説明

三相多巻線装置

三相多巻線装置に、ハブとハブの外周を囲む外殻とを含む鉄心が含まれており、ハブと外殻は互いに対して固定位置についている。鉄心には、複数スロットも含まれている。鉄心以外に、多巻線装置には、スロットの少なくとも2つに配置された一次巻線と、空間的に分布した複数の二次巻線が含まれており、二次巻線の少なくとも1つは、その2つのスロットの少なくとも一方において一次巻線に近接して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
B.関連出願及び優先権主張
本願は、その各々が本明細書で援用している2007年8月29日に出願された米国仮出願第60/968,577号、2007年8月29日に出願された米国仮出願第60/968,584号、及び、2007年8月29日に出願された米国仮出願第60/968,610号の優先権の特典を主張するものである。
C−E.該当なし
【0002】
本発明は、一般に及び様々な実施形態において小型三相多巻線装置に関する。
【背景技術】
【0003】
長年にわたって、三相変圧器は、一般に3つの脚を備える積層鉄心に取り付けられた銅又はアルミニウム巻線からなる3つのコイルによって構成されてきた。しかし、従来の3脚鉄心設計は、必ずしもあらゆる場合に最適な設計ではなかった。例えば従来の3脚鉄心設計には比較的多量のスペースが必要とされるので、この設計は多くの用途において必ずしも最適な設計ではなかった。
【0004】
従来の3脚変圧器が、各々特定の電圧及び位相角を有する多数の三相二次巻線を必要とする用途の場合、二次巻線は、一般に各コイルから2つの構成巻線(即ち全部で3つのコイルから合計で6つの構成巻線)を必要とする。こうした用途の場合、二次巻線は、例えば、辺延び三角形状、ジグザグ形状又は多角形状をなすように構成できる。いかなる巻線であれその全ての構成巻線の巻数は整数値が望ましいので、指定の電圧及び/又は位相角を正確に与えるのはほぼ不可能であり、一般に近似値が必要とされる。二次巻線が、一様な間隔で、公称電圧は同じであるが位相角が異なるという特定の場合、構成巻線における位相角に近似することが可能な整数値の巻数の選択は制限されるので、位相角が異なる二次巻線は強制的に電圧が異なる結果になる可能性がある。従来の3脚変圧器に関するもう1つの問題は、二次巻線が一次巻線に対して異なる結合係数を有するということである。
【0005】
一般に、近似を物理的に実施する上での困難は、変圧器の相対的コストを増大させ、こうした近似に伴う誤差は変圧器内における高調波相殺を劣化させることにある。
【0006】
図1は、従来の三相変圧器3を含むAC駆動装置1を例示する。この変圧器は、一次巻線5と、複数の三相二次巻線7を含み、各巻線は特定の電圧と位相角を有している。AC駆動装置1の出力側において、ACモータの三相の各々が直列に接続された一連の電力セルによって駆動される。図1のAC駆動装置の場合、相毎にCELLA1〜A6、CELLB1〜B6及びCELLC1〜C6と表示した6つの電力セルが存在し、全部で18の電力セルになる。他の実施例の場合には、相毎に別の数のセル(例えば1つのセル、3つのセル、9つのセル等)とすることもできる。AC駆動装置又はAC電源に関して、各電力セルは、三相AC入力電力を受電して単相AC電圧を出力し、AC−DC整流器(再生式とすることが可能)、平滑フィルタ及び出力DC−AC変換器を含む装置である。
【0007】
図1のAC駆動装置の場合、変圧器3は、その一次巻線5にR、S及びTと表示したポイントで地域発電所から三相AC入力電力を受電する。各電力セルは、変圧器3の専用二次巻線7から三相AC入力電力を受電する。18個の二次巻線7は、公称電圧が同じであり、3ランクをなすように配列され、各ランクが6つの特定の公称位相角の1つを有している。10度の倍数単位で異なる公称位相角が辺延び三角形状を利用して近似されるが、図1の場合、全ての二次巻線の平均位相角がその基準とされる。異なる位相角は、変圧器内において高調波相殺を生じさせる働きをする。各二次巻線7には、6つの構成巻線、即ち3つの内側三角構成巻線と3つの外側延長構成巻線が含まれている。構成巻線は全て整数の巻数にすべきであり、その巻数又は相互接続は各位相角毎に異なる。
【0008】
所定の一次コイル群に結合された二次巻線構成コイルは、その一次コイルの周りで互いに垂直方向に変位している。様々な二次構成巻線がコイルに沿って異なる軸方向位置にあるので、一次巻線5に対するそれらの結合係数は異なっている。これは、整数の巻数要件に起因する電圧及び位相角の誤差によって生じる劣化に加えて、高調波相殺を更に劣化させることになりがちである。更に、従来の変圧器3の構造には利用されない比較的多量のスペースがあるので、従来の変圧器の全体サイズは比較的大きい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの一般的な観点において、本明細書には三相多巻線装置を開示している。様々な実施形態によれば、この多巻線装置には、ハブとハブの外周を囲む外殻とを含む鉄心が含まれており、ハブと外殻は互いに対して固定位置についている。鉄心には、複数スロットも含まれている。鉄心以外に、多巻線装置には、スロットの少なくとも2つに配置された一次巻線と、空間的に分布した複数の二次巻線が含まれており、二次巻線の少なくとも1つは、その2つのスロットの少なくとも一方において一次巻線に近接して配置されている。
【0010】
もう1つの一般的観点において、本願には指定の位相角のAC電圧を発生するための方法が開示される。様々な実施形態によれば、この方法には、三相多巻線装置の固定一次巻線に第1のAC電圧を印加するステップと、一次巻線にAC電流を通すステップと、三相多巻線装置の鉄心によって形成される対称軸周りを回転する放射状磁界を発生するステップと、三相多巻線装置の空間的に分布した複数の固定二次巻線に第2のAC電圧を誘導するステップを含んでいる。
【0011】
もう1つの一般的観点において、本明細書はある装置を開示する。様々な実施形態において、この装置は、複数の電力セルと、電力セルの各々に接続された多巻線装置を含んでいる。前述のように、多巻線装置には、ハブとハブの外周を囲む外殻とを含む鉄心が含まれており、ハブと外殻は互いに対して固定位置についている。鉄心には、複数スロットも含まれている。鉄心以外に、多巻線装置には、スロットの少なくとも2つに配置された一次巻線と、空間的に分布した複数の二次巻線が含まれており、二次巻線の少なくとも1つは、その2つのスロットの少なくとも一方におい一次巻線に近接して配置されている。
【0012】
以下、下記の図を参照し、本発明の様々な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の三相変圧器を含むAC駆動装置を例示した図
【図2】小型三相多巻線装置の様々な実施形態を例示した図
【図3】図2の小型三相多巻線装置の鉄心の様々な実施形態を例示した図
【図4】図2の小型三相多巻線装置の鉄心の様々な実施形態を例示した図
【図5】図2の小型三相多巻線装置の鉄心の他の様々な実施形態を例示した図
【図6】図2の小型三相多巻線装置の鉄心の更なる他の様々な実施形態を例示した図
【図7】図2の小型三相多巻線装置の鉄心及び巻線の更なる他の様々な実施形態を例示した図
【図8】図7の小型三相多巻線装置のコイルを例示したワイヤフレーム略図
【図9】図2の小型三相多巻線装置用鉄心構造の様々な実施形態を例示した図
【図10】指定の位相角のAC電圧を発生する方法の様々な実施形態を例示した図
【図11】小型三相多巻線装置を含む装置の様々な実施形態を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本方法、システム及び材料について述べる前に理解しておくべきは、本開示が記載の特定の方法論、システム及び材料に限定されるものではない点である。と言うのは、これらは変わる場合があるためである。更に理解すべきは、本説明において用いる用語は、特定のバージョン又は実施形態の説明だけを目的とするものであって、その範囲を制限することを意図したものではない。例えば本明細書及び付属の請求項において用いる限りにおいて、単数形の「1つの〜」、「ある〜」、及び、「その〜」には、文脈において明確に別段の指示がなければ複数の言及対象が含まれる。更に、本明細書で用いる「〜を含む」という用語は、「〜を含むが、それに限定されるわけではない」ことを表わすように意図されている。別段の定義がない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、通常の当該技術者によって一般に理解されているのと同じ意味を持つ。
【0015】
理解しておくべきは、本発明の図と説明の少なくとも一部は、本発明の明確な理解を得るために関連する要素に焦点を絞るように単純化しており、更には明瞭化のために削除しているが、当業者には分かるであろう他要素が、やはり本発明の一部を構成する可能性がある。しかし、こうした要素は当技術分野では周知のところであり、必ずしも本発明のより良い理解を容易にするものでもないので、ここではこうした要素の説明は行わない。
【0016】
図2は、小型三相多巻線装置2の実施形態を例示している。小型三相多巻線装置2は、実用的な任意の数の極(例えば2極、4極、6極等)を備えるモータのような構造として構成されている。小型三相多巻線装置2は、様々な用途に利用できる。例えば小型三相多巻線装置2は、複数の電力セルを備えた交流(AC)電源、複数の電力セルを備えたAC駆動装置、又は複数の電力セルを備えた直流(DC)電源等に利用できる。複数の電力セルを備えたAC電源の実施形態については、例えば本明細書で参考迄に援用しているHammondに対する米国特許第5,625,545号(「545特許」)に記載がある。複数の電力セルを備えたDC電源の様々な実施形態については、例えば本明細書で参考までに援用しているOpal他に対する米国特許第5,638,263号(「263特許」)に記載がある。DC電源に関連して、電力セルは、三相AC入力電力を受電して、単一DC電圧を出力し、AC−DC整流器(再生式とすることが可能)、平滑フィルタ及び出力DC−DC変換器を含む装置である。
【0017】
説明を簡単化すべく、小型三相多巻線装置2をAC駆動装置に関連して述べる。しかし明らかに、小型三相多巻線装置2は他の用途にも利用できる。図1に示すように、小型三相多巻線装置2は、円筒対称性の鉄心4を含んでいる。留意すべきは、円筒形状の鉄心は例証のために示したものであり、例えば三角対称性の鉄心といった他の幾何学形状を利用可能な点である。鉄心4の円周及び長さは用途によって変わる可能性がある。小型三相多巻線装置2には、一次巻線と位相偏移二次巻線も含まれている。明確化のため、鉄心内に配置された巻線部分は、図2では完全には例示しておらず、ただ巻線6として例示している。鉄心4は、任意の適合する方法で任意の適合する材料から製作できる。様々な実施形態によれば、鉄心4は透磁率の高い材料(例えば鋼又は第一鉄材料)から製作される。様々な実施形態によれば、鉄心4には鋼層のスタックが含まれる。これらの層は、鉄とシリコンの合金である電炉鋼の圧延シートから打抜くことができる。一次巻線と二次巻線は、ACモータの巻線と同様に鉄心4の周りに分布する。
【0018】
ACモータにおいて見出されるように、三相多巻線装置2の一次巻線に三相電圧を印加すると放射状磁界が発生し、これが時間経過につれて構造軸の周りを回転する。この回転磁界によって、鉄心4の周りに分布した様々な巻線構成要素内に電圧が誘導される。ある特定の巻線構成要素の場合、誘導電圧の位相角は、その特定の巻線構成要素が取り付けられた物理的角度によって決まる。鉄心4の高透磁率が、磁界の発生に必要な電流を最小限に抑える働きをする。二次巻線は、所望の電気的位相角に対応する物理的角度で鉄心4内に配置される。鉄心4が鋼のような磁性材料から製作される実施形態の場合、鉄心4によって形成されたスロット内に巻線の全てを配置できる。スロット数は、スロットが所望の物理的角度で配置されるように選択できる。
【0019】
AC駆動装置に用いる場合、巻線6は任意の数の極を有するように構成できる。極数が偶数の場合、磁界の各N極が対応するS極を備えることが確実になる。2つの極(1つのN極と1つのS極)が存在する場合、それらの極は各電気サイクル毎に構造周りを完全に1回転し、電気的位相角において利用可能な増分は360度をスロット数で割った値に等しい。4つの極が存在する場合、完全な1回転は2電気サイクルに相当し、電気的位相角における利用可能な増分は720度をスロット数で割った値に等しい。6つの極が存在する場合、完全な1回転は3電気サイクルに相当し、電気的位相角における利用可能な増分は1080度をスロット数で割った値に等しい。
【0020】
図1の電力セル構成を備えたAC駆動装置に用いられる場合、電気的位相角において必要とされる増分は、例えば10度又はその倍数になると考えられる。従って、2極巻線を用いる場合、少なくとも36のスロットを備えることになる可能性がある(即ち360度を36のスロットで割ると、10度の増分になる)。4極巻線を用いる場合、少なくとも72のスロットを備えることになる可能性がある(即ち720度を72のスロットで割ると、10度の増分になる)。6極巻線を用いる場合、少なくとも108のスロットを備えることになる可能性がある(即ち1080度を108のスロットで割ると、10度の増分になる)。明瞭化のため、図1〜6には、2極巻線の場合の10度の位相角増分に相当する最小数(36)のスロットを示している。しかし、様々な用途のために他の極数が利用できることは明らかである。
【0021】
下記の表には、上述のAC駆動装置と同様の装置における様々なセル数に対し、2極設計と6極設計の両方に必要とされる鉄心のスロット数を示している。2極設計では、最少のスロット数が可能になるが、各スロット毎に3つの二次構成コイルを保持することが必要になる。6極設計は、より多くのスロットが必要になるが、各スロット毎に保持する二次構成コイルを1つだけにすることが可能になる。
【0022】
【表1】

【0023】
図3と4は、小型三相多巻線装置の鉄心の様々な実施形態を例示している。鉄心(従って用いられる場合には成層材スタック)には、第1部材12と、第1部材12の少なくとも一部を包囲する第2部材14が含まれている。第1及び第2部材12、14は、一方がもう一方に対して移動しないという点で回転不能である。第1部材12は鉄心の「内側」部材とみなし、第2部材14は「外側」部材とみなすことができる。例示の実施形態の場合、第1部材12は、ホイールのハブ及びスポークに似るように構成されており、第2部材14は、ホイールのリム又は外殻に似るように構成されている。
【0024】
図3と4の場合、第1部材12には、ハブ16と、ハブ16に接続又は一体化された複数のスポーク18が含まれている。ハブ16には、表面20と裏面22が含まれている。スポーク18は、表面20の周りに等間隔に並んでおり、表面20と協働して、表面20の周りに等間隔に並んだ複数のスロット24を形成している。明瞭化のため図3と4には示さないが、小型三相多巻線装置の一次巻線と二次巻線がスロット24を占めている。裏面22により、鉄心の中心を通る開口26が形成されている。様々な実施形態によれば、ハブ16はソリッドハブ(即ち鉄心の中心を通る開口がない)となし得る。
【0025】
第2部材、即ち外殻14には、表面28と裏面30が含まれている。表面28は第2部材14の外面、裏面30は第2部材14の内面とみなし得る。裏面30により第1部材12を収容するサイズの開口32が形成されている。図3と4の場合、開口32は第1部材12で部分的に覆われている。第1部材12が第2部材14により包囲されると、第1部材12と第2部材14により、その間(即ちスポーク18と第2部材14の裏面30の間)に間隔34が形成される。他の実施形態では、第2部材14は第1部材12と一体化している。この場合には、第1部材12と第2部材14の間に間隔は生じない。
【0026】
図5は、小型三相多巻線装置の鉄心の他の様々な実施形態を例示する。鉄心、従って用いられる場合には成層材スタックには、第1部材40と、第1部材40を包囲する第2部材42が含まれている。第1部材40は、鉄心の「内側」部材とみなすことができ、第2部材42は、「外側」部材とみなし得る。
【0027】
第1部材40には、ハブ44と、ハブ44に接続又は一体化された複数のスポーク46が含まれている。ハブ44には、表面48と裏面50が含まれている。スポーク46は、表面48の周りに等間隔に並んでおり、表面48と協働して、表面48の周りに等間隔に並んだ複数のスロット52を形成している。明瞭化のため図5には示していないが、小型三相多巻線装置の一次巻線及び/又は二次巻線がスロット52を占めている。裏面50によって、鉄心の中心を通る開口54が形成されている。様々な実施形態によれば、ハブ44はソリッドハブ(即ち鉄心の中心を通る開口がない)となし得る。
【0028】
第2部材42には、リム56と、リム56に接続又は一体化された複数のスポーク58が含まれている。リム56には、表面60と裏面62が含まれている。スポーク58は、裏面62の周りに等間隔に並んでおり、スポーク46とアライメントがとられ、スポーク46から間隔をあけて配置されている。スポーク46、58は、図5では長さがほぼ等しいように示しているが、スポーク46の長さはスポーク58の長さより短く或いは長くすることもできる。スポーク58は裏面62と協働して、裏面62の周りに等間隔に並んだ複数のスロット64を形成している。明瞭化のため図5には示さないが、小型三相多巻線装置の一次及び/又は二次巻線もスロット64を占めている。スロット64は、スロット52とアライメントがとられている。スポーク58によって、第1部材40を収容するサイズの開口66が形成されている。図5の場合、開口66は第1部材40によって部分的に覆われている。第1部材40が第2部材42によって包囲されると、第1部材40と第2部材42によって、その間(即ち、スポーク46とスポーク58の間)に間隔68が形成される。様々な実施形態によれば、第2部材42は第1部材40と一体化している。こうした実施形態の場合、第1部材40と第2部材42の間に間隔は生じない。
【0029】
図6は、小型三相多巻線装置の鉄心の更なる他の様々な実施形態を例示している。鉄心(従って用いられる場合には成層材スタック)には、第1部材70と、第1部材70を包囲する第2部材72が含まれている。第1部材70は、鉄心の「内側」部材、そして第2部材72は、「外側」部材とみなし得る。
【0030】
第1部材70には表面74と裏面76が含まれている。裏面76によって、鉄心の中心を通る開口78が形成されている。他の実施形態によれば、第1部材70はソリッド部材(即ち鉄心の中心を通る開口がない)となし得る。
【0031】
第2部材72は、リム80と、リム80に接続又は一体化された複数のスポーク82を含み、リム80は、表面84と裏面86を含んでいる。スポーク82は、裏面86の周りに等間隔に並んでおり、裏面86と協働して、裏面86の周りに等間隔に並んだ複数のスロット88を形成している。明瞭化のため図6には示さないが、小型三相多巻線装置の一次及び/又は二次巻線がスロット86を占めている。スポーク82により第1部材70を収容するサイズの開口90が形成されている。図6では、開口90は第1部材70により部分的に覆われている。第1部材70が第2部材72で包囲されると、第1部材70と第2部材72により、その間(即ち第1部材70の表面74とスポーク82の間)に間隔92が形成される。他の実施形態では、第2部材72は第1部材70と一体化している。この実施形態の場合、第1部材70と第2部材72の間に間隔は生じない。
【0032】
図3〜6に示す実施形態の各々に関して、磁界が各々の第1と第2部材を通って流れ、一次及び/又は二次巻線が各々のスロットを占めている。一次及び二次巻線は、全節又は短節構造をなすように構成できる。様々な実施形態では、一次巻線は鉄心の中心に近接して配置され、二次巻線は鉄心の中心からより遠くに配置されている。他の実施形態では、二次巻線は鉄心の中心に近接して配置され、一次巻線は鉄心の中心からより遠くに配置されている。一次及び/又は二次巻線が各々のスロットの全容積を占めない実施例では、ウェッジを利用し、スロットの残存容積を充填し得る。他の実施形態によれば、一次及び二次巻線の各々は、導電性材料(例えば銅)から製作され、導電材料を包囲する絶縁ジャケットを含んでいる。巻線の絶縁ジャケットにより、端巻部分に関し一次巻線と二次巻線の間及び異なる位相の一次巻線間に線間絶縁を施すことが可能になる。絶縁ジャケットによって、地絡を防止するため鉄心と巻線の間に線路接地絶縁を施すこともできる。
【0033】
図7は、10度の位相角増分を必要とし、図1に例示のような電力セル構成を施された、AC駆動装置に用いられる小型三相多巻線装置の様々な実施形態を例示している。単純化し、分かりやすくするため、図6に示す巻線構成は2極全節巻き構成である。しかし、明らかに他の構成(4極、6極、短節等)も利用できる。
【0034】
図7は、最初にスロットの底部(即ちR、S及びTで表わした鉄心の中心に最も近いスロット部分)に取り付けられた一次巻線コイルを示しているが、取り付け順序は変わる場合もある。一次巻線の各位相は、直列、並列又はその任意の組合せで接続することが可能な6つのコイルから構成されている。各コイルは、1つのスロットを通って上方に延び、もう1つのスロットを通って構造周りを半分程(1磁極ピッチ)下方に戻る1巻き以上の導体を備えている。各コイルの上方側は「+」、各コイルの下方側は「−」と標記している。例えば図7では、位相Rの6つのコイルを上方側(「R+」)が11時と1時の間でそして下方側(「R−」)が5時と7時の間でスロット内に取り付けられている。位相Sの6つのコイルは、上方側(「S+」)が3時と5時の間でスロット内に、下方側(「S−」)が9時と11時の間でスロット内に取り付けられている。位相Tの6つのコイルは上方側(「T+」)が7時と9時の間でスロット内に、下方側(「T−」)が1時と3時の間でスロット内に取り付けられている。各位相毎に6つのコイルからなる群は、各々Rコイル群、Tコイル群及びSコイル群として識別される。
【0035】
各二次巻線には、1つのスロットを通って上方に延び、もう1つのスロットを通って構造周りを半分程(1磁極ピッチ)下方に戻る1巻き以上の導体を備える3つのコイルが含まれている。図7の場合、二次巻線コイルを、A、B又はCで始まり、数字1、2、3、4、5又は6が後続する符号により表示している。英字と数字を組み合わせることで、どのセル(例えば図7に示す、以下で詳述するセル)がその二次巻線コイルにより給電されるかを示すことが可能になる。英字によりセルの位相群が識別され、他方数字によりセルのランクが識別される。図8は典型的なコイルの略図である。図7では、各コイルの上方側を「+」で、他方各コイルの下方側を「−」で標記している。位相Rの6つの一次コイルと同じスロット内に取り付けられる二次コイルを、「R構成コイル」と称する。位相Tの6つの一次コイルと同じスロット内に取り付けられる二次コイルを、「T構成コイル」と称する。位相Sの6つの一次コイルと同じスロット内に取り付けられる二次コイルは、「S構成コイル」と称する。例えば複数セルを備える図7に示す電力供給システムに用いる場合、R構成コイル給電セルC1は、上方側(「C1R+」)が11時10分の位置でスロット内に取り付けられ、下方側(「C1R−」)が5時10分の位置でスロット内に取り付けられる。R構成コイル給電セルC2は、上方側(「C2R+」)が11時30分の位置で、そして下方側(「C2R−」)が5時30分の位置でスロット内に取り付けられる。C1RコイルとC2Rコイルの間における1スロットの変位により、それらの間に10度の位相角が発生する。
【0036】
同様に、T構成コイル給電セルC1は、上方側(「C1T+」)が7時10分の位置、そして下方側(「C1T−」)が1時10分の位置でスロット内に取り付けられる。T構成コイル給電セルC2は、上方側(「C2T+」)が7時30分、そして下方側(「C2T−」)が1時30分の位置でスロット内に取り付けられる。C1TコイルとC2Tコイルの間での1スロットの変位により、それらの間に10度の位相角が発生する。
【0037】
このパターンについて引き続き述べると、S構成コイル給電セルC1は、上方側(「C1S+」)が3時10分の位置、そして下方側(「C1S−」)が9時10分の位置でスロット内に取り付けられる。S構成コイル給電セルC2は、上方側(「C2S+」)が3時30分の位置で、そして下方側(「C2S−」)が9時30分の位置でスロット内に取り付けられる。C1SコイルとC2Sコイルの間における1スロットの変位に伴い、それらの間に10度の位相角が発生する。
【0038】
この応用例では、AC駆動装置は、3つの独立した二次巻線において同じ位相角が繰り返される必要があるので(例えばある特定のランクにおける3つの電力セルに関し)、図7に示すように、各スロット毎に3つの二次巻線のための構成コイルが収容されている。例えばセルA1、B1及びC1は同じ位相角を必要とし、従ってコイルA1RとB1RはコイルC1Rと同じスロット内にあり、コイルA1TとB1TはコイルC1Tと同じスロット内にあり、コイルA1SとB1SはコイルC1Sと同じスロット内にある。
【0039】
図7は、36のスロットを備えた2極構成を例示しているが、勿論、他の実施形態では他の極/スロット構成が利用される場合もある。実施例に応じ、極数の増加を利用して、幾つかの利点をもたらすことが可能となる。2極の場合、全磁束が鉄心周りを半分程(1磁極ピッチ)流れ、従って、第1及び第2部材における鋼はそれに応じたサイズにせねばならない。6極構成を利用すると、全磁束の1/3だけが鉄心周りを60度(1磁極ピッチ)流れるので、第1及び第2部材の鋼を約2/3程減らすことが可能になる。2極の場合、各コイルの端巻部分は、鉄心を半分ほど(1磁極ピッチ)巻くのに十分な長さが必要とされる。例えば10度の位相角増分を必要とし、6極構成をなすAC駆動装置の場合、端巻部分は鉄心を60度(1磁極ピッチ)巻きさえすればよく、導体材料の節約になり、電力の損失が減少する。実施例によっては、スロット数の増加を利用して、幾つかの利点をもたらすことが可能となる。36のスロットの場合、一次巻線からの構成コイルに加えて、3つの二次巻線の各々の構成コイルが各スロット内に配置される。108のスロットの場合、ある特定の二次巻線の1つの構成コイルだけが各スロットを占めさえすればよく二次コイル間の絶縁を軽減することが可能になる。
【0040】
図8は、図7の小型三相多巻線装置のコイル100のワイヤフレーム略図を例示する。コイルの一部が、例えば図2に示す如く鉄心の2つのスロットに取り付けられている(例えば図8に示すようにスロット102aを通って上方に、スロット102bを通って下方に延びている)。コイルの残りの部分には、導体が1つのスロットからもう1つのスロットに移る端巻部分104が含まれている。端巻部分104は、鉄心材料の回転磁界と相互作用しないので二次巻線電圧の一因とはならないが、それでも電流を流し、従って電力損失を生じる。図8の点線はスロット102a及び102bのスロット開口を示すが、勿論一般には各スロット毎に少なくとも2つのコイル(一次巻線に対して1つと二次巻線に対して1つ)が存在するので、コイル断面積はスロット断面積より小さい。上述の如く、他の実施形態によれば、ある特定のスロットには2つ以上(例えば2つ)の一次巻線に対するコイル及び/又は2つ以上(例えば3つ)の二次巻線に対するコイルが存在し得る。
【0041】
図9は、交互構成をなす鉄心層の1つ110の一部に関する断面を例示している。ここで、内側部材16は、長さが変化する一連の一体化スポーク又は延長部114を備えたセグメント112から組み立てられ、同様に、外側部材14はセグメント116から組み立てられている。図9に示す例の場合、各交互スポーク114は、隣接するスポークに比べて長いか短いかの何れかである。外殻セグメント116は、従って、各スポークを受け入れるよう構成される。鉄心の各層は、層110と同様に構成されるが、組立て中、各層を少なくともスポーク1つ分回転させて、短い方のスポークが長い方のスポークの上に位置し、鉄心の組立て完了時にスポークの交互配置パターンが形成されるようにする。交互配置パターンを与えることで、組立て中に結果として生じる空隙(特にスポーク114に対する外殻116の接合中に生じる空隙)がなくなるか或いは大幅に縮小される。セグメント間の空隙もこの交互配置法によって縮小し又はなくなる。更なる利点には、大きい鉄心の場合、セグメントは完全な円形積層に比べて打抜きがより容易であり、結果として屑材料が減少し、かつ取扱いがより容易になる可能性がある。
【0042】
同様に、鉄心の各層は幾つかのセグメント(例えば9つのセグメント)から組立て、互いに隣接配置して単一層を形成し得る。図9に例示の層110は、セグメント118a、118b、118c及び118dからなっている。鉄心の組立て中、個別の層を積層すると、セグメント化部分によって生じる継目(例えば118aと118bとの間の継目)は上方の層と下方の層のセグメントによって覆われ、結果として、セグメント継目に関する交互配置パターンが形成される。
【0043】
図10は、指定の位相角の電圧を発生するための方法150の様々な実施形態を例示する。方法150は、上述の小型三相多巻線装置により実施できる。説明を容易にすべく、方法150の説明は小型三相多巻線装置によるその実施に関連して行うことにする。
【0044】
このプロセスはステップ152で始まり、三相AC電圧が小型三相多巻線装置の一次巻線に印加される。三相AC電圧は、一次巻線のRコイル群、Sコイル群、及び、Tコイル群の両端に印加できる。上述の如く、Rコイル群、Sコイル群及びTコイル群に、小型三相多巻線装置の周りのスロットに配置された「上方」側と「下方」側を有する様々な巻き導体が含まれている。
【0045】
プロセスはステップ152からステップ154に進み、AC電流(例えば磁化電流)が一次巻線を構成する様々な巻き導体を流れる。プロセスはステップ154からステップ156に進み、一次巻線を流れるAC電流により小型三相多巻線装置の鉄心にAC磁束が生じる。換言すれば、一次巻線を流れるAC電流により小型三相多巻線装置の鉄心が磁化される。鉄心周りにおける導体の巻き構成のため、発生する磁界は、鉄心により形成される対称軸(例えば縦軸)周りを回転する放射状磁界である。構造の一部(例えば回転子)が回転磁界と共に回転するACモータと対照的に、三相多巻線装置の構造のいかなる部分も回転しない。
【0046】
プロセスはステップ156から158に進み、回転磁界によって小型三相多巻線装置の二次巻線にAC電圧が誘導される。一般に、誘導AC電圧は一次巻線に印加されるAC電圧よりも通常は低い。上述のように、各二次巻線に、小型三相多巻線装置の周りのスロットに配置された「上方」側と「下方」側を有する様々な巻き導体が含まれている。小型三相多巻線装置の構造及び構成のため、この装置の様々な実施形態は、各々の二次巻線によって特定の位相角の特定のAC電圧が生じるように構成することができる。
【0047】
様々な実施形態によれば、プロセスはステップ158からステップ160に進み、二次巻線に電流が流される。電流は二次巻線に接続された負荷(例えば電力セル)によって流すことができる。プロセスはステップ160からステップ162に進み、一次巻線に付加電流を生じさせて、二次電流のアンペアターンが相殺される。
【0048】
図11は、小型三相多巻線装置202を含む装置200の様々な実施形態を例示する。この装置は、DC駆動装置や、図11に示すAC駆動装置等の電源として具現化できる。小型三相多巻線装置202は、従来の変圧器と同じ機能を果たし、所要のスペースが少なく、複数の構成巻線を利用することなく所望の位相角及び電圧をより正確に実現できる。
【0049】
図11に示すように、小型三相多巻線装置202の様々な二次巻線206は、単純な三角結線(延長部のない)を利用できる。他の実施形態では、二次巻線206は、単純な三角結線の代わりに単純なY結線を利用できる。従来の変圧器と異なり、小型三相多巻線装置202の様々な二次巻線206は、各位相群毎に1つの構成巻線しか備えておらず、全て同じ巻数であり、一次巻線204に対する結合係数は同じである。留意すべきは、図11に示すところでは一次巻線はY結線を施しているが、一次巻線は他の構成をなすように(例えば三角結線)接続できる。
【0050】
例証のため、本明細書では本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、当該技術者には明らかな如く、請求項により定義した本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、既述の実施形態に様々な修正、変更及び改変を施すことができる。例えば幾つかの実施形態では、小型三相多巻線装置は、1/2の電力で2つの独立した変圧器の機能性、1/3の電力で3つの独立した変圧器の機能性を与えるように構成できる。
【0051】
本明細書に記載のモータの構造を利用することで、より少ない材料及びより少ない労力で、設置面積を小さくして三相多巻線装置を組み立てることが可能になる。更に、この二次巻線を製作して、より正確な位相角及び指定電圧を生じさせることが可能になる。
【符号の説明】
【0052】
2 小型三相多巻線装置、4 鉄心、6 巻線、12 第1部材、14 第2部材、16 ハブ、18 スポーク、20 ハブ表面、22 ハブ裏面、24 スロット、26 開口、28 外殻表面、30 外殻裏面、32 開口、40 第1部材、42 第2部材、44 第1部材のハブ、46 第1部材のスポーク、48 ハブの表面、50 ハブの裏面、52 スロット、54 開口、56 第2部材のリム、58 第2部材のスポーク、60 リムの表面、62 リムの裏面、64 スロット、66 開口、70 第1部材、72 第2部材、74 第1部材の表面、76 第2部材の表面、78 開口、80 第2部材のリム、82 第2部材のスポーク、84 リムの表面、86 リムの裏面、 88 スロット、90 開口、100 コイル、102a、102b スロット、104 端巻部分、110 鉄心層、112 セグメント、114 交互スポーク、116 セグメント、118a〜118d セグメント、202 小型三相多巻線装置、204 一次巻線、206 二次巻線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブと、
該ハブと互いに固定位置にあり、前記ハブの外周を囲む外殻及び複数のスロットとを有する鉄心と、
前記スロットの少なくとも2つに配置された一次巻線と、
複数の空間的に分布した二次巻線とを具備する三相多巻線装置であって、
前記二次巻線の少なくとも1つが前記2つのスロットの少なくとも1つにおいて前記一次巻線と近接して配置されていることを特徴とする三相多巻線装置。
【請求項2】
前記スロットが、複数の巻線を受け入れるサイズを有し、前記受け入れた巻線の少なくとも一部を前記ハブと前記外殻の間に配置するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ハブ及び外殻によってその間の間隔が画定されていることを特徴とする請求項2記載の多巻線装置。
【請求項4】
前記鉄心に、更に複数のスポークが含まれることを特徴とする請求項1記載の多巻線装置。
【請求項5】
前記ハブ及び外殻が複数のスポークによって接続されていることと、
前記スロットが、前記ハブ、外殻及びスポークによって形成されていることと
を特徴とする請求項4記載の多巻線装置。
【請求項6】
前記複数のスポークが前記ハブから前記外殻に向かって延びていることと、
前記スロットが、前記ハブ、外殻、及び、スポークによって形成されていることと
を特徴とする請求項4記載の多巻線装置。
【請求項7】
前記複数のスポークが前記外殻から前記ハブに向かって延びていることと、
前記スロットが、前記ハブ、外殻及びスポークによって形成されていることと
を特徴とする請求項4記載の多巻線装置。
【請求項8】
前記複数のスロットが、前記ハブ、前記外殻又は前記ハブと前記外殻の両方の組合せと一体化していることを特徴とする請求項1記載の多巻線装置。
【請求項9】
前記鉄心の少なくとも一部が複数の交互配置層から組み立てられていることを特徴とする請求項1記載の多巻線装置。
【請求項10】
前記複数のスロットの各々に一次巻線と複数の二次巻線が収容されていることと、
前記二次巻線が固有の位相を有することと
を特徴とする請求項1記載の多巻線装置。
【請求項11】
指定の位相角のAC電圧を発生するための方法であって、
三相多巻線装置の固定一次巻線に第1のAC電圧を印加するステップと、
前記一次巻線にAC電流を通すステップと、
前記三相多巻線装置の鉄心によって形成される対称軸周りを回転する放射状磁界を発生するステップと、
前記三相多巻線装置の空間的に分布した複数の二次巻線に第2のAC電圧を誘導するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記多巻線装置が、
ハブと、前記ハブと互いに固定位置にあり、前記ハブの外周を囲む外殻及び複数のスロットとを有する鉄心と、
前記スロットの少なくとも2つに配置された一次巻線と、
複数の空間的に分布した二次巻線と
を含み、
前記二次巻線の少なくとも1つが前記2つのスロットの少なくとも1つにおいて前記一次巻線と近接して配置されている
ことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記多巻線装置の前記鉄心に更に複数のスポークが含まれており、前記スロットが、前記ハブ、外殻及びスポークによって形成されていることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記スポークによって、前記対称軸周りに前記放射状磁界が導かれることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記スロットが、複数の巻線を受け入れるサイズを有し、前記受け入れた巻線の少なくとも一部を前記ハブと前記外殻の間に配置するように構成されていることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
複数の電力セルと、
前記電力セルの各々に接続された多巻線装置を含む装置であって、
前記多巻線装置が、
ハブと、前記ハブと互いに固定位置にあり、前記ハブの外周を囲む外殻と、複数のスロットを有する鉄心と、
前記スロットの少なくとも2つに配置された一次巻線と、
複数の空間的に分布した二次巻線とを具備し、
前記二次巻線の少なくとも1つが前記2つのスロットの少なくとも1つにおいて前記一次巻線と近接して配置されている
ことを特徴とする装置。
【請求項17】
前記スロットが、複数の巻線を受け入れるサイズを有し、前記受け入れた巻線の少なくとも一部を前記ハブと前記外殻の間に配置するように構成されていることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記ハブと前記外殻によってその間の間隔が画定されていることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記鉄心に複数のスポークが更に含まれることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項20】
前記一次巻線に端巻部分が含まれており、前記一次巻線が1つのスロットからもう1つのスロットに移るようになっていることを特徴とする請求項1記載の多巻線装置。
【請求項21】
前記ハブと前記外殻がセグメントから組み立てられることと、
前記外殻のセグメントが前記ハブから半径方向の外側に突き出したスポークを受け入れるように構成されていることと
を特徴とする請求項1記載の多巻線装置。
【請求項22】
前記一次巻線に端巻部分が含まれており、前記一次巻線が1つのスロットからもう1つのスロットに移るようになっていることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項23】
前記ハブと前記外殻がセグメントから組み立てられることと、
前記外殻のセグメントが前記ハブから半径方向の外側に突き出したスポークを受け入れるように構成されていることと
を特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項24】
前記一次巻線に端巻部分が含まれており、前記一次巻線が1つのスロットからもう1つのスロットに移るようになっていることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項25】
前記ハブと前記外殻がセグメントから組み立てられることと、
前記外殻のセグメントが前記ハブから半径方向の外側に突き出したスポークを受け入れるように構成されていることと
を特徴とする請求項16記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2010−538472(P2010−538472A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523153(P2010−523153)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/074784
【国際公開番号】WO2009/029789
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(500524637)シーメンス エナジー アンド オートメーション インコーポレイテッド (6)