説明

ロール紙

【課題】 糊やテープ等で巻先端を固定させたロール紙では接着部分が破れることが多く、また固定用の接着剤による印字の不良を起したり、口−ル紙の送行の途中で貼り付いて停止することがある。
【解決手段】本発明は、ロール紙の先端部分にロール紙の外周をほぼ一周する長さに注意を引きやすい色のマークの印刷を行い、先端まで巻いた状態で先端部をテープ又は糊付により固定したことを特徴とするロール紙を実現することにより問題を解決したものである

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロール紙の巻先端の固定に関するものである。
本発明はロール紙は、ロール紙の巻先端を固定したテープ、糊付などによる印字のトラブルが発生するのを防止するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
ハンディターミナルやファクシミリその他の各種の事務機器では、ドットプリンタやサーマルプリンタなどで領収書、配送控え票、物流管理票など各種帳票の紙面印字にロール紙が広く使用されておりその用途は拡大しつつある。
このようなロール紙は、販売や流通の過程で巻先端の外側がほどけないような処置が施されている。
特開2002−68603、特開平10−203057などに記載されているようにロール紙の巻先端の固定にリングやテープ、のり、紙巻止めを使用することが多い。なかでも比較的安価で簡便なテープを使用するケースが圧倒的に多い。
【0003】
【特許文献1】特開2002−68603 号公報
【特許文献2】特開平10−203057 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
糊で巻先端を接着したロール紙では、図3の(a)に示すようにロール紙を使用する際には巻先端の固定を外さなければならないが、このときに糊で巻先端を接着したロール紙では、接着部分が破れることが多い。ロール紙の接着部分が破れると、その記録紙が印刷入りの場合には最初の1乃至2シートは使用できなくなる。
又、粘着性のテープやタックラベル等で巻先端を固定させたロール紙では、図3の(b)に示すように固定用の接着剤が用紙に残っている場合が多い。
巻先端の固定がうまく外れてロール紙に破れが発生しない場合にも、巻先端を固定していた接着剤がロール紙の表面に残っていると、プリントの際にプリンタのフィードローラや印字ヘッドに接着剤が転移して印字の不良を起こしたり、最悪の場合には口−ル紙の送行の途中で貼り付いて停止することがある。
更に、再剥離可能なテープや糊は一時的な処置としては問題ないこともあるが、使用者側が長期間保管してしまうと結局、若干粘着物が付着してしまう課題が発生している。
【0005】
このような問題を避けるために、リングや紙巻止めを使用してプリンタ内部(ヘッドや用紙搬送ガイドなど)が粘着物などによる汚れが発生しないように考慮した方法がとられているが、課題として高価であり、循環型のインフラ整備が容易ではない、回収(リユース)費用などの問題がある。
このため、使用者は安価なテープや糊で先端を固定した口−ル紙を選択することが多い。プリンターメーカーはテープや糊の固定箇所を使用しないように取扱いマニュアルやプリンタ仕様書などに記載している。又、口−ル紙のメーカーは、用紙幅の片端または両端に使用しない意味で赤マークを印刷などで表示することも行っている場合がある。
しかし、使用者側は説明された人だけがその目的を理解していることが多く、実際にプリンタ印字をおこなっている大多数の担当者は赤マークが両端にあっても印字を行い使用しているのが実態である
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ロール紙の先端部分にロール紙の外周をほぼ一周する長さに注意を引きやすい色のマークの印刷を行い、先端まで巻いた状態で先端部をテープ又は糊付により固定したロール紙を実現することにより問題を解決したものである。
本発明のロール紙は、ロール紙のテープ、糊止めがされた箇所に注意を引きやすい色のマークの表示を行い、粘着物が付着した箇所を含まない所から印字が開始されるように歯止めしたものである。赤マークを印刷などで表示することで印字したい文字にかかってしまうと人間は心理的に使用できない(印字禁止)と判断し必然的に粘着物が付着した箇所が使用されることを抑えることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のロール紙は、ロール紙中央を含む箇所に赤マーク表示されているため、誰が印字サンプル発行作業してもこの赤マークを含むような発行は避けられるようになる。また、このような単純な赤マーク表示にすることでロール紙供給側も図柄が簡素化され、作業効率も格段に良くなった。
本発明によりプリンタ内部(ヘッドや用紙搬送ガイドなど)への粘着物付着が無くなり、粘着物付着によるプリンタのメンテナンス費用が発生せず、ヘッド汚れによる印字障害が発生しなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明のロール紙の構成の一例を示す説明図である。
図1において、(a)は本発明のロール紙の先端の部分の状態を示す説明図で(b)は本発明のロール紙の先端が固定される前の状態を示す説明図、(c)は先端が固定された状態の本発明のロール紙を示す説明である。
図1の(a)(b)(c)において、10はロール紙である。20はロール紙10の先端を固定するテープである。31.32.33は、ロール紙10の先端部分に印刷された赤色のマークである。赤色のマーク31.32.33は、図1の(a)に示すように、一定の間隔を置いて平行にストライプ状にロール紙10の外周をほぼ一周する長さLに印刷されている。
【0009】
約1周(外周)の長さに赤マークの印刷31.32.33による表示がなされているため、図1の(b)に示すようにロール紙10が先端まで巻かれると、ロール紙10の外周全体が赤色のマーク31.32.33のストライプによりカバーされた状態になる。
このような状態で、図1の(c)に示すようにロール紙10の先端をテープ20で固定することにより、テープ20はロール紙10の外周全体が赤色のマーク31.32.33の部分に接着される。
ロール紙10に印字を行う場合には、ロール紙10をプリンタにセットし、先端部分を引き出して、赤色のマーク31.32.33の無い所から印字か開始されるように印刷開始位置の設定を行うことにより、常に粘着物が付着した箇所を含まない所から印刷が開始される。
【0010】
ロール紙10の赤色のマーク31.32.33は、誰が印字サンプル発行作業してもこの赤マークを含むような発行は避けられるように歯止めしたものである。なぜなら、赤マークを印刷などで表示することで印字したい文字にかかってしまうと人間は心理的に使用できないと判断し必然的に粘着物が付着した箇所が使用されることを抑えることができるからである。
粘着物が付着した箇所を含まない所から印字か開始されるように印刷開始位置の設定を行うことにより、プリンタ内部(ヘッドや用紙搬送ガイドなど)への粘着物付着が無くなり、粘着物付着によるプリンタのメンテナンス費用が発生せず、ヘッド汚れによる印字障害の発生が防止できる。
【0011】
図2は本発明のロール紙の構成の他の実施例を示す説明図である。
図2において、(a)は本発明のロール紙の先端の部分の状態を示す説明図で(b)は本発明のったロール紙の先端が固定される前の状態を示す説明図、(c)は先端が固定された状態の本発明のロール紙を示す説明である。
図2の(a)(b)(c)において、図1と同一の部分には同一の符号を付けてその説明を省略する。
図2において、30はロール紙10の先端部分の全面に印刷された赤色のマークである。赤色のマーク30は、べた印刷で図2の(a)に示すように、ほぼロール紙10の外周を一周する長さLに印刷されている。
約1周(外周)の中央を含むように赤マークのべた印刷30による表示がなされているため、図2の(b)に示すようにロール紙10が先端まで巻かれると、ロール紙10の外周全体が赤色のマーク30によりカバーされた状態になる。
【0012】
このような状態で、図2の(c)に示すようにロール紙10の先端をテープ20により固定することにより、テープ20はロール紙10の外周全体が赤色のマーク30の部分に接着される。
ロール紙10に印字を行う場合には、図1の実施例と同様に、ロール紙10をプリンターにセットし、粘着物が付着した箇所を含まない所から印字が開始されるように印刷開始位置の設定を行う。
尚、上記の実施例の説明では、ロール紙10の先端部分に印刷されるマークの色が赤色の例について説明したが、ロール紙10の先端部分に印刷されるマークの色は赤色に限定されるものではなく、青、黒等の注意を引きやすい任意の色を使用することが可能である。
【0013】
又、上記の実施例の説明では、ロール紙を固定する方法にテープを使用する例について説明したが、ロール紙を固定する方法ははテープにに限定されるものではなく、再剥離可能な糊を使用することが可能である。
以上の説明より明らかなように、本発明のロール紙は、ロール紙中央を含む箇所に赤マーク表示されているため、誰が印字サンプル発行作業してもこの赤マークを含むような発行は避けられるようになる。また、このような単純な赤マーク表示にすることでロール紙供給側も図柄が簡素化され、作業効率も格段に良くなった。
プリンタ内部(ヘッドや用紙搬送ガイドなど)への粘着物付着が無くなり、粘着物付着によるプリンタのメンテナンス費用が発生せず、ヘッド汚れによる印字障害が発生しなくなった。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、ハンディターミナルやファクシミリその他の各種の事務機器のドットプリンタやサーマルプリンタなどで領収書、配送控え票、物流管理票など各種帳票の紙面印字を行っている業務で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のロール紙の構成の一例を示す説明図である。
【図2】本発明のロール紙の構成の他の実施例を示す説明図である。
【図3】従来のロール紙の巻先端固定方法の説明図である。
【符号の説明】
【0016】
10・・・ロール紙
20・・・ロール紙の先端を固定するテープ
30.31.32.33・・・ロール紙の先端部分に印刷されたマーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙の先端部分にロール紙の外周をほぼ一周する長さに、注意を引きやすい色のマークの印刷を行い、先端まで巻いた状態で先端部をテープ又は糊付により固定したことを特徴とするロール紙。
【請求項2】
請求項1において、注意を引きやすい色のマークは、赤色のストライプであることを特徴とするロール紙。
【請求項3】
請求項1において、注意を引きやすい色のマークは、赤色のべた印刷であることを特徴とするロール紙。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−125807(P2010−125807A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305910(P2008−305910)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(391013863)国際チャート株式会社 (20)