説明

万引検知機能付商品陳列システム

【課題】小売店舗における万引被害の回避策として、顧客による商品陳列棚からの人為的商品の取上げ状況をリアルタイムに監視し、万引行為を早期発見、店舗関係者に通報する万引検知機能付商品陳列システムを提供する。
【解決手段】商品陳列棚に重量センサーを設置、棚上商品の重量をリアルタイムに監視し、商品が棚から取上げられたことによる重量変化に着目、指定時間内のその重量計測値の変化分の大きさから万引行為を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店舗において、商品陳列ラックの棚毎に重量センサーを取付け、棚上の商品が人為的に取上げられた際の重量変化を検知、その重量変化分の大きさから異常発生を判定し、店舗関係者に通報可能とすることにより、万引被害回避に寄与できる万引検知機能付商品陳列システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の小売業者は拡大する「万引被害」に悩まされている。その被害額は業種によるばらつきはあるものの、平均的には、該当店舗売上額の1〜2%と観られている。この額は対利益比に置き換えると極めて大きなものとなり、この被害ダメージの蓄積により廃業を余儀なくされるケースも昨今多く見られる。特に書籍販売業、ドラッグストアでは年々被害規模が拡大する傾向にあり、関係者はその対策に頭を痛めている。
万引対策の切り札として、ICタグの適用が普及しつつあるが、既述業界では、様々な制約下において未だ具体化が進展していないのが実情である。ただ、ICタグの普及が本格化しても、対策としては
不十分である。即ち店舗出口付近で、商品取付けICタグ信号を検知し、犯行の発生を認識しても、その時点で、犯人がそのまま逃走すれば、何の効果もないものとなる。
昨今は、万引手口も極めて大胆なものとなっている。顧客を装った人物が店内を散策するそぶりをみせつつ、店舗関係者の視線を盗み、陳列棚上高額商品総てを一瞬にして略奪、逃走するとのことである。このような手口に対しては、既述の如く商品へのICタグ取付けだけでは、対策としては不完全であると言える。
【0003】
このような背景において発案されたのが本発明である。書籍販売店舗、ドラッグストアにおいて万引された商品は殆どの場合、転売換金目的とみなされる。従って、万引行為による一度の被害額がかなり大型化しつつある。例えば店舗内陳列棚上のキャンペーン中リップスティック、化粧品、新刊書籍一式を極短時間にすべてごっそり万引されるケースが多発している。棚上の多くの商品が極短時間に消滅することは、該当棚上商品重量を監視していれば、犯行の途中時点において、万引検知が可能となる。本発明は、商品陳列ラックの棚毎に重量センサーを取付け、その棚上の商品総重量計測値を監視、指定時間内での重量計測値変動が、変動上限値を超えると万引検知に至る。またその検知の瞬間に店舗内監視カメラを制御、犯行の経過を撮影し犯罪成立の証拠確立も可能とするものである。
【0004】
これまで、重量検知による欺瞞行為の防止例は、散見される。将来のスーパーレジ形態として、「セルフスキャニング」による方法が試行されつつある。この場合に、未精算商品をそのまま顧客が店舗外に持ち出すのを防止する手段として商品の重量検知による装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−141569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、小売店舗内商品陳列ラック棚上陳列商品が万引行為により極短時間に多数消滅した場合、その異常現象発生を陳列棚の商品重量変化により瞬時に検出し店舗関係者への通報、店舗内に警報発報を可能とすると同時に、店舗内監視カメラを制御し、犯行現場の映像を撮影、記録するものである。
この方式によれば、犯行がなされている途中で、異常事態発生を自動検知可能であるため、犯人が店舗外に逃走するまでに時間的余裕が生じ、犯人捕獲の確率が極めて高くなる。また犯行現場の映像撮影も同時になされるため、犯罪成立の証拠確立が容易である。
【0007】
つまり、背景技術においては、商品にICタグを取付け、その商品をレジ通過せずに店舗外に持ち出そうとした場合、店舗出口設置のICタグ信号検知器が感応し、ICタグ自身、検知器自身から大音響が吹鳴するものである。この時点において犯行がなされたこと及びおおよその犯人の特定はできるが、犯人がタグを取りはずす、もしくはそのまま逃走する、その時点で万引商品を放り投げ逃走することが想定され、犯人の捕獲、犯罪立証、放置商品破損に対する弁償要求は極めて困難が予測されるものである。本発明では、万引犯行途中の時点において、その検知が可能であり、実効性の高い万引検知システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1の万引検知機能付商品陳列システムは、小売店舗における商品陳列ラックの陳列商品の万引検知に関するシステムであって、
商品陳列ラックの陳列商品の万引検知に関するシステムであって、
1)商品陳列ラックの棚毎に設けられ、棚上陳列商品総重量をリアルタイムに計測できる重量センサーと、
2)棚上商品人為取上げ動作に起因する棚上陳列商品総重量の変動を検知する際の比較対象となる時系列2点の重量計測値の採取時間間隔に相当するサンプリングタイムを秒単位にて、該サンプリングタイム時間幅内での重量値変化分を異常と判定する基準となる変化分上限値を重量絶対値にて、もしくは、その重量絶対値を該当棚上商品単体重量で除した製品個数換算値にて棚毎に外部設定する棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部と、
3)前記重量センサーの計測値をリアルタイムに受信し、該当棚上商品人為取上げ動作に関わる棚上陳列商品総重量変動値を前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部より送られたサンプリングタイムに基づき棚毎に算出する棚上商品重量変動検知部と、
4)商品搭載の無い棚上に商品を陳列する場合に、該当商品の単体重量を外部設定で入力するか、もしくは該当棚上に商品を順次並べる段階で前記棚上商品重量変動検知部が有する重量値リアルタイム計測値より変動分を算出して該当数値を商品単体重量と見做して棚毎に認識し記憶する商品単体重量認識記憶部と、
5)前記棚上商品重量変動検知部および前記商品単体重量認識記憶部の情報を受取り、前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部からの変化分上限値相当重量絶対値もしくは、その重量絶対値を該当棚上商品単体重量で除した製品個数換算値に基づいて、該当サンプリングタイム時間幅内の各棚の重量値変化分が変化分上限値以内であるか否かを棚毎に判断する棚上商品重量変動異常判定部と、
を備え、小売店舗内商品陳列ラック棚上陳列商品が万引行為により所定時間内に多数消滅した場合、その異常現象発生を陳列棚の商品重量変化により瞬時に検出し店舗関係者への通報を行い、もしくは、店舗内における警報発報を可能とすることを特徴とする。
【0009】
次に本発明の請求項2の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項1の万引検知機能付商品陳列システムを実現するために、更に、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗関係者に通報及び店舗内に警報を発する通報/警報出力部と、前記棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗入出口扉電気錠を制御する店舗入出口扉電気錠操作部と、前記棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、万引行為発生該当ラック位置対応店舗内監視カメラに対し該当ラック方向にレンズを向けるための角度プリセット制御信号及びカメラ撮影起動信号を出力する監視カメラ制御部と、前記カメラによる犯行現場撮影映像を受信し、リアルタイム映像を記憶する映像受信記憶部と、前記映像受信記憶部の情報を任意の時点にモニターできるモニター部とを更に備える構成とされ、実効性の高い万引検知機能付商品陳列システムを提供することを特徴とする。
【0010】
次に本発明の請求項3の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項1の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記重量センサーは、商品陳列ラックの棚毎に設けられ、棚上陳列商品総重量をリアルタイムに計測できる機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0011】
次に本発明の請求項4の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項1の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部は、棚上陳列商品総重量の異常変動を判定する際の対象となる2点の時系列重量計測値のサンプリングタイム、そのサンプリングタイム時間幅内での重量値変化分を、異常と判定する基準となる変化分上限値を重量値もしくは、変化分上限値を該当棚上商品単体重量で除した製品個数にて棚毎に外部設定する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0012】
次に本発明の請求項5の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項1の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記棚上商品重量変動検知部は、棚設置重量センサーの計測値をリアルタイムに受信し、該当棚上商品人為取上げ動作に関わる棚上商品総重量変動値を前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部より送られたサンプリングタイムに基づき棚毎に算出する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0013】
次に本発明の請求項6の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項1の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記商品単体重量認識記憶部は、商品搭載の無い棚上に商品陳列時、該当商品の単体重量を外部設定で入力するか、もしくは該当棚上に商品を順次並べる段階で前記棚上商品重量変動検知部が有する重量値リアルタイム計測値より変動分を算出、該当数値を商品単体重量として棚毎に認識、記憶する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0014】
次に本発明の請求項7の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項1の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記棚上商品重量変動異常判定部は、前記棚上商品重量変動検知部、前記商品単体重量認識記憶部の情報を受取り、前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部からの変化分上限値もしくは、変化分上限値を該当棚上商品単体重量で除し製品個数に置換えた値を基に、該当サンプリングタイム時間幅内の各棚の重量値変化分が、変化分上限値以内であるか否かを棚毎に判断する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0015】
次に本発明の請求項8の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項2の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記通報/警報出力部は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗関係者に通報及び店舗内に警報を発する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0016】
次に本発明の請求項9の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項2の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記店舗入出口扉電気錠操作部は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗入出口扉電気錠を制御する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0017】
次に本発明の請求項10の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項2の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記監視カメラ制御部は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、万引行為発生該当ラック位置対応店舗内監視カメラに対し該当ラック方向にレンズを向けるための角度プリセット制御信号及びカメラ撮影起動信号を出力する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0018】
次に本発明の請求項11の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項2の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記映像受信記憶部は、前記カメラによる犯行現場撮影映像を受信し、リアルタイム映像を記憶する機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0019】
次に本発明の請求項12の万引検知機能付商品陳列システムは、請求項2の万引検知機能付商品陳列システムにおいて、前記モニター部は、前記映像受信記憶部の情報を任意の時点にモニターできる機能を備える構成とされたことを特徴とする。
【0020】
上述の如く、本発明の万引検知機能付商品陳列システムは、商品陳列ラックの棚毎に重量センサーを取付け、その棚上の商品総重量計測値を監視、棚上商品人為取上げ動作により指定時間内での重量計測値変動が、変動上限値を超えると万引検知に至る。またその検知の瞬間に店舗内監視カメラを制御、犯行の経過を撮影し犯罪成立の証拠確立も可能とするものであり極めて実効性の高い万引検知機能を有することを特徴とする。
【0021】
従って、本発明によれば、早期万引検知を可能にすることにより、被害損失の大幅低減が期待でき、店舗健全経営に大きく貢献するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、昨今社会問題化している万引被害拡大の実態において、従来限界が見られた対策を大幅に前進させるものであり、犯人の捕獲のみならず、確実に犯罪立証が可能となり、店舗健全経営化に寄与するのみならず、万引犯罪の減少化にも貢献するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、添付図面を参照して、この発明に関する万引検知機能付商品陳列システムの実施の形態を詳細に説明する。但し、本発明の範囲は、図示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
先ず、図1を基に、商品陳列イメージに就き説明する。
商品は図示の如くラック内の各棚上に陳列される。この場合、各棚には、同一商品もしくは、単体重量のほぼ等しい商品を陳列することが望ましい。つまり本システムは重量変化を察知し、万引行為を特定するので、極端に重量の異なる商品を同一棚に陳列すると万引行為の特定が困難となるためである。
【0025】
次に、図2を基に、商品陳列棚重量センサー取付イメージに就き説明する。
ラック筐体に固定された支持金具204に支えられた陳列棚121の上に半固定の商品重量計測板203が存在する。この板は商品重量により上下に移動するものであり、この板上に陳列商品201が搭載されることになる。この板にかかる負荷を重量センサー205により常時計測する。この重量センサーの形状、測定ポイント等については、図示の構成に限定するものではない。このセンサーの秤量(計測可能な最大値)に就いては、陳列商品の単体重量及び該当棚に陳列される商品数により予め決定され、それに該当する定格のものが適用されるものとする。
【0026】
次に、図3を基に、商品陳列ラック店舗フロア内配置に就き説明する。
図は、店舗フロア内における一般的な商品陳列ラックの配置例を示す。各商品陳列ラック101は、その正面側は通路を挟み、背面は他ラックと背中合わせの形態で並んでいる。通路の天井面には、カメラレンズ方向、角度を自在に回転制御可能な監視カメラ301が設置される。万引行為が特定された場合、該当ラックの方向にカメラが向けられその現場映像の撮影がなされる。
【0027】
次に、図4を基に、万引検知機能付商品陳列システム機能構成に就き説明する。
棚上商品重量変動検知部401は、商品陳列各棚に設置された重量センサー205からの計測値をリアルタイムに受信する。また後述の棚上商品重量異常判定パラメータ設定部402からのサンプリングタイム毎に各棚の重量値変化分を算出する。棚上商品重量異常判定パラメータ設定部402は、棚上陳列商品総重量の異常変動を判定する際の対象となる2点の時系列重量計測値のサンプリングタイム、そのサンプリングタイム時間幅内での重量値変化分を、異常と判定する基準となる変化分上限値を重量値もしくは、変化分上限値を該当棚上商品単体重量で除した製品個数にて外部設定する。
このサンプリングタイム設定値は、万引行為が一瞬にして完了することを前提に秒単位で設定される。また変化分上限値は、該当棚上に置かれる商品数に基づき、その内の何%が棚上から取上げられた時点で万引行為と判断するかにより決定する。この場合の設定は、重量値もしくは、商品の個数での設定が可能である。商品単体重量記憶認識部403は、該当陳列棚が空の状態で、商品を順次陳列する、この時点の重量増加分を該当商品単体重量と認識し記憶する。この値は、前記棚状商品重量変動異常判定パラメータ設定部402にて重量変化分上限値を設定する際、商品個数にて設定した場合に、それを重量換算するために使用される。棚状商品重量変動異常判定部404は、前記棚上商品重量変動検知部401から送られる棚毎の重量変化値を、棚状重量変動異常判定パラメータから送られる棚毎の重量値変化分上限値と比較、重量変化値 ≧ 重量値変化分上限値 が成立した場合に、異常、即ち万引行為発生と判定し、後述の構成要素に信号出力する。
【0028】
通報/警報出力部406は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗関係者に通報及び店舗内に警報を発する。この場合、店舗関係者のみに通報するか、更に店舗内にも警報音を発生させるかは店舗毎の判断により切替可能である。店舗入出口扉電気錠操作部407は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗入出口扉電気錠を制御、扉をロックする機能を有するが、これは、店舗側意向により適否選択可能である。
つまり万引犯の退路を絶つことになり、危険性を配慮した対応が必要である。監視カメラ制御部408は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、万引行為発生該当ラック位置対応店舗内監視カメラに対し該当ラック方向にレンズを向けるための角度プリセット制御信号及びカメラ撮影起動信号を出力する機能を有する。カメラは高速旋回可能なものを使用し、万引検知時瞬時に該当ラック方向にカメラを固定、犯行の実態を撮影する。映像受信記憶部409は、前記カメラによる犯行現場撮影映像を受信し、リアルタイム映像を記憶する機能を有する。この映像は、万引犯行立証の証拠情報として警察に提供を可能とするものである。モニター部410は、前記映像受信記憶部の情報を任意の時点にモニターできる機能を有する。
【0029】
さて、これまで本発明の実施の形態に就いて説明したが、本発明は既述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々異なる実施の形態に実施されてよいものである。
【0030】
実施例において説明した各処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を人為作業にて行うことも可能である。またあるいは人為的に行うものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、既述文章中で示した処理手順、具体的名称に就いては、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また図示した各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも、物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、小売店舗商品陳列ラックの陳列商品万引検知に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】商品陳列イメージ図
【図2】商品陳列棚重量センサー取付イメージ図
【図3】商品陳列ラック店舗フロア内配置図
【図4】万引検知機能付商品陳列システム機能構成図
【符号の説明】
【0033】
101 商品陳列ラック
102 陳列商品A
103 陳列商品B
104 陳列商品C
105 陳列商品D
121 陳列棚
201 陳列商品
203 商品重量計測板
204 陳列棚指示金具
205 重量センサー
301 監視カメラ
401 棚上商品重量変動検知部
402 棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部
403 商品単体重量認識記憶部
404 棚上商品重量変動異常判定部
406 通報/警報出力部
407 店舗入出口扉電気錠操作部
408 監視カメラ制御部
409 映像受信記憶部
410 モニター部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列ラックの陳列商品の万引検知に関するシステムであって、
1)商品陳列ラックの棚毎に設けられ、棚上陳列商品総重量をリアルタイムに計測できる重量センサーと、
2)棚上商品人為取上げ動作に起因する棚上陳列商品総重量の変動を検知する際の比較対象となる時系列2点の重量計測値の採取時間間隔に相当するサンプリングタイムを秒単位にて、該サンプリングタイム時間幅内での重量値変化分を異常と判定する基準となる変化分上限値を重量絶対値にて、もしくは、その重量絶対値を該当棚上商品単体重量で除した製品個数換算値にて棚毎に外部設定する棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部と、
3)前記重量センサーの計測値をリアルタイムに受信し、該当棚上商品人為取上げ動作に関わる棚上陳列商品総重量変動値を前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部より送られたサンプリングタイムに基づき棚毎に算出する棚上商品重量変動検知部と、
4)商品搭載の無い棚上に商品を陳列する場合に、該当商品の単体重量を外部設定で入力するか、もしくは該当棚上に商品を順次並べる段階で前記棚上商品重量変動検知部が有する重量値リアルタイム計測値より変動分を算出して該当数値を商品単体重量と見做して棚毎に認識し記憶する商品単体重量認識記憶部と、
5)前記棚上商品重量変動検知部および前記商品単体重量認識記憶部の情報を受取り、前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部からの変化分上限値相当重量絶対値もしくは、その重量絶対値を該当棚上商品単体重量で除した製品個数換算値に基づいて、該当サンプリングタイム時間幅内の各棚の重量値変化分が変化分上限値以内であるか否かを棚毎に判断する棚上商品重量変動異常判定部と、
を備え、小売店舗内商品陳列ラック棚上陳列商品が万引行為により所定時間内に多数消滅した場合、その異常現象発生を陳列棚の商品重量変化により瞬時に検出し店舗関係者への通報を行い、もしくは、店舗内における警報発報を可能とすることを特徴とする万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項2】
棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗関係者に通報及び店舗内に警報を発する通報/警報出力部と、前記棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗入出口扉電気錠を制御する店舗入出口扉電気錠操作部と、前記棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、万引行為発生該当ラック位置対応店舗内監視カメラに対し該当ラック方向にレンズを向けるための角度プリセット制御信号及びカメラ撮影起動信号を出力する監視カメラ制御部と、前記カメラによる犯行現場撮影映像を受信し、リアルタイム映像を記憶する映像受信記憶部と、前記映像受信記憶部の情報を任意の時点にモニターできるモニター部と、を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項3】
前記重量センサーは、商品陳列ラックの棚毎に設けられ、棚上陳列商品総重量をリアルタイムに計測できる機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項4】
前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部は、棚上陳列商品総重量の異常変動を判定する際の対象となる2点の時系列重量計測値のサンプリングタイム、そのサンプリングタイム時間幅内での重量値変化分を、異常と判定する基準となる変化分上限値を重量値もしくは、変化分上限値を該当棚上商品単体重量で除した製品個数にて棚毎に外部設定する機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項5】
前記棚上商品重量変動検知部は、棚設置重量センサーの計測値をリアルタイムに受信し、該当棚上商品人為取上げ動作に関わる棚上商品総重量変動値を前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部より送られたサンプリングタイムに基づき棚毎に算出する機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項6】
前記商品単体重量認識記憶部は、商品搭載の無い棚上に商品陳列時、該当商品の単体重量を外部設定で入力するか、もしくは該当棚上に商品を順次並べる段階で前記棚上商品重量変動検知部が有する重量値リアルタイム計測値より変動分を算出、該当数値を商品単体重量として棚毎に認識、記憶する機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項7】
前記棚上商品重量変動異常判定部は、前記棚上商品重量変動検知部、前記商品単体重量認識記憶部の情報を受取り、前記棚上商品重量変動異常判定パラメータ設定部からの変化分上限値もしくは、変化分上限値を該当棚上商品単体重量で除し製品個数に置換えた値を基に、該当サンプリングタイム時間幅内の各棚の重量値変化分が、変化分上限値以内であるか否かを棚毎に判断する機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項8】
前記通報/警報出力部は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗関係者に通報及び店舗内に警報を発する機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項9】
前記店舗入出口扉電気錠操作部は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、店舗入出口扉電気錠を制御する機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項10】
前記監視カメラ制御部は、棚上商品重量変動異常判定信号を受取り、万引行為発生該当ラック位置対応店舗内監視カメラに対し該当ラック方向にレンズを向けるための角度プリセット制御信号及びカメラ撮影起動信号を出力する機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項11】
前記映像受信記憶部は、前記カメラによる犯行現場撮影映像を受信し、リアルタイム映像を記憶する機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の万引検知機能付商品陳列システム。
【請求項12】
前記モニター部は、前記映像受信記憶部の情報を任意の時点にモニターできる機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の万引検知機能付商品陳列システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−72391(P2009−72391A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244563(P2007−244563)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(507111494)株式会社マルチソリューション (15)
【Fターム(参考)】