説明

ロール残紙巻戻し除去装置

【課題】紙ロール体の残紙を高速で効率よく、しかも格別に労力を要することなく軽作業で容易に分離・除去できるようにする。
【解決手段】紙ロール体5をその軸方向が水平となるようにフリーローラ4a〜4d上に回転自在に支持する支持機構4と、該紙ロール体の外周面に駆動ローラ12を当接させることで該紙ロール体の残紙5aが巻き戻される方向に該紙ロール体を回転動させる回転駆動機構13と、丸棒18とからなり、該丸棒を紙ロール体の周面と該紙ロール体から巻き戻される残紙とに接するように配置することにより、残紙が該紙ロール体から常にスムースに離間し前方に繰り出されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙管等の芯部材に巻回された紙ロール体の残紙を巻き戻し、該残紙を芯部材から分離・除去するためのロール残紙巻戻し除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙管等の芯部材にロール状に巻回された紙(以下、紙ロール体という)を、例えば印刷に使用した後、残った紙を処分するに際し、従来では幾重にも重なった該残紙に手作業によりカッターで切れ目を入れて、該残紙を芯部材から分離・除去し、該残紙は故紙資源として再利用し、芯部材は再使用するようにしている。しかしこのような手作業による残紙の分離・除去には、多くの労力を要するものであり、作業者の肩を痛め易いなどの問題があった。
【0003】
一方、下記特許文献1には上記作業を機械化するコア残紙除去装置が示され、同装置は、紙ロール体の巻き戻し残紙の端部を多数の針部材からなるロールによってつかみ得るようにし、残紙を紙ロール体から引っ張り出す構成であった。
【特許文献1】特開平6−191698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に示されたコア残紙除去装置では、残紙の端部をつかむための特別のロールを成形しなければならないなど、構成が複雑にならざるを得ず、従って製造コストも高くならざるを得ないものであった。
そこで本発明は、構成が簡単であるので低コストで提供できると共に、高速で巻き戻しても残紙をトラブルなく分離・除去できるロール残紙巻戻し除去装置しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために本発明のロール残紙巻戻し除去装置は、紙ロール体をその軸方向が水平となるようにフリーローラ上に回転自在に支持する支持機構と、該紙ロール体の外周面に駆動ローラを当接させることで該紙ロール体の残紙が巻き戻される方向に該紙ロール体を回転動させる回転駆動機構と、丸棒とからなり、該丸棒が紙ロール体の周面と該紙ロール体から巻き戻される残紙とに接するように配置することにより該紙ロール体から残紙が離間し前方に繰り出されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のロール残紙巻戻し除去装置によれば、紙ロール体から残紙を高速で、効率よく、しかも格別に労力を要することなく、軽作業で容易に、分離・除去することができる。また、本発明のロール残紙巻戻し除去装置は、構造が簡単であり、従来の装置のように残紙の端部をつかむための特別のロールを要しないので、低コストで製造することできると共に、故障のおそれもなく常にスムースに作動する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は本発明に係るロール残紙巻戻し除去装置の使用状態を示した斜視図、図2はその平面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図である。この装置はスタンド1の支柱2上に平面H形の枠体3が水平に支持され、該枠体上に一対のフリーローラ4a,4bと一対のフリーローラ4c,4dを適宜間隔を置いて設けることでロール体支持機構4を構成し、該フリーローラ上に紙ロール体5がその軸方向を水平として回転自在に支持されるようにしている。また、該枠体3の両側縁より水平軸6a,6bを突設し、該水平軸に上方に起立するストッパ7a,7bを形成し、該ストッパに紙ロール体5の両端面が接するようにすることで、該紙ロール体が軸方向に無用に移動することのないようにしている。また、支柱2の上端部にアーム8を支軸9を介して連結することにより、該アーム8を図3に矢印で示したように前方に屈折可能に設け、該アームの先端に固着された組付カバー10中にモータ11と該モータにより回転する駆動ローラ12とからなる回転駆動機構13を設けている。なお、14は組付カバー10の外側面に突設された把手である。このため、該回転駆動機構13を把手14を持って前方に屈折させ、駆動ローラ12を紙ロール体5の外周面に当接させることにより該回転駆動機構の重力で該駆動ローラ12が紙ロール体5の外周面に圧接し、モータ11を駆動し駆動ローラ12を矢印で示した方向に回転させることで、該紙ロール体5をその残紙5aが巻き戻される方向に回転動することができる。なお、5bは紙管等からなる該紙ロール体5の芯部材である。
【0008】
また、15は枠体3の前縁部に残紙5aをガイドするために固設された横断面ヘ字形のエプロン板である。また、前記水平軸6a,6bの先端部に軸状の支持部材16a,16bがそれぞれ斜め前方に向けて傾斜状なるように形成される。そして、該支持部材16a,16b上に直線状の丸棒18の両端部を載置し得るようにしている。なお、支持部材16a,16bの先端部は少し上向きに湾曲されていると共に該先端部の外側面に丸棒18が該支持部材16a,16b上から横ずれしないようにするために当板17a,17bが固着されている。なお、丸棒18は直径10mm程度であって鉄等の重い材料により形成されたものである。
【0009】
このように構成したロール残紙巻戻し除去装置は、上記のように紙ロール体5を矢印の方向に回転動させ残紙5aを巻き戻す際に、丸棒18を紙ロール体5の周面と残紙5aとに接するように配置し、該丸棒18の両端部が前記支持部材16a,16b上に支持されるようにする。このため、該丸棒18は常に紙ロール体5と残紙5aとの間に介在し、紙ロール体5から残紙5aが離間し得るようになる。即ち、紙ロール体5を高速で回転動させた場合、或いは静電気等により、残紙5aが紙ロール体5の周面から離れ難くなり供回りしてしまうおそれがあるが、丸棒18が介在することにより、残紙5aを確実に離間させ、該残紙5aをエプロン板15の上面に沿って前方に常にスムースに繰り出させることができる。また、該丸棒18は自重によりこの位置をキープするので、紙ロール体5の巻き戻しにより該紙ロール体5の外径が変化しても常に該紙ロール体5と巻き戻された残紙5aとの間に介入して、該残紙5aを離間させられる。このため、丸棒18は鉄のような重たい材料でできているほうがこの位置をキープし易く、浮き上がり等のトラブルなく残紙5aをより高速で分離させることが可能となる。
【0010】
このように、本発明のロール残紙巻戻し除去装置によれば、紙ロール体から残紙を高速で、効率よく、しかも格別に労力を要することなく、軽作業で容易に、分離・除去することができる。また、このロール残紙巻戻し除去装置は、構造が簡単であり、従来の装置のように残紙の端部をつかむための特別のロールを要しないので、低コストで製造することできると共に、故障のおそれもなく常にスムースに作動する。従って、紙資源のリサイクルを促進させる有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るロール残紙巻戻し除去装置の使用状態を示した斜視図。
【図2】本発明に係るロール残紙巻戻し除去装置の使用状態を示した平面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】図2のB−B線断面図。
【符号の説明】
【0012】
4 支持機構
4a〜4d フリーローラ
5 紙ロール体
5a 残紙
5b 芯部材
8 アーム
11 モータ
12 駆動ローラ
13 回転駆動機構
15 エプロン板
16a,16b 支持部材
18 丸棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙ロール体をその軸方向が水平となるようにフリーローラ上に回転自在に支持する支持機構と、該紙ロール体の外周面に駆動ローラを当接させることで該紙ロール体の残紙が巻き戻される方向に該紙ロール体を回転動させる回転駆動機構と、丸棒とからなり、該丸棒を紙ロール体の周面と該紙ロール体から巻き戻される残紙とに接するように配置することにより、該紙ロール体から残紙が離間し前方に繰り出されるようにしたことを特徴とするロール残紙巻戻し除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−230747(P2008−230747A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71348(P2007−71348)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(507089595)JP資源株式会社 (1)
【Fターム(参考)】