説明

不可視化装置

本発明は、臨床研究の不可視化を可能にするためにエアロゾル容器(2)に配置されるキャップ(1)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入のための加圧された容器の不可視化を提供する装置に関する。
【0002】
従来技術
喘息等の気道の病気を治療するための多くの作用物質は、加圧された容器内に調剤品として提供され、この容器から作用物質は肺へ投与される。このような調剤製品は、例えば、計量分配弁を有するエアロゾル容器(加圧された容器)と、容器が収容されるマウスピースとから成る。計量分配弁の弁棒はマウスピースのノズル区分に収容される。
【0003】
試験薬剤を保持する、臨床研究において使用されるエアロゾル容器の基部は、しばしば製品の性質又は製造者を述べたインプリントを有するので、このインプリントは研究の可視化につながるおそれがある。したがって、このような製品を用いて臨床研究を行う場合、基部を見えなくすること、すなわち製品の不可視化を保証することが必要である。
【0004】
これまで、このことは主として基部を接着剤又はタルカムパウダー等の材料で被覆することによって行われていた。しかしながら、この方法は極めて問題があることが分かった。なぜならば、不可視化は手作業で行われなければならないので、長い時間がかかる(接着剤の手作業による混合及び定着)。タルカムパウダーとの正確な混合比を得ることも困難であり、実際には、このことは、不均一な外観の製品及び高い不良率をも惹起する。接着剤によって発せられる蒸気も不可視化プロセスを極めて不快にする。
【0005】
DD255260は、溶剤、懸濁液、凍結乾燥された製品又は粉末状製品等の無菌調剤混合物を含むバイアルの不可視化に関する。
【0006】
米国特許第6544250号明細書は、非固体薬剤投与形式の投与を不可視化するための装置に関する。この装置は、特に、少なくとも2つのアタッチメントを有する不透明容器であり、一方のアタッチメントは薬剤投与形式のためのディスペンサへの接続のためのものであり、他方のアタッチメントはアプリケータへの接続のためのものであり、前記容器の内部は薬剤投与形式を保持するための手段を有する。
【0007】
発明の開示
本発明の目的は、エアロゾル容器を有し、簡単に製造されることができ、従来の製品の前記欠点を回避する不可視化された製品を利用可能にすることである。
【0008】
本発明によれば、前記目的は、エアロゾル容器の基部に正確に嵌合しながら配置された不透明キャップによって達成され、この不透明キャップの内側縁部は、取り付けられた場合にエアロゾル容器に自動的に締め付けられる。
【0009】
したがって、本発明の主題は、エアロゾル容器と、エアロゾル容器の基部に形状による嵌合で配置されたキャップとを含む薬剤製品であり、キャップの内側縁部はエアロゾル容器に自動的に締め付けられる。
【0010】
本発明による別の実施形態は特許請求の範囲に示されている。
【0011】
エアロゾル容器は好適には、基部とは反対側の端部に計量分配弁を備えた加圧された容器である。
【0012】
薬剤製品は好適にはエアロゾル容器が収容されるマウスピースを含む。
【0013】
本発明によれば、キャップは好適には金属、例えばステンレス鋼から形成されたキャップである。しかしながら、プラスチック等のその他の材料も考えられる。製造は、当業者に知られた方法、例えば、適切な絞り成形加工及び切断ツールを使用する薄板金ストリップの深絞りによって、行われる。
【0014】
本発明によれば、キャップは、一方の端部において開放しておりかつ他方の端部において不透明基部を有する中空の円筒体として設計されている。本発明によれば、キャップの高さは、エアロゾルが作動させられた(押し下げられた)場合、マウスピースと加圧された容器との間の空間が変化させられないように選択されていることが好ましい。このことは、吸入プロセスのための所要の空気流が損なわれないことを保証するために重要である。
【0015】
本発明によれば、キャップは、キャップの開放端部に向かって僅かに狭まった内径を有する。したがって、キャップは、僅かな締付力を用いてエアロゾル容器の基部に配置されることができる。キャップの開放端部に向かって僅かに狭まったキャップの内径は、エアロゾル容器へのキャップの、好適には取消不能な締付けを可能にする。これにより、エアロゾル容器の基部へのキャップの永久的な固着を保証することが可能である。
【0016】
キャップの寸法は、被覆されるべき加圧された容器の寸法に依存することができる。本発明によるキャップは、3〜10mm、好適には4〜6mmの高さと、19〜25mm、好適には21〜23mmの範囲の内径とを有することが好ましい。
【0017】
本発明の例として実施形態は図面を参照により詳細に説明される。
【0018】
図1は、ステンレス鋼から形成された本発明によるキャップ(1)を示している。キャップは5mmの高さと、22.1mmの内径とを有する。
【0019】
図2は、計量分配弁(3)及び取り付けられたキャップ(1)を備えたエアロゾル容器(2)を示している(断面図)。
【0020】
図3は、マウスピース(4)内の、取り付けられたキャップ(1)を備えたエアロゾル容器(2)を示している(断面図)。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ステンレス鋼から形成された本発明によるキャップを示している。
【図2】計量分配弁及び取り付けられたキャップを備えたエアロゾル容器を示している(断面図)。
【図3】マウスピース内の、取り付けられたキャップを備えたエアロゾル容器を示している(断面図)。
【符号の説明】
【0022】
1 キャップ、 2 エアロゾル容器、 3 計量分配弁、 4 マウスピース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル容器と、該エアロゾル容器の基部に形状による嵌合によって配置された不透明基部を備えたキャップとを含み、該キャップの内縁部がエアロゾル容器に指導的に締めつけられることを特徴とする、薬剤製品。
【請求項2】
エアロゾル容器が、基部とは反対側の端部に計量分配弁を備える加圧された容器である、請求項1記載の薬剤製品。
【請求項3】
キャップが金属から形成されている、請求項1記載の薬剤製品。
【請求項4】
キャップが、一方の端部において開放しておりかつ他方の端部において不透明基部を有する中空の円筒体として設計されている、請求項1記載の薬剤製品。
【請求項5】
キャップが、キャップの開放端部に向かった僅かに狭まった内径を有する、請求項4記載の薬剤製品。
【請求項6】
キャップが、3〜10mm、好適には4〜6mmの高さと、19〜25mm、好適には21〜23mmの範囲の内径とを有する、請求項4記載の薬剤製品。
【請求項7】
キャップが、5mmの高さと22.1mmの内径とを有する、請求項6記載の薬剤製品。
【請求項8】
エアロゾル容器が収容されるマウスピースを有する、請求項2記載の薬剤製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−536040(P2007−536040A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512181(P2007−512181)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051992
【国際公開番号】WO2005/105186
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(507229021)ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (90)
【氏名又は名称原語表記】Nycomed GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2, D−78467 Konstanz, Germany