説明

ロボット装置、ロボットシステムおよび被加工物の製造方法

【課題】保持対象物取り出し工程に要する時間を短縮することが可能なロボット装置を提供する。
【解決手段】このロボット装置(ロボットシステム100)は、ワーク201を保持するためのハンド部15を含むロボットアーム11と、ロボットアーム11に取り付けられ、ロボットアーム11によりワーク201を搬送しながら、ハンド部15に保持されたワーク201の保持状態を検出するための保持状態検出用カメラ3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボット装置、ロボットシステムおよび被加工物の製造方法に関し、特に、保持対象物を保持するための保持部を含むロボットアームを備えるロボット装置、ロボットシステムおよび被加工物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保持対象物を保持するための保持部を含むロボットアームを備えるロボット装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ワーク(保持対象物)を保持するための把持装置(保持部)を含むロボットアームと、ストッカの内部に配置された複数のワークを撮像(撮影)するためのセンサユニットとを備えるロボット装置が開示されている。上記特許文献1のロボット装置では、センサユニットは、ストッカの上方で、かつ、ロボットアームとは離れた位置に固定的に配置されている。そして、ストッカの内部に配置された複数のワークをセンサユニットにより撮像することにより、複数のワークのそれぞれの姿勢が検出される。その後、複数のワークのうちから選択された1つのワークを把持装置により把持するように、ロボットアームが駆動される。なお、明記はされていないが、把持装置がワークを把持している状態(把持装置がワークを把持している位置など)を検出する場合には、ストッカの内部に配置された複数のワークを撮像するためのセンサユニットにより把持装置に把持されたワークを撮像することによって、ワークの把持状態(保持状態)を検出することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−115930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のロボット装置では、把持装置によるワークの把持状態を検出する場合には、把持装置がワークを把持した状態で、把持装置がセンサユニットの近傍に配置されるようにロボットアームを駆動し、その後ロボットアームを停止させて、センサユニットにより把持装置に把持されたワークを撮像する必要がある。このため、ワークがセンサユニットにより撮像されている間、ロボットアームの駆動が停止される分、一連のワーク取り出し工程(たとえば、把持装置によってワークを把持してから次行程の機器にワークを移動させるまでの工程)に要する時間(タクトタイム)が長くなる。このため、ワーク取り出し工程(保持対象物取り出し工程)に要する時間を短縮することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、保持対象物取り出し工程に要する時間を短縮することが可能なロボット装置、ロボットシステムおよび被加工物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるロボット装置は、保持対象物を保持するための第1保持部を含むロボットアームと、ロボットアームに取り付けられ、ロボットアームにより保持対象物を搬送しながら、第1保持部に保持された保持対象物の保持状態を検出するための保持状態検出部とを備える。
【0008】
この第1の局面によるロボット装置では、上記のように、ロボットアームに取り付けられ、ロボットアームにより保持対象物を搬送しながら、第1保持部に保持された保持対象物の保持状態を検出するための保持状態検出部を備えることによって、ロボットアームにより保持対象物が搬送されている動作中に、保持対象物の保持状態が検出されるので、保持対象物の保持状態の検出のためにロボットアームを停止する必要がない分、保持対象物取り出し工程に要する時間を短縮することができる。
【0009】
この発明の第2の局面によるロボットシステムは、保持対象物を保持するための保持部を有するロボットアームと、ロボットアームに取り付けられ、ロボットアームにより保持対象物を搬送しながら、保持部に保持された保持対象物の保持状態を検出するための保持状態検出部とを含むロボット装置と、検出された保持対象物の保持状態に基づいて、ロボット装置の動作を修正する制御装置とを備える。
【0010】
この発明の第2の局面によるロボットシステムでは、上記のように、ロボットアームに取り付けられ、ロボットアームにより保持対象物を搬送しながら、第1保持部に保持された保持対象物の保持状態を検出するための保持状態検出部を含むことによって、ロボットアームにより保持対象物が搬送されている動作中に、保持対象物の保持状態が検出されるので、保持対象物の保持状態の検出のためにロボットアームを停止する必要がない分、保持対象物取り出し工程に要する時間を短縮することが可能なロボットシステムを提供することができる。
【0011】
この発明の第3の局面による被加工物の製造方法は、ロボットアームに設けられた保持部により被加工物を保持するステップと、ロボットアームにより、保持部に保持された被加工物を次行程に向かって搬送しながら、ロボットアームに設けられた保持状態検出部により、保持部に保持された被加工物の保持状態を検出するステップと、次行程において被加工物に対して所定の処理を施すステップとを備える。
【0012】
この発明の第3の局面による被加工物の製造方法では、上記のように、ロボットアームにより、保持部に保持された被加工物を次行程に向かって搬送しながら、ロボットアームに設けられた保持状態検出部により、保持部に保持された被加工物の保持状態を検出するステップを備えることによって、ロボットアームにより保持対象物が搬送されている動作中に、保持対象物の保持状態が検出されるので、保持対象物の保持状態の検出のためにロボットアームを停止する必要がない分、保持対象物取り出し工程に要する時間を短縮することが可能な被加工物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態によるロボットシステムを側方から見た全体図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるロボットシステムを上方から見た全体図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるロボットシステムのセンサユニットの正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるロボットシステムのハンド部に保持されるワークの斜視図である。
【図5】図4に示すワークをZ軸を中心に180度回転させた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態によるロボットシステムのブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態によるロボットシステムの制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態によるロボットシステムの配置状態検出部がワークを走査する状態を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態によるロボットシステムのハンド部がワークを保持した状態を示す図である。
【図10】図9のハンド部がワークを保持した状態を示す拡大図である。
【図11】本発明の第1実施形態によるロボットシステムのロボットアームがワークを搬送する状態を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態によるロボットシステムのロボットアームがワークを仮置台に載置した状態を示す図である。
【図13】図12に示す仮置台に載置されたワークが回転された状態を示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態によるロボットシステムのロボットアームがワークを次工程の機器に載置した状態を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態によるロボットシステムを上方から見た全体図である。
【図16】本発明の第2実施形態によるロボットシステムの吸着部がワークを吸着した状態を示す図である。
【図17】本発明の第2実施形態によるロボットシステムの制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図18】本発明の変形例によるワークを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、図1〜図6を参照して、第1実施形態によるロボットシステム100の構成について説明する。
【0016】
図1に示すように、ロボットシステム100は、ロボット1と、ロボットシステム100の全体の動作を制御するロボットコントローラ2と、保持状態検出用カメラ3によって撮像された画像を処理するための画像処理システム4と、ストッカ200内に配置された複数のワーク201(図2参照)の配置状態を検出するための配置状態検出部5と、ワーク201を仮置きするための仮置台6とを備えている。なお、ロボットコントローラ2は、本発明の「制御部」および「制御装置」の一例である。また、保持状態検出用カメラ3は、本発明の「保持状態検出部」および「撮像部」の一例である。また、画像処理システム4は、本発明の「保持状態検出部」の一例である。また、仮置台6は、本発明の「台部」の一例である。また、ストッカ200は、本発明の「容器」の一例である。また、ワーク201は、本発明の「保持対象物」および「被加工物」の一例である。
【0017】
また、図1および図2に示すように、ロボットシステム100に隣接するように、次工程の機器202(たとえば加工機)が配置されている。また、ロボットシステム100に隣接するように、内部に複数のワーク201を含むストッカ200が配置されている。
【0018】
ストッカ200は、金属や樹脂などから形成されており、図2に示すように、ストッカ200の内部には、複数のワーク201が無作為に配置(バラ積み)されている。また、図4に示すように、ワーク201は、略直方体形状の外形を有する中空の箱状に形成されている。また、ワーク201は、長手方向(矢印X1方向、矢印X2方向)に沿った4つの面201a、面201b、面201cおよび面201dを有している。面201aには、円形状の穴部2011aおよび切欠き2012aが形成されている。また、面201bには、2つの四角形状の穴部2011bが形成されている。また、面201cには、2つの円形状の穴部2011cが形成されている。また、面201dには、2つの円形状の穴部2011dと、1つの長円状の穴部2012dとが形成されている。
【0019】
図1に示すように、ロボット1は、ロボットアーム11により構成される多関節ロボットからなる。また、ロボットアーム11は、基台12と、複数のアーム部分13と、各アーム部分13を接続する複数の関節14とを有する。また、ロボットアーム11には、関節14を駆動するためのサーボモータ(図示せず)が内蔵されており、ロボットアーム11(サーボモータ)の駆動は、ロボットコントローラ2により制御されるように構成されている。
【0020】
また、ロボットアーム11の先端には、ワーク201を把持(保持)するためのハンド部(グリッパ部)15が設けられている。ハンド部15には、一対の指部材15aが設けられている。一対の指部材15aは、アクチュエータ(図示せず)によって互いの間隔を縮めたり、広げたりするように駆動される。また、一対の指部材15aの駆動は、ロボットコントローラ2により制御されるように構成されている。なお、ハンド部15は、本発明の「第1保持部」および「保持部」の一例である。
【0021】
ここで、第1実施形態では、ロボットアーム11の先端側のアーム部分13には、ロボットアーム11によりワーク201を搬送しながら、ハンド部15に保持されたワーク201の保持状態を検出(撮像)するための保持状態検出用カメラ3が設けられている。なお、保持状態検出用カメラ3は、ワーク201の2次元画像を撮像するように構成されている。また、保持状態検出用カメラ3には、保持状態検出用カメラ3によって撮像(撮影)された画像を処理するための画像処理システム4がケーブル41を介して接続されている。なお、ハンド部15に保持されたワーク201の保持状態は、ハンド部15によりワーク201が保持された後、ロボットアーム11によりワーク201を次行程の機器202に搬送するまでの間(または、ハンド部15によりワーク201が保持されてからロボットアーム11が仮置台6を通過するまでの間)に、保持状態検出用カメラ3および画像処理システム4により検出されるように構成されている。つまり、ワーク201の保持状態は、ロボットアーム11によるワーク201の搬送中に検出されるように構成されている。なお、画像処理システム4によるハンド部15に保持されたワーク201の保持状態の検出方法は、後述する。
【0022】
図6に示すように、画像処理システム4には、制御部42と、記憶部43とが含まれている。また、画像処理システム4は、ロボットコントローラ2に接続されている。また、記憶部43には、ワーク201の各面の画像が予め保存されている。具体的には、図4に示すように、ワーク201の切欠き2012aが矢印X1方向側に配置された状態のワーク201の面201a(穴部2011aと切欠き2012aとが形成された面)、面201b(穴部2011bが形成された面)、面201c(穴部2011cが形成された面)、および、面201d(穴部2011dおよび穴部2012dが形成された面)の画像が記憶部43に予め記憶されている。さらに、図5に示すように、ワーク201の切欠き2012aが矢印X2方向側に配置された状態のワーク201の面201a(穴部2011aと切欠き2012aとが形成された面)、面201b(穴部2011bが形成された面)、面201c(穴部2011cが形成された面)、および、面201d(穴部2011dおよび穴部2012dが形成された面)の画像が記憶部43に予め記憶されている。つまり、図4に示すワーク201の切欠き2012aが矢印X1方向側に配置された状態のワーク201の面201a(面201b、面201c、面201d)の画像と、図5に示すワーク201の切欠き2012aが矢印X2方向側に配置された状態のワーク201の面201a(面201b、面201c、面201d)の画像とは、鏡面対称になっている。すなわち、合計8種類の面の画像が記憶部43に予め記憶されている。画像処理システム4では、保持状態検出用カメラ3により撮像されたハンド部15に保持された状態のワーク201の画像と、記憶部43に予め記憶されているワーク201の8種類の画像とを比較して、8種類のワーク201の画像のうちから、画像の相関度の最も高い1つの画像(面)が選択される。
【0023】
そして、ワーク201の保持状態は、選択された画像(面)が上方(矢印Z1方向)に向いた状態であると画像処理システム4の制御部42により判断されるように構成されている。さらに、保持状態検出用カメラ3により撮像されたハンド部15に保持された状態のワーク201の画像と、選択されたワーク201の画像(面)とを比較(たとえば、保持状態検出用カメラ3により撮像されたワーク201の画像の長軸方向の長さと、選択されたワーク201の画像(面)の長軸方向の長さとを比較)することにより、ハンド部15がワーク201のどの位置(端部、中央部など)を把持しているかが判断される。
【0024】
また、図1および図6に示すように、ロボットコントローラ2は、ロボット1および画像処理システム4に接続されている。ここで、第1実施形態では、ロボットコントローラ2は、ロボットアーム11によりワーク201を搬送するのと並行して、保持状態検出用カメラ3により、ハンド部15に保持されたワーク201の保持状態を検出(撮像)する動作を実行させるように構成されている。そして、ロボットコントローラ2は、画像処理システム4により検出されたワーク201の保持状態(保持位置)に基づいて、ロボットアーム11の動作を修正するように構成されている。さらに、ロボットコントローラ2は、画像処理システム4により検出されたワーク201の保持状態(保持位置)に基づいて、ロボットアーム11の機器202または仮置台6への駆動を選択的に行うように制御するように構成されている。具体的には、画像処理システム4により検出されたワーク201の保持状態が、機器202(図1参照)に所望の状態でワーク201を載置できない保持状態であると判断された場合に、ロボットコントローラ2は、ワーク201を仮置台6に載置し、ワーク201を保持し直すように、ロボットアーム11を制御するように構成されている。また、画像処理システム4により検出されたワーク201の保持状態が、次工程の機器202に所望の状態でワーク201を載置できる保持状態であると判断された場合に、ワーク201を保持し直さずに機器202にワーク201を直接搬送するようにロボットアーム11を制御するように構成されている。また、ワーク201を保持し直さずに機器202にワーク201を直接搬送する場合、ロボットコントローラ2は、検出されたワーク201の保持状態(保持位置)に基づいて、ロボットアーム11の機器202に対する座標位置を調整する制御を行うように構成されている。
【0025】
また、図1に示すように、配置状態検出部5は、ストッカ200の上方(矢印Z1方向側)に配置されている。配置状態検出部5は、図3および図6に示すように、カメラ51と、レーザスキャナ52と、制御部53と、記憶部54とを含んでいる。また、配置状態検出部5は、カメラ51とレーザスキャナ52とが下方(矢印Z2方向側、図1参照)に向くように配置される。また、レーザスキャナ52は、スリット光を発生するレーザ光源(図示せず)と、ミラー(図示せず)と、ミラーを駆動するモータ(図示せず)とを含んでいる。そして、レーザ光源から照射されたスリット状のレーザ光がミラーに照射され、ミラーがモータにより回転されることにより、ワーク201にスリット状のレーザ光が照射(走査)されるように構成されている。ワーク201に照射されたレーザ光の反射光は、カメラ51によって撮像される。そして、モータの回転角度と、カメラ51の撮像素子の位置と、レーザ光源、ミラーおよびカメラの位置関係とに基づいて、三角測量の原理によりワーク201までの距離(ストッカ200内のワーク201の3次元形状情報)が検出される。
【0026】
配置状態検出部5は、検出されたワーク201までの間の距離に基づいて、ストッカ200内に配置された複数のワーク201の配置状態を検出するように構成されている。具体的には、配置状態検出部5の記憶部54には、ワーク201の3次元形状情報が予め記憶されており、予め記憶部54に記憶されたワーク201の3次元形状情報と検出されたストッカ200内のワーク201の3次元形状情報とを比較することにより、個々のワーク201の配置状態(位置および姿勢)が検出される。ここで、第1実施形態では、ロボットコントローラ2は、配置状態検出部5の検出したワーク201の配置状態の情報(ストッカ200内のワーク201の3次元形状情報)に基づいて、ストッカ200内に配置された複数のワーク201のうちの1つのワーク201(たとえば保持しやすい位置にあるワーク201)をハンド部15に保持させる制御を行うように構成されている。
【0027】
次に、図7〜図14を参照して、第1実施形態によるロボットシステム100の動作について説明する。
【0028】
まず、図7のステップS1において、図8に示すように、ストッカ200の上方(矢印Z1方向側)に配置されている配置状態検出部5から照射されたレーザ光により、ストッカ200の内部にバラ積みされているワーク201が走査される。そして、ステップS2において、配置状態検出部5とワーク201との間の距離(ストッカ200内のワーク201の3次元形状情報)が、配置状態検出部5により検出される。次に、ステップS3に進んで、図9および図10に示すように、検出されたワーク201の配置状態の情報(ストッカ200内のワーク201の3次元形状情報)に基づいて、ストッカ200内に配置された複数のワーク201のうちの1つのワーク201がハンド部15に保持される。
【0029】
次に、ステップS4に進んで、ロボットアーム11によりワーク201を搬送しながら、ロボットアーム11に設けられた保持状態検出用カメラ3により、ハンド部15に保持されたワーク201が撮像される。その後、画像処理システム4の記憶部43に予め記憶されている8種類のワーク201の面の画像と、保持状態検出用カメラ3により撮像されたワーク201の画像とが比較され、ワーク201の保持状態が画像処理システム4により検出される。なお、ワーク201の保持状態は、図11に示すように、ハンド部15によりワーク201が保持された後、ロボットアーム11によりワーク201を次行程の機器202に搬送するまでの間(またはハンド部15によりワーク201が保持されてからロボットアーム11が仮置台6を通過するまでの間)に、保持状態検出用カメラ3および画像処理システム4により検出される。そして、ワーク201の保持状態に関する情報は、画像処理システム4からロボットコントローラ2に送信される。
【0030】
次に、ステップS5に進んで、画像処理システム4により検出されたワーク201の保持状態が、ワーク201を保持し直さずに機器202に載置可能か否かがロボットコントローラ2により判断される。たとえば、図10に示すように、ワーク201が、面201a(穴部2011aと切欠き2012aとが形成された面)が上方(矢印Z1方向)に向いた状態でハンド部15により保持されている場合、ワーク201を面201d(面201aと対向する面)が上方(矢印Z1方向)に向いた状態で機器202に載置することはできない。つまり、ワーク201を保持している状態からワーク201の長軸を中心に180度回転させて機器202に載置することはできない。ロボットアーム11が機器202に触れてしまうからである。この場合、ワーク201を保持し直す必要があるとロボットコントローラ2により判断されて、ステップS6に進む。そして、ワーク201を仮置台6の上に載置するように、ロボットアーム11が駆動される。そして、ステップS7において、図12に示すように、ワーク201が仮置台6の上に載置される。その後、図13に示すようにワーク201を回転させてワーク201の面201d(穴部2011dおよび穴部2012dが形成された面)が上方(矢印Z1方向)に向いた状態で機器202に載置することができるように、仮置台6の上に載置されたワーク201が、ハンド部15により再び保持される。そして、ステップS8に進んで、ワーク201を機器202の上に載置するように、ロボットアーム11が駆動され、ステップS9において、図14に示すように、ワーク201が機器202の上に載置される。
【0031】
また、ステップS5において、ワーク201の保持状態(保持位置)が、ワーク201を保持し直さずに機器202に載置できるとロボットコントローラ2により判断された場合には、ステップS8に進んで、ワーク201を機器202の上に載置するように、ロボットアーム11が駆動される。そして、ステップS9において、図14に示すように、ワーク201が機器202の上に載置される。このとき、ワーク201の保持位置(端部、中央部など)に基づいて、ロボットアーム11の機器202に対する座標位置が調整される。その後、機器202において次工程の処理(たとえばワーク201の加工)が行われる。
【0032】
第1実施形態では、上記のように、ロボットアーム11に取り付けられ、ロボットアーム11によりワーク201を搬送しながら、ハンド部15に保持されたワーク201の保持状態を検出するための保持状態検出用カメラ3(画像処理システム4)を備えることによって、ロボットアーム11によりワーク201が搬送されている動作中に、ワーク201の保持状態が検出されるので、ワーク201の保持状態の検出のためにロボットアーム11を停止する必要がない分、ワーク取り出し工程に要する時間を短縮することができる。
【0033】
また、第1実施形態では、上記のように、ハンド部15によりワーク201が保持された後、ロボットアーム11によりワーク201を次工程の機器202に搬送しながら(搬送するのと並行して)、保持状態検出用カメラ3(画像処理システム4)によりワーク201の保持状態を検出する。これにより、ハンド部15によりワーク201が保持されている状態でのワーク201の保持状態を容易に検出することができる。
【0034】
また、第1実施形態では、上記のように、保持状態検出用カメラ3(画像処理システム4)によりハンド部15のワーク201に対する保持状態を検出し、ロボットコントローラ2は、保持状態検出用カメラ3(画像処理システム4)により検出された保持状態に基づいて、ロボットアーム11の動作を修正するように構成されている。これにより、ハンド部15のワーク201に対する保持状態に基づいた適切な動作を容易にロボットアーム11に行わせることができる。
【0035】
また、第1実施形態では、上記のように、検出されたワーク201の保持状態に基づいて、ワーク201を保持し直してから次工程の機器202にワーク201を搬送するようにロボットアーム11を駆動させる場合と、ワーク201を保持し直さずに次工程の機器202にワーク201を直接搬送するようにロボットアーム11を駆動させる場合とを選択的に行うように制御するようにロボットコントローラ2を構成する。これにより、ワーク201の保持状態が次工程の機器202に載置するのに不適切な場合でも、ワーク201が保持し直されるので、ワーク201を次工程の機器202に確実に配置することができる。
【0036】
また、第1実施形態では、上記のように、ワーク201を保持し直さずに次工程の機器202にワーク201を直接搬送する場合に、ワーク201が搬送されながら検出されたワーク201の保持状態(保持位置)に基づいて、ロボットアーム11の次工程の機器202に対する座標位置を調整する制御を行うようにロボットコントローラ2を構成する。これにより、ワーク201の保持位置に応じて、ワーク201を次工程の機器202に適切に載置することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、上記のように、ワーク201が搬送されながら検出されたワーク201の保持状態が、次工程の機器202に所望の状態でワーク201を配置できない保持状態であると判断された場合に、ワーク201を仮置台6に載置し、ワーク201を保持し直すように、ロボットアーム11を制御するようにロボットコントローラ2を構成する。これにより、ワーク201が仮置台6に載置されるので、容易に、ワーク201を保持し直すことができる。
【0038】
また、第1実施形態では、上記のように、ワーク201までの間の距離を検出することにより、ストッカ200内に配置された複数のワーク201の配置状態を検出するための配置状態検出部5を設けて、配置状態検出部5の検出情報に基づいて、ストッカ200内に配置された複数のワーク201のうちの1つのワーク201をハンド部15に保持させる制御を行うようにロボットコントローラ2を構成する。これにより、配置状態検出部5の検出情報に基づいて、容易に、保持しやすいワーク201を選択することができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、図15および図16を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、ロボットシステム100に1台のロボット1が配置されていた上記第1実施形態と異なり、ロボットシステム101に2台のロボット61および71が配置されている。
【0040】
本発明の第2実施形態によるロボットシステム101は、図15に示すように、2台のロボット61および71が隣接するように配置されている。ロボット61は、ロボットアーム62により構成される多関節ロボットからなる。また、ロボットアーム62は、基台63と、複数のアーム部分64と、各アーム部分64を接続する関節65とを有する。また、ロボット61(ロボットアーム62)の駆動は、ロボットコントローラ2aにより制御されるように構成されている。また、ロボットアーム62は、予め教示装置(図示せず)により教示された動作に基づいて駆動されるように構成されている。なお、ロボットアーム62は、本発明の「第1ロボットアーム」の一例である。また、ロボットコントローラ2aは、本発明の「制御部」および「制御装置」の一例である。
【0041】
ここで、第2実施形態では、ロボットアーム62の先端には、上記第1実施形態のロボットアーム11(図1参照)とは異なり、図16に示すように、ワーク201を吸着によって保持するための吸着部66が設けられている。吸着部66は、蛇腹状の部分66aと、吸盤部66bとから構成されている。また、ロボットアーム62には、ロボットアーム62によりワーク201を搬送しながら、吸着部66に保持されたワーク201の保持状態を検出(撮像)するための保持状態検出用カメラ3が設けられている。なお、吸着部66は、本発明の「第1保持部」および「保持部」の一例である。
【0042】
また、ロボット71は、ロボットアーム72により構成される多関節ロボットからなる。また、ロボットアーム72は、基台73と、複数のアーム部分74と、各アーム部分74を接続する関節75とを有する。また、ロボット71の駆動は、ロボットコントローラ2aにより制御されるように構成されている。なお、ロボットアーム72は、本発明の「第2ロボットアーム」の一例である。
【0043】
また、ロボットアーム72の先端には、上記第1実施形態のロボットアーム11(図1参照)と同様に、ワーク201を把持(保持)するためのハンド部76が設けられている。ハンド部76は、ロボットアーム62に保持されたワーク201を受け取る機能を有する。また、ハンド部76には、一対の指部材76aが設けられている。一対の指部材76aの駆動は、ロボットコントローラ2aにより制御されるように構成されている。つまり、ロボットコントローラ2aは、ロボットアーム62およびロボットアーム72の両方の駆動の制御を行うように構成されている。そして、第2実施形態では、ロボットコントローラ2aは、検出されたワーク201の保持状態に基づいて、ワーク201の受け渡し時に、ロボットアーム72のロボットアーム62に対する相対的な座標位置を調整する制御を行うように構成されている。つまり、ロボットアーム72は、ロボットアーム62と異なり、予め教示装置により教示された動作ではなく、検出されたワーク201の保持状態に基づいて駆動されるように構成されている。なお、ハンド部76は、本発明の「第2保持部」および「把持部」の一例である、
【0044】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0045】
次に、図17を参照して、第2実施形態によるロボットシステム101の動作について説明する。
【0046】
図17に示すステップS1(ワーク201の走査)、および、ステップS2(ワーク201の配置状態の検出)の動作は、上記第1実施形態と同様である。そして、ステップS11に進んで、検出されたワーク201の配置状態の情報(ストッカ200内のワーク201の3次元形状情報)に基づいて、ストッカ200内に配置された複数のワーク201のうちの1つのワーク201がロボットアーム62の吸着部66により吸着される。
【0047】
次に、ステップS12に進んで、ロボットアーム62によりワーク201を搬送しながら、ロボットアーム62に設けられた保持状態検出用カメラ3により、吸着部66に保持されたワーク201が撮像される。その後、画像処理システム4の記憶部43に予め記憶されている8種類のワーク201の面の画像と、保持状態検出用カメラ3により撮像されたワーク201の画像とが比較され、ワーク201の保持状態(保持位置)が保持状態検出用カメラ3および画像処理システム4により検出される。そして、ワーク201の保持状態に関する情報は、画像処理システム4からロボットコントローラ2aに送信される。なお、ワーク201の保持状態は、吸着部66によりワーク201が保持された後、ワーク201がロボットアーム62により、ロボットアーム62とロボットアーム72との間の所定の位置に搬送されるまでの間に、画像処理システム4により検出される。また、ロボットアーム62のワーク201を所定の位置まで搬送する動作は、予め教示装置(図示せず)によって教示されている。
【0048】
次に、ステップS13に進んで、検出されたワーク201の保持状態(保持位置)に基づいて、ロボットアーム72のロボットアーム62に対する相対的な座標位置がロボットコントローラ2aにより調整される。つまり、ロボットアーム72のハンド部76が、ワーク201を把持しやすい位置にロボットアーム72の座標位置が調整される。その後、ステップS14に進んで、ワーク201がロボットアーム62からロボットアーム72に受け渡される。
【0049】
第2実施形態では、上記のように、保持状態検出用カメラ3が取り付けられ、ストッカ200内に配置されたワーク201を保持するためのロボットアーム62と、ロボットアーム62に保持されたワーク201を所定の搬送位置において受け取るためのハンド部76を含むロボットアーム72とを設けて、検出されたワーク201の保持状態に基づいて、ワーク201の受け渡し時に、ロボットアーム72のロボットアーム62に対する座標位置を調整する制御を行うようにロボットコントローラ2aを構成する。これにより、ワーク201の保持状態に基づいてロボットアーム72のロボットアーム62に対する座標位置が調整されるので、ロボットアーム72のハンド部76によりワーク201を適切な状態(たとえば次工程の機器に載置するのに適した状態)で保持することができる。
【0050】
また、第2実施形態では、上記のように、ロボットアーム62には、吸着によってストッカ200内からワーク201を保持する吸着部66が設けられている。これにより、グリッパ(ハンド部)などの把持機構で把持ができない形状のワークやワークが密に並びグリッパのハンドを挿入する隙間がない場合であっても、迅速にワーク201を保持することができる。また、ロボットアーム72には、ロボットアーム62に保持されたワーク201を把持することにより、ワーク201をロボットアーム62の吸着部66から受け取るためのハンド部76が設けられている。これにより、ロボットアーム62の吸着部66からワーク201を確実に受け取ることができる。
【0051】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0052】
たとえば、上記第1実施形態では、ハンド部によりワークが保持された後、ロボットアームによりワークを次工程の機器に搬送しながらワークの保持状態を検出する例を示すとともに、上記第2実施形態では、吸着部によりワークが保持された後、ロボットアームによりワークをワークが受け渡されるロボットアームに搬送しながらワークの保持状態を検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワークがロボットアームにより搬送さている間であれば、次工程の機器、または、ワークが受け渡されるロボットアームに搬送される間以外の状況でワークの保持状態を検出してもよい。
【0053】
また、上記第1および第2実施形態では、保持状態検出用カメラと画像処理システムとによってワークの保持状態を検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保持状態検出用カメラによってワークを撮像し、ロボットコントローラの制御部によってワークの保持状態を検出するようにしてもよい。
【0054】
また、上記第1および第2実施形態では、保持状態検出用カメラと画像処理システムとを別個に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保持状態検出用カメラの内部に画像処理システムが含まれるようにしてもよい。
【0055】
また、上記第1および第2実施形態では、保持状態検出用カメラによってワークの2次元画像を撮像することにより、ワークの保持状態を検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロボットアームにワークまでの距離を検出する配置状態検出部と同様の構成(カメラ51、レーザスキャナ52、制御部53および記憶部54)を有する保持状態検出部を設けて、保持状態検出部とワークとの間の距離(ワークの3次元形状)を撮像することにより、ワークの保持状態を検出してもよい。また、保持状態検出用カメラの代わりに遮光センサを設けて、遮光センサに入射される光がワークによって遮光されるか否かによって、ワークの保持状態を検出するようにしてもよい。
【0056】
また、上記第1および第2実施形態では、ストッカ内に略直方体形状のワークが配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示すように、ストッカ内にワークとしてのネジ203を配置して、ハンド部によりネジ203を保持するようにしてもよい。また、ネジ203以外のたとえば棒状のワークをハンド部により保持するようにしてもよい。
【0057】
また、上記第1実施形態では、次工程の機器に所望の状態でワークを配置できない保持状態であると判断された場合に、ワークを保持し直すように制御する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワークの保持状態が不安定な状態であると判断された場合に、ワークを保持し直すように制御してもよい。
【0058】
また、上記第1実施形態では、次工程の機器に所望の状態でワークを配置できない保持状態であると判断された場合に、ワークを仮置台に載置した後、ワークを保持し直すように制御する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワークを仮置台以外の場所に配置した後(たとえばストッカ内に再配置した後)、ワークを保持し直すように制御してもよい。また、ワークの向きを反転させる別体の反転機にワークを載置してワークを反転させるように制御してもよい。
【0059】
また、上記第2実施形態では、ロボットアーム62に吸着部66が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロボットアーム62に吸着部66の代わりにハンド部を設けてもよい。
【0060】
また、上記第2実施形態では、ロボットアーム62の駆動は、予め教示装置により教示され、ロボットアーム72は、ワークの保持状態に基づいて駆動される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロボットアーム62を、ワークの保持状態に基づいて駆動するとともに、ロボットアーム72の駆動を予め教示装置により教示してもよい。また、ロボットアーム62およびロボットアーム72の両方をワークの保持状態に基づいて駆動してもよい。
【符号の説明】
【0061】
2、2a ロボットコントローラ(制御部、制御装置)
3 保持状態検出用カメラ(保持状態検出部、撮像部)
4 画像処理システム(保持状態検出部)
5 配置状態検出部
6 仮置台(台部)
11 ロボットアーム
15 ハンド部(第1保持部、保持部)
62 ロボットアーム(第1ロボットアーム)
66 吸着部(第1保持部、保持部)
72 ロボットアーム(第2ロボットアーム)
76 ハンド部(第2保持部、把持部)
100、101 ロボットシステム
200 ストッカ(容器)
201 ワーク(保持対象物、被加工物)
203 ネジ(保持対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持対象物を保持するための第1保持部を含むロボットアームと、
前記ロボットアームに取り付けられ、前記ロボットアームにより前記保持対象物を搬送しながら、前記第1保持部に保持された前記保持対象物の保持状態を検出するための保持状態検出部とを備える、ロボット装置。
【請求項2】
前記第1保持部を含む前記ロボットアームの駆動を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1保持部により前記保持対象物を保持する動作を実行後、前記ロボットアームにより前記保持対象物を所定の搬送位置に搬送するのと並行して、前記保持状態検出部により前記保持対象物の保持状態を検出する動作を実行させるように構成されている、請求項1に記載のロボット装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記保持状態検出部により検出された前記保持対象物の保持状態に基づいて、前記ロボットアームの動作を修正するように構成されている、請求項2に記載のロボット装置。
【請求項4】
前記保持状態検出部は、前記保持対象物の保持状態を撮像する撮像部を少なくとも含み、
前記制御部は、前記撮像部により撮像された前記保持対象物の保持状態に基づいて、前記ロボットアーム動作を修正するように構成されている、請求項3に記載のロボット装置。
【請求項5】
前記保持状態検出部により前記第1保持部の前記保持対象物に対する保持位置を検出し、
前記制御部は、前記保持状態検出部により検出された保持位置に基づいて、前記ロボットアームの動作を修正するように構成されている、請求項3または4に記載のロボット装置。
【請求項6】
前記ロボットアームは、前記保持状態検出部が取り付けられ、容器内に配置された前記保持対象物を保持するための第1ロボットアームを含み、
前記第1ロボットアームに保持された前記保持対象物を前記所定の搬送位置において受け取るための第2保持部を含む第2ロボットアームをさらに備え、
前記制御部は、検出された前記保持対象物の保持状態に基づいて、前記保持対象物の受け渡し時に、前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームのうちの少なくとも一方の座標位置を調整する制御を行うように構成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載のロボット装置。
【請求項7】
前記第1ロボットアームに含まれる第1保持部は、吸着によって前記容器内から前記保持対象物を保持する吸着部を含み、
前記第2ロボットアームに含まれる第2保持部は、前記第1ロボットアームに保持された前記保持対象物を把持することにより前記保持対象物を前記第1ロボットアームの第1保持部から受け取る把持部を含む、請求項6に記載のロボット装置。
【請求項8】
前記制御部は、検出された前記保持対象物の保持状態に基づいて、前記保持対象物を保持し直してから所定の搬送位置に前記保持対象物を搬送するように前記ロボットアームを駆動させる場合と、前記保持対象物を保持し直さずに前記所定の搬送位置に前記保持対象物を直接搬送するように前記ロボットアームを駆動させる場合とを選択的に行うように制御するように構成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載のロボット装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記保持対象物を保持し直さずに前記所定の搬送位置に前記保持対象物を直接搬送する場合に、前記保持対象物が搬送されながら検出された前記保持対象物の保持状態に基づいて、前記ロボットアームの前記所定の搬送位置に対する座標位置を調整する制御を行うように構成されている、請求項8に記載のロボット装置。
【請求項10】
検出された前記保持対象物の保持状態が、前記所定の搬送位置に所望の状態で前記保持対象物を配置できない保持状態であると判断された場合に、前記制御部は、前記保持対象物を保持し直してから前記所定の搬送位置に前記保持対象物を搬送するように、前記ロボットアームを制御するように構成されている、請求項8または9に記載のロボット装置。
【請求項11】
前記保持対象物が搬送されながら検出された前記保持対象物の保持状態が、前記所定の搬送位置に所望の状態で前記保持対象物を配置できない保持状態であると判断された場合に、前記制御部は、前記保持対象物を台部に載置し、前記保持対象物を保持し直すように、前記ロボットアームを制御するように構成されている、請求項10に記載のロボット装置。
【請求項12】
前記保持対象物は、容器内に配置された複数の保持対象物を含み、
前記保持対象物までの間の距離を検出することにより、前記容器内に配置された複数の保持対象物の配置状態を検出するための配置状態検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記配置状態検出部の検出情報に基づいて、前記容器内に配置された前記複数の保持対象物のうちの1つの保持対象物を前記第1保持部に保持させる制御を行うように構成されている、請求項2〜11のいずれか1項に記載のロボット装置。
【請求項13】
保持対象物を保持するための保持部を有するロボットアームと、前記ロボットアームに取り付けられ、前記ロボットアームにより前記保持対象物を搬送しながら、前記保持部に保持された前記保持対象物の保持状態を検出するための保持状態検出部とを含むロボット装置と、
検出された前記保持対象物の保持状態に基づいて、前記ロボット装置の動作を修正する制御装置とを備える、ロボットシステム。
【請求項14】
ロボットアームに設けられた保持部により被加工物を保持するステップと、
前記ロボットアームにより、前記保持部に保持された前記被加工物を次行程に向かって搬送しながら、前記ロボットアームに設けられた保持状態検出部により、前記保持部に保持された前記被加工物の保持状態を検出するステップと、
前記次行程において前記被加工物に対して所定の処理を施すステップとを備える、被加工物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−78825(P2013−78825A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220109(P2011−220109)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】