説明

ワックスコーティング剤、コーティング物を製造する方法および該方法から製造されたコーティング物

無機鉱物充填材を含有するワックスコーティング組成物を使用した、紙用のバリアコーティングおよび該コーティング紙を製造する方法が提供される。無機鉱物充填材は、該ワックスコーティング組成物に、無機鉱物充填材が存在しない状態のワックスコーティング組成物の粘性と同様の粘性を与える。コーティングされた紙製品も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、板紙、および段ボール紙容器のような紙製品に耐湿性を提供するコーティング剤、より具体的には防湿バリア特性を有するワックスコーティングされた紙製品に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2007年7月16日に出願された「Wax Coating Mixtures」と題するウー(Wuu)の米国仮特許出願シリアル番号第60/950,043号の優先権を主張するものであり、前記出願は参照により本願に組込まれる。
【0003】
コーティング組成物は、紙製品および板紙製品の防湿バリアコーティング剤として一般に使用される。湿気を含む食品、水分の多い食品、または脂肪の多い食品のための防湿性のラッピング材または包装(パッケージング)材は、典型的には紙製品に施された防湿バリアコーティングを含んでなる。これらの耐湿性のラッピング材または包装材は、鶏肉、魚、食肉および冷蔵食品のような新鮮な生鮮食品を、輸送かつ保管するために使用される。
【0004】
市販のバリアコーティング剤の例には、溶剤系コーティング剤、水性コーティング剤、樹脂性コーティング剤、粉体コーティング剤および放射線硬化性コーティング剤が挙げられる。典型的には、バリアコーティング剤は、ポリエチレンワックス、脂肪酸、界面活性剤、分散剤、結合剤、または顔料のうち少なくともいずれかのような追加成分を含むことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より低コストであり、塗布および調製がより容易であると同時に、バリア性ならびに既存のコーティングおよび容器製造設備への適合性を維持しているバリアコーティング剤が、依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記およびその他の必要性に対応するのが、本発明の様々な実施形態および構成である。本発明は一般に、ワックスコーティング剤、ならびにコーティング物を製造する方法および該方法から製造されたコーティング物に関する。
【0007】
本発明の1つの態様は、ワックスと無機の疎水性鉱物充填材とを含んでなるコーティング組成物である。1つの実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約5重量%〜約90重量%を構成する。好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約5重量%〜約60重量%を構成する。本発明のさらに好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約30重量%を構成する。別の好ましい実施形態では、コーティング組成物は、23℃および相対湿度50%で測定される場合に、約50g/m/24時間より低い水蒸気透過速度を有する。
【0008】
コーティング組成物の疎水性鉱物充填材は、粘土、炭酸カルシウム、ドロマイト、雲母、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、タルク、アルカリ土類金属アルミノケイ酸塩、フィロケイ酸塩鉱物、およびこれらの混合物から成る群から選択することができる。本発明の1つの好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材はタルクを含んでなる。
【0009】
1つの実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材は、無機の親水性材料の表面処理、バルク処理または配合のうちの1つによって形成される。
別の好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材は粒子を含んでなる。より好ましい実施形態では、無機の疎水性粒子のうち少なくとも50重量%は、約45μm未満の粒径を有する。別の好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材は水接触角を有する。無機鉱物充填材の好ましい水接触角は少なくとも約90°であり、より好ましい接触角は少なくとも120°である。さらに別の好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材は約45重量%未満の含水量を有する。
【0010】
コーティング組成物のワックスは、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、半結晶性ワックス、石油ワックス、化学修飾されたワックス、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、直鎖飽和n−アルカン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、n−アルカン飽和炭化水素、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス混合物、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリメチレンワックス、化学修飾されたワックス、重合α−オレフィンワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックス、ポリエチレンモノアルコールワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックスおよびポリエチレンモノアルコールワックス混合物、パラフィンワックスであって付加物形成、クラッキング反応、および遊離基反応によって化学修飾されたもの、ならびにこれらの混合物から成る群から選択することができる。
【0011】
本発明の別の態様は、基材およびコーティング組成物からなるコーティング物である。好ましい実施形態では、該コーティング物の無機の疎水性鉱物充填材はタルクである。
好ましい実施形態では、基材は、紙、板紙、織物材料、不織材料、超光沢クラフト紙、粘土でコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンでコーティングされたクラフト紙、段ボール、およびセルロース化合物含有材料から成る群から選択することができる繊維質の基材であってよい。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、基材の少なくとも1つの表面にコーティング組成物を塗布することを含んでなる、コーティング物を製造する方法である。好ましい実施形態では、該コーティング物の無機の疎水性鉱物充填材はタルクである。
【0013】
コーティング物の基材は、紙、板紙、織物材料、不織材料、超光沢クラフト紙、粘土でコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンでコーティングされたクラフト紙、段ボール、およびセルロース化合物含有材料から成る群から選択することができる。
【0014】
コーティング物を製造する際には、塗布工程は、カーテンコーティング、ローラーコーティング、ロッドコーティング、カスケードコーティング、吹付コーティング、含浸コーティング、浸漬コーティング、浸潤コーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、押出コーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、パッド印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、および輪転グラビア印刷から成る群から選択することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の1つの態様は、バリア性を有するコーティング組成物である。1つの実施形態では、コーティング組成物はワックスと無機の疎水性鉱物充填材とを含んでなる。別の実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材のワックス中における分散物(または懸濁物のうち少なくともいずれか一方)は、乳化剤、界面活性剤または分散剤の非存在下で形成される。無機の疎水性鉱物は一般に(1)ワックス中に分散または懸濁させると化学的または物理的に安定であること;(2)ワックス中に容易に混合、分散または懸濁されること;および(3)溶融ワックスの粘弾性特性を維持すること、すなわち、無機の疎水性鉱物充填材を含んだ溶融ワックスの粘性は、溶融ワックスの粘性の約1〜約100倍程度の範囲内を維持すること、が見出されている。該コーティング組成物は防湿バリア特性を有し、低コストで容易に生産される。無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物のバリア性および加工特性を維持しながら原料費を縮小する。
【0016】
コーティング組成物の1つの成分はワックスである。ワックスという用語は、一般に約45℃を超える融点、通常の周囲温度における展性、比較的低い水溶性、および溶融時の比較的低い粘性を有する任意の疎水性材料を意味する。いかなる理論にも拘束されることは望まないが、ワックスは約1Pa・s(約1,000センチポアズ)未満の溶融粘性を有する。好ましくは、ワックスは約0.5Pa・s(約500センチポアズ)未満の溶融粘性を有する。本発明で用いるのに有用な典型的なワックスには、種々様々のワックスおよび樹脂組成物が挙げられる。適切なワックスの非限定的な例には、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、半結晶性ワックス、石油ワックス、化学修飾されたワックス、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックスまたはこれらの混合物が挙げられる。
【0017】
マイクロクリスタリンワックスは別のタイプのワックスである。マイクロクリスタリンワックスは典型的にはイソパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、およびn−アルカン飽和炭化水素を含んでなる。マイクロクリスタリンワックスは、典型的には約54℃〜約99℃の融点および99℃で約0.008〜約0.025Pa・s(約8〜約25センチポアズ)の溶融粘性を有する。マイクロクリスタリンワックスは約0.5重量%〜約12重量%の含油率を有する。
【0018】
パラフィンワックスは、典型的には約75重量%〜約100重量%のn−アルカン直鎖飽和C20−〜C40−炭化水素を含んでなる。パラフィンワックスは一般に、約280ダルトン〜約560ダルトンの分子量、典型的には約43℃〜約77℃の融点、99℃で一般に約0.002〜約0.01Pa・s(約2〜約10センチポアズ)の溶融粘性を有し、かつ典型的には約0.5重量%未満の油分を含有する。
【0019】
ワックスはさらに合成ワックスも含み、合成ワックスには一般に、限定するものではないが、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリメチレンワックス、化学修飾されたワックス、および重合α−オレフィンワックスが挙げられる。
【0020】
半結晶性ワックスの例には、限定するものではないが、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックス、ポリエチレンモノアルコールワックス、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
石油ワックスはさらに別のタイプのワックスである。石油ワックスは、パラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスとの混合物を含む。
化学修飾されたワックスには、典型的には、例えば付加物形成、クラッキング反応、または遊離基反応のうち少なくともいずれかのような化学反応を生じたパラフィンワックスが挙げられる。
【0022】
当然ながら、ワックスと無機の疎水性鉱物充填材とを含んでなるコーティング組成物は、上述のワックスのうち2以上のワックスの組み合わせを含むことも可能である。
コーティング組成物の別の成分は無機の疎水性鉱物充填材である。本明細書中で使用されるように、無機の疎水性鉱物充填材は、典型的には、ワックス中に混合、分散および/または懸濁された粒子状物質である。鉱物充填材の疎水性の性質から、同材がワックスとよく混合し、均一な粘稠度および外観を有するコーティング剤を形成することが可能となる。鉱物充填材の疎水性の性質は、一部の実施形態では少なくとも約90°の水接触角を有することを特徴とすることができる。好ましくは、無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約100°の水接触角を有し、より好ましくは、水接触角は少なくとも約120°である。
【0023】
いくつかの実施形態における疎水性鉱物充填材の別の特徴は、無機の疎水性無機質充填材のうち少なくとも約50重量%が約45μm未満の粒径を有するということである。好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材のうち少なくとも約80重量%が約45μm未満の粒径を有する。別の実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材のうち少なくとも約50重量%が約75μm未満の粒径を有し、好ましくは無機の疎水性鉱物充填材のうち少なくとも約80重量%が約75μm未満の粒径を有する。疎水性鉱物充填材が前述の特徴に適合することは、大きな粒子が比較的少ないことから粘稠度および外観が均一なコーティング組成物を提供する助けとなる可能性がある。さらに、いくつかの実例において、前述の制約範囲内では、より粒径の小さい粒子は一般に少量であることが好ましいことが認められている。粒径の小さい粒子は一般に、粒径の大きい粒子よりもコーティング組成物の粘性を増大させる。言い換えれば、約45μm未満の粒径を有する無機の疎水性鉱物充填材のうち80重量%は、典型的には粒径の小さい粒子より粒径の大きい粒子をより多く包含するガウス分布の粒度を有することが好ましい。典型的には、無機の疎水性鉱物充填材の粒子のうち少なくとも約80重量%が約45μm未満の粒径を有している様々な粒径の混合物は、溶融ワックス中における無機の疎水性充填材の分散または懸濁のうち少なくともいずれか一方を行うのに好適な、粒径の小さい粒子および大きい粒子の統計的分布を有することが見出されている。
【0024】
さらに、無機の疎水性鉱物充填材の含水量は、熱い溶融ワックス中における無機の疎水性鉱物充填材の分散性または懸濁性のうち少なくともいずれか一方に影響する可能性があることも見出されている。一般に、無機の疎水性鉱物材料の含水量が大きいほど、無機の疎水性鉱物充填材は溶融ワックス中において分散または懸濁しにくくなる。好ましくは、無機の疎水性鉱物充填材の含水量は約45重量%未満である。より好ましくは、無機の疎水性鉱物充填材の含水量は約20重量%未満である。
【0025】
様々な実施形態において、無機の疎水性鉱物充填材は、天然の状態において無機の疎水性かつ/または親水性鉱物のうち少なくともいずれか一方を含んでなる。適切な無機の疎水性かつ/または親水性鉱物の例には、限定するものではないが、粘土、炭酸カルシウム、ドロマイト、雲母、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、タルク、アルカリ土類金属アルミノケイ酸塩、フィロケイ酸塩鉱物、およびこれらの混合物が挙げられる。フィロケイ酸塩鉱物には、限定するものではないが、アンチゴライト[MgSi(OH)]、クリソタイル[MgSi(OH)]、リザルダイト[MgSi(OH)]、カオリナイト[AlSi(OH)]、タルク[MgSi10(OH)]、パイロフィライト[AlSi10(OH)]、白雲母[KAl(AlSi10)(OH)]、金雲母[KMgSi10(OH)]、黒雲母[K(Mg,Fe)(AlSi10)(OH)、]、レピドライト[K(Li,Al)2−3(AlSi10)(OH)]、マーガライト[CaAl(AlSi10)(OH)]、または緑泥石[(Mg,Fe)(Si、Al)10(OH)・(Mg,Fe)(OH)]、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
好ましい実施形態では、無機鉱物充填材はタルクであり、より好ましい実施形態では、タルクは疎水性の表面修飾による修飾を受けていない。典型的には、(非修飾の)タルクは、溶融ワックス中でタルクを分散または湿潤させるための分散剤または界面活性剤を必要としない。
【0027】
いくつかの実施形態では、無機の親水性鉱物を疎水性にするための、無機の親水性鉱物の表面処理、バルク処理または配合のうち1つ以上によって、無機の疎水性鉱物充填材を形成することも可能である。無機の親水性鉱物を疎水性にするための(または無機の疎水性鉱物の疎水性を上昇させるための)そのような処理の非限定的な例は:含水量の低減(例えば、含水量を低減するための加熱によるもの);1以上の化学成分(例えば、油分または界面活性剤)の吸着;1以上の化学成分(例えば、油分または界面活性剤)の吸収;表面の疎水性の化学的かつ/または物理的な増大(例えば、表面の酸化もしくは還元のうち少なくともいずれか、または表面の化学置換基の変更)、および配合(例えば、所望の疎水性レベルを達成するために疎水性鉱物および親水性鉱物をブレンドすること)、である。
【0028】
本発明のコーティング組成物は、様々な量の無機の疎水性鉱物充填材を含むことができる。本発明の1つの実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材はコーティング組成物の約5重量%〜約90重量%を構成する。好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材はコーティング組成物の約5重量%〜約60重量%を構成する。より好ましい実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材はコーティング組成物の約30重量%を構成する。
【0029】
本発明のコーティング組成物は、該コーティング組成物がコーティング剤として基材に対して塗布される場合、基材の保護に適したバリア性を有することができる。具体的には、コーティング組成物は、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約50g/m/24時間未満、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約40g/m/24時間未満、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約30g/m/24時間未満、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約20g/m/24時間未満、または23℃および相対湿度50%で測定される場合に約10g/m/24時間未満の水蒸気透過速度を有することができる。
【0030】
さらに、本発明の様々な実施形態において、コーティング組成物は無機の疎水性鉱物充填材の存在によってほとんど影響されない粘性を有する。例えば、溶融ワックスであって無機の疎水性鉱物充填材を含むものおよび含まないものは、ほぼ同じ物理的性質(例えば、粘性)を有し、ほぼ同様に加工可能である。いくつかの実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材を含んだ溶融ワックスの粘性は、無機の疎水性鉱物充填材を含まない溶融ワックスの粘性の約100倍未満であり、また他の実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材を含まない溶融ワックスの粘性の約90倍、約80倍、約70倍、約60倍、約50倍、約40倍、約30倍、約20倍、約10倍、約9倍、約8倍、約7倍、約6倍、約5倍、約4倍、約3倍、または約2倍未満である。さらに、他の実施形態では、無機の疎水性鉱物充填材を含んだ溶融ワックスの粘性は、無機の疎水性鉱物充填材を含まない溶融ワックスの粘性の約1.9倍、約1.8倍、約1.7倍、約1.6倍、約1.5倍、約1.4倍、約1.3倍、約1.2倍、または約1.1倍未満である。
【0031】
本発明の別の態様では、コーティング組成物は、溶融ワックス中で無機の疎水性鉱物充填材の分散、懸濁または混合のうち少なくともいずれかを行うことにより形成される。溶融ワックスは、典型的には、ワックスの溶融温度を上回るのに十分な熱エネルギーをワックスに供給する任意の処理工程によって形成される。1つの実施形態では、ワックスは無機の疎水性鉱物充填材を溶融ワックスに接触させる前に溶融される。別の実施形態では、ワックスは無機の疎水性鉱物充填材の存在下で(すなわち接触した状態で)溶融される。溶融ワックス中で無機の疎水性鉱物充填材の分散または懸濁のうち少なくともいずれかを行うための非限定的な方法は:低剪断性の混合;高剪断性の混合;超音波混合;分散混合;撹拌(agitating);かき混ぜ(stirring);および渦流混合、である。溶融ワックス中における無機の疎水性鉱物充填材の分散または懸濁のうち少なくともいずれかは、無機の疎水性鉱物充填材を溶融ワックスと接触させるのとほぼ同時に、または接触させた後に予備形成させることができる。
【0032】
本発明の別の態様は、コーティング物を製造する方法であって、ワックスと無機の疎水性鉱物充填材とを含んでなるコーティング組成物を基材に塗布してコーティング物を形成することを含んでなる方法である。そのような基材はワックス系コーティングに適した任意の基材であってよい。いくつかの実施形態では、基材は繊維質の基材であってよい。例えば、そのような繊維質の基材は、紙、板紙、織物材料、不織材料、超光沢クラフト紙、粘土でコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンでコーティングされたクラフト紙、段ボール、およびセルロース化合物含有材料から選択することができる。繊維質の基材に加えて、本発明の基材として非繊維質の基材を挙げることもできる。そのような非繊維質の基材の例には、限定するものではないが、アルミホイル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリマー材料、ならびにポリマーのブレンド、合金および積層物を挙げることができる。基材には、繊維質でも繊維質ではなくても、種々様々のタイプの製品、例えばパネル、カートン、カップ、プレート、および種々雑多な容器および包装を挙げることができる。
【0033】
上記の方法によって生産されたコーティング物は、コーティングされていない基材と比較して改善された、気体、水、水蒸気、揮発性有機物化学薬品(VOC)に対するバリア性、および耐化学薬品性を有することができる。該コーティングはまた、基材の機械的性質、例えば引き裂き抵抗性、引っかき抵抗性、穿刺抵抗性、可撓性または引張強さのうち少なくともいずれかを改善することもできる。
【0034】
本発明の方法に従って基材にコーティング剤を塗布する際、コーティング組成物は、典型的には約30℃〜約200℃の温度で液体として塗布される。液化されたコーティング組成物は、典型的には、カーテンコーティング、ローラーコーティング、ロッドコーティング、カスケードコーティング、吹付コーティング、含浸コーティング、浸漬コーティング、浸潤コーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、押出コーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、パッド印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、および当分野で使用される他の任意のコーティング処理工程から選択された方法によって塗布される。基材に液体コーティング組成物を塗布した後に、コーティング剤および基材を冷却して、繊維質の基材の上に凝固したコーティング組成物を有するコーティング物を形成する。
【0035】
コーティング組成物の重量は、コーティング方法およびコーティング物の種類に応じて様々である。例えば、1つの実施形態では、典型的なキャンディー包み紙のコーティング重量は、約1.629g/m(約1ポンド/3,000ft)から約48.87g/m(約30ポンド/3,000ft)まで様々である。
【0036】
コーティング組成物がカスケードコーティング法によって塗布される別の実施形態では、コーティング組成物の重量は、コーティング物の約30重量%から約80重量%までの幅を有する。例えば、紙箱のカスケードコーティングでは、コーティング組成物は、典型的にはコーティングされる箱の約45重量%から約60重量%までの幅を有する。コーティング組成物がカーテンコーティング法によって塗布される、さらに別の実施形態では、コーティング組成物の重量は、典型的にはコーティング物の約12重量%から約15重量%までの幅を有する。塗布方法が基材へのコーティング組成物の含浸または吸着のうち少なくともいずれか一方による、さらになお別の実施形態では、コーティング組成物の重量は、一般にコーティング物の約12重量%から約20重量%までの幅を有する。
【0037】
上記に述べたように、コーティング組成物は典型的には基材に塗布され、かつコーティング組成物は乳化剤、界面活性剤または分散剤を欠いている。しかしながら、他の実施形態では、本発明の範囲から逸脱することなく、任意選択で他の添加剤が機能的な量にてコーティング組成物に添加される。これらの添加剤の例には、限定するものではないが:熱安定剤および紫外線安定剤、二次可塑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、酸化防止剤、スリップ剤、融点調整剤、成核剤、光沢安定剤、擦り傷防止剤などが挙げられる。これらの添加剤は、使用される場合は、典型的にはコーティング組成物の約5重量%までの量で利用される。
【0038】
本発明の他の実施形態では、コーティング組成物は追加としてポリマーを含んでなることができる。1つの好ましい実施形態では、ポリマーは、コーティング組成物の強度および可撓性を高めるために低密度ポリエチレンのようなポリオレフィンからなることが可能である。ポリエチレン以外に、他の有用なポリマーとしては、限定するものではないが、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エラストマー、エチレン共重合体であって1以上の次の官能基すなわちビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、無水マレイン酸、無水コハク酸を含むもの、が挙げられる。ポリオレフィンを含んでなるコーティング組成物は、典型的には、押出コーティング法によって基材に塗布するのに十分な熱安定性および溶融強度を有している。1つの実施形態では、ワックス対ポリマー比は約50未満である。別の実施形態では、ワックス対ポリマー比は約50〜約0.02の幅を有する。当然ながら、ワックス対ポリマー比は、所望の特性、例えばバリア性能、付着性能、溶融レオロジーなどによって決定される。
【0039】
本発明のコーティング物は、典型的には、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約50g/m/24時間未満、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約40g/m/24時間未満、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約30g/m/24時間未満、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約20g/m/24時間未満、または23℃および相対湿度50%で測定される場合に約10g/m/24時間未満の水蒸気透過速度を示す。
【0040】
上記に述べるように、本発明のコーティング組成物は様々な紙包装の用途に役立つ。さらに、該コーティング組成物は、ポリエチレンおよびナイロンのようなポリマーの押出コーティングの代替となる低価格で高速のコーティングを提供する。
【0041】
さらに、該コーティング組成物は、硬化工程を伴わずに基材に塗布することができる。このコーティング組成物は後日使用するために保存することもできるし、該組成物の調製後に従来のコーティング作業に使用することもできる。
【0042】
本発明のさらなる目的、利点、および新規な特徴については、以降の実施例(限定を意図したものではない)を検討すれば当業者には明白となろう。
【実施例】
【0043】
19.8μmの平均粒径を有するタルクを、溶融パラフィンワックスとともに、重量比を最大でタルク70%/ワックス30%として製剤化した。このコーティング混合物は100%の溶融ワックスと同様の粘性を有しており、したがって該混合物はコーティング工程の改良をほとんどまたは全く必要としない。コーティング剤についてより高い粘性が許容される場合は、タルク70%/ワックス30%を越える比率を実現することもできる。
【0044】
タルクは、溶融ワックス中で十分に湿潤かつ分散した。この溶融ワックス−タルクコーティング剤が紙シート上にコーティングされると、その外観は100%ワックスの外観と同じくらい平滑であった。タルクの表面改質は必要なく;また、溶融ワックス中にタルクを湿潤および分散させるための分散剤や界面活性剤も必要なかった。
【0045】
本発明についての前述の説明は、例証および説明を目的として提示されている。さらに、該説明は、本発明を本明細書中に開示された形態に限定することを意図するものではない。従って、上記の教示および関連分野の技術または知識に見合った変形形態および改変形態は、本発明の範囲内にある。本明細書中上記に記載の実施形態はさらに、本発明を実施するための既知の最良形態について説明し、かつ、他の当業者がそのような実施形態またはその他の実施形態として、また本発明の特定の適用または用途によって必要な様々な改変を加えて、本発明を利用するのを可能にするように意図されている。添付の特許請求の範囲は、従来認められている程度に代替実施形態を含むように解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基材、および
(b)ワックスと無機の疎水性鉱物充填材とを含んでなるコーティング組成物、
からなるコーティング物。
【請求項2】
無機の疎水性鉱物充填材はタルクを含んでなる、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項3】
無機の疎水性鉱物充填材のうち少なくとも約50重量%は、約45μm未満の粒径を有する粒子を含んでなる、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項4】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約5重量%〜約90重量%を構成する、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項5】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約5重量%〜約60重量%を構成する、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項6】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約30重量%を構成する、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項7】
無機の疎水性鉱物充填材は約45重量%未満の含水量を有する、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項8】
基材は、紙、板紙、織物材料、不織材料、超光沢クラフト紙、粘土でコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンでコーティングされたクラフト紙、段ボール、およびセルロース化合物含有材料から成る群から選択される繊維質の基材である、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項9】
コーティング組成物は、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約50g/m/24時間より低い水蒸気透過速度を有する、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項10】
無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約90°の水接触角を有する、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項11】
無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約120°の水接触角を有する、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項12】
ワックスは、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、半結晶性ワックス、石油ワックス、化学修飾されたワックス、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックスおよび混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項13】
ワックスは、直鎖飽和n−アルカン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、n−アルカン飽和炭化水素、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス混合物、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリメチレンワックス、化学修飾されたワックス、重合α−オレフィンワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックス、ポリエチレンモノアルコールワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックスおよびポリエチレンモノアルコールワックス混合物、パラフィンワックスであって付加物形成、クラッキング反応、および遊離基反応によって化学修飾されたもの、ならびにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項14に記載のコーティング物。
【請求項14】
無機の疎水性鉱物充填材は、無機の親水性材料の表面処理、バルク処理または配合のうちの1つによって形成され、無機の親水性材料は、粘土、炭酸カルシウム、ドロマイト、雲母、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、タルク、アルカリ土類金属アルミノケイ酸塩、フィロケイ酸塩鉱物、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のコーティング物。
【請求項15】
(a)基材、および
(b)ワックスとタルクとを含んでなるコーティング組成物、
からなるコーティング物。
【請求項16】
タルクのうち少なくとも約50重量%は、約45μm未満の粒径を有する粒子を含んでなる、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項17】
タルクは、コーティングの約5重量%〜約90重量%を構成する、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項18】
タルクは、コーティングの約5重量%〜約60重量%を構成する、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項19】
タルクは、コーティングの約30重量%を構成する、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項20】
タルクは約45重量%未満の含水量を有する、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項21】
基材は、紙、板紙、織物材料、不織材料、超光沢クラフト紙、粘土でコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンでコーティングされたクラフト紙、段ボール、およびセルロース化合物含有材料から成る群から選択される繊維質物である、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項22】
コーティング組成物は、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約50g/m/24時間より低い水蒸気透過速度を有する、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項23】
タルクは少なくとも約90°の水接触角を有する、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項24】
無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約120°の水接触角を有する、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項25】
ワックスは、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、半結晶性ワックス、石油ワックス、化学修飾されたワックス、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックスおよび混合物から成る群から選択される、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項26】
ワックスは、直鎖飽和n−アルカン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、n−アルカン飽和炭化水素、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス混合物、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリメチレンワックス、化学修飾されたワックス、重合α−オレフィンワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックス、ポリエチレンモノアルコールワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックスおよびポリエチレンモノアルコールワックス混合物、パラフィンワックスであって付加物形成、クラッキング反応、および遊離基反応によって化学修飾されたもの、ならびにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載のコーティング物。
【請求項27】
基材の少なくとも1つの表面にコーティング組成物を塗布することを含んでなる、コーティング物を製造する方法であって、コーティング組成物はワックスと無機の疎水性鉱物充填材とを含んでなることを特徴とする方法。
【請求項28】
塗布工程は、カーテンコーティング、ローラーコーティング、ロッドコーティング、カスケードコーティング、吹付コーティング、含浸コーティング、浸漬コーティング、浸潤コーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、押出コーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、パッド印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、および輪転グラビア印刷から成る群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
無機の鉱物充填材はタルクである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
無機の疎水性鉱物充填材のうち少なくとも約50重量%は、約45μm未満の粒径を有する粒子を含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティングの約5重量%〜約90重量%を構成する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティングの約5重量%〜約60重量%を構成する、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティングの約30重量%を構成する、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
無機の疎水性鉱物充填材は約45重量%未満の含水量を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
基材は、紙、板紙、織物材料、不織材料、超光沢クラフト紙、粘土でコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンでコーティングされたクラフト紙、段ボール、およびセルロース化合物含有材料から成る群から選択される繊維質の基材である、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
コーティングは、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約50g/m/24時間より低い水蒸気透過速度を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約90°の水接触角を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約120°の水接触角を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
ワックスは、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、半結晶性ワックス、石油ワックス、化学修飾されたワックス、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックスおよび混合物から成る群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
ワックスは、直鎖飽和n−アルカン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、n−アルカン飽和炭化水素、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス混合物、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリメチレンワックス、化学修飾されたワックス、重合α−オレフィンワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックス、ポリエチレンモノアルコールワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックスおよびポリエチレンモノアルコールワックス混合物、パラフィンワックスであって付加物形成、クラッキング反応、および遊離基反応によって化学修飾されたもの、ならびにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項41】
無機の疎水性鉱物充填材は、粘土、炭酸カルシウム、ドロマイト、雲母、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、フィロケイ酸塩鉱物、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項42】
無機の疎水性鉱物充填材は、無機の親水性材料の表面処理、バルク処理または配合のうちの1つによって形成され、無機の親水性材料は、粘土、炭酸カルシウム、ドロマイト、雲母、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、タルク、アルカリ土類金属アルミノケイ酸塩、フィロケイ酸塩鉱物、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項43】
ワックスと、
無機の疎水性鉱物充填材と、
を含んでなるコーティング組成物。
【請求項44】
無機の疎水性鉱物充填材はタルクからなる、請求項43に記載のコーティング。
【請求項45】
無機の疎水性鉱物充填材のうち少なくとも約50重量%は、約45μm未満の粒径を有する粒子を含んでなる、請求項43に記載のコーティング。
【請求項46】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約5重量%〜約90重量%を構成する、請求項43に記載のコーティング。
【請求項47】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約5重量%〜約60重量%を構成する、請求項43に記載のコーティング。
【請求項48】
無機の疎水性鉱物充填材は、コーティング組成物の約30重量%を構成する、請求項43に記載のコーティング。
【請求項49】
無機の疎水性鉱物充填材は約45重量%未満の含水量を有する、請求項43に記載のコーティング。
【請求項50】
コーティング組成物は、23℃および相対湿度50%で測定される場合に約50g/m/24時間より低い水蒸気透過速度を有する、請求項43に記載のコーティング。
【請求項51】
無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約90°の水接触角を有する、請求項43に記載のコーティング。
【請求項52】
無機の疎水性鉱物充填材は少なくとも約120°の水接触角を有する、請求項43に記載のコーティング。
【請求項53】
ワックスは、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、半結晶性ワックス、石油ワックス、化学修飾されたワックス、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックスおよびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項43に記載のコーティング。
【請求項54】
ワックスは、直鎖飽和n−アルカン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、n−アルカン飽和炭化水素、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス混合物、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリメチレンワックス、化学修飾されたワックス、重合α−オレフィンワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックス、ポリエチレンモノアルコールワックス、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレングリコールワックスおよびポリエチレンモノアルコールワックス混合物、パラフィンワックスであって付加物形成、クラッキング反応、および遊離基反応によって化学修飾されたもの、ならびにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項43に記載のコーティング。
【請求項55】
無機の疎水性鉱物充填材は、粘土、炭酸カルシウム、ドロマイト、雲母、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、タルク、アルカリ土類金属アルミノケイ酸塩、フィロケイ酸塩鉱物、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項43に記載のコーティング。
【請求項56】
無機の疎水性鉱物充填材は、無機の親水性材料の表面処理、バルク処理または配合のうちの1つによって形成され、無機の親水性材料は、粘土、炭酸カルシウム、ドロマイト、雲母、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、アルカリ金属アルミノケイ酸塩、タルク、アルカリ土類金属アルミノケイ酸塩、フィロケイ酸塩鉱物、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項43に記載のコーティング。

【公表番号】特表2010−533802(P2010−533802A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517130(P2010−517130)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/070138
【国際公開番号】WO2009/012292
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(510015291)ルゼナック アメリカ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】LUZENAC AMERICA,INC.
【Fターム(参考)】