説明

ロボット及びロボットの制御方法

【課題】腕が加減速動作をするときにも、本体が振動するのを抑制できるロボットを提供する。
【解決手段】基台3と、基台3に回動可能に設置された本体部29と、本体部29に回動可能に接続された第1腕部14及び第2腕部16と、第1腕部14と接触可能な場所に位置する第1支持部45と、を備え、第2腕部16が加速または減速動作をするとき、第1腕部14が第1支持部45と接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット及びロボットの制御方法にかかわり、特に、腕の振動に関するものである。
【背景技術】
【0002】
組立等の作業を生産性良く行うロボットが広く用いられている。例えば、作業架台上に複数のワークを配置し、組立作業を行う双腕ロボットが特許文献1に開示されている。それによると、作業架台上に研削作業機構、洗浄作業機構、収納部、ワークが配置されている。そして、床部には双腕マニピュレーターが設置されている。尚、双腕マニピュレーターは双腕ロボットとも称す。
【0003】
双腕マニピュレーターは回転ボディーを備え、回転ボディーには一対の多関節ロボットが設置されている。回転ボディー部は床部に固定される基台を備えている。そして、基台上には鉛直方向に支持軸が立設され、支持軸の先端部にはボディー本体が設けられている。ボディー本体の内部には回動機構が設置され、回動機構によって支持軸の中心軸回りにボディー本体が回動可能になっている。
【0004】
多関節ロボットは複数の関節を有し、多関節ロボットの一端にはハンドが設置されている。そして、多関節ロボットは6自由度を有する。そのため、ハンドの姿勢を任意方向に変更することができる。双腕マニピュレーターは回転ボディー、多関節ロボット及びハンドを駆動させてワークを保持、移動することが可能になっている。
【0005】
他にもクレーンユニットと双腕マニュピュレーターと連携させてワークを搬送する装置が特許文献2に開示されている。それによると、マニュピュレーターは一対のアームを備え、一方のアームがクレーンユニットを保持し、他方のアームがワークを保持する。これにより、ワークを所望の姿勢に維持したまま移動させることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−162669号公報
【特許文献2】特開2011−51048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本体に一対の腕を供える双腕ロボットでは、複数の手や腕に共同作業をさせることができる。これにより、複雑な作業を行うことができる。一方の腕が加減速動作を行うとき、腕に加わる力の反作用となる力が本体に加わる。本体が回転軸を備えているときには、回転軸を中心とした回転振動をする。この回転振動が双方の腕に伝播するので、腕の振動が静止するのにかかる時間が長くなる。そこで、腕が加減速動作をするときにも、本体が振動するのを抑制できるロボットが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
本適用例にかかるロボットであって、基台と、前記基台に回動可能に設置された本体部と、前記本体部に回動可能に接続された第1腕部及び第2腕部と、前記第1腕部と接触可能な場所に位置する支持部と、を備え、前記第2腕部が加速または減速動作をするとき、前記第1腕部が前記支持部と接触することを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、本体部が基台に回動可能に設置されている。そして、第1腕部及び第2腕部が本体部に回動可能に接続されている。第2腕部が加速または減速動作をするとき、本体部に第2腕部からの反作用により本体部を回転させる力が作用する。第1腕部と接触可能な場所には支持部が位置している。そして、第2腕部が加速または減速動作をするときには、第1腕部が支持部と接触している。これにより、第1腕部及び支持部は本体部が回転しないように本体部を支持する。従って、第2腕部が加速または減速動作をするときにも、本体部が振動するのを抑制することができる。
【0011】
[適用例2]
上記適用例にかかるロボットにおいて、前記第1腕部は前記支持部と前記第1腕部とが接触する場所に連結部を備え、前記連結部は前記支持部と前記第1腕部とを着脱可能に接続することを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、連結部は支持部と第1腕部とを着脱可能に接続する。連結部によって支持部と第1腕部とは接続と離脱とを行うことができる。従って、連結部が支持部と第1腕部とを接続するとき、支持部と第1腕部とが離れないようにすることができる。その結果、支持部と腕部とで確実に本体部を支えることができる。
【0013】
[適用例3]
上記適用例にかかるロボットにおいて、前記第1腕部と接触可能な場所と前記第1腕部と接触不可能な場所との間で前記支持部を移動させる支持部移動部をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、支持部移動部が、第1腕部と接触可能な場所と第1腕部と接触不可能な場所との間で支持部を移動させる。従って、第1腕部と接触可能な場所に支持部移動部が支持部を移動させるとき、第1腕部と支持部とを接触させることができる。これにより、本体部の振動を抑制させることができる。そして、第1腕部と接触不可能な場所に支持部移動部が支持部を移動させるとき、第1腕部が支持部と干渉するのを防止することができる。従って、第1腕部が本体部の振動を抑制する必要のないときには、第1腕部の動作可能な場所を広く設定することができる。
【0015】
[適用例4]
上記適用例にかかるロボットにおいて、前記連結部は前記支持部と接触する場所にすべり防止部を備えることを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、連結部は支持部と接触する場所にすべり防止部を備えている。従って、第1腕部が支持部と接触するときには、第1腕部と支持部とがすべらないように接触させることができる。
【0017】
[適用例5]
上記適用例にかかるロボットにおいて、前記第2腕部は物を把持する手部と、前記第2腕部と接触可能な場所に位置する第2腕用支持部と、を備え、前記第2腕部と前記第2腕用支持部とが接触した状態で前記手部は前記物を把持することを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、ロボットは手部を備え、手部は物を把持する。そして、第2腕部と第2腕用支持部とが接触したまま手部が物を把持する。従って、手部は第2腕部の振動を抑制して物を保持することができる。
【0019】
[適用例6]
上記適用例にかかるロボットにおいて、前記本体部が回動するときに前記第1腕部と前記本体部とが接続する場所が移動する軌道の接線方向に前記第1腕部が延在し、前記第1腕部と接する場所に前記支持部が位置することを特徴とする。
【0020】
本適用例によれば、第1腕部と本体部とが接続する場所が移動する軌道の接線方向に第1腕部が延在している。そして、第1腕部と接する場所に支持部が位置する。第1腕部は支持部と接触するので振動し難くなっている。そして、第1腕部と本体部とが接続する場所が移動する軌道の接線方向に第1腕部が延在している。従って、本体部が回転するときのモーメントは第1腕部に確実に伝達される為、本体部の振動を抑制することができる。
【0021】
[適用例7]
上記適用例にかかるロボットにおいて、前記第1腕部の位置を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記第1腕部を前記支持部と接触させるときに前記第1腕部を移動させる目標位置を前記第1腕部が前記支持部と干渉する場所に設定し、前記腕部を前記支持部に押圧する力を制御することを特徴とする。
【0022】
本適用例によれば、制御部は、第1腕部を支持部と接触させるときに第1腕部を移動させる目標位置を第1腕部が支持部と干渉する場所に設定している。従って、制御部は第1腕部に支持部を押圧させることができる。そして、制御部は押圧する力を制御する為、確実に第1腕部は本体部の振動を抑制することができる。
【0023】
[適用例8]
本適用例にかかるロボットの制御方法は、基台に回動可能に設置された本体部に回動可能に接続された第1腕部及び第2腕部を有するロボットの制御方法であって、前記基台には前記第1腕部と接触可能な場所に支持部が設置され、前記第1腕部を前記支持部まで移動させて停止し、前記第1腕部を前記支持部に接触させる第1腕部支持工程と、前記第2腕部を移動させて停止する第2腕部作業工程と、を有し、前記第1腕部支持工程は前記第2腕部作業工程が開始する前から行われ、前記第2腕部作業工程が終了するまで行われることを特徴とする。
【0024】
本適用例によれば、第1腕部支持工程において第1腕部を支持部まで移動させて停止し、第1腕部を支持部に接触させている。これにより、本体部の振動が抑制される。そして、第2腕部作業工程では第2腕部を移動させて停止させている。このとき、第2腕部に作用する加速度により本体部を振動させられる。そして、第2腕部作業工程が行われる間は第1腕部支持工程が行われる。従って、第2腕部が加速または減速動作をするときにも、本体部が振動するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態にかかわり(a)は、双腕ロボットの構成を示す模式正面図、(b)は、双腕ロボットの構成を示す模式平面図。
【図2】(a)は製品の構造を示す概略分解斜視図、(b)は製品の構造を示す概略斜視図。
【図3】組立装置の構成を示す模式平面図。
【図4】組立装置の電気制御ブロック図。
【図5】製品を組み立てる作業のフローチャート。
【図6】製品を組み立てる作業を説明するための模式図。
【図7】製品を組み立てる作業を説明するための模式図。
【図8】第2の実施形態にかかわり(a)は、組立装置の構成を示す要部模式正面図、(b)〜(e)は、組立装置の構成を示す要部模式平面図。
【図9】第3の実施形態にかかわり組立装置の構成を示す模式平面図。
【図10】ロボットの構成を示す要部模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、双腕ロボットと、この双腕ロボットを用いて組立作業を行う特徴的な例について、図1〜図7に従って説明する。
【0027】
図1(a)は、双腕ロボットの構成を示す模式正面図であり、図1(b)は、双腕ロボットの構成を示す模式平面図である。図1に示すように、ロボット1は床2に設置されている。ロボット1は直方体の基台3を備え、基台3は鉛直方向に長くなっている。そして、鉛直方向で床2から離れる方向をZ方向とし、水平方向で基台3の側面を構成する面のうち直交する2面が向く方向をX方向とY方向とする。−Y方向はロボット1の正面であり、X方向はロボット1の側面となっている。
【0028】
基台3の内部の床2側にはロボット1の姿勢を制御する制御部4が設置されている。基台3の内部のZ方向には本体回動機構5が設置されている。本体回動機構5はモーター、ロータリーエンコーダー、減速装置等から構成されている。そして、ロータリーエンコーダーがモーターの出力軸の回転角度を検出し、減速装置がモーターの出力軸の回転を減速して出力軸5aに出力する。これにより、本体回動機構5は精度良く所定の回転角度にて出力軸5aを回動させることができる。
【0029】
出力軸5aはZ方向に突出して設置され、出力軸5aには直方体の胴体部6が接続されている。本体回動機構5により胴体部6は基台3に対して回動することが可能になっている。胴体部6の一面が正面を向くとき、胴体部6の内部のX方向の場所には第1肩用回動機構6aが設置されている。そして、第1肩用回動機構6aは回動する出力軸を有し、該出力軸には第1肩部7が接続されている。これにより、第1肩部7はX方向を回転軸として回動可能になっている。
【0030】
第1肩部7にはZ方向を回転軸として回動する出力軸を備える第1肩関節用回動機構7aが設置されている。そして、第1肩関節用回動機構7aの出力軸7bには第1肩関節部8が設置されている。第1肩関節用回動機構7aにより第1肩関節部8はZ方向を回転軸として回動可能になっている。
【0031】
第1肩関節部8の胴体部6と反対側には第1肩関節部8と接続して第1元側腕部9が設置されている。第1元側腕部9の内部の第1肩関節部8側には第1腕捻り用回動機構9aが設置されている。そして、第1腕捻り用回動機構9aは回動する出力軸を有し、該出力軸の軸方向は第1元側腕部9の長手方向となっている。第1腕捻り用回動機構9aの出力軸は第1肩関節部8と接続されている。第1腕捻り用回動機構9aにより、第1元側腕部9は第1元側腕部9の長手方向を回転軸として回動可能になっている。
【0032】
第1元側腕部9において第1肩関節部8の反対側には第1先側腕部10が設置されている。第1先側腕部10にはZ方向を回転軸として回動する出力軸を備える第1腕関節用回動機構10aが設置されている。そして、第1腕関節用回動機構10aの出力軸10bには第1元側腕部9が接続されている。第1腕関節用回動機構10aにより第1元側腕部9に対して第1先側腕部10が回動可能になっている。
【0033】
第1先側腕部10の第1元側腕部9と反対側には第1先側腕部10の内部に第1手首用回動機構10cが設置されている。そして、第1手首用回動機構10cは回動する出力軸を有し、該出力軸は第1先側腕部10の長手方向を回転軸として回動可能になっている。第1手首用回動機構10cの出力軸は第1手首部11と接続されている。そして、第1手首用回動機構10cにより第1手首部11は第1先側腕部10の長手方向を回転軸の方向にして回動可能になっている。
【0034】
第1手首部11の内部には第1手部用回動機構11aが設置されている。第1手部用回動機構11aは回動する出力軸を有し、該出力軸は第1手首用回動機構10cの出力軸と直交する方向を回転軸として回動可能になっている。第1手部用回動機構11aの出力軸を軸方向から挟むように門型の第1手部12が設置されている。第1手部用回動機構11aにより第1手部12は第1手部用回動機構11aの出力軸を回転軸として回動可能になっている。
【0035】
第1手部12の内部には第1指用直動機構12aが設置されている。そして、第1指用直動機構12aには一対の直方体の第1指部13が設置されている。そして、第1指用直動機構12aは第1指部13の間隔を変更することが可能になっている。
【0036】
各第1指部13の先端にはすべり防止部13aが設置されている。すべり防止部13aは例えば、弾性体の表面が粗い部材等を用いることができる。例えば、天然ゴムやシリコンゴムを用いて表面に凹凸を形成して用いることができる。そして、第1指部13を互いに接近させるとき、各第1指部13はすべり防止部13aを挟むように配置されている。第1指部13がワークを挟むときにはすべり防止部13aを介してワークを挟む為、第1指部13はワークが第1指部13からすべり落ちないように挟むことが可能になっている。
【0037】
第1肩関節部8、第1元側腕部9、第1先側腕部10、第1手首部11、第1手部12及び第1指部13等により第1腕部14が構成されている。胴体部6において第1肩部7の反対側には第1肩部7及び第1腕部14の同様な機能と構造とを備えた第2肩部15及び第2腕部16が設置されている。
【0038】
つまり、胴体部6において第1肩部7の反対側には第1肩用回動機構6a、第1肩部7、第1肩関節用回動機構7a、出力軸7bに対応して第2肩用回動機構6b、第2肩部15、第2肩関節用回動機構15a、出力軸15bが設置されている。
【0039】
さらに、第1腕部14の第1肩関節部8、第1元側腕部9、第1腕捻り用回動機構9aに対応して第2腕部16には第2肩関節部17、第2元側腕部18、第2腕捻り用回動機構18aが設置されている。さらに、第1腕部14の第1先側腕部10、第1腕関節用回動機構10a、出力軸10b、第1手首用回動機構10cに対応して第2腕部16には第2先側腕部21、第2腕関節用回動機構21a、出力軸21b、第2手首用回動機構21cが設置されている。さらに、第1腕部14の第1手首部11、第1手部用回動機構11a、第1手部12、第1指用直動機構12aに対応して第2腕部16には第2手首部22、第2手部用回動機構22a、連結部及び手部としての第2手部23、第2指用直動機構23aが設置されている。さらに、第1腕部14の第1指部13、すべり防止部13aに対応して第2腕部16には第2指部24、すべり防止部24aが設置されている。
【0040】
胴体部6の上面6cには第1肩部7側に第1撮像用支持部25が設置され、第1撮像用支持部25上には第1撮像装置26が設置されている。第1撮像用支持部25は胴体部6に内蔵された回動機構25aを備え、回動機構25aは第1撮像装置26をZ方向を回転中心として回動することが可能になっている。さらに、第1撮像用支持部25は回動機構25bを備え、回動機構25bは第1撮像装置26の俯角を変更することが可能になっている。そして、第1撮像装置26は第1手部12及びワークを撮影する。
【0041】
胴体部6の上面6cには第2肩部15側に第2撮像用支持部27が設置され、第2撮像用支持部27上には第2撮像装置28が設置されている。第2撮像用支持部27は第1撮像用支持部25と同様な機能及び構造を備えている。従って、第2撮像用支持部27は第2撮像装置28をZ方向を回転中心として回動させ、第2撮像装置28の俯角を変更することが可能になっている。そして、第2撮像装置28は第2手部23及びワークを撮影する。
【0042】
胴体部6、第1肩部7、第2肩部15、第1撮像装置26、第2撮像装置28等により本体部29が構成されている。ロボット1は基台3に対して本体部29を回動させることができる。そして、本体部29に対して第1腕部14及び第2腕部16を移動させることができる。図1(b)において第1移動範囲1aは本体部29を固定した状態で第1腕部14が移動可能な範囲を示している。そして、第2移動範囲1bは本体部29を固定した状態で第2腕部16が移動可能な範囲を示している。第3移動範囲1cは本体部29を回動させて第1腕部14及び第2腕部16が移動可能な範囲を示している。
【0043】
制御部4は、第1腕部14の第1肩関節用回動機構7a、第1腕関節用回動機構10a、第1手部用回動機構11aを駆動させることにより第1指部13を第1移動範囲1aの所望の場所へ移動させることができる。そして、制御部4は、第1腕捻り用回動機構9aを駆動させることにより第1手首部11を上下に移動させたり水平に移動させたりすることができる。さらに、制御部4は、第1手首用回動機構10c及び第1手部用回動機構11aを駆動することにより、第1指部13の長手方向をZ方向、X方向、Y方向等の所望の方向に移動させることができる。従って、制御部4は第1指部13を所望の姿勢にして、第1指部13がワークを挟んで把持することが可能になっている。
【0044】
同様に、制御部4は、第2腕部16の第2肩関節用回動機構15a、第2腕関節用回動機構21a、第2手部用回動機構22aを回動させることにより第2指部24を第2移動範囲1bの所望の場所へ移動させることができる。そして、第2腕部16は第1腕部14と同様な構造となっている。従って、制御部4は第2指部24を所望の姿勢にして、第2指部24がワークを挟んで把持することが可能になっている。さらに、制御部4は基台3に対して胴体部6を回動させることにより第3移動範囲1cの所望の場所へ第1指部13または第2指部24を移動させることができる。
【0045】
図2(a)は製品の構造を示す概略分解斜視図であり、図2(b)は製品の構造を示す概略斜視図である。図2に示す製品30はロボット1が組み立てる例の一つである。製品30は第1部品31、第2部品32及び固定ネジ33により構成されている。第1部品31は円形の板の中心に凸部31aが形成されている。そして、第1部品31の平面視で凸部31aを通る線上には一対のネジ孔31bが形成されている。
【0046】
第2部品32は円形の板の中心に貫通孔32aが形成されている。そして、第2部品32の平面視で貫通孔32aを通る線上には一対の貫通孔32bが形成されている。貫通孔32bの穴径は固定ネジ33を貫通可能な寸法となっている。
【0047】
固定ネジ33は一端にネジ山33aが形成され、ネジ山33aはネジ孔31bと噛み合うように設定されている。固定ネジ33の他端には頭部33bが形成され、十字の溝が形成されている。そして、凸部31aが貫通孔32aに入るようして第1部品31と第2部品32とを重ねる。次に、ロボット1が2本の固定ネジ33をそれぞれ貫通孔32bに挿入して回転する。これにより、第1部品31と第2部品32とが固定ネジ33により固定される。
【0048】
図3は、組立装置の構成を示す模式平面図である。図3に示すように、組立装置34は中央にロボット1を備えている。そして、ロボット1の図中左下には第1供給装置35、第2供給装置36、第3供給装置37が設置されている。第1供給装置35は第1部品31の表裏をそろえて供給する装置である。第1供給装置35は凸部31aをZ方向にして第1部品31を配列させる。
【0049】
同様に、第2供給装置36は第2部品32を配列させて供給する装置である。第3供給装置37は固定ネジ33を配列させて供給する装置である。第3供給装置37は頭部33bがZ方向を向くように固定ネジ33を配列させる。
【0050】
ロボット1の図中下側には直方体状の作業台38が設置されている。作業台38は製品30の組立作業を行う場所となっている。作業台38の図中右下の一角にはドライバー装置41が着脱可能に設置されている。ロボット1は第1指部13または第2指部24を用いてドライバー装置41を把持することが可能になっている。そして、ドライバー装置41は回動機構を備え、回動機構の回転軸の一端は固定ネジ33の頭部33bの十字の溝と噛み合うように形成されている。そして、ドライバー装置41の回転軸の一端は着磁されおり、固定ネジ33は鉄を主成分とする合金となっている。従って、ドライバー装置41は回転軸の一端に固定ネジ33を吸着させて回動させることができる。
【0051】
ロボット1の図中右側には直方体状の収納台42が設置されている。収納台42は製品30を並べて収納するための台となっている。図中右下には作業台38と収納台42との間に第1支持補助部43が設置されている。第1支持補助部43はロボット1の基台3と固着されている。第1支持補助部43はY方向に往復移動する支持部移動部としての第1支持部移動部44を備えている。第1支持部移動部44は直動機構と位置検出センサーを備えている。これにより、第1支持部移動部44は所定の場所に移動して停止することができる。
【0052】
第1支持部移動部44上にはZ方向に延在する角柱状の支持部としての第1支持部45が立設されている。そして、第1支持部移動部44が移動するとき第1支持部45も移動する。そして、第1支持部45は第3移動範囲1cの外側と第3移動範囲1cの内側との間で移動することが可能になっている。
【0053】
第1支持部45の図中左右の面にはすべり防止部45aが設置されている。すべり防止部45aは弾性を有し表面の粗い部材によって構成されている。そして、すべり防止部45aが設置された面の第1支持部45を第1指部13が挟むとき、第1手部12がY方向及び−Y方向にすべることをすべり防止部45aが抑制する。
【0054】
図中左上には第2支持補助部46が設置されている。第2支持補助部46はロボット1の基台3と固着されている。第2支持補助部46はX方向に往復移動する支持部移動部としての第2支持部移動部47を備えている。第2支持部移動部47は直動機構と位置検出センサーを備えている。これにより、第2支持部移動部47は所定の場所に移動して停止することができる。
【0055】
第2支持部移動部47上にはZ方向に延在する角柱状の支持部としての第2支持部48が立設されている。そして、第2支持部移動部47が移動するとき第2支持部48も移動する。そして、第2支持部48は第3移動範囲1cの外側と第3移動範囲1cの内側との間で移動することが可能になっている。
【0056】
第2支持部48の図中左右の面にはすべり防止部48aが設置されている。すべり防止部48aは弾性を有し表面の粗い部材によって構成されている。そして、第2指部24がすべり防止部48aが設置された面の第2支持部48を挟むとき、第2手部23がY方向及び−Y方向にすべることをすべり防止部48aが抑制する。
【0057】
図4は、組立装置の電気制御ブロック図である。図4において、組立装置34は組立装置34の動作を制御する制御部4を備えている。そして、制御部4はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)49と、各種情報を記憶するメモリー50とを備えている。
【0058】
本体駆動装置51、第1腕部駆動装置52、第2腕部駆動装置53、第1撮像用支持部25、第2撮像用支持部27は入出力インターフェイス54及びデータバス55を介してCPU49に接続されている。さらに、第1撮像装置26、第2撮像装置28、第1支持部移動部44、第2支持部移動部47も入出力インターフェイス54及びデータバス55を介してCPU49に接続されている。さらに、第1供給装置35、第2供給装置36、第3供給装置37、ドライバー装置41、入力装置56、出力装置57も入出力インターフェイス54及びデータバス55を介してCPU49に接続されている。
【0059】
本体駆動装置51は本体回動機構5を駆動する装置である。本体駆動装置51が本体回動機構5を駆動することにより、胴体部6は基台3に対して所定の相対角度で回動することができる。第1腕部駆動装置52は第1腕部14を駆動する装置である。第1腕部駆動装置52は第1腕部14に設置させた各回動機構を駆動することにより第1腕部14を所望の姿勢に動かすことができる。同様に、第2腕部駆動装置53は第2腕部16を駆動する装置である。第2腕部駆動装置53は第2腕部16に設置させた各回動機構を駆動することにより第2腕部16を所望の姿勢に動かすことができる。
【0060】
メモリー50は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスク、DVD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には、組立装置34の動作の制御手順が記述されたプログラムソフト58を記憶する記憶領域や、第1部品31、第2部品32及び固定ネジ33の形状データであるワーク属性データ61を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、第1撮像装置26及び第2撮像装置28が撮影する画像のデータである画像データ62を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、収納台42に製品30を配置する場所のデータである収納位置データ63を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、CPU49のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域が設定される。
【0061】
CPU49は、メモリー50内に記憶されたプログラムソフト58に従って、第1部品31と第2部品32とを組み立てるための制御を行うものである。具体的な機能実現部としてロボット1の姿勢を制御する姿勢制御部64を有する。ロボット1が備える各回動機構は回転角度を検出するセンサーを備えている。そして、本体駆動装置51、第1腕部駆動装置52、第2腕部駆動装置53は各センサーが出力する各回動機構の出力軸の角度情報を姿勢制御部64に伝送する。そして、姿勢制御部64は本体部29、第1腕部14、及び第2腕部16の姿勢を認識することが可能になっている。姿勢制御部64はロボット1の姿勢を認識して姿勢を変更する指示を出力する。
【0062】
他にも、CPU49は第1撮像装置26及び第2撮像装置28に撮像を指示する撮像制御部65を有する。撮像制御部65は第1撮像装置26及び第2撮像装置28が備える照明装置の点灯及び消灯の制御を行う。さらに、撮像制御部65は第1撮像装置26及び第2撮像装置28が行うフォーカス調整と撮像するタイミングの制御を行っている。これにより、第1撮像装置26及び第2撮像装置28は鮮明な画像を撮像することができる。
【0063】
さらに、CPU49は第1撮像装置26及び第2撮像装置28が撮像した画像を画像処理する画像演算部66を有する。画像演算部66は撮像した画像からノイズを除去し、画像から所定の特徴量を演算する。具体的には、例えば、画像演算部66は第1部品31、第2部品32及び固定ネジ33の位置や傾きを演算する。
【0064】
他にも、CPU49は第1支持部移動部44及び第2支持部移動部47を制御する支持部制御部67を有する。支持部制御部67は第1支持部移動部44を制御して第1支持部45を第3移動範囲1cの外側と第1指部13が把持可能な場所との間を移動させる。さらに、支持部制御部67は第2支持部移動部47を制御して第2支持部48を第3移動範囲1cの外側と第2指部24が把持可能な場所との間を移動させる。
【0065】
さらに、CPU49は第1供給装置35、第2供給装置36及び第3供給装置37の稼動と停止とを制御する供給装置制御部68を有する。第2指部24が把持可能な場所に第1部品31、第2部品32及び固定ネジ33が無いときに供給装置制御部68は第1供給装置35、第2供給装置36及び第3供給装置37を稼動する。そして、供給装置制御部68は、第2指部24が把持可能な場所に第1部品31、第2部品32及び固定ネジ33を供給させる。
【0066】
他にも、CPU49は、第1指部13が収納台42上に製品30を載置する場所を演算する除材位置演算部69を有する。除材位置演算部69は、これまで収納台42上に載置した製品30の場所をメモリー50の収納位置データ63から入手する。そして、すでに配列された製品30のデータを用いて除材位置演算部69は次に載置する場所を演算する。
【0067】
さらに、CPU49はドライバー装置41の稼動と停止とを制御するドライバー制御部70を有する。ドライバー制御部70はロボット1が固定ネジ33を固定するネジ締め工程にてドライバー装置41の稼動を稼動させる。そして、固定ネジ33が固定された後ドライバー制御部70はドライバー装置41を停止する。
【0068】
次に、上述した組立装置34が製品30を組み立てる作業においてロボット1を制御する方法について図5〜図7にて説明する。図5は、製品を組み立てる作業のフローチャートであり、図6及び図7は製品を組み立てる作業を説明するための模式図である。
【0069】
図5のフローチャートにおいて、ステップS1は部品供給工程に相当し、第1供給装置〜第3供給装置が部品を供給する工程である。次にステップS2とステップS5とに移行する。ステップS2は支持部移動工程に相当し、第1腕部と接触不可能な場所から第1腕部と接触可能な場所へ第1支持部移動部が第1支持部を移動させる工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は、第1腕部支持工程に相当し、第1腕部が第1支持部まで移動して停止し、第1支持部を挟んで支持する工程である。尚、ステップS3はステップS2を開始する前から行われ、ステップS2が終了するまで行われる。次にステップS4に移行する。ステップS4は、支持部退避工程に相当する。第1腕部が第1支持部と離れ、第1腕部と接触可能な場所から第1腕部と接触不可能な場所へ第1支持部移動部が第1支持部を移動させる工程である。次にステップS7に移行する。
【0070】
ステップS5は、待機工程に相当し、第1腕部が第1支持部を支持するまで待機する工程である。次にステップS6に移行する。ステップS6は、第2腕部作業工程に相当する。この工程は第2腕部が第1部品と第2部品とを重ねて固定ネジを貫通孔に設置する工程である。このとき、第2腕部は移動と停止を繰り返す。次にステップS7に移行する。尚、ステップS2〜ステップS4とステップS5〜ステップS6とは並行して行われる。ステップS7は、ネジ締め工程に相当する。この工程は、第2腕部が第1部品及び第2部品を保持し、第1腕部が固定ネジを締める工程である。次にステップS8に移行する。
【0071】
ステップS8は支持部移動工程に相当し、第2腕部と接触不可能な場所から第2腕部と接触可能な場所へ第2支持部移動部が第2支持部を移動させる工程である。次にステップS9に移行する。ステップS9は、第2腕部支持工程に相当し、第2腕部が第2支持部を挟んで支持する工程である。次にステップS10に移行する。ステップS10は、支持部退避工程に相当する。第2腕部が第2支持部と離れ、第2腕部と接触可能な場所から第2腕部と接触不可能な場所へ第2支持部移動部が第2支持部を移動させる工程である。次にステップS13に移行する。
【0072】
ステップS11は、待機工程に相当し、第2腕部が第2支持部を支持するまで待機する工程である。次にステップS12に移行する。ステップS12は、第1腕部作業工程に相当する。この工程は第1腕部が製品を収納台上に並べて載置する工程である。次にステップS13に移行する。尚、ステップS8〜ステップS10とステップS11〜ステップS12とは並行して行われる。ステップS13は、終了判断工程に相当する。この工程は、作業を継続するか終了するかを判断する工程である。作業を継続するときは次にステップS1に移行する。作業を終了するときは製品を組み立てる作業を終了する。
【0073】
次に、図6及び図7を用いて、図5に示したステップと対応させて、組立作業を詳細に説明する。図6(a)はステップS1〜S3、ステップS5及びステップS6に対応する図である。図6(a)に示すように、ステップS1の部品供給工程では供給装置制御部68が第1供給装置35、第2供給装置36、第3供給装置37を駆動する。そして、第1供給装置35が第1部品31を供給し、第2供給装置36が第2部品32を供給する。第3供給装置37が固定ネジ33を供給する。これにより、第1部品31、第2部品32、固定ネジ33が第2指部24の動作範囲内に位置する。
【0074】
第1部品31、第2部品32、固定ネジ33が第2指部24の動作範囲内に位置するか否かの監視は第2撮像装置28を用いて行う。撮像制御部65が第2撮像装置28を作動させて第1部品31、第2部品32、固定ネジ33を撮影し、画像演算部66が所定の場所に第1部品31、第2部品32、固定ネジ33が位置するかを判断する。他にも、第1供給装置35、第2供給装置36、第3供給装置37に、それぞれセンサーを設置して、センサーが所定の場所に第1部品31、第2部品32、固定ネジ33が位置するかを判断しても良い。
【0075】
ステップS2の支持部移動工程では支持部制御部67が第1支持部移動部44を移動させる。これにより第1支持部45が第1腕部14と接触不可能な場所から第1腕部14と接触可能な場所へ移動する。次に、ステップS3の第1腕部支持工程では姿勢制御部64が第1腕部駆動装置52に第1腕部14を駆動させる。姿勢制御部64は第1腕部14を第1肩関節用回動機構7aから第1手部12まで真っ直ぐに伸ばした姿勢にする。このとき、本体部29が回動するときに第1肩関節用回動機構7aが移動する軌道の接線方向に第1腕部14が延在する。そして、第1腕部14と接する場所に第1支持部45が位置する。
【0076】
そして、第1指部13が第1支持部45を挟んで把持する。このとき、第1指部13のすべり防止部13aと第1支持部45のすべり防止部45aとを接触させる。これにより、第1指部13と第1支持部45とはすべり難くなる。
【0077】
ステップS5の待機工程では、第1腕部14が第1支持部45を支持するまで待機する。つまり、姿勢制御部64は、第2腕部16が静止した状態を維持する。これにより、第1腕部14は、第2腕部16の影響を受けずに少ない振動で動作することができる。従って、第1手部12が移動して静止するまでの時間が短くなるので、生産性良く作業を行うことができる。
【0078】
ステップS6の第2腕部作業工程では、姿勢制御部64が第2腕部駆動装置53に第2腕部16を駆動させる。まず、第2指部24が第1部品31を把持して移動し作業台38上に載置する。次に、第2指部24が第2部品32を把持して移動し第1部品31上に重ねて載置する。このとき、撮像制御部65が第2撮像装置28に第1部品31を撮影させて画像演算部66が第1部品31の凸部31a及びネジ孔31bの位置を検出する。さらに、撮像制御部65が第2撮像装置28に第2部品32を撮影させて画像演算部66が第2部品32の貫通孔32a及び貫通孔32bの位置を検出する。そして、第1部品31上に第2部品32を載置するとき、凸部31aが貫通孔32aに挿入するように第2部品32を調整する。さらに、ネジ孔31bと貫通孔32bとが重なるように第2部品32を調整する。
【0079】
続いて、第2指部24が固定ネジ33を把持して、ネジ山33aを第2部品32の一方の貫通孔32bに挿入する。さらに、第2指部24が固定ネジ33を把持して、ネジ山33aを第2部品32の他方の貫通孔32bに挿入する。このとき、撮像制御部65が第2撮像装置28に第2部品32を撮影させて画像演算部66が第2部品32の貫通孔32bの位置を検出する。さらに、撮像制御部65が第2撮像装置28に固定ネジ33を撮影させて画像演算部66が固定ネジ33の位置と姿勢を検出する。そして、第2腕部16は貫通孔32bに固定ネジ33を挿入するように固定ネジ33の姿勢を調整する。
【0080】
第2腕部16が加減速動作をして移動するとき、胴体部6に第2腕部16から力が加えられる。これにより、胴体部6が本体回動機構5の出力軸5aを中心として回動するように作用する。このとき、第1腕部14が第1支持部45と接触している。これにより、第1腕部14及び第1支持部45が胴体部6の回動を防止するように支持する。従って、第2腕部16が移動しても胴体部6が振動し難くなっている為、胴体部6の振動によりさらに第2腕部16が振動することを抑制することが可能になっている。
【0081】
図6(b)はステップS4の支持部退避工程に対応する図である。図6(b)に示すように、ステップS6が終了した後で姿勢制御部64は第1腕部駆動装置52に各第1指部13の間隔を広げるように第1指部13を移動させる。これにより、姿勢制御部64は第1指部13と第1支持部45とを離させる。次に、支持部制御部67は第1支持部移動部44を移動させる。そして、支持部制御部67は第1支持部45を第1腕部14と接触可能な場所から第1腕部14と接触不可能な場所へと移動させる。これにより、第1腕部14が第1支持部45と干渉することを防止することが可能になる。
【0082】
図7(a)はステップS7のネジ締め工程に対応する図である。図7(a)に示すように、姿勢制御部64は第2腕部駆動装置53を駆動して第2腕部16に第1部品31及び第2部品32を保持させている。次に、姿勢制御部64は第1腕部駆動装置52を駆動して第1腕部14の第1指部13にドライバー装置41を挟ませて把持させる。続いて、姿勢制御部64はドライバー装置41の回転軸の一端が一方の固定ネジ33を−Z方向に押圧するように第1腕部14を移動させる。
【0083】
次に、ドライバー制御部70がドライバー装置41の回転軸を回動させることにより固定ネジ33を回動させる。そして、ドライバー装置41の回転軸に加わるトルクが所定のトルクに達したとき、ドライバー制御部70はドライバー装置41を停止させる。同様に、2つ設置された固定ネジ33の他方も同様の方法にて回動させる。これにより、製品30が完成する。そして、姿勢制御部64は第1腕部14にドライバー装置41を作業台38に設置された収納場所に載置させる。
【0084】
図7(b)はステップS8〜S9、ステップS11〜S12に対応する図である。図7(b)に示すように、ステップS8の支持部移動工程では支持部制御部67が第2支持部移動部47を移動させる。これにより第2支持部48が第2腕部16と接触不可能な場所から第2腕部16と接触可能な場所へ移動する。次に、ステップS9の第2腕部支持工程では姿勢制御部64が第2腕部駆動装置53に第2腕部16を駆動させる。姿勢制御部64は第2腕部16を第2肩関節用回動機構15aから第2手部23まで真っ直ぐに伸ばした姿勢にする。このとき、本体部29が回動するときに第2肩関節用回動機構15aが移動する軌道の接線方向に第2腕部16が延在する。そして、第2腕部16と接する場所に第2支持部48が位置する。
【0085】
そして、第2指部24が第2支持部48を挟んで把持する。このとき、第2指部24のすべり防止部24aと第2支持部48のすべり防止部48aとを接触させる。これにより、第2指部24と第2支持部48とはすべり難くなる。
【0086】
ステップS11の待機工程では、第2腕部16が第2支持部48を支持するまで待機する。つまり、姿勢制御部64は、第1腕部14が静止した状態を維持する。これにより、第2腕部16は、第1腕部14の影響を受けずに少ない振動で動作することができる。従って、第2手部23が移動して静止するまでの時間が短くなるので、生産性良く作業を行うことができる。
【0087】
ステップS12の第1腕部作業工程では、姿勢制御部64が第1腕部駆動装置52に第1腕部14を駆動させる。まず、第1指部13が製品30を把持して収納台42上に移動する。このとき、撮像制御部65が第1撮像装置26に製品30を撮影させて画像演算部66が製品30の位置を検出する。
【0088】
次に、除材位置演算部69は過去に収納台42上に載置した製品30の場所をメモリー50の収納位置データ63から入手する。そして、すでに配列された製品30のデータを用いて除材位置演算部69は次に載置する場所を演算する。続いて、姿勢制御部64は第1腕部14を駆動させて除材位置演算部69が演算した場所に製品30を載置させる。
【0089】
第1腕部14が加減速動作をして移動するとき、胴体部6に第1腕部14から力が加えられる。この力は、胴体部6が本体回動機構5の出力軸5aを中心として回動するように作用する。このとき、第2腕部16が第2支持部48と接触している。これにより、第2腕部16及び第2支持部48は胴体部6の回動を防止するように支持する。従って、第1腕部14が移動しても胴体部6が振動し難くなっている為、胴体部6の振動によりさらに第1腕部14が振動することを抑制することが可能になっている。
【0090】
ステップS10の支持部退避工程はステップS12が終了した後に行われる。第2腕部16が第2支持部48と離れ、第2腕部16と接触可能な場所から第2腕部16と接触不可能な場所へ第2支持部移動部47が第2支持部48を移動させる。これにより、第2腕部16が第2支持部48と干渉することを防止することができる。
【0091】
ステップS13の終了判断工程では、予定の個数の製品30を製造したかを確認する。CPU49は第1腕部14が収納台42に製品30を載置した回数を計数する。そして、収納台42に載置した製品30の個数が予め設定された製造予定個数に達しないときステップS1に移行する。予め設定された製造予定個数の製品30を収納台42に載置したとき作業を終了する。以上の工程により製品30を組み立てる作業を終了する。
【0092】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、本体部29が基台3に回動可能に設置されている。そして、第1腕部14及び第2腕部16が本体部29に回動可能に接続されている。第2腕部16が加速または減速動作をするとき、本体部29に第2腕部16からの反作用により本体部29を回動させる力が作用する。第1腕部14と接触可能な場所には第1支持部45が位置している。そして、第2腕部16が加速または減速動作をするとき、第1腕部14が第1支持部45と接触する。これにより、第1腕部14及び第1支持部45は胴体部6が回動しないように胴体部6を支持する。従って、第2腕部16が加速または減速動作をするときにも、本体部29が振動するのを抑制することができる。
【0093】
(2)本実施形態によれば、第1支持部移動部44が、第1腕部14と接触可能な場所と第1腕部14と接触不可能な場所との間で第1支持部45を移動させている。従って、第1腕部14と第1支持部移動部44とを接触させることができる。これにより、胴体部6の振動を抑制させることができる。そして、第1腕部14と接触不可能な場所に第1支持部移動部44が第1支持部45を移動させるとき、第1腕部14が第1支持部45と干渉するのを防止することができる。従って、第1腕部14が胴体部6の振動を抑制する必要のないときには、第1腕部14の動作可能な場所を広く設定することができる。
【0094】
(3)本実施形態によれば、第1手部12は第1支持部45と接触する場所にすべり防止部13aを備えている。さらに、第1支持部45は第1手部12と接触する場所にすべり防止部45aを備えている。従って、第1腕部14が第1支持部45と接触するときには、第1腕部14と第1支持部45とが互いにすべらないように接触させることができる。
【0095】
(4)本実施形態によれば、第1腕部14と胴体部6とが接続する第1肩関節用回動機構7aが移動する軌道の接線方向に第1腕部14が延在している。そして、第1腕部14と接する場所に第1支持部45が位置する。第1腕部14は第1支持部45と接触するので振動し難くなっている。そして、第1肩関節用回動機構7aが移動する軌道の接線方向に第1腕部14が延在している。従って、本体部29が回動するときのモーメントは第1腕部14に確実に伝達される為、第1腕部14を介して胴体部6の振動を抑制することができる。
【0096】
同様に、第2肩関節用回動機構15aが移動する軌道の接線方向に第2腕部16が延在している。従って、本体部29が回動するときのモーメントは第2腕部16に確実に伝達される為、第2腕部16を介して本体部29の振動を抑制することができる。
【0097】
(5)本実施形態によれば、ステップS3の第1腕部支持工程において第1腕部14を第1支持部45まで移動させて停止し、第1腕部14を第1支持部45に接触させている。これにより、本体部29の振動が抑制される。そして、ステップS6の第2腕部作業工程では第2腕部16を移動させて停止させている。このとき、第2腕部16に作用する加速度により胴体部6が振動させられる。そして、第2腕部作業工程が行われる間は第1腕部支持工程が並行して行われる。従って、第2腕部16が加速または減速動作をするときにも、胴体部6が振動するのを抑制することができる。
【0098】
同様に、ステップS9の第2腕部支持工程において第2腕部16を第2支持部48まで移動させて停止し、第2腕部16を第2支持部48に接触させている。これにより、本体部29の振動が抑制される。そして、ステップS12の第1腕部作業工程では第1腕部14を移動させて停止させている。このとき、第1腕部14に作用する加速度により本体部29が振動させられる。そして、第1腕部作業工程が行われる間は第2腕部支持工程が並行して行われる。従って、第1腕部14が加速または減速動作をするときにも、胴体部6が振動するのを抑制することができる。
【0099】
(第2の実施形態)
次に、組立装置の一実施形態について図8(a)の組立装置の構成を示す要部模式正面図及び図8(b)〜図8(e)の組立装置の構成を示す要部模式平面図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、支持部移動部の動作が異なる点と元側腕部及び先側腕部に連結部が設置されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0100】
すなわち、本実施形態では、図8(a)に示すように、組立装置71はロボット1を備え、床2に第3支持補助部72が設置されている。そして、第3支持補助部72は支持部としての第3支持部73と第3支持部73を上下に移動させる第3支持部移動部74とを備えている。第3支持部移動部74は直動機構を備えている。直動機構はモーターとボールねじとステージを組合せて構成することができる。他にも、リニアモーターを用いても良い。
【0101】
第3支持部移動部74が第3支持部73を上昇させるとき、第3支持部移動部74は第1腕部14の可動範囲内に進入する。これにより、第1腕部14は第3支持部73と接触させることができる。そして、第3支持部移動部74が第3支持部73を下降させるとき、第3支持部移動部74は第1腕部14の可動範囲外に位置する。これにより、第1腕部14が第3支持部73と干渉することを防止することができる。
【0102】
図8(b)に示すように、組立装置75はロボット1を備えている。そして、ロボット1にはすべり防止部を兼ねた連結部76を備えている。連結部76は弾性部材を板状に形成したものである。そして、第1元側腕部9の側面の両側と第1先側腕部10の側面の両側とに連結部76が設置されている。そして、第1腕部14の付近には、第3支持補助部72が設置されている。第3支持補助部72は第3支持部73と第3支持部73を上下に移動させる第3支持部移動部74とを備えている。第3支持部73は角柱状であり、表面にすべり防止部73aが設置されている。すべり防止部73aは弾性体を有する板状の部材である。
【0103】
ロボット1は第1肩関節用回動機構7aを中心にして第1腕部14を回動させることにより連結部76を第3支持部73に接触させたり離したりすることができる。つまり、連結部76は第3支持部73と第1腕部14とを着脱可能に接続することができる。そして、すべり防止部73aにより連結部76は第3支持部73とすべらずに接触することができる。
【0104】
図8(c)に示すように、組立装置77はロボット1を備えている。そして、ロボット1は連結部78を備えている。連結部78の表面には弾性部材を板状に形成したすべり防止部79が設置されている。そして、第1元側腕部9の両側の側面と第1先側腕部10の両側の側面とに連結部78が設置されている。そして、第1腕部14の付近には、第4支持補助部80が設置されている。第4支持補助部80は支持部としての第4支持部80bと第4支持部80bを上下に移動させる直動機構を備えている。第4支持部80bは円柱状であり、表面にすべり防止部80aが設置されている。すべり防止部80aは弾性体を有する板状の部材である。
【0105】
ロボット1は第1肩関節用回動機構7aを中心にして第1腕部14を回動させることにより連結部78を第4支持部80bに接触させたり離したりすることができる。つまり、連結部78は第4支持部80bと第1腕部14とを着脱可能に接続することができる。そして、連結部78の表面は円弧状に凹んだ形状となっており、連結部78の表面と第4支持補助部80の表面とは同じ曲率となっている。これにより、連結部78と第4支持補助部80とが接するとき第1腕部14はX方向に動きにくくすることができる。そして、すべり防止部79及びすべり防止部80aにより連結部78は第4支持補助部80とすべらずに接触することができる。
【0106】
図8(d)に示すように、組立装置83はロボット1を備えている。そして、ロボット1は連結部84を備えている。連結部84はZ方向に貫通する孔を有し、孔内には弾性部材を円筒状に形成したすべり防止部85が設置されている。そして、第1元側腕部9の両側の側面と第1先側腕部10の両側の側面とに連結部84が設置されている。
【0107】
第1腕部14の付近には、第5支持補助部86が設置されている。第5支持補助部86は円柱状の支持部及び第2腕用支持部としての第5支持部86aと第5支持部86aを上下に移動させる直動機構を備えている。直動機構は第5支持部86aを上昇させて連結部84の孔に第5支持部86aを貫通させることができる。そして、直動機構は第5支持部86aを下降させて連結部84の孔から第5支持部86aを離脱させることができる。つまり、連結部84は第5支持部86aと第1腕部14とを着脱可能に接続することができる。そして、連結部84は第5支持部86aを囲むので第1腕部14はX方向及びY方向に動きにくくなる。そして、すべり防止部85により連結部84は第5支持部86aとすべらずに接触することができる。
【0108】
図8(e)に示すように、組立装置87はロボット1を備えている。そして、ロボット1は連結部88を備えている。連結部88は3つの方向に壁を有している。そして、第1元側腕部9の両側の側面と第1先側腕部10の両側の側面とに連結部88が設置されている。
【0109】
第1腕部14の付近には、第4支持補助部80が設置されている。ロボット1は第1肩関節用回動機構7aを中心にして第1腕部14を回動させることにより連結部88を第4支持部80bに接触させたり離したりすることができる。つまり、連結部78は第4支持部80bと第1腕部14とを着脱可能に接続することができる。そして、連結部88は角状に凹んだ形状となっており、連結部88の対向する壁の面の距離は第4支持補助部80のすべり防止部80aの直径と同じ距離となっている。これにより、連結部88と第4支持補助部80とが接するとき第1腕部14はX方向に動きにくくなる。
【0110】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、連結部76,78,84,88はそれぞれ第3支持部73、第4支持部80b、第5支持部86a、第4支持部80bと第1腕部14とを着脱可能に接続する。従って、連結部76,78,84,88がそれぞれ第3支持部73、第4支持部80b、第5支持部86a、第4支持部80bと第1腕部14とを連結するとき、それぞれ第3支持部73、第4支持部80b、第5支持部86a、第4支持部80bと第1腕部14とが離れないようにすることができる。その結果、第3支持部73、第4支持部80b、第5支持部86a、第4支持部80bと第1腕部14とで確実に胴体部6を支えることができる。
【0111】
(2)本実施形態によれば、連結部76は第3支持部73と接触する場所にすべり防止部を備え、連結部78はすべり防止部80aと接触する場所にすべり防止部79を備えている。同様に、連結部84は第5支持部86aと接触する場所にすべり防止部85を備えている。従って、第1腕部14が第3支持部73、第4支持部80b、第5支持部86a、第4支持部80bと接触するときにはすべらないように連結することができる。
【0112】
(第3の実施形態)
次に、組立装置の一実施形態について図9の組立装置の構成を示す組立装置の構成を示す模式平面図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、第2腕部16の第2元側腕部18に連結部が設置されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0113】
すなわち、本実施形態では、図9に示すように、組立装置89はロボット1を備え、第2肩部15の図中下側に第2の実施形態の第5支持補助部86を備えている。そして、第5支持補助部86は第5支持部86aと第5支持部86aを上下に移動する直動機構を備えている。ロボット1の第2元側腕部18には第2の実施形態における連結部84が設置されている。
【0114】
ステップS7のネジ締め工程において、第2手部23が第1部品31及び第2部品32を把持する。このとき、第2腕部16と接触可能な場所に第5支持部86aが位置する。そして、連結部84と第5支持部86aとが接触して接続する。これにより、第5支持部86aと第2腕部16とにより胴体部6を支持するため、姿勢制御部64が第1腕部14を移動させても胴体部6が振動し難くなっている。
【0115】
そして、第5支持部86aは第2元側腕部18を支持している。従って、第2腕部16は第2手部23を所望の姿勢にすることができる。これにより、ロボット1は第1腕部14と第2腕部16とを共に用いて作業をすることができる。
【0116】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第2腕部16と第5支持部86aとが接触したまま第2手部23が第1部品31及び第2部品32を把持している。従って、第2腕部16は第2腕部16の振動を抑制して第1部品31及び第2部品32を保持することができる。さらに、胴体部6の振動を抑制することができる。
【0117】
(第4の実施形態)
次に、組立装置の一実施形態について図10のロボットの構成を示す要部模式平面図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、第1腕部14の側面に連結部が設置されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0118】
すなわち、本実施形態では、図10に示すように、組立装置75はロボット1と第3支持補助部72を備えている。第3支持補助部72は第3支持部73と第3支持部73をZ方向に移動させる第3支持部移動部74をそなえている。第3支持補助部72を作動させるときには支持部制御部67が第3支持部移動部74を駆動して第3支持部73を上昇させる。
【0119】
ロボット1の第1腕部14には連結部76が設置されている。姿勢制御部64は第1肩関節用回動機構7aを回動させて第1腕部14を第3支持部73に押圧させる。このとき、姿勢制御部64は第1腕部14を移動させる目標位置90を連結部76が第3支持部73と干渉する場所に設定する。そして、第1腕部14を第3支持部73に押圧する力を制御する。これにより、ロボット1は確実に連結部76を第3支持部73に押圧させて接触させることができる。
【0120】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、姿勢制御部64は、第1腕部14を第3支持部73と接触させるときに第1腕部14を移動させる目標位置90を第1腕部14が第3支持部73と干渉する場所に設定している。従って、姿勢制御部64は第1腕部14に第3支持部73を押圧させることができる。そして、姿勢制御部64は押圧する力を制御する為、確実に第1腕部14は胴体部6の振動を抑制することができる。
【0121】
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、ロボット1は双腕であったが、腕の数は2つに限らず3つ以上でもよい。胴体部6の振動を抑制することができるので、胴体部6から波及する各腕の振動を抑制することができる。
【0122】
(変形例2)
前記第1の実施形態では、第1手部12を用いて機械的に第1支持部45と接触した。第1支持部45及び第2支持部48に電磁石を設置して第1腕部14を第1支持部45に吸着させても良い。他にも真空チャックを用いて第1腕部14を第1支持部45に吸着させても良い。尚、電磁石や真空チャックは第1支持部45に設置しても良く、第1手部12に設置しても良い。
【0123】
(変形例3)
前記第1の実施形態では、第1腕部14及び第1指部13を駆動する6つの回動機構及び直動機構を設置したが、回動及び直動機構の個数は6つに限らない。5個以下でもよく、7つ以上でも良い。回動及び直動機構の個数は少ないほうが生産性良くロボットを製造することがきる。また、回動及び直動機構の個数が多いほうが第1腕部14に複雑な動作を行わせることが可能となる。
【符号の説明】
【0124】
1…ロボット、3…基台、4…制御部、12…連結部及び手部としての第1手部、13a,24a,45a,48a,79,80a,85…すべり防止部、14…第1腕部、16…第2腕部、23…連結部及び手部としての第2手部、29…本体部、44…支持部移動部としての第1支持部移動部、45…支持部としての第1支持部、47…支持部移動部としての第2支持部移動部、48…支持部としての第2支持部、73…支持部としての第3支持部、76,78,88…連結部、80b…支持部としての第4支持部、86a…支持部及び第2腕用支持部としての第5支持部、90…目標位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、前記基台に回動可能に設置された本体部と、
前記本体部に回動可能に接続された第1腕部及び第2腕部と、
前記第1腕部と接触可能な場所に位置する支持部と、を備え、
前記第2腕部が加速または減速動作をするとき、前記第1腕部が前記支持部と接触することを特徴とするロボット。
【請求項2】
請求項1に記載のロボットであって、
前記第1腕部は前記支持部と前記第1腕部とが接触する場所に連結部を備え、
前記連結部は前記支持部と前記第1腕部とを着脱可能に接続することを特徴とするロボット。
【請求項3】
請求項1または2に記載のロボットであって、
前記第1腕部と接触可能な場所と前記第1腕部と接触不可能な場所との間で前記支持部を移動させる支持部移動部をさらに備えることを特徴とするロボット。
【請求項4】
請求項2または3に記載のロボットであって、
前記連結部は前記支持部と接触する場所にすべり防止部を備えることを特徴とするロボット。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のロボットであって、
前記第2腕部は物を把持する手部と、
前記第2腕部と接触可能な場所に位置する第2腕用支持部と、を備え、
前記第2腕部と前記第2腕用支持部とが接触した状態で前記手部は前記物を把持することを特徴とするロボット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のロボットであって、
前記本体部が回動するときに前記第1腕部と前記本体部とが接続する場所が移動する軌道の接線方向に前記第1腕部が延在し、前記第1腕部と接する場所に前記支持部が位置することを特徴とするロボット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のロボットであって、
前記第1腕部の位置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1腕部を前記支持部と接触させるときに前記第1腕部を移動させる目標位置を前記第1腕部が前記支持部と干渉する場所に設定し、前記腕部を前記支持部に押圧する力を制御することを特徴とするロボット。
【請求項8】
基台に回動可能に設置された本体部に回動可能に接続された第1腕部及び第2腕部を有するロボットの制御方法であって、
前記基台には前記第1腕部と接触可能な場所に支持部が設置され、
前記第1腕部を前記支持部まで移動させて停止し、前記第1腕部を前記支持部に接触させる第1腕部支持工程と、
前記第2腕部を移動させて停止する第2腕部作業工程と、を有し、
前記第1腕部支持工程は前記第2腕部作業工程が開始する前から行われ、前記第2腕部作業工程が終了するまで行われることを特徴とするロボットの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−99807(P2013−99807A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244219(P2011−244219)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】