説明

下肢運動および動態を制御するための、内側または外側がテクスチャ化されたフットベッド

着用者の足の足底表面に対向するためのフットベッド(例えば、履物、靴下などの中)は、平滑もしくは実質的に平滑な感触または表面を有する外側または内側の一方を含み、反対側は、例えば、テクスチャ化された感触または表面を規定する複数の隆起した領域を提供することにより、テクスチャ化された感触または表面を有する。テクスチャリングの位置(外側もしくは内側)、および/または歩行活動の型(例えば、ランニングもしくはウォーキング)に応じ、該活動中の下肢の動きが影響され得る;例えば、回内の減少、最大回外の減少、リアフット可動範囲の減少、回外速度の減少、一歩を踏み出す際の底屈の減少、踵接地時の内反の減少、回外可動範囲の減少、最大内部脛骨回旋の減少、カッティング動作時の安定性の増加などである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般的に、例えば、下肢運動および/または動態に影響を及ぼすよう、足底表面に対する感覚入力を変えることにより、下肢動作を制御するための製品および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
運動用の履物を含む通常の履物物品は、2つの基本的な要素、即ち、上部材および底構造を含んできた。上部材は、足を安定して受け、かつ底構造に対して足を位置付ける足の覆いを提供する。さらに、上部材は、足を保護し、かつ通気することにより足を冷却、および汗を除く形態を有してよい。底構造は一般的に、上部材の下部に固定され、そして一般的に、足および接触表面(これらに限定される訳ではないが、地面、草、土、砂、雪、氷、タイル、フローリング、カーペット、合成草、人工芝などを含む、あらゆる足または履物が接触する表面を含み得る)の間に位置付けられる。接触表面反力を減弱するのに加え、底構造は牽引力を提供して、そして回内などの足動作の制御を助け得る。従って、上部材および底構造は、ウォーキングおよびランニングなどの多様な歩行活動に適した、安楽な構造を提供するよう協同して機能する。
【0003】
運動用履物の底構造は、少なくともいくつかの場合、安楽さを増幅するインソール、弾力のある(例えば、少なくとも部分的に、ポリマーフォーム材料より形成された)ミッドソール、ならびに磨耗耐性および牽引力の両方を提供する接触表面-接触アウトソールを含む層状形態を示し得る。少なくともいくつかの場合、ミッドソールは、接触表面反力を減弱し、そして足の動作を制御する最初の底構造要素となり得る。ミッドソールの少なくとも一部のために好適なポリマーフォーム材料は、接触表面反力を減弱するよう、かけられた負荷に対し弾力的に縮むエチレン酢酸ビニル(「EVA」)またはポリウレタン(「PU」)を含む。
【0004】
従来のいくつかの底構造は足の動作制御を助けるのに有用ではあったが、人によっては、過剰な回内または回外などの歩行の問題、関節炎の問題、過剰な内反/回外およびその他の通常の底構造によっては適切に対処することができない問題を有する。靴挿入物および矯正器具が、種々の病気の処置に有効であることが示されてきたにもかかわらず、体の下肢に対する、その生体力学的効果は殆ど理解されていない。また、ある場合には、足下における矯正器具の使用は、体が結果として依存するようになる可能性がある支柱となる。連続する病気ごとに支柱をより一層重篤にせねばならない。また、靴のウェッジ挿入物が、少なくともいくらかの慰藉を与えるのに、または、ある歩行問題を是正するのに成功裏に使用されてきたが、これらのウェッジは靴の中で緩くなりがちで、結果として不快を与え、および/または簡単に失われ易いものとなる。従って、当技術分野では、下肢動作制御について改善の余地がある。
【発明の開示】
【0005】
概要
本発明の態様は、単独または他の従来の方法(例えば、以前に記述されたものなど)と共に用いることができる、ある種の歩行問題および酷使傷害を処置するための新しいシステムおよび方法に関する。さらに、発明のシステムおよび方法の構成は、単独で使用された場合には機械的な支柱を提供しないが、本発明の態様は特有の動きに関連した病気に対する長期の慰藉を提供し得る。
【0006】
本発明のより詳細な態様は、選択的にテクスチャ化された、インソール、ソックライナー、内履きオーバーシューズ(bootie)部材、靴下もしくはその他の足を受け入れるデバイス、またはそれらの一部などのフットベッドを用いて、使用者の動作を制御すること、ならびに/またはウォーキングもしくはランニングなどの歩行活動時、もしくは、ウォーキング、ランニング、および/もしくは、バスケットボールおよびテニスなどのカッティング行動、急止行動、急な開始行動などのその他の非直線的動きの間の、足への感覚入力を変化させることに関する。
【0007】
本発明のもう少し詳細な態様は、(a)足を覆う部材(上部材など)、(b)足を覆う部材と対向した(engaged)足を支える部材(底構造など)、および(c)足を受け入れる小室(例えば、足を覆う部材および足を支える部材の間)内に位置する使用者の足の足底表面を支えるためのフットベッド、を含む履物物品などの足を受け入れるデバイスに関する。これらのデバイスにおいて、フットベッド表面の外側または内側の一方は、平滑または実質的に平滑な表面または感触を有し、反対側は、例えば、テクスチャ化された表面または感触により規定される複数の隆起した領域の存在により、テクスチャ化された表面または感触を有するであろう。本発明の追加の態様は、着用者の足を受け入れかつ/または着用者の足を含む小室を含むあらゆる衣料品を包含する衣料品(靴下、ストッキング、パジャマ、パンティストッキングなど)に関する。このような衣料品は、例えば、(a)少なくとも部分的に繊維材料より作製された管状部材であって、足を受け入れるための内部小室を規定する管状部材、ならびに(b)使用者の足の足底表面に対向するためのフットベッドであって、フットベッドの外側または内側の一方が、平滑または実質的に平滑な表面または感触を有するのに対し、反対側は、例えば、テクスチャ化された表面または感触を規定する複数の隆起した領域または要素を含むことによりテクスチャ化された表面または感触を有するフットベッド、を含み得る。
【0008】
本発明のさらに追加の態様は、上記の型のフットベッドを含む、足を受け入れるデバイス(履物物品など)および/または衣料品を作製する方法に関する。このような方法は、何らかの方法で、上記の型のフットベッドを、そうでなければ慣用である靴もしくはその他の足を受け入れるデバイス製品と共に、および/または、通常の靴下もしくはその他の衣料品と共に提供することを含み得る。
【0009】
本発明のさらなる態様は、使用者の動作を制御する方法、例えば、本発明の例に従った製品を用いて、歩行活動中の着用者の運動または動態に作用する方法に関する。このような方法は:(a)フットベッドの内側または外側の一方が、平滑または実質的に平滑な感触または表面を有し、かつ、例えばテクスチャ化された感触または表面を規定する複数の隆起した要素を提供することにより、フットベッドの反対側がテクスチャ化された感触または表面を有する、使用者の足の足底表面に対向するフットベッドを提供すること(例えば、衣料品の部分として;履物物品の部分として;別の足を受けるデバイスの部分として;直接、使用者の足上に;分離した要素として;など)、および(b)使用者の足の足底表面をフットベッドと(直接または間接的に)対向した状態で歩行活動を行うこと、を含み得る。
【0010】
上記およびその他の本発明の目的、構成ならびに利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と連関させて考慮すれば直ちに明らかであり、かつ完全に理解されるであろう。
【0011】
詳細な説明
本発明の種々の例についての以下の記載では、本明細書の一部を形成し、かつ本発明の態様として実施され得る種々の構造、具体例、および実施例が図示により示される、添付の図面に言及する。本発明の範囲から逸脱することなく他の具体例が利用され得ること、ならびに、構造的および機能的改変を行い得ることが理解される。
【0012】
I.本発明の態様の一般的説明
A.本発明の実施例に従った製品
本発明の態様は一般的に、選択的にテクスチャ化したフットベッドを用いて、使用者の動作を制御すること、かつ/あるいは、ウォーキングもしくはランニングなどの歩行活動中、またはウォーキング、ランニング、カッティング行動、急止行動、急な開始行動などを含む運動もしくはその他の活動中の、足への感覚入力を変化させることに関する。本発明のより特異的な態様例は、(a)足を覆う部材(上部材など)、(b)足を覆う部材と対向した足を支える部材(底構造など)、ならびに(c)足を受け入れる小室の中および/または足を覆う部材および足を支える部材の間にある、使用者の足の足底表面を支えるためのフットベッドを含む、履物物品などの足を受け入れるデバイスに関する。これらの構造において、フットベッドの外側または内側のどちらか一方は、平滑または実質的に平滑な感触または表面を有し、反対側は、例えば、テクスチャ化された感触または表面を規定する複数の隆起した領域を提供することにより、テクスチャ化された感触または表面を有するであろう。このような構造において、フットベッドは、使用者の足の足底表面の全てまたは実質的に全てに対向するような大きさおよび配置とすることができる(例えば、本明細書中でこのような関係において使用されるように、「実質的に全て」との用語は、フットベッドが着用者の足底表面の少なくとも80%に対応する領域を覆うか、または、該領域に対向するよう広がっており、かつ、特に示される場合には、着用者の足底表面の少なくとも90%、またはその95%にすら対応する領域を覆うか、または、該領域に対向するよう広がっていてもよい)。「テクスチャ化された感触または表面」は、フットベッドの内側または外側半分を少なくとも主として覆うために、および少なくともいくつかの例においては、フットベッドの全内側または外側半分を実質的に覆うために、提供し、そのような大きさにし、かつ/または配置することができる(例えば、「実質的に覆う」という用語は、本明細書中でこのような関係において使用されるように、テクスチャの感触または表面が、フットベッドの内側または外側半分の少なくとも80%に対応する領域を覆うように広がっていることを意味し、かつ特に示される場合には、フットベッドの内側または外側半分の少なくとも90%、またはその95%にすら対応する領域を覆うように広がっていてもよい)。「実質的に平滑」という用語は、本明細書中でこのような関係で使用されるように、平滑な感触または表面が、フットベッドの内側または外側半分の少なくとも80%に対応する領域を覆うように広がっていることを意味し、かつ特に示される場合には、フットベッドの内側または外側半分の少なくとも90%、またはその95%にすら対応する領域を覆うように広がっていてもよい。
【0013】
本発明の追加の態様は、着用者の足を受け入れかつ/または含む小室を含む衣料品(靴下、ストッキング、パジャマ、パンティストッキングなど)に関する。このような衣料品は、例えば、(a)少なくとも部分的に繊維材料より作製された管状部材であって、足を受け入れる内部小室を規定する管状部材、および(b)管状部材と対向しているか、または管状部材の部分として総体的に形成された、使用者の足の足底表面に(直接的または間接的に)対向するためのフットベッドであって、フットベッドの外側または内側の一方が平滑、または実質的に平滑な感触または表面を有し、例えば、テクスチャ化された感触または表面を提供するような複数の隆起した領域を提供することにより、反対側はテクスチャ化された感触または表面を有するであろうフットベッド、を含み得る。フットベッドは上記および以下により詳細に記載される、フットベッドのための種々の構造および/または配置を含め、任意の所望の構造または配置を有し得る。
【0014】
本発明から逸脱することなく、多様な異なる手段によりフットベッドを提供することができる。例えば、足を覆う部材および/または足を支える部材の構造(単数または複数)の部分として総体的にフットベッドを形成することができる(例えば、履物物品の上部材および/または底構造の部分として総体的に形成)。別の例として、フットベッドは、足を覆う部材および/または足を支える部材の1つまたは複数と対向した、分離した構造として提供してもよい(例えば、インソール部材の部分として、ソックライナーの部分として、分離した挿入物部材としてなど)。さらに追加の例として、フットベッドは、靴下または他の衣料品などの衣料品の一体化した部分として、および/または衣料品に付加して提供してもよい(例えば、靴下またはその他の衣料品の内面の内、または外面上など)。さらに別の例として、所望により、フットベッドは使用者の足に直接対向することができる、分離された要素を構成していてもよい。
【0015】
B.本発明の実施例に従う製品を作製する方法
本発明の追加の態様は、上記の1つもしくは複数の種々の構造および/または構成を含む、履物物品(またはその他の足を受け入れるデバイス)を作製する方法に関する。このような方法は、例えば、(a)上部材(またはその他の足を包含する部材)を底構造(または足をその他の支える部材)と対向させる工程;ならびに(b)使用者の足の足底表面を、少なくとも1つの上部材および/または底構造で支えるためのフットベッドであって、フットベッドの外側またはフットベッドの内側の一方が平滑または実質的に平滑な感触または表面を有し、かつフットベッドの反対側が、例えば、テクスチャ化された感触または表面を規定する複数の隆起した領域を提供することにより、テクスチャ化された感触または表面を有するフットベッドを提供する工程、を含み得る。当技術分野において公知かつ使用されている通常の構造様式、材料、およびスタイルを含む、履物物品(またはその他の足を受け入れるデバイス)の任意の所望の構造様式、材料、およびスタイルを、本発明から逸脱することなく使用することができる。また、フットベッドは、上記の(および/または以下により詳細に記載される)任意の構造、配置、および/または構造様式を有していてもよい。
【0016】
本発明のさらに追加の態様は、足を受けかつ/または包含する衣料品を作製する方法を含む。このような方法は、例えば、(a)少なくとも部分的に繊維材料から作製された管状部材であって、足を受け入れる内部小室を規定する管状部材を提供する工程、および(b)使用者の足の足底表面を管状部材と対向するためのフットベッドであって、フットベッドは管状部材と対向しているか、または管状部材の部分として総体的に形成されており、かつフットベッドの外側または内側の一方が平滑または実質的に平滑な感触または表面を有し、かつフットベッドの反対側が、例えば、テクスチャ化された感触または表面を規定する複数の隆起した要素を提供することにより、テクスチャ化された感触または表面を有するフットベッドを提供する工程、を含み得る。当技術分野において公知かつ使用されている通常の構造様式、材料、およびスタイルを含む、衣料品の任意の所望の構造様式、材料、およびスタイルを、本発明から逸脱することなく使用することができる。また、フットベッドは、上記の(および/または以下により詳細に記載される)任意の構造、配置、および/または構造様式を有していてもよい。
【0017】
C.本発明の実施例に従う製品を使用する方法
本発明の追加の態様は、本発明の実施例に従う製品を使用して、使用者の動作を制御する方法、例えば、歩行活動中の着用者の運動または動態に影響を及ぼす方法に関する。このような方法は、(a)使用者の足の足底表面に対向するためのフットベッドであって、フットベッドの外側または内側の一方が、平滑または実質的に平滑な感触または表面を有し、かつフットベッドの反対側は、例えば、テクスチャ化された感触または表面を規定する複数の隆起した要素を提供することにより、テクスチャ化された感触または表面を有するフットベッドを提供する工程、および(b)使用者の足の足底表面を直接または間接的にフットベッドと対向した状態で歩行活動を行う工程、を含み得る。フットベッドを、本発明から逸脱することなく、多様な手段により提供してもよい。履物物品の底構造の部分として総体的に形成された、履物物品の上部材の部分として総体的に形成された、履物物品もしくは他の足を受け入れるデバイスに挿入された独立した構造として提供されたなどの履物物品の一部として、例えば、インソール部材またはソックライナーとして、例えば、フットベッドを提供してもよい。追加の例として、所望により、フットベッドは、例えば、衣料構造の部分として総体的に形成された(足を受け入れる小室の内面中に、または足を受け入れる小室の内面もしくは外面上)、衣料構造に挿入された、衣料構造の外面に付着されたなどの靴下または他の衣料品の部分として含まれてもよい。フットベッドはまた、使用者の足に直接付加できる分離した構造を構成していてもよい。フットベッドはまた、上記の(および/または以下により詳細に記載される)種々の構造、構造様式、配置、および/または特徴のいずれを有していてもよい。
【0018】
歩行活動の種々の運動および/または動態特性が、上記型のフットベッドを含む履物または衣料品を用いることで影響され得る。フットベッドの外側が平滑または実質的に平滑な感触または表面を有し、かつ、内側がテクスチャ化された感触または表面を含むフットベッドに関し、影響され得る歩行活動の運動および/または動態特性の例は次のものを含む:(a)ウォーキング時の回内の減少;(b)ウォーキング時の最大回外量の減少;(c)ウォーキング時のリアフット可動範囲の減少;(d)ウォーキングまたはランニング時の回外速度の減少;(e)ウォーキング時の一歩を押し出す時の底屈の減少;(f)ウォーキング時の一歩の間の接地期の終わりでの最大内反の増加;(g)ランニング時の踵衝突時の使用者の足の内反の減少;(h)ランニング時の使用者の足の回外可動範囲の減少;(i)ランニング時の一歩の期間の終わりで使用者の足が経験する内反量の減少;(j)ランニング時の最大内部脛骨回旋の減少;ならびに(k)ランニング時の最高能動接触表面反力の増加。フットベッドの内側が平滑または実質的に平滑な感触または表面を有し、かつ、外側がテクスチャ化した感触または表面を有するフットベッドでは、影響され得る歩行活動の運動および/または動態特性の例は次のものを含む:(a)ウォーキング時の回内の増加;(b)ウォーキング時の最大回外量の増加;(c)ウォーキング時のリアフット可動範囲の増加;(d)ウォーキングまたはランニング時の回外速度の増加;(e)ウォーキング時の最高垂直負荷率の減少;(f)ランニング時の最高内部脛骨回旋の増加;(g)ランニング時の使用者の足首底屈モーメントの減少;(h)ランニング時の使用者の最高内部膝回転モーメントの減少;(i)ランニング時の使用者の膝の最高外転モーメントの減少;(j)ランニング時の最高衝撃の減少;(k)ランニング時の最高垂直負荷の減少;ならびに(l)外側カッティングまたは方向転換の動き時の安定性の増加。本発明のいくつかの実施例に従う製品はまた、関節炎(例えば、テクスチャ化された感触もしくは表面が外側にある場合)または膝痛(例えば、テクスチャ化された感触もしくは表面が内側にある場合)を処置するのに有用であり得る。
【0019】
本発明の種々の特徴および態様についてのこの一般的な記載を受け、本発明に従う製品の構造、ならびに、そのような製品を作製しかつ使用する方法の詳細な記載が以下に続く。
【0020】
II.本発明の特定な例
本発明の種々の態様および構成が一般的に上に記載されたが、以下では、本発明に従う製品および方法のより詳細な特定の例が提供される。以下の説明が本発明の実施例についての記載を構成し、そして本発明をいかなる意味でも限定して解釈するためのものでないことを当業者であれば当然に理解するであろう。
【0021】
A.本発明に従う製品例
図1Aから1Cは、以下に記載される実験的試験で試用された、使用者の足の足底表面に対向するためのフットベッドを一般的に図示する。より詳細には、図1Aは、以下に記載される種々の実験で対照として使用される、足底表面に接触する平滑または非テクスチャ化フットベッド対100を図示する。図1Bは、内側122に「テクスチャ化された」表面および外側124に平滑または非テクスチャ化表面を含む、本発明のいくつかの実施例に従う、足底表面に接触するフットベッド対120を図示する。図1Cは、外側144に「テクスチャ化された」表面および内側142に平滑または非テクスチャ化表面を含む、本発明のいくつかの実施例に従う、足底表面に接触するフットベッド対140を図示する。これらのフットベッド構造例120および140で提供される「テクスチャ化」は、フットベッド120および140の基部表面152から着用者の足底表面に接触するよう上向きに伸びる、小さな隆起した要素150(例えば、半球体、放物線状表面、円筒構造、円錐状構造、正方立方体構造、立方長方体構造など)を構成する。
【0022】
本明細書中で使用されるように、「テクスチャ化された」という用語は、使用者の足の足底表面の下に置かれた場合に(例えば、足底表面を介して体重がかけられた時)、着用者に直に感じられ、かつ、着用者の直接の意識的な自覚を誘い出すのに十分な大きさおよび形体である構造を意味する。テクスチャリングは、本発明から逸脱することなく、広く多様な異なる大きさおよび形体をとることができる。例えば、図1Bおよび1Cに図示されるように、この図示される例では、テクスチャリングは、一般的に、フットベッド基盤表面152の中または上の、使用している着用者の足底表面に向かって上向きに、かつ、足底表面に接触するように伸びる、丸い半球体状の隆起した要素150として提供される。勿論、隆起した要素150は、本発明から逸脱することなく、いかなる所望の形体(例えば、上述のものを含む)、大きさ(長さ、幅および/もしくは高さ)、分布、ならびに/または構造様式であってもよい。また、所望により、隆起した要素150および/またはその他のテクスチャリング構造、ならびに隆起した要素および他のテクスチャリング構造のパターンは、本発明から逸脱することなく、所与の対の所与のフットベッド表面から、および/または、フットベッド表面同士において、大きさが異なっていてももしくは変わっていても、および/または、パターンもしくは配置が異なっていてもよい。
【0023】
別の例または代替として、所望により、全体的なフットベッド構造(例えば、インソール部材またはソックライナー)において隆起した要素が、依然としてフットベッドの構造様式を介して着用者に感知されるように構築されていることを前提として、隆起した要素の少なくともいくつかは着用者の足底表面に接触するフットベッドの表面から遠ざかる方向へ伸びていてもよい(かつ、任意で、着用者の足に接触する表面とは反対のフットベッドの表面から伸びる)。
【0024】
テクスチャリングはまた、本発明から逸脱することなく、多様な異なるポジション、および/または、多様な配置もしくはパターンに置かれてもよい。少なくともいくつかの例において、テクスチャリングはフットベッド構造様式の一方の側(例えば、内側のみもしくは外側のみ)に限定されるか、または、最低限、他方と比べて一方の側で明らかにより顕著であろう。存在するところにでは、テクスチャリングは比較的均一に分布されていてもよく、または、いくつかの領域では、他の領域に対してより密集していてもよい。より特異的な例として、所望により、「テクスチャ化された表面」または「テクスチャリング」は、フットベッドの内側または外側半分を少なくとも優先的に覆うような大きさであり、かつ覆うように配置することができ(任意で、テクスチャ化された半分にわたって均一に分布されている)、かつ少なくともいくつかの例においては、任意でフットベッドのテクスチャ化された半分において均質に分布され、フットベッドの内側または外側半分を少なくとも実質的に覆うような大きさであり、かつ覆うように配置されるであろう。本発明の実施例に従うフットベッド構造はまた、使用者の足の足底表面の全て、または実質的に全てに対向するような大きさにし、かつ対向するように配置され得る。
【0025】
フットベッド120および140は、本発明から逸脱することなく、広く多様な異なる形体、構造、および/または構造様式を取り得る。例えば、フットベッド120および/または140は、例えば、履物物品の製造時、製造後などにおいて、履物物品中に含めてもよいソックライナーまたはインソール構成要素として構築され得る。隆起した要素150は、このようなソックライナーまたはインソール構成要素中に種々の手段により提供され得る:例えば、隆起した要素150の位置で、追加の繊維材料をソックライナーまたはインソール構成要素構造の部分として含める;プラスチック要素をソックライナーまたはインソール構成要素構造の中もしくは上に提供する(例えば、成形中またはその他のソックライナーもしくはインソール構成要素形成工程時に、ソックライナーまたはインソール構造と総体的に形成する;隆起した要素150(個別または1もしくはそれ以上のグループで)を粘着剤、機械的接合具などによりソックライナーまたはインソール構造に付着する);などによる。さらに追加の例として、フットベッド120および140はまた、少なくとも部分的に、空気または他の気体で満たされた袋として、任意で隆起した要素150がその中に総体的に成形された状態、それに付着した状態などで構築され得る。さらに追加の例として、隆起した要素150は、隆起した要素150がソックライナーもしくはインソール部分を介して着用者により感知されるような大きさおよび形体にされ、かつ/または、隆起した要素が着用者に感知されるよう足底表面に向かって上向きにソックライナーもしくはインソール部材中に設けられた開口の中へおよび/もしくは該開口を通って伸びることを前提として、ミッドソールの部分として、または通常のソックライナーもしくはインソール部材の下にある他の構造の部分として提供してもよい。他のフットベッド構造および/または配置もまた可能である。
【0026】
図2は、上記図1Bおよび1Cに図示される型のフットベッド120または140を含む、履物物品例200の部分的視野を図示する。履物物品200は上部材202、および上部材と対向した底構造204を含む。履物物品200全体、上部材202、および底構造204は、本発明から逸脱することなく、履物の分野において公知でかつ使用される通常の構造様式およびスタイルにより、通常の部品および/もしくは材料から、ならびに/または任意の通常の方法により一つにまとめられることを含め、任意の所望の構造様式またはスタイルにより、任意の所望の数の部品および/または材料から、かつ任意の所望の手法により一つにまとめられ得る。その他の型の靴においても本発明の構造様式および構成を利用できるが、いくつかの例において、履物物品200は運動靴であり得る。
【0027】
特に図示された実施例において、底構造204はアウトソール部材204aおよびミッドソール部材204bを含み、上部材202は靴型に対向し、かつミッドソール部材204bおよびアウトソール部材204aの間に対向している。ミッドソール部材204bは図2で履物構造200の内部にあるよう図示されているが、所望により、ミッドソール部材204bの少なくともいくらかの部分は、靴小室の外、かつ上部材202の外にあってもよい。また、この図示された構造例200において、フットベッド120、140は、上部材構造202および/または底構造204の部分を構成し得る、インソールまたはソックライナー構成要素120、140の形で提供される。代わりに、所望により、インソールもしくはソックライナー構成要素120、140は、分離され、かつ/または独立した構造として、例えば、履物物品の足を受け入れる小室内に、例えば、製造工程の一部として、製造が完了した後などに挿入される物として提供され得る。さらに別の実施例として、所望により、フットベッド120、140は、室内オーバーシューズ(interior bootie)部材の部分として、または、履物構造200中に総体的に形成されかつその部分として含まれる他の構造の部分として、提供され得る。また、図1Bおよび1Cに関連する上記の任意の種々の可能なフットベッド構造および構造様式を、本発明から逸脱することなく、図2の履物構造200中で使用してもよい。
【0028】
所望により、履物物品200に対して、フットベッド120、140の位置を保つために、切り離された手段を提供してもよい。このような手段の例には、これらに限定されないが、機械的接合具(例えば、スナップ、ストラップ、ベルトなど)、ホックおよび輪型の留め具、粘着物、溝、またはその他の保持構造などが含まれる。
【0029】
本発明から逸脱することなく、他のフットベッド製品構造および構造様式も可能である。上記のように、図2は、選択的にテクスチャ化されたフットベッド120、140が、履物構造の部分として含まれる(例えば、履物構造様式の部分として総体的に形成された、履物構造様式中に挿入されたなど)製品例を図示する。これは必要条件ではない。別例として、図3Aおよび3Bに図示されるように、本発明のいくつかの実施例に従う製品は、靴下、ストッキング、パンティストッキング、パジャマ、または、着用者の足底表面を含みかつ該表面に対向する他の衣類などの衣料品300、320として提供され得る。衣料品300、320は、複数のテクスチャ要素304がその上に提供されるフットベッド表面302を含む。図3Aは、足底に対向する表面の外側306上にテクスチャ要素304が提供される(かつ、内側308には無いかまたは実質的に無い)衣料品例300を図示するのに対し、図3Bは、足底に対向する表面の内側308上にテクスチャ要素304が提供される(かつ、外側306には無いかまたは実質的に無い)衣料品例320を図示する。
【0030】
本発明から逸脱することなく、テクスチャ要素304は衣料品300、320中に任意の所望の手法により提供され得る。例えば、テクスチャ要素304は、衣料品の繊維構造中に(例えば、編み作業、織り作業、またはその他の形成工程の間)総体的に形成された、密度を増した繊維材料の領域として提供され得る。別例として、テクスチャ要素304は、衣料品300、320の内部および/もしくは外部表面に付着された、個別のプラスチックまたは繊維ナッブ(節玉)として提供され得る。また別の例として、所望により、テクスチャ要素304は衣料品の内部(即ち、足を受け入れる小室)に挿入される、切り離された構成要素または要素(インソール要素またはソックライナーと類似)として提供され得る。また、テクスチャ要素304は、例えば図1B、1Cおよび2と関連する上記の種々の大きさ、形体、構造、構造様式および/または配置のいずれを有してもよい。
【0031】
図4は、本発明のいくつかの実施例に従うテクスチャ化されたフットベッドを提供するための、別の構造例400を図示する。この構造400は、着用者の足底表面412に対向する(例えば、裸足に直接対向する、または、例えば、靴下、ストッキングもしくは他の衣料品410を介して足に間接的に対向するなど)ための主たる表面を規定する基部部材402を含む。基部部材402は、例えば、上に一般的に記載されるように、織物もしくは繊維構造様式、ソックライナー型構造様式、インソール部材型構造様式、空気もしくは気体で満たされた袋構造様式、または同様な物などの任意の所望の構造様式を有してもよい。基部部材402の一方の側はまた、図1B、1C、2および3に関連して上記される種々の手法例を含む任意の手法により部材の中またはその上に提供されるテクスチャ要素404を含んでもよい。勿論、テクスチャ要素404は、基部部材402中または該部材上に、上記の種々の大きさ、形体、構造、構造様式、パターンおよび/または配列を含む任意の大きさ、形体、構造、構造様式、パターンおよび/または配列で提供されてもよい。
【0032】
このフットベッド構造例400は追加で、フットベッド構造400を(少なくとも部分的に)衣料品410および/または着用者の足に対して位置を保つための手段を含む。本発明から逸脱することなく、フットベッド構造400の位置を保つため、任意の所望の手段を提供できるが、この図示される構造例400では、(任意で、靴下または他の衣料品410を介して)フットベッド構造400を使用者の足に少なくとも部分的に固定するために使用者の足の周りに(例えば、足底表面および/または足の甲部分を横切って)巻きつけるための1つまたは複数の弾力性のバンド406が提供される。勿論、図4に図示される型の弾力性のバンド406は、本発明から逸脱することなく、任意の所望の大きさ、任意の所望の形体、および/または任意の所望の位置に提供され得る。付加的または代替的に、所望により、踵に対してフットベッド構造400の位置を保つのを助けるため、弾力性のバンドもしくはストラップ、またはその他の対向するシステムを踵領域(例えば、着用者の踵の周りに伸張させるため)に提供してもよい。また、所望により、着用者の足に対してフットベッド構造400の位置を保つのを助けるため、フットベッド構造400の衣料品(図示せず)中への挿入を頼みとしてもよい。さらに別の代替案として、本発明から逸脱することなく、所望により、フットベッド構造400を衣料品410の内部小室に挿入することもできる(この場合、弾力性のストラップ406などの分離した対向する手段は不要であろうが、依然として、所望により、何等かの対向する手段を着用者の足に対してフットベッド400の位置を保つのを助けるため提供してもよい)。
【0033】
本発明から逸脱することなく、(例えば、足、衣料品、または履物物品に対して)フットベッド構造400の位置を保つための手段として広く多様な構造またはシステムを使用し得る。例えば、フットベッド構造400をホックおよび輪の留め具、スナップ、ストラップ、ベルト、保持溝、その他の保持構造、または他の機械的接合具もしくは留め具の配置により位置に保ち得る。追加例として、フットベッド構造400およびそれが付着される物品の両方の周りに別の要素を巻きつけることによりフットベッド構造400の位置を保つことができる。この巻きつける要素は、弾力性の包帯、テープ、または他の粘着物、追加の靴下部材もしくは衣料品などであり得る。フットベッド400を別の物品に固定するために粘着物もまた使用し得る。本発明から逸脱することなく、使用者の足へ直接固定することを含め、フットベッド構造400を衣料品410、またはその他の構造もしくは部材と固定するために任意の所望の手法を使用し得る。
【0034】
図4に図示される特定の例では、衣料品410と対向したフットベッド構造400が図示されているが、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、フットベッド構造400を履物物品と対向させることができることを認識するであろう。本発明から逸脱することなく、所望により、履物物品に対してフットベッド構造400の位置を固定するための手段を提供してもよい。より詳細な実施例としては、ホックおよび輪の留め具、スナップ、ストラップ、ベルト、保持溝、他の保持構造、または他の機械的接合具もしくは留め具の配置を使用すること;弾力性の包帯、テープまたは他の粘着物などの巻きつけ要素、追加の靴下部材もしくは衣料品を使用すること;粘着物またはセメントを使用することなどができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施例に従うフットベッド(例えば、分離した要素である、履物物品と総体的に形成された、衣料品と総体的に形成された物など)を本発明から逸脱することなく、任意の所望の手法により使用することができる。着用者の足底表面と任意の所望の手法により直接的または間接的に接触するように一度提供される(例えば、フットベッドを含む靴下または他の衣料品を着用する、フットベッドを含む履物物品または他の足を受け入れるデバイスを着用するなど)と、着用者はフットベッドのテクスチャ化された表面が足底表面と(直接的または間接的に)接触した状態で歩く、走る、または、さもなければ歩行活動を行ってもよい。テクスチャ化された表面を介した着用者の足の刺激は、以下により詳細に記載されるように、種々の手段により下肢の動作制御を誘導し、かつ/または、動作、運動および/もしくは動態を変化させる。
【0036】
上記の種々の構造例は典型的には左のフットベッド構成要素が右のフットベッド構成要素の鏡像であるフットベッド構成要素対を含んでいた。勿論、これは必要条件ではない。本発明から逸脱することなく、所望により、対となるフットベッド構成要素は、例えば、特別な用途、取り組まれる歩行問題などに依存し、テクスチャ要素の構造、配置、パターン、位置、数などが異なる場合がある。実際、所望により、対のうちの一つのフットベッド構成要素は、全くテクスチャリングを含まなくてもよい。
【0037】
B.実験結果
例えば、図1Bおよび1Cに図示される型のテクスチャ化されたフットベッド構造を用いて、使用者の足の足底表面への感覚入力を変化させる効果について種々の運動および動態実験を行った。
【0038】
1.ウォーキング時の足への感覚入力を変化させる効果についての調査
この実験では、図1Bおよび1Cに図示される型の選択的にテクスチャ化されたフットベッドの存在の結果としての、種々の被験者のウォーキング運動における変化を調べた。この実験では、12人の被験者(男性8人および女性4人;平均身長=5フィート9インチ;平均体重=161ポンド;靴サイズ 9M)が、50メートルの室内経路に沿って、およそ108歩/分の拍子でウォーキングする間に試験された。被験者は、異なる時に、図1Aに図示される型の平滑な(非テクスチャ化)ソックライナーを対照として、ならびに、図1Bに図示される型の内側がテクスチャ化されたソックライナー対、および、図1Cに図示される型の外側がテクスチャ化されたソックライナー対を着用した(介入は、左右相称にランダムな順番で適用された)。この実験では、インソールまたはソックライナーは裸足で着用され(即ち、靴なし−被験者はナイロンストッキングを着用した)、かつ運動用ラップによりインソールまたはソックライナーを被験者の足に保持した。「テクスチャ化された」という用語は本明細書中で使用されるように、足底接触表面におけるテクスチャが、着用している被験者の即時の知覚を誘起するのに十分な強さではあるが、痛いと知らせるほどではないことを意味する。
【0039】
動作分析システム(240Hz)およびキスラーフォースプレート(Kistler床反力計)(1000Hz)をこれらのウォーキング試験をモニターし、そしてデータを捉えるために使用した。詳細には、足首関節運動(内反、回外、底屈、背屈、脛骨回旋など)および垂直床反力を評価した。
【0040】
これらの試験において、異なるフットベッド要素着用時に、使用者におけるリアフット動作にいくつかの明らかな相違が観察された。例えば、図5A、6Aおよび6Bに図示されるように、着用者により経験される最大回外レベルは、対照(非テクスチャ化)および外側がテクスチャ化されたインソール構成要素と比べて、内側がテクスチャ化されたインソール構成要素で有意に低かった。より詳細には、図5Aは、種々のインソール構造を着用している被験者についての情報収集のためのウォーキング時の接地期の間の、最大回外レベル(リアフット角度測定値に基づく)の「箱型図」を提供する(これらおよび他の類似の図中、特に別記されない限り、平均値が+で表記され、標準誤差が箱の高さを限定し、そして標準偏差範囲は箱から伸びる実線により規定される)。図5Bは、種々のインソール構造を着用している被験者についての情報収集のためのウォーキング時の接地期の間の、リアフット可動範囲測定値(接地から最大回外点までのリアフット動作)の箱型図を提供する。図6Aおよび6Bは、3つのインソール構造各々を着用時の被験者のうちの2人の「リアフット動作」グラフを図示する。図6Aおよび6Bのグラフ(ならびに、特に別記されない限り、図中に含まれるその他の類似のグラフ)は、接地期の間の接地(時間t=0)から離地(時間t=1.0)までの時間について標準化(normalized)された。
【0041】
これらのチャートおよびグラフから明らかなように、最大回外(図6Aおよび6B中の全体に亘って最小の点)は、「非テクスチャ化」対照試料と比べて、内側がテクスチャ化されたインソール試料でより小さかったが、最大回外は一般的に、外側がテクスチャ化されたインソール試料よりも対照試料で小さかった(但し、後者の相違は統計的に有意ではなく、ウォーキング中の足首関節における限られた回外可動範囲に起因し得る)。総合的リアフット可動範囲(接地時から最大回外点までのリアフットの動き)は、他の二つの条件と比べて、内側がテクスチャ化されたインソール構成要素で有意に低かった。外側がテクスチャ化されたインソール構成要素が一般的に、非テクスチャ化対照条件よりも可動範囲が高かったが、この相違は統計的に有意ではなかった。3つの試験条件において、接地時の内反角度には有意な相違が観察されなかった(図6Aおよび6Bの時間t=0に注目)。
【0042】
集められたデータはまた、接地期の終わりに(時間t=1の近くで)起こる最大内反量が、外側がテクスチャ化されたインソール構造と比べて、内側がテクスチャ化されたインソール構造で有意に高いことを示していた。回外速度は、内側がテクスチャ化されたインソール構造および非テクスチャ化インソール構造と比べた場合、外側がテクスチャ化されたインソール構造で有意に早いことが見出された。これらの試験の被験者において、スタンス期の終わり近くで最大内反速度に有意な相違は観察されなかった。
【0043】
ウォーキング時の脛骨動作に対する、種々の選択的にテクスチャ化されたフットベッド構造使用の効果に関してもまた研究が行われた。脛骨の動作は距骨下関節の動作と連動しており、そして一般的に、リアフット動作における相違が、接地期の間の脛骨回旋の相違により反映されることが期待されるであろう。しかしながら、図7(3つの異なるフットベッド構成要素を用いた場合の、代表的な被験者について接地時の平均脛骨回旋曲線を示す図)中に図示されるように、(a)足衝突時の脛骨回旋(時間t=0)、最大内部回旋(グラフの横軸より下のピーク)、または脛骨の最大外部回旋(グラフの横軸より上のピーク)について、有意な相違は見出されなかった。これは、しかしながら、幾人かの被験者において、脛骨回旋が、本発明の実施例に従うテクスチャ化された靴挿入物、靴下、ソックライナー、またはその他のテクスチャ化されたフットベッド製品の使用により影響されないことを示唆するものではない。
【0044】
着用されたインソール構成要素の構造に依存して他の運動学的相違も観察された。例えば、地面接触の最後において着用者の足が地面を離れた時、被験者は、外側がテクスチャ化されたインソール構成要素を着用している場合と比べて、内側がテクスチャ化されたインソール構成要素を着用している場合により少ない底屈を示す傾向にあった。この結果は、被験者が異なるフットベッド構成要素を着用している時、同じように地面を蹴っていないことを示唆する可能性がある。このウォーキング研究中、被験者の接地時の矢状面足首角度(例えば、底屈、背屈など)に有意な相違は観察されなかった。
【0045】
着用している選択的にテクスチャ化されたフットベッド構造の型に依存して、着用者により経験される床反力についてさらなる相違が観察された。例えば、着用者により経験される最高垂直負荷率は、対照構成要素と比べて、外側がテクスチャ化されたインソール構成要素を用いた場合に有意に低いことが観察された(内側がテクスチャ化された構成要素および対照構成要素の使用の間では、垂直負荷率に有意な相違は観察されなかった)。ウォーキングの一歩の間、外側の踵が地面と接触する最初の着用者の部位であることを思い起こすと、これらの結果は、外側の踵の下にテクスチャが置かれた場合、着用者の下肢運動を変化させ、かつ、初期接地時の負荷率を減少させる何等かの形態の代償が起こることを示唆する。この時間枠において観察される外側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素を用いた場合に増加した回外速度が、垂直負荷率を減少させるのを助けた可能性がある。
【0046】
これらの実験結果は、リアフット動作が、ウォーキング時の足底表面への感覚入力を変化させることにより影響され得ることを証明した。加えて、これらの試験により証明されたように、リアフット動作はウェッジ、二次元密度フォーム、または他の予防器具などの通常の機械的干渉なしで変えることができる。
【0047】
一般に、足の下の特異的領域へのテクスチャの付加は、感覚入力が増加した領域から足がどくことを促した。内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素着用時、被験者のリアフット回外(回内)は有意に減少した。これは、靴挿入物の内側部分に足が加重することを避けようとする意識的または潜在意識的な試みに起因する可能性がある。有意ではないが、靴挿入物の外側がテクスチャ化されている場合、被験者がより外転する傾向という、同様の傾向が見られた。
【0048】
この理論はさらに、一般的に、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素を着用している時に、スタンス期の終わりにおいて、被験者のつまさきがより内側を向いて(回外して)いたことからも裏付けられる。また、外側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素着用時の方が被験者の回外速度が有意に速かった。足の外部分が一般的に地面に接触する最初の点であるため、この結果は、テクスチャから遠ざかり、足の内側に加重しようとする試みのためである可能性がある。
【0049】
例えば上記のような手法によって、足底表面への感覚入力によりヒトの動作に影響を及ぼすことは、多数の製品において適用できる可能性がある。例えば、過剰の回内を制限するのを助けるために、テクスチャを用いて、現在の動作制御技術を補う靴(または、靴のためのインソールもしくは他の製品、例えば、上記のような)を提供し得る。別の例として、製造者、ヘルスケア提供者、着用者または他者は、例えばカッティング動作中、急に方向を変えるとき、動き始める、または止まるなどにおける安定性を改善するため、バスケットボールまたは他の運動用履物の外側端にテクスチャを(例えば、外側がテクスチャ化されたインソールまたはソックライナーを含めることにより)付加する効果を考慮し得る。
【0050】
2.ランニング時の足への感覚入力を変化させる効果についての調査
この実験では、図1Bおよび1Cに図示される型の選択的にテクスチャ化されたフットベッドが存在する結果による、種々の被験者におけるランニング運動および動態における変化を調べた。この実験では、11人の被験者(男性7人および女性4人;平均身長=5フィート9インチ;平均体重=161ポンド;靴サイズ 9M)が、50メートルの室内経路に沿って、およそ1マイル当り7.5分の早さ(±5%)でランニングする間に試験された。被験者は、異なる時に、図1Aから1Cに図示される種々の型のインソールと共にAir Pegasusランニングシューズ(米国オレゴン州BeavertonのNIKE, Inc.より市販)を着用していた(介在物は、左右相称にランダムな順番で適用された)。「テクスチャ化された」という用語は同様に、本明細書中で使用されるように、足底接触表面におけるテクスチャが着用している被験者の即時の知覚を誘起するのに十分な強さではあるが、痛いと知らせるほどではないことを意味する。
【0051】
動作分析システム(240Hz)およびキスラーフォースプレート(1000Hz)をこれらのランニング試験をモニターし、そしてデータを捉えるために使用した。詳細には、足首および膝関節運動および動態、ならびに垂直床反力を評価した。
【0052】
種々の異なる試験条件下、種々の異なるリアフット動作が観察された。図8Aは、この3セットの試験条件下において被験者について集めた接地時の平均リアフット内反角度を示す箱型図(上記の通り、平均、標準誤差、および標準偏差)を含み、図8Bは、この3セットの試験条件下において被験者について集めた平均回外可動範囲データを示す箱型図を含む。図9Aおよび9Bは、2人の代表的被験者のこの3セットの試験条件を用いたランニングについての、平均リアフット内反/回外グラフを図示する。
【0053】
図8A、9Aおよび9Bに含まれるデータから観察されるように、被験者は、他の2つの靴条件と比べ、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素を着用している間の踵衝突時により少なく内反する傾向があった。外側がテクスチャ化されたフットベッド条件、および平滑なフットベッド条件の間では、踵衝突時における内反角度に有意な相違は観察されなかった。また、種々のフットベッド構成要素を使用時の接地期の間の最大回外角度には何等有意な相違は見られなかった。
【0054】
回外可動範囲(接地(t=0)から最大回外の点までのリアフット動作)は、他の2つの条件と比べ、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素で有意に少なかった。この相違は、少なくとも部分的には、踵衝突時の内反における前述の相違に起因する可能性がある。スタンス期の終わりにおいて(時間t=1の近く)、被験者は、他の2つの条件と比べ、内側がテクスチャ化されたインソール部材を使用した場合に有意により少なく内反する傾向にあった。
【0055】
これらの試験の間、回外速度データもまた評価された。最大回外速度は、外側がテクスチャ化された条件、および非テクスチャ化条件のどちらと比べても、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素使用時に有意にゆっくりである傾向にあった。この試験の間に集められた最大回外速度は、3種の靴挿入物条件でランニングしている間の平均回外速度を示す箱型図を図示する図10にまとめられている。加えて、これらの試験は、外側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素の使用が、非テクスチャ化条件に対して有意に速い最高回外速度をもたらすことを明らかにした。
【0056】
これらの実験の間、脛骨回旋データもまた観察されかつ集められ、そして、これら集められたデータのいくつかが図11A、11B、12Aおよび12Bにまとめられかつ/または図示される。図11Aおよび11Bは、離地時の平均最高内部脛骨回旋(図11A)、および外部脛骨回旋(図11B)を図示する箱型図を提供する。図12Aおよび12Bは、3つの挿入物条件でランニング中の2人の代表的被験者についての時間に対する平均脛骨回旋グラフ(上記のように標準化した)を図示する。
【0057】
これらの試験から、3つの異なるフットベッド条件の間で、踵衝突時の脛骨回旋には有意な相違は見受けられなかった。最大内部脛骨回旋は、対照条件と比べ、内側がテクスチャ化されたフットベッド条件で有意に低かった。逆に、対照および内側がテクスチャ化された条件と比べ、外側がテクスチャ化されたフットベッド条件において有意に大きかった。図11A、12A、および12Bに注目。離地時、他のフットベッド条件の両方と比べ、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素着用時に有意に大きい外部脛骨回旋が観察された。図11B、12A、および12Bに注目。
【0058】
これらの実験の間、異なる試験フットベッド条件の足首関節に対する効果もまた評価された。図13Aおよび13Bは集められたデータの一部を図示しかつまとめている。より詳細には、図13Aは、3つのフットベッド試験条件を用いたランニング時の平均最高足首底屈モーメントを示す箱型図を提供する。図13Bは、3つの異なる試験条件下でランニングしている1人の代表的被験者について観察された平均矢状面足関節モーメントを図示する。異なるフットベッド条件を用いたランニング時、足首関節における最高外転もしくは内転モーメント、または内反もしくは回外モーメントに有意な相違は観察されなかった。しかしながら、他の2つの挿入物と比べ、外側がテクスチャ化されたフットベッド挿入物を着用している使用者について足関節における最高底屈モーメントの小さいが有意な減少が観察された。
【0059】
異なる試験フットベッド条件の膝関節に対する効果もまた評価された。図14Aおよび14Bは集められたデータの一部を図示しかつまとめる。より詳細には、図14Aは、3つのフットベッド試験条件を用いたランニング時の平均最高膝外転モーメントを示す箱型図を提供する。図14Bは、3つの試験条件下においてランニングする1人の代表的被験者について観察された平均膝外転モーメントを図示する。この試験により、最高内部回旋モーメントが、内側がテクスチャ化されたフットベッド部材と比べ、外側がテクスチャ化されたフットベッド部材を用いた場合に有意に低いことが示された。また、他の2つのフットベッド条件と比べ、外側がテクスチャ化されたフットベッド部材使用時の膝における最高外転モーメントが有意に低いことが見出された。膝における最高屈曲モーメントに有意な差異は観察されなかった。
【0060】
これらの試験中、ランニング時の垂直床反力に対する、種々のフットベッド条件の使用効果もまた評価した。異なるフットベッド試験条件下、ランニング時の最高垂直衝撃に有意な相違は観察されなかった。しかしながら、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素と比べ、外側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素により衝撃ピークの一般的な減少が観察された(p=0.11)。最高垂直負荷値は、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素と比べ、外側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素を使用したランニング時に有意に低いことが見出された。外側をテクスチャ化した条件を対照(平滑)条件と比べた場合にも、同様の傾向が見られた(p=0.12)。これらの知見は、少なくとも部分的には、外側がテクスチャ化されたフットベッド着用時に見られた増加した回外速度と関連する可能性がある。また、他の2つの条件と比べ、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素でランニング中、最高能動床反力の小さいが有意な増加が観察された。
【0061】
上の試験結果から種々の観察を行うことができかつ/または結論を引き出すことができる。例えば、上記のウォーキング試験で見られたように、テクスチャ化された材料を用いた足底の内側の刺激は足の回外(または回内)を減少させる傾向があった。ランニング試験においてはしかしながら、最大回外はテクスチャ化されたインソールでのランニング時に影響されなかった(しかし、ランニング試験中、特にスタンス期または接地期の初めおよび終わりにリアフット動作における相違が観察された)。
【0062】
内側をテクスチャ化したフットベッドでのランニング試験時に観察されたより遅い回外速度、および外側がテクスチャ化されたフットベッドで観察されたより早い回外速度は、足がテクスチャ化表面に加重する度合を制限しようと試みるであろうという仮説を裏付ける。この発見は、しかしながら、垂直床反力についての結果と共に、ランニング研究の間に典型的に見られる結果と異なっている(典型的には、より早い回外速度はより高い垂直負荷値を伴う)。本ランニング研究では、回外の制御は外側のテクスチャ化領域への足による加重を制限しようとする動的パターンと関連付けられる可能性がある。他のランニング研究では、より高い回外値は何等かのランニング用靴の踵の外側におけるミッドソールの材料特性により生じさせられる機械的効果と判断される可能性もある。
【0063】
多くの観察者が、ランナーの膝痛が、少なくともいくつかの場合において、ランニングの地面接触期中の過剰な内部脛骨回旋の結果であり得ると信じている。距骨下関節における強いつながりのため、脛骨回旋を制御するための最も通常の方法は足の回外を制限することである。これらの試験の間、明確な回外の減少は見られなかったが、本ランニング試験は、内側がテクスチャ化されたフットベッドが脛骨の内部回旋を制限することを助けることを示唆する。逆に、これらの試験結果は、外側がテクスチャ化されたフットベッド条件が脛骨の最大内部回旋を増加させたことを示唆する。この知識は、例えば、内側にテクスチャリングを含むフットベッド、ソックライナーもしくはインソールを靴中に提供する(または、内側がテクスチャ化されたフットベッド構成要素をその他の方法により提供する)ことで膝痛を緩和することを目的としたランニング用の靴のデザインを提供する。
【0064】
しばらく前より、足の下の外側のウェッジが、膝における外転モーメントを減少し、そして骨関節炎に伴う慢性膝痛を緩和するのに使用できることが知られていた。本試験はしかしながら、これらの同じ動作制御が足下の機械的干渉なしでも達成し得ることを証明する。これらの事実は、関節炎患者またはその他の者のための外側がテクスチャ化されたフットベッド、ソックライナー、インソール部材またはその他の外側がテクスチャ化された構造を含む、履物デザインへと導く。
【0065】
これらの試験は、履物物品、衣料、および/または他の足を受け入れるデバイスのための、選択的にテクスチャ化されたフットベッドが、二次元密度フォーム、フットブリッジ、ミッドソール構造様式などの現行の動作制御技術を補うのにも使用し得ることを証明した。運動における動的安定性を改善することを目的として、テクスチャ化されたフットベッドはまた、テニスまたはバスケットボール用の靴などの足の下の特異的かつ選択的解剖学的領域に付加され得る(例えば、急速な方向変換、カット、迅速な外側への始動または休止などが行われる活動のための靴において使用するための外側がテクスチャ化されたインソール部材を提供することにより)。
【0066】
これらの研究の結果および上の所見は集められたデータに基づくものであるが、上記したように、当業者であればこのデータが集団における各人を100%代表するものではない場合があることを理解しかつ受け入れるであろう。所望の結果を得るためにテクスチャリングを足に適用する際には、その特別な「感触」および/または位置を誂える必要を示唆し得るテクスチャ化された要素に対する「被験者特異的」応答もあり得る。このような誂えはルーチンな実験により達成され得る。
【0067】
C.本発明に従った追加の製品例
本発明から逸脱することなく、広く多様なテクスチャリングの配置がフットベッド製品中に提供され得る(例えば、インソール部材、ソックライナー、室内オーバーシューズ部材などの履物物品の部分として、かつ/またはその他の足を受け入れるデバイスおよび/もしくは足を含む衣料品(例えば、靴下、ストッキング、パジャマ、パンティストッキングなど)の部分としてフットベッド製品を含ませることができる)。
【0068】
図15Aから15Nは、本発明の実施例に従った、種々の位置または領域にテクスチャリング要素を含むフットベッド1500の種々の配置例を図示する。図15Aのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の内側フォアフット部に提供されている。図15Bのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の外側フォアフット部に提供されている。図15Cのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の内側ミッドフットまたはアーチ部に提供されている。図15Dのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の外側ミッドフットまたはアーチ部に提供されている。図15Eのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の内側踵またはリアフット部に提供されている。図15Fのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の外側踵またはリアフット部に提供されている。図15Gのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の内側踵およびアーチ部に提供されている。図15Hのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の外側踵およびアーチ部に提供されている。図15Iのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の内側踵およびフォアフット部に(平滑な内側ミッドフッド部と共に)提供されている。図15Jのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の外側踵およびフォアフット部に(平滑な内側ミッドフッド部分と共に)提供されている。図15Kのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の内側アーチおよびフォアフット部に提供されている。図15Lのフットベッド1500では、テクスチャリング要素はフットベッド1500中の外側アーチおよびフォアフット部に提供されている。
【0069】
図15Mおよび15Nでは、いくつかのテクスチャリング要素がフットベッド1500の外側および内側の両方に提供されるが、フットベッドの少なくとも一方の側(例えば、内側または外側)が優先的に平滑(または単に実質的に平滑)であり、かつ逆側が優先的にテクスチャ化されている(または単に実質的にテクスチャ化されている)フットベッド配置例1500を図示する。図15Mおよび15Nの構成(フットベッド1500の両側にいくらかのテクスチャリングを含む)はまた、上記の任意のフットベッド構造例と共に使用し得る。
【0070】
勿論、本発明から逸脱することなく、テクスチャ化された領域パターン、位置、領域、構造などの組み合わせについての広いバリエーションを使用することができる。また、図15Aから15Nは左および右のフットベッドを互いの鏡像として一般的に示しているが、これは必要条件ではない。むしろ、所望により、対の他方と比べ異なるテクスチャリングパターン、位置、領域、構造などを対の一方のフットベッドとして提供してもよい。また、所望により、対の一方のフットベッドがテクスチャリングを含まないのに対し、対の他方のフットベッドがテクスチャリングを含んでもよい。
【0071】
III.結論
本発明が、現時点で本発明を実施するのに好ましい態様を含む、具体的な例と共に記載されたが、当業者であれば上記のシステムおよび方法についての多数のバリエーションおよび変更があることを認識するであろう。例えば、本発明から逸脱することなく、本発明の種々の局面を異なる組み合わせで使用することができ、かつ、本発明の局面の種々の異なる下位の組み合わせを単一のシステムまたは方法で一緒に使用することができる。また、上記の種々の方法の段階は、本発明から逸脱することなく、変更されたり、順序が変更されたり、割愛されたり、および/または付加的な工程を加えることもできる。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲に示されるように、広く解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1Aから1Cは、実験結果の項で使用されるフットベッド構造例、ならびに、本発明のいくつかの態様に従うテクスチャ化されたフットベッド構造例を図示する(図1Bおよび1C)。
【図2】図2は、本発明のいくつかの態様に従う履物物品例を図示する。
【図3】図3Aおよび3Bは、本発明のいくつかの態様に従う衣料品例を図示する。
【図4】図4は、本発明のいくつかの実施例に従うフットベッド構造を含む、フットベッド製品例を図示する。
【図5】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のウォーキング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図6】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のウォーキング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図7】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のウォーキング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図8】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のランニング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図9】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のランニング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図10】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のランニング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図11】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のランニング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図12】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のランニング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図13】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のランニング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図14】本発明の実施例に従うフットベッド構造を用いて行われた種々のランニング研究に関するチャートおよびグラフを提供する。
【図15】図15Aから15Nは、本発明に従う足を受け入れるデバイス製品のフットベッド上のテクスチャリング要素の追加の配置例を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部材、
上部材と対向した底構造、および
上部材と底構造の間に位置する使用者の足の足底表面を支えるためのフットベッド
を含む履物物品であって、
フットベッドの外側が平滑であり、かつフットベッドの内側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した領域を含む、履物物品。
【請求項2】
フットベッドがインソール部材の部分として含まれる、請求項1記載の履物物品。
【請求項3】
フットベッドがソックライナーの部分として含まれる、請求項1記載の履物物品。
【請求項4】
フットベッドが底構造の一部を構成する、請求項1記載の履物物品。
【請求項5】
フットベッドが、履物物品の足を受け入れる小室の、足に対向する表面に実質的に対応するような大きさであり、テクスチャ化された表面がフットベッドの内側半分を優先的に覆う、請求項1記載の履物物品。
【請求項6】
テクスチャ化された表面が実質的にフットベッドの内側半分を覆う、請求項5記載の履物物品。
【請求項7】
上部材、
上部材と対向した底構造、および
上部材と底構造の間に位置する使用者の足の足底表面を支えるためのフットベッド
を含む履物物品であって、
フットベッドの内側が平滑であり、かつフットベッドの外側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した領域を含む、履物物品。
【請求項8】
フットベッドがインソール部材の部分として含まれる、請求項7記載の履物物品。
【請求項9】
フットベッドがソックライナーの部分として含まれる、請求項7記載の履物物品。
【請求項10】
フットベッドが底構造の一部を構成する、請求項7記載の履物物品。
【請求項11】
フットベッドが、履物物品の足を受け入れる小室の、足に対向する表面に実質的に対応するような大きさであり、テクスチャ化された表面がフットベッドの外側半分を優先的に覆う、請求項7記載の履物物品。
【請求項12】
テクスチャ化された表面が実質的にフットベッドの外側半分を覆う、請求項11記載の履物物品。
【請求項13】
少なくとも部分的に繊維材料より作製された管状部材であって、足を受け入れる内部小室を規定する管状部材、および
管状部材と対向しているか、または管状部材の部分として総体的に形成された、使用者の足の足底表面に対向するフットベッドであって、フットベッドの外側は平滑であり、かつフットベッドの内側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した要素を含む、フットベッド、
を含む衣料品。
【請求項14】
隆起した要素の少なくともいくつかが内部小室内に提供される、請求項13記載の衣料品。
【請求項15】
隆起した要素の少なくともいくつかが管状部材の外表面上に提供される、請求項13記載の衣料品。
【請求項16】
フットベッドが管状部材構造の部分として総体的に形成されている、請求項13記載の衣料品。
【請求項17】
フットベッドが、管状部材の内部小室内に挿入された独立した構造の少なくとも一部分である、請求項13記載の衣料品。
【請求項18】
フットベッドが、管状部材の外面と対向した独立した構造の少なくとも一部分である、請求項13記載の衣料品。
【請求項19】
その中に総体的に形成された複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項13記載の衣料品。
【請求項20】
それと対向した複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項13記載の衣料品。
【請求項21】
フットベッドが、内部小室の足に対向する表面と実質的に対応するような大きさであり、テクスチャ化された表面がフットベッドの内側半分を優先的に覆う、請求項13記載の衣料品。
【請求項22】
テクスチャ化された表面が実質的にフットベッドの内側半分を覆う、請求項21記載の衣料品。
【請求項23】
少なくとも部分的に繊維材料より作製された管状部材であって、足を受け入れる内部小室を規定する管状部材、および
管状部材と対向しているか、または管状部材の部分として総体的に形成された、使用者の足の足底表面に対向するフットベッドであって、フットベッドの内側は平滑であり、かつフットベッドの外側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した要素を含む、フットベッド、
を含む衣料品。
【請求項24】
隆起した要素の少なくともいくつかが内部小室内に提供される、請求項23記載の衣料品。
【請求項25】
隆起した要素の少なくともいくつかが管状部材の外表面上に提供される、請求項23記載の衣料品。
【請求項26】
フットベッドが管状部材構造の部分として総体的に形成されている、請求項23記載の衣料品。
【請求項27】
フットベッドが、管状部材の内部小室内に挿入された独立した構造の少なくとも一部である、請求項23記載の衣料品。
【請求項28】
フットベッドが、管状部材の外面と対向した独立した構造の少なくとも一部である、請求項23記載の衣料品。
【請求項29】
その中に総体的に形成された複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項23記載の衣料品。
【請求項30】
それと対向した複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項23記載の衣料品。
【請求項31】
フットベッドが、内部小室の足に対向する表面と実質的に対応するような大きさであり、テクスチャ化された表面がフットベッドの外側半分を優先的に覆う、請求項23記載の衣料品。
【請求項32】
テクスチャ化された表面が実質的にフットベッドの外側半分を覆う、請求項31記載の衣料品。
【請求項33】
使用者の足の足底表面の少なくとも実質的な部分を支えるための、外側および内側を含む、第一主要表面、ならびに
第一主要表面の反対側の第二主要表面
を含むフットベッドであって、
使用者の足の足底表面がフットベッドに実質的に垂直の力を加えた場合、足底表面で外側が平滑に感じられ、かつ足底表面で内側の少なくとも優勢な部分がテクスチャ化されて感じられるように、第一主要表面または第二主要表面の少なくとも一方が、複数のテクスチャ化部材を含む、フットベッド。
【請求項34】
インソール部材を構成する、請求項33記載のフットベッド。
【請求項35】
ソックライナーを構成する、請求項33記載のフットベッド。
【請求項36】
足底表面で内側の少なくとも実質的な部分がテクスチャ化されて感じられる、請求項33記載のフットベッド。
【請求項37】
使用者の足の足底表面の少なくとも実質的な部分を支えるための、外側および内側を含む、第一主要表面、ならびに
第一主要表面の反対側の第二主要表面
を含むフットベッドであって、
使用者の足の足底表面がフットベッドに実質的に垂直の力を加えた場合、足底表面で内側が平滑に感じられ、かつ足底表面で外側の少なくとも優勢な部分がテクスチャ化されて感じられるように、第一主要表面または第二主要表面の少なくとも一方が、複数のテクスチャ化部材を含む、フットベッド。
【請求項38】
インソール部材を構成する、請求項37記載のフットベッド。
【請求項39】
ソックライナーを構成する、請求項37記載のフットベッド。
【請求項40】
足底表面で外側の少なくとも実質的な部分がテクスチャ化されて感じられる、請求項37記載のフットベッド。
【請求項41】
使用者の足の足底表面に対向するためのフットベッドを提供する工程であって、フットベッドの外側が平滑であり、かつフットベッドの内側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した要素を含む、工程、および
使用者の足の足底表面をフットベッドと対向させながら歩行活動を行う工程
を含む、歩行活動中の運動または動態に影響を及ぼす方法。
【請求項42】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間の回内が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項43】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間の最大回外量が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項44】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間のリアフット可動範囲が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項45】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間の回外速度が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項46】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、ランニングの間の回外速度が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項47】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間に一歩を踏み出す際の底屈が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項48】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、一歩の間の接地期の終わりにおける最大内反が増加する、請求項41記載の方法。
【請求項49】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、踵衝突時に使用者の足がより少なく内反する、請求項41記載の方法。
【請求項50】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者の足の回外可動範囲が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項51】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、一歩の期間の終わりに使用者の足がより少ない内反を経験する、請求項41記載の方法。
【請求項52】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者がより低い最大内部脛骨回旋を経験する、請求項41記載の方法。
【請求項53】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者が増加した最高能動接触表面反力を経験する、請求項41記載の方法。
【請求項54】
提供する工程がフットベッドを含む履物物品を提供することを含む、請求項41記載の方法。
【請求項55】
フットベッドが履物物品のインソール部材の部分として含まれる、請求項54記載の方法。
【請求項56】
フットベッドが履物物品のためのソックライナーの部分として含まれる、請求項54記載の方法。
【請求項57】
フットベッドが履物物品の底構造の部分として総体的に形成される、請求項54記載の方法。
【請求項58】
提供する工程が、履物物品を提供すること、および履物物品の足を受け入れる小室中にフットベッドを含む独立した構造体を挿入することを含む、請求項41記載の方法。
【請求項59】
提供する工程が、その中に総体的に形成されたまたはそれと対向したフットベッドを含む衣料品を着用することを含む、請求項41記載の方法。
【請求項60】
衣料品が靴下である、請求項59記載の方法。
【請求項61】
提供する工程が、衣料品を着用すること、およびフットベッドを含む分離した要素を衣料品に対向させることを含む、請求項41記載の方法。
【請求項62】
使用者の足の足底表面に対向するためのフットベッドを提供する工程であって、フットベッドの内側が平滑であり、かつフットベッドの外側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した要素を含む、工程、および
使用者の足の足底表面をフットベッドと対向させながら歩行活動を行う工程
を含む、歩行活動中の運動または動態に影響を及ぼす方法。
【請求項63】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間の回内が増加する、請求項62記載の方法。
【請求項64】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間の最大回外量が増加する、請求項62記載の方法。
【請求項65】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間のリアフット可動範囲が増加する、請求項62記載の方法。
【請求項66】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間の回外速度が増加する、請求項62記載の方法。
【請求項67】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、ランニングの間の回外速度が増加する、請求項62記載の方法。
【請求項68】
行う工程がウォーキングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのウォーキングと比べ、ウォーキングの間の最高垂直負荷率が減少する、請求項62記載の方法。
【請求項69】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者がより大きい最高内部脛骨回旋を経験する、請求項62記載の方法。
【請求項70】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者の足首が減少した足底屈筋モーメントを経験する、請求項62記載の方法。
【請求項71】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者の膝が減少した内部膝回旋モーメントを経験する、請求項62記載の方法。
【請求項72】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者の膝が減少した最高外転モーメントを経験する、請求項62記載の方法。
【請求項73】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者が減少した最高衝撃を経験する、請求項62記載の方法。
【請求項74】
行う工程がランニングを含み、完全に平滑なまたは非テクスチャ化フットベッドでのランニングと比べ、使用者が減少した最高垂直負荷を経験する、請求項62記載の方法。
【請求項75】
提供する工程が、フットベッドを含む履物物品を提供することを含む、請求項62記載の方法。
【請求項76】
フットベッドが履物物品のインソール部材の部分として含まれる、請求項75記載の方法。
【請求項77】
フットベッドが履物物品のためのソックライナーの部分として含まれる、請求項75記載の方法。
【請求項78】
フットベッドが履物物品の底構造の部分として総体的に形成されている、請求項75記載の方法。
【請求項79】
提供する工程が、履物物品を提供すること、および履物物品の足を受け入れる小室中にフットベッドを含む独立した構造体を挿入することを含む、請求項62記載の方法。
【請求項80】
提供する工程が、その中に総体的に形成されたまたはそれと対向したフットベッドを含む衣料品を着用することを含む、請求項62記載の方法。
【請求項81】
衣料品が靴下である、請求項80記載の方法。
【請求項82】
提供する工程が、衣料品を着用すること、およびフットベッドを含む分離した要素を衣料品に対向させることを含む、請求項62記載の方法。
【請求項83】
上部材を底構造と対向させる工程、および
使用者の足の足底表面を上部材および底構造の少なくとも一つで支えるためのフットベッドを提供する工程であって、フットベッドの外側が平滑であり、かつフットベッドの内側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した領域を含む、工程
を含む、履物物品を作製する方法。
【請求項84】
提供する工程が、フットベッドをインソール部材の少なくとも一部として提供することを含む、請求項83記載の方法。
【請求項85】
提供する工程が、フットベッドをソックライナーの少なくとも一部として提供することを含む、請求項83記載の方法。
【請求項86】
フットベッドが底構造の部分として提供される、請求項83記載の方法。
【請求項87】
提供する工程が、フットベッドを含む構造体を、上部材または底構造のうちの少なくとも1つにより規定される足を受け入れる小室中に挿入することを含む、請求項83記載の方法。
【請求項88】
フットベッドが、履物物品の足に対向する表面に実質的に対応するような大きさであり、テクスチャ化された表面がフットベッドの内側半分を優先的に覆う、請求項83記載の方法。
【請求項89】
テクスチャ化された表面がフットベッドの内側半分を実質的に覆う、請求項88記載の方法。
【請求項90】
上部材を底構造と対向させる工程、および
使用者の足の足底表面を上部分および底構造の少なくとも一つで支えるためのフットベッドを提供する工程であって、フットベッドの内側が平滑であり、かつフットベッドの外側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した領域を含む、工程
を含む、履物物品を作製する方法。
【請求項91】
提供する工程が、フットベッドをインソール部材の少なくとも一部として提供することを含む、請求項90記載の方法。
【請求項92】
提供する工程が、フットベッドをソックライナーの少なくとも一部として提供することを含む、請求項90記載の方法。
【請求項93】
フットベッドが底構造の部分として提供される、請求項90記載の方法。
【請求項94】
提供する工程が、フットベッドを含む構造体を、上部材または底構造のうちの少なくとも1つにより規定される足を受け入れる小室中に挿入することを含む、請求項90記載の方法。
【請求項95】
フットベッドが、履物物品の足に対向する表面に実質的に対応するような大きさであり、かつテクスチャ化された表面がフットベッドの内側半分を優先的に覆う、請求項90記載の方法。
【請求項96】
テクスチャ化された表面がフットベッドの外側半分を実質的に覆う、請求項95記載の方法。
【請求項97】
少なくとも部分的に繊維材料より作製された管状部材を提供する工程であって、管状部材が足を受け入れるための内部小室を規定する、工程、および
使用者の足の足底表面に管状部材を対向させるためのフットベッドを提供する工程であって、フットベッドが管状部材と対向しているか、または管状部材の部分として総体的に形成されており、フットベッドの外側が平滑であり、かつフットベッドの内側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した要素を含む、工程
を含む、衣料品を作製する方法。
【請求項98】
隆起した要素の少なくともいくつかが内部小室内に含まれる、請求項97記載の方法。
【請求項99】
隆起した要素の少なくともいくつかが管状部材の外表面上に含まれる、請求項97記載の方法。
【請求項100】
フットベッドが管状部材構造の部分として総体的に形成されている、請求項97記載の方法。
【請求項101】
提供する工程が、管状部材の内部小室中に、フットベッドを独立した構造体の少なくとも一部として挿入することを含む、請求項97記載の方法。
【請求項102】
提供する工程が、フットベッドを独立した構造体の少なくとも一部として管状部材の外面と対向させることを含む、請求項97記載の方法。
【請求項103】
衣料品が、その中に総体的に形成された複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項97記載の方法。
【請求項104】
衣料品が、それと対向した複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項97記載の方法。
【請求項105】
フットベッドが、管状部材の足に対向する表面に実質的に対応するような大きさであり、かつテクスチャ化された表面がフットベッドの内側半分を優先的に覆う、請求項97記載の方法。
【請求項106】
テクスチャ化された表面がフットベッドの内側半分全体を実質的に覆う、請求項105記載の方法。
【請求項107】
少なくとも部分的に繊維材料より作製された管状部材を提供する工程であって、管状部材が足を受け入れるための内部小室を規定する、工程、および
使用者の足の足底表面に管状部材を対向させるためのフットベッドを提供する工程であって、フットベッドが管状部材と対向しているか、または管状部材の部分として総体的に形成されており、フットベッドの内側が平滑であり、かつフットベッドの外側がテクスチャ化された表面を規定する複数の隆起した要素を含む、工程
を含む、衣料品を作製する方法。
【請求項108】
隆起した要素の少なくともいくつかが内部小室内に含まれる、請求項107記載の方法。
【請求項109】
隆起した要素の少なくともいくつかが管状部材の外表面上に含まれる、請求項107記載の方法。
【請求項110】
フットベッドが管状部材構造の部分として総体的に形成されている、請求項107記載の方法。
【請求項111】
提供する工程が、管状部材の内部小室中に、フットベッドを独立した構造体の少なくとも一部として挿入することを含む、請求項107記載の方法。
【請求項112】
提供する工程が、フットベッドを独立した構造体の少なくとも一部として管状部材の外面と対向させることを含む、請求項107記載の方法。
【請求項113】
衣料品が、その中に総体的に形成された複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項107記載の方法。
【請求項114】
衣料品が、それと対向した複数の隆起した要素を含む靴下である、請求項107記載の方法。
【請求項115】
フットベッドが、管状部材の足に対向する表面に実質的に対応するような大きさであり、かつ、テクスチャ化された表面がフットベッドの外側半分を優先的に覆う、請求項107記載の方法。
【請求項116】
テクスチャ化された表面がフットベッドの外側半分を実質的に覆う、請求項115記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図15G】
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【図15H】
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【図15I】
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【図15J】
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【図15K】
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【図15L】
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【図15M】
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【図15N】
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【公表番号】特表2009−538182(P2009−538182A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512017(P2009−512017)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/010374
【国際公開番号】WO2007/139649
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】