持部により保持するとともに前記被加工物を次工程に搬送するステップと、
前記次行程において前記被加工物に対して所定の処理を施すステップとを備える、被加工物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−78830(P2013−78830A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220317(P2011−220317)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】