説明

ワークフローを管理するシステムおよびその方法

【課題】相互に依存する複数のビジネス・プロセスを効率的に進行させる。
【解決手段】ワークフローを管理するシステムを提供する。このシステムは、それぞれの成果物に対するアクセス履歴として、対応する利用者が当該成果物に対しアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を記憶する記憶部と、利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付ける要求受付部と、第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、記憶部から第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索し、検索した履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、第1の成果物を更新する旨を通知する通知部と、その第1のアクセス要求に基づく第1の成果物に対するアクセスに応じ、第1の成果物に対応付けて記憶されたアクセス履歴に第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加する履歴追加部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークフローを管理するシステムおよびその方法に関する。特に、本発明は、複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビジネス・プロセス間のワークフローをデザインするために、IPOフレームワークが用いられている。IPOフレームワークは、それぞれのビジネス・プロセスをIPO(INPUT/PROCESS/OUTPUT)の組として定義する。あるビジネス・プロセスとその出力(OUTPUT)を入力(INPUT)として用いる他のビジネス・プロセスとを、上流・下流の関係として定義し、フローチャートを作成する。これにより、ビジネス・プロセス間の依存関係を的確に把握できる。
【0003】
特許文献1には、IPOフレームワークを応用したシステムが記載されている。このシステムは、予め準備されたワークフロー定義データと、各工程で製造される部品の部品表とに基づき、業務の進捗状況を自動的に判断するものである。
【特許文献1】特開2002−73708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、半導体製造などの製造業においては、設計・生産プロセスが複雑化する一方で、納期の短縮やコストの削減が市場から要求されている。このような要求に応えるためには、複数のビジネス・プロセスを効率的に協調させることが望ましい。しかしながら、従来のIPOフレームワークでは、互いに依存する複数のビジネス・プロセスが並行して処理を進めることは想定されていない。このため、上流のビジネス・プロセスの処理中に下流のビジネス・プロセスが開始できる場合であっても、上流のビジネス・プロセスの完了を待って下流のビジネス・プロセスを開始しなければならなかった。また、成果物は上流のビジネス・プロセスから下流のビジネス・プロセスに受け渡されることが仮定されており、複数のビジネス・プロセスによる成果物の更新を調停する機能は提供されなかった。更に、ワークフローは管理者などによって予め定義されるものであり、ワークフローが動的に更新されることは想定されていなかった。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるシステム、方法、プログラムおよびサービス提供方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明においては、それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するシステムであって、少なくとも1つの成果物のそれぞれに対するアクセス履歴として、対応する利用者が当該成果物に対してアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を記憶する記憶部と、利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付ける要求受付部と、第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、記憶部から第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索し、検索したアクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、第1の成果物を更新する旨を通知する通知部と、第1のアクセス要求に基づき第1の成果物がアクセスされたことに応じ、第1の成果物に対応付けて記憶されたアクセス履歴に第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加する履歴追加部とを備えるシステムを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、相互に依存する複数のビジネス・プロセスを効率的に進行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称す)を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、管理システム10の全体構成を示す。管理システム10は、複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するシステムである。管理システム10は、記憶部20と、サーバ装置50と、それぞれのビジネス・プロセスの担当者に対応して設けられた複数の出力制御部30と、それぞれのビジネス・プロセスの担当者に対応して設けられた複数の入力制御部40とを備える。記憶部20は、少なくとも1つの成果物のそれぞれに対するアクセス履歴として、対応する利用者が当該成果物に対してアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を記憶する。
【0010】
複数のビジネス・プロセスのそれぞれは、ビジネス・プロセスの成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられている。以降、あるビジネス・プロセスに対応する利用者をそのビジネス・プロセスの担当者と呼ぶ。ビジネス・プロセスとは、交渉や検討の結果少なくとも1つの合意事項を成果物として形成する手順である。また、ビジネス・プロセスは、研究・開発の結果として物品の設計情報や仕様書を作成するようなエンジニアリング・プロセスも含む。成果物とは、何れかのビジネス・プロセスによって生み出される結果物である。成果物は、何れかのビジネス・プロセスの完了により生成される結果物に限らず、そのビジネス・プロセスの途中で生成される中間生成物を含む。また、成果物とは、記憶部20に記憶可能なデータである。具体的には、成果物は、設計者である担当者によって作成された設計データであってもよいし、管理者である担当者によって決定された決定事項であってもよい。また、共通の成果物が複数のビジネス・プロセスによって並行して参照・更新されてもよい。
【0011】
それぞれの出力制御部30および入力制御部40は、対応するビジネス・プロセスの担当者から、何れかの成果物に対するアクセス要求を受け付ける。アクセス要求が更新要求である場合には、出力制御部30は、既にその成果物を参照した他の担当者などに対し、その成果物を更新する旨を通知する。これにより、更新前の成果物に依存するビジネス・プロセスの担当者は、プロセスのやり直しや変更などの必要性を適切に認識できる。一方、アクセス要求が参照要求である場合には、入力制御部40は、記憶部20からその成果物を読み出して担当者に出力する。何れの場合も、サーバ装置50は、その成果物に対応付けて記憶部20に記憶されたアクセス履歴に、対応する担当者がその成果物に対しアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を追加する。
【0012】
また、それぞれの入力制御部40は、参照を要求された成果物の成熟度が予め定められた基準を満たすかを判断してもよい。成熟度とは、例えば、その成果物の完成状態への近さを示す指標値である。成熟度は、その成果物がその後に設計変更される可能性の低さを表していてもよい。成果物の成熟度が当該基準を満たす場合には、入力制御部40は、その成果物を担当者に対し出力する。
【0013】
このように、本実施の形態に係る管理システム10は、担当者によるアクセス要求、および、成果物の更新を条件に、それらに基づき不整合が生じる可能性のあるビジネス・プロセスの担当者に対し通知を行う。これにより、予め全体のワークフローを定義せずにそれぞれの担当者が同時並行に作業を進める場合であっても、複数のビジネス・プロセス全体としての整合を維持することを目的とする。
【0014】
図2aは、記憶部20のデータ構造の一例を示す。記憶部20は、複数の成果物のそれぞれについて、その成果物を識別する成果物IDと、その成果物の内容と、その成果物のオーナーと、その成果物が他の成果物との間で満たすべき関係と、その成果物に対するアクセス履歴とを記憶している。具体的には、図2aに例示するように、記憶部20は、成果物のIDであるRPTに対応付けて、その成果物の内容である値60と、その成果物の成熟度である「成熟」とを対応付けて記憶する。このように、成果物の内容は数値などのデータであってもよい。また、成果物の成熟度は成熟の程度を示す自然言語の表現であってもよいし、成熟の程度を表した数値(100%中の何パーセントか、など)であってもよい。
【0015】
更に記憶部20は、その成果物に対応付けて、その成果物のオーナーに対応するビジネス・プロセス1を記憶する。ある成果物のオーナーとは、その成果物を直近に更新した担当者である。直近に更新した担当者とは、複数回の更新が為された場合にはそのうちの直近の更新を行った担当者であり、作成されてから一度も更新されていない場合には作成した担当者である。図2aの例においては、成果物RPTを直近に更新したのはビジネス・プロセス1の担当者である。また、記憶部20は、成果物RPTに対応付けて、成果物RPTが成果物XXとの間で満たすべき関係を記憶している。その関係とは、整数値である成果物RPTが整数値である成果物XXと比較して10以上大きいという関係である。現時点で成果物RPTは整数値60であり、成果物XXは整数値50であるからこの関係は満たされる。なお、この「関係」は、例えば、成果物を作成する場合に、成果物を作成する担当者によって入力され、後述の出力判断部30における要求受付部300により受け付けられて記憶部20に記憶される。
【0016】
また、記憶部20は、成果物RPTに対応付けて、成果物RPTに対して対応する担当者がアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報をアクセス履歴として記憶する。図2aに例示するアクセス履歴によると、成果物RPTは、ビジネス・プロセス5、ビジネス・プロセス3、および、ビジネス・プロセス1によってこの順にアクセスされている。好ましくは、記憶部20は、それぞれの成果物のアクセス履歴として、当該成果物に対して担当者がアクセスしたそれぞれのビジネス・プロセスの識別情報に対応付けて、当該担当者によるアクセスが参照、更新、および、作成の何れであるかを示す属性を更に記憶している。図2aに例示するアクセス履歴によると、成果物RPTは、ビジネス・プロセス5の担当者によって作成され、ビジネス・プロセス3の担当者によって参照され、その後ビジネス・プロセス1の担当者によって更新されている。
【0017】
更に好ましくは、記憶部20は、それぞれの成果物のアクセス履歴として、当該成果物を作成するために担当者が参照した他の成果物を記憶する。例えば、ビジネス・プロセス1の担当者は、成果物SpecIDの作成に際し成果物RPTを参照している。このため、記憶部20は、成果物SpecIDに対応付けて、ビジネス・プロセス1およびその属性である「適用」を記憶している。更に、記憶部20は、この属性に対応付けて、成果物SpecIDを作成するために参照した成果物RPTを記憶している。ここで、適用とは、ある成果物の作成に際し他の成果物を適用した旨を示す属性であり、「作成」の属性の一種である。
【0018】
また、図2aに例示するように、複数の成果物が、共通する1つのビジネス・プロセスをオーナーとしていてもよい。例えば、成果物RPTと成果物FlowIDは、ともに、ビジネス・プロセス1をオーナーとしている。このように、ビジネス・プロセスと成果物との対応関係は1対1に限らない。
【0019】
図2bは、図2aの例に基づくビジネス・プロセス間のデータの流れを示す。図2bではそれぞれのビジネス・プロセスをノードとし、それぞれのビジネス・プロセスによって作成・更新されたビジネス・プロセスが他のビジネス・プロセスによって参照された関係をリンクとしたグラフを示す。具体的には、ビジネス・プロセス5によって作成された成果物RPTは、ビジネス・プロセス3によって参照され、更に他のビジネス・プロセスによっても参照されている。また、この成果物はビジネス・プロセス1によって更新されている。更にこの成果物は、ビジネス・プロセス2によって成果物SpecIDの作成のために参照されている。また、ビジネス・プロセス2によって作成された成果物SpecIDは、更に他のビジネス・プロセスによって参照されている。
【0020】
図3は、出力制御部30の機能構成を示す。図3を参照して、あるビジネス・プロセス(第1のビジネス・プロセスと称す)を担当するある担当者に対応して設けられた出力制御部30の機能構成を説明する。他の出力制御部30は、他の担当者に対応して設けられていることのほか、図3に示す出力制御部30と略同一であるから説明を省略する。出力制御部30は、要求受付部300と、アクセス部310と、第1通知部320と、完了判断部330とを有する。要求受付部300は、後述する要求受付部400と共に本発明に係る要求受付部として機能する。要求受付部300は、何れかのビジネス・プロセスの担当者から成果物に対するアクセス要求を受け付ける。なお図3の例示では、要求受付部300は対応する担当者のみからアクセス要求を受け付ける。これに代えて、要求受付部300はサーバ装置50などに設けられて、いかなる担当者からのアクセス要求を受け付けてもよい。
【0021】
アクセス部310は、受け付けたアクセス要求に応じて記憶部20において成果物を更新する。成果物に対するアクセスはサーバ装置50によって行われてもよい。また、アクセス部310は、成果物の更新においては、担当者が示した成果物を、記憶部20に記憶するために適切なデータ形式に変換してもよい。第1通知部320は、第1のビジネス・プロセスの担当者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、記憶部20から第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索する。そして、第1通知部320は、検索したアクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスの担当者に対し、第1の成果物を更新する旨を通知する。通知先(例えば各担当者の電子メールアドレス)と、履歴に含まれるビジネス・プロセスのIDとは予め対応付けられており、第1通知部320は、その対応付けに従って各担当者の通知先を検出してもよい。
【0022】
完了判断部330は、更新要求または作成要求に応じ成果物を更新した結果、対応するビジネス・プロセスを完了させるための条件が満たされるかを判断する。具体的には、完了判断部330は、そのビジネス・プロセスによって作成される複数の成果物のそれぞれについて、その成熟度を記憶部20から読み出す。そして、完了判断部330は、読み出したそれぞれの成熟度が予め定められた条件を満たすかを判断してもよい。この条件が満たされる場合には、それぞれの成果物が管理者などに出力される。また、完了判断部330は、それぞれの成果物を完成品用のデータベース(不図示)などに記憶してもよい。
【0023】
図4は、入力制御部40の機能構成を示す。図4を参照して、あるビジネス・プロセス(第1のビジネス・プロセスと称す)を担当するある担当者に対応して設けられた入力制御部40の機能構成を説明する。他の入力制御部40は、他の担当者に対応して設けられていることのほか、図4に示す入力制御部40と略同一であるから説明を省略する。入力制御部40は、要求受付部400と、アクセス部410と、入力基準判断部420とを有する。要求受付部400は、上述の要求受付部300と共に本発明に係る要求受付部として機能する。要求受付部400は、第1のビジネス・プロセスの担当者から第1の成果物に対するアクセス要求を受け付ける。アクセス部410は、アクセス要求に応じて成熟度の値をその成熟度に対応付けて記憶部20から読み出す。この場合、アクセス部410は、記憶部20から読み出したそれぞれの成果物を、担当者にとって利用し易いデータ形式に変更してもよい。
【0024】
また、要求受付部400は、担当者の要求に応じて、必要な成果物を記憶部20から検索してもよい。検索は、キーワードの一致によるものであってもよいし、成果物IDの一致によるものであってもよい。必要な成果物が検索できない場合には、要求受付部400は、他の担当者の全部または一部に対し、必要な成果物を作成しまたはその予定を有していないかを尋ねるメッセージを送信してもよい。検索された場合には、要求受付部400は、検索された成果物の値とその成熟度とを記憶部20から読み出す。
【0025】
入力基準判断部420は、読み出されたそれぞれの成果物の成熟度が予め定められた基準を満たすかを判断する。この基準を担当者の自由に設定可能とすることで、上流のプロセスの完了を待たずに下流のプロセスを開始することができる。アクセス部410は、成熟度がこの基準を満たす成果物を担当者に対し出力する。アクセス部410は、記憶部20を監視して成熟度を定期的に読み出し、成熟度がこの基準を満たすかどうかを定期的に判断してもよい。
【0026】
図5は、サーバ装置50の機能構成を示す。サーバ装置50は、アクセス制御部500と、履歴追加部510と、関係判断部520と、第2通知部530とを有する。アクセス制御部500は、要求受付部300または要求受付部400から受けた指示に応じて記憶部20をアクセスし、その結果を要求受付部300または要求受付部400に返答する。また、アクセス制御部500は、履歴追加部510または関係判断部520の指示に基づいて記憶部20をアクセスしてもよい。履歴追加部510は、要求受付部300または要求受付部400が受け付けたアクセス要求(例えば第1のアクセス要求)に基づき成果物(例えば第1の成果物)がアクセスされたことに応じ、第1の成果物に対応付けて記憶されたアクセス履歴に第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加する。
【0027】
関係判断部520は、第1のビジネス・プロセスの担当者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、更新後の成果物が第1の成果物に対応付けて記憶された第2の成果物との間の関係を満たすかを判断する。即ち、関係判断部520は、更新要求に応じ第1の成果物に対応して記憶された関係を記憶部20から読み出し、その関係における参照先の第2の成果物の値を読み出す。そして、更新後の第1の成果物の値と第2の成果物の値とがその関係を満たすかを判断する。図2の成果物RPTを例においては、関係判断部520は、RPTの値が更新された場合に、その値がXXよりも10以上大きいかを判断する。第2通知部530は、更新後の第1の成果物がこの関係を満たさないことを条件に、第1の成果物のオーナー、および、第2の成果物のオーナーの少なくとも一方に対し、当該関係が満たされない旨を通知する。
【0028】
図6は、出力制御部30、入力制御部40およびサーバ装置50による処理の概念図である。入力制御部40は、何れかの成果物に対するアクセス要求を受け付けると、記憶部20からその成果物を読み出す。成果物が記憶部20に記憶されていない場合、入力制御部40は、他の担当者に対しその成果物の問い合わせを通知してもよい(成果物の収集)。入力制御部40は、読み出した成果物の成熟度が予め定められた入力基準を満たすか否かを判断する(入力基準の判断)。満たす場合には、入力制御部40は、読み出した成果物のデータ形式を、担当者の利用に適した形式に変換して出力する(形式の変換)。アクセス要求が参照要求であった場合には、成果物はそのまま維持される。一方、アクセス要求が更新要求の場合には、成果物の更新又は作成に応じ出力制御部30の処理が開始される。
【0029】
出力制御部30は、担当者が示した成果物を、記憶部20に記憶するために適切なデータ形式に変換する(形式の変換)。出力制御部30は、第1のビジネス・プロセスの担当者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、記憶部20から第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索する。そして、出力制御部30は、検索したアクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスの担当者に対し、第1の成果物を更新する旨を通知する(更新の通知)。
【0030】
一方、第1のアクセス要求が第1の成果物を作成する要求である場合には、要求受付部300は、第1の成果物と、その第1の成果物と他の第2の成果物との間で満たすべき関係の入力を受け付ける。そして、記憶部20は、受け付けたその関係を記憶する(関係の定義)。そして、アクセス部310は、第1のアクセス要求に応じ記憶部20をアクセスする(アクセス)。
【0031】
図7は、管理システム10による処理の流れを示す。要求受付部300および要求受付部400は、何れかのビジネス・プロセスの担当者から、何れかの成果物に対するアクセス要求を受け付ける(S700)。出力制御部30および入力制御部40は、各種の処理の実行と共に、アクセス要求に応じ成果物にアクセスする(S710)。履歴追加部510は、成果物がアクセスされたことに応じ、その成果物に対応するアクセス履歴に、対応する担当者がその成果物をアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を追加する(S720)。このように、履歴追加部510は、受け付けたアクセス要求に基づき成果物が参照された場合であっても、成果物が更新された場合であっても、その成果物に対応付けて記憶部20に記憶されたアクセス履歴に、対応する担当者がその成果物をアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を追加する。
【0032】
図8は、図7のS710における処理の詳細を示す。要求受付部300および要求受付部400は、何れかのビジネス・プロセス(本図では第2のビジネス・プロセスとする)から受け付けたアクセス要求(第2のアクセス要求とする)の種類を判断する(S800)。第2のアクセス要求が参照要求であることを条件に(S800:そのまま(参照のみ))、アクセス部410は成果物を記憶部20において参照する(S890)。一方、第2のアクセス要求が第1の成果物の作成(他の成果物を参照した作成を含む)であることを条件に、要求受付部300は、その第2の成果物が他の成果物との間で満たすべき条件を、担当者の指示に基づいて設定する(S870)。この場合には、さらに、要求受付部300は、何れかの成果物に対するアクセス要求に対応付けて、他のビジネス・プロセスにおいて当該成果物が更新される場合に更新通知および更新許可要求の何れを受信したいかを示す通知指示を受け付けてもよい。そして、要求受付部300は、その成果物を直近にアクセスした担当者に対応するビジネス・プロセスの識別情報として第2のビジネス・プロセスの識別情報を記憶部20に記憶させる。そして、アクセス部310は、記憶部20において成果物に対しアクセスする(S885)。
【0033】
一方、第2のアクセス要求が、既に記憶された第1の成果物の更新要求であることを条件に、第1通知部320は、その第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索する。そして、第1通知部320は、検索されたそのアクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスの担当者に対し、更新通知または更新許可要求を通知する(S810)。
更新通知又は更新許可要求は、以下のように区別して通知されてもよい。第1通知部320は、アクセス履歴に含まれるそれぞれのビジネス・プロセスに対応付けて記憶された属性を読み出す。この属性は、図2を参照して述べたように、成果物に対するアクセスが参照、更新、および、作成の何れであったかを示す。そして、第1通知部320は、参照の属性に対応するビジネス・プロセスの担当者に対し更新通知を通知する。一方で第1通知部320は、更新又は作成の属性に対応するビジネス・プロセスの担当者に対し更新許可要求を通知する。
【0034】
これに代えて、更新通知又は更新許可要求は、S870において説明した通知指示に基づき選択されてもよい。即ち、要求受付部300は、何れかの成果物に対するアクセス要求に対応付けて、他のビジネス・プロセスにおいて当該成果物が更新される場合に更新通知および更新許可要求の何れを受信したいかを示す通知指示を受け付けておく。そして、第1通知部320は、第2のビジネス・プロセスの担当者から受けた第2のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、その第1のビジネス・プロセスから受け付けた通知指示に基づいて、更新通知又は更新許可要求を選択して当該担当者に通知する。
【0035】
なお、更新通知又は更新許可要求は、成果物の適用の属性を経由して推移的に伝播されてもよい。即ち、第1通知部320は、アクセスの要求された第1の成果物を作成するために参照した第2の成果物を記憶部20のアクセス履歴から検索し、検索された第2の成果物に対応付けて識別情報が記憶されたビジネス・プロセスの担当者に対し、更新通知又は更新許可要求を更に通知してもよい。図2の成果物SpecIDを例に採れば、SpecIDの作成には成果物RPTが参照されているので、SpecIDを更新する場合にはRPTをアクセスしたビジネス・プロセスの担当者にも更新通知等が通知される。
【0036】
更新許可要求を通知した場合においてその全ての通知先から更新許可の指示を受けたことを条件に(S820:YES)、アクセス部310は、その第1の成果物の更新に先立って、対応する担当者がその成果物を直近にアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報として第2のビジネス・プロセスの識別情報を記憶部20に記憶させる(S830)。そして、アクセス部310は、第1の成果物を更新する(S840)。続いて、関係判断部520は、更新後の第1の成果物がその成果物に対応付けて記憶された関係を満たすか否かを判断する(S850)。関係が満たされない場合には、第2通知部530は、対応する担当者がそれぞれの成果物に対し直近にアクセスしたビジネス・プロセスのIDを記憶部20から読み出し、そのビジネス・プロセスの担当者に対し、関係が満たされない旨を通知する(S860)。
【0037】
図9は、出力制御部30、入力制御部40またはサーバ装置50として機能する情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す。情報処理装置100は、ホストコントローラ1082により相互に接続されるCPU1000、RAM1020、及びグラフィックコントローラ1075を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1084によりホストコントローラ1082に接続される通信インターフェイス1030、ハードディスクドライブ1040、及びCD−ROMドライブ1060を有する入出力部と、入出力コントローラ1084に接続されるROM1010、フレキシブルディスクドライブ1050、及び入出力チップ1070を有するレガシー入出力部とを備える。
【0038】
ホストコントローラ1082は、RAM1020と、高い転送レートでRAM1020をアクセスするCPU1000及びグラフィックコントローラ1075とを接続する。CPU1000は、ROM1010及びRAM1020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1075は、CPU1000等がRAM1020内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1080上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1075は、CPU1000等が生成する画像データを格納するフレームバッファを、内部に含んでもよい。
【0039】
入出力コントローラ1084は、ホストコントローラ1082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス1030、ハードディスクドライブ1040、及びCD−ROMドライブ1060を接続する。通信インターフェイス1030は、ネットワークを介して外部の装置と通信する。ハードディスクドライブ1040は、情報処理装置100が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ1060は、CD−ROM1095からプログラム又はデータを読み取り、RAM1020又はハードディスクドライブ1040に提供する。
【0040】
また、入出力コントローラ1084には、ROM1010と、フレキシブルディスクドライブ1050や入出力チップ1070等の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1010は、情報処理装置100の起動時にCPU1000が実行するブートプログラムや、情報処理装置100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスクドライブ1050は、フレキシブルディスク1090からプログラム又はデータを読み取り、入出力チップ1070を介してRAM1020またはハードディスクドライブ1040に提供する。入出力チップ1070は、フレキシブルディスク1090や、例えばパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0041】
情報処理装置100に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク1090、CD−ROM1095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、入出力チップ1070及び/又は入出力コントローラ1084を介して、記録媒体から読み出され情報処理装置100にインストールされて実行される。プログラムが情報処理装置100等に働きかけて行わせる動作は、図1から図8において説明した出力制御部30、入力制御部40、または、サーバ装置50における動作と同一であるから、説明を省略する。
【0042】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1090、CD−ROM1095の他に、DVDやPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムを情報処理装置100に提供してもよい。
【0043】
以上、本実施の形態において説明したように、管理システム10は、成果物の更新を条件に、それらに基づき不整合が生じる可能性のあるビジネス・プロセスの担当者に対し通知を行う。また、管理システム10は、成果物が更新された結果、他の成果物との間で定義された関係が満たされなくなった場合には、それら全ての成果物を直近に更新した担当者に対し通知を行う。これにより、予め全体のワークフローを定義せずにそれぞれの担当者が同時並行に作業を進める場合であっても、不整合が生じる毎にそれぞれの担当者に対し通知を行い、複数のビジネス・プロセス全体としての整合を維持することができる。
【0044】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、管理システム10の全体構成を示す。
【図2a】図2aは、記憶部20のデータ構造の一例を示す。
【図2b】図2bは、図2aの例に基づくビジネス・プロセス間のデータの流れを示す。
【図3】図3は、出力制御部30の機能構成を示す。
【図4】図4は、入力制御部40の機能構成を示す。
【図5】図5は、サーバ装置50の機能構成を示す。
【図6】図6は、出力制御部30、入力制御部40およびサーバ装置50による処理の概念図である。
【図7】図7は、管理システム10による処理の流れを示す。
【図8】図8は、図7のS710における処理の詳細を示す。
【図9】図9は、出力制御部30、入力制御部40またはサーバ装置50として機能する情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す。
【符号の説明】
【0046】
10 管理システム
20 記憶部
30 出力制御部
40 入力制御部
50 サーバ装置
300 要求受付部
310 アクセス部
320 第1通知部
330 完了判断部
400 要求受付部
410 アクセス部
420 入力基準判断部
500 アクセス制御部
510 履歴追加部
520 関係判断部
530 第2通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するシステムであって、
少なくとも1つの成果物のそれぞれに対するアクセス履歴として、対応する利用者が当該成果物に対してアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を記憶する記憶部と、
利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付ける要求受付部と、
第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、前記記憶部から前記第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索し、検索した前記アクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、前記第1の成果物を更新する旨を通知する第1通知部と、
前記第1のアクセス要求に基づき前記第1の成果物がアクセスされたことに応じ、前記第1の成果物に対応するアクセス履歴に前記第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加する履歴追加部と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1通知部は、前記第1の成果物を更新する旨の通知として、前記第1の成果物を更新する許可を求める更新許可要求を通知し、
前記更新許可要求の通知先から更新許可の指示を受けたことを条件に、前記第1の成果物を更新するアクセス部を更に備える
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記要求受付部は、成果物に対するアクセス要求に対応付けて、他のビジネス・プロセスにおいて当該成果物が更新される場合に更新通知および更新許可要求の何れを受信したいかを示す通知指示を受け付け、
前記第1通知部は、第2のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第2のアクセス要求が前記第1の成果物の更新要求であることを条件に、前記第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受け付けた前記通知指示に基づいて、前記更新通知または前記更新許可要求を選択して当該利用者に通知し、
前記更新許可要求の通知先から更新許可の指示を受けたことを条件に、前記第1の成果物を更新するアクセス部を更に備える
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記履歴追加部は、前記第1のアクセス要求に応じ前記第1の成果物が参照または更新されたことを条件に、前記第1の成果物に対応付けて記憶された前記アクセス履歴に前記第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加する
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記記憶部は、それぞれの成果物のアクセス履歴として、当該成果物に対して対応する利用者がアクセスしたそれぞれのビジネス・プロセスに対応付けて、当該利用者によるアクセスが参照、更新、および、作成の何れであるかを示す属性を更に記憶し、
前記第1通知部は、第2のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第2のアクセス要求が前記第1の成果物の更新要求であることを条件に、参照の属性に対応するビジネス・プロセスの利用者に対し更新通知を通知し、更新または作成の属性に対応するビジネス・プロセスの利用者に対し更新許可要求を通知し、
前記更新許可要求の通知先から更新許可の指示を受けたことを条件に、前記第1の成果物を更新するアクセス部を更に備える
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記記憶部は、それぞれの成果物のアクセス履歴として、当該成果物を作成するために利用者が参照した他の成果物を更に記憶し、
前記第1通知部は、第2のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第2のアクセス要求が前記第1の成果物の更新要求であることを条件に、前記第1の成果物を作成するために参照した第2の成果物を前記記憶部から検索し、前記第2の成果物に対応付けて識別情報が記憶されたビジネス・プロセスの利用者に対し、前記第1の成果物を更新する旨を更に通知する
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記第1の成果物に対応付けて、前記第1の成果物と第2の成果物との間で満たすべき関係を更に記憶し、
前記第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた前記第1のアクセス要求が前記第1の成果物の更新要求であることを条件に、更新後の成果物が前記第1の成果物に対応付けて記憶された前記第2の成果物との間の前記関係を満たすか判断する関係判断部と、
更新後の成果物が前記関係を満たさないことを条件に、前記第1の成果物を直近に更新した利用者、および、前記第2の成果物を直近に更新した利用者に対し、前記関係が満たされない旨を通知する第2通知部と
を更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するシステムであって、
それぞれの成果物に対応付けて、当該成果物が他の成果物との間で満たすべき関係、および、対応する利用者が当該成果物を直近に更新したビジネス・プロセスの識別情報を記憶する記憶部と、
利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付ける要求受付部と、
第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、更新後の成果物が前記第1の成果物に対応付けて記憶された第2の成果物との間の前記関係を満たすか判断する関係判断部と、
更新後の成果物が前記関係を満たさないことを条件に、対応する利用者が前記第1の成果物を直近に更新したビジネス・プロセス、および、対応する利用者が前記第2の成果物を直近に更新したビジネス・プロセスの少なくとも一方の識別情報を前記記憶部から検索し、当該識別情報によって識別されるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、前記関係が満たされない旨を通知する第2通知部と
を備えるシステム。
【請求項9】
前記要求受付部は、前記第1の成果物を作成する要求を受け付ける場合において、前記第1の成果物と前記第2の成果物との間で満たすべき関係を更に受け付け、
前記記憶部は、前記第1の成果物に対応付けて、受け付けた前記関係を記憶する
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するシステムとして、情報処理装置を機能させるプログラムであって、
前記情報処理装置を、
少なくとも1つの成果物のそれぞれに対するアクセス履歴として、対応する利用者が当該成果物に対してアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を記憶する記憶部と、
利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付ける要求受付部と、
第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、前記記憶部から前記第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索し、検索した前記アクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、前記第1の成果物を更新する旨を通知する通知部と、
前記第1のアクセス要求に基づき前記第1の成果物がアクセスされたことに応じ、前記第1の成果物に対応するアクセス履歴に前記第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加する履歴追加部と
して機能させるプログラム。
【請求項11】
それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを情報処理装置によって管理する方法であって、
少なくとも1つの成果物のそれぞれに対するアクセス履歴として、対応する利用者が当該成果物に対してアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を記憶するステップと、
利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付けるステップと、
第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、前記第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索し、検索した前記アクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、前記第1の成果物を更新する旨を通知するステップと、
前記第1のアクセス要求に基づき前記第1の成果物がアクセスされたことに応じ、前記第1の成果物に対応するアクセス履歴に前記第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加するステップと
を備える方法。
【請求項12】
それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するシステムとして、情報処理装置を機能させるプログラムであって、
前記情報処理装置を、
それぞれの成果物に対応付けて、当該成果物が他の成果物との間で満たすべき関係、および、対応する利用者が当該成果物を直近に更新したビジネス・プロセスの識別情報を記憶する記憶部と、
利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付ける要求受付部と、
第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、更新後の成果物が前記第1の成果物に対応付けて記憶された前記第2の成果物との間の前記関係を満たすか判断する関係判断部と、
更新後の成果物が前記関係を満たさないことを条件に、対応する利用者が前記第1の成果物を直近に更新したビジネス・プロセス、および、対応する利用者が前記第2の成果物を直近に更新したビジネス・プロセスの少なくとも一方の識別情報を前記記憶部から検索し、当該識別情報によって識別されるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、前記関係が満たされない旨を通知する第2通知部と
して機能させるプログラム。
【請求項13】
それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを情報処理装置によって管理する方法であって、
それぞれの成果物に対応付けて、当該成果物が他の成果物との間で満たすべき関係、および、対応する利用者が当該成果物を直近に更新したビジネス・プロセスの識別情報を記憶するステップと、
利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付けるステップと、
第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、更新後の成果物が前記第1の成果物に対応付けて記憶された第2の成果物との間の前記関係を満たすか判断するステップと、
更新後の成果物が前記関係を満たさないことを条件に、対応する利用者が前記第1の成果物を直近に更新したビジネス・プロセス、および、対応する利用者が前記第2の成果物を直近に更新したビジネス・プロセスの少なくとも一方の識別情報を検索し、当該識別情報によって識別されるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、前記関係が満たされない旨を通知するステップと
を備える方法。
【請求項14】
それぞれが成果物に対するアクセス権限を有する利用者に対応付けられた複数のビジネス・プロセスの間のワークフローを管理するサービスの提供方法であって、
少なくとも1つの成果物のそれぞれに対するアクセス履歴として、対応する利用者が当該成果物に対してアクセスしたビジネス・プロセスの識別情報を記憶するステップと、
利用者から成果物に対するアクセス要求を受け付けるステップと、
第1のビジネス・プロセスに対応する利用者から受けた第1のアクセス要求が第1の成果物の更新要求であることを条件に、前記第1の成果物に対応するアクセス履歴を検索し、検索した前記アクセス履歴に識別情報が含まれるビジネス・プロセスに対応する利用者に対し、前記第1の成果物を更新する旨を通知するステップと、
前記第1のアクセス要求に基づき前記第1の成果物がアクセスされたことに応じ、前記第1の成果物に対応するアクセス履歴に前記第1のビジネス・プロセスの識別情報を追加するステップと
を備えるサービスの提供方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−21227(P2008−21227A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194140(P2006−194140)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(592073101)日本アイ・ビー・エム株式会社 (42)
【復代理人】
【識別番号】100104156
【弁理士】
【氏名又は名称】龍華 明裕