説明

ロール原紙の残量表示装置

【目的】 ロール原紙の残量を正確に知ることができ、しかも部品点数が少なくて構造が簡単であり、安価なロール原紙の残量表示装置を提供する。
【構成】 パルス発生手段がロール原紙の回転量を検知してパルス信号を出力すると、このパルス信号が表示手段に入力されて予め設定されたパルス数と比較され、発生パルス数が設定されたパルス数を超過した場合、それを表示してオペレータがこの表示を印刷機外において視認することにより、ロール原紙の残量を知るようになっている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロール原紙特に穿孔されて孔版印刷機に内蔵されて使用されるロール原紙の残量表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のロール原紙は、前記のように孔版印刷機に内蔵されているため、その使用に伴って変化する残量を外部から視認することができないので、それを知るためにはいちいちカバーを開閉しなければならないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこでこのような問題を解消するものとして、実開平2-95670号公報に開示されているようなものが提案されており、これは印刷機内に支持されたロール原紙の表面に圧接従動するレバーの変位に対応して、変位する表示部を印刷機の外部から視認できるように配置したものである。しかしながらこのようなものは、その部品点数が多く、構造が複雑であって高価であるという問題がある。
【0004】そこでこの発明の目的は、前記のような従来のロール原紙の残量表示装置のもつ問題を解消し、ロール原紙の残量を正確に表示し、部品点数が少なくて構造が簡単であり、安価なロール原紙の残量表示装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は前記のような目的を達成するために、請求項1の発明は、ロール原紙の回転量を検知してパルス信号を出力するパルス発生手段と、このパルス信号を入力してその数が予め設定された数を超えた場合、そのことを表示する表示手段とを具えていることを特徴とするものであり、請求項2の発明は、請求項1のロール原紙の残量表示装置において、ロール原紙の残量を段階的に表示するものである。
【0006】
【作用】前記のようなこの発明において、請求項1の発明では、ロール原紙が巻き出される際その回転量をパルス発生手段が検知してパルス信号を出力し、このパルス信号が表示手段に入力し、ここで予め設定されている残量に対応するパルス数と比較され、発生パルス数が設定された数を超過した場合、その信号を表示部に向けて出力して表示させ、オペレータがこの表示を印刷機外において視認することにより、ロール原紙の残量を知る。この場合請求項2の発明では、ロール原紙の残量を段階的に表示して、ロール原紙の残量からどれくらいで無くなるかを予測する。
【0007】
【実施例】この発明の第1実施例を示す図1〜4において、1は多数のインキ透過孔が設けられた円筒状版胴、2は版胴1の外周に設けられたクランパ、3はロール原紙であって、このロール原紙3は図2,3に示すように機体28に設けられたホルダ21に、回転可能に保持されたフランジ20にそのロール心25が一体的に回転するように嵌合して保持され、フランジ20の外表面には複数の反射シート23が放射状に取付けられており、この反射シート23に対向した位置において、機体28に反射シート23を検知してパルス信号を出力する反射光センサ22が設けられている。4は製版用サーマルヘッドであって、これに対向してプラテンローラ5が設けられており、6,7はロール原紙3の送りローラ、8はロール原紙3のカッタ、9は排版ローラ、10は排版ボックス、11は給紙ローラ、12は分離ローラ、13はレジストローラ、14はプレスローラ、15は排紙ベルト、16は剥離爪、17は排紙台、18は給紙台、19は用紙をそれぞれ示す。図4には表示手段が示されており、この表示手段はセンサ22からのパルス信号を入力し、このパルス信号の数が予め設定された数を超えた場合、信号を出力するCPU29と、このCPU29にドライバ32を介して接続され、CPU29からの出力信号を表示する表示手段30と、CPU29に接続されたROM31とを具えている。
【0008】前記のものにおいて、版胴1は図示されていないモータによって反時計方向に回転し、排版ローラ9によって使用済み原紙が剥ぎ取られて排版ボックス10に廃棄されて停止する。ついで給版信号によって、プラテンローラ5が図示しないステッピングモータによって一定速度で駆動され、ロール原紙3をサーマルヘッド4に押圧しながら回転し、図示しない読み取り部の信号によって、ロール原紙3を穿孔しながら送りローラ7,8によってクランパ2に搬送し、クランパ2が閉じて版胴1が反時計方向に回転し、ロール原紙3を版胴1に巻装し、カッタ8によって適当な長さに切断されて給版が終了する。そしてクランパ2が閉じて版胴1が反時計方向に回転し、ついで給紙信号によって用紙19が給紙台18上から給紙ローラ11,分離ローラ12,分離ころ24によって1枚ずつ給送され、レジストローラ13によってタイミングが取られて、プレスローラ14と原紙との間に搬送され、プレスローラ14によって原紙に押圧されて印刷され、その後剥離爪16によって剥離されて排紙台17に排出される。前記においてロール原紙3が巻きだされる際ホルダ21のフランジ20が回転し、このフランジ20の回転によって移動する反射シート23によって、反射光センサ22がパルス信号を出力し、このパルス信号がCPU29に入力し、前記給版信号をトリガにしてCPU29がこのパルス信号の数をカウントする。この場合印刷作業が進展して製版数が多くなるにつれて、ロール原紙3の直径が減少して回転が早くなり、図6に示すようにパルス数が増加するので、単位時間当たりの発生パルス数からロール原紙3の直径すなわちロール原紙3の残量を算出することができるので、予めある残量になった場合のパルス数をCPU29に設定しておいて、これと発生パルス数とを比較して、発生パルス数が設定された数を超過した場合、その信号を表示部30に向けて出力して表示させ、オペレータがこの表示を印刷機外において視認することにより、ロール原紙3の残量を知ることとなる。この場合設定するパルス数を複数にすることにより、残量を段階的に表示して、ロール原紙3の残量からどれくらいで無くなるかを予測することができて、その補充時期を適切に知ることができる。
【0009】図7,8に示す第2実施例は、反射シート23及び反射光センサ22の代わりに、スリット28及び透過光センサ26を設けた以外は第1実施例と、また図9,10に示す第3実施例は、反射シート23及びスリット28を設けることなく、反射光センサ22及び透過光センサ26の代わりにエンコーダからなるセンサ27を設けた以外は第1,2実施例と、作用を含めて異なるところがない。
【0010】
【発明の効果】この発明は前記のようであって、請求項1の発明は、パルス発生手段がロール原紙の回転量を検知してパルス信号を出力すると、このパルス信号が表示手段に入力されて予め設定されたパルス数と比較され、発生パルス数が設定されたパルス数を超過した場合、それを表示してオペレータが、この表示をロール原紙が装着されている印刷機等の外部において視認することにより、ロール原紙の残量を知るようになっているので、印刷機等のカバーをいちいち開閉することなく、該残量を正確に知ることができ、しかも部品点数が少なくて構造が簡単であり、安価であるという効果がある。請求項2の発明は、請求項1のロール原紙の残量表示装置において、ロール原紙の残量を段階的に表示するようになっているので、さらにロール原紙の残量からどれくらいで無くなるかを予測することができて、その補充時期を適切に知ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の概略正面図である。
【図2】同上の要部の正面図である。
【図3】同上の一部縦断側正面図である。
【図4】同上の表示手段の回路図である。
【図5】同上の作動説明図である。
【図6】同上のロール原紙径とパルス数との相関図である。
【図7】この発明の第2実施例の要部の正面図である。
【図8】同上の平面図である。
【図9】この発明の第2実施例の要部の正面図である。
【図10】同上の平面図である。
【符号の説明】
1 版胴
3 ロール原紙
20 ホルダ
21 反射光センサ
23 反射シート
26 透過光センサ
27 エンコーダ
28 スリット
29 CPU
30 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロール原紙の回転量を検知してパルス信号を出力するパルス発生手段と、このパルス信号を入力してその数が予め設定された数を超えた場合、そのことを表示する表示手段とを具えていることを特徴とするロール原紙の残量表示装置。
【請求項2】 ロール原紙の残量を段階的に表示する請求項1のロール原紙の残量表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開平5−147341
【公開日】平成5年(1993)6月15日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−316072
【出願日】平成3年(1991)11月29日
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)