説明

一体化の変り襟リバーシブルコート

【目的】洋裁のように、衿の型を使用せず、時間をかけずにリフォーム感覚で、柄物と、無地の反物を2反利用して裏表共におしゃれに着用できる一体化の変り襟リバーシブルコートで、竪襟を利用して襟の型を作り、素人の人達でも手入れと保存が簡単にできる本案を世に提供するものである。
【構成】上記の目的を達成するため、両面コート用の生地に於て、衿の部分(1)と身頃の部分(2)の縫い目および、裁断の合せ目を無くし、1枚の生地で衿を設け、裏表両面着れるようにした本案は、竪衿を利用して一体化の衿流れのカーブを形成し、表地に紬や、大島、裏地に黒以外の縮緬を使用し、仕立の際、竪襟より延長の小衿巾を8分に、又、長コートは前身頃に前上り2センチに形成して全体を構成した一体化の変り襟リバーシブルコートである。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、洋裁のように衿の型をおこす必要がなく、竪衿を利用して一体化の 衿流れカーブをデザインと共に形成し、女性の態形に合わせた好みのコートを 世に提供し日本文化発展と技能尊重育成の一助の為になされた一体化の変り襟 リバーシブルコートである。
【従来の技術】
【0002】
従来、表裏を使用できるリバーシブルコートはあるが、表裏で和洋装となるリバーシブルコート(例えば、P出57−121430、A41D、3/00)や 、両面兼用できる衣服(例えば、P出09−95088、A41D、31/0 0)や、スキー、スケート等冬期のダウン用等として、防寒機能を持たせたリ バーシブルコート(例えばU告58−24882、A41D、27/00)等 々があるが、いずれも本案の一体化の変り襟リバーシブルコートとは相違して いる。
【0003】
尚、表裏両面使用和装コート(U出58−39447、あ41D、3/00)
の内容全体を考察しても本案とは相違している。
【0004】
即ち、道行襟型の和装用コートに関し、表裏両面を裏返して何れの面を表とし ても着られるようにすると言う考案であり、本案の一枚の生地で衿を設け、竪 衿を利用して一体化の衿流れのカーブを形成して成る表裏両面着れることを特 徴とする一体化の変り襟リバーシブルコートとは大きく異なる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
先ず、仕立てに時間がかかり過ぎるという問題があった。
【0006】
又、仕立てに時間がかかるばかりでなく、特殊な技術と技能を必要とする問題 点があった。
【0007】
又、衿と身頃部分を別々に作り、後で縫い合わせるという問題があった。
【0008】
そのため、衿部分の生地が厚くなり、照り(テカリ)が出て光って見えてしま う問題点があった。
【0009】
そして尚、和裁技術、洋裁技術の更なる高度の技術が必要となる問題点があっ た。
【0010】
以上述べた以外にも、従来多く利用されているリバーシブルコートは、主に、 表地に柄、裏には黒地の縮緬という使い方をしている為、その着用に於いて、 黒地は仏事の弔問の際と利用の場が限られてしまうという欠点があり、ユーザ ーの皆さんから表裏の両面共に、お洒落着できるようなリバーシブルコートの 要望がなされていた。
【0011】
又、このことは業界からも強く要望視されていた。
【0012】
そこで本考案は、従来の技術や考察が解決しゆうとする課題で述べた数々の問 題点や欠点に鑑み、これらを解決した一体化の変り襟リバーシブルコートを提 供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本考案における一体化の変り襟リバーシブルコート は、両面コート用の生地に於いて、衿の部分(1)と身頃の部分(2)の縫い 目及び、裁断の合せ目を無くし、一枚の生地で衿を設け、裏表両面着れること を特徴とする一体化の変り襟リバーシブルコートであり、竪衿を利用いて一体 化の衿流れのカーブを形成し、表地に紬や、大島、裏地に黒以外の縮緬を使用 し、仕立ての際、竪衿より延長の小衿巾を8分に、又、長コートは前身頃に前 上り2センチに形成して全体を構成した一体化の変り襟リバーシブルコートで ある。
【0014】
【作用】
本考案の一体化の変り襟リバーシブルコートは、その全体構成からリフォーム の感覚で柄物と、無地の反物を2反利用して裏と表共に、お洒落に着用できる 。
【0015】
又、洋裁のように衿の型をおこす必要がないので、竪衿を利用して一体化の衿 流れのカーブ(デザイン)を形成しやすい。
【0016】
又、衿の型をはめ込む様式と違い、アイロン掛け等が簡単容易である。尚、竪 衿利用なので、素人の人達でも、手入れと保存が簡単にできる。
【0017】
従来はコートの衿という事で衿の型の製図が必要だったが、その製図の必要が なくなり、意匠即ちデザイン的センスを発揮できる。
【0018】
型を使用せず衿のカーブを縫い代をつけて裁ち、つまみ縫いしている為、前述 の意匠デザインの要素は重要である。従って製図は簡素化した。
【0019】
これによって、衿のカーブは好みと態形により自由に創作できる。
【0020】
尚、衿下りは6寸、長コートは裾を踏まないように前身頃に前上り2センチを 付け、竪衿裾の丸みは5センチつけます。後の仕立は、袷仕立とする。
【0021】
以上の事柄から、あらゆる面で仕事の合理化と時間の短縮ができる。
【0022】
【実 施 例】
実施例について図面を参照して説明すると「図1」は基本的な本考案の一体化の変り襟リバーシブルコートの完成図である。
【0023】
衿のへら付けの準備には、身頃は総べてミシン縫製で縫い目は細かく、仕上げは割り仕立にする。
【0024】
本考案は、時間をかけないで簡単に手持ちのそ反物を利用して一枚のコートを2通りに着用できる裏表兼用の両面共おしゃれに着用できるコートであり、竪衿を利用して衿の形を形成して作る本考案は、「図1」で示す衿の部分(1)と身頃の部分(2)の縫い目および、裁断の合せ目を無くし、1枚の生地で衿を設け、竪襟を利用して一体化の衿流れのカーブを形成させ、表地に紬、裏地に黒以外の縮緬を使用し、竪衿より延長の小衿巾(4)を8分にして仕立てる。
【0025】
尚、長コートは前身頃(5)に前上り2センチ(3)に形成してしあげる。
【0026】
仕立方の基本は次に述べる通りである。
1)、竪襟を利用して衿の型を作ります。(衿のカーブは好みによってかわります。
2)、衿のカーブを縫い代をつけて裁ち、つまみ縫いします。(この段階では,裏表のヘラ付けはいっしょです。)
3)、衿下りは6寸。
4)、長コートは裾を踏まないように,前身頃(5)に前上がり2センチ(3)
つけます。竪衿裾の丸みは5センチつけます。後の仕立は,袷仕立てとなります。
5)、尚、衿のヘラ付けの準備には、身頃は総てミシン縫製で,縫い目は、細かく、仕上げは割り仕立とします。
以上によって完成させる本考案は、第1実施例である。
【0027】
又、上記、第1実施例からその用途により、裏地に黒の布を使う本考案は、第2実施例である。
【0028】
【考案の効果】
本考案は、上記述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0029】
時間をかけないで、簡単に(手持ちの反物を利用又は製品使用)1枚のコートを2通りに着用できる。
【0030】
裏に黒の地布を使う第2実施例によっては、慶弔の場合でも利用できる。
【0031】
竪襟を利用して、どなたにも好まれるデザインの為、総ての人に喜んでもらえると共に、従来の欠点であったアイロンによる照りの問題も解消する。
【0032】
小衿の型紙を使用しない為、素人の人達でも技術取得ができると共に、その効果は多種に渡る。特に今日の技術尊重の育成の面では、その効果は大きい。
【0033】
アイロンの当りが無く、手入れと保存が簡単にできる。
【0034】
以上の通りであるが、今一度まとめると、襟の型をはめこまず、竪襟を利用して、竪襟下りと衿の流れを考え各々の好みに合わせたカーブ(デザイン意匠)にに仕立てるので、通常より早くでき上り、しかもアイロンによる照りの問題が解消できる等などの効果がある。又、裏に黒の地布を使うと慶弔の場合でも利用できる。尚洋裁のように衿の型をおこす必要が無いので素人の人達でも手入れと保存が簡単にできる。しかも、時間をかけずに好みや形態に合わせて仕立て上げるので、その効果は多大であり、技能者の育成と企業の発展に役立つ等、効果は計り知れないものがある。
【0035】
再に、付け加えると、本案は通常、裏地に黒布は使用していないので、裏表兼用の両面共におしゃれに着用できるリフォーム感覚の素敵な一体化の変り襟リバーシブルコートである。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の説明用正面図である。
【符号の説明】
1 衿の部分
2 身頃の部分(竪衿)
3 前上り2センチ
4 竪襟より延長の小衿巾
5 前身頃(上前)
6 前身頃(下前)
7 裾

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】両面コート用の生地に於いて、衿の部分(1)と身頃の部分(2)の縫い目及び、裁断の合せ目を無くし、1枚の生地で衿を設け、裏表両面着れることを特徴とする一体化の変り襟リバーシブルコート。
【請求項2】竪襟を利用して一体化の衿流れのカーブを形成した「請求項1」記載の一体化の変り襟リバーシブルコート。
【請求項3】表地に紬、裏地に黒以外の縮緬を使用した「請求項1」、「請求項2」記載の一体化の変り襟リバーシブルコート。
【請求項4】竪衿より延長の小衿巾を8分にした「請求項1」、「請求項2」、「請求項3」記載の一体化の変り襟リバーシブルコート。
【請求項5】長コートは前身頃に前上り2センチに形成した「請求項1、2、3、4、」記載の一体化の変り襟リバーシブルコート。

【図1】
image rotate


【登録番号】実用新案登録第3071159号(U3071159)
【登録日】平成12年6月14日(2000.6.14)
【発行日】平成12年8月29日(2000.8.29)
【考案の名称】一体化の変り襟リバーシブルコート
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平11−10265
【出願日】平成11年12月31日(1999.12.31)
【出願人】(500068898)