説明

ワーク搬送方法

【課題】ワークに対して疵を付けず、かつワーク同士の衝突による騒音を有効に防止でき、また、ワークの材質、形状、及び重量に関わらず搬送することが可能なワーク搬送方法を提供する。
【解決手段】所定温度を越えると液化し所定温度以下で固形化する高分子材料Sを用いるワーク搬送方法である。液化状態の高分子材料S内にワークWが収納された状態とした後、高分子材料Sを所定温度以下として固形化して、内部にワークWが埋設状となっている所定形状の固形物2を形成する。この固形物2を搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受の軸受構成部品等を、例えば、加工工程間において搬送するワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軸受の軸受構成部品を搬送する装置として、直進フィーダ等のパーツフィーダを使用するもの(特許文献1)、チャック爪を有するアームを備えたロボットを使用するもの(特許文献2)、気体圧力により、対象物を浮き上がらせて搬送するもの(特許文献3)、リニア誘導電動機を用いたもの(特許文献4)等がある。特許文献3では、搬送物品が吹出口から吹き出される流体圧によって浮遊状態に支持され、且つ吹出口から吹き出される流体の流れと吸引口に吸引される流体の流れによる流体の摩擦力によって搬送するものである。特許文献4では、搬送車をリニア誘導電動機で走行させる推力を発生させるものである。
【0003】
さらに、従来には、物品の形状に応じて仕切り等を設けた専用箱を用いる方法、発泡スチロールやエアキャップ等を用いて保護して搬送する方法、シールピールにて保護して搬送する方法等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59-154182号公報
【特許文献2】特開昭59-37086号公報
【特許文献3】特公平7-48574号公報
【特許文献4】特開昭62-121134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1では、ワークに振動を付与するものであるので、フィーダ内においてワーク同士が衝突することになる。このように、衝突が生じれば、ワークが疵付いたり、また衝突による騒音が発生したりするおそれがある。
【0006】
また、前記特許文献2では、チャック爪にてワークをチャックする必要があり、このチャックにてワークに疵や圧痕が生じるおそれがある。しかも、ワークにはその形状等によってチャックし難いものがある(例えば、球体)。前記特許文献3では、気体圧力を利用するので、形状や重量等によって搬送できないものがあり、対応するワークに制限がある。前記特許文献4では、リニア誘導電動機を用いるので、ワークとして金属である必要があり、しかも残留磁気を嫌うワークに対しても利用することができない。このため、特許文献4に記載の方法では、対応するワークに制限がある。
【0007】
前記専用箱を用いる方法では、フィーダを用いる場合と同様、ワークが疵付いたり、また衝突による騒音が発生したりするおそれがある。しかも、専用箱に外部から異物が混入する可能性もある。発泡スチロールやエアキャップ等の緩衝材(保護材)を利用するものでは、収納容器(収容箱)内にこのような緩衝材を配設するためのスペースを必要とし、搬送品が嵩だかとなるとともに、基本的には再度利用することはなく、一度用いた緩衝材(保護材)を廃棄する必要があり、環境上好ましくない。また、緩衝材を、搬送するワークに対応した専用部材とする必要があり、ワークが多品種である場合には対応させることが困難である。
【0008】
保護材として、溶解させて再利用できるシールピール等を用いた場合、シールピールは融点が高いものが用いられる。このため、溶解させにくいとともに、廃棄の際には対環境性が悪い欠点がある。
【0009】
本発明の課題は、ワークに対して疵を付けず、かつワーク同士の衝突による騒音を有効に防止でき、また、ワークの材質、形状、及び重量に関わらず搬送することが可能なワーク搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のワーク搬送方法は、所定温度を越えると液化し前記所定温度以下で固形化する高分子材料を用いるワーク搬送方法であって、液化状態の高分子材料内にワークが収納された状態とした後、高分子材料を前記所定温度以下として固形化して、内部にワークが埋設状となっている所定形状の固形物を形成し、この固形物を搬送するものである。
【0011】
本発明のワーク搬送方法によれば、搬送時には、ワークは固形物内に収納されるので、固形物内でのワークの移動(振動)はなく、ワーク同士の衝突を回避できる。また、固形物を搬送することになるので、この固形物を搬送する装置として、チャック爪を有するロボットを使用しても、チャック爪によるチャックは固形物であり、直接的にワークをチャックしなくてもよい。このため、チャックによるワークの疵付を防止できる。しかも、固形物は所定形状であるので、チャックし易い形状とすることによって、搬送工程における搬送性の向上を図ることができる。
【0012】
ワークは機械加工部品であり、前記固形物の搬送は機械加工部品の加工工程間であるものとできる。また、ワークは、例えば、軸受の軸受構成部品である。高分子材料は常温下で固形化するものを用いることができる。
【0013】
前記固形物をその高分子材料の融点まで加熱して、融解することによって、ワークを取り出すようにでき、また、固形物の高分子材料の融点以上の温度の溶解液にて、固形物の高分子材料を、融解することによって、ワークを取り出すようにできる。
【0014】
前記固形物からワークを取り出し、そのワーク取り出し後の高分子材料を再利用するものであってもよい。また、前記固形物に収容されているワークは、単体であっても、複数個であってもよい。
【0015】
液化状態で高分子材料が収納容器に注入された後、固形化されて固形物が形成され、固形物が収納容器とともに搬送されるものであっても、固形物が収納容器から取り出されて、固形物のみが搬送されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のワーク搬送方法では、ワーク同士の衝突を回避でき、ワークの疵付を防止できるとともに、ワークの衝突による騒音も回避することができる。また、固形物を搬送することになるので、ワーク自体をチャック爪等にてチャックする必要がなく、チャックによるワークの疵付も防止できる。
【0017】
しかも、固形物は所定形状であるので、チャックし易い形状とすることによって、搬送工程における搬送性の向上を図ることができるとともに、ワークの材質、形状、及び重量の影響を受けない。このため、形状等が相違するワークであっても、同じ搬送装置で搬送することができ、品種毎の専用パレットや品種(品番)毎の梱包資材等は必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、搬送手段としても、チャック爪を有するアームを備えたロボットを用いたものやフィーダ等を用いたものであってもよく、種々の構造のものを用いることができ、搬送設備の高コスト化を招かない。
【0018】
また、高分子材料が固形化されてなる固形物内に収納状となるので、仕切り等にて仕切って各ワークが収納される収納部屋に区切る必要がなく、ワークを効率よくコンパクトに収納できる。
【0019】
所定温度を越えると液化し所定温度以下で固形化する高分子材料を用いるので、ワークを取り出す際には、高分子材料を所定温度を越える温度とすることによって、高分子材料が液化し、簡単に取り出すことができる。しかも、高分子材料を所定温度を越える温度とする場合、直接的に固形物を加熱しても、形物の高分子材料の融点以上の温度の溶解液を加えるようにしてもよく、液化のための装置としても簡単な構成なものでよく、液化工程も簡素化できる。また、徐々に溶解させることができ、溶解時におけるワークの疵付を回避することができる。
【0020】
高分子材料が液化されてワークが取り出されるものであり、この高分子材料の再利用が可能となり、環境にやさしいワーク搬送方法を提供できる。しかも、高分子材料が液化されているので、ふるい等の分離手段にて、高分子材料から異物を分離することができ、異物が混入している高分子材料を再利用することを回避することができる。
【0021】
常温下で固形化する高分子材料を用いることができ、このような高分子材料を用いることによって、固形化する場合、常温において放置しておけばよく、固形化する工程において、温度調整装置等を必要とせず、装置全体の簡素化を図ることができる。
【0022】
また、常温下で固形化する高分子材料を用いることによって、常温よりも僅かに高温とすることで液化し、液化工程の短時間化を図ることができるとともに、安全性に優れかつ環境にやさしい搬送方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のワーク搬送方法の初期工程の説明図である。
【図2】固形物を搬送している状態の簡略図である。
【図3】ワークを取り出した状態の簡略斜視図である。
【図4】ワークを取り出した後に回収した高分子材料等を示す簡略斜視図である。
【図5】ワークの他の取り出し工程を示す簡略図である。
【図6】前記図5に示す工程にてワークを取り出した後に回収した高分子材料等を示す簡略斜視図である。
【図7】収納容器に固形物が保持されている状態の簡略図である。
【図8】収納容器に他のワークが収容された固形物が保持されている状態の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0025】
図1は本発明のワーク搬送方法の初期工程の説明図である。このワーク搬送方法は、例えば、軸受の軸受構成部品、この場合、円筒ころ軸受の転動体としての円筒ころをワークWとしている。このワーク搬送方法では、まず、この図1に示す初期工程を行うことになる。
【0026】
初期工程は、まず、図1(a)に示すように、収納容器(パレット)1に、液状(液化された状態)の高分子材料Sを注入して、この高分子材料内にワークWを投入する。この場合、液状化された高分子材料Sを、収納容器1に注入される最終量よりも少ない量(例えば、ワークWが投入された際に、ワークWが衝撃を受けることがない程度の量)を注入する。その後、ワークWを投入する。
【0027】
この場合、投入すべきワークWの全数を投入するのではなく、注入されている高分子材料量を勘案して投入される。このワーク投入後は、液状化された高分子材料Sをさらに注入して、次のワークWを投入することになる。そして、この工程を数回繰り返すことによって、投入すべきワークWの全数を投入するとともに、収納容器1に注入される最終量の高分子材料Sが注入される。すなわち、高分子材料の注入量とワークWの投入数とを調整しつつ、所定量の高分子材料Sが注入されるとともに、所定数のワークWが投入される。なお、注入される高分子材料の全量を収納容器1に注入した後、投入すべきワークWの全数を投入するようにしても、投入すべきワークWの全数を投入した後、注入される高分子材料の全量を収納容器1に注入するようにしてもよい。
【0028】
ところで、高分子材料Sとは、所定温度を越えると液化し、前記所定温度以下で固形化するものであり、例えば、ゼラチン10%と水90%のもの、ゼラチン30%と水70%のもの等を用いることができる。また、常温とは日本工業規格で規定している温度であって、20℃±15℃(5−35℃)である。この実施形態においては、高分子材料Sを、常温で固形化するものを用いる。このため、図1(a)に示すように、高分子材料Sを収納容器1に注入する際には、高分子材料Sは前記所定温度(この実施形態では常温)を越える温度となっている。
【0029】
その後、図1(b)に示すように、常温下で放置して高分子材料Sを固形化させて、所定形状(この場合、扁平直方体)の固形体2を形成する。次に、図1(c)に示すように、収納容器1から、複数個のワークWが収容された固形体2を取り出す。このように、固形体2を収納容器1を取り出した後は、図2に示すような搬送手段5を介して、所望の目的場所へ搬送される。すなわち、このワークWの機械加工部品の加工工程間での搬送となる。
【0030】
搬送手段5は、固形体2を保持するハンド体6と、このハンド体6を移動させる移動機構7とを備える。ハンド体6は、径方向に沿って拡縮する3つの爪部材8を有するものであり、固形体2を爪部材8にて図例のように保持できる。また、移動機構7は、ガイドレール10と、このガイドレール10に沿ってスライドするスライダ11と、このスライダ11をガイドレール10に沿ってスライドさせる図示省略の駆動機構(モータ、シリンダ機構等)とを備えたものである。
【0031】
このため、図2に示すように、ハンド体6にて固形体2を保持した状態で、移動機構7の駆動機構を駆動させることによって、ハンド体6がガイドレール10に沿って走行して固形体2を目的場所へ搬送することができる。
【0032】
固形体2を目的場所へ搬送すれば、図示省略の加熱手段にて、固形体2を加熱する。すなわち、この固形体2を構成している高分子材料Sの融点に達するまで加熱する。これによって、固形体2が溶解して液化する。これによって、図3に示すように、ワークWを取り出すことができる。
【0033】
ところで、固形体2を溶解して、高分子材料SとワークWとを分離した場合、高分子材料には、ごみ等の異物が混入している場合がある。このため、ワークWと分離した高分子材料をふるい等の分離手段によって、図4に示すように、ごみ(廃棄物)と高分子材料(高分子ゲル)とに分離することができる。
【0034】
固形体2を溶解する場合、前記実施形態では、固形体2を直接的に加熱する方法であったが、図5に示すように、溶解液S1を加えることによって、固形体2を溶解するようにしてもよい。この場合の溶解液S1は、この固形体2を構成する高分子材料Sの融点よりも高温状態のゲル材とする。このため、固形体2を構成する高分子材料Sと同じものであっても、相違するものであってもよい。溶解液S1の相違するものとしては、例えば、融点よりも高い温度の研削油や水等である。
【0035】
このように、溶解液S1を加えることによって、固形体2を構成する高分子材料が加熱されて、固形体2を構成する高分子材料がその融点に達することになり、液化して、ワークWを取り出すことができる。
【0036】
このように溶解液S1を加えたものであっても、図6に示すように、ごみ(廃棄物)と高分子材料(高分子ゲル)Sと溶解液S1とに分離することができる。これによって、高分子材料(高分子ゲル)Sの再利用が可能となる。
【0037】
前記実施形態では、搬送手段5にて固形体2を搬送する場合、収納容器1から固形体2を取り出して、固形体2を搬送していたが、図7に示すように、収納容器1から固形体2を取り出すことなく、搬送手段5にて搬送してもよい。この場合、目的場所(搬送場所)において、収納容器1から固形体2を取り出して、固形体2を液化するようにしても、収納容器1から固形体2を取り出すことなく、固形体2を液化するようにしてよい。また、固形体2を液化する場合、収納容器1や固形体2を直接的に加熱しても、溶解液S1を加えるようにしてもよい。
【0038】
図8では、ワークWがころ軸受の転動体である円筒ころではなく、玉軸受のボール等を構成する球体である場合を示している。この場合も、液化状態の高分子材料S内にワークが収納された状態とした後、高分子材料Sを前記所定温度以下として固形化して、内部にワークWが埋設状となっている所定形状の固形物2を形成し、この固形物2を搬送することができる。
【0039】
すなわち、ワークWが球体であっても、図1に示す工程を行った後、固形体2が図2に示すような搬送手段5を用いて、所望に目的場所に搬送され、その目的場所において、ワークWが取り出される。なお、固形体2を形成する場合、前記したように、注入される高分子材料の全量を収納容器1に注入した後、投入すべきワークWの全数を投入するようにしても、投入すべきワークWの全数を投入した後、注入される高分子材料の全量を収納容器1に注入するようにしてもよい。また、収納容器1から固形体2を取り出すことなく、搬送手段5にて搬送してもよい。
【0040】
ところで、固形体2に収容されるワークWの数として、1個であっても、図1等に示すように、複数個であってもよい。このため、このワーク搬送方法によれば、一度に任意の数のワークを搬送することができる。加工工程に応じた数のワークを搬送することができる。
【0041】
本発明のワーク搬送方法では、搬送時には、ワークWは固形物2内に収納されるので、固形物内でのワークWの移動(振動)はなく、ワークW同士の衝突を回避できる。このため、ワークWの疵付を防止できるとともに、ワークWの衝突による騒音も回避することができる。
【0042】
また、固形物2を搬送することになるので、この固形物2を搬送する装置として、チャック爪を有するロボットを使用しても、チャック爪によるチャックは固形物であり、直接的にワークWをチャックしなくてもよい。このため、チャックによるワークWの疵付を防止できる。しかも、固形物2は所定形状であるので、チャックし易い形状とすることによって、搬送工程における搬送性の向上を図ることができるとともに、ワークWの材質、形状、及び重量の影響を受けない。このため、形状等が相違するワークWであっても、同じ搬送装置で搬送することができ、品種毎の専用パレットや品種(品番)毎の梱包資材等は必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、搬送手段としても、チャック爪を有するアームを備えたロボットを用いたものやフィーダ等を用いたものであってもよく、種々の構造のものを用いることができ、搬送設備の高コスト化を招かない。
【0043】
ワークWは高分子材料Sが固形化されてなる固形物2内に収納状となるので、仕切り等にて仕切って各ワークWが収納される収納部屋に区切る必要がなく、ワークWを効率よくコンパクトに収納できる。
【0044】
所定温度を越えると液化し所定温度以下で固形化する高分子材料Sを用いるので、ワークWを取り出す際には、高分子材料Sを所定温度を越える温度とすることによって、高分子材料が液化し、簡単に取り出すことができる。しかも、高分子材料Sを所定温度を越える温度とする場合、直接的に固形物を加熱しても、形物の高分子材料Sの融点以上の温度の溶解液を加えるようにしてもよく、液化のための装置としても簡単な構成なものでよく、液化工程も簡素化できる。また、徐々に溶解させることができ、溶解時におけるワークの疵付を回避することができる。
【0045】
高分子材料Sが液化されてワークWが取り出されるものであり、この高分子材料Sの再利用が可能となり、環境にやさしいワーク搬送方法を提供できる。しかも、高分子材料Sが液化されているので、ふるい等の分離手段によって、高分子材料Sから異物を分離することができ、異物が混入している高分子材料Sを再利用することを回避することができる。
【0046】
常温下で固形化する高分子材料を用いることができ、このような高分子材料Sを用いることによって、固形化する場合、常温において放置しておけばよく、固形化する工程において、温度調整装置等を必要とせず、装置全体の簡素化を図ることができる。
【0047】
また、常温下で固形化する高分子材料Sを用いることができ、このような高分子材料Sを用いることによって、固形化する場合、常温において放置しておけばよく、固形化する工程において、液化工程の短時間化を図ることができるとともに、安全性に優れかつ環境にやさしい搬送方法を提供できる。
【0048】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、使用する高分子材料Sとして、ゼラチンを用いるものに限るものではなく、所定温度を越えると液化し前記所定温度以下で固形化するものであればよい。このため、前記実施形態に示したもの以外に例えば、寒天やカラギーナン等を用いることができる。また、この所定温度(使用する高分子材料Sの融点)としても、種々のものを選択できるが、廃棄等時における環境を考慮して、あまり高温とならないもの、例えば40℃〜60℃程度のものを選択するのが好ましい。
【0049】
また、ワークWとして、円筒ころやボールに限るものではなく、針状ころ軸受に用いる針状ころや円すいころ軸受の円すいころ等であってよく、さらには、軸受の転動体に限るものではなく、内輪や外輪等であってもよい。また、軸受の軸受構成部材部品以外の他の種々の機械加工部品であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 収納容器
2 固形体
S1 溶解液
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定温度を越えると液化し前記所定温度以下で固形化する高分子材料を用いるワーク搬送方法であって、液化状態の高分子材料内にワークが収納された状態とした後、高分子材料を前記所定温度以下として固形化して、内部にワークが埋設状となっている所定形状の固形物を形成し、この固形物を搬送することを特徴とするワーク搬送方法。
【請求項2】
前記ワークは機械加工部品であり、前記固形物の搬送は機械加工部品の加工工程間であることを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送方法。
【請求項3】
前記ワークは、軸受の軸受構成部品であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワーク搬送方法。
【請求項4】
前記高分子材料は常温下で固形化することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項にワーク搬送方法。
【請求項5】
前記固形物をその高分子材料の融点まで加熱して、融解することによって、ワークを取り出すことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のワーク搬送方法。
【請求項6】
前記固形物の高分子材料の融点以上の温度の溶解液にて、固形物の高分子材料を、融解することによって、ワークを取り出すことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のワーク搬送方法。
【請求項7】
前記固形物からワークを取り出し、そのワーク取り出し後の高分子材料を再利用することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のワーク搬送方法。
【請求項8】
前記固形物に収容されているワークは、単体であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のワーク搬送方法。
【請求項9】
前記固形物に収容されているワークは、複数個であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のワーク搬送装置。
【請求項10】
液化状態で高分子材料が収納容器に注入された後、固形化されて固形物が形成され、固形物が収納容器とともに搬送されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のワーク搬送方法。
【請求項11】
液化状態で高分子材料が収納容器に注入された後、固形化されて固形物が形成され、固形物が収納容器から取り出されて、固形物のみが搬送されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のワーク搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−183617(P2012−183617A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49086(P2011−49086)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】