説明

ロール交換装置

装置(100)が、ロール残部(280)と完全なロール(200)とを交換する。その装置は、排出揺動台(110)及びロール移送表面を備える。ロール移送表面(120)は、引込み位置と延長位置の間を変位可能な延長要素(122)を含む。装置(100)はまた、材料の新ロール(200)を排出揺動台(110)に送出及び前のロールの残部(280)を装置から取り去りが可能な、ロール送出要素(130)を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の巻きロールを材料処理プロセスに送出可能な装置に関する。具体的には、本発明は、材料の第一の巻きロールを、特に材料の減損したロール又はロール残部を、材料の第二の巻きロールと交換するための装置に関する。本発明は、特に、紙ウェブ材料のロールのハンドリングに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブ材料は、日常生活のどこにでもある部分である。紙、プラスチックフィルム、及び金属などの材料は、ロールコアを有する大ロールに材料が巻き取られて、次に、材料を仕上り製品に変換するプロセス中の工程として大ロールから材料を巻き戻すことにより、加工されてもよい。
【0003】
材料がロールに巻き取られる時、ロールは、特定の大きさまで巻かれて、次にロールの巻き取りが停止されてもよい。仕上ったロールが取り去られ、空のコアが送出されて、引き続くロールの巻き取りが開始されてもよい。
【0004】
材料の巻き戻しの間、ロールは、ロールの使用可能な部分が取り除かれるまで巻き戻されてもよい。ロール残部が取り去られ、引き続くロールが取りつけられて、次に巻き戻されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
完了したロールの新ロールコアとの交換、又はロール残部の新ロールとの交換は、ウェブ処理プロセスの停止を引き起こすことがある。この停止は、プロセスの全体的な生産性を減ずるおそれがある。この交換を行う人員と設備により使われる時間は、彼らの業務から除かれた時間である。ロールの交換は、可能な限り迅速及び効率的になされるのが好ましい。迅速及び効率的な交換は、プロセス停止の継続時間を減少することにより、及びまた交換に使われる時間を減らし、これにより設備及び人員をその他の業務のために解放することにより、生産性を増大することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロールハンドリング装置は、ロール残部(残部)と約Rの半径を有する材料の完全なロールとを交換する。ロールハンドリング装置は、ロール支持位置とロール放出位置の間を変位可能な排出揺動台を備える。ロールハンドリング装置は更に、排出揺動台から残部を受取り可能なロール移送表面を備える。ロール移送表面は、延長要素を備える。延長要素は、引込み位置から延長位置まで変位可能である。残部は、排出揺動台から延長位置へ移送されてもよい。延長位置は、ロール取り去り位置に一致してもよい。ロールハンドリング装置は更に、材料の新ロールを排出揺動台上に設置可能、及び引き続いて残部をロール取り去り位置から取り去り可能な、ロール送出要素を備える。
【0007】
別の態様において、装置は更に、ロール装荷ステーションとロール巻き戻しステーションの間を変位可能なトロリーを備える。トロリーは、排出揺動台及びロール移送表面を備えてもよい。
【0008】
本発明の装置は、ロール送出要素の単一の走行の間に、新ロールの送出と引き続く残部の取り去りを助長することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書の請求項は本発明の主題を特定して指摘し明確に請求しているが、本発明は、添付図面と共に読まれる本発明の次の詳細説明を考慮してより良く理解されると考えられ、図面中において、幾つかの図の対応する機構は同一に示されている。
【0010】
次の説明は、ウェブ材料のロールのハンドリングに適用することができる。ウェブ材料の性質は、本装置を制限するものではない。本装置は、いかなるウェブ材料のロールをも扱うように構成できる。本装置は、紙、ポリマー、金属、又は他のウェブ材料を扱うように構成されてもよい。図1に示すように、装置100が、排出揺動台110、ロール移送表面120、及びロール送出要素130を備える。排出揺動台110は、ロール支持位置112からロール放出位置114まで変位可能である。ロール残部又は残部280は、排出揺動台110により放出されてもよく、及びロール移送表面120により受け止められてもよい。ロール移送表面120は、延長要素122を備える。延長要素122は、引込み位置123から延長位置125まで変位可能である。残部280は、延長位置125へ移送されてもよい。延長位置125は、ロール取り去り位置140と一致してもよい。ロール送出要素130は、新ロール200を送出してもよく、及び排出揺動台110がロール支持位置112にある時に、排出揺動台110の上にロール200を置いてもよい。ロール送出要素130は、次に、残部280をロール取り去り位置140から取り去ってもよい。
【0011】
ロール:
ロール200は、中心軸201の周りに巻かれたウェブ材料Wからなる概ね円筒形のいかなるロールを含んでもよい。図2a及び図2bに示すように、円筒形ロール200は、直径及び幅を有する。ロール200は、円周表面222及び2つの側面202を有する。ロール200は、ロール200の中心軸201に一致する、中心シャフト240の上に巻かれても、又は中空コア250の上に巻かれてもよい。中心シャフト240又は中空コア250の一部は、ロール200の側面202を超えて突き出てもよい。中空コア250は、別の方法として、ロール200の側面202と概ね面一であってもよい。
【0012】
一実施形態では、概ね面一の中空コア250を有するロール200は、中空コア250に挿入されたコアインサート260を有してもよい。コアインサート260は、ロール200のそれぞれの側面202から突き出てもよい。中心シャフト240及びコアインサート260は、排出揺動台110が支持するための表面を提供してもよい。
【0013】
ロール200の大きさは、本発明の装置を制限するものではない。装置100は、いかなる特定寸法のロールをも適切に取り扱うようなスケールにすることができる。
【0014】
装置:
以降で説明する装置の構成要素は、当該技術分野において既知のような構成要素の意図される用途に適切な、金属、木材、ガラス、複合材、又は他の材料からなってもよい。
【0015】
排出揺動台:
排出揺動台110は、単一の排出揺動台110を含んでも、又は複数の排出揺動台110を含んでもよい。図1、図3、及び図4に示す実施形態では、排出揺動台110は、ロール200の各端部に1つが配置された対の排出揺動台110を含む。各排出揺動台110は、ロール200の側面202を超えて延びる表面を介してロール200を支持することができる。
【0016】
排出揺動台110は、当該技術分野において既知のいかなる手段をも利用して、第一のロール支持位置112と第二のロール放出位置114の間を変位するように構成されてもよい。図1に示す一実施形態では、排出揺動台110は、重力を用いて、ロール支持位置112とロール放出位置114の間を変位するように構成されてもよい。この実施形態では、排出揺動台110は、排出揺動台110のロール放出位置114への移送を妨げるつめ115の存在により、ロール支持位置112に保持されてもよい。この実施形態では、残部280の質量が、排出揺動台110の旋回点116に作用して、排出揺動台旋回点116の周りのトルクを創り出してもよい。そのトルクは、排出揺動台110が旋回点116周りで回転するのを妨げるつめ115の存在により対抗されてもよい。排出揺動台110はまた、はめ歯(cog)、ソレノイド作動式解放機、又は当該技術分野において既知の他の手段の使用により、ロール支持位置112から解放されてもよい。
【0017】
つめ115は、手動又は自動いずれか、及びその場又は遠隔いずれかで、操作者の判断により引き込まれてもよい。つめ115が引き込まれると、排出揺動台110に存在する残部280により創り出されるトルクに応えて、排出揺動台110が回転可能になる。
【0018】
残部280は、ロール支持位置112とロール放出位置114の間のある点で排出揺動台110により放出されてもよく、又はロール放出位置114で放出されてもよい。残部280が排出揺動台から放出される時、残部280に関連するトルクが除かれ、適切な大きさ及び位置の釣合いおもり117に作用する重力で生じる反対向きのトルクを手段として、排出揺動台110は、ロール支持位置112へ回転して戻ってもよい。排出揺動台110がロール支持位置112に戻った時又はその後で、排出揺動台110がロール支持位置112とロール放出位置114の間を回転することを妨げるために、つめ115が再設置されてもよい。釣合いおもり117の大きさ及び位置は、可能性ある最軽量残部280に関連するトルクが釣合いおもりのトルクより大きく、及び排出揺動台110をロール支持位置112とロール放出位置114の間で回転させるのに十分であるようなものであってもよい。位置の間を変位する排出揺動台の運動がロール処理プロセスの必要性に従うものであるような、釣合いおもりの他の構成も可能である。
【0019】
図4に示す実施形態では、排出揺動台110は、排出揺動台端部作動装置118の作動により変位されてもよい。単一の排出揺動台端部作動装置118が、両方の変位を可能にしてもよく、又は対向する対の排出揺動台端部作動装置118が使用されて、変位を可能にしてもよい。代表的な端部作動装置として、制限するものではないが、空圧若しくは油圧シリンダー、リニアサーボモータ、リニアアクチュエータ、シリンダー又はロータリーアクチュエータと連結されたラックとピニオンのシステム、電気、油圧、又は空気圧作動モータにより駆動されるベルト駆動システム、チェーンとスプロケットのシステム、及び当該技術分野において既知の他の動作生成手段などが挙げられる。
【0020】
別の実施形態(図示せず)では、排出揺動台は、第一のロール受入れ位置から、第二のロール支持位置に、第三のロール放出位置へ変位可能であってもよい。排出揺動台は、上述の位置エネルギー・アクチュエータ又は運動エネルギー・アクチュエータ及び/又はこれらの組み合わせにより、これらそれぞれの位置の間を変位してもよい。
【0021】
ロール係合要素:
本装置は、少なくとも1つのロール係合要素を備えてもよい。ロール係合要素は、ロール200の中空コア250、中心シャフト240、又はコアインサート260(集合的に被係合ロール要素とする)に係合するように適合されていてもよい。図3及び図4に示すように、係合要素119は、中空コア250、又は中心シャフト240若しくはコアインサート260の端部の適切な空洞に係合可能な、アクチュエータシャフト275を備えてもよい。アクチュエータシャフト275は、被係合ロール要素のスプライン付き又はテーパ付き空洞に一致する、スプライン又はテーパ付きシャフトを含んでもよい。アクチュエータシャフト275は、被係合ロール要素に挿入されて、次に機械的に、空気圧で、又は油圧で円周を拡大される、拡大チャックを備えてもよい。アクチュエータシャフト275は、被係合ロール要素のねじ山に一致する、部分的な又は完全なねじ山を有してもよい。アクチュエータシャフトと被係合ロール要素の間の係合は、当該技術分野において既知の他の手段によってもよい。
【0022】
係合要素119が被係合ロール要素と係合すると、ロール200を排出揺動台110の支持から持ち上げて、係合要素119がロール200を支持するようになっていてもよい。係合要素119は、ロール200が回転する時にロール200を支持可能な、1つ以上の軸受要素270を備えてもよい。これらの軸受要素270は、回転要素の軸受、固体材料の軸受、ジャーナル軸受、又は当該技術分野において既知の他のタイプの軸受であってもよい。軸受要素は、中心シャフト240又はコアインサート260の外面を介してロールに係合、及びこれを支持してもよい。軸受要素270が、アクチュエータシャフト275に係合及びこれを支持し、これが今度は、ロール200に係合及びこれを支持してもよい。被係合ロール要素もまた、アクチュエータシャフトが被係合ロール要素に係合する時にアクチュエータシャフト275に係合及びこれを支持する、軸受表面(図示せず)を備えてもよい。
【0023】
係合要素119は、ロール端部作動装置300を備えてもよい。ロール端部作動装置は、アクチュエータシャフト275に連結されていてもよい。ロール端部作動装置300は、電気的に、機械的に、水圧で、又は空気圧で回転されて、ロール200を回転させてもよい。ロール200が回転されて、材料Wを巻き戻してもよい。あるいは、ロール200が回転されて、材料Wを巻き取ってもよい。
【0024】
別の実施形態では、ロール200は、排出揺動台110又は係合要素119により保持されている間に、表面巻取り機構(図示せず)により回転されてもよい。表面巻取り機構は、ロール200の円周表面222に接触してロール200を回転させて、ウェブ材料Wをロール200から巻き戻してもよい。
【0025】
係合要素119は、係合解除位置310から係合位置320へ、及び係合解除位置310へ戻る変位をしてもよい。係合要素119は、ロール200に係合するために、巻き取り軸の少なくとも一部に沿って移送してもよい。係合要素119は、直線的に、回転により、カムに沿うカムフォロワーの運動により画定される経路に沿って、及びこれらのいずれかの組み合わせにより移送して、ロール200と係合してもよい。係合要素119は、表面に沿って滑ってもよく、シリンダー、又はラックとピニオンのシステム(図示せず)と協働して移送してもよい。係合要素119は、ロール係合要素端部作動装置(図示せず)と協働して移送してもよい。代表的な端部作動装置として、制限するものではないが、空圧若しくは油圧シリンダー、リニアサーボモータ、リニアアクチュエータ、シリンダー若しくはロータリーアクチュエータと連結されたラックとピニオンのシステム、電気、油圧、又は空気圧作動モータにより駆動されるベルト駆動システム、チェーンとスプロケットのシステム、及び当該技術分野において既知の他の動作生成手段などが挙げられる。
【0026】
係合要素119がコアインサート260に係合する実施形態では、係合要素119をコアインサート260から係合解除するのに問題があることがある。係合要素119が係合位置320から係合解除位置310へ変位すると、コアインサート260の中空コア250との係合が少なくとも部分的に解かれることがある。図4に示す一実施形態では、コアインサート260は、係合要素119の引き戻しに反対の力を及ぼすことができる押出し部700を備える。この力がかかることにより、コアインサート260の中空コア250との係合が維持されてもよい。
【0027】
押出し部700は、ばね作動システムを含んでもよい。図4に示すように、ばね710が、ベース720とキャップ730の間に拘束されている。キャップ730は、係合要素119がコアインサート260の空洞268に挿入された時、係合要素119に接触するように構成されている。係合要素119の空洞268への動作が、ばね710を圧縮する。係合要素が空洞268から引き戻される時、ばね710の拡大が、係合要素119の空洞268との係合を解き、及びコアインサート260の中空コア250との係合を維持させるように機能する。この実施形態では、ばねは、係合要素119の空洞268との連結を離すことができる、いかなる圧縮ばねであってもよい。ベース720及びキャップ730は、押出しの応力に耐えることができるいかなる材料からでも、鋳造又は機械加工されてもよい。適切に選定された木材、ポリマー、又は金属が、キャップ730及びベース720に使用されてもよい。超高分子量プラスチックが、キャップ730及びベース720に好適な材料の非限定的な例である。
【0028】
代替実施形態(図示せず)では、押出し部700は、空気圧シリンダーを備えてもよく、係合要素119がコアインサート260に係合する時にシリンダーが圧縮され、係合要素119が引き戻される時にシリンダーが伸張する。この実施例のシリンダーは、能動的に圧力送出されてもよく、シリンダーが伸張して係合要素119を押し出すのに、前もって圧縮されたガスの膨張に頼る封止シリンダーであってもよい。
【0029】
コアインサート260の中空コア250との係合を維持するために、係合要素119の引き戻しに反対の反発力を発生する、当該技術分野において既知の他の手段が使用されてもよい。
【0030】
ロール移送表面:
排出揺動台110がロール排出位置114へ変位する時、残部280は、排出揺動台110により放出されて、ロール移送表面120により受け止められてもよい。ロール移送表面120は、ロール移送経路Pを画定する。残部280は、ロール移送経路Pに沿って移送して、排出揺動台110からロール取り去り位置140へ進行する。ロール移送表面120は、単一の表面を含んでも、又は残部280の幅を横切って及びロール移送経路Pの長さに沿って複数の表面を含んでもよい。ロール移送表面120は、残部280の全円周表面222を支持するように構成されても、又は表面の一部だけでもよい。ロール移送表面120は、残部280のウェブ材料Wの側面202を超えて延びる残部280の部分だけを支持するように構成されてもよい。
【0031】
ロール移送表面120は、排出揺動台110からのロール移送経路Pの少なくとも一部にわたって傾斜を進んで、残部280が重力に起因してロール移送経路Pに沿って移送可能となってもよい。ロール移送表面120は、残部280を排出揺動台110からロール取り去り位置140へ移送可能な、1つ以上の駆動された運搬表面(図示せず)を備えてもよい。このオプションの場合、ロール移送表面120は、排出揺動台110から下向き傾斜であってもよく、排出揺動台110から上向き傾斜であってもよく、排出揺動台110と水平であってもよい。
【0032】
ロール移送表面120は、ロール200の少なくとも一部又はロール200の側面202から突き出ている表面に接触する、1つ以上のロール接触表面124を含んでもよい。ロール接触表面124は、ロール200のロール移送経路Pに沿う能率的な移送に好適ないかなる材料からなってもよい。ロール移送表面120のいずれか又は全てのロール接触表面124は、磨耗表面のサービス寿命を伸ばすために、表面硬化されても、プラズマコーティング若しくはクロムコーティングなどの耐磨耗性コーティングをコーティングされても、又は当該技術分野において既知の他の手段により調製されてもよい。ロール接触表面124は、容易な交換が可能であり及び残部280の能率的な移送が意図された犠牲磨耗要素(図示せず)を含んでもよい。低摩擦超高分子量のポリマー材料、及び鋼の磨耗ストリップが、犠牲磨耗要素の非限定的な例である。
【0033】
ロール移送表面120は、引込み位置123から延長位置125まで変位可能な延長要素122を備えてもよい。延長及び引込という用語は、延長要素122の運動を往復運動に限定するとして解釈されるべきではない。これらの用語は、ロール移送経路Pの延長を指している。ロール移送経路Pは、延長要素122が延長位置125に変位する時に長くなり、及び延長要素122が引込み位置123に変位する時に短くなる。
【0034】
延長要素122は、単一のロール接触表面を含んでも、又は複数のロール接触表面を含んでもよい。延長要素122は、残部280の全て若しくは一部だけに接触するように構成されても、又はその側面202から突き出ている表面に接触するように構成されてもよい。延長要素は、上述のロール接触表面124を含んでもよい。
【0035】
一実施形態(図示せず)では、延長要素122は、引込み位置123と延長位置125の間を重力を手段として変位してもよい。延長要素122の設計が、変位を誘引する延長要素122と協働する残部280に作用する重力によって、引込み位置123から延長位置125への変位をもたらしてもよい。次に、延長要素122から残部280を取り去ると、適切な釣合いおもりに作用する重力により、引込み位置123への変位が誘引される。
【0036】
図1に示す実施形態に戻って、延長要素122は、1つ以上の端部作動装置129の使用により、引込み位置123と延長位置125の間を変位してもよい。単一の端部作動装置129が、両方の変位を可能にしてもよく、又は対向する対の端部作動装置129が使用されて、変位を可能にしてもよい。代表的な端部作動装置として、制限するものではないが、空圧若しくは油圧シリンダー、リニアサーボモータ、リニアアクチュエータ、シリンダー又はロータリーアクチュエータと連結されたラックとピニオンのシステム、電気、油圧、又は空気圧作動モータにより駆動されるベルト駆動システム、チェーンとスプロケットのシステム、及び当該技術分野において既知の他の動作生成手段などが挙げられる。
【0037】
ロール移送表面120は更に、1つ以上のロール停止体128を備えてもよい。ロール停止体128は、残部280のロール移送表面120に沿う運動を限定することができる。ロール停止体128は、ロール移送表面120の排出揺動台110から最も遠い部分に配置されてもよい。ロール停止体128は、衝撃吸収シリンダー、衝撃吸収発泡体、ばね搭載停止体、又は他の衝撃吸収要素を備えるクッション付き停止体を含んでもよい。ロール停止体128はまた、小さな衝撃吸収容量の固定停止体及び/又は当該技術分野において既知の他の運動阻止手段を含んでもよい。
【0038】
一実施形態では、ロール移送表面120は、延長要素122が引込み位置123にある時に、残部280を排出揺動台110から受け取ってもよい。残部280は、ロール移送表面120に沿って進行して、ロール停止体128にて停止してもよい。次に、ロール移送表面120は、残部280を支えながら、延長位置125へ上述のように延長されてもよい。
【0039】
代替実施形態では、ロール移送表面120は、排出揺動台110からロール移送表面120への残部280の移送の前に延長されてもよい。この実施形態では、残部280は、排出揺動台110から延長要素122の延長位置125へロール移送経路Pに沿って進行してもよい。別の実施形態では、残部280がロール移送表面120に沿って進行している時に、延長要素122が、引込み位置123から延長位置125へ変位してもよい。
【0040】
延長要素122が延長位置125にある時のロール停止体128における残部280の位置は、ロール取り去り位置140に一致してもよい。図1に示す実施形態では、延長位置125により、残部280は、排出揺動台110から次のロール200の半径Rより大きい距離を移送可能になってもよい。排出揺動台110は、残部280が排出揺動台110から放出された後で、ロール支持位置112に再設定されてもよい。排出揺動台から半径Rより遠いロール取り去り位置140に残部280を配置することにより、ロール送出要素130が、残部280をロール取り去り位置140から取り去る前に、次のロール200を排出揺動台110の上に配置することが可能になる。
【0041】
代替実施形態(図示せず)では、残部280は、延長要素122の延長位置125を超えて、排出揺動台110から更に遠いロール取り去り位置140へ進行してもよい。この実施形態では、延長要素122は、残部280を1つの部分から次の部分へ及び最後にロール取り去り位置140へ移送可能にする、ロール移送表面120の部分間の引込み式ブリッジを提供する。
【0042】
ロール取り去り位置140と排出揺動台110の間の距離Dが、半径Rの新ロール200を排出揺動台110上に配置するのに十分な空間を装置100内にまだ提供しながら、ロール移送表面に移送されてもよい最大直径の残部280を決定する。距離D−Rが、移送可能な残部280の大きさを制限する。距離D−Rがどのように最大残部280の大きさに関係するか、装置の特定の構成が決定する。例として、図1は、残部280の材料Wにではなく中心シャフト240に接触するロール接触表面124を有して構成された、ロール移送表面120を示す。この構成の場合、距離D−Rは、r+S=D−Rの制限までの中心シャフト240の半径r及び全体半径Sを有する残部280を収容する。距離Dが距離r+2Rより大きいような装置を構成することも可能である。この構成ならば、完全なロール200を残部280として放出して、なお、完全なロールの残部を取り去る前に、次のロール200を配置するのに十分な空間を提供することができる。
【0043】
上述の構成は、中心シャフト上に巻かれたロールのハンドリングに限定されない。中空コア250上に巻かれたロール200は、ロール移送表面及びロール停止体に接触する構成要素の半径rが式r=D−R−Sを満たすという制限までで収容可能である。
【0044】
トロリー:
図3及び図4に示すように、排出揺動台110、係合要素119、及びロール移送表面120が、トロリー400の部分を構成してもよい。図5Aに示すように、トロリー400は、第一のロール装荷場所410からロール巻き戻し場所420まで変位可能であってもよい。図5Bに示す別の実施形態では、2つのトロリーが配置されて、第一のトロリー400が第一のロール装荷場所410とロール巻き戻し場所420の間を変位し、及び第二のトロリー401が第二のロール装荷場所411とロール巻き戻し場所420の間を変位するようになっていてもよい。この実施形態では、第一のトロリー400は、第一のロール装荷場所410においてロール200を受け取る。第一のトロリー400は、第一のロール装荷場所410からロール巻き戻し場所420へ変位して、ロール200が巻き戻される。第二のトロリー401は、第二のロール装荷場所411において材料のロール200を受け取る。第一のトロリー400は、ロール巻き戻し場所420から第一のロール装荷場所410へ移送して、第一のロール200の残部280を材料の次の新ロール200と交換する。第二のトロリー401は、第二のロール装荷場所411からロール巻き戻し場所420へ移送して、第二のロール200が巻き戻される。トロリー400、401は、それぞれのロール装荷場所410、411とロール巻き戻し場所420の間を交互する。
【0045】
図5Cに示す別の実施形態では、単一のトロリー500が、2つのロールハンドリングステーション505及び515を備えてもよい。この実施形態では、第一のロールハンドリングステーション505は、第二のロールハンドリングステーション515がロール巻き戻しステーション520にある時、第一のロール装荷場所510にあってもよい。トロリー500が変位する時、第一のロールハンドリングステーション505はロール巻き戻し場所520へ移送してもよく、第二のロールハンドリングステーション515は、第二のロール装荷場所511へ移送してもよく、及び残部280を新ロール200と交換してもよい。第一のロールハンドリングステーション505のロール200が処理を完了した後、トロリー500は、第二のロールハンドリングステーション515が第二のロール装荷場所511からロール巻き戻し場所520へ移送するように変位してもよい。いずれか1つ又は両方のトロリー・ロールハンドリングステーションは、上述の残部ハンドリング要素のいずれか及びその組み合わせを備えてもよい。
【0046】
トロリー用の運動可能化機器に関するロールハンドリングトロリーの一般的な操作は、当該技術分野において周知であって、これ以上説明しない。
【0047】
ロール送出要素:
図1に戻って、ロール送出要素130は、少なくとも部分的に排出揺動台110及びロール移送表面120の上で操作されてもよい。ロール送出要素130は、新ロール200を排出揺動台110の上に有効に配置可能、及び残部280をロール取り去り位置140から取り去り可能な、いかなる設計のものであってもよい。ロール送出要素130は、適切な最大重量制限を有するオーバーヘッド・ガントリークレーンの部分を含んでもよい。ロール送出要素130は、ロール貯蔵場所(図示せず)において新ロール200をピックアップしてもよい。ロール送出要素130は、ロール200をロール貯蔵場所から垂直に、及び次に排出揺動台110まで水平に運んでもよい。ロール送出要素は、次に、ロール200を排出揺動台110の中へ垂直に運んでもよい。ロール送出要素130は、引き続いて、残部280をロール取り去り位置140から垂直に取り去ってもよい。要素の動機付け的側面に関するロール送出要素130の一般的な操作は、当該技術分野において周知であって、これ以上説明しない。
【0048】
ロール送出要素130は、ロール200の被係合ロール要素に係合するように適合されていてもよい。ロール送出要素130は、ダブルフック136を備えてもよい。ダブルフック136により、ロール送出要素130は、ロール200を排出揺動台110の上に配置して、引き続いて残部280をロール取り去り位置140からピックアップすることが、最初にロール取り去り位置140を通り過ぎて次にロール取り去り位置140に戻る必要なしに可能になる。
【0049】
システム制御:
一実施形態では、装置100は、操作人員により手動で制御されてもよい。この実施形態では、操作者は、装置運転の各工程の開始を制御してもよい。操作者は更に、各工程の停止及びいずれかの引き続く工程の継続する開始を制御してもよい。操作者は、その場に又は遠隔的に位置する制御器の使用によって、装置を制御してもよい。
【0050】
別の実施形態では、上述の工程のいずれかの実行は少なくとも部分的に自動化されてもよく、それには、新ロール200の排出揺動台110における送出、残部280のロール取り去り位置140からの取り去り、ロール移送表面120の延長要素122の延長位置125と引込み位置123の間の変位、排出揺動台110のロール支持位置112とロール放出位置114の間の変位、及びトロリー400のロール装荷場所410とロール巻き戻し場所420の間の変位が、限定なく含まれる。センサーが、ロール送出要素130、排出揺動台110、ロール移送表面120の延長要素122、係合要素119、トロリー400、401、500、及びこれらの組み合わせの位置を表示するために設けられてもよい。追加のセンサーが、ロール送出要素130、排出揺動台110、ロール移送表面120の延長要素122、係合要素119、トロリー400、401、500、及びこれらの組み合わせに関連付けられた端部作動装置の姿勢を表示するために、設けられてもよい。
【0051】
これらのセンサーは、それぞれの感知される構成要素の場所を連続的に提供するように構成されていてもよい。これらのセンサーは、感知される構成要素が予め定められた場所に到達した時に、分離性の入力を提供するように構成されていてもよい。所与の構成要素に対するセンサーにより提供される入力は、その構成要素に対応する端部作動装置に対するセンサーにより提供される入力、及び/又は所与の構成要素について制御プログラムから提供される所望の場所と、調和されてもよい。この調和により、機械の安全運転を強化することができる。例として、排出揺動台110の排出揺動台端部作動装置118に対するセンサーからの入力は、排出揺動台110に対するセンサーからの入力値に対して、及び排出揺動台110の位置について制御プログラムからの所望値と、参照されてもよい。適切に選定された時間枠内では入力値と制御プログラムが一致しない場合には、不一致源が同定されて修正できるまで、ロールハンドリング設備の進展が停止されてもよい。センサー応答時間の差に起因する不一致という誤った表示が発生するのを減少するために、入力と所望値の調和のための予め定められた時間窓が利用されてもよい。
【0052】
上述のセンサーは、特定の構成要素の運動に最も良く適するように構成されていてもよい。例として及び限定するものではないが、排出揺動台110は、そのそれぞれの位置の間の回転運動を有してもよく、それ故に、排出揺動台110の位置を決定するために、ロータリーエンコーダーが使用されてもよい。延長要素及びトロリーを含む要素の場所を提供するために、リニア位置センサーが使用されてもよい。一実施形態では、センサーは、特定構成要素の各極限位置だけに関連する位置表示を提供するために使用されてもよい。非限定的な例として、延長要素122が引込み位置123又は延長位置125にある時だけ、センサーが、ロール移送表面120の延長要素122の場所を提供してもよい。この実施形態では、センサーは、排出揺動台110がロール支持112及びロール放出位置114のそれぞれにあるのに対応する入力を提供してもよいが、それ以外の位置では提供しない。この実施形態ではまた、センサーは、トロリー400がロール装荷場所410又はロール巻き戻し場所420のいずれかに配置されている時、トロリー400の場所に対応する入力を提供してもよい。センサーは、ロール200を送出する工程、残部280を取り去る工程、トロリー400を変位させる工程、及びロール200を巻き戻す工程を自動的に順序化するように構成された制御器に、入力を提供してもよい。
【0053】
図1は、特定構成要素の位置を表示するセンサーの設置を示す。図によれば、延長要素端部作動装置位置センサー825が、延長要素端部作動装置129の姿勢を表示する。延長要素位置センサー820が、延長要素122の位置を表示する。ロール送出要素位置センサー850が、ロール送出要素130の位置を表示する。トロリー位置センサー830が、トロリー400の位置を表示する。
【0054】
図4は、排出揺動台、排出揺動台端部作動装置、及び係合要素119それぞれの表示を提供する、排出揺動台位置センサー810、排出揺動台端部作動装置センサー815、及び係合要素位置センサー840の代表的な配置を示す。
【0055】
追加センサー(図示せず)が、特定の場所におけるロールの存在、又は処理中若しくはハンドリング中のロールの直径などの、他の操作パラメータを表示するように設けられてもよい。そのようなセンサーの使用は、当該技術分野において周知であって、本明細書においてこれ以上説明しない。
【0056】
上述のセンサーは、1つ以上のプロセス制御器(図示せず)と通信してもよい。この通信は、センサー情報を制御器に通信するための当該技術分野において既知のいかなる手段によってもよい。通信手段の非限定的な例として、センサーの出力を制御回路の入力に線接続、センサーと制御器の間にワイヤレスリンクを設置、センサーと制御器の間に多重化信号リンクを設置などが挙げられる。
【0057】
1つ以上のディスプレイパネル(図示せず)が、装置操作に関するテキスト及びグラフィック情報を提供するように適合されてもよい。非限定的な例として、装置のグラフィック表示が設けられてもよい。グラフィック表示は、装置の各構成要素の場所についての実時間入力データ、及びまた関連するウェブ処理プロセスに関する情報を含んでもよい。当該技術分野において既知のような色変化及び点滅グラフィック要素の使用が、追加情報を機械操作者に提供するために採用されてもよい。非限定的な例として、トロリーがロール装荷場所からロール巻き戻し場所へ変位しているのを表示するために、点滅する緑色画像が使用されもよい。赤色グラフィックは、動いているべきであるのに又は制御プログラムにより指定されたある場所にあるべきであるのに、入力値による所望の状態にない構成要素、例えばトロリーを表示してもよい。
【0058】
ディスプレイパネルを全くではなくても正確には見ることができない距離から又は場所から装置の運転を決定できるようにするために、当該技術分野において既知の光のスタック(図示せず)が設けられてもよい。これらの光のスタックは、光の色及び操作の組み合わせを用いて、状況情報を伝達してもよい。連続的に光る緑色光は、正常な安全運転を表示するために使用されてもよい。点滅する緑色光は、装置が下流プロセスを待機していることを表示してもよい。点滅する赤色光は、装置の安全センサーが活性化したことを表示してもよい。この方法により、相当な量の情報が、効率的な方法でプロセスの操作者に提供可能である。
【0059】
実施例1:
紙ウェブ材料のペアレントロールをハンドリングするための装置であって、ペアレントロールが約254cm(100インチ)の直径を有する。ロール貯蔵場所において、短シャフトを有するコアプラグが、ロールコアの各端部に挿入される。ロールが、ロール貯蔵場所からトロリーのロール装荷場所の上の位置に運ばれる。操作者がトロリー上に支持されている残部の交換を望む時、トロリーが、ロール巻き戻し場所からロール装荷場所まで移送する。
【0060】
トロリーが移送する時、係合要素が、残部のコアプラグと係合する位置から引っ込む。コアプラグ内の押出し部が、係合要素のコアプラグからの係合解除を助ける。係合要素が引っ込むと、残部が、対の排出揺動台の上に降ろされる。
【0061】
係合要素が残部から離れたことを確実にするために、第一のセンサーが、係合要素の位置を検知する。第二のセンサーが、残部の直径を検知する。91.4cm(36インチ)より小さい直径の残部は、ロール移送表面に移されてもよい。その特定の装置の直径容量のために、より大きい残部は、ロール移送表面への移送を妨げられる。
【0062】
91.4cm(36インチ)より小さい直径の残部に対して、操作者が、排出揺動台端部作動装置を作動して、排出揺動台を変位させる。排出揺動台が、ロール支持位置からロール放出位置へ変わる。残部が、排出揺動台からロール移送表面へ移される。排出揺動台は、残部を放出した後、ロール支持位置へ変位して戻る。
【0063】
残部は、ロール移送表面に沿って、ロール停止体まで移送する。残部がロール停止体に到達した後、操作者が、延長要素端部作動装置を作動して、ロール移送表面の延長要素を延長させる。延長要素と残部は、ロール取り去り位置へ移送する。
【0064】
ロール送出要素が、新ロールを排出揺動台の中へ配置する。係合要素が移送して、ロールと係合し、ロールを排出揺動台の支持から持ち上げる。ロール送出要素は、次に、ロール取り去り位置へ進行して、残部を取り去る。延長要素が引っ込んで、トロリーがロール巻き戻し場所に変位する。ロール送出要素は、残部を残部ハンドリングステーションへ運び、次にロール貯蔵場所へ進行して別の新ロールをピックアップする。
【0065】
実施例2:
制御器から指令されると、ロール送出要素が、新ロールをロール貯蔵場所からピックアップする。ロール送出要素は、ロールをロール装荷ステーションの上の位置まで運ぶ。第一のセンサーが、ロール送出要素の位置を制御器へ連続的に入力する。ロールがロール装荷ステーションまで運ばれたことを第一センサーが表示する時、ロール送出要素の動作が停止する。
【0066】
中空コアを有する処理ロールが、トロリー上の対の排出揺動台に配置される。ロールコアが、ロールの側面から突き出る対のコアインサート短シャフトにより係合される。短シャフトは、ロールの軸回転中にロールを支持可能な対の引込み式軸受要素により、係合及び支持される。第二のセンサーが、排出揺動台の位置を制御器へ連続的に入力する。第三のセンサーが、引込み式軸受要素の位置を制御器へ連続的に入力する。処理ロールが巻き戻される時、ロールの直径が減少する。ロール直径センサーが、処理ロールの直径を決定する。処理ロールの直径が予め定められた閾値直径以下であると決定された後、処理ロールの巻き戻しが停止される。
【0067】
制御器から指令されると、トロリーが、ロール巻き戻しステーションからロール装荷ステーションへ変位する。トロリーの位置は、トロリー位置センサーから制御器へ連続的に入力される。トロリーの動作は、トロリーがロール装荷ステーションに置かれていることをトロリー位置センサーが表示する時に停止される。
【0068】
制御器が、コアインサートの短シャフトから軸受要素を引き込むように軸受要素端部作動装置に指令し、これは、軸受要素が軸受要素の引込み位置まで変位したと第三センサーからの入力が表示するまでとされる。軸受要素が引っ込むと、残部が、対の排出揺動台に降ろされ、これにより支持される。
【0069】
排出揺動台が、制御器に指令される排出揺動台端部作動装置の作動により、ロール支持位置からロール放出位置へ変位する。排出揺動台端部作動装置の作動は、排出揺動台がロール放出位置に到達したことを第二センサーが表示する時に停止される。ロールの残部が、排出揺動台からロール移送表面へ移される。排出揺動台検知ロールセンサーが、排出揺動台にロールがないと表示する入力を制御器へ提供する。制御器は、次に、排出揺動台端部作動装置へ出力を提供し、端部作動装置の動作を逆にして、排出揺動台をロール放出位置からロール支持位置に変位させる。
【0070】
残部は、下傾きのロール移送表面に沿って転がって、コアインサートの短シャフトと一線に並んだ対のロール停止体にて停止する。ロール停止体のロール検知センサーが、残部がロール停止体にあると表示する入力を制御器へ提供する。制御器が、延長要素を引込み位置から延長位置に変位させるように、延長要素端部作動装置に指令する。延長要素が延長位置に到達したことを延長要素位置センサーが表示する時、延長要素の動作が停止される。
【0071】
制御器が、新ロールを排出揺動台の中に配置するように、ロール送出要素に指令する。ロール送出要素は、新ロールをロール装荷ステーションの上の位置から排出揺動台の中へ降ろす。新ロールの存在が、排出揺動台のロール検知センサーにより検知される。ロール送出要素の下向き動作は、排出揺動台内のロールが検知された後、ロール送出要素のロール係合要素が新ロールのコアインサート短シャフトとの係合を解くまで、予め定められた時間で継続する。
【0072】
ロール送出要素は、制御器の指令により、ロール装荷ステーションからロール取り去り位置まで水平に変位する。ロール送出要素がロール取り去り位置にあるとロール送出要素位置センサーが制御器に表示すると、ロール送出要素のロール係合要素が上昇されて、残部に係合する。ロール係合要素は、予め定められた時間遅れが経過するまで、ロール係合要素がその移送の上限に到達したことをロール送出要素のロール係合要素位置センサーが表示するまで、又は残部が予め定められた場所にあるとロール送出要素のロール検知センサーが表示するまで、上昇を継続する。この動作が、残部をロール取り去り位置から取り去る。
【0073】
残部がロール取り去り位置から取り去られたことを、ロール停止体のロール検知センサーが制御器に表示する。ロール送出要素が残部を持ち上げてロール停止体を通過させる時間を提供するための予め定められた時間遅れの後、制御器は、延長要素を延長位置から引込み位置へ変位させるように延長要素端部作動装置に指令する。延長要素が引込み位置に到達したことを延長要素位置センサーが表示する時、その動作が停止される。
【0074】
延長要素が引込み位置に到達したことを延長要素位置センサーが表示した後、制御器は、トロリーにロール装荷ステーションからロール巻き戻し位置に変位するように指令する。トロリーがロール巻き戻し位置に到達したことをトロリー位置センサーが表示する時、トロリーの動作が停止される。
【0075】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0076】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。それ故に、添付の請求項は、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正に及ぶことを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の装置の一実施形態の概略側面図。
【図2A】本発明の一実施形態によって取り扱われるロールの概略斜視図。
【図2B】本発明の別の実施形態によって取り扱われるロールの概略斜視図。
【図3】本発明の一実施形態によるトロリーの概略平面図。
【図4】図3の断面線4−4に沿って見る、図3の概略断面図。
【図5A】本発明の一実施形態によるトロリー及びトロリーステーションの概略平面図。
【図5B】本発明の別の実施形態による2つのトロリー及びトロリーステーションの概略平面図。
【図5C】本発明の更に別の実施形態による多ロールトロリー及びトロリーステーションの概略平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のロールの残部を取り去り、次のロールを設置するためのロールハンドリング装置であって、前記次のロールが、Rの半径を有し;
a)ロール支持位置とロール放出位置の間を変位可能な排出揺動台と、
b)引込み位置から延長位置まで変位可能な延長要素を備えるロール移送表面と、前記ロール移送表面が、前記第一のロールの前記残部を前記排出揺動台から受取り可能であると共に前記残部を前記延長位置へ移送可能であり、
c)前記次のロールを前記排出揺動台の中に搬送可能及び設置可能であると共に前記残部を残部取り去り位置から取り去り可能であるロール送出要素と、
を備えることを特徴とするロールハンドリング装置。
【請求項2】
前記第一のロールの前記残部に解除可能に係合可能なロール係合要素を備える、請求項1に記載のロールハンドリング装置。
【請求項3】
前記残部が、押出し部を備える、請求項2に記載のロールハンドリング装置。
【請求項4】
ロール装荷位置とロール巻き戻し位置の間を変位可能なトロリーを備える、請求項1に記載のロールハンドリング装置。
【請求項5】
前記延長要素の前記引込み位置が、前記排出揺動台から前記半径R未満に配置され、かつ前記延長要素の前記延長位置が、前記排出揺動台から前記半径R超過に配置される、請求項1に記載のロールハンドリング装置。
【請求項6】
排出遥動台センサー、ロール送出要素センサー、延長要素センサー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置センサーを備える、請求項1に記載のロールハンドリング装置。
【請求項7】
前記延長要素を前記引込み位置と前記延長位置の間で変位可能な延長要素端部作動装置を備える、請求項1に記載のロールハンドリング装置。
【請求項8】
前記排出揺動台を前記ロール支持位置と前記ロール放出位置の間で変位可能な排出揺動台端部作動装置を備える、請求項1に記載のロールハンドリング装置。
【請求項9】
ロールハンドリング装置において:
a)ロールから巻き戻されたウェブ材料を受入れ可能なロール巻き戻しステーションと、前記ロールが、Rの当初半径を有し、
b)巻き戻されるロールを受取り可能なロール装荷ステーションと、
c)ロールの残部を残部取り去り位置から取り去り可能、ロールを前記ロール装荷ステーションに送出可能、及び前記ロールを排出揺動台の中に設置可能なロール送出要素と、
d)前記ロール巻き戻しステーションと前記ロール装荷ステーションの間を変位可能なトロリーと、前記トロリーが:
i)ロール支持位置とロール放出位置の間を変位可能な前記排出揺動台と、
ii)引込み位置から延長位置まで変位可能であると共に前記残部を前記排出揺動台 から受取り前記残部を前記延長位置へ移送可能であるロール輸送表面と、
を備え、
を備えることを特徴とするロールハンドリング装置。
【請求項10】
前記第一のロールの前記残部に解除可能に係合可能なロール係合要素を備える、請求項9に記載のロールハンドリング装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2007−523025(P2007−523025A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554349(P2006−554349)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/006400
【国際公開番号】WO2005/085107
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】