説明

ローソニア・イントラセルラリス感染に対する幼若動物のワクチン接種

本発明は、幼若動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法を提供する。本発明はまた、抗L.イントラセルラリス抗体を有する動物又は抗L.イントラセルラリス抗体に暴露された動物、好ましくは幼若動物にワクチンを接種する方法を提供する。特に、前記抗L.イントラセルラリス抗体は母体由来抗体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許出願60/803,207号(2006年5月25日出願)(前記出願の教示及び内容はその全体が参照により本明細書に含まれる)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に、増殖性腸炎(回腸炎として知られている)、好ましくはブタ増殖性回腸炎(真正細胞内細菌ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia Intracellularis)によって引き起こされる)に対する免疫を目的とする改善ワクチン接種方法に関する。特に、本発明は、L.イントラセルラリスに対して1日齢から始める幼若動物のワクチン接種によって、L.イントラセルラリスに対する防御の増強を提供する方法を提供する。好ましくは、幼若動物は、1日齢から21日齢、より好ましくは1日齢から10日齢、さらに好ましくは1日齢から9日齢、さらに好ましくは1日齢から6日齢、さらに好ましくは1日または2日齢に、もっとも好ましくは1日齢にワクチンを接種される。特に前記幼若動物は、幼若仔豚、好ましくは離乳前の仔豚である。
【背景技術】
【0003】
ブタ増殖性腸炎は、離乳期から若い成獣期のブタが罹患しえる天然に存在する疾患である。原因因子はローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia Intracellularis)であることが確立された。L.イントラセルラリスは、一般的な無細胞培地による通常の細菌学的方法では培養することができず、増殖に細胞を必要とすると考えられている真正細胞内細菌である。S. McOristら(Infection and Immunity, 1993, 61(19):4286-4292)及びG. Lawsonら(J Clinical Microbiology, 1993, 31(5):1136-1142)は、一般的な組織培養フラスコ中の単層IEC-18ラット腸管上皮細胞を用いるL.イントラセルラリスの培養を考察している。米国特許5,714,375号及び5,885,823号(前記両文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)では、懸濁宿主細胞でのL.イントラセルラリスの培養が記載されている。
L.イントラセルラリスの病原性及び非病原性弱毒菌株は当分野では周知である。例えばWO96/39629及びWO05/011731は、L.イントラセルラリスの非病原性弱毒株を記載している。L.イントラセルラリスの弱毒菌株はさらに別に記述されてあり、WO02/26250及びWO03/00665から知りえる。
【0004】
この疾患は、最初はその肉眼的及び顕微鏡的病理学によって、さらに後には罹患細胞内での細胞内細菌の出現によって特徴付けられる。この疾患の特徴的な病理学的所見は、回腸(小腸の末端部分)、大腸、又はその両者の陰窩内における未熟な上皮細胞増殖である。感染組織切片は、“ガーデンホース”に類似する赤く染まった肥厚粘膜及び腸病巣を特徴とする。腸管の肥厚は、最終的には正常な腸管機能、吸収能力および栄養素の移送を妨げる。前記疾患の臨床的影響は、慢性的な体重低下、発育不全、下痢及び死亡である。前記疾患は、死亡による損失、投薬コストの増加、罹患動物の貧弱な体重増加及び食物転化の低下のために経済的に重要である。回腸炎の症例は、6−20週齢のブタでもっとも顕著に観察される。しかしながら、L.イントラセルラリスの存在は離乳ブタ(3−4週齢)で確認され(PCR)、このことは、L.イントラセルラリス暴露は哺育場で発生し、おそらくはローソニア陽性母獣に由来することを示唆している(Mauch and Bilkei, Vet Rec, 2004, 155:532;Marsteller et al. Swine Health Prod, 2003, 11:127-130;Stege et al. Vet Micro, 2004, 104:197-206)。これらの観察は、予防戦略(例えばワクチン接種)を繁殖システムの早期に取り入れることの重要性を強調している。
回腸炎に対する免疫を目的とする従来のワクチン接種戦略は、もっぱら3週齢以降のローソニア未暴露ブタの経口ワクチン投与を必要とする。なぜならば、この週齢未満の仔豚は、経産ブタ(sow)の以前の暴露又はワクチン接種のために、L.イントラセルラリスに陽性の母体抗体を有する可能性があるからである。本発明の方法より以前には、母体抗体又は他の乳汁由来因子の存在のためにそのような仔豚でワクチン接種の有効性が潜在的に妨げられる可能性があると考えられていた。なぜならば、母体抗体は、仔豚の免疫系がワクチンを認識し仔豚自身の抗体を分泌する前にワクチンを中和する能力をもつからである。したがって、幼若仔豚のワクチン接種は母体免疫を考慮して避けられていた。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】IgG、IgM及びIgAについてIFATで陽性を示す初乳サンプルの数を示す。
【図2】種々のIg含有量を示す経産ブタ乳汁サンプルにおけるL.イントラセルラリス培養の力価(2つの力価測定の平均)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の要旨
本発明は2つの驚くべき観察を根拠にする。第一に、母体抗体及び経産ブタ乳汁は、胃腸管通過中にL.イントラセルラリスの不活化に有効ではないようである。室温で4時間に及ぶL.イントラセルラリスと経産ブタの初乳又は乳汁とのインキュベーションは、L.イントラセルラリス培養の力価に影響を与えなかった。高Ig又は低Ig含有量のサンプル間で違いはなかった。1:20希釈(5%L.イントラセルラリス培養/95%乳汁)でさえ、培養力価に対する影響は観察されなかった。結論すれば、調べた経産ブタの乳汁サンプルのいずれにおいても、L.イントラセルラリス培養力価に対する直接作用はin vitroでは検出されなかった。しかしながら、幼若仔豚は通常回腸炎に罹患しないので、L.イントラセルラリスに対する母体免疫がこれまで考察されてきた(P.K. Holyoake et al. 1994, J Clin Microbiol, 32:1980-1985;C.H.Y. Mauch and G. Bilkei 2004, Vet Rec, 155:532)。本研究で示されるように、母体抗体及び経産ブタ乳汁は、胃腸管通過中にL.イントラセルラリスの不活化に有効であるようにはみえない。
第二に、母体抗体及び経産ブタの乳汁は、L.イントラセルラリス抗原に干渉せず、したがって、ワクチン接種によって提供される、L.イントラセルラリス感染に対する能動的防御の確立を妨げない。実際に、1日齢にワクチンを接種された仔豚は、非ワクチン接種仔豚と比較してこの疾患に関連する肉眼的病変を減少させた。
【0007】
したがって、本発明は従来技術の欠陥を克服し、回腸炎(L.イントラセルラリス感染)の防御の増強を提供する新規な方法を提供する。特に、本発明は、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法を提供し、この方法は、前記幼若動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む。好ましくは、前記幼若動物は1日齢以上である。さらにまた、別の特徴にしたがえば、本発明は、抗L.イントラセルラリス抗体(特に母体に由来する抗L.イントラセルラリス抗体)を有する又は前記に暴露された幼弱動物に、L.イントラセルラリス感染に対するワクチンを接種する方法を提供し、この方法は、当該幼若動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む。好ましくは、当該幼若動物は1日齢以上である。
別の特徴にしたがえば、本発明は、抗L.イントラセルラリス抗体(特に母体に由来する抗L.イントラセルラリス抗体)を有する、又は前記に暴露された動物に、L.イントラセルラリス感染に対するワクチンを接種する方法を提供し、この方法は、有効用量のL.イントラセルラリス抗原を前記動物に投与する工程を含む。
【0008】
本明細書で用いられる、“ワクチン接種”又は“ワクチンを接種する”という用語は、L.イントラセルラリス抗原の動物への投与を含むプロセスを意味し(ただし前記に限定されない)、ここで前記L.イントラセルラリス抗原は、当該動物に投与されるとき、当該動物でL.イントラセルラリスに対する免疫応答を誘引するか、又は誘引する能力を有する。
本明細書で用いられる、“動物”という用語は、鳥類、魚類及び哺乳動物(例えばウシ、豚、ウマ又は霊長類)を意味する(ただしこれらに限定されない)。しかしながら、本発明の好ましい実施態様にしたがえば、前記動物は好ましくは離乳前の仔豚である。
【0009】
したがって、さらに別の特徴にしたがえば、本発明は、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法に関し、この方法は、当該幼若動物に1日齢から有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含み、ここで前記動物は鳥類、魚類又は哺乳動物(例えばウシ、ブタ、ウマ又は霊長類)である。好ましくは、前記動物は哺乳動物である。さらに好ましくは、前記動物はブタである。もっとも好ましくは、前記動物は離乳前の仔豚である。
本明細書で用いられる、“幼若(young)動物”という用語は、1日齢から20日齢の動物を指す。好ましくは、“幼若動物”という用語は、1日齢から10日齢の動物を指す。より好ましくは、“幼若動物”という用語は、1日齢から9日齢の動物、さらに好ましくは1日齢から8日齢、さらに好ましくは1日齢から7日齢、さらに好ましくは1日齢から6日齢、さらに好ましくは1日齢から7日齢、さらに好ましくは1日齢から6日齢、さらに好ましくは1日齢から5日齢、さらに好ましくは1日齢から4日齢、さらに好ましくは1日齢から3日齢、さらに好ましくは1日齢又は2日齢、もっとも好ましくは1日齢の動物を指す。“幼若動物”という用語のそれぞれの意味はまた、動物が初めてL.イントラセルラリス抗原でワクチン接種されるときの当該動物の日齢を指す。
【0010】
したがって、本発明のさらに別の特徴は、幼若動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法に関し、ここで前記動物は1日齢から20日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から10日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から9日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から8日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から7日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から6日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から5日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から4日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢から3日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢又は2日齢にワクチン接種される。さらに別の実施態様にしたがえば、本発明は前記ワクチン接種方法に関し、この場合動物は1日齢にワクチン接種される。
【0011】
“抗L.イントラセルラリス抗体を有する又は前記に暴露された”という用語は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する又は前記抗体力価に暴露された動物を意味するであろう(ただしこれらに限定されない)。好ましくは、前記抗L.イントラセルラリス抗体力価は、規定の抗L.イントラセルラリス免疫アッセイ、好ましくは実施例4に記載のアッセイで検出及び定量できる。より好ましくは、それら抗L.イントラセルラリス抗体は母体由来抗体である。
“抗L.イントラセルラリス抗体に暴露された”という用語は、動物が栄養物、例えば初乳又は乳汁を与えられ、それらが、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは栄養物1mL当たり又は1グラム当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を含むという事実を意味する(但し前記に限定されない)。
“抗L.イントラセルラリス抗体を有する”という用語は、前記動物の血清1mLにおける検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を意味するであろう(ただし前記に限定されない)。
【0012】
したがって、別の特徴にしたがえば、本発明は、動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対し動物にワクチンを接種する方法を提供し、ここで前記動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている。好ましくは、当該抗体は母体由来抗体である。さらに好ましくは、当該抗体力価はワクチン接種当日の動物に存在する。
したがって、別の特徴にしたがえば、本発明は、幼若動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法を提供し、ここで前記幼若動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている。好ましくは、当該抗体は母体由来抗体である。好ましくは、前記幼若動物は1日齢から20日齢である。より好ましくは、前記幼若動物は1日齢から10日齢、より好ましくは1日齢から9日齢、より好ましくは1日齢から8日齢、より好ましくは1日齢から7日齢、より好ましくは1日齢から6日齢、より好ましくは1日齢から5日齢、より好ましくは1日齢から4日齢、より好ましくは1日齢から3日齢、より好ましくは1日齢又は2日齢であり、もっとも好ましくは1日齢である。
【0013】
本明細書で用いられる“有効用量”という用語は、前記有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与される動物で免疫応答を誘引するか、又は誘引する能力を有する抗原量を意味する(但し前記に限定されない)。
組成物又はワクチンに対する“免疫学的又は免疫応答”とは、問題の組成物又はワクチンに対する細胞性及び/又は抗体仲介免疫応答の宿主での発生である。したがって、“免疫応答を誘引する又は誘引する能力を有する”という用語は、前記宿主が、問題の組成物又はワクチンに対して細胞性及び/又は抗体仲介免疫応答を発生させることを特徴とする宿主における免疫学的プロセスを意味する(但し前記に限定されない)。通常、“免疫応答”には以下の作用の1つ以上が含まれる(ただしこれらに限定されない):問題の組成物又はワクチンに含まれる抗原に対して特異的に誘導される抗体、B細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、及び/又は細胞傷害性T細胞、及び/又はyd T細胞の産生又は活性化。好ましくは、当該宿主は、新規感染に対する耐性の強化及び/又は当該疾患の臨床的重篤度の低下をもたらす治療的又は予防的な免疫学的応答を示す。そのような防御は、宿主の感染に付随する、本明細書に記載の症状の数若しくは重篤度の低下又はその消失のいずれかによって示されるであろう。
【0014】
動物で免疫応答の誘引に有効な抗原量又は免疫応答を誘引する能力がある抗原量は、ワクチンの成分及び投与スケジュールに左右される。典型的には、死菌抗原がワクチンに用いられるときは、当該ワクチンは、1用量当たり約103から約109コロニー形成ユニット(CFU)菌量、好ましくは1用量当たり約104から約108(CFU)菌量、及びより好ましくは1用量当たり約105から約106(CFU)菌量を含む。
特に、ワクチンで改変L.イントラセルラリス生菌、例えば単離株B3903(ATCCアクセッションNo. PTA-4926)と称される細菌単離株、及び単離株N34NP40wk(ATCCアクセッションNo. 55783)と称される細菌単離株(両者ともにWO96/39629及びWO05/0117371に記載されている)が用いられるときは、感受性動物に投与されるべき推奨用量は、好ましくは約3.0TCID50(組織培養感染用量の50%終末点、tissue culture infective dose 50% end point)から約6.0TCID50/用量、より好ましくは約4.0TCID50から約5.0TCID50/用量である。好ましい実施態様では、ワクチンの力価は、組織培養感染用量の50%終末点(TCID50)希釈アッセイによって決定されるとおり約4.9 TCID50/用量である。一般的には、精製細菌が用いられる場合は、免疫原の量は、5から5000マイクログラム、及び102.0から109.0 TCID50、好ましくは103.0から106.0 TCID50、より好ましくは104.0から105.0 TCID50であろう。
【0015】
通常はサブユニットワクチンが投与され、含有抗原レベルは少なくとも0.2μg/用量、好ましくは約0.2から約400μg/用量、さらに好ましくは約0.3から約200μg/用量、さらに好ましくは約0.35から約100μg/用量、さらに好ましくは約0.6から約15μg/用量、さらに好ましくは約0.75から約8μg/用量、さらに好ましくは約1.0から約6μg/用量、さらに好ましくは約1.3から約3.0μg/用量である。
本明細書で用いられる“防御の増強(increased protection)”という用語は、ワクチン接種群対ワクチン非接種コントロール群動物における、L.イントラセルラリス感染に付随する1つ以上の臨床症状の実質的に有意な減少(肉眼病巣の頻度など)を意味する(ただし前記に限定されない)。“臨床症状の実質的に有意な減少”という用語は、ワクチン接種動物群で少なくとも1つの臨床症状の発生頻度が、感染性L.イントラセルラリス菌チャレンジ後にワクチン非接種コントロール群よりも少なくとも20%、好ましくは30%、より好ましくは50%、もっとも好ましくは70%少ないことを意味する(ただし前記に限定されない)。
【0016】
本明細書で用いられる、“L.イントラセルラリス”という用語は、以下の文献に詳細に記載されている細胞内の湾曲したグラム陰性細菌を指し(C. Gebhart et al. 1993, Int J Systemic Bacteriology, 43(3):533-538及びS. McOrist et al. 1995, Int J Systemic Bacteriology, 45(4):820-825)、前記文献は各々その全体が参照により本明細書に含まれる)、WO96/39629及びWO05/0117371に記載された単離株が含まれる(ただし前記に限定されない)。特に“L.イントラセルラリス”という用語はまた、アメリカ菌培養コレクション(10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209)とのブダペスト条約の下に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA4926又はATCCアクセッション番号55783を割り当てられた単離株を意味する(ただし前記に限定されない)。両単離株はそれぞれWO96/39629及びWO05/0117371に記載されている。“L.イントラセルラリス”という用語はまた、他の任意のL.イントラセルラリス菌株若しくは単離株、好ましくはWO96/39629及びWO05/0117371に記載されたL.イントラセルラリス株の少なくとも1つの免疫原性特性を有するもの、特にアメリカ菌培養コレクション(10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209)とのブダペスト条約の下に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA4926又はATCCアクセッション番号55783を割り当てられた単離株の少なくとも1つの免疫原性特性を有するものを意味する(ただしこれらに限定されない)。
【0017】
ある株又は単離株は、前記が、抗L.イントラセルラリス特異的抗体(WO06/01294に記載されている)の少なくとも1つを用い、WO06/01294にまた記載されている検出アッセイで検出することができるときは、WO96/39629及びWO05/0117371に記載されたL.イントラセルラリス株、特にATCCアクセッション番号PTA4926又はATCCアクセッション番号55783として寄託された単離株の少なくとも1つの“免疫原性特性”を有する。好ましくは、そのような抗体は、参照番号301:39、287:6、268:29、110:9、113:2及び268:18を有する抗体から選択される。好ましくは、検出アッセイは、WO06/12949の実施例2及び3に記載されたサンドイッチELISAであり、一方、抗体110:9が捕捉抗体として用いられ、抗体268:29が結合抗体として用いられる。WO06/12949で開示される全ての抗体はハイブリドーマ細胞によって産生される(前記は、ブダペスト条約の特許寄託物として、応用微生物学研究センター(Centre for Applied Microbiology and Research(CAMR)及び欧州細胞培養コレクション(European Collection of Cell Cultures(ECACC))(Salisbury, Wiltshire SP4 0JG, UK)に寄託されている)。寄託日は2004年5月11日であった。ハイブリドーマ細胞株110:9は、ECACCアクセッション番号04092204として問題なく寄託されている。ハイブリドーマ細胞株113:2は、ECACCアクセッション番号04092201として問題なく寄託されている。ハイブリドーマ細胞株268:18は、ECACCアクセッション番号04092202として問題なく寄託されている。ハイブリドーマ細胞株268:29は、ECACCアクセッション番号04092206として問題なく寄託されている。ハイブリドーマ細胞株287:6は、ECACCアクセッション番号04092203として問題なく寄託されている。ハイブリドーマ細胞株301:39は、ECACCアクセッション番号04092205として問題なく寄託されている。
【0018】
本明細書で用いられる“L.イントラセルラリス抗原”という用語は、動物に投与されたとき、L.イントラセルラリスによる感染に対する免疫応答を誘発、刺激又は強化することができる、少なくとも1つの抗原を含む任意の物質組成物を意味する(ただし前記に限定されない)。好ましくは、前記L.イントラセルラリス抗原は、完全なL.イントラセルラリス菌(特に不活化型(いわゆる死菌))、改変生菌若しくは弱毒化L.イントラセルラリス菌(いわゆるMLB)、L.イントラセルラリス任意のサブユニット、ポリペプチド若しくは成分、又は任意のキメラベクター(この場合各々はL.イントラセルラリスの免疫原性アミノ酸配列を含む)である。本明細書で用いられる、“免疫原性タンパク質”、“免疫原性ポリペプチド”又は“免疫原性アミノ酸配列”は、前記免疫原性タンパク質、免疫原性ポリペプチド又は免疫原性アミノ酸配列を含む病原体に対して、宿主で免疫応答を誘引する任意のアミノ酸配列を指す。特に、L.イントラセルラリスの“免疫原性タンパク質”、“免疫原性ポリペプチド”又は“免疫原性アミノ酸配列”は、前記“免疫原性タンパク質”、“免疫原性ポリペプチド”又は“免疫原性アミノ酸配列”が投与された宿主で、L.イントラセルラリスに対する免疫学的応答を誘引する抗原をコードする任意のアミノ酸配列を意味する。
【0019】
本明細書で用いられる、“免疫原性タンパク質”、“免疫原性ポリペプチド”又は“免疫原性アミノ酸配列”には、任意のタンパク質の完全長配列、そのアナローグ、又はその免疫原性フラグメントが含まれる(ただし前記に限定されない)。“免疫原性フラグメント”という用語は、1つ以上のエピトープを含み、したがって対応する病原体に対する免疫学的応答を誘引するタンパク質のフラグメントを意味する。そのようなフラグメントは、当分野で周知の多数のエピトープマッピング技術を用いて同定することができる。例えば以下を参照されたい:Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66 (Glenn E. Morris Ed., 1996) Humana Press, Totowa, New Jersey.(前記の教示及び内容は参照により本明細書に含まれる)。例えば、直鎖状エピトープは、固相上で多数のペプチド(前記ペプチドは前記タンパク質分子の部分に相当する)を同時に合成し、このペプチドを抗体と反応させる(その間ペプチドは固相に結合したままである)ことによって決定することができる。そのような技術は当分野で公知であり、例えば以下に記載されている:米国特許4,708,871号;Geysen et al. 1984, Proc Natl Acad Sci USA 81:3998-4002;Geysen et al. 1986, Molec Immunol 23:709-715(前記文献の教示及び内容は参照により本明細書に含まれる)。同様に、配座エピトープは、アミノ酸の空間配座を例えばX-線結晶学及び二次元核磁気共鳴によって決定することにより容易に特定される。例えば上掲書(Epitope Mapping Protocols)を参照されたい。合成抗原、例えばポリエピトープ、フランキングエピトープ及び他の組換え体又は合成由来抗原もまた本定義に含まれる。例えば以下を参照されたい:Bergmann et al. 1993, Eur J Immunol 23:2777-2781;Bergmann et al. 1996, J Immunol 157:3242-3249;A. Suhrbier 1997, Immunol and Cell Biol, 75:402-408;Gardner et al. 1998, 12th World AIDS Conference, Geneva Switzerland, June 28-July 3, 1998(前記文献の教示及び内容は参照により本明細書に含まれる)。
【0020】
適切なL.イントラセルラリス抗原には以下に記載されたものが含まれる(ただしこれらに限定されない):EP1219711;US6,605,696;WO96/39629;WO97/20050;WO00/69903;WO00/69904;WO00/69905;WO00/69906;WO02/38594;WO02/26250;WO03/006665;WO04/033631;WO05/026200;及びWO05/011731。
したがって、本発明にしたがって使用されるワクチンには、上記に記載の任意のL.イントラセルラリス抗原が含まれ、前記はL.イントラセルラリスに対する免疫応答を誘引するか、又は誘引する能力を有する。好ましくは、前記ワクチンはL.イントラセルラリスに対し少なくとも防御の増強を提供する。
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本発明は、幼若動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を1日齢から投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法に関し、ここで、L.イントラセルラリス抗原は、改変L.イントラセルラリス生菌、L.イントラセルラリス死菌、又はL.イントラセルラリス菌の1つ以上のサブユニットから成る群から選択される。好ましくは、前記ワクチンは改変L.イントラセルラリス生菌を含む。より好ましくは、前記ワクチンはエンテリソールイレイチスB3903(Enterisol(商標) Ileitis B3903)(Boehringer Ingelheim Vetmedica, Inc.)である。上記で述べたように、好ましくは、ワクチン接種は、1日齢から20日齢に、より好ましくは1日齢から10日齢に、より好ましくは1日齢から9日齢に、より好ましくは1日齢から8日齢に、より好ましくは1日齢から7日齢に、より好ましくは1日齢から6日齢に、より好ましくは1日齢から5日齢に、より好ましくは1日齢から4日齢に、より好ましくは1日齢から3日齢に、より好ましくは1日齢又は2日齢に、もっとも好ましくは1日齢に実施される。
【0021】
別の特徴にしたがえば、本発明は、動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して動物にワクチンを接種する方法を提供し、ここで前記動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露され、さらに前記L.イントラセルラリス抗原は、改変L.イントラセルラリス生菌、L.イントラセルラリス死菌、又はL.イントラセルラリス菌の1つ以上のサブユニットから成る群から選択される。好ましくは、前記ワクチンは改変L.イントラセルラリス生菌を含む。より好ましくは、前記ワクチンはエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスB3903(Boehringer Ingelheim Vetmedica, Inc.)である。さらにまた、前記抗体は好ましくは母体に由来する抗体である。さらに好ましくは、前記抗体力価はワクチン接種当日の当該動物に存在する。
【0022】
別の特徴にしたがえば、本発明は、幼若動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法を提供し、ここで前記幼若動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露され、さらに前記L.イントラセルラリス抗原は、改変L.イントラセルラリス生菌、L.イントラセルラリス死菌、又はL.イントラセルラリス菌の1つ以上のサブユニットから成る群から選択される。好ましくは、前記ワクチンは改変L.イントラセルラリス生菌を含む。より好ましくは、前記ワクチンはエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスB3903(Boehringer Ingelheim Vetmedica, Inc.)である。さらにまた、前記抗体は好ましくは母体に由来する抗体である。さらに好ましくは、前記抗体力価はワクチン接種当日の当該動物に存在する。好ましくは、前記幼若動物は1日齢から20日齢である。より好ましくは、前記幼若動物は1日齢から10日齢、より好ましくは1日齢から9日齢、より好ましくは1日齢から8日齢、より好ましくは1日齢から7日齢、より好ましくは1日齢から6日齢、より好ましくは1日齢から5日齢、より好ましくは1日齢から4日齢、より好ましくは1日齢から3日齢、より好ましくは1日齢又は2日齢であり、もっとも好ましくは1日齢である。
【0023】
さらに別の特徴にしたがえば、本発明は、幼若動物に1日齢から改変L.イントラセルラリス生菌の約3.0TCID50から約6.0TCID50の用量を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法に関する。好ましくは、前記細菌は、ワクチンのエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスB3903(Boehringer Ingelheim Vetmedica, Inc.)に含まれるものである。上記で述べたように、好ましくは、ワクチン接種は、1日齢から20日齢に、より好ましくは1日齢から10日齢に、より好ましくは1日齢から9日齢に、より好ましくは1日齢から8日齢に、より好ましくは1日齢から7日齢に、より好ましくは1日齢から6日齢に、より好ましくは1日齢から5日齢に、より好ましくは1日齢から4日齢に、より好ましくは1日齢から3日齢に、より好ましくは1日齢又は2日齢に、もっとも好ましくは1日齢に実施される。
さらに別の特徴にしたがえば、本発明は、動物に改変L.イントラセルラリス生菌の約3.0TCID50から約6.0TCID50の用量を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して動物にワクチンを接種する方法に関し、ここで前記動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている。好ましくは、前記細菌は、ワクチンのエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスB3903(Boehringer Ingelheim Vetmedica, Inc.)に含まれるものである。
【0024】
さらに別の特徴にしたがえば、本発明は、幼若動物に改変L.イントラセルラリス生菌の約3.0TCID50から約6.0TCID50の用量を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法に関し、ここで前記幼若動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている。好ましくは、前記細菌は、ワクチンのエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスB3903(Boehringer Ingelheim Vetmedica, Inc.)に含まれるものである。上記で述べたように、好ましくは、ワクチン接種は、1日齢から20日齢に、より好ましくは1日齢から10日齢に、より好ましくは1日齢から9日齢に、より好ましくは1日齢から8日齢に、より好ましくは1日齢から7日齢に、より好ましくは1日齢から6日齢に、より好ましくは1日齢から5日齢に、より好ましくは1日齢から4日齢に、より好ましくは1日齢から3日齢に、より好ましくは1日齢又は2日齢に、もっとも好ましくは1日齢に実施される。
さらに別の特徴にしたがえば、本発明は、幼若動物に1日齢から有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する方法に関し、ここで前記幼若動物は、L.イントラセルラリス及び抗L.イントラセルラリス母体抗体陰性である。上記で述べたように、好ましくは、ワクチン接種は、1日齢から20日齢に、より好ましくは1日齢から10日齢に、より好ましくは1日齢から9日齢に、より好ましくは1日齢から8日齢に、より好ましくは1日齢から7日齢に、より好ましくは1日齢から6日齢に、より好ましくは1日齢から5日齢に、より好ましくは1日齢から4日齢に、より好ましくは1日齢から3日齢に、より好ましくは1日齢又は2日齢に、もっとも好ましくは1日齢に実施される。
【0025】
さらに別の特徴にしたがえば、本発明はまた、L.イントラセルラリス感染に対し幼若動物を1日齢からワクチン接種するための医薬、好ましくはワクチン組成物の製造のためのL.イントラセルラリス抗原の新規な医薬的使用に関し、ここで、前記幼若動物は1日齢またはそれ以降に前記L.イントラセルラリス抗原の有効量でワクチン接種される。好ましくは、ワクチン接種は、1日齢から20日齢に、より好ましくは1日齢から10日齢に、より好ましくは1日齢から9日齢に、より好ましくは1日齢から8日齢に、より好ましくは1日齢から7日齢に、より好ましくは1日齢から6日齢に、より好ましくは1日齢から5日齢に、より好ましくは1日齢から4日齢に、より好ましくは1日齢から3日齢に、より好ましくは1日齢又は2日齢に、もっとも好ましくは1日齢に実施される。
さらに別の特徴にしたがえば、本発明はまた、L.イントラセルラリス感染に対し動物をワクチン接種するための医薬、好ましくはワクチン組成物の製造のためのL.イントラセルラリス抗原の新規な医薬的使用に関し、ここで前記動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている。
【0026】
さらに別の特徴にしたがえば、本発明はまた、L.イントラセルラリス感染に対し幼若動物をワクチン接種するための医薬、好ましくはワクチン組成物の製造のためのL.イントラセルラリス抗原の新規な医薬的使用に関し、ここで、前記幼若動物は、検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価、好ましくは1mL当たり少なくとも1:4、より好ましくは1:16を超える、より好ましくは1:64を超える、より好ましくは1:128を超える、より好ましくは1:256を超える、より好ましくは1:512を超える、もっとも好ましくは1:1024を超える抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている。好ましくは、ワクチン接種は、1日齢から20日齢に、より好ましくは1日齢から10日齢に、より好ましくは1日齢から9日齢に、より好ましくは1日齢から8日齢に、より好ましくは1日齢から7日齢に、より好ましくは1日齢から6日齢に、より好ましくは1日齢から5日齢に、より好ましくは1日齢から4日齢に、より好ましくは1日齢から3日齢に、より好ましくは1日齢又は2日齢に、もっとも好ましくは1日齢に実施される。
上記に記載した前記医薬的使用のさらに別の特徴にしたがえば、L.イントラセルラリス抗原は、改変L.イントラセルラリス生菌、L.イントラセルラリス死菌、又はL.イントラセルラリス菌の1つ以上のサブユニットから成る群から選択される。好ましくは、L.イントラセルラリス抗原は改変L.イントラセルラリス生菌である。より好ましくは、前記動物は、改変されたL.イントラセルラリス生菌の約3.0TCID50から約6.0TCID50の用量を投与される。
【0027】
L.イントラセルラリス抗原を含むワクチン組成物の製造は従来技術であり、当業者に公知である。例えば、当業者は前記組成物に含むことができる追加の成分を決定することができる(以下もまた参照されたい:Remington's Pharmaceutical Sciences (1990) 18th ed. Mack Publ., Easton)。当業者は、公知の注射可能な生理学的に許容できる無菌的溶液を用いることができる。非経口注射又は輸液用即席溶液の調製のために、等張水溶液(例えば食塩水又は対応する血漿タンパク質溶液)を容易に入手できる。ワクチン組成物は、凍結乾燥物又は乾燥調製物として、例えばパーツで構成されたキットとして存在しえる(前記は公知の注射可能溶液で使用前に無菌的条件下で再構成することができる)。
さらにまた、本発明の免疫原性及びワクチン組成物は、獣医が許容できる1つ以上の担体を含むことができる。本明細書で用いられる、“獣医が許容できる担体”には、任意の及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング、アジュバント、安定化剤、希釈剤、保存料、抗菌及び抗カビ剤、等張剤、吸着遅延剤などが含まれる。
“希釈剤”には水、食塩水、デキストロース、エタノール、グリセロールなどが含まれえる。等張剤には、とりわけ塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、及びラクトースが含まれえる。安定化剤には、とりわけアルブミン及びエチレンジアミン四酢酸のアルカリ塩が含まれる。
【0028】
本明細書で用いられる“アジュバント”には、水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウム、サポニン、例えばQuil A、QS-21(Cambridge Biotech Inc., Cambridge MA)、GPI-0100(Galenica Pharmaceuticals, Inc., Birmingham, AL)、油中水エマルジョン、水中油エマルジョン、水中油中水エマルジョンが含まれえる。エマルジョンは特に、軽流動パラフィン油(European Pharmacopea type);イソプレノイド油(例えばスクァラン又はスクァレン)、アルケン(特にイソブテン又はデセン)のオリゴマー化から生じる油、直鎖アルキル基を含む酸又はアルコールのエステル、より具体的には植物油、エチルオレエート、プロピレングリコールジ-(カプリレート/カプレート)、グリセリルトリ-(カプリレート/カピレート) 又はプロピレングリコールジオレエート、及び分枝脂肪酸又はアルコールのエステル、特にイソステアリン酸エステルを基剤にすることができる。前記油は、乳化剤と一緒に用いてエマルジョンが生成される。乳化剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤、特に以下(ソルビタン;マンニド(例えば無水マンニトールオレエート);グリコール;ポリグリコール;プロピレングリコール;及びオレイン酸、イソステアリン酸、リシノール酸又はヒドロキシステアリン酸(前記は場合によってエトキシル化される))のエステル、及びポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンコポリマーブロック、特にプルロニック製品、特にL121である。例えば以下を参照されたい:Hunter et al. The Theory and Practical Application of Adjubants (Ed. Stewart-Tull, D.E.S.). John Wiley and Sons, NY, pp51-94 (1995);及びTodd et al. Vaccine, 1997, 15:564-570(前記文献の教示及び内容は参照により本明細書に含まれる)。
【0029】
例えば、SPTエマルジョン(”Vaccine Design, The Subunit and Adjubant Approach”(M. Powell and M. Newman編、Plenum Press社刊、1995)の147ページに記載)及びエマルジョンMF59(同書の183ページに記載)(前記文献の教示及び内容は参照により本明細書に含まれる)を用いることができる。
アジュバントのさらに別の例は、アクリル酸又はメタクリル酸のポリマー及び無水マレイン酸とアルケニル誘導体とのコポリマーから選択される化合物である。有利なアジュバント化合物は、特に糖又はポリアルコールのポリアルケニルエーテルで架橋されたアクリル酸又はメタクリル酸のポリマーである。これらの化合物は、カルボマーという用語によって知られている(Phameuropa, Vol.8, No.2, June 1996)。当業者はまた、ポリヒドロキシル化化合物で架橋されたそのようなアクリル酸ポリマーについて記載している米国特許2,909,462号を参照することができる。前記ポリヒドロキシル化化合物は、少なくとも3つのヒドロキシル基(好ましくは8つを超えない)を有し、少なくとも3つのヒドロキシルの水素原子は、少なくとも2つの炭素原子を有する不飽和脂肪族ラジカルによって置換される。好ましいラジカルは、2つから4つの炭素原子を含むもの、例えばビニル、アリル及び他のエチレンのように不飽和の基である。前記不飽和ラジカルはそれ自体他の置換基、例えばメチルを含んでいてもよい。カルボポール(Carbopol)(BF Goodrich, Ohio, USA)の名称で販売されている製品が特に適切である。それらはアリルシュクロースで、又はアリルペンタエリトリトールで架橋される。とりわけ、カルボポール974P、934P及び971Pが記載されている。カルボポール971Pの使用がもっとも好ましい。無水マレイン酸とアルケニル誘導体とのコポリマーの中で、コポリマーEMA(Monsanto)(前記は無水マレイン酸とエチレンのコポリマーである)が優れている。これらのポリマーを水に溶解することによって酸性溶液が生じ、前記は好ましくは生理学的pHに中和されてアジュバント溶液が生成され、これに免疫原性、免疫学的又はワクチン組成物そのものが取り込まれるであろう。
【0030】
さらに適切なアジュバントには、RIBIアジュバント系(Ribi Inc.)、ブロックコポリマー(CytRx, Atlanta GA)、SAF-M(Chiron, Emeryville CA)、モノホスホリル脂質A、アヴリジン脂質-アミンアジュバント、大腸菌由来易熱性エンテロトキシン(組換え体又は組換え体でないもの)、コレラトキシン、IMS1314又はムラミルジペプチドがその他の多くのものの中で優れているが、ただしこれらに限定されない。
好ましくは、アジュバントは約100μgから約10mg/用量の量で添加される。より好ましくは、アジュバントは約100μgから約10mg/用量の量で添加される。より好ましくは、アジュバントは約500μgから約5mg/用量の量で添加される。より好ましくは、アジュバントは約750μgから約2.5mg/用量の量で添加される。もっとも好ましくは、アジュバントは約1mg/用量の量で添加される。
ワクチン組成物はさらに、1つ以上の他の免疫調節剤、例えばインターロイキン、インターフェロン、又は他のサイトカインを含むことができる。ワクチン組成物はまたゲンタマイシン又はマーチオレートを含むことができる。本発明の状況で有用なアジュバント並びに添加物の量及び濃度は当業者には容易に決定することができるが、本発明は、ワクチン組成物1mL用量当たり約50μgから約2000μg及び好ましくは約250μgのアジュバントを含む組成物を意図している。別の好ましい実施態様では、本発明は、約1μg/mLから約60μg/mLの抗生物質、より好ましくは約30μg/mL未満の抗生物質を含むワクチン組成物を意図している。
【0031】
本ワクチンは、動物(好ましくは哺乳動物、より好ましくはブタ)に任意の通常的態様で、好ましくは経口飲薬法により投与される。投与されるべき投薬量は個々の事例に左右されるが、いずれの場合でも回腸炎に対し防御抗体又は細胞仲介応答を誘発するために十分な量である。
本発明のワクチンは一般的には、感受性動物、好ましくは幼若仔豚及び/又は抗L.イントラセルラリス抗体を有する若しくは抗L.イントラセルラリス抗体に暴露された仔豚に1用量以上で投与される。生菌又は死菌ワクチンは、最初のワクチン接種から2−4週間の間隔で1回又は2回投与することができる。弱毒化生菌ワクチンのためには、1用量が好ましい。好ましくは、初回投与又は1回だけの投与は、上記に記載したように1日齢から20日齢に、より好ましくは1日齢から10日齢に、より好ましくは1日齢から9日齢に、より好ましくは1日齢から8日齢に、より好ましくは1日齢から7日齢に、より好ましくは1日齢から6日齢に、より好ましくは1日齢から5日齢に、より好ましくは1日齢から4日齢に、より好ましくは1日齢から3日齢に、より好ましくは1日齢又は2日齢に、もっとも好ましくは1日齢に実施される。
2回目の投与が所望されるか又は必要な場合には、2回目の投与は、初回ワクチン投与後約1週間から約4週間で実施される。さらに別の特徴にしたがえば、再ワクチン接種は、その前のワクチン接種後に3から12ヶ月の間隔で実施される。後続ワクチン用量の投与は、好ましくは6ヶ月又は1年単位で実施される。別の好ましい特徴では、約2から3週齢前にワクチン接種された動物は、再ワクチン接種を実施されるべきである。後続ワクチン用量の投与は、好ましくは1年単位で実施される。
本発明を以下の実施例でさらに説明する。前記実施例は例示の目的で提供され、限定と解してはならない。実際、本発明の他の変型は当業者には極めて明白であろう。
本明細書に引用した全ての刊行物及び特許は参照によりその全体が本明細書に含まれる。
【実施例】
【0032】
実施例1:経産ブタ(2回以上分娩)及び若雌ブタ(初回分娩)の初乳及び乳汁サンプルにおけるL.イントラセルラリス特異的抗体の検出
材料と方法
初乳サンプルは、25匹の経産ブタ及び25匹の若雌ブタから分娩後24時間以内に採取した。乳汁サンプルは、同一ブタから授乳第1週及び第2週に採取した。サンプルを2000gにて10分4℃で2回遠心して、乳汁の脂肪部分を分離した。前記サンプルの水様部分を分析まで-20℃で保存した。L.イントラセルラリスに特異的な抗体は、最初の1:20稀釈から始めて2倍連続希釈でIFATにより検出した。IFATは、各サンプルについてFITC標識抗ブタIgG、IgM及びIgA抗体を用いて種々のIgクラスを検出した点を除いて、実施例5及びその他に記載されたように実施した。前記経産ブタ及び若雌ブタの対応する血液サンプルを分娩後24時間以内に採取した。これらのサンプルをエンテリソール(Enterisol(商標))イレチウスELISAで製造業者の指示にしたがって調べた。
【0033】
結果
初乳サンプル中の抗体の検出結果は図1に要約される。この図は、IFATで種々の希釈のIgG、IgM及びIgAについて陽性結果を示したサンプル数を示している。全試験で陰性の初乳サンプルはなかった。経産ブタ由来初乳サンプルのただ1つ及び若雌ブタ由来の初乳サンプルの1つがIgGについて陰性であり、一方、若雌ブタ由来の1サンプル及び経産ブタ由来の3サンプルで特異的IgMは検出できなかった。若雌ブタ及び経産ブタから得られたそれぞれ25サンプルのうち8つがL.イントラセルラリス特異的IgAについて陰性を示した。授乳第2週で得られた乳汁サンプルでは、経産ブタ由来の2つのサンプルのみがIgGについて1:20の力価を示したが、一方、若雌ブタ由来の1サンプルがIgAについて陽性を示した(1:20)。授乳第3週では、1匹の経産ブタ及び3匹の若雌ブタ由来のサンプルがIgGについて1:20の希釈で陽性結果を示した。授乳第2及び第3週由来の他の全ての被検サンプルがIgG、IgM及びIgAについて陰性であった。経産ブタから分娩後24時間以内に採取した全ての血液サンプルがエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスELISAで陽性であったが、一方、若雌ブタから得た25サンプルのうち2つが陰性結果を示した。血液サンプルの結果と初乳サンプルの結果との間に明白な相関性はなかった。経産ブタ及び若雌ブタ由来の初乳では、L.イントラセルラリスに特異的なIgクラスG、M及びAの抗体が存在する。しかしながら、分娩後1週間で採取した乳汁サンプルでは、低い力価のL.イントラセルラリス特異的抗体がわずかに6%のサンプルで検出しえただけであった。
【0034】
文献
1. McOrist, S. et al. (2003) Pig J. 51, 26-35
2. Collins, A. M. et al. (2001) Allen D. Leman Swine, Conference
3. Holyoake, P.K. et al. (1994) J Clin Microbiol 32, 1980-1985,
Kruse, P.E. (1983) Ann. Rech. Vet. 14, 349-353
4. Bollwein, J. (2004) Doctoral thesis, LMU, Munich
5. Knittel, J.P. et al. (1998) AJVR 59, 722-726.
【0035】
実施例2:胃腸管通過中の乳汁抗体のL.イントラセルラリスに対する直接的影響
材料と方法
出産後24時間以内に経産ブタ及び若雌ブタから初乳サンプルを採取した。経産ブタの乳汁サンプルを授乳第1週及び第2週に採取した。サンプルを2000gにて10分4℃で2回遠心して、乳汁の脂肪部分を分離した。前記サンプルの水様部分を分析まで-20℃で保存した。L.イントラセルラリスに特異的な抗体は、最初の1:20稀釈から始めて2倍連続希釈でIFATにより検出した。IFATは、各サンプルについてFITC標識抗ブタIgG、IgM及びIgA抗体を用いて種々のIgクラスを検出した点を除いて、実施例5及びその他(5)に記載されたように実施した。IFATの結果を基にして、種々のIg含有量を有する乳汁サンプルを選択した。L.イントラセルラリス培養を種々の希釈の初乳又は経産ブタ乳汁サンプルと室温でインキュベートした。各サンプルは2回調べた。L.イントラセルラリスの組織培養感染量(TCID50)を、室温でのインキュベーションの開始時(0時間)及び4時間後に測定した。培養の未希釈サンプルを検査性能のためのコントロールとして供した。TCID50値の各測定のために、サンプルを20ゲージの注射針に20回通して均質化した。DMEM/HAM's F12培養液で増殖させた100%コンフルエントのMcCoy細胞の単層培養を含む75cm2の組織培養フラスコ1枚から細胞をトリプシン処理し、4枚の96ウェルマイクロタイタープレートに分けた。10-1から10-7に連続希釈したサンプルを新しいMcCoy細胞に接種した。微好気性条件下にて37℃で6日間インキュベートした後、細胞を氷冷アセトン/メタノール(50:50, v/v)で固定した。L.イントラセルラリスの増殖は、特異的な抗ローソニアモノクローナル抗体を使用し、続いてFITC標識-抗マウス抗体によって標識することにより検出した。5個以上の蛍光性L.イントラセルラリスを有する1つ以上のMcCoy細胞を含む各ウェルを陽性と判定した。TCID50は、Spearmann and Karber(6)にしたがって50%終末点公式を用いて決定した。
【0036】
結果
図1には、初乳(No.1−5)及び乳汁(No.6−8)の8サンプルのTCID50試験並びにIgG、IgA及びIgM力価の結果が要約されている。コントロール培養サンプルは全ての実験で予想されたTCID50値を示した。これら試験のいずれにおいても、L.イントラセルラリスの力価は、室温で4時間のインキュベーションの間に実質的に変化しなかった。したがって、本実験で示されたように、母体抗体及び経産ブタ乳汁は胃腸管通過中にL.イントラセルラリスの不活化に有効ではないように思われる。
【0037】
文献
1. van Aken; N. et al. (2002) Proc. 17th IPVS, Ames, Iowa, USA
2. Kruse, P.E. (1983) Ann. Rech. Vet. 14, 349-353
3. Collins, A. M. et al. (2001) Allen D. Leman Swine, Conference
4. Holyoake, P.K. et al. (1994) J Clin Microbiol 32, pp.1980-1985
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6. Karber, G. (1931) Arch. exp. Path. Pharma. 162, 480
7. Mauch, C. H. Y. and G. Bilkei (2004) Vet. Rec. 155, 532
【0038】
実施例3:L.イントラセルラリスに対する1日齢仔豚のワクチン接種の有効性
材料と方法
本実験は、L.イントラセルラリス陰性及び抗ローソニア母体抗体陰性の1日齢乳飲み仔豚を中心とする3つの実験群から成っていた。本実験0日目に、群1(ワクチン接種)の20匹の仔豚にそれぞれ、ラベル指示にしたがってエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチス(ワクチン単離株B3903)の1経口用量を投与した(3)。群2(コントロール)の20匹の仔豚には増殖培養液から成るプラセボを投与した。全ての群の仔豚を本実験20日目に離乳させた。21日目に群1及び2の仔豚に、3.5x109のビルレントL.イントラセルラリス2688/2,685を含む腸管ホモジネートを胃管強制栄養により投与した。第三の群(完全コントロール)の10匹の仔豚には、全実験期間を通していずれの時点でもワクチン、プラセボ又はチャレンジを与えなかった。42日目に全群のブタを人道的に安楽死させ、剖検した。一次有効性パラメーターには、L.イントラセルラリスによって特異的に引き起こされる回腸、盲腸及び結腸の肉眼及び顕微鏡病巣が含まれる。二次パラメーターには、臨床状態(行動、身体状態及び糞便の堅さ)、平均1日体重増加、糞便への排出(PCR)、及びセロコンバージョン(IFAT)が含まれる(1)。
【0039】
結果
剖検(42日目)で、ワクチン非接種コントロールブタ(回腸=1.16、盲腸=0.42、及び結腸=0.16)と比較して、ワクチン接種動物(群1)では、肉眼病巣スコアは回腸(0.21)、盲腸(0.0)及び結腸(0.0)で有意に(p<0.0003)低かった。全腸管病巣(回腸、盲腸及び結腸)の長さの平均は、ワクチン接種ブタ(1.42cm)と比較してコントロール(8.89cm)では有意に(p<0.0001)高かった。群3(完全コントロール)では肉眼腸管病巣スコアの平均は0.22であり、正常と考えられた。
ローソニアに特異的な回腸の平均顕微鏡病巣スコアは、ワクチン接種ブタ(0.53)と比較してコントロール(2.47)では有意に(p<0.02)高かった。さらにまた、顕微鏡病巣スコアの合計(p<0.006)及びIHC陽性ブタのパーセンテージ(p<0.0001)はワクチン接種群と比較してコントロールで有意に高かった。コントロール群は、盲腸及び結腸においてワクチン接種群よりも一般的に高い(p>0.05)平均顕微鏡病巣スコア及びパーセントIHC陽性動物を有していた。チャレンジ後2週間(実験35日目)で、ワクチン接種群よりもコントロールブタでPCR陽性が有意に(p<0.05)多かった。一般的に、コントロール群のブタ(8/19)は、ワクチン接種群のブタ(3/19)よりも多くのL.イントラセルラリスを実験の最終日(実験42日目、p>0.05)に排出した。本実験では群1と群2との間で平均1日体重増加又は平均臨床スコアに有意な相違はなかった(p>0.05)。総合すれば、一次有効性パラメーター(肉眼及び顕微鏡腸管病巣の進行)は、母体抗体陰性、ローソニア未暴露仔豚に1日齢に投与されるときビルレントチャレンジに対してシングル用量の経口投与エンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスが有効であることを明示した。授乳期の初乳及び乳汁に潜在的に存在するローソニア非特異的乳汁原性特性は、この実験ではビルレントなL.イントラセルラリスチャレンジに対しワクチンの有効性に干渉したり又は妨げたりしなかった。
【0040】
表1:L.イントラセルラリス糞便排出率

a,b同文字は相違が有意でないことを示す(p<0.05)。
Φ完全コントロールは統計的には分析されなかった。
*L.イントラセルラリスとは無関係の体調不全のために各群から1匹のブタが除かれた。
【0041】
文献
1. McOrist et al. (1993) Infection and Immunity 61: 4286-4292.
2. Knittel et al. (1998) Am J Vet Res 59:722-726.
3. Kroll et al. (2004) Am J Vet Res 65: 559-565
4. Mauch and Bilkei (2004) Vet Rec 155: 532
5. Marsteller et al. (2003). Swine Health Prod 11:127-130
6. Stege et al. (2004). Vet Micro 104: 197-206
【0042】
実施例4:抗L.イントラセルラリス抗体の検出及び定量のためのIFAT
材料と方法
実験の開始前に、16匹の妊娠したL.イントラセルラリス陰性経産ブタをランダムに2つの群(8匹の高免疫群(群A)及び8匹のプラセボ投与コントロール(群B))に分けた。分娩前の実験-55日目及び-14日目に、群Aの各経産ブタを市販のエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスによる直接経口飲薬法によって高免疫にした。前記方法によるワクチン用量の投与は、10mLの滅菌プラスチック注射筒を用いワクチンを口腔の後方部分に適用することを必要とする。コントロール群(群B)には、増殖培養液に懸濁させた同じ用量の非感染McCoy細胞から成るプラセボを投与した。群Aの妊娠経産ブタの高免疫は、分娩前に高レベルの母体免疫を誘発する意図で実施した。各妊娠経産ブタ群は、交差汚染を避けるために別々の部屋に同じ条件下(温度、換気及び同じ囲いサイズ)で収容した。各部屋の経産ブタは同じ囲い内で維持した。
実験者は均一な受胎及び分娩日を達成するために努力したが、経産ブタは全て同じ日に分娩したわけではなかった。そうではなく分娩は10日間の間に発生した。本実験でブタ群間に過剰な変動性をもたらしえる複数のワクチン接種日及びチャレンジ日を回避するために、分娩期間中の平均分娩日を本実験の0日目とした。したがって、ブタはワクチン接種時(実験21日目)に3週±5日齢であった。
【0043】
実験21日目に、100匹の健康な離乳仔豚を一腹ずつ区分けし、任意の6つの処置群に振り分けた。収容規定及び条件は上記に記載した経産ブタと同様であった。高免疫経産ブタ(群A)由来仔豚を群1から3に任意に振り分け、本実験の残り部分のために“高免疫由来”仔豚と認定した。コントロール経産ブタ(群B)由来仔豚を群4から6に任意に振り分け、本実験の残り部分のために“プラセボ由来”仔豚と認定した。群1及び4(それぞれ20匹/群)に2mLのシングル用量のエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスを直接経口飲薬法により投与した。群2及び5(それぞれ20匹/群)には、同じ用量のプラセボ(非感染McCoy細胞+培養液)を投与した。群3及び6(10匹/群)は“完全陰性コントロール”と呼び、前記にはワクチンもプラセボも投与せず、本実験中チャレンジ暴露を実施しなかった。離乳期間後、22日目に、経産ブタを人道的に安楽死させ、PEによる腸管病巣の進行評価のために剖検した。
実験42日目に、群1、2、4及び5に1x107.3TCID50/用量の異種ビルレント純粋培養L.イントラセルラリス単離株N101494を胃管強制栄養により投与した。チャレンジ後21日間、全ての仔豚をPE関連臨床症状(下痢、行動及び身体状態)について毎日調べ、重篤度にしたがって1から4のスコアを与えた(1=臨床的に正常;4=重症)ブタの体重を実験21日目、42日目及び63日目に測定し、各ブタ群の平均1日体重増加を算出した。平均1日体重増加(ADWG)を算出し、ブタの正常な成長成績と比較して治療効果を分析した。先ず初めに、ワクチン又はプラセボ投与前に、ブタの体重を測定して平均群体重基準値を得た。全ての群はサイズが均一であることが判明した(変動は0.63kg/ブタ未満)。群間における最初の重要なADWG変動期間は21日目(ワクチン接種)から42日目(チャレンジ暴露)に発生し、ビルレントな純粋培養L.イントラセルラリスによるチャレンジ暴露の直近の影響が測定された。
実験63日目に、全てのブタを人道的に安楽死させ、PEによる腸管病巣進行の評価のために剖検した。
【0044】
結果
母体抗体の検出
ローソニア・イントラセルラリス特異的IgG、IgA及びIgM抗体が、分娩期間中の群A(高免疫)の経産ブタの血清及び初乳中で検出された。群Aの63%(5/8経産ブタ)が抗ローソニアIgG抗体について血清抗体陽性であったが、一方、群B(コントロール)の経産ブタの0%(0/8)が分娩時には陽性であった。さらにまた、血清IgG抗体は、群A経産ブタ由来の仔豚で分娩(実験0日目)から5週齢(実験28日目)でのみ検出された(図1参照)。抗ローソニアIgG、IgA及びIgMは、群Aの初乳のそれぞれ50%、75%及び12.5%で検出された。群Aの初乳中の平均抗体濃度は、1:14(IgG、1から1:64の範囲)、1:10(IgA、1から1:32の範囲)、及び1:4(IgM、1から1:4の範囲)であった。群Bの経産ブタは、検出可能なIgM又はIgG抗ローソニア抗体をこの時期のそれらの初乳中に全く含まなかった。群Bの経産ブタの1匹のブタがIgAについて1:16の力価で陽性であった。
【0045】
母体抗体による防御
群2(群A経産ブタ由来ブタ)と群5(群B経産ブタ由来ブタ)の非ワクチン接種コントロールブタの比較を実施して、ワクチン高免疫経産ブタ(群A経産ブタ)から誘導された、ビルレントL.イントラセルラリス暴露に対する母体抗体による潜在的能力を判定した。
全群の平均肉眼及び顕微鏡病巣スコアは表1に要約されている。群5のブタ(77%)は、回腸及び結腸で群2のブタ(27.5%)よりも高いパーセンテージでローソニア特異的病巣を有していた。群2のブタは、実験63日目で群5と比較したとき、回腸及び結腸で有意に低い(p<0.05)回腸の平均肉眼病巣スコア並びに回腸及び結腸の平均顕微鏡(IHC)病巣スコアを有していた。
PCRによる検出可能なL.イントラセルラリスの糞便排出は、本実験の21日目(ワクチン接種)から42日目(チャレンジ)ではいずれの群でも明白ではなかった(図3参照)。群2及び5では、PCRによる糞便陽性は先ず49日目に開始し、この期間中にそれぞれ5%から15%及び15%から72%のブタが63日目までL.イントラセルラリスを排出した。PCRで検出された糞便排出は、群5(72%)と比較して群2(25%)において63日目で有意に(p<0.05)低かった。実験63日目で、より高いパーセンテージの組織PCR陽性が、群2(25%)と比較して群5(45%)のブタの回腸で見出された。群2のブタは、扁桃、腸間膜リンパ節及び結腸でPCR陰性であった。上記の3、4節で述べたように、群5の結腸及び腸間膜リンパ組織で多様なPCR陽性が観察された。
全ての試験群間での平均体重増加の比較は表2に要約されている。平均開始体重は21日目(ワクチン接種)の群2及び5で均一であり、ブタの体重はそれぞれ6.35及び6.10kg/ブタであった。ADWGにおける有意な相違は、実験21日目(ワクチン接種)から42日目(チャレンジ)までは群2(0.40kg/ブタ)と群5(0.41kg/ブタ)間で見出されなかった。しかしながら、実験21日目(ワクチン接種)から63日目(実験終了)までの21日間の評価期間では、群5(0.40kg/ブタ)よりも群2(0.46kg/ブタ)で、有意に(p<0.05)ADWGが高いことは明白であった。
【0046】
高免疫由来ブタにおけるワクチンの有効性
群1でエンテリソール(Enterisol(商標))イレイチスによりワクチン接種されたブタと、群2のワクチン非接種コントロールブタとの比較を実施して、母体免疫にもかかわらずワクチン接種が達成されえることが、3週齢のブタのワクチン接種後のPEに対する防御免疫を評価することにより確認された。両群のブタはともにワクチンによる高免疫経産ブタ(群A経産ブタ)由来であった。さらにまた、一次及び二次有効性パラメーターを群1及び群4のワクチン処置ブタ間で分析し、ワクチン有効性がビルレントL.イントラセルラリスチャレンジに対して同じようであるかを決定した。
全ての群間の平均肉眼及び顕微鏡病巣スコアは表1に要約されている。群2のブタ(27.5%)は、群1(12.5%)よりも高いパーセンテージでローソニア特異的病巣を回腸及び結腸で有していた。群1のブタは、群2と比較して実験63日目で有意に(p<0.05)低い平均肉眼病巣スコア(回腸)及び数字的に低い平均顕微鏡(IHC)病巣スコア(回腸及び結腸)を有していた。さらに、ワクチンを接種されたブタ(群1及び群4)では、平均肉眼及び顕微鏡病巣スコアで有意な相違は存在しなかった。
【0047】
PCRによる検出可能なL.イントラセルラリスの糞便排出は、実験21日目(ワクチン接種)から35日目までいずれの群(1又は2)でも明白であった(図3参照)。群1のブタは、先ず初めに42日目(チャレンジ)で糞便PCR陽性で、63日目(実験終了)まで陽性のままで、この期間中11%から16%のブタがL.イントラセルラリスを排出し続けた。群2のブタは、先ず初めに49日目で糞便PCR陽性で、63日目(実験終了)まで陽性のままで、この期間中5%から25%のブタがL.イントラセルラリスを排出し続けた。群4のブタは、42日目(チャレンジ)までローソニアDNAについてPCR陽性ではなく、63日目(実験終了)まで陽性のままであるが25%から5%に排出率が減少した。この実験中に、群1と2及び群1と4の間で、L.イントラセルラリスの糞便排出率の有意な相違は明らかではなかった。
本実験の63日目に、群1(20%)と比較して群2(25%)でわずかに高い組織PCR陽性パーセンテージが認められた。群1及び2よりも群4(5%)で実験終了時に組織PCR陽性頻度は明らかに低かった。群1と2及び群1と4の間でそれぞれPCR陽性に有意な相違は認められなかった。3群全てのブタが、扁桃、腸間膜リンパ節及び結腸でL.イントラセルラリスについてPCR陰性であった。
試験群全ての平均1日体重増加の比較は表2に要約されている。平均開始体重は、実験21日目(ワクチン接種)で群1及び2で均一で、ブタの体重はそれぞれ6.53及び6.35kg/ブタであった。均一な平均体重はまた21日目の群1及び4で観察された(それぞれ6.53kg/ブタ及び6.44kg/ブタ)。21日目(ワクチン接種)から42日目(チャレンジ)まで、群1(0.40kg/ブタ)と群2(0.41kg/ブタ)又は群1と群4(0.44kg/ブタ)との間でADWGに有意な相違はなかった。ADWGの有意な相違(p<0.05)は、21日目(チャレンジ)から63日目(実験終了)までの21日間の評価期間において、群4のブタ(0.51kg/ブタ)と比較して群1のブタ(0.45kg/ブタ)で明白であった。本実験の21日目から63日目までに群1と2の間でADWGに有意な相違は認められなかった。
【0048】
実施例5:抗L.イントラセルラリス抗体の検出及び定量のためのIFAT
L.イントラセルラリスに対するIgG抗体の存在について、各経産ブタ及びブタの血液由来の血清サンプルを免疫蛍光検査(IFAT)によって調べた。96ウェルポリスチレンマイクロタイタープレート上の固定全ローソニア抗原及びブタIgGに対して作成したFITC標識抗体(Knittel et al. 1998)を用いた。IFA検査は、ブタIgM及びIgAに対して作成したFITC標識抗体を用いることによってわずかに改変された。この改変方法を用い、各経産ブタの初乳でIgGの他に前記の抗体を検出し、種々のローソニア特異的免疫グロブリンの濃度を決定した。初乳をデュープリケートでPBSにて2倍希釈し、2セットのローソニア被覆96ウェルプレートに上述のように移した(100μL/ウェル)。接種プレートを37℃で30分インキュベートし、続いて3回PBSで洗浄した。先にPBSで1:200に希釈した抗ブタIgM又はIgA FITC結合抗体(Kirkegaard and Perry Laboratories, Inc.)を前記プレートに添加し、続いてインキュベーション及び洗浄工程を繰り返した。UV顕微鏡法を用いて、各抗ローソニア特異的抗体の力価を検出した。各免疫グロブリンについてのIFAT陽性パーセント及び平均力価値を群の比較のために算出し、経産ブタに存在するIgG、IgM及びIgA初乳抗体の頻度及びレベルを決定した。
文献
1. Knittel et al. (1998) Am J Vet Res 59:722-726.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
L.イントラセルラリス感染に対して幼若動物にワクチンを接種する、又は抗L.イントラセルラリス抗体を有する動物若しくは抗L.イントラセルラリス抗体に暴露された動物にワクチンを接種する方法であって、前記動物に有効用量のL.イントラセルラリス抗原を投与する工程を含む、前記ワクチン接種方法。
【請求項2】
前記動物が1日齢から9日齢にワクチンを接種される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記動物が1日齢から6日齢にワクチンを接種される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記動物が1日齢又は2日齢にワクチンを接種される、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記動物が、少なくとも1:4/mL血清又は液の検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記動物が、少なくとも1:64/mL血清又は液の検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記L.イントラセルラリス抗原が、改変L.イントラセルラリス生菌、L.イントラセルラリス死菌、L.イントラセルラリス菌の1つ以上のサブユニット、及び前記の組合せから成る群から選択される、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記L.イントラセルラリス抗原が改変L.イントラセルラリス生菌である、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記幼若動物が、前記改変L.イントラセルラリス生菌の約3.0TCID50から約6.0TCID50の用量を投与される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記動物が、ウシ、ブタ、ウマ及び霊長類などの鳥類、魚類及び哺乳動物である、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記動物がブタである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
幼若動物、又は抗L.イントラセルラリス抗体を有する、若しくは抗L.イントラセルラリス抗体に暴露された動物のL.イントラセルラリス感染に対するワクチン接種用医薬の製造のためのL.イントラセルラリス抗原の使用であって、前記動物が有効用量の前記L.イントラセルラリス抗原でワクチン接種される、前記使用。
【請求項13】
前記動物が1日齢から9日齢にワクチンを接種される、請求項12記載の使用。
【請求項14】
前記動物が1日齢から6日齢にワクチンを接種される、請求項12または13記載の使用。
【請求項15】
前記動物が1日齢又は2日齢にワクチンを接種される、請求項12から14のいずれか1項記載の使用。
【請求項16】
前記動物が、少なくとも1:4/mL血清又は液の検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている、請求項12から15のいずれか1項記載の使用。
【請求項17】
前記動物が、少なくとも1:64/mL血清又は液の検出可能な抗L.イントラセルラリス抗体力価を有する、又は前記抗体力価に暴露されている、請求項12から16のいずれか1項記載の使用。
【請求項18】
前記L.イントラセルラリス抗原が、改変L.イントラセルラリス生菌、L.イントラセルラリス死菌、L.イントラセルラリス菌の1つ以上のサブユニット、及び前記の組合せから成る群から選択される、請求項12から17のいずれか1項記載の使用。
【請求項19】
前記L.イントラセルラリス抗原が改変L.イントラセルラリス生菌である、請求項12から18のいずれか1項記載の使用。
【請求項20】
前記幼若動物が、前記改変L.イントラセルラリス生菌の約3.0TCID50から約6.0TCID50の用量を投与される、請求項19記載の使用。
【請求項21】
前記動物が、ウシ、ブタ、ウマ及び霊長類などの鳥類、魚類及び哺乳動物である、請求項12から20のいずれか1項記載の使用。
【請求項22】
前記動物がブタである、請求項21記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−538344(P2009−538344A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512301(P2009−512301)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/069646
【国際公開番号】WO2007/140244
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(503345374)ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ インコーポレイテッド (26)
【Fターム(参考)】