説明

一次群速度インタフェース収容方式

【課題】 一次群速度インタフェース収容方式に関し、構造化データも転送可能とする一次群速度インタフェース収容回路を実現することを目的とする。
【解決手段】 TTC標準のJT−I431で定義される一次群速度インタフェースを有する伝送路(100)をATM通信網(200)に収容する一次群速度インタフェース収容回路(300)において、一次群速度インタフェース伝送路から連続的に到着するタイムスロットから、有効データを伝送する有効タイムスロットのみを抽出し、該有効タイムスロットにより伝送される有効データにより構造化データを形成した後、速度変換してATMセル組立処理に伝達し、且つATMセル分解処理から出力される構造化データを速度逆変換した後、一次群速度インタフェース伝送路の有効タイムスロットに分配する速度変換手段(301)を設ける様に構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一次群速度インタフェース収容方式に関し、特にTTC標準のJT−I431で定義される一次群速度インタフェースを有する伝送路をATM通信網に収容する一次群速度インタフェース収容回路における一次群速度インタフェース収容方式に関する。
【0002】
【従来の技術】図21は従来ある一次群速度インタフェース収容回路を例示する図であり、図22は図21における非構造化データセル化方式を例示する図であり、図2323は構造化データセル化方式を例示する図である。
【0003】図21において、1は、TTC標準のJT−I431で定義される一次群速度インタフェースを有する伝送路〔以後一次群速度インタフェース伝送路(1)と称する〕であり、2はATM〔Asynchronous Transfer Mode〕通信網(2)であり、3は一次群速度インタフェース伝送路(1)をATM通信網(2)に収容する一次群速度インタフェース収容回路である。
【0004】一次群速度インタフェース収容回路(3)は、図21に示される如く、一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)、ATM−UNIプロトコル制御部(5)およびATMセル組立分解部(6)から構成される。
【0005】一次群速度インタフェース伝送路(1)は、図22に示される如き時分割多重方式であり、それぞれ8ビット(b1 乃至b8 )を伝送する24のタイムスロット(TS1 )乃至(TS24)と、1ビット(b)から成るフレームビット(bF)とから構成されるフレーム(F)を、125マイクロ秒周期で連続的に伝送する。
【0006】一次群速度インタフェース収容回路(3)は、一次群速度インタフェース伝送路(1)から到着する図22に示される如き、フレームビット(bF )と、総てのタイムスロット(TS1 )乃至(TS24)により伝送される総ての有効および無効データ〔以後非構造化データと称する〕を一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)により受信すると、ATMセル組立分解部(6)により、48オクテット(バイト)毎に分割し、図22に示される如き各ATMセル(C)のペイロード(PLC )とし、5オクテットから成るATMセル(C)のヘッダ(HC )を付加してATMセル(C)を組立て、ATM−UNIプロトコル制御部(5)によりATM通信網(2)に送出する。
【0007】また一次群速度インタフェース収容回路(3)は、ATM通信網(2)から到着する図22に示すされる如きATMセル(C)をATM−UNIプロトコル制御部(5)により受信すると、ATMセル組立分解部(6)が各受信ATMセル(C)からATMセルペイロード(PLC )を抽出し、一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)がATMセルペイロード(PLC )を連続配列することにより、図22に示される如き非構造化データに復元し、一次群速度インタフェース伝送路(1)に送出する。
【0008】以上により、一次群速度インタフェース収容回路(3)を介してATM通信網(2)に収容される一対の一次群速度インタフェース伝送路(1)相互間で通信を行う場合には、送信側の一次群速度インタフェース伝送路(1)から到着した非構造化データは、送信側の一次群速度インタフェース収容回路(3)において総てATMセル(C)に変換され、ATM通信網(2)を経由して受信側の一次群速度インタフェース収容回路(3)に転送され、受信側の一次群速度インタフェース収容回路(3)で、ATMセル(C)に変換されて転送された総てのデータを結合することにより、元通りの非構造化データに復元され、受信側の一次群速度インタフェース伝送路(1)に送出される。
【0009】なお、前述の非構造化データ以外に、図23R>3に示される如き構造化データも使用されている。図23R>3において、構造化データは、図22に示されると同様の非構造化データからフレームビット(bF )を除去し、それぞれ8ビット(b1 乃至b8 )を伝送する24のタイムスロット(TS1 )乃至(TS24)のみを、125マイクロ秒周期で伝送するフレーム(FA )を構成した後、46オクテット毎に区分してATMセルペイロード(PLC )内のSAR・PDUペイロード(PLS )とする。
【0010】なお除去されたフレームビット(bF )に代わって、フレーム(FA )の区切りを受信側に通知する為に、図23に示される如く、ATMセル(C)内に1オクテットから成るポインタ(PT )をATMセルペイロード(PLC )内の所定位置に設け、ポインタ(PT )位置と、最初のフレーム(FA )の先頭位置とのオフセット値を設定している。
【0011】なおポインタ(PT )は、各ATMセル(C)毎に設けず、偶数番目のATMセル(C)のみに設ける為、ポインタ(PT )を設けぬATMセル(C)のSAR・PDUペイロード(PLS )は47オクテットとなる。
【0012】更に構造化データは、総てのタイムスロット(TS1 )乃至(TS24)で伝送されるデータの内、有効データのみを伝送し、無効データは除去されることも提案されている。
【0013】然し、従来ある一次群速度インタフェース収容回路(3)は、かかる構造化データを転送する機能は具備していなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上の説明から明らかな如く、従来ある一次群速度インタフェース収容回路は、非構造化データのみを転送可能とし、構造化データの転送は考慮されていなかった為、構造化データを転送する要求に対応することが不可能であった。
【0015】本発明は、構造化データも転送可能とする一次群速度インタフェース収容回路を実現することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図である。図において、100は、TTC標準のJT−I431で定義される一次群速度インタフェース伝送路、200は、ATM通信網、300は、一次群速度インタフェース伝送路(100)をATM通信網(200)に収容する一次群速度インタフェース収容回路である。
【0017】301は、本発明により一次群速度インタフェース収容回路(300)に設けられた速度変換手段である。302は、本発明(請求項5)により一次群速度インタフェース収容回路(300)に設けられた揺らぎ吸収量決定手段である。
【0018】速度変換手段(301)は、一次群速度インタフェース伝送路(100)から連続的に到着するタイムスロットから、有効データを伝送する有効タイムスロットのみを抽出し、該有効タイムスロットにより伝送される有効データにより構造化データを形成した後、速度変換してATMセル組立処理に伝達し、且つATMセル分解処理から出力される構造化データを速度逆変換した後、一次群速度インタフェース伝送路(100)の有効タイムスロットに分配する。〔請求項1〕
なお速度変換手段(301)は、有効データを伝送する有効タイムスロット列の先頭のタイムスロットを示すフレーム境界通知信号を、先頭のタイムスロットと同期してATMセル組立分解処理に伝達することが考慮される。〔請求項2〕
また速度変換手段(301)は、ATM通信網(200)から抽出した基準クロックの時間的変動を吸収する為に、一次群速度インタフェース伝送路(100)から到着する時分割多重データの一フレーム内のクロック数を確認・制御することが考慮される。〔請求項3〕
また速度変換手段(301)は、有効データを伝送するタイムスロットに、一次群速度インタフェース収容回路(300)間で授受する情報を伝送するタイムスロットを追加して構造化データとすることにより、一次群速度インタフェース収容回路(300)または一次群速度インタフェース伝送路(100)相互間で情報を転送可能とすることが考慮される。〔請求項4〕
揺らぎ吸収量決定手段(302)は、ATM通信網(200)から到着するATMセルの到着間隔の変動を吸収する為に、所定時間の間、蓄積する為の揺らぎ吸収量を、有効タイムスロット数に対応して決定する。
【0019】従って、一次群速度インタフェース伝送路を経由して伝送される総てのデータから、有効データのみを抽出して構造化データを形成し、該構造化データによりセルを組立て、ATM通信網を経由して転送可能となり、ATM通信網の通信効率が大幅に向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面により説明する。図2は本発明の実施形態による一次群速度インタフェース収容回路を示す図であり、図3は図2における速度変換部を例示する図であり、図4は図3における上り方向速度変換制御部を例示する図であり、図5R>5は図4における上り書込制御タイミングを例示する図であり、図6は図4における上り読出制御タイミングを例示する図であり、図7は図4における上りリセット制御タイミングを例示する図であり、図8は図3における下り方向速度変換制御部を例示する図であり、図9は図8R>8における下り書込制御タイミングを例示する図であり、図10は図8における下り読出制御タイミングを例示する図であり、図11は図3における動作クロック作成部(その一)を例示する図であり、図12は図11における動作タイミングを例示する図であり、図13は図1111における有効タイムスロット設定部を例示する図であり、図14は図3における動作クロック作成部(その二)を例示する図であり、図15は図14における動作タイミングを例示する図であり、図16は本発明(請求項1乃至3)の実施形態による構造化データセル組立分解経緯を示す図であり、図17は本発明(請求項4)の実施形態による付加情報転送経緯を示す図であり、図18R>8は図2におけるATMセル組立分解部を例示する図であり、図19は図18における揺らぎ吸収量テーブルを例示する図であり、図20は図18におけるセル揺らぎ吸収を説明する図である。なお、全図を通じて同一符号は同一対象物を示す。
【0021】図2においては、図1における一次群速度インタフェース伝送路(100)として一次群速度インタフェース伝送路(1)が示され、また図1におけるATM通信網(200)としてATM通信網(2)が示され、また図1における一次群速度インタフェース収容回路(300)として一次群速度インタフェース収容回路(3)が示されており、更に図1における速度変換手段(301)として速度変換部(7)が設けられている。
【0022】また図18においては、図1における揺らぎ吸収量決定手段(302)として揺らぎ吸収量テーブル(611)が、ATMセル組立分解部(6)を構成するATMセル受信制御部(61)内に設けられている。
【0023】最初に、本発明(請求項1乃至3〕の実施形態を、図2乃至図16を用いて説明する。速度変換部(7)は、図3に示される如く、上り方向速度変換制御部(71)と、下り方向速度変換制御部(72)と、動作クロック作成部(73)とを具備しており、上り方向速度変換制御部(71)は図4に示される如き構成を有し、下り方向速度変換制御部(72)は図8に示される如き構成を有し、動作クロック作成部(73)は、図11R>1および図14に示される如き二種類の構成を有する〔前者を動作クロック作成部(73A )、後者を動作クロック作成部(73B )と称する〕。
【0024】最初に、上り方向速度変換制御部(71)の動作過程を、図3乃至図7により説明する。図2において、一次群速度インタフェース伝送路(1)から一次群速度インタフェース収容回路(3)内の一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)に到着する時分割多重データ〔以後データ(DUI)と称する〕は、図22に示される如き非構造化データとし、その内、第1タイムスロット(TS1 )から連続する指定数のタイムスロット(TS)のみが有効データを伝送し、その他のタイムスロット(TS)は無効データを伝送するものとする。
【0025】以後有効データを伝送するタイムスロット(TS)を、有効タイムスロット(TSE )と称する。今回は、有効タイムスロット(TSE )は6タイムスロット(TS1 )乃至(TS6 )とする。
【0026】かかる場合に、有効タイムスロット(TSE )の数を示す有効タイムスロット設定信号(SETS )〔今回は(SETS )=(6)〕が、一次群速度インタフェース収容回路(3)内の所要各部に設定される。
【0027】一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)においては、一次群速度インタフェース監視部(41)が、一次群速度インタフェース伝送路(1)から到着するデータ(DUI)を受信すると、データ(DUI)からクロック信号(CLKUI)を抽出すると共に、193ビット(b)から成るフレーム(F)の区切りをフレームビット(bF )により検出し、検出した区切りから、タイムスロット(TS24)の開始時点に同期したフレーム境界通知信号(SFP)を生成し、受信したデータ(DUI)と、抽出したクロック信号(CLKUI)と、生成したフレーム境界通知信号(SFP)とを、速度変換部(7)内の上り方向速度変換制御部(71)に伝達する。
【0028】上り方向速度変換制御部(71)においては、書込制御部(UWR)(711)が、予め設定されている有効タイムスロット設定信号(SETS )〔=(6)〕から、有効タイムスロット(TSE )が第1タイムスロット(TS1 )乃至第6タイムスロット(TS6 )と認識している。
【0029】かかる状態で、一次群速度インタフェース監視部(41)からデータ(DUI)、クロック信号(CLKUI)およびフレーム境界通知信号(SFP)を受信すると、先ず各フレーム(F)からフレームビット(bF )を除去してフレーム(FA)を生成する。
【0030】次に書込制御部(UWR)(711)は、フレーム(FA )としたデータ(DUI)を直並列変換し、並列8ビットから成るデータ(DUIP )に変換し、また受信したクロック信号(CLKUI)を8分周し、データ(DUIP )に同期したクロック信号(CLKUIP )を生成する。
【0031】次に書込制御部(UWR)(711)は、フレーム境界通知信号(SFP)から予め定められている有効タイムスロット(TSE )の第一タイムスロット(TS1 )から、クロック信号(CLKUIP )に同期した書込信号(WRU )を生成し、データ(DUIP )と共に、一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に入力し、一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に順次格納する。
【0032】書込信号(WRU )の生成数が、予め設定されている有効タイムスロット設定信号(SETS )〔=(6)〕に一致すると、以後の書込信号(WRU )の生成を停止する。
【0033】以上により、書込制御部(UWR)(711)は、各フレーム(FA )内のデータ(DUIP )の、有効タイムスロット(TSE )に相当する第1タイムスロット(TS1 )乃至第6タイムスロット(TS6 )のみを、一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に格納する。
【0034】また書込制御部(UWR)(711)は、有効タイムスロット(TSE )の第一タイムスロット(TS)を示す1ビット(論理“0”)から成るセル化開始タイムスロット信号(STSEUI1)を生成し、タイムスロット(TS1 )と並列に一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に格納する。
【0035】即ち一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)には、8ビットから成るデータ(DUIP )と、1ビットから成るセル化開始タイムスロット信号(STSEUI1)とが、同一番地に9ビット並列に格納されることとなる。
【0036】以上の各種信号の時間経過は、図5に示される。一方、読出制御部(URD)(713)は、書込制御部(UWR)(711)が、第2フレーム(FA )の有効タイムスロット(TSE )のデータ(DUIP )を一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に格納開始したことを確認した後、ATM通信網(2)の基準クロック信号(CLKATM )の立上り時点から、一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に格納済のデータ(DUIP )とセル化開始タイムスロット信号(STSEUI1)との抽出を開始する。〔ここで、読出制御部(URD)(713)が一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)から抽出するデータ(DUIP )およびセル化開始タイムスロット信号(STSEUI1)を、それぞれデータ(DUOP )およびセル化開始タイムスロット信号(STSEUO1)と称する。〕
読出制御部(URD)(713)は、一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)から抽出したセル化開始タイムスロット信号(STSEUO1)が論理“0”に設定されている場合には、同時に抽出したデータ(DUOP )を有効データと判定し、また一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)から抽出したセル化開始タイムスロット信号(STSEUO1)が論理“1”に設定された儘の場合には、異常データとして、書込制御部(UWR)(711)、一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)および読出制御部(URD)(713)を初期設定する。
【0037】有効データを抽出した場合には、抽出したデータ(DUOP )を並直列変換してデータ(DUO)に変換し、ATMセル組立分解部(6)の動作クロック信号(CLK6 )と、基準クロック信号(CLKATM )とにより、ATMセル組立分解部(6)に伝達する。
【0038】以上の各種信号の時間経過は、図6に示される。一方、リセット制御部(RSC)(714)は、一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)が一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に格納するセル化開始タイムスロット信号(STSEUI1)の数を加算し、且つ読出制御部(URD)(713)が一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)から抽出するセル化開始タイムスロット信号(STSEUO1)の数を減算するカウンタを内蔵し、カウンタの計数値が、予め定められた基準値〔今回は(2)個〕を越える場合には、書込制御部(UWR)(711)から一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)に格納したデータ(DUIP )が3フレーム(FB )以上となったか、或いは読出制御部(URD)(713)が一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)から抽出の際に、セル化開始タイムスロット信号(STSEUO1)を検出不成功に終わったと判定し、書込制御部(UWR)(711)、読出制御部(URD)(713)および一時蓄積用メモリ(UFIFO)(712)を初期設定する。
【0039】以上の各種信号の時間経過は、図7に示される。ATMセル組立分解部(6)は、上り方向速度変換制御部(71)から伝達された有効タイムスロット(TSE )であるタイムスロット(TS1 )乃至(TS6 )のデータ(DUOP )、ATMセル組立分解部(6)の動作用のクロック信号(CLK6 )およびセル化開始タイムスロット信号(STSEUO1)を受信すると、46または47オクテット分のデータ(DUOP )、または46オクテット分のデータ(DUOP )とポインタ(PT )とによりSAR・PDUペイロード(PLS)を作成し、更に所要のSAR・PDUヘッダ(HS )およびATMセルヘッダ(HC )を付加して所定形式のATMセル(C)を組立て、ATM−UNIプロトコル制御部(5)を経由してATM通信網(2)に送出する。
【0040】次に、下り方向速度変換制御部(72)の動作過程を、図8乃至図10により説明する。ATMセル組立分解部(6)は、ATM通信網(2)から一次群速度インタフェース収容回路(3)に到着するATMセル(C)を、ATM−UNIプロトコル制御部(5)を介して受信すると、受信したATMセル(C)を分解し、ATMセルヘッダ(HC )およびSAR・PDUヘッダ(HS )を除去し、ポインタ(PT )を含むATMセル(C)から抽出したポインタ(PT )により、SAR・PDUペイロード(PLS )のデータ(DRI)をフレーム(FB )単位の6有効タイムスロット(TSE )分毎に区分し、図示されぬ一時蓄積用メモリに格納する。
【0041】速度変換部(7)においては、下り方向速度変換制御部(72)内の書込制御部(DWR)(721)が、ATMセル組立分解部(6)の動作用のクロック信号(CLK6 )と、6有効タイムスロット(TSE )に相当するフレーム境界通知信号(SFP)とをATMセル組立分解部(6)に伝達し、伝達した動作用のクロック信号(CLK6 )と、ATMセル組立分解部(6)が保有する基準クロック信号(CLKATM )とに同期して各フレーム(FB )のデータ(DDI)を受信する。
【0042】次に書込制御部(DWR)(721)は、受信したデータ(DDI)を直並列変換し、並列8ビットから成るデータ(DDIP )に変換し、またクロック信号(CLK6 )を8分周し、データ(DDIP )に同期したクロック信号(CLKDIP )を生成する。
【0043】次に書込制御部(DWR)(721)は、基準クロック信号(CLKATM )の立上りから、有効タイムスロット(TSE )の第一タイムスロット(TS1 )から、クロック信号(CLKDIP )に同期した書込信号(WRD )を生成し、データ(DDIP )と共に、一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)に入力し、一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)に順次格納する。
【0044】書込信号(WR)の生成数が、予め設定されている有効タイムスロット設定信号(SETS )〔=(6)〕に一致すると、一フレーム(FB )分のデータ(DDIP )の格納を終了し、次の一フレーム(FB )分のデータ(DDIP )の格納を開始する。
【0045】また書込制御部(DWR)(721)は、有効タイムスロット(TSE )の第一タイムスロット(TS)を示す1ビット(論理“0”)から成るデセル化開始タイムスロット信号(STSEDI1)を生成し、タイムスロット(TS1 )と並列に一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)に格納する。
【0046】即ち一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)には、8ビットから成るデータ(DDIP )と、1ビットから成るデセル化開始タイムスロット信号(STSEDI1)とが、同一番地に9ビット並列に格納されることとなる。
【0047】以上の各種信号の時間経過は、図9に示される。一方、読出制御部(DRD)(723)は、書込制御部(DWR)(721)が、第2フレーム(FB )の有効タイムスロット(TSE )のデータ(DDIP )を一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)に格納開始したことを確認した後、最初に一次群速度インタフェース監視部(41)から伝達される送信基準タイミング信号(SDO)の立上り時点から、一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)に格納済のデータ(DDIP )とデセル化開始タイムスロット信号(STSEDI1)との抽出を開始する。〔ここで、読出制御部(DRD)(723)が一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)から抽出するデータ(DDIP )およびデセル化開始タイムスロット信号(STSEDI1)を、それぞれデータ(DDOP )およびデセル化開始タイムスロット信号(STSEDO1)と称する。〕
読出制御部(DRD)(723)は、一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)から抽出したデセル化開始タイムスロット信号(STSEDO1)が論理“0”に設定されている場合には、同時に抽出したデータ(DDOP )を有効データと判定し、また一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)から抽出したデセル化開始タイムスロット信号(STSEDO1)が論理“1”に設定された儘の場合には、異常データとして、書込制御部(DWR)(721)、一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)および読出制御部(DRD)(723)を初期設定する。
【0048】有効データを抽出した場合には、抽出したデータ(DDOP )を並直列変換してデータ(DDO)に変換し、一次群速度インタフェース監視部(41)から伝達されるクロック信号(CLKD0)に同期して、一次群速度インタフェース監視部(41)に伝達する。
【0049】以上の各種信号の時間経過は、図10に示される。一方、リセット制御部(RSC)(724)は、上り方向速度変換制御部(71)におけるリセット制御部(RSC)(714)と同様に、書込制御部(DWR)(721)が一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)に格納するデセル化開始タイムスロット信号(STSEDI1)の数を加算し、且つ読出制御部(DRD)(723)が一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)から抽出するデセル化開始タイムスロット信号(STSEDO1)の数を減算するカウンタを内蔵し、カウンタの計数値が、予め定められた基準値〔今回は(2)個〕を越える場合には、書込制御部(DWR)(721)から一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)に格納したデータ(DDIP )が3フレーム(FB )以上となったか、或いは読出制御部(DRD)(723)が一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)から抽出の際に、デセル化開始タイムスロット信号(STSEDO1)を検出不成功に終わったと判定し、書込制御部(DWR)(721)、読出制御部(DRD)(723)および一時蓄積用メモリ(DFIFO)(722)を初期設定する。
【0050】以上の各種信号の時間経過は、図7に示されるリセット制御部(RSC)(714)と同様である。一次群速度インタフェース監視部(41)は、一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)から伝達された有効タイムスロット(TSE )分のデータ(DDO)を第1タイムスロット(TS1 )乃至第6タイムスロット(TS6 )に設定し、残る第7タイムスロット(TS7 )乃至第24タイムスロット(TS24)には、内部で生成する無効データ〔例えば全ビット(b1 )乃至(b8 )を論理“1”に設定〕を設定してフレーム(FA )を組立て、更にフレームビット(bF )を付加してフレーム(F)を組立て、一次群速度インタフェース伝送路(1)に送出する。
【0051】次に、動作クロック作成部(73)の動作を、図11乃至図15を用いて説明する。動作クロック作成部(73)は、ATMセル組立分解部(6)の動作用のクロック信号(CLK6 )を作成し、速度変換部(7)内部に供給すると共に、ATMセル組立分解部(6)にも供給する。
【0052】動作クロック作成部(73)には、図11に示される動作クロック作成部(73A )と、図14に示される動作クロック作成部(73B )とが考慮される。最初に動作クロック作成部(73A )の動作を、図1111乃至図13により説明する。
【0053】動作クロック作成部(73A )は、図11に示される如く、発振部(OSC)(731)、分周部(DIV)(732)、有効タイムスロット設定部(ETS)(733)および動作クロック出力部(CMK)(734)から構成される。
【0054】発振部(OSC)(731)は、毎秒24.576メガビットのクロック信号(CLK0 )を出力する。分周部(DIV)(732)は、発振部(OSC)(731)から出力されるクロック信号(CLK0 )を、ATM通信網(2)から入力される基準クロック信号(CLKATM )を使用して384分の1に分周し、毎秒64キロビットのクロック信号(CLK1 )を出力する。
【0055】有効タイムスロット設定部(ETS)(733)は、有効タイムスロット数(N)〔但し(N)=1乃至24〕に対応する有効タイムスロット設定信号(SETS )〔図13参照〕の中から、当該一次群速度インタフェース収容回路(3)に定められた有効タイムスロット数(N)〔今回は(N)=6〕に対応する有効タイムスロット設定信号(SETS )=(00110)B 〔但しBは2進数を示す〕を選択し、出力する。
【0056】動作クロック出力部(CMK)(734)は、端子(C)に発振部(OSC)(731)からクロック信号(CLK0 )〔=毎秒24.576メガビット〕を入力され、また端子(D)に有効タイムスロット設定部(ETS)(733)から有効タイムスロット設定信号(SETS )〔=(00110)B 〕を入力され、更に端子(L)に分周部(DIV)(732)からクロック信号(CLK1 )〔=毎秒64キロビット〕を入力され、毎秒384キロビットのクロック信号(CLK1 )に同期したクロック信号(CLK2 )を出力する。
【0057】以上の各種信号の時間経過は、図12に示される。然し、図11に示されるクロック信号(CLK0 )の精度と、基準クロック信号(CLKATM )の精度との差に起因して、クロック信号(CLK1 )、延いては図13に示される如きクロック信号(CLK2 )が、正常に出力されなかった。
【0058】また図13に示される時間経過において、基準クロック信号(CLKATM )とクロック信号(CLK2 )とは、ジッタ成分等でプリセットタイミングが同期しない場合がある。
【0059】そこで、基準クロック信号(CLKATM )を基準として、基準内に各有効タイムスロット数(N)の必要クロック数を割り出し、実際のクロック信号(CLK2 )のクロック数をカウントして必要クロック数まで出力したら、次の基準クロック信号(CLKATM )がくる迄、出力を停止する機能を付加する。
【0060】以上の機能を付加した動作クロック作成部(73B )を、図14、図15および図13により説明する。発振部(OSC)(731)、分周部(DIV)(732)、有効タイムスロット設定部(ETS)(733)および動作クロック出力部(CMK)(734)は、図11に示された動作クロック作成部(73A )と同一であり、クロック数カウンタ(CNT)(735)、クロック数基準値設定部(CST)(736)、比較部(CMP)(737)および出力制御部(OPC)(738)が、新たに付加されている。
【0061】クロック数基準値設定部(CST)(736)は、有効タイムスロット数(N)に対応するクロック数基準値を、予め設定・出力している。クロック数カウンタ(CNT)(735)は、動作クロック出力部(CMK)(734)から出力されるクロック信号(CLK2 )のクロック数を計数し、計数結果を出力する。
【0062】比較部(CMP)(737)は、クロック数カウンタ(CNT)(735)が出力する計数結果と、クロック数基準値設定部(CST)(736)が出力するクロック数基準値とを比較し、クロック数カウンタ(CNT)(735)が出力する計数結果が、クロック数基準値設定部(CST)(736)が出力するクロック数基準値と一致した場合に、一致信号を出力する。
【0063】出力制御部(OPC)(738)は、比較部(CMP)(737)から一致信号が出力されていない状態では、動作クロック出力部(CMK)(734)から出力されるクロック信号(CLK2 )をその儘出力するが、比較部(CMP)(737)から一致信号が出力された状態では、動作クロック出力部(CMK)(734)から出力されるクロック信号(CLK2 )を遮断する。
【0064】その結果、基準クロック信号(CLKATM )の立上り時点では、出力制御部(OPC)(738)から出力されるクロック信号(CLK2 )の周期が変動するが、クロック信号(CLK2 )の変化点と、データ(D)の位相関係が狂わなければ、その後の動作には影響しない。
【0065】以上の各種信号の時間経過は、図15に示される。また本発明(請求項1乃至3)の実施形態による構造化データセル組立分解経緯を、図16に示す。
【0066】以上の説明から明らかな如く、本発明(請求項1乃至3)の実施形態によれば、ATM通信網(2)に収容される一次群速度インタフェース伝送路(1)相互間で、構造化データの転送が可能となり、当該通信システムの経済性、迅速性および利便性が大幅に向上する。
【0067】なお、図2乃至図16はあく迄本発明(請求項1乃至3)の一実施形態に過ぎず、例えば対象とする有効タイムスロット数(N)は6タイムスロット(TS)に限定されることは無く、他に幾多の変形が考慮されるが、何れの場合にも本発明の効果は変わらない。また本発明の対象とする一次群速度インタフェース収容回路(3)の構成は図示されるものに限定されることは無く、他に幾多の変形が考慮されるが、何れの場合にも本発明の効果は変わらない。
【0068】更に本発明の対象とする一次群速度インタフェースは、図示されるものに限定されぬことは言う迄も無い。次に、本発明(請求項4)の実施形態を、図2および図17を用いて説明する。
【0069】図2乃至図16に示される本発明(請求項1乃至3)の実施形態においては、一次群速度インタフェースの1フレーム(F)に含まれる24タイムスロット(TS1 )の内、6タイムスロット(TS)〔即ちタイムスロット(TS1 )乃至(TS6 )〕が有効タイムスロット(TSE )であり、残る18タイムスロット(TS)〔即ちタイムスロット(TS7 )乃至(TS24)〕は無効データを転送する為、構造化データ形式には含まれていない。
【0070】かかる無効タイムスロット(TSNE)を利用して、例えば一次群速度インタフェース収容回路(3)間で所要の情報を転送することが考慮される。例えば図2においては、一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)内に設けられたOAM制御部(43)が、一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)内の保守運用情報(OAM)を収集し、ATM通信網(2)を経由して通信中の対向一次群速度インタフェース収容回路(3)に転送するものとする。
【0071】速度変換部(7)は、前述と同様に、一次群速度インタフェース伝送路(1)から到着するデータ(DSI)を、一次群速度インタフェース監視部(41)を介して受信し、有効タイムスロット(TSE )であるタイムスロット(TS1 )乃至(TS6 )のみのデータ(DSI)を抽出し、フレーム(FB )を組立てる。
【0072】一方OAM制御部(43)は、収集した保守運用情報(OAM)を任意の無効タイムスロット〔図1717においては第7タイムスロット(TS7 )〕に設定し、フレーム(FB )に付加し、図17に示される如きフレーム(FC )を組立て、ATMセル組立分解部(6)に伝達する。
【0073】ATMセル組立分解部(6)は、前述と同様に、フレーム(FC )をSAR・PDUペイロード(PLS )に格納する、図17に示される如きATMセル(C)を組立て、ATM−UNIプロトコル制御部(5)を介してATM通信網(2)に送信する。
【0074】一方、対向一次群速度インタフェース収容回路(3)から、図17に示される如きATMセル(C)が到着すると、ATMセル組立分解部(6)が、ATM−UNIプロトコル制御部(5)を介して受信したATMセル(C)から、図17に示される如きフレーム(FC )を抽出する。
【0075】一次群速度インタフェースプロトコル制御部(4)においては、OAM制御部(43)が、ATMセル組立分解部(6)から抽出したフレーム(FC )から、タイムスロット(TS7 )のみを分離し、残るタイムスロット(TS1 )乃至(TS6 )から成るフレーム(FB )を速度変換部(7)に伝達すると共に、タイムスロット(TS7 )により伝送される保守運用情報(OAM)を抽出し、所要の分析処理を施す。
【0076】一方速度変換部(7)は、伝達されたフレーム(FB )を、前述と同様に受信する。以上の各種フレームおよびATMセルの変遷は、図17に示される。
【0077】以上の説明から明らかな如く、本発明(請求項4)の実施形態によれば、有効タイムスロット(TSE )以外の任意の無効タイムスロット(TSNE)を利用して、一次群速度インタフェース収容回路(3)間で保守運用情報(OAM)等を転送可能となり、当該通信システムの運用性能が向上する。
【0078】なお、図2および図17はあく迄本発明の一実施形態に過ぎず、例えば転送対象とする情報は保守運用情報(OAM)に限定されることは無く、他に幾多の変形が考慮されるが、何れの場合にも本発明の効果は変わらない。また無効タイムスロット(TSNE)による情報の転送は、一次群速度インタフェース収容回路(3)相互間に限定されることは無く、一次群速度インタフェース伝送路(1)を経由して接続される端末装置間等、他に幾多の変形が考慮されるが、何れの場合にも本発明の効果は変わらない。
【0079】次に、本発明(請求項5)の実施形態を、図2、図18乃至図20を用いて説明する。図2、図18乃至図20において、ATM通信網(2)を経由して転送されるATMセル(C)の転送時間は一定とはならず、送信側一次群速度インタフェース収容回路(3)から一定間隔で送出したATMセル(C)も、受信側の一次群速度インタフェース収容回路(3)に到達する時間間隔には多少の揺らぎが生ずる。
【0080】この種の到達間隔の揺らぎを吸収する為に、受信一次群速度インタフェース収容回路(3)で到着するATMセル(C)を一定時間蓄積した後、一定間隔で受信側一次群速度インタフェース伝送路(1)に転送する手法が広く採用されている。〔揺らぎを吸収する為に蓄積する時間を、揺らぎ吸収保証時間(TCDV )と称する。〕
ここで、ATMセル(C)の送信間隔が固定であれば、受信ATMセル(C)を揺らぎ吸収保証時間(TCDV )だけ蓄積する手段は、一定量のATMセル(C)を蓄積することで実現可能となる。
【0081】一方、本発明(請求項1乃至3)の実施形態によるATMセル(C)の送信間隔は、有効タイムスロット数(N)により種々変化する。従って、揺らぎ吸収保証時間(TCDV )を実現する為には、有効タイムスロット数(N)に対応して蓄積すべきATMセル(C)の数を変更することが有効となる。
【0082】図16に示されるATMセル組立分解部(6)には、ATMセル受信制御部(61)、一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)および受信データ組立送出部(63)が設けられており、またATMセル受信制御部(61)内には、図19に示される如き揺らぎ吸収量テーブル(611)が設けられている。
【0083】揺らぎ吸収量テーブル(611)には、図2R>2における一次群速度インタフェース伝送路(1)において、採用可能な各有効タイムスロット数(N)〔=(1)乃至(24)〕に対応する、伝送速度(kb/s)、セルレート(cell/s)、セル到達間隔(ms)、並びに、揺らぎ吸収保証時間(TCDV )を1.5ミリ秒とした場合の揺らぎ吸収量(X)(cell)が設定されている。
【0084】例えば、有効タイムスロット数(N)を3タイムスロット(TS)とした場合には、ATMセル(C)の到達間隔は、図19および図20(a) に示される如く、1.94ミリ秒間となる。
【0085】かかる場合に、揺らぎ吸収保証時間(TCDV )=1.5ミリ秒間を保証する為には、図19および図20(a) から、2個以上のATMセル(C)を蓄積する必要がある。
【0086】また、有効タイムスロット数(N)を20タイムスロット(TS)とした場合には、ATMセル(C)の到達間隔は、図19および図20(a) に示される如く、0.29ミリ秒間となる。
【0087】かかる場合に、揺らぎ吸収保証時間(TCDV )=1.5ミリ秒間を保証する為には、図19および図20(a) から、7個以上のATMセル(C)を蓄積する必要がある。
【0088】以上の原理に基づき、一次群速度インタフェース収容回路(3)が運用に先立ち、有効タイムスロット設定信号(SETS )〔例えば有効タイムスロット数(N)=(20)〕が入力されると、ATMセル受信制御部(61)は、内蔵するATMセル受信制御部(61)を参照し、入力された有効タイムスロット設定信号(SETS )により設定された有効タイムスロット数(N)〔=(20)〕に対応する揺らぎ吸収量(X)〔=(7)〕を選出する。
【0089】かかる状態で、ATM通信網(2)から一次群速度インタフェース収容回路(3)にATMセル(C)が到着すると、ATMセル組立分解部(6)内のATMセル受信制御部(61)が、到着するATMセル(C)をATM−UNIプロトコル制御部(5)を介して受信すると、書込信号(WR)を設定し、受信ATMセル(C)を順次一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)に格納する。
【0090】またATMセル受信制御部(61)は、一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)におけるATMセル(C)の蓄積数を計数しており、蓄積数が選出した揺らぎ吸収量(X)〔=(7)〕に達すると、受信データ組立送出部(63)を起動し、一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)に蓄積中のATMセル(C)の抽出を要求する。
【0091】起動された受信データ組立送出部(63)は、一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)に蓄積中のATMセル(C)を所定間隔で先着順に抽出し、前述の分解処理を実行し、抽出した有効タイムスロット(TSE )のデータ(DDI)を、速度変換部(7)に伝達する。
【0092】ATMセル受信制御部(61)は、一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)内のATMセル(C)の蓄積数が、前述の揺らぎ吸収量(X)迄減少すると、受信データ組立送出部(63)を起動停止し、一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)に蓄積中のATMセル(C)の抽出を停止させる。
【0093】以上により、一時蓄積用メモリ(FIFO)(62)内には常に揺らぎ吸収量(X)〔=(7)〕と同数のATMセル(C)が蓄積されることとなり、揺らぎ吸収保証時間(TCDV )が保証されたこととなる。
【0094】以上の説明から明らかな如く、本発明(請求項5)の実施形態によれば、一次群速度インタフェース伝送路(1)における有効タイムスロット数(N)が変化した場合にも、受信ATMセル(C)に対して常に指定された揺らぎ吸収保証時間(TCDV )を設定することが可能となり、一次群速度インタフェース伝送路(1)の伝送品質が向上する。
【0095】なお、図2、図18乃至図20はあく迄本発明の一実施形態に過ぎず、例えば有効タイムスロット数(N)は図示される3タイムスロット(TS)または20タイムスロット(TS)に限定されることは無く、他に幾多の変形が考慮されるが、何れの場合にも本発明の効果は変わらない。また本発明(請求項5)の対象とするATMセル組立分解部(6)および一次群速度インタフェース収容回路(3)の構成は図示されるものに限定されることは無く、他に幾多の変形が考慮されるが、何れの場合にも本発明の効果は変わらない。
【0096】
【発明の効果】以上、本発明によれば、一次群速度インタフェース伝送路を経由して伝送される総てのデータから、有効データのみを抽出して構造化データを形成し、該構造化データによりセルを組立て、ATM通信網を経由して転送可能となり、ATM通信網の通信効率が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理図
【図2】 本発明の実施形態による一次群速度インタフェース収容回路
【図3】 図2における速度変換部
【図4】 図3における上り方向速度変換制御部
【図5】 図4における上り書込制御タイミング
【図6】 図4における上り読出制御タイミング
【図7】 図4における上りリセット制御タイミング
【図8】 図3における下り方向速度変換制御部
【図9】 図8における下り書込制御タイミング
【図10】 図8における下り読出制御タイミング
【図11】 図3における動作クロック作成部(その一)
【図12】 図11における動作タイミング
【図13】 図11における有効タイムスロット設定部
【図14】 図3における動作クロック作成部(その二)
【図15】 図14における動作タイミング
【図16】 本発明(請求項1乃至3)の実施形態による構造化データセル組立分解経緯
【図17】 本発明(請求項4)の実施形態による付加情報転送経緯
【図18】 図2におけるATMセル組立分解部
【図19】 図18における揺らぎ吸収量テーブル
【図20】 図18におけるセル揺らぎ吸収を説明する図
【図21】 従来ある一次群速度インタフェース収容回路
【図22】 図21における非構造化データセル化方式
【図23】 構造化データセル化方式
【符号の説明】
1、100 一次群速度インタフェース伝送路
2、200 ATM通信網
3、300 一次群速度インタフェース収容回路
4 一次群速度インタフェースプロトコル制御部
5 ATM−UNIプロトコル制御部
6 ATMセル組立分解部
7 速度変換部
41 一次群速度インタフェース監視部
42、52 警報信号送信部
43、53 OAM制御部
51 UNIインタフェース監視部
61 ATMセル受信制御部
62 一時蓄積用メモリ(FIFO)
63 受信データ組立送出部
71 上り方向速度変換制御部
72 下り方向速度変換制御部
73A 、73B 動作クロック作成部
301 速度変換手段
302 揺らぎ吸収量決定手段
611 揺らぎ吸収量テーブル
711 書込制御部(UWR)
712 一時蓄積用メモリ(UFIFO)
713 読出制御部(URD)
714 リセット制御部(RSC)
721 書込制御部(DWR)
722 一時蓄積用メモリ(DFIFO)
723 読出制御部(DRD)
724 リセット制御部(RSC)
725 位相同期発振部(PLO)
726 セレクタ(SEL)
731 発振部(OSC)
732 分周部(DIV)
733 有効タイムスロット設定部(ETS)
734 動作クロック出力部(CMK)
735 クロック数カウンタ(CNT)
736 クロック数基準値設定部(CST)
737 比較部(CMP)
738 出力制御部(OPC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電信電話技術委員会(TTC)の標準(JT−I431)で定義される一次群速度インタフェースを有する伝送路をATM通信網に収容する一次群速度インタフェース収容回路において、前記一次群速度インタフェース伝送路から連続的に到着するタイムスロットから、有効データを伝送する有効タイムスロットのみを抽出し、該有効タイムスロットにより伝送される有効データにより構造化データを形成した後、速度変換してATMセル組立処理に伝達し、且つ前記ATMセル分解処理から出力される構造化データを速度逆変換した後、前記一次群速度インタフェース伝送路の有効タイムスロットに分配する速度変換手段を設けることを特徴とする一次群速度インタフェース収容方式。
【請求項2】 前記速度変換手段は、前記有効データを伝送する有効タイムスロット列の先頭のタイムスロットを示すフレーム境界通知信号を、前記先頭のタイムスロットと同期して前記ATMセル組立分解処理に伝達することを特徴とする請求項1記載の一次群速度インタフェース収容方式。
【請求項3】 前記速度変換手段は、前記ATM通信網から抽出した基準クロックの時間的変動を吸収する為に、前記一次群速度インタフェース伝送路から到着する時分割多重データの一フレーム内のクロック数を確認・制御することを特徴とする請求項1記載の一次群速度インタフェース収容方式。
【請求項4】 前記速度変換手段は、前記有効データを伝送するタイムスロットに、前記一次群速度インタフェース収容回路間で授受する情報を伝送するタイムスロットを追加して構造化データとすることにより、前記一次群速度インタフェース収容回路または一次群速度インタフェース伝送路相互間で情報を転送可能とすることを特徴とする請求項1記載の一次群速度インタフェース収容方式。
【請求項5】 電信電話技術委員会(TTC)の標準(JT−I431)で定義される一次群速度インタフェースを有する伝送路をATM通信網に収容する一次群速度インタフェース収容回路において、前記一次群速度インタフェース伝送路から連続的に到着するタイムスロットから、有効データを伝送する有効タイムスロットのみを抽出し、該有効タイムスロットにより伝送される有効データにより構造化データを形成した後、速度変換してATMセル組立処理に伝達し、且つ前記ATMセル分解処理から出力される構造化データを速度逆変換した後、前記一次群速度インタフェース伝送路の有効タイムスロットに分配する速度変換手段と、前記ATM通信網から到着するATMセルの到着間隔の変動を吸収する為に、所定時間の間、蓄積する為の揺らぎ吸収量を、有効タイムスロット数に対応して決定する揺らぎ吸収量決定手段とを設けることを特徴とする一次群速度インタフェース収容方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図16】
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【図17】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開平10−135973
【公開日】平成10年(1998)5月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−289891
【出願日】平成8年(1996)10月31日
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)