説明

万華鏡付き卵殻装飾品とその製造方法

【課題】きれいな万華鏡の画像を観察できる万華鏡付き卵殻装飾品を提供すること。
【解決手段】万華鏡付き卵殻装飾品は、上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻と、前記卵の殻の下端開口から挿入され下端開口に対して固定された筒状の万華鏡とからなり、万華鏡は被観察物を光透過性の粘性液体中で流動可能に収容する基底部と、基底部から延びミラーアッセンブリを収容する筒体部と、ミラーアッセンブリの上端に設けられたレンズとからなり、ミラーアッセンブリの上端はレンズが卵の殻の上端開口に近接するように筒体部の上端から突出してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、万華鏡付き卵殻装飾品とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、美術工芸品として、天然の卵の殻に様々な加工・装飾を施した卵殻装飾品(エッグアート)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、筒状体の底部に色紙、ビーズ、ステンドグラスなど、様々な被観察物を透明な粘性液体で封入した基底部を設け、基底部上に筒状体内に少なくとも2枚の板状鏡で構成されるミラーアッセンブリを筒状体の長手方向に沿って収容し、ミラーアッセンブリの上端に凸レンズを装着して構成される万華鏡も知られている。
なお、このような万華鏡は、筒状体の上端と凸レンズの位置が一致するように、ミラーアッセンブリの上端が筒状体の上端に対して僅かに低い位置となるように構成される。
【非特許文献1】瀧野和子著「卵のアートEggShells Garden」2005年4月6日 株式会社S.Y.P.発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
卵殻装飾品はそれのみでも十分に美しく、人々を魅了するものであるが、この卵殻装飾品に万華鏡を組合せることにより、美術工芸品としての価値をより一層高めることが考えられている。
しかし、卵殻装飾品は、その名の示す通り、天然の卵の殻に加工・装飾を施してなるものであり卵型の断面を有するものであるから、単に卵の殻の上端と下端にそれぞれ開口を形成し、下端開口から万華鏡を挿入しただけでは、万華鏡の先端に設けられたレンズが卵の上端開口から離れてしまう。
この場合、レンズを介して得られる万華鏡の画像の焦点距離が合わなくなり、観察者は卵の殻の上端開口を介してきれいな万華鏡の画像を観察することができない。
【0004】
この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、きれいな万華鏡の画像を観察できる万華鏡付き卵殻装飾品とその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻と、前記卵の殻の下端開口から挿入され下端開口に対して固定された筒状の万華鏡とからなり、万華鏡は被観察物を光透過性の粘性液体中で流動可能に収容する基底部と、基底部から延びミラーアッセンブリを収容する筒体部と、ミラーアッセンブリの上端に設けられたレンズとからなり、ミラーアッセンブリの上端はレンズが卵の殻の上端開口に近接するように筒体部の上端から突出していることを特徴とする第1の万華鏡付き卵殻装飾品を提供するものである。
【0006】
また、この発明は、上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻と、前記卵の殻の下端開口から挿入され下端開口に対して固定された筒状の万華鏡とからなり、万華鏡は被観察物を光透過性の粘性液体中で流動可能に収容する基底部と、基底部から延びミラーアッセンブリを収容する筒体部と、卵の殻の上端開口に固定されたレンズとからなり、ミラーアッセンブリの上端はレンズに近接するように筒体部の上端から突出していることを特徴とする第2の万華鏡付き卵殻装飾品を提供するものでもある。
【発明の効果】
【0007】
この発明による第1の万華鏡付き卵殻装飾品によれば、ミラーアッセンブリはその上端が筒体部の上端から突出し、この筒体部よりも突出したミラーアッセンブリの上端にレンズが装着されるため、卵の殻の上端開口と万華鏡のレンズが近接して位置することとなり、卵の殻の上端開口を介して焦点距離の合ったきれいな万華鏡の画像を観察できるようになる。
【0008】
また、この発明による第2の万華鏡付き卵殻装飾品によれば、ミラーアッセンブリはその上端が筒体部の上端から突出し、レンズが卵の殻の上端開口に固定されるため、レンズとミラーアッセンブリの上端が近接して位置することとなり、卵の殻の上端開口を介して焦点距離の合ったきれいな万華鏡の画像を観察できるようになる。
【0009】
これにより、この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品のいずれによっても、美術工芸品としての価値がより一層高められた万華鏡付き卵殻装飾品を提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明による第1の万華鏡付き卵殻装飾品は、上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻と、前記卵の殻の下端開口から挿入され下端開口に対して固定された筒状の万華鏡とからなり、万華鏡は被観察物を光透過性の粘性液体中で流動可能に収容する基底部と、基底部から延びミラーアッセンブリを収容する筒体部と、ミラーアッセンブリの上端に設けられたレンズとからなり、ミラーアッセンブリの上端はレンズが卵の殻の上端開口に近接するように筒体部の上端から突出していることを特徴とする。
【0011】
また、この発明による第2の万華鏡付き卵殻装飾品は、上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻と、前記卵の殻の下端開口から挿入され下端開口に対して固定された筒状の万華鏡とからなり、万華鏡は被観察物を光透過性の粘性液体中で流動可能に収容する基底部と、基底部から延びミラーアッセンブリを収容する筒体部と、卵の殻の上端開口に固定されたレンズとからなり、ミラーアッセンブリの上端はレンズに近接するように筒体部の上端から突出していることを特徴とする。
【0012】
この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品において、天然の卵の殻としては、上端と下端にそれぞれ開口が形成されると共に外面および内面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻であればよく、その素材となる卵の殻の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ダチョウの卵の殻、ガチョウの卵の殻、ニワトリの卵の殻または鶉の卵の殻など、様々な生物の卵の殻を利用できる。ここで、装飾としては、絵、図形、模様、卵の殻の一部を切除して形成された模様および卵の殻に貼り付けられた装飾物など、様々なものが含まれる。
卵の殻の内面および外面の補強には、下塗り塗料を用いることができる。なお、外面を補強するにあたっては、下塗りが施された外面上に所望の装飾を施した後、該装飾上に、水性ニス、アクリル系クリア、ウレタン系クリアなどの様々な透光性の塗料を塗布することにより、更なる補強を図ることが好ましい。
なお、上記下塗り塗料としては、例えば、水性下塗り塗料を用いることができる。
万華鏡の基底部に収容される被観察物(具材)としては、一般に万華鏡の具材として利用されているものを利用でき、特に限定されるものではないが、例えば、色紙、ビーズ、ステンドグラス、ジュエリー、鳥の羽、ドライフラワーなど様々なものが利用できる。
【0013】
また、基底部に満たされる光透過性の粘性液体としては、光透過性を有し、かつ、ある程度の粘性を備えていればよく、特に限定されるものではないが、例えば、シリコンオイルやグリセリンなどが利用できる。
【0014】
基底部から延びる筒体部としては、その中に収容されるミラーアッセンブリを保持できる筒状体であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、紙製筒体、プラスチック製筒体、金属製筒体などを利用できる。
なお、ここでいう筒状体とは、一般的な円筒状のみを意味するものではなく、三角柱状、四角柱状など様々な形状を含む。つまり、この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品において、筒状の万華鏡には、必ずしも円筒状のもののみならず、三角柱状、四角柱状など様々な形状のものが含まれる。
【0015】
筒体部に収容されるミラーアッセンブリとしては、被観察物から反射してきた光をレンズに向けて反射できるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、通常のガラス製鏡、アルミ製鏡、アクリルミラー、表面反射鏡などを適宜組合せたものを利用できる。なかでも、よりきれいな画像を得るうえでは表面反射鏡を用いることが好ましい。
【0016】
ミラーアッセンブリの構成としては、2枚の鏡と1枚の非反射板を三角柱状に組合せた2ミラーシステム、3枚の鏡を三角柱状に組合せた3ミラーシステム、4枚の鏡を四角柱状に組合せた4ミラーシステム、3枚の鏡と1枚の非反射板を四角柱状に組合せたレクタンギュラーミラーシステム、3枚の鏡を先細の三角柱状に組合せたテーパードミラーシステム、4枚の鏡を菱形断面を有する四角柱状に張り合わせたツインミラーシステム、屈曲性を有する樹脂製鏡を丸めて円筒状としたサークルミラーシステムなど、公知の様々なミラーシステムを利用できる。
レンズとしては、例えば、凸レンズや球レンズなど、万華鏡に利用可能な公知のレンズを用いることができる。
【0017】
なお、この発明による第1の万華鏡付き卵殻装飾品は、レンズが卵の殻の上端開口に近接して位置することを特徴の1つとし、この発明による第2の万華鏡付き卵殻装飾品は、ミラーアッセンブリの上端とレンズが近接して位置することを特徴の1つとするが、ここでいう近接とは、両者の間に間隙が形成されている状態だけでなく、両者が当接している状態も含まれる。
つまり、この発明による第1の万華鏡付き卵殻装飾品において、最も好ましいのはレンズの表面が卵の殻の上端開口に接触している状態であるが、両者の間には多少の間隙があってもよく、卵の殻の上端開口からレンズの表面までの距離が5mm程度までであれば、焦点距離は十分に合い、きれいな万華鏡の画像が得られる。
また、この発明による第2の万華鏡付き卵殻装飾品において、最も好ましいのは卵の殻の上端開口に固定されたレンズの裏面にミラーアッセンブリの上端が当接している状態であるが、両者の間には多少の間隙があってもよく、レンズの裏面からミラーアッセンブリの上端までの距離が5mm程度までであれば、焦点距離は十分に合い、きれいな万華鏡の画像が得られる。
【0018】
なお、この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品において、筒体部の上端に対してミラーアッセンブリが突出する高さは、卵の殻が天然物でありそれぞれ大きさ、形状が異なるため、一概には規定し難いが、目安としては、上端開口および下端開口が形成される前の卵の殻、すなわち加工前の卵の殻の上端から下端までの高さに対して3〜6%程度の値とすることが好ましい。
また、この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品において、卵の殻の下端開口に対して万華鏡を固定する方法としては、例えば、エポキシ接着剤による固定や、シリコンシーラントによる固定などの手法を用いることができる。
【0019】
この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品において、上端開口は下端開口よりも直径が小さく、万華鏡はその筒体部の上端が卵の殻の内面に接する位置まで挿入されていることが好ましい。
このような構成によれば、筒体部の上端よりも突出したミラーアッセンブリの上端が卵の殻の上端開口に最も近接することとなり、結果として上端開口とレンズとの距離、或いは、ミラーアッセンブリの上端とレンズとの距離が最小限の距離となり、より一層きれいな万華鏡の画像を観察できるようになる。
【0020】
この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品は、基底部が円筒体状であってその一端に静的に飾っておく際の台となる拡径された台座部を形成していてもよい。
このような構成によれば、この発明による万華鏡付き卵殻装飾品を、美術工芸品として安定して静的に飾っておくことが可能となり、美術工芸品としての価値がより一層高まる。
【0021】
この発明による第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品において、卵の殻の下端開口と万華鏡との間には弾性のシール材が介在していることが好ましい。
このような構成によれば、シール材によって下端開口と万華鏡の外周との隙間が塞がれるので、卵の殻に万華鏡を挿入するための下端開口を形成する際に、下端開口の直径を万華鏡の外径に厳密に一致させる必要がなくなり、下端開口の寸法精度を緩和でき下端開口の形成が容易になる。
なお、弾性のシール材としては、例えば、下端開口と万華鏡の外周との間に生じた隙間に対して適切な厚さを有するスポンジシートなどが利用できる。
【0022】
この発明は、別の観点からみると、この発明による上述の第1の万華鏡付き卵殻装飾品を製造するための方法であって、上端開口を介して中身が除去された天然の卵の殻を用意し、前記卵の殻の下端側を切除して下端開口を形成し、下端開口を介して卵の殻の内面の薄皮を除去し、卵の殻の内面に補強剤を塗布して内面を補強し、卵の殻の外面に補強剤を塗布した後所望の装飾を施し、装飾が施された外面に透光性の塗料を塗布し、下端開口から筒状の万華鏡を挿入し下端開口に対して万華鏡を固定する工程を備えることを特徴とする第1の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法を提供するものでもある。
【0023】
また同様に、この発明は別の観点からみると、この発明による上述の第2の万華鏡付き卵殻装飾品を製造するための方法であって、上端開口を介して中身が除去された天然の卵の殻を用意し、前記卵の殻の下端側を切除して下端開口を形成し、下端開口を介して卵の殻の内面の薄皮を除去し、卵の殻の内面に補強剤を塗布して内面を補強し、卵の殻の外面に補強剤を塗布した後所望の装飾を施し、装飾が施された外面に透光性の塗料を塗布し、下端開口を介してレンズを上端開口の内縁側に固定し、下端開口から筒状の万華鏡を挿入し下端開口に対して万華鏡を固定する工程を備えることを特徴とする第2の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法を提供するものでもある。
【0024】
なお、これらのような上記の第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法においても、近接とは、上述の通り、卵の殻の上端開口とレンズとの間、或いは、ミラーアッセンブリの上端とレンズとの間に間隙がある状態のみならず、両者が当接している状態をも含むものである。
【0025】
この発明による、上記の第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法は、上端開口を所望の直径に拡径する工程を更に備えていてもよい。
つまり、この発明に用いられる天然の卵の殻は、中身を除去するため上端開口が既に形成されているので、この上端開口が万華鏡の覗き穴として適度な開口径を有していれば、敢えて拡径する必要はないが、前記上端開口が、万華鏡の覗き穴として小さすぎる場合には万華鏡の覗き穴として適した所望の開口径に拡径するとよい。
【0026】
この発明による、上記の第1および第2の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法は、万華鏡の外周のうち卵の殻の下端開口と対応する部位に弾性のシール材を装着する工程を更に備えていてもよい。
このような工程を備えれば、下端開口と万華鏡の外周との間に間隙が生じても、前記間隙は弾性のシール材によって埋められるので、下端開口の形成工程において、下端開口の直径を万華鏡の外径に厳密に一致させる必要がなくなり、下端開口の寸法精度を緩和でき下端開口の形成が容易になる。
なお、シール材としては、例えば、下端開口と万華鏡の外周との間に生じた隙間に対して適切な厚さを有するスポンジシートなどが利用できる。
【0027】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0028】
実施例1
図1〜17に基づいて、この発明の実施例1による万華鏡付き卵殻装飾品とその製造方法について説明する。
図1は実施例1による万華鏡付き卵殻装飾品の正面図、図2は図1に示される万華鏡付き卵殻装飾品の平面図、図3は図1に示される万華鏡付き卵殻装飾品の底面図、図4は図1のA−A矢視断面図、図5は加工前の卵の殻単体を示す斜視図、図6は図5に示される卵の殻に4等分のラインを引く工程を示す斜視図、図7は図6に示される卵の殻に形成すべき上端開口および下端開口のラインを引く工程を示す斜視図、図8は上端開口と下端開口を形成する工程を示す斜視図、図9は補強や装飾が施されることにより作製された万華鏡挿入前の卵の殻単体を示す斜視図、図10および図11は万華鏡の基底部の作製工程を示す斜視図、図12はミラーアッセンブリを長筒体に挿入して筒体部を作製する工程を示す斜視図、図13は基底部上に筒体部を装着する工程を示す斜視図、図14はミラーアッセンブリの上端に凸レンズを装着する工程を示す斜視図、図15は卵の殻に挿入前の万華鏡に対してスポンジシートを巻き付ける工程を示す斜視図、図16は卵の殻に万華鏡を挿入する工程を示す斜視図、図17は卵の殻に挿入された万華鏡を卵の殻の下端開口に対して固定する工程を示す斜視図である。
【0029】
図1〜4に示されるように、実施例1による万華鏡付き卵殻装飾品1は、上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾(図示せず)が施された天然の卵の殻2と、卵の殻2の下端開口2bから挿入され下端開口2bに対して固定された筒状の万華鏡3とからなり、万華鏡3は具材(被観察物)4をグリセリン(光透過性の粘性液体)5中で流動可能に収容する基底部6と、基底部6から延びミラーアッセンブリ7を収容する筒体部8と、ミラーアッセンブリ7の上端7aに設けられた凸レンズ9とからなり、ミラーアッセンブリ7の上端7aはレンズ9が卵の殻2の上端開口2aに近接するように筒体部8の上端8aから突出するように構成されている。
【0030】
上端開口2aには覗き穴となる装飾部材24が装着され、下端開口2bと万華鏡3との境界部分は装飾部材23によって覆われている。
また、万華鏡3の外周と卵の殻2の下端開口2bとの間には両者の間隙を埋めるスポンジシート21が介在し、万華鏡3は下端開口2bに対してエポキシ接着剤22で固定されている。
【0031】
以下、実施例1による万華鏡付き卵殻装飾品1の製造方法について順を追って説明する。
まず、図5に示されるような天然の卵の殻10を用意する。実施例1では高さ12cm程度、最大外径6cm程度の寸法を有するガチョウの卵の殻を用いた。なお、このような卵殻装飾品の素材となる天然の卵の殻10は株式会社S.Y.P.(東京都杉並区南荻窪3−32−4)にて入手できる。
【0032】
次に、図6に示されるように、マーカー(Natalie Original Studio(P.O. BOX 344, Canandaigua, N.Y. 14424)製)(図示せず)と呼ばれるエッグアート用の分度器付き固定器具に卵の殻10を固定し、上端から下端へ向かって卵の殻10の外周を4等分するライン11を引く。4等分に引かれた4本のライン11は、卵の殻10の上端と下端で交差する。なお、上記マーカーも株式会社S.Y.P.で入手できる。
【0033】
次に、形成すべき上端開口2aと下端開口2bの開口径を決める。上端開口2aはミラーアッセンブリ7の上端7aに装着される凸レンズ9の径よりも若干小さな径とし、下端開口2bは筒体部8よりも若干大きめの径とする。実施例1では、上端開口2aを直径1.5cmとし、下端開口2bを直径4.2cmとした。
【0034】
形成すべき上端開口2aと下端開口2bの開口径が決まったら、図7に示されるように、形成すべき上端開口2aと下端開口2bに沿ってライン12,13を引くが、この際、先に引いた4本のライン11を利用し、卵の殻10の上端および下端から前記ライン11に沿って等距離となる点を結ぶようにライン12,13を引くと卵の殻10の中心軸に対して水平に直交する面に沿って正確にライン12,13を引くことができる。
【0035】
次に、図8に示されるように、コンプレッサーからの高圧空気によりハンドピースの先端のチャックに着脱可能に装着される様々な寸法・形状のドリルを高速回転させるエアツール(光伸精器製作所製、品番:KS−707)(図示せず)を用い、卵の上端に小さな穴を穿孔し、先に引いた上端開口のライン12(図7参照)を目安に穴を徐々に拡径し上端開口2aを形成する。
その後、電動モータにより先端のチャックに着脱可能に装着される様々な寸法・形状のドリルまたは円盤状の刃を高速回転させるミニルーター(株式会社東洋アソシエイツ製、品番:HP−200)(図示せず)を用い、ミニルーターに対して卵の殻10を回転させるようにして、ミニルーターのチャックに装着された円盤状の刃で下端開口のライン13(図7参照)をなぞり、下端開口2bを形成する。なお、上記エアツールおよびミニルーターも株式会社S.Y.P.で入手できる。
【0036】
次に、上端開口2aと下端開口2bが形成された卵の殻10を水の中に10分程度浸し、先に形成された下端開口2bおよび上端開口2aから指を差し入れて卵の殻10の中の薄皮を取り除く。
【0037】
次に、ジェッソと呼ばれる水性下塗り塗料(株式会社サンユー製、品番:192−8042)を上端開口および下端開口を介して筆で卵の殻10の内面に塗布し、自然乾燥させ卵の殻10を内面から補強する。なお、この工程は少なくとも2回以上繰り返すことが好ましい。なお、上記ジェッソも株式会社Y.S.Pで入手できる。
次に、ジェッソを卵の殻10の表面にも筆で塗布し、自然乾燥させる。このジェッソは卵の表面にある微細な凹凸を整え、さらに後の工程で塗布される塗料の発色を良くする作用がある。
【0038】
次に、卵の殻10の表面に所望の装飾を施す。装飾には様々な手法が利用でき、一般的には、水性アクリルペイントの塗布後、デコパージュなどの転写を用いた手法が利用できる。
【0039】
具体的には、所望の色に調色した水性アクリルペイントを用いて卵の殻10の表面に好みの絵や模様を筆描きする。水性アクリルペイントは、乾燥すると水に溶けなくなるので、薄めに溶いた水性アクリルペイントで塗布・乾燥を繰り返し、重ね塗りすることにより好みの絵や模様を描くようにすると、ムラができにくくきれいに仕上がる。また、水性アクリルペイントで単一色の下地を描き、その上に市販の転写シールを貼り付ける手法も利用できる。
【0040】
市販の転写シールの代わりに、デコパージュ用の転写と呼ばれる手法を用いて好みの絵や模様を卵の殻10の表面に写し取ってもよい。
デコパージュを利用する場合、具体的には、包装紙、カードなど、好みの絵や模様が描かれた紙製印刷物から転写したい部分を切り取り、切り取った絵又は模様の上に転写剤(アクリル・エマルジョン塗料)を7〜8回重ね塗りし、好みの絵又は模様の上に転写剤の被膜を形成する。その後、転写剤の被膜が形成された好みの絵又は模様を水に30分程浮かべ、好みの絵又は模様の紙基材部分に水分を吸収させ脆くする。
【0041】
次いで、ワックスペーパー等を用意し、転写剤による被膜が形成された面がワックスペーパーと対向するように好みの絵又は模様をワックスペーパー上に載置し、脆くなった紙基材部分をこすり取り、なるべく絵又は模様のみの薄い状態にする。
その後、得られた絵又は模様を、転写剤による被膜が形成された面と卵の殻10の表面とが対向するように貼り付ける。以上がデコパージュのための転写の基本的な手法である。
【0042】
次に、所望の装飾が施された卵の殻10の表面にデコパージュ用水性仕上剤(例えば、Plaid Enterprises, Inc.製、商品名「VOLAIR」が使用できる)を7〜8回に分けて重ね塗りし自然乾燥させた後、乾燥した前記仕上剤の被膜を600番程度の耐水ペーパーで水研ぎする。
次に水研ぎされた前記仕上剤被膜の表面に再び上記のデコパージュ用水性仕上剤を塗布し自然乾燥させた後、乾燥した仕上剤被膜を1000番程度の耐水ペーパーで水研ぎし、仕上剤被膜の表面を鏡面に近い状態に整える。これにより、絵又は模様の塗膜、或いは転写シールと卵の殻の表面との微細な段差が仕上剤被膜により埋められ面一の状態となり、図9に示されるように万華鏡3挿入前の卵の殻2が完成する。
【0043】
次に、万華鏡3の作製方法について説明する。
まず、図10に示されるように、外径4cm、長さ1.5cm、肉厚2mm程度の寸法を有するアクリル製の短筒体14を用意し、短筒体14の一端に、外径6.5cm程度、厚さ5mm程度の寸法を有するアクリル製の円形板15を接着し、短筒体14の一端を塞ぐ。この円形板15は、万華鏡付き卵殻装飾品1(図1参照)を美術工芸品として静的に飾っておく際の台座部ともなる。
なお、外観的には、短筒体14と円形板15とが一体成形されたものを用いることがより好ましい。
【0044】
次に、図11に示されるように、一端が円形板15で塞がれた短筒体14にビーズ、鎖等の所望の具材4を入れ、グリセリンを短筒体14内に注いだ後、短筒体14の他端に外径4cm、厚さ2mm程度のアクリル製の円形板16を接着する。これにより基底部6が作製される。
【0045】
次に、図12に示されるように、外径4cm、長さ9.5cm、肉厚2mm程度の寸法を有するアクリル製の長筒体17を用意し、この長筒体17の内部に2枚の表面反射鏡18と1枚の非反射板19を三角柱状に組合せて構成されたツーミラーシステムのミラーアッセンブリ7を挿入する。
なお、ミラーアッセンブリ7を挿入するにあたっては、ミラーアッセンブリ7の長手方向に沿った少なくとも2箇所に緩衝材としてのスポンジ20を巻き付けたうえで挿入する。これにより筒体部8が作製される。
【0046】
次に、図13に示されるように、作製された筒体部8を基底部6の上部に同軸に接着する。ここで、ミラーアッセンブリ7は長手方向に沿った長さが10cmであるので、筒体部8の上端8aから0.5cm突出した状態となる。
次に、図14に示されるように、ミラーアッセンブリ7の上端7aに直径3cmの凸レンズ9を接着する。以上の工程により万華鏡3が完成する。
【0047】
次に、上述のようにして作製された万華鏡3を卵の殻2に挿入する工程について説明する。
まず、図15に示されるように、基底部6と筒体部8との境界あたりに幅1cm、厚さ1mm程度の寸法を有する粘着材付きスポンジシート21を巻き付ける。なお、下端開口2bが形成工程の都合により所定の寸法よりも若干小さめに形成され、万華鏡3と下端開口2bとの間に殆ど隙間が生じない場合は、必ずしもスポンジシート21を巻き付ける必要はない。
【0048】
次に、図16に示されるように、万華鏡3を卵の殻2の下端開口2bからゆっくり挿入し、筒体部8の上端8aが卵の殻2の内面に当接した時点で挿入を止め、万華鏡3の凸レンズ9(図14参照)が卵の殻2の上端開口2aと相対する位置となるように万華鏡3の位置を微調整する。
なお、上述の通り、万華鏡3の凸レンズ9は、筒体部8の上端8aよりも0.5mm、すなわち、加工前の卵の殻10(図5参照)の高さ12cmに対して約4%となる値である0.5mmだけ突出したミラーアッセンブリ7の上端7a(図13参照)に装着されているので、筒体部8が卵の殻2の内面に当接するまで万華鏡3が挿入された時点で、前記凸レンズ9の表面は、卵の殻2の上端開口2aに非常に近接した状態となる。これにより、卵の殻2の上端開口2aを介して焦点距離の合ったきれいな万華鏡3の画像を観察できるようになる。
もちろん、筒体部8の上端8aに対するミラーアッセンブリ7の突出高さを更に厳密に設定すれば、筒体部8が卵の殻2の内面に当接するまで万華鏡3が挿入された時点で、凸レンズ9の表面を卵の殻2の上端開口2aにちょうど当接させることも可能である。
【0049】
次に、図17に示されるように、卵の殻2の下端開口2bと万華鏡3との境界部分にエポキシ系接着剤(株式会社アルテコ製、品番:F−05)22を少し多めに塗布し、万華鏡3を卵の殻2の下端開口2bに対して固定する。
その後、卵の殻2の下端開口2bと万華鏡3との境界部分に、適当な装飾部材23(図1参照)をエポキシ系接着剤で接着して境界部分を隠すと共に、卵の殻2の上端開口2aに覗き穴となる装飾部材24(図1参照)をエポキシ系接着剤で接着することにより、図1〜4に示される万華鏡付き卵殻装飾品1が完成する。なお、前記装飾部材23,24は美観に優れる好みのものであればよく、様々なものが利用できる。例えば、一般的な手工芸品店や株式会社Y.S.P.でも入手できる。
【0050】
実施例2
この発明の実施例2による万華鏡付き卵殻装飾品とその製造方法について図18に基づいて説明する。図18は実施例2による万華鏡付き卵殻装飾品の断面図である。
【0051】
図18に示されるように、実施例2による万華鏡付き卵殻装飾品31は、上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾(図示せず)が施された卵の殻2と、卵の殻2の下端開口2bから挿入され下端開口2bに対して固定された筒状の万華鏡3とからなり、万華鏡3は具材(被観察物)4をグリセリン(透過性の粘性液体)5中で流動可能に収容する基底部6と、基底部6から延びミラーアッセンブリ7を収容する筒体部8と、卵の殻2の上端開口2aに固定された凸レンズ39とからなり、ミラーアッセンブリ7の上端7aはレンズ39に近接するように筒体部8の上端8aから突出するように構成されている。
【0052】
つまり、実施例2による万華鏡付き卵殻装飾品31は、凸レンズ39が、実施例1のようにミラーアッセンブリ7の上端7aに装着されるのではなく、卵の殻2の上端開口2aにその内面から装着されている点のみが異なる。なお凸レンズ39は直径1.7mmのものを使用している。
よって、卵の殻2の作製方法、万華鏡3の基底部6および筒体部8の作製方法は上述の実施例1と同様である。
【0053】
凸レンズ39を卵の殻2の上端開口2aの内面に接着するにあたっては、上端開口2aの内面側の周縁に予めエポキシ系接着剤を塗布しておき、卵の殻2の下端開口2bから凸レンズ39を差し入れて上端開口2aの内面側に接着する。
その後、基底部6および筒体部8を卵の殻2の下端開口2bからゆっくり挿入し、筒体部8の上端8aが卵の殻2の内面に接した時点で挿入を止める。卵の殻2の下端開口2bに対する万華鏡3の固定方法は上述の実施例1と同様である。
【0054】
実施例2による万華鏡付き卵殻装飾品31によれば、筒体部8に収容されたミラーアッセンブリ7の上端7aが凸レンズ39に近接して位置するので、実施例1による万華鏡付き卵殻装飾品1(図4参照)と同様に、卵の殻2の上端開口2aを介して焦点距離の合ったきれいな万華鏡3の画像を観察できるようになる。もちろん、筒体部8の上端8aに対するミラーアッセンブリ7の突出高さを更に厳密に設定すれば、筒体部8が卵の殻2の内面に当接するまで万華鏡3が挿入された時点で、ミラーアッセンブリ7の上端7aを凸レンズ39の裏面にちょうど当接させることも可能である。
【0055】
実施例3
この発明の実施例3による万華鏡付き卵殻装飾品とその製造方法について図19に基づいて説明する。図19は実施例3による万華鏡付き卵殻装飾品の正面図である。
【0056】
図19に示されるように、実施例3による万華鏡付き卵殻装飾品41は、卵の殻42に高さ4cm程度、最大外径2.5cm程度の鶉の卵の殻を用い、卵の殻42にネックレス用のチェーン44を装着してネックレスタイプとしたものである。
【0057】
チェーン44を卵の殻42に装着するにあたっては、卵の殻42の上端開口42aより5mm程度下の外周において相対する2箇所にエアツールで直径0.5mm程度の小さな孔を穿孔し、形成された孔に9ピン45と呼ばれる円形リングの1箇所から細長い穿刺体が延びた部材をそれぞれ挿入し、挿入部の周囲を瞬間接着剤で固定し、さらに9ピン45の円形リングに形成された不連続部をラジオペンチを用いて一時的に開いて隙間を形成し、その隙間にOカン46と呼ばれる円形リングを差し入れた後、9ピン45の一時的に開けた不連続部をラジオペンチで締め元のリング状に戻す。
【0058】
その後、さらにOカン46の一部に形成された不連続部をラジオペンチを用いて一時的に開いて隙間を形成し、その隙間にネックレス用のチェーン44を差し入れた後、Oカン46の一時的に開けた不連続部をラジオペンチで締め、元のリング状に戻す。これにより実施例3によるネックレスタイプの万華鏡付き卵殻装飾品41が完成する。なお、万華鏡付き卵殻装飾品41の製造方法は、基本的に上述の実施例1と同様であるが、台座部のない筒状の万華鏡を作製し、それを卵の殻の上端開口42a側から挿入する点のみが異なる。
また、実施例3で用いた9ピン45、Oカン46、ネックレス用のチェーン44は、いずれも一般の手工芸品店で入手できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明の実施例1による万華鏡付き卵殻装飾品の正面図である。
【図2】図1に示される万華鏡付き卵殻装飾品の平面図である。
【図3】図1に示される万華鏡付き卵殻装飾品の底面図である。
【図4】図1のA−A矢視断面図である。
【図5】加工前の卵の殻単体を示す斜視図である。
【図6】図5に示される卵の殻に4等分のラインを引く工程を示す斜視図である。
【図7】図6に示される卵の殻に形成すべき上端開口および下端開口のラインを引く工程を示す斜視図である。
【図8】上端開口と下端開口を形成する工程を示す斜視図である。
【図9】補強や装飾が施されることにより作製された万華鏡挿入前の卵の殻単体を示す斜視図である。
【図10】万華鏡の基底部の作製工程を示す斜視図である。
【図11】万華鏡の基底部の作製工程を示す斜視図である。
【図12】ミラーアッセンブリを長筒体に挿入して筒体部を作製する工程を示す斜視図である。
【図13】基底部上に筒体部を装着する工程を示す斜視図である。
【図14】ミラーアッセンブリの上端に凸レンズを装着する工程を示す斜視図である。
【図15】卵の殻に挿入前の万華鏡に対してスポンジシートを巻き付ける工程を示す斜視図である。
【図16】卵の殻に万華鏡を挿入する工程を示す斜視図である。
【図17】卵の殻に挿入された万華鏡を卵の殻の下端開口に対して固定する工程を示す斜視図である。
【図18】この発明の実施例2による万華鏡付き卵殻装飾品の断面図である。
【図19】この発明の実施例3によるネックレスタイプの万華鏡付き卵殻装飾品の正面図である。
【符号の説明】
【0060】
1,31,41・・・万華鏡付き卵殻装飾品
2,42・・・卵の殻
2a,42a・・・上端開口
2b・・・下端開口
3,43・・・万華鏡
4・・・具材
5・・・グリセリン
6・・・基底部
7・・・ミラーアッセンブリ
7a・・・ミラーアッセンブリの上端
8・・・筒体部
8a・・・筒体部の上端
9,39・・・凸レンズ
10・・・卵の殻(加工前)
11,12,13・・・ライン
14・・・短筒体
15,16・・・円形板
17・・・長筒体
18・・・表面反射鏡
19・・・非反射板
20・・・スポンジ
21・・・スポンジシート
22・・・エポキシ系接着剤
23,24・・・装飾部材
44・・・チェーン
45・・・9ピン
46・・・Oカン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻と、前記卵の殻の下端開口から挿入され下端開口に対して固定された筒状の万華鏡とからなり、万華鏡は被観察物を光透過性の粘性液体中で流動可能に収容する基底部と、基底部から延びミラーアッセンブリを収容する筒体部と、ミラーアッセンブリの上端に設けられたレンズとからなり、ミラーアッセンブリの上端はレンズが卵の殻の上端開口に近接するように筒体部の上端から突出していることを特徴とする万華鏡付き卵殻装飾品。
【請求項2】
上端と下端がそれぞれ開口されると共に内面と外面がそれぞれ補強され、かつ外面に所望の装飾が施された天然の卵の殻と、前記卵の殻の下端開口から挿入され下端開口に対して固定された筒状の万華鏡とからなり、万華鏡は被観察物を光透過性の粘性液体中で流動可能に収容する基底部と、基底部から延びミラーアッセンブリを収容する筒体部と、卵の殻の上端開口に固定されたレンズとからなり、ミラーアッセンブリの上端はレンズに近接するように筒体部の上端から突出していることを特徴とする万華鏡付き卵殻装飾品。
【請求項3】
上端開口は下端開口よりも直径が小さく、万華鏡はその筒体部の上端が卵の殻の内面に接する位置まで挿入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の万華鏡付き卵殻装飾品。
【請求項4】
基底部は円筒体状であってその一端に静的に飾っておく際の台となる拡径された台座部を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の万華鏡付き卵殻装飾品。
【請求項5】
卵の殻の下端開口と万華鏡との間に弾性のシール材が介在することを特徴とする請求項1又は2に記載の万華鏡付き卵殻装飾品。
【請求項6】
請求項1に記載の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法であって、上端開口を介して中身が除去された天然の卵の殻を用意し、前記卵の殻の下端側を切除して下端開口を形成し、下端開口を介して卵の殻の内面の薄皮を除去し、卵の殻の内面に補強剤を塗布して内面を補強し、卵の殻の外面に補強剤を塗布した後所望の装飾を施し、装飾が施された外面に透光性の塗料を塗布し、下端開口から筒状の万華鏡を挿入し下端開口に対して万華鏡を固定する工程を備えることを特徴とする万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法。
【請求項7】
請求項2に記載の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法であって、上端開口を介して中身が除去された天然の卵の殻を用意し、前記卵の殻の下端側を切除して下端開口を形成し、下端開口を介して卵の殻の内面の薄皮を除去し、卵の殻の内面に補強剤を塗布して内面を補強し、卵の殻の外面に補強剤を塗布した後所望の装飾を施し、装飾が施された外面に透光性の塗料を塗布し、下端開口を介してレンズを上端開口の内縁側に固定し、下端開口から筒状の万華鏡を挿入し下端開口に対して万華鏡を固定する工程を備えることを特徴とする万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法。
【請求項8】
上端開口を所望の直径に拡径する工程を更に備えることを特徴とする請求項6または7に記載の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法。
【請求項9】
万華鏡の外周のうち卵の殻の下端開口と対応する部位に弾性のシール材を装着する工程を更に備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の万華鏡付き卵殻装飾品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2007−17697(P2007−17697A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199064(P2005−199064)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(505258841)
【Fターム(参考)】