ロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法
【課題】 タイヤのトレッドパターンや木材の表面等々の径の異なる被写体の円筒面を連続的に精度よく読み取れるようにしたロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法を提供する。
【解決手段】 円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCDを有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記径の異なる被写体1の円周面1aの状態を連続した一連の画像データとして読み取ることができるように、前記一対の送りローラ2,2間の位置に配設される。
【解決手段】 円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCDを有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記径の異なる被写体1の円周面1aの状態を連続した一連の画像データとして読み取ることができるように、前記一対の送りローラ2,2間の位置に配設される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤのトレッドパターンや木材の表面、缶詰等の缶類の外周面に施された印刷等々の径の異なる被写体の円周面をデジタルで連続的に読み取れるようにしたロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時はタイヤの性能向上を図るためにトレッド部に複雑な凹凸のあるパターンが形成されるようになり、そのパターンが意匠権としても保護されるようになった。このような凹凸のあるトレッドパターンを画像として再現するためには、従来、カメラによる撮影が行われていた。しかし、カメラによる撮影では、周知のように、例えば、図14に示すような太鼓状となって現れるスポット的な撮影画像しか得られず、タイヤの全周にわたるトレッドパターンを連続的な一連の画像として再現することができなかった。即ち、カメラによって細分化した撮影をしても個々の画像が連続性を持たないため画像の接続ができず、トレッドパターンを全周にわたり再現することは事実上不可能であった。また、カメラによる撮影画像では、焦点から外れた部分に歪みが生じるため良好な再現性が得られなかった。さらに、リアルタイムでの再現ができないという問題もあった。
【0003】
また、タイヤのように比較的に大きな被写体の場合には、カメラと被写体の間に充分な距離を確保しなければならないため、周囲に撮影のための大きな空間を必要とするという問題もあった。そこで、これらの被写体をスキャナ装置のコンタクトガラスの上に載せて読み取ることもあった。また、例えば、木材の表面の模様を意匠として使用する場合にも、スキャナ装置を利用することがあった。その場合、図15に示すように所定幅で切り出した丸太材の表層部分を円弧状に切り出し、その板材を平面状に展開したものをコンタクトガラスの上に載せて読み取るようにしていた。
【0004】
一方、タイヤの加硫成形時に回転させたタイヤのトレッド部をスキャナで読み取るようにした構成も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、スキャナは、従動ローラの上に立て置き状態に乗載されたタイヤの上方に配設されており、かつ、そのタイヤは、モータの出力軸に連結されたドラムに固定されることで回転されるように構成されています。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−1471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のスキャナ装置による読み取りでは、カメラによる撮影よりも歪みは少なくなるものの、やはり連続的な画像の読み取りは困難であり、缶類の円周状の全外周面やタイヤのトレッドパターン(全周)等を連続した一連の画像データとして精度よく読み取り再現することはできなかった。また、コンタクトガラスにタイヤを載せる場合、タイヤの状態が不安定であり、タイヤのサイズが大きくなるとコンタクトガラスに載せられないこともあった。そして、ローラシャフトのような金属製の重量のあるものはコンタクトガラスに載せることができなかった。さらに、木材の表面の状態をスキャナ装置で読み取る場合、丸太の表層部分を円弧状に薄く切り出す作業が大変面倒であった。しかも、円弧状に切り出した木材を平面状に展開すると、丸太の曲率が大きい場合には表面の状態が変形するため、自然な状態のままでの再現性の高い読み取りができないという問題もあった。
【0007】
ところで、軽乗用車のタイヤとトラクターのタイヤとでは、その径が大きく異なるため、立置き状態で回転されるタイヤのトレッド部を上方に配置したスキャナで読み取るようにした構成(特許文献1)では、タイヤの径が異なる度毎に、スキャナの位置をその都度変更しなければならないという大変面倒な構造上の問題があった。また、タイヤの径が変化すると、スキャナに対する周速度が変化するため、モータの回転速度をタイヤの径に合せて調整しなければならないという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、タイヤのトレッドパターンや木材の表面の状態等々の径の異なる被写体の円周面を連続した一連の画像データとして安定な状態で精度よく読み取れるようにしたロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るロールスキャナは、円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の下方に配設され、その読み取り位置24を前記一対の送りローラ2,2の間の位置に設定したロールスキャナであって、前記読取りヘッド4は、円周面1aに凹凸のある被写体1に対して凹凸の状態を明確に読み取るべく、前記被写体1上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光を受光するように構成されることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、一対の送りローラ2,2に乗せて被写体1を回転させつつその円周面1aの状態を、被写体1の下方に配設した読取りヘッド4によって、前記一対の送りローラ2,2の間の位置に読み取り位置24を設定して読み取るので、円周面1aの状態を安定な状態で連続的に読み取ることができ、その全周の状態を歪みの少ないデジタル化された精度の高い一連の画像データとして読み取ることができる。従って、その画像データをそのまま画像処理して読み出せば、個々の画像を接続する手間を必要とすることなく、一続きの連続画像を得ることができ、また、リアルタイムでディスプレイ上に再現することも可能となる。また、例えば、ディスプレイ上で部分的に画像を拡大することによってmm単位以下の疵等をリアルタイムで計測することもできる。
【0011】
そして、被写体1を回転させつつ読み取るので、コンタクトガラス上に被写体1を載せる場合よりも読み取り動作が安定化し、限られたスペース内でタイヤのようなサイズの大きい被写体をぶれなく読み取ることが可能となる。また、木材の表面の状態を読み取る場合には、わざわざ丸太から板材を切り出すことなく、丸太をそのまま被写体として回転させつつ表面の状態を自然な状態のままで精度よく読み取ることができる。さらに、読取りヘッド4を、一対の送りローラ2,2の間に配設しているため、被写体1の径が変化しても(読取り光学系への影響が僅少であるため、読取りヘッド4の位置をそのままの状態として)読み取ることができる。また、被写体1の径が変化しても読取りヘッド4に対する被写体1の円筒面1aの周速度は変化しないため、回転手段3の回転速度を変化させなくてもよい。
【0012】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の円周面1aに対して面直な対応位置から読み取ると共に、前記被写体1の円周面1aに対して当該位置とは異なる角度から読み取るように構成されてもよい。
【0013】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の下方に配設され、その読み取り位置24を前記一対の送りローラ2,2の間の位置に設定したロールスキャナであって、前記一対の送りローラ2,2と前記被写体1の円周面1aの間に回転自在に介在させるための一対のアタッチメントローラ32,32を着脱自在に設けられ、各アタッチメントローラ32は、円周面が前記送りローラ2の円周面及び被写体1の円周面1aと接触するように配置されて、送りローラ2の回転駆動が伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するように構成されることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、前記一対の送りローラ2,2と前記被写体1の円周面1aの間に回転自在に介在させるための一対のアタッチメントローラ32,32を着脱自在に設けられているため、前記被写体1の円周面1aが、前記一対の送りローラ2,2上に乗せて回転駆動させることができない曲率を有するもの(外径が小さいもの)である場合に、一対のアタッチメントローラ32,32を一対の送りローラ2,2と被写体1の円周面1aの間に回転自在に介在させるだけで、円周面1aの読み取りが可能となり、適用範囲の大幅な拡大を図ることができる。
【0015】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記アタッチメントローラ32,32の支軸34,34は、装置本体側に設けられた一対の軸受部材33,33に着脱自在に軸支され、前記軸受部材33,33は、前記支軸34,34を嵌め込むための一部開放の凹状部33a,33aを有してもよい。このようにすれば、アタッチメントローラ32,32の着脱自在な支持構造が簡易なものとなり安価に提供することができる。
【0016】
また、本発明に係る被写体の円周面を読み取る方法は、円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の下方に配設され、その読み取り位置24を前記一対の送りローラ2,2の間の位置に設定したロールスキャナを用いて、被写体の円周面を読み取る方法であって、前記読取りヘッド4が前記被写体1上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光を受光するステップと、円周面1aに凹凸のある被写体1に対して凹凸の状態を明確にすべく、読み取った画像データを比較するステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
なお、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記読取りヘッド4は、前記被写体1上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光を受光する複数の読取りヘッド部4A,4Bからなるものであってもよい。このようにすれば、一方の読取りヘッド部4Aにより被写体1の円周面1aに対して面直な対応位置から読み取った画像データと、他方の読取りヘッド部4Bにより異なる角度から読み取った画像データとを比較することによって、例えばタイヤのトレッドパターンのように深さや凹凸のある円周面1aの状態を立体的に把握することができる。また、そのパターンの深さや凹凸の計測も可能となる。
【0018】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1はタイヤであり、そのトレッドパターン1aを前記読取りヘッド4で読み取るようにしてもよい。このようにすれば、タイヤ1を回転させつつその全周にわたるトレッドパターン1aを連続的に精度よく読み取ることができる。タイヤ1の径は車種によって異なる場合が多いが、径が異なる場合にも柔軟に対処することができる。
【0019】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1を上方側から押圧する押圧部40を備えてもよい。このようにすれば、例えば、送りローラ2やアタッチメントローラ32といった回転駆動するローラに被写体1を押圧できるため、送りローラ2の回転駆動を被写体1に伝達しやすくなり、その結果、被写体1を確実に回転させることができる。特に、重量の軽い被写体1において、送りローラ2の回転駆動を確実に伝達することができる。
【0020】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記押圧部40は、一つ又は二つ以上の回転可能な押圧ローラ42を備え、押圧ローラ42は、回転軸が前記被写体1の回転軸と平行又は略平行であって、円周面が被写体1の円周面1aと接触するように配置されてもよい。このようにすれば、押圧ローラ42が回転しつつ被写体1を押圧するため、押圧ローラ42及び被写体1間の摩擦を生じ難くさせ、その結果、被写体1の回転を円滑にする。
【0021】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1を上方側から押圧する押圧部40と、被写体1の下方側であって被写体1を乗載可能に配置される支持部41とを備え、押圧部40は、一つ又は二つ以上の回転可能な押圧ローラ42を備え、押圧ローラ42は、円周面が前記送りローラ2の円周面及び前記被写体1の円周面1aと接触するように配置されて、送りローラ2の回転駆動が伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するような構成を採用してもよい。このようにすれば、送りローラ2から回転駆動が伝達される押圧ローラ42で、支持部41に乗載される被写体1に上方側から押圧しつつ回転駆動を伝達できるため、被写体1を回転させることができる。したがって、例えば、前記被写体1の円周面1aが一対のアタッチメントローラ32,32上に乗せて回転駆動させることができない曲率を有するもの(外径が小さいもの)である場合にでも、支持部41に乗載させて回転させることで円周面1aの読み取りが可能となり、被写体1の形状に対してさらにフレキシブルに対応することができる。
【0022】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記押圧ローラ42は、着脱自在に設けられると共に、前記送りローラ2と前記被写体1とに跨って乗載されてもよい。このようにすれば、着脱自在な押圧ローラ42を送りローラ2と被写体1とに跨って乗載するだけで押圧ローラ42の回転軸の位置設定が完了するため、押圧ローラ42の位置調整が容易にできる。
【0023】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1を上方側から押圧する押圧部40と、被写体1の下方側であって被写体1を乗載可能に配置される支持部41とを備え、押圧部40は、一つ又は二つ以上の回転可能な押圧ローラ42を備え、押圧ローラ42は、円周面が前記アタッチメントローラ32の円周面及び被写体1の円周面1aと接触するように配置されて、前記送りローラ2の回転駆動がアタッチメントローラ32を介して伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するような構成を採用してもよい。このようにすれば、アタッチメントローラ32を介して送りローラ2の回転駆動が伝達される押圧ローラ42により、支持部41に乗載される被写体1に上方側から押圧しつつ回転駆動を伝達できるため、被写体1を回転させることができる。
【0024】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記押圧ローラ42は、着脱自在に設けられると共に、前記アタッチメントローラ32と前記被写体1とに跨って乗載されてもよい。このようにすれば、着脱自在な押圧ローラ42をアタッチメントローラ32と被写体1とに跨って乗載するだけで押圧ローラ42の回転軸の位置設定が完了するため、押圧ローラ42の位置調整が容易にできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法は、一対の送りローラに乗せて被写体を回転させつつその円周面の状態を読取りヘッドで読み取るので、円周面の状態を連続的に読み取ることができ、その全周の状態を歪みの少ないデジタル化された精度の高い画像データとして得ることができる。従って、その画像データをそのまま画像処理して読み出せば、一続きの連続画像をリアルタイムで得ることができる。また、被写体を回転させつつ読み取るので、コンタクトガラス上に被写体を載せる場合よりも読み取り動作が安定化し、サイズの大きな被写体の読み取りも可能となる。さらに、読取りヘッドを、一対の送りローラ間に配設しているので、被写体の径が変化しても読み取ることができる。また、被写体の径が変化しても読取りヘッドに対する被写体の円筒面の周速度は変化しないので、回転手段の回転速度を変化させなくてもよい。かつまた、径の異なる被写体に柔軟に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係るロールスキャナの正面図である。
【図2】同要部構成を示す斜視図である。
【図3】同正面図である。
【図4】同側面図である。
【図5】同平面図である。
【図6】同タイヤのトレッドパターンの部分的な拡大再現図である。
【図7】同タイヤのトレッドパターンの帯状の再現図である。
【図8】同木材表面の再現図である。
【図9】同アタッチメントローラを装着したロールスキャナの要部構成を示す斜視説明図である。
【図10】(a) は同正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。
【図11】同異なる実施の形態に係るロールスキャナの側面図である。
【図12】同さらに異なる実施の形態に係るロールスキャナの斜視図である。
【図13】同要部側面図である。
【図14】従来のカメラで撮影したタイヤのトレッドパターンの再現画像である。
【図15】同カメラで撮影した丸太の再現画像である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係るロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】
図1はロールスキャナの斜視図、図2はその要部構成を示す斜視図、図3はその正面図、図4は側面図、図5は平面図である。これらの図に示すように、このロールスキャナは、例えば、トレッドパターンのような円周面1aを有するタイヤ等の被写体1を乗せて回転させるための対向し合う一対の送りローラ2,2を備えた回転手段3と、その回転手段3によって回転される被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を備えた読取りヘッド4と、を備えており、被写体1を送りローラ2,2に乗載させて回転させつつその円周面1aの状態を連続的な一連の画像データとして読み取るように構成されている。
【0029】
ロールスキャナの全体について詳しく説明すると、回転手段3と読取りヘッド4は、上部に開口5を有する箱型のケーシング6内に収納され、それぞれ4つの送りローラ2,2を所定の間隔をおいて固定支持する支軸7,7が、互いに並行に配設されており、その支軸7,7の両端が、本体フレーム8に設けられた軸受部材に軸支され、その支軸7,7の一端に固定された被動プーリ9,9がベルト10を介してモータ11の駆動プーリ12に連動連結されている。このような構成により、送りローラ2,2の上に乗せたタイヤ1を所定の回転速度で回転させることができる。送りローラ2,2は弾力性のある樹脂材等で形成することができる。
【0030】
この送りローラ2,2の間には、2本の光源(蛍光灯等)21,21が並行に配設され、その直下には反射鏡やレンズとラインCCD22を収納したヘッド本体23が配設されている。このような構成により、光源21,21から回転されるタイヤ1のトレッドパターン1aに向けて走査光を照射(露光走査)し、読み取り位置24で反射される反射光25を反射鏡やレンズを介してラインCCD22で読み取りデジタルの連続した精度の高い画像データを得ることができる。このような画像データをロール紙を内蔵した画像形成装置やプリンター等に出力すれば、例えば、図6及び図7に示すように、連続した帯状の歪みのない鮮明な再現画像を得ることができる。
【0031】
図6は図7に示す画像の一部を拡大したものであり、図7は帯状に再現されたトレッドパターン(全周)1aの一部を示す。図6では、タイヤの片減り状態を明確に確認することができる(右側の減りが顕著である)。また、このような画像はディスプレイ上にリアルタイムで再現することもできるため検査や計測等に利用することができる。その場合、部分的に拡大することも容易であるからmm単位以下の疵を拡大して計測することもできる。また、タイヤ1の全周にわたるトレッドパターン1aを一連の画像データとして読み取れるので、トレッドパターン1aが部分的なパターンの繰り返しによって形成されておらず全周で一つのパターンを構成するような場合にもそのパターン全体を一連の画像データとして読み取り再現し、そのパターンを明確に確認することができる。
【0032】
このように、2本の光源(蛍光灯等)21,21から被写体1の円周面1aに向けて照射した反射光を反射鏡やレンズを介してラインCCD22で受光する場合、焦点深度を深く得られるため、図示のように、両送りローラ2,2の間隔を固定状態に設定しても、径の異なる被写体1に広く対応することができる。また、読取りヘッド4を、被写体1に対して回転手段3が設けられている側、即ち、送りローラ2,2の間に配設しているため(図4参照)、被写体1の径が変化しても読取り光学系に何ら影響がなく、読取りヘッド4の位置をそのままの状態として読み取ることができる。また、被写体1の径が変化しても読取りヘッド4に対する被写体1の円筒面1aの周速度は変化しないため、回転手段3の回転速度を変化させなくてもよい。つまり、本発明のロールスキャナは、被写体1の径の変化にきわめて柔軟に対処することができるという大きな特徴がある。
【0033】
また、走査可能幅については、例えば、500mm程度に設定すれば、単車や軽自動車、普通車、大型車等の各種車両のタイヤのトレッドパターンに広く適用することができるが、このロールスキャナは、設計の自由度が高く走査可能幅の設計変更も容易であるから、例えば、大型トラクターや耕運機等のタイヤ1等の特大サイズの被写体を読み取る場合には、基本的な構成はそのままとして、光源21,21やラインCCD22の幅方向の長さを大に設定すると共に、支軸7の長さを延長して送りローラ2の数を増やす等により走査可能幅を大に設定すればよい。
【0034】
また、木材の表面の状態をスキャナ装置で読み取る場合、前述したように、従来では、丸太の表層部分を円弧状に薄く切り出していたが、ロールスキャナによれば、このような面倒な切り出し工程を必要とすることなく、タイヤ1の場合と同様に、丸太をそのままの状態で、両送りローラ2,2に載せ、その表面の状態を変化させることなく精度よく読み取り、例えば、図8に示すように、忠実に再現することができる。この場合、たとえ丸太の曲率が大きい場合であっても、表面の状態が変形しないため再現性の高い読み取りができる。なお、丸太の径が小さい場合(曲率が大きい場合)には、以下に説明するようなアタッチメントローラ32,32を装着することにより、容易に読み取ることができる。
【0035】
図9はアタッチメントローラ32,32を装着したロールスキャナの要部構成を示す斜視説明図、図10(a) はその正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。ロールスキャナのケーシング6の開口5の両側には、例えば、径の小さい丸太等の円筒状の被写体1を乗せて回転させるためのアタッチメントローラ32,32を着脱自在に装着することができる軸受部材33,33が取り付けられている。この軸受部材33は、例えば、潤滑性を有する合成樹脂材又は金属材等により上部開放の凹状部33a,33aを一対形成して、該凹状部33a,33aにアタッチメントローラ32,32の支軸34,34の両端を上方から嵌め込めるように形成される。軸受部材33,33に装着されたアタッチメントローラ32,32に、径小な被写体1を乗せると、送りローラ2,2の外周面にアタッチメントローラ32,32が圧接されるため送りローラ2,2から被写体1に駆動力が伝達され被写体1が回転駆動される。
【0036】
このようなアタッチメントローラ32,32を使用する場合においても、同様に、回転される被写体1の外周面(円周面)1aに光源21,21から走査光を照射させて、その読み取り位置24で反射される反射光を反射鏡やレンズを介してラインCCD22で読み取らせることにより、デジタルの連続した精度の高い画像データを得ることができる。このような画像データをロール紙を内蔵した画像形成装置やプリンター等に出力すれば、円周面1aの連続した帯状の歪みのない鮮明な再現画像を得ることができる。また、リアルタイムでディスプレイ上に再現することができる。このように、アタッチメントローラ32,32を使用することで、タイヤよりも径の小さな被写体1まで適切に対応することができる。
【0037】
図11は、例えばタイヤ1のトレッドパターン1aのように深さや凹凸のある円周面の状態を明確に読み取り再現するために、読取りヘッド4を2つの読取りヘッド部4A,4Bで構成した例を示す。この例では、2つの読取りヘッド部4A,4Bにより、被写体1の外周面(円周面)1a上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光25A,25Bをそれぞれ受光する。即ち、一方の読取りヘッド部4Aにより、被写体1の円周面1aに対して面直な対応位置から読み取った画像データと、他方の読取りヘッド部4Bにより、被写体1の円周面1aに対して異なる角度(例えば、α=30°〜60°)から読み取った画像データとを比較することによって、深さや凹凸の状態を明確に把握することができる。また、その深さや凹凸のサイズを計測することも可能となる。
【0038】
図12及び図13は、例えば、重量が軽く、しかも、一対のアタッチメントローラ32,32に乗載できない程度に径が小さい円筒状の被写体1における円周面1aの状態を読み取る構成の例を示す。
【0039】
ロールスキャナは、一対のアタッチメントローラ32,32が装着されると共に、被写体1を上方側から押圧する押圧部40と、被写体1の下方側であって被写体1を乗載可能に配置される支持部41とを備える。また、押圧部40は、回転可能な押圧ローラ42,…(図12において四つとする)を備える。
【0040】
押圧ローラ42,…は、回転軸が被写体1の回転軸と平行又は略平行であって、円周面が被写体1の円周面1aと接触するようにそれぞれ配置される。また、押圧ローラ42,…は、一対のアタッチメントローラ32,32のうち何れか一方と被写体1とに接触するように配置される。具体的には、押圧ローラ42は、円周面がアタッチメントローラ32の円周面及び被写体1の円周面1aと接触するように配置される。
【0041】
より具体的には、押圧ローラ42は、送りローラ2の回転駆動がアタッチメントローラ32を介して伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するように構成される。さらに具体的には、押圧ローラ42は、着脱自在に設けられると共に、アタッチメントローラ32及び被写体1に跨って乗載される。また、押圧ローラ42,…は、一対の送りローラ2,2の回転軸、一対のアタッチメントローラ32,32の回転軸、及び被写体1の回転軸と、回転軸が平行又は略平行になるように配置される。
【0042】
そして、押圧ローラ42は、自重によって、被写体1を上方側から押圧可能に構成され、さらに、被写体1やアタッチメントローラ32との接触部位が変位するのを規制するように構成される。具体的には、押圧ローラ42は、円筒状に形成される金属体と、金属体の円周面を被覆するゴムとで構成される。さらに、押圧ローラ42は、回転軸方向の寸法が、被写体1の回転軸方向の寸法よりも小さく形成され、回転軸方向に並列される。
【0043】
支持部41は、着脱自在に構成される。また、支持部41は、被写体1の回転軸方向の両端部を下方側から支持する一対の支持部材43を備える。
【0044】
支持部材43は、被写体1の下方側と接触して被写体1を支持する一対の支持ローラ43a,43aを備える。そして、一対の支持ローラ43a,43aは、互いに離間する間に読み取り位置24が設定されるように配置される。
【0045】
かかる構成によれば、支持部41に乗載される被写体1に対して、押圧ローラ42,…で上方側から押圧しつつ回転駆動を伝達することにより、被写体1を回転させることができる。即ち、かかる重量の軽い被写体1であったり、一対のアタッチメントローラ32,32上に乗載できない程度に径の小さい被写体1であったりしても、アタッチメントローラ32及び押圧ローラ42を介して、送りローラ2の回転駆動を被写体1に確実に伝達することができる。
【0046】
このように、異なる形状(径)の被写体1を読み取る際でも、被写体1が一対の送りローラ2,2、一対のアタッチメントローラ32,32、又は、支持部41に乗載されるため、被写体1の円周面1aにおける読み取り部位と読み取りヘッド4(ラインCCD22)との距離の相違が所定量以内に抑えられる。したがって、前述のように2本の光源21,21から被写体1の円周面1aに向けて照射して被写界深度を深くしたり、被写界深度が深い読み取りヘッド4(ラインCCD22やレンズ)を選定したりすることで、タイヤのトレッドパターン(深さや凹凸)を明確にされた読み取り画像を得ることも可能である。
【0047】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、設計変更や改良等は自由であり、例えば、本体フレーム8に設ける軸受部材の幅を可変に調整できるように構成し、送りローラ2,2の間隔を調整できるようにしてもよい。また、読み取りの対象となる被写体1は、タイヤや木材等に限定されることなく、その他の円筒状体であってもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、押圧部40が押圧ローラ42を備える場合を説明したが、かかる実施形態に限定されず、押圧部40が被写体1を上方側から押圧しつつも被写体1を回転可能に構成されていればよい。例えば、被写体1が一対の送りローラ2,2又は一対のアタッチメントローラ32,32に乗載される場合において、押圧部40は、被写体1の上方側に配置され、被写体1の円周面1aと摺接する部位を備える部材から構成されてもよい。しかし、押圧ローラ42を備える押圧部40の方が、例えば、被写体1の円周面1aとの間で発生する摩擦力が小さく、被写体1を円滑に回転させることができるため、好ましい。
【0049】
また、上記実施形態においては、押圧部40が四つの押圧ローラ42,…を備える場合を説明したが、一つ又は二つ以上備えてもよい。例えば、被写体1が一対の送りローラ2,2又は一対のアタッチメントローラ32,32に乗載される場合において、押圧部40は、被写体1の頂部における円周面1aの部位と接触して、被写体1を上方側から押圧する押圧ローラ42を一つ備えてもよい。かかる押圧ローラ42は、被写体1の回転に伴って回転する。また、かかる押圧ローラ42(押圧部40)は、被写体1が一対の送りローラ2,2又は一対のアタッチメントローラ32,32に乗載された後に、変位されて被写体1と接触可能に構成されてもよい。例えば、一対の送りローラ2,2に被写体1を乗載させた後に、被写体1の上方側に配置される押圧ローラ42を下降させて被写体1に接触する位置まで移動されるような構成でもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、支持部41を備え、一対のアタッチメントローラ32,32及び複数の押圧ローラ42,…を介して、一対の送りローラ2の回転駆動を被写体1に伝達する場合を説明したが、かかる実施形態に限定されない。例えば、ロールスキャナは、アタッチメントローラ32,32を装着しない状態で支持部41を装着し、送りローラ2及び被写体1に接触(跨って乗載)する複数の押圧ローラ42,…を介して、一対の送りローラ2の回転駆動を支持部41に乗載される被写体1に伝達させてもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、押圧ローラ42における回転軸方向の寸法が、被写体1の回転軸方向の寸法より小さく形成される場合を説明したが、押圧ローラ42における回転軸方向の寸法が、被写体1の回転軸方向の寸法より大きく又は同一に形成されてもよい。しかし、押圧ローラ42における回転軸方向の寸法を被写体1の回転軸方向の寸法より小さく形成する方が、例えば、押圧ローラ42における被写体1との接触部位を選択できるため、好ましい。具体的には、円周面1aの一部に凸部を有する被写体1において、押圧ローラ42が凸部と接触するのを回避するように配置されることで、被写体1を円滑に回転させることができるため、好ましい。
【0052】
また、上記実施形態においては、押圧ローラ42が被写体1及びアタッチメントローラ32に跨って乗載させる場合を説明したが、押圧ローラ42が回転軸を固定されて回転可能に構成されてもよい。しかし、被写体1及びアタッチメントローラ32に跨って乗載させる押圧ローラ42の方が、例えば、回転軸の位置調整が不要であり、被写体1をスキャンする前の設定(準備)が容易であるため、好ましい。
【0053】
また、上記実施形態においては、支持部41が支持ローラ43a,43aを備える一対の支持部材43で被写体1の回転軸方向における両端部を支持する場合を説明したが、かかる実施形態に限定されず、被写体1を下方側から支持しつつも被写体1を回転可能に構成されて、しかも、被写体1の円周面1aを読み取りヘッド4で読み取り可能に構成されていればよい。例えば、支持部41は、被写体1の下方側に配置され、被写体1の円周面1aと摺接する部位を備える部材から構成されてもよい。さらに、支持部41は、被写体1の円周面1aと回転軸方向に沿って全部又は一部と接触する支持ローラを備えてもよい。しかし、支持ローラ43a,43aを備える一対の支持部材43で被写体1の回転軸方向における両端部を支持する支持部41の方が、例えば、被写体1の円周面1aとの間で発生する摩擦力が小さく、被写体1を円滑に回転させることができ、さらに、読取りヘッド4及び被写体1間に位置する部位が少なく、読取りヘッド4で読み取る上で障害となる部位が少なくなるため、好ましい。
【0054】
また、上記実施形態においては、一対の支持ローラ43a,43aの間隔が一定である場合を説明したが、一対の支持ローラ43a,43aの間隔が調整可能に構成されてもよい。かかる構成によれば、被写体1の形状に応じて一対の支持ローラ43a,43aの間隔を調整できるため、適用できる被写体1の形状の範囲を広くできる。
【符号の説明】
【0055】
1…被写体、1a…円周面、2…送りローラ、3…回転手段、4…読取りヘッド、4A,4B…読取りヘッド部、21…光源、24…読み取り位置、32…アタッチメントローラ、33…軸受部材、33a…凹状部、40…押圧部、41…支持部、42…押圧ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤのトレッドパターンや木材の表面、缶詰等の缶類の外周面に施された印刷等々の径の異なる被写体の円周面をデジタルで連続的に読み取れるようにしたロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時はタイヤの性能向上を図るためにトレッド部に複雑な凹凸のあるパターンが形成されるようになり、そのパターンが意匠権としても保護されるようになった。このような凹凸のあるトレッドパターンを画像として再現するためには、従来、カメラによる撮影が行われていた。しかし、カメラによる撮影では、周知のように、例えば、図14に示すような太鼓状となって現れるスポット的な撮影画像しか得られず、タイヤの全周にわたるトレッドパターンを連続的な一連の画像として再現することができなかった。即ち、カメラによって細分化した撮影をしても個々の画像が連続性を持たないため画像の接続ができず、トレッドパターンを全周にわたり再現することは事実上不可能であった。また、カメラによる撮影画像では、焦点から外れた部分に歪みが生じるため良好な再現性が得られなかった。さらに、リアルタイムでの再現ができないという問題もあった。
【0003】
また、タイヤのように比較的に大きな被写体の場合には、カメラと被写体の間に充分な距離を確保しなければならないため、周囲に撮影のための大きな空間を必要とするという問題もあった。そこで、これらの被写体をスキャナ装置のコンタクトガラスの上に載せて読み取ることもあった。また、例えば、木材の表面の模様を意匠として使用する場合にも、スキャナ装置を利用することがあった。その場合、図15に示すように所定幅で切り出した丸太材の表層部分を円弧状に切り出し、その板材を平面状に展開したものをコンタクトガラスの上に載せて読み取るようにしていた。
【0004】
一方、タイヤの加硫成形時に回転させたタイヤのトレッド部をスキャナで読み取るようにした構成も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、スキャナは、従動ローラの上に立て置き状態に乗載されたタイヤの上方に配設されており、かつ、そのタイヤは、モータの出力軸に連結されたドラムに固定されることで回転されるように構成されています。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−1471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のスキャナ装置による読み取りでは、カメラによる撮影よりも歪みは少なくなるものの、やはり連続的な画像の読み取りは困難であり、缶類の円周状の全外周面やタイヤのトレッドパターン(全周)等を連続した一連の画像データとして精度よく読み取り再現することはできなかった。また、コンタクトガラスにタイヤを載せる場合、タイヤの状態が不安定であり、タイヤのサイズが大きくなるとコンタクトガラスに載せられないこともあった。そして、ローラシャフトのような金属製の重量のあるものはコンタクトガラスに載せることができなかった。さらに、木材の表面の状態をスキャナ装置で読み取る場合、丸太の表層部分を円弧状に薄く切り出す作業が大変面倒であった。しかも、円弧状に切り出した木材を平面状に展開すると、丸太の曲率が大きい場合には表面の状態が変形するため、自然な状態のままでの再現性の高い読み取りができないという問題もあった。
【0007】
ところで、軽乗用車のタイヤとトラクターのタイヤとでは、その径が大きく異なるため、立置き状態で回転されるタイヤのトレッド部を上方に配置したスキャナで読み取るようにした構成(特許文献1)では、タイヤの径が異なる度毎に、スキャナの位置をその都度変更しなければならないという大変面倒な構造上の問題があった。また、タイヤの径が変化すると、スキャナに対する周速度が変化するため、モータの回転速度をタイヤの径に合せて調整しなければならないという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、タイヤのトレッドパターンや木材の表面の状態等々の径の異なる被写体の円周面を連続した一連の画像データとして安定な状態で精度よく読み取れるようにしたロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るロールスキャナは、円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の下方に配設され、その読み取り位置24を前記一対の送りローラ2,2の間の位置に設定したロールスキャナであって、前記読取りヘッド4は、円周面1aに凹凸のある被写体1に対して凹凸の状態を明確に読み取るべく、前記被写体1上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光を受光するように構成されることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、一対の送りローラ2,2に乗せて被写体1を回転させつつその円周面1aの状態を、被写体1の下方に配設した読取りヘッド4によって、前記一対の送りローラ2,2の間の位置に読み取り位置24を設定して読み取るので、円周面1aの状態を安定な状態で連続的に読み取ることができ、その全周の状態を歪みの少ないデジタル化された精度の高い一連の画像データとして読み取ることができる。従って、その画像データをそのまま画像処理して読み出せば、個々の画像を接続する手間を必要とすることなく、一続きの連続画像を得ることができ、また、リアルタイムでディスプレイ上に再現することも可能となる。また、例えば、ディスプレイ上で部分的に画像を拡大することによってmm単位以下の疵等をリアルタイムで計測することもできる。
【0011】
そして、被写体1を回転させつつ読み取るので、コンタクトガラス上に被写体1を載せる場合よりも読み取り動作が安定化し、限られたスペース内でタイヤのようなサイズの大きい被写体をぶれなく読み取ることが可能となる。また、木材の表面の状態を読み取る場合には、わざわざ丸太から板材を切り出すことなく、丸太をそのまま被写体として回転させつつ表面の状態を自然な状態のままで精度よく読み取ることができる。さらに、読取りヘッド4を、一対の送りローラ2,2の間に配設しているため、被写体1の径が変化しても(読取り光学系への影響が僅少であるため、読取りヘッド4の位置をそのままの状態として)読み取ることができる。また、被写体1の径が変化しても読取りヘッド4に対する被写体1の円筒面1aの周速度は変化しないため、回転手段3の回転速度を変化させなくてもよい。
【0012】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の円周面1aに対して面直な対応位置から読み取ると共に、前記被写体1の円周面1aに対して当該位置とは異なる角度から読み取るように構成されてもよい。
【0013】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の下方に配設され、その読み取り位置24を前記一対の送りローラ2,2の間の位置に設定したロールスキャナであって、前記一対の送りローラ2,2と前記被写体1の円周面1aの間に回転自在に介在させるための一対のアタッチメントローラ32,32を着脱自在に設けられ、各アタッチメントローラ32は、円周面が前記送りローラ2の円周面及び被写体1の円周面1aと接触するように配置されて、送りローラ2の回転駆動が伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するように構成されることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、前記一対の送りローラ2,2と前記被写体1の円周面1aの間に回転自在に介在させるための一対のアタッチメントローラ32,32を着脱自在に設けられているため、前記被写体1の円周面1aが、前記一対の送りローラ2,2上に乗せて回転駆動させることができない曲率を有するもの(外径が小さいもの)である場合に、一対のアタッチメントローラ32,32を一対の送りローラ2,2と被写体1の円周面1aの間に回転自在に介在させるだけで、円周面1aの読み取りが可能となり、適用範囲の大幅な拡大を図ることができる。
【0015】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記アタッチメントローラ32,32の支軸34,34は、装置本体側に設けられた一対の軸受部材33,33に着脱自在に軸支され、前記軸受部材33,33は、前記支軸34,34を嵌め込むための一部開放の凹状部33a,33aを有してもよい。このようにすれば、アタッチメントローラ32,32の着脱自在な支持構造が簡易なものとなり安価に提供することができる。
【0016】
また、本発明に係る被写体の円周面を読み取る方法は、円周面1aを有する被写体1を回転させるための回転手段3と、前記回転手段3によって回転される前記被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び前記被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を有する読取りヘッド4と、を備え、前記回転手段3は、径の異なる前記被写体1を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ2,2を有し、前記読取りヘッド4は、前記被写体1の下方に配設され、その読み取り位置24を前記一対の送りローラ2,2の間の位置に設定したロールスキャナを用いて、被写体の円周面を読み取る方法であって、前記読取りヘッド4が前記被写体1上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光を受光するステップと、円周面1aに凹凸のある被写体1に対して凹凸の状態を明確にすべく、読み取った画像データを比較するステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
なお、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記読取りヘッド4は、前記被写体1上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光を受光する複数の読取りヘッド部4A,4Bからなるものであってもよい。このようにすれば、一方の読取りヘッド部4Aにより被写体1の円周面1aに対して面直な対応位置から読み取った画像データと、他方の読取りヘッド部4Bにより異なる角度から読み取った画像データとを比較することによって、例えばタイヤのトレッドパターンのように深さや凹凸のある円周面1aの状態を立体的に把握することができる。また、そのパターンの深さや凹凸の計測も可能となる。
【0018】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1はタイヤであり、そのトレッドパターン1aを前記読取りヘッド4で読み取るようにしてもよい。このようにすれば、タイヤ1を回転させつつその全周にわたるトレッドパターン1aを連続的に精度よく読み取ることができる。タイヤ1の径は車種によって異なる場合が多いが、径が異なる場合にも柔軟に対処することができる。
【0019】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1を上方側から押圧する押圧部40を備えてもよい。このようにすれば、例えば、送りローラ2やアタッチメントローラ32といった回転駆動するローラに被写体1を押圧できるため、送りローラ2の回転駆動を被写体1に伝達しやすくなり、その結果、被写体1を確実に回転させることができる。特に、重量の軽い被写体1において、送りローラ2の回転駆動を確実に伝達することができる。
【0020】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記押圧部40は、一つ又は二つ以上の回転可能な押圧ローラ42を備え、押圧ローラ42は、回転軸が前記被写体1の回転軸と平行又は略平行であって、円周面が被写体1の円周面1aと接触するように配置されてもよい。このようにすれば、押圧ローラ42が回転しつつ被写体1を押圧するため、押圧ローラ42及び被写体1間の摩擦を生じ難くさせ、その結果、被写体1の回転を円滑にする。
【0021】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1を上方側から押圧する押圧部40と、被写体1の下方側であって被写体1を乗載可能に配置される支持部41とを備え、押圧部40は、一つ又は二つ以上の回転可能な押圧ローラ42を備え、押圧ローラ42は、円周面が前記送りローラ2の円周面及び前記被写体1の円周面1aと接触するように配置されて、送りローラ2の回転駆動が伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するような構成を採用してもよい。このようにすれば、送りローラ2から回転駆動が伝達される押圧ローラ42で、支持部41に乗載される被写体1に上方側から押圧しつつ回転駆動を伝達できるため、被写体1を回転させることができる。したがって、例えば、前記被写体1の円周面1aが一対のアタッチメントローラ32,32上に乗せて回転駆動させることができない曲率を有するもの(外径が小さいもの)である場合にでも、支持部41に乗載させて回転させることで円周面1aの読み取りが可能となり、被写体1の形状に対してさらにフレキシブルに対応することができる。
【0022】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記押圧ローラ42は、着脱自在に設けられると共に、前記送りローラ2と前記被写体1とに跨って乗載されてもよい。このようにすれば、着脱自在な押圧ローラ42を送りローラ2と被写体1とに跨って乗載するだけで押圧ローラ42の回転軸の位置設定が完了するため、押圧ローラ42の位置調整が容易にできる。
【0023】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記被写体1を上方側から押圧する押圧部40と、被写体1の下方側であって被写体1を乗載可能に配置される支持部41とを備え、押圧部40は、一つ又は二つ以上の回転可能な押圧ローラ42を備え、押圧ローラ42は、円周面が前記アタッチメントローラ32の円周面及び被写体1の円周面1aと接触するように配置されて、前記送りローラ2の回転駆動がアタッチメントローラ32を介して伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するような構成を採用してもよい。このようにすれば、アタッチメントローラ32を介して送りローラ2の回転駆動が伝達される押圧ローラ42により、支持部41に乗載される被写体1に上方側から押圧しつつ回転駆動を伝達できるため、被写体1を回転させることができる。
【0024】
また、本発明に係るロールスキャナにおいては、前記押圧ローラ42は、着脱自在に設けられると共に、前記アタッチメントローラ32と前記被写体1とに跨って乗載されてもよい。このようにすれば、着脱自在な押圧ローラ42をアタッチメントローラ32と被写体1とに跨って乗載するだけで押圧ローラ42の回転軸の位置設定が完了するため、押圧ローラ42の位置調整が容易にできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法は、一対の送りローラに乗せて被写体を回転させつつその円周面の状態を読取りヘッドで読み取るので、円周面の状態を連続的に読み取ることができ、その全周の状態を歪みの少ないデジタル化された精度の高い画像データとして得ることができる。従って、その画像データをそのまま画像処理して読み出せば、一続きの連続画像をリアルタイムで得ることができる。また、被写体を回転させつつ読み取るので、コンタクトガラス上に被写体を載せる場合よりも読み取り動作が安定化し、サイズの大きな被写体の読み取りも可能となる。さらに、読取りヘッドを、一対の送りローラ間に配設しているので、被写体の径が変化しても読み取ることができる。また、被写体の径が変化しても読取りヘッドに対する被写体の円筒面の周速度は変化しないので、回転手段の回転速度を変化させなくてもよい。かつまた、径の異なる被写体に柔軟に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係るロールスキャナの正面図である。
【図2】同要部構成を示す斜視図である。
【図3】同正面図である。
【図4】同側面図である。
【図5】同平面図である。
【図6】同タイヤのトレッドパターンの部分的な拡大再現図である。
【図7】同タイヤのトレッドパターンの帯状の再現図である。
【図8】同木材表面の再現図である。
【図9】同アタッチメントローラを装着したロールスキャナの要部構成を示す斜視説明図である。
【図10】(a) は同正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。
【図11】同異なる実施の形態に係るロールスキャナの側面図である。
【図12】同さらに異なる実施の形態に係るロールスキャナの斜視図である。
【図13】同要部側面図である。
【図14】従来のカメラで撮影したタイヤのトレッドパターンの再現画像である。
【図15】同カメラで撮影した丸太の再現画像である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係るロールスキャナ及び被写体の円周面を読み取る方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】
図1はロールスキャナの斜視図、図2はその要部構成を示す斜視図、図3はその正面図、図4は側面図、図5は平面図である。これらの図に示すように、このロールスキャナは、例えば、トレッドパターンのような円周面1aを有するタイヤ等の被写体1を乗せて回転させるための対向し合う一対の送りローラ2,2を備えた回転手段3と、その回転手段3によって回転される被写体1の円周面1aに走査光を照射する光源21及び被写体1で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD22を備えた読取りヘッド4と、を備えており、被写体1を送りローラ2,2に乗載させて回転させつつその円周面1aの状態を連続的な一連の画像データとして読み取るように構成されている。
【0029】
ロールスキャナの全体について詳しく説明すると、回転手段3と読取りヘッド4は、上部に開口5を有する箱型のケーシング6内に収納され、それぞれ4つの送りローラ2,2を所定の間隔をおいて固定支持する支軸7,7が、互いに並行に配設されており、その支軸7,7の両端が、本体フレーム8に設けられた軸受部材に軸支され、その支軸7,7の一端に固定された被動プーリ9,9がベルト10を介してモータ11の駆動プーリ12に連動連結されている。このような構成により、送りローラ2,2の上に乗せたタイヤ1を所定の回転速度で回転させることができる。送りローラ2,2は弾力性のある樹脂材等で形成することができる。
【0030】
この送りローラ2,2の間には、2本の光源(蛍光灯等)21,21が並行に配設され、その直下には反射鏡やレンズとラインCCD22を収納したヘッド本体23が配設されている。このような構成により、光源21,21から回転されるタイヤ1のトレッドパターン1aに向けて走査光を照射(露光走査)し、読み取り位置24で反射される反射光25を反射鏡やレンズを介してラインCCD22で読み取りデジタルの連続した精度の高い画像データを得ることができる。このような画像データをロール紙を内蔵した画像形成装置やプリンター等に出力すれば、例えば、図6及び図7に示すように、連続した帯状の歪みのない鮮明な再現画像を得ることができる。
【0031】
図6は図7に示す画像の一部を拡大したものであり、図7は帯状に再現されたトレッドパターン(全周)1aの一部を示す。図6では、タイヤの片減り状態を明確に確認することができる(右側の減りが顕著である)。また、このような画像はディスプレイ上にリアルタイムで再現することもできるため検査や計測等に利用することができる。その場合、部分的に拡大することも容易であるからmm単位以下の疵を拡大して計測することもできる。また、タイヤ1の全周にわたるトレッドパターン1aを一連の画像データとして読み取れるので、トレッドパターン1aが部分的なパターンの繰り返しによって形成されておらず全周で一つのパターンを構成するような場合にもそのパターン全体を一連の画像データとして読み取り再現し、そのパターンを明確に確認することができる。
【0032】
このように、2本の光源(蛍光灯等)21,21から被写体1の円周面1aに向けて照射した反射光を反射鏡やレンズを介してラインCCD22で受光する場合、焦点深度を深く得られるため、図示のように、両送りローラ2,2の間隔を固定状態に設定しても、径の異なる被写体1に広く対応することができる。また、読取りヘッド4を、被写体1に対して回転手段3が設けられている側、即ち、送りローラ2,2の間に配設しているため(図4参照)、被写体1の径が変化しても読取り光学系に何ら影響がなく、読取りヘッド4の位置をそのままの状態として読み取ることができる。また、被写体1の径が変化しても読取りヘッド4に対する被写体1の円筒面1aの周速度は変化しないため、回転手段3の回転速度を変化させなくてもよい。つまり、本発明のロールスキャナは、被写体1の径の変化にきわめて柔軟に対処することができるという大きな特徴がある。
【0033】
また、走査可能幅については、例えば、500mm程度に設定すれば、単車や軽自動車、普通車、大型車等の各種車両のタイヤのトレッドパターンに広く適用することができるが、このロールスキャナは、設計の自由度が高く走査可能幅の設計変更も容易であるから、例えば、大型トラクターや耕運機等のタイヤ1等の特大サイズの被写体を読み取る場合には、基本的な構成はそのままとして、光源21,21やラインCCD22の幅方向の長さを大に設定すると共に、支軸7の長さを延長して送りローラ2の数を増やす等により走査可能幅を大に設定すればよい。
【0034】
また、木材の表面の状態をスキャナ装置で読み取る場合、前述したように、従来では、丸太の表層部分を円弧状に薄く切り出していたが、ロールスキャナによれば、このような面倒な切り出し工程を必要とすることなく、タイヤ1の場合と同様に、丸太をそのままの状態で、両送りローラ2,2に載せ、その表面の状態を変化させることなく精度よく読み取り、例えば、図8に示すように、忠実に再現することができる。この場合、たとえ丸太の曲率が大きい場合であっても、表面の状態が変形しないため再現性の高い読み取りができる。なお、丸太の径が小さい場合(曲率が大きい場合)には、以下に説明するようなアタッチメントローラ32,32を装着することにより、容易に読み取ることができる。
【0035】
図9はアタッチメントローラ32,32を装着したロールスキャナの要部構成を示す斜視説明図、図10(a) はその正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。ロールスキャナのケーシング6の開口5の両側には、例えば、径の小さい丸太等の円筒状の被写体1を乗せて回転させるためのアタッチメントローラ32,32を着脱自在に装着することができる軸受部材33,33が取り付けられている。この軸受部材33は、例えば、潤滑性を有する合成樹脂材又は金属材等により上部開放の凹状部33a,33aを一対形成して、該凹状部33a,33aにアタッチメントローラ32,32の支軸34,34の両端を上方から嵌め込めるように形成される。軸受部材33,33に装着されたアタッチメントローラ32,32に、径小な被写体1を乗せると、送りローラ2,2の外周面にアタッチメントローラ32,32が圧接されるため送りローラ2,2から被写体1に駆動力が伝達され被写体1が回転駆動される。
【0036】
このようなアタッチメントローラ32,32を使用する場合においても、同様に、回転される被写体1の外周面(円周面)1aに光源21,21から走査光を照射させて、その読み取り位置24で反射される反射光を反射鏡やレンズを介してラインCCD22で読み取らせることにより、デジタルの連続した精度の高い画像データを得ることができる。このような画像データをロール紙を内蔵した画像形成装置やプリンター等に出力すれば、円周面1aの連続した帯状の歪みのない鮮明な再現画像を得ることができる。また、リアルタイムでディスプレイ上に再現することができる。このように、アタッチメントローラ32,32を使用することで、タイヤよりも径の小さな被写体1まで適切に対応することができる。
【0037】
図11は、例えばタイヤ1のトレッドパターン1aのように深さや凹凸のある円周面の状態を明確に読み取り再現するために、読取りヘッド4を2つの読取りヘッド部4A,4Bで構成した例を示す。この例では、2つの読取りヘッド部4A,4Bにより、被写体1の外周面(円周面)1a上の同一の読み取り位置24から異なる角度で反射される反射光25A,25Bをそれぞれ受光する。即ち、一方の読取りヘッド部4Aにより、被写体1の円周面1aに対して面直な対応位置から読み取った画像データと、他方の読取りヘッド部4Bにより、被写体1の円周面1aに対して異なる角度(例えば、α=30°〜60°)から読み取った画像データとを比較することによって、深さや凹凸の状態を明確に把握することができる。また、その深さや凹凸のサイズを計測することも可能となる。
【0038】
図12及び図13は、例えば、重量が軽く、しかも、一対のアタッチメントローラ32,32に乗載できない程度に径が小さい円筒状の被写体1における円周面1aの状態を読み取る構成の例を示す。
【0039】
ロールスキャナは、一対のアタッチメントローラ32,32が装着されると共に、被写体1を上方側から押圧する押圧部40と、被写体1の下方側であって被写体1を乗載可能に配置される支持部41とを備える。また、押圧部40は、回転可能な押圧ローラ42,…(図12において四つとする)を備える。
【0040】
押圧ローラ42,…は、回転軸が被写体1の回転軸と平行又は略平行であって、円周面が被写体1の円周面1aと接触するようにそれぞれ配置される。また、押圧ローラ42,…は、一対のアタッチメントローラ32,32のうち何れか一方と被写体1とに接触するように配置される。具体的には、押圧ローラ42は、円周面がアタッチメントローラ32の円周面及び被写体1の円周面1aと接触するように配置される。
【0041】
より具体的には、押圧ローラ42は、送りローラ2の回転駆動がアタッチメントローラ32を介して伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体1に伝達するように構成される。さらに具体的には、押圧ローラ42は、着脱自在に設けられると共に、アタッチメントローラ32及び被写体1に跨って乗載される。また、押圧ローラ42,…は、一対の送りローラ2,2の回転軸、一対のアタッチメントローラ32,32の回転軸、及び被写体1の回転軸と、回転軸が平行又は略平行になるように配置される。
【0042】
そして、押圧ローラ42は、自重によって、被写体1を上方側から押圧可能に構成され、さらに、被写体1やアタッチメントローラ32との接触部位が変位するのを規制するように構成される。具体的には、押圧ローラ42は、円筒状に形成される金属体と、金属体の円周面を被覆するゴムとで構成される。さらに、押圧ローラ42は、回転軸方向の寸法が、被写体1の回転軸方向の寸法よりも小さく形成され、回転軸方向に並列される。
【0043】
支持部41は、着脱自在に構成される。また、支持部41は、被写体1の回転軸方向の両端部を下方側から支持する一対の支持部材43を備える。
【0044】
支持部材43は、被写体1の下方側と接触して被写体1を支持する一対の支持ローラ43a,43aを備える。そして、一対の支持ローラ43a,43aは、互いに離間する間に読み取り位置24が設定されるように配置される。
【0045】
かかる構成によれば、支持部41に乗載される被写体1に対して、押圧ローラ42,…で上方側から押圧しつつ回転駆動を伝達することにより、被写体1を回転させることができる。即ち、かかる重量の軽い被写体1であったり、一対のアタッチメントローラ32,32上に乗載できない程度に径の小さい被写体1であったりしても、アタッチメントローラ32及び押圧ローラ42を介して、送りローラ2の回転駆動を被写体1に確実に伝達することができる。
【0046】
このように、異なる形状(径)の被写体1を読み取る際でも、被写体1が一対の送りローラ2,2、一対のアタッチメントローラ32,32、又は、支持部41に乗載されるため、被写体1の円周面1aにおける読み取り部位と読み取りヘッド4(ラインCCD22)との距離の相違が所定量以内に抑えられる。したがって、前述のように2本の光源21,21から被写体1の円周面1aに向けて照射して被写界深度を深くしたり、被写界深度が深い読み取りヘッド4(ラインCCD22やレンズ)を選定したりすることで、タイヤのトレッドパターン(深さや凹凸)を明確にされた読み取り画像を得ることも可能である。
【0047】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、設計変更や改良等は自由であり、例えば、本体フレーム8に設ける軸受部材の幅を可変に調整できるように構成し、送りローラ2,2の間隔を調整できるようにしてもよい。また、読み取りの対象となる被写体1は、タイヤや木材等に限定されることなく、その他の円筒状体であってもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、押圧部40が押圧ローラ42を備える場合を説明したが、かかる実施形態に限定されず、押圧部40が被写体1を上方側から押圧しつつも被写体1を回転可能に構成されていればよい。例えば、被写体1が一対の送りローラ2,2又は一対のアタッチメントローラ32,32に乗載される場合において、押圧部40は、被写体1の上方側に配置され、被写体1の円周面1aと摺接する部位を備える部材から構成されてもよい。しかし、押圧ローラ42を備える押圧部40の方が、例えば、被写体1の円周面1aとの間で発生する摩擦力が小さく、被写体1を円滑に回転させることができるため、好ましい。
【0049】
また、上記実施形態においては、押圧部40が四つの押圧ローラ42,…を備える場合を説明したが、一つ又は二つ以上備えてもよい。例えば、被写体1が一対の送りローラ2,2又は一対のアタッチメントローラ32,32に乗載される場合において、押圧部40は、被写体1の頂部における円周面1aの部位と接触して、被写体1を上方側から押圧する押圧ローラ42を一つ備えてもよい。かかる押圧ローラ42は、被写体1の回転に伴って回転する。また、かかる押圧ローラ42(押圧部40)は、被写体1が一対の送りローラ2,2又は一対のアタッチメントローラ32,32に乗載された後に、変位されて被写体1と接触可能に構成されてもよい。例えば、一対の送りローラ2,2に被写体1を乗載させた後に、被写体1の上方側に配置される押圧ローラ42を下降させて被写体1に接触する位置まで移動されるような構成でもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、支持部41を備え、一対のアタッチメントローラ32,32及び複数の押圧ローラ42,…を介して、一対の送りローラ2の回転駆動を被写体1に伝達する場合を説明したが、かかる実施形態に限定されない。例えば、ロールスキャナは、アタッチメントローラ32,32を装着しない状態で支持部41を装着し、送りローラ2及び被写体1に接触(跨って乗載)する複数の押圧ローラ42,…を介して、一対の送りローラ2の回転駆動を支持部41に乗載される被写体1に伝達させてもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、押圧ローラ42における回転軸方向の寸法が、被写体1の回転軸方向の寸法より小さく形成される場合を説明したが、押圧ローラ42における回転軸方向の寸法が、被写体1の回転軸方向の寸法より大きく又は同一に形成されてもよい。しかし、押圧ローラ42における回転軸方向の寸法を被写体1の回転軸方向の寸法より小さく形成する方が、例えば、押圧ローラ42における被写体1との接触部位を選択できるため、好ましい。具体的には、円周面1aの一部に凸部を有する被写体1において、押圧ローラ42が凸部と接触するのを回避するように配置されることで、被写体1を円滑に回転させることができるため、好ましい。
【0052】
また、上記実施形態においては、押圧ローラ42が被写体1及びアタッチメントローラ32に跨って乗載させる場合を説明したが、押圧ローラ42が回転軸を固定されて回転可能に構成されてもよい。しかし、被写体1及びアタッチメントローラ32に跨って乗載させる押圧ローラ42の方が、例えば、回転軸の位置調整が不要であり、被写体1をスキャンする前の設定(準備)が容易であるため、好ましい。
【0053】
また、上記実施形態においては、支持部41が支持ローラ43a,43aを備える一対の支持部材43で被写体1の回転軸方向における両端部を支持する場合を説明したが、かかる実施形態に限定されず、被写体1を下方側から支持しつつも被写体1を回転可能に構成されて、しかも、被写体1の円周面1aを読み取りヘッド4で読み取り可能に構成されていればよい。例えば、支持部41は、被写体1の下方側に配置され、被写体1の円周面1aと摺接する部位を備える部材から構成されてもよい。さらに、支持部41は、被写体1の円周面1aと回転軸方向に沿って全部又は一部と接触する支持ローラを備えてもよい。しかし、支持ローラ43a,43aを備える一対の支持部材43で被写体1の回転軸方向における両端部を支持する支持部41の方が、例えば、被写体1の円周面1aとの間で発生する摩擦力が小さく、被写体1を円滑に回転させることができ、さらに、読取りヘッド4及び被写体1間に位置する部位が少なく、読取りヘッド4で読み取る上で障害となる部位が少なくなるため、好ましい。
【0054】
また、上記実施形態においては、一対の支持ローラ43a,43aの間隔が一定である場合を説明したが、一対の支持ローラ43a,43aの間隔が調整可能に構成されてもよい。かかる構成によれば、被写体1の形状に応じて一対の支持ローラ43a,43aの間隔を調整できるため、適用できる被写体1の形状の範囲を広くできる。
【符号の説明】
【0055】
1…被写体、1a…円周面、2…送りローラ、3…回転手段、4…読取りヘッド、4A,4B…読取りヘッド部、21…光源、24…読み取り位置、32…アタッチメントローラ、33…軸受部材、33a…凹状部、40…押圧部、41…支持部、42…押圧ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周面(1a)を有する被写体(1)を回転させるための回転手段(3)と、
前記回転手段(3)によって回転される前記被写体(1)の円周面(1a)に走査光を照射する光源(21)及び前記被写体(1)で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD(22)を有する読取りヘッド(4)と、を備え、
前記回転手段(3)は、径の異なる前記被写体(1)を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ(2)(2)を有し、前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の下方に配設され、その読み取り位置(24)を前記一対の送りローラ(2)(2)の間の位置に設定したロールスキャナであって、
前記読取りヘッド(4)は、円周面(1a)に凹凸のある被写体(1)に対して凹凸の状態を明確に読み取るべく、前記被写体(1)上の同一の読み取り位置(24)から異なる角度で反射される反射光を受光するように構成されることを特徴とするロールスキャナ。
【請求項2】
前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の円周面(1a)に対して面直な対応位置から読み取ると共に、前記被写体(1)の円周面(1a)に対して当該位置とは異なる角度から読み取るように構成されることを特徴とする請求項1に記載のロールスキャナ。
【請求項3】
円周面(1a)を有する被写体(1)を回転させるための回転手段(3)と、
前記回転手段(3)によって回転される前記被写体(1)の円周面(1a)に走査光を照射する光源(21)及び前記被写体(1)で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD(22)を有する読取りヘッド(4)と、を備え、
前記回転手段(3)は、径の異なる前記被写体(1)を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ(2)(2)を有し、前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の下方に配設され、その読み取り位置(24)を前記一対の送りローラ(2)(2)の間の位置に設定したロールスキャナであって、
前記一対の送りローラ(2)(2)と前記被写体(1)の円周面(1a)の間に回転自在に介在させるための一対のアタッチメントローラ(32)(32)を着脱自在に設けられ、
各アタッチメントローラ(32)は、円周面が前記送りローラ(2)の円周面及び前記被写体(1)の円周面(1a)と接触するように配置されて、送りローラ(2)の回転駆動が伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体(1)に伝達するように構成されることを特徴とするロールスキャナ。
【請求項4】
前記アタッチメントローラ(32)(32)の支軸(34)(34)は、装置本体側に設けられた一対の軸受部材(33)(33)に着脱自在に軸支され、前記軸受部材(333)は、前記支軸(34)(34)を嵌め込むための一部開放の凹状部(33a)(33a)を有することを特徴とする請求項3に記載のロールスキャナ。
【請求項5】
円周面(1a)を有する被写体(1)を回転させるための回転手段(3)と、
前記回転手段(3)によって回転される前記被写体(1)の円周面(1a)に走査光を照射する光源(21)及び前記被写体(1)で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD(22)を有する読取りヘッド(4)と、を備え、
前記回転手段(3)は、径の異なる前記被写体(1)を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ(2)(2)を有し、前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の下方に配設され、その読み取り位置(24)を前記一対の送りローラ(2)(2)の間の位置に設定したロールスキャナを用いて、被写体の円周面を読み取る方法であって、
前記読取りヘッド(4)が前記被写体(1)上の同一の読み取り位置(24)から異なる角度で反射される反射光を受光するステップと、
円周面(1a)に凹凸のある被写体(1)に対して凹凸の状態を明確にすべく、読み取った画像データを比較するステップとを備えることを特徴とする被写体の円周面を読み取る方法。
【請求項1】
円周面(1a)を有する被写体(1)を回転させるための回転手段(3)と、
前記回転手段(3)によって回転される前記被写体(1)の円周面(1a)に走査光を照射する光源(21)及び前記被写体(1)で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD(22)を有する読取りヘッド(4)と、を備え、
前記回転手段(3)は、径の異なる前記被写体(1)を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ(2)(2)を有し、前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の下方に配設され、その読み取り位置(24)を前記一対の送りローラ(2)(2)の間の位置に設定したロールスキャナであって、
前記読取りヘッド(4)は、円周面(1a)に凹凸のある被写体(1)に対して凹凸の状態を明確に読み取るべく、前記被写体(1)上の同一の読み取り位置(24)から異なる角度で反射される反射光を受光するように構成されることを特徴とするロールスキャナ。
【請求項2】
前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の円周面(1a)に対して面直な対応位置から読み取ると共に、前記被写体(1)の円周面(1a)に対して当該位置とは異なる角度から読み取るように構成されることを特徴とする請求項1に記載のロールスキャナ。
【請求項3】
円周面(1a)を有する被写体(1)を回転させるための回転手段(3)と、
前記回転手段(3)によって回転される前記被写体(1)の円周面(1a)に走査光を照射する光源(21)及び前記被写体(1)で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD(22)を有する読取りヘッド(4)と、を備え、
前記回転手段(3)は、径の異なる前記被写体(1)を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ(2)(2)を有し、前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の下方に配設され、その読み取り位置(24)を前記一対の送りローラ(2)(2)の間の位置に設定したロールスキャナであって、
前記一対の送りローラ(2)(2)と前記被写体(1)の円周面(1a)の間に回転自在に介在させるための一対のアタッチメントローラ(32)(32)を着脱自在に設けられ、
各アタッチメントローラ(32)は、円周面が前記送りローラ(2)の円周面及び前記被写体(1)の円周面(1a)と接触するように配置されて、送りローラ(2)の回転駆動が伝達されると共に、伝達される回転駆動を被写体(1)に伝達するように構成されることを特徴とするロールスキャナ。
【請求項4】
前記アタッチメントローラ(32)(32)の支軸(34)(34)は、装置本体側に設けられた一対の軸受部材(33)(33)に着脱自在に軸支され、前記軸受部材(333)は、前記支軸(34)(34)を嵌め込むための一部開放の凹状部(33a)(33a)を有することを特徴とする請求項3に記載のロールスキャナ。
【請求項5】
円周面(1a)を有する被写体(1)を回転させるための回転手段(3)と、
前記回転手段(3)によって回転される前記被写体(1)の円周面(1a)に走査光を照射する光源(21)及び前記被写体(1)で反射された反射光を反射鏡やレンズを介して読み取るラインCCD(22)を有する読取りヘッド(4)と、を備え、
前記回転手段(3)は、径の異なる前記被写体(1)を乗載可能な間隔に設定されて互いに同一方向に回転駆動される一対の送りローラ(2)(2)を有し、前記読取りヘッド(4)は、前記被写体(1)の下方に配設され、その読み取り位置(24)を前記一対の送りローラ(2)(2)の間の位置に設定したロールスキャナを用いて、被写体の円周面を読み取る方法であって、
前記読取りヘッド(4)が前記被写体(1)上の同一の読み取り位置(24)から異なる角度で反射される反射光を受光するステップと、
円周面(1a)に凹凸のある被写体(1)に対して凹凸の状態を明確にすべく、読み取った画像データを比較するステップとを備えることを特徴とする被写体の円周面を読み取る方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図7】
【図8】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図7】
【図8】
【図14】
【公開番号】特開2010−73216(P2010−73216A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286464(P2009−286464)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【分割の表示】特願2007−131908(P2007−131908)の分割
【原出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000111247)ニューリー株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【分割の表示】特願2007−131908(P2007−131908)の分割
【原出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000111247)ニューリー株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]