説明

中空マイクロニードルアレイ

本開示は、流体を中空マイクロニードルにより注入するための装置、アセンブリ、組み合わせ、及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0001】
一態様において、本記載は、ハウジングと、流体を含み、開放可能な末端部を有するリザーバと、マイクロニードルアレイを含む第1の主表面を有するアプリケータと、開放可能な末端部とマイクロニードルアレイとの間を連通可能な経路と、を備える装置に関する。ハウジングは、アプリケータ及びリザーバを独立して支持する。装置は更に、アプリケータを第1の主表面に対して略垂直方向に加速するようにアプリケータに力を付与する、作動可能な第1の貯蔵エネルギーデバイスと、開放可能な末端部と経路とが流体連通するように開放可能な末端部を自動的に開放する、作動可能な第2の貯蔵エネルギーデバイスであって、開放可能な末端部、経路、及びマイクロニードルアレイを介して流体を押し出す、第2の貯蔵エネルギーデバイスと、を備える。
【0002】
別の態様では、本開示は、ハウジングと、流体を貯蔵し、開放可能な末端部を有するリザーバと、マイクロニードルアレイを含む第1の主表面と、開放可能な末端部とマイクロニードルアレイとの間を連通可能な経路と、有するアプリケータと、を備える装置に関する。ハウジングは、アプリケータ及びリザーバを独立して支持する。装置は更に、アプリケータを第1の主表面に対して略垂直方向に加速するようにアプリケータに力を付与する、作動可能な第1の貯蔵エネルギーデバイスを備える。装置はまた、開放可能な末端部と経路とが流体連通するように開放可能な末端部を自動的に開放する、作動可能な第2の貯蔵エネルギーデバイスであって、開放可能な末端部、経路、及びマイクロニードルアレイを介して流体を押し出す、第2の貯蔵エネルギーデバイスを備える。更に、ハウジングは、第1の貯蔵エネルギーデバイス及び第2の貯蔵エネルギーデバイスの両方に作動可能に接続され、第1の貯蔵エネルギーデバイス及び第2の貯蔵エネルギーデバイスを作動させる、作動可能な単一のアクチュエータを含む。
【0003】
更なる別の態様では、本記載は、(a)流体を含み、開放可能な末端部を有する薬物カートリッジと、(b)マイクロニードルアレイを含む第1の主表面を有するアプリケータと、を支持するハウジングを提供する工程を含む方法に関する。方法は更に、マイクロニードルアレイを第1の主表面に直交する方向に自動的に変位させる工程と、開放可能な末端部を自動的に開放する工程と、開放可能な末端部とマイクロニードルアレイとの間の流体連通を確立する工程と、開放可能な末端部を介して流体を薬物カートリッジからマイクロニードルアレイに自動的に押し出す工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本記載の装置の例示的な一実施形態の斜視図。
【図2】図1に示した装置の分解斜視図。
【図3】図1の装置の底面図。
【図4】準備(primed)状態にある図1の装置の端面図。
【図5】図1の装置内で使用されるアプリケータの例示的な一実施形態の平面図。
【図6】中空マイクロニードルのアレイを示す、図5のアプリケータの底面図。
【図7】中空マイクロニードルのアレイを示す、図5のアプリケータの端面図。
【図8】カバーが除去されている、図1と類似した斜視図。
【図9】準備されているが、不作動状態にある、本記載による装置の長手方向断面図。
【図10】作動状態にある、装置の長手方向断面図。
【図11】図7に示したアプリケータの側面図。
【図12】薬物カートリッジとアプリケータとの流体連通を示す拡大概略図。
【図13A】準備状態にある、装置の断面における部分図。
【図13B】中空マイクロニードルの貫入を示す、装置の断面における部分図。
【図13C】薬物カートリッジからアプリケータへの流体の移動を示す、装置の断面における部分図。
【図14】準備状態にある、本記載による装置の例示的な実施形態の概略図。
【図15】第1の貯蔵エネルギーデバイスが作動されている、本記載による装置の例示的な実施形態の概略図。
【図16】図15と類似するが、第2の貯蔵エネルギーデバイスの作動を示す概略図。
【図17】図16と類似するが、ピストンの変位を示す概略図。
【図18】本記載による装置の別の例示的な実施形態の概略図。
【図19】作動された装置の概略図。
【図20】明確さのために一部が除去されている、本記載の装置の別の例示的な実施形態の断面における立面図。
【図21】本記載のU字形の板状ばねデバイスの拡大図。
【図22】本記載のばねデバイスの更なる別の例示的な実施形態の拡大図。
【図23】本記載のばねデバイスの更なる別の例示的な実施形態の拡大図。
【図24】本記載の例示的な一実施形態による衝撃吸収材配置を示す拡大図。
【図25A】一対のばねデバイスの例示的な一実施形態の概略図。
【図25B】一対のばねデバイスの別の例示的な実施形態の概略図。
【図26】成形されたピストンの概略図。
【図27】内部に残留した任意の過剰の流体を低減させるアプリケータ内の突出部の概略図。
【図28】図2に示した装置のハウジングのカバー部分の内部の平面図。
【図29】図2に示した装置のハウジングの底部部分の内部の平面図。
【図30】第2の貯蔵エネルギーデバイスとしての一対のばねデバイスの例示的な実施形態を示す図。
【図31】第2の貯蔵エネルギーデバイスとしての気体推進装置を示す図。
【図32】準備アセンブリの分解斜視図。
【図33】身体の一部分を支持するのに有用な支持デバイスと組み合わせた、図1の制御流体放出装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本記載の装置は、単一の作動によって始動されてマイクロニードルアレイ、例えば中空マイクロニードルアレイによって患者の皮膚に自動的にかつ確実に貫入した後、一貫した取り込みを確実にする制御様式にて、リザーバ(例えば、すぐに使える(ready-to-use)薬物カートリッジ)から流体を自動的に放出及び分配し得る実施形態を含む。有利には、個々の患者に対する多種多様な流体及び用量のカスタマイズ可能かつ効率的な送達を、比較的外傷を有さない様式で達成することができると共に、貫入中に中空マイクロニードルが外れ、また分配後に装置内に過剰の流体が残留する可能性をいずれも最小限とする。
【0006】
制御流体放出装置100は、ハウジング102と、1つ以上の中空マイクロニードル105を支持するマイクロニードルアレイ104に接続されたアプリケータ103と、リザーバ107(いくつかの実施形態では、薬物カートリッジであり得る)を含む流体の貯蔵及び送達システム106と、を備える。有利には、制御流体放出装置100は、リザーバ107が製造業者、組み立て業者、又は使用者によって組み込まれることを可能にする。加えて、制御流体放出装置100は、リザーバ107及び中空マイクロニードル105が交換されることにより、再使用され得ることを可能にする。加えて、リザーバは、マイクロニードルデバイスと一体化した、固定された又は専用の薬物リザーバを有するマイクロニードルデバイスと比較して、より容易に洗浄、滅菌、充填、及び再充填することができる。
【0007】
制御流体放出装置100は、流体108の注入/注射中、患者により着用されるよう適合可能である(例えば、図9、10及び13A〜13C参照)。これらの例示的な実施形態では、制御流体放出装置100は患者の皮膚に直接適用されて(例えば、図12参照)、中空マイクロニードル105を適切な深度に保つと共に歩行動作に対応することができる。
【0008】
本明細書で使用されるとき、「中空マイクロニードル」は、角質層を貫通して皮膚を介した薬物の送達を容易にするよう設計された特定の微小構造を指す。例として、マイクロニードルには針又は針状の構造、並びに角質層を貫通し、流体を送達できる他の構造が挙げられる。
【0009】
流体にて処方可能であり、皮下注射経由で送達可能ないかなる物質も使用することができ、物質としては、医薬品、栄養薬剤、薬用化粧品、診断用薬、及び治療薬が挙げられる(便宜上、本明細書では総じて「薬物」と称される)。本発明で有用であり得る薬物の例には、ACTH(例えば、副腎皮質刺激ホルモン注射)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(例えば、ゴナドレリン塩酸塩)、成長ホルモン放出ホルモン(例えば、セルモレリン酢酸塩)、コレシストキニン(シンカリド)、副甲状腺ホルモン及びその断片(例えば、テリパラチド酢酸塩)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyroid releasing hormone)及びその類似体(例えば、プロチレリン)、セクレチン及び同類物、α1アンチトリプシン、抗血管新生薬、アンチセンス、ブトルファノール、カルシトニン及び類似体、セレデース、COX−II抑制剤、外皮用剤、ジヒドロエルゴタミン、ドーパミン作動薬及び拮抗薬、エンケファリン及び他のオピオイドペプチド、上皮成長因子、エリスロポエチン及び類似体、卵胞刺激ホルモン、G−CSF、グルカゴン、GM−CSF、グラニセトロン、成長ホルモン及び類似体(成長ホルモン放出ホルモンを含む)、成長ホルモン拮抗薬、ヒルジン、並びにヒルログ、IgE抑制剤、インスリン、インスリノトロピン及び類似体等のヒルジンの類似体、インスリン様成長因子、インターフェロン、インターロイキン、黄体形成ホルモン、黄体ホルモン分泌促進(releasing)ホルモン及び類似体、ヘパリン、低分子量ヘパリン及び他の天然グリコアミノグリカン、修飾グリコアミノグリカン、又は合成グリコアミノグリカン、M−CSF、メトクロプラミド、ミダゾラム、単クローン抗体、PEG化抗体、PEG化タンパク質、又は親水性ポリマー、疎水性ポリマー、若しくは追加の官能基で変更した任意のタンパク質、融合タンパク質、単鎖抗体断片、又は付着タンパク質、巨大分子、若しくはその追加の官能基の任意の組み合わせを備える同断片、麻薬性鎮痛薬、ニコチン、非ステロイド性抗炎症剤、オリゴ糖、オンダンセトロン、副甲状腺ホルモン及び類似体、副甲状腺ホルモン拮抗薬、プロスタグランジン拮抗薬、プロスタグランジン、組み換え型可溶性レセプター、スコポラミン、セロトニン作動薬及び拮抗薬、シルデナフィル、テルブタリン、血栓溶解薬、組織プラスミノーゲン活性化因子、TNF及びTNF拮抗薬、キャリア/アジュバントの有無に関係なく、予防薬及び治療用抗原(サブユニットタンパク質、ペプチド及び多糖類、多糖類複合体、トキソイド、遺伝的ワクチン、弱毒生、リアソータント、不活性化、全細胞、ウイルス性、及びバクテリアのベクターが挙げられるが、これらに限定されない)を含む、依存症、関節炎、コレラ、コカイン常用、ジフテリア、破傷風、HIB、ライム病、髄膜炎菌、麻疹、耳下腺炎、風疹、水痘、黄熱病に関連したワクチン、呼吸系発疹ウイルス、ダニ媒介日本脳炎、肺炎球菌、連鎖球菌、腸チフス、インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎及びE型肝炎を含む肝炎、中耳炎、狂犬病、ポリオ、HIV、パラインフルエンザ、ロタウイルス、エプスタイン・バーウイルス(Virsu)、CMV、クラミディア、判別不能ヘモフィルス、モラクセラカタラーリス、ヒト乳頭腫ウイルス、BCGを含む結核、淋病、喘息、アテローム性動脈硬化症マラリア、大腸菌、アルツハイマー病、ピロリ菌、サルモネラ、糖尿病、癌、単純ヘルペス、ヒト乳頭腫及び同類物、風邪薬等の主な治療学の全てを含む等の他の物質、抗依存症、抗アレルギー、反吐剤、肥満治療、反骨粗鬆症(antiosteoporeteic)、感染症用薬、鎮痛剤、麻酔薬、拒食症、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、糖尿病薬、抗ヒスタミン剤、抗炎症薬、片頭痛治療剤、乗物酔治療剤、鎮吐薬、抗悪性腫瘍剤、パーキンソン病治療薬、かゆみ止め、抗精神病薬、解熱剤、抗コリン作用薬、ベンゾジアゼピン拮抗薬、全身刺激剤、冠状動脈刺激剤、抹消及び大脳刺激剤、骨刺激剤を含む血管拡張剤、中枢神経系興奮薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬、筋弛緩剤、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬(parasympathomimetrics)、プロスタグランジン、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド及び他の巨大分子、覚醒剤、鎮静剤、性的機能低下及び精神安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。本記載は、気体流体も使用できることを想定している。
【0010】
ハウジング102は、内蔵型であり、小型に構成されて、いくつかの要素の中でも特に使用の容易さと患者の心地よさとのために比較的低プロファイルであり、小さい使用面積(footprint)を提供し得る。図示した図1及び2の実施形態において、ハウジング102は、下部ハウジング部分109と、下部ハウジング部分109と一体化する上部ハウジング部分110と、を含んでもよく、上部ハウジング部分110はカバーを提供する。下部ハウジング部分109及び上部ハウジング部分110は、任意の好適な手段により一緒に固着されてもよく、手段としては、一緒にスナップ嵌めされる、又は蝶番、ピボット、締まりばめ、締結具により結合される等が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、下部ハウジング部分109と上部ハウジング部分110とは、下部及び上部ハウジング部分のようなクラムシェルの枢動を可能にする蝶番(図示せず)により一緒に接続されてもよい。ハウジング102は、上記した種類の流体の送達に適合性を有する好適な軽量材料から作製されてもよい。ハウジング102の材料としては、プラスチック、金属、複合材料、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。下部ハウジング部分109は基部114(図2)を含むことができ、この基部114は、略平面状であってもよく、中空マイクロニードル105が第1の貯蔵エネルギーデバイス134によって変位されることを可能にする開口部115を画定する。基部部材114は、比較的大きい略平面状の表面、第1の主表面116を画定する(図2)。いくつかの実施形態において、基部114は、着用した際に、制御流体放出装置100を心地よい様式で支持するのに十分である。
【0011】
接着剤層118は、第1の主表面116の全部又は一部に結合されてもよい。接着剤層118(例えば、図2)は、本明細書に記載した目的のための任意の好適なタイプのものであってもよく、一実施形態では、感圧接着剤層を患者上に適用するのに先立って除去され得る剥離層(図示せず)で覆われた感圧接着剤であってもよい。接着剤層118は、第1の主表面116と概ね同一の広がりを持つように示されている。ここに示される実施形態は、接着剤層118が開口部115に直に隣接して位置し得ることも考慮している。
【0012】
例えば、非限定的にポリアクリレート類、ポリイソブチレン類、及びポリシロキサン類等の多数の好適な感圧接着剤を接着剤層118中で使用することができる。
【0013】
接着剤層118は、孔119を包囲する環状部分118aを含むこともできる(例えば、図2)。孔119は、下部ハウジング部分109内の開口部115と整合されていてもよい。環状部分118aは、接着剤層118の残りの部分よりも高い接着品質を有し、ニードル貫入を包囲する範囲内が皮膚に更によりしっかりと結合することを確実にし得る。接着剤層118の配合を変更して、制御流体放出装置を患者の皮膚並びに他の身体組織に固着させる接着剤の強度を変更できることが理解されるであろう。
【0014】
続けて図2を参照すると、保持壁アセンブリ120が図示されており、アセンブリ120は、基部114から直立し、基部114の縁から側方に離間している。保持壁アセンブリ120は、略直立し、離間した一対の保持壁部分122a及び122bを含んでもよく、保持壁部分122a及び122bは、湾曲リブ123を有して、リザーバ107を長手方向軸線107a(例えば、図12)に沿って保持し、案内する。保持壁部分122a及び122bは、側方に配置され、直立した外側壁126の内側に配置され、外側壁126は、保持壁部分122a及び122bに対して略平行な側方壁部分126a及び126bを含む。外側壁126は、丸い部分126cと後方壁部分126dとを含んでもよい。丸い部分126cには、直径方向に対向する、内側に向いた一対のチャネル部分128が一体的に成型されていてもよく、チャネル部分128は、内側に向いたそれぞれのリブ129により画定されている。外側壁126は、壁開口部126eを有する後方壁部分126dを含んでもよい。
【0015】
チャネル部分128は、図9及び10に矢印Aで示される、第1の主表面116に対して略直交する経路に沿ったアプリケータ103の変位を保持及び案内する。垂直軸線130は、長手方向軸線107aに対して略垂直である。例示的な一実施形態において、アプリケータ103の動作は第1の主表面116に関連して実質的に90度であり得るが、略垂直な経路は、90度から逸脱して、十分深く貫入して意図する用量を送達できる配向をとり得ることが理解されるであろう。そのような経路は、概して、目標とする皮内深度に対する確かな貫入を確実にする。したがって、流体の一貫した取り込み及び効率的な投与が向上される。
【0016】
例えば図2、9及び29に示される制御流体放出装置100は、第1の主表面に対して略垂直方向の力をアプリケータ103に付与するよう作動可能な第1の貯蔵エネルギーデバイス134を示している。いくつかの実施形態では、そのような作動力は、アプリケータ103の制御された動作を可能にすることにより、中空マイクロニードル105の患者の皮膚の貫入に必要な力の適用を確実にする。
【0017】
本発明者らは、先行技術による適用デバイスが、使用者が大きすぎる力又は小さすぎる力を用いてマイクロニードル分配デバイス(図示せず)を押し下げることにより、貫入の力及び深度が不必要に変動する欠点を有し得ることを見出した。いくつかの態様において、本記載による制御流体放出装置は、他のデバイスのこの不都合を克服する。
【0018】
一実施形態では、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は板状ばねであってもよく、板状ばねは、アプリケータ103に制御された力を適用して、目標深度範囲まで一貫して貫入することを確実にするよう配置されている。例示的な実施形態では、例えば図12、24及び29に示されるように、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、略U字形の板状ばねを含んでもよい。第1の貯蔵エネルギーデバイス134の湾曲部分134aは、アプリケータ103上に直接置かれ、又は別様に結合若しくは支持されてもよい。
【0019】
図29に示されるように、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は脚部分134b、134cを含んでもよく、脚部分134b、134cは、離間された保持壁部分122a及び122bと側方壁部分126a及び126bとの間に配置されている。有利には、このようにハウジング102内で第1の貯蔵エネルギーデバイス134をリザーバ107に直ぐ隣接して配置することは、制御流体放出装置100の構造及び組み立てを簡素化するのみでなく、より小さい使用面積及び下部プロファイルを生じることによって構造全体を有意に改善する。
【0020】
例示的な一実施形態では、例えば、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、外径7.5cm×0.0625”(0.159cm)のステンレス鋼ばねであってもよい。本開示では、使用し得る様々な同様のばね、及びばね構造を考慮している。
【0021】
上記したように、本発明者らは、マイクロニードルアプリケータが、第1の貯蔵エネルギーデバイス134のばね反応性と皮膚の弾力性とを含む要因により、皮膚に対する衝突後に反動する傾向を認めた。また一般に、中空マイクロニードル105が真皮内を所定の深度まで貫入し、注入中にその深度(又は所定の深度範囲内)を維持することが有利である。本記載のいくつかの実施形態は、この反動の減衰効果を有し、それによって本明細書に記載したマイクロニードルアレイのより正確な送達を提供する。
【0022】
例示的な一実施形態では、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、アプリケータ103に固定されていない。したがって、衝突後、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、中空マイクロニードル105を皮膚から、及び中空マイクロニードル105の意図される貫入深度から、部分的に又は完全に引っ込めること又は上昇させることなく、上方に自由に反動し、振動し得る。したがって、皮膚表面に対する流体の漏洩の発生の可能性は低減され、又は最小限にされ、又は排除さえもされ得る。代替的に、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、皮膚に対する衝突及び貫入の間中、アプリケータ103上の正の圧力を維持することにより、マイクロニードルが部分的に又は更には完全に引っ込められる可能性を避けるよう作製されてもよい。
【0023】
ばねの反動及び振動の大きさ及び振動数は、ばねの自由長、質量及び材料特性、並びに任意の張力又は予め加えられた負荷等の主な要因に直接関係することが理解されるであろう。他の要因としては、例えば積み重ねられた平坦な板ばね配置における多要素積み重ね板状ばね、例えば丸ばねに焼き入れされた単一部品ワイヤにおける単一の直線状の長さ、成形ワイヤで形成されたU字形等の、ばねの形状及び構成を挙げることができる。更に、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、丸形、正方形、矩形、任意の規則的な多角形、形状が不規則な又はその長さに沿って変化するものを含むが、これらに限定されない任意の断面で作製されてもよい。そのような形状プロファイルは、それによって、必要とされる部分に堅さ及び剛性を付与し得る。
【0024】
第1の貯蔵エネルギーデバイス材料は、炭素鋼(例えば、ピアノ線)、オイル焼き入れをベースとする合金類(例えば、ベリリウム銅、リン青銅)、又は他の好適な合金類(例えば、Elgin Specialty Metals,Elgin,IL,USAから市販されているElgiloy(商標)コバルト合金)を含むことができる。例示的な本実施形態では、小型性のために、比較的大きいばねエネルギー定数を有する金属ばねが使用されるが、例えばばね要素が短い時間枠内で準備され、発射(fire)される場合等、比較的小型でない非金属(例えば、プラスチック)ばね要素を使用することも可能である。
【0025】
第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、アプリケータ103が患者の皮膚に衝突する前に、中空マイクロニードル105を支持するアプリケータ103に典型的には衝突前の約2〜約20m/秒の範囲の速度で力を付与するよう作動可能である。より典型的には、中空マイクロニードル105は、衝突前の約4〜約12m/秒の範囲の速度で患者の皮膚を打つ。
【0026】
上述したような潜在的にマイクロニードルの部分的な又は更には完全な引っ込みをもたらす反動を避ける、別の例示的な手法を示す図24を参照する。図示されるように、第1の貯蔵エネルギーデバイス134は、アプリケータ103の上部又は頂部表面上に置かれ、コンプライアントな衝撃吸収アセンブリ135がアプリケータ103の下部又は底部表面に結合されて、意図する中空マイクロニードルの貫入に負の影響を及ぼし得る振動を低減する。コンプライアントな衝撃吸収アセンブリ135には、多種多様な衝撃吸収材料を使用することができる。それらの材料としては、マイクロニードルの衝突後に、結果として生じる反動及び振動を吸収し、消散させる独立気泡(closed-cell)及び連続気泡(open-cell)発泡体、エラストマー類、又は他のエネルギー消散要素を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0027】
例示的な一実施形態では、コンプライアントな衝撃吸収アセンブリ135は、様々な好適な材料から作製され得る一対の独立した弾性パッドを含んでもよく、材料としては、シリコーン発泡体、粘弾性発泡体類、及び固形シリコーンゴムを挙げることができるが、これらに限定されない。これらの弾性材料は、意図する衝撃吸収を達成するように好適な厚さを有することができる。例示的な厚さは、約0.1mm〜3mm、より典型的には約0.5mm〜約1.5mmの範囲であってもよい。
【0028】
例示的な実施形態では、衝撃吸収材料は、アプリケータ103の底部に係合されるよう配置された下部ハウジング部分109(図示せず)上に装着されてもよい。代替的に又は付加的に、弾性パッドは第1の貯蔵エネルギーデバイス134に係合されるアプリケータ103の上部表面上に追加されてもよい。
【0029】
ここで、図1、2、4、及び8を参照する。上部ハウジング部分110は、上記したように下部ハウジング部分109を覆い、下部ハウジング部分109と協働する、例えば図示されるような構造を有してもよい。上部ハウジング部分110は、下部ハウジング部分109と概ね一致するサイズ及び形状を有して下部ハウジング部分109と一体化する単一部品の貝殻様構造から作製されてもよい。図示される例示的な実施形態では、上部ハウジング部分110はまた、ポリカーボネート、アクリル及び他の同様の材料等のプラスチックから作製されてもよい。上部ハウジング部分110はまた、使用者が注入の程度を視覚的に検査可能であるよう透明であってもよい。代替的に、上部ハウジング部分110は、同様に、分配されている流体の程度と、下記に記載するピストン変位とを容易に視覚的に観察可能とする窓(図示せず)を有してもよい。これは比較的長時間にわたる注入を含む状況において特に有利である。
【0030】
ハウジング102はアクチュエータ138も含む(例えば、図1、2及び8)。アクチュエータ138は指係合可能な部分140を有し、部分140は、上部ハウジング部分110内に形成されたアクチュエータ開口部142(例えば、図2、8〜10)を覆うよう適合されている。タブ部分144は、指係合可能な部分140から延び、蝶番接続されて、上部ハウジング部分110内に位置する蝶番ピン146(例えば、図8〜10)を中心として枢動する。これによりアクチュエータ138が、例えば図9に示される準備位置に対応する位置から、アプリケータ103の中空マイクロニードル105が図10に示されるような貫入位置にある位置に対応する位置へと枢動することが可能となる。
【0031】
続けて図8〜10及び28を参照すると、本記載は、第1の貯蔵エネルギーデバイス134をその準備位置から解放するための解放可能な保持機構147を含む。図示される例示的な本実施形態において、解放可能な保持機構147は、指係合可能な部分140から垂下するプランジャー148を含んでもよい。プランジャー148は、指係合可能な部分140上を下方に押圧することによる等、下方に移動された際に、アプリケータ103を解放するサイズ、形状、及び配置を有する。プランジャー148は、下方への動作中、単一部品である捕捉ばね等の弾性係合デバイス150と係合する。弾性係合デバイス150は、略U字形を呈してもよく、例えば図28に示されるように、アクチュエータ開口部142の直下にあるように、例えば締結具により上部ハウジング部分110の内部に固定されてもよい。弾性係合デバイス150は、概ね離間された平行な一対の弾性脚部分150a及び150bを含んでもよく、脚部分150a及び150bは、プランジャー148が脚部分150aと150bとの間で下方に押圧された際、プランジャー148と係合し、プランジャー148により広がるよう適合されている。弾性脚部分150a及び150bは、アプリケータ103の上部保持部材152上の周辺溝151(例えば、図9)と係合して連結関係を形成することが可能であり、この連結関係は、上部保持部材152を準備状態に対応する位置に維持する。
【0032】
例えば使用者が注入/注射プロセスを開始する際等にアプリケータ103を解放するためには、指係合可能な部分140を図面に見られるように下方に押し下げる。その結果、プランジャー148が弾性脚部分150a及び150bを十分に広げて、上部保持部材152の周辺溝151(例えば、図9)から弾性脚部分150a及び150bを解放する。これは第1の貯蔵エネルギーデバイス134を解放してアプリケータ103を概ね垂直軸線130に沿って下方に駆動し又は押し出し、したがって中空マイクロニードル105は解放位置にあり得る(例えば、図12参照)。周辺溝151内に存在する際に圧力を加えられている弾性脚部分150a及び150bは、アプリケータ103が第1の貯蔵エネルギーデバイス134によって押し出された後、圧力を加えられていない状態に戻り得る。
【0033】
本記載は、アプリケータ103が、制御流体放出装置の製造業者又は組み立て業者から出荷される前に準備され得るが、使用者が記載した様式で装置を準備することも可能にすることを想定している。アプリケータ103が準備される際、以後より詳細に記載し得るように、上部保持部材152が脚部分150a及び150bを広げて脚部分150a及び150bが周辺溝151内にぱちんと弾性的に嵌まるまで、アプリケータ103を上方に押し出す(例えば、引く又は押す)ことにより、アプリケータ103をその準備状態に保持する。本記載は、解放前にアプリケータ103を解放可能に保持するのに使用し得る他の種類の解放可能な保持機構も想定している。そのような機構としては、例えばラッチ、スナップ嵌め、環状のスナップ嵌め及び他の同様のデバイス等の多種多様なばね付勢保持部材が挙げられるが、これらに限定されない。アプリケータ103は準備された状態で保管又は出荷される必要はなく、準備されていない状態で出荷されてもよいことを理解するであろう。
【0034】
ここで、図5〜7、9、10、12及び13A〜13Cを参照して、流体108を、すぐに使えるリザーバ107から患者に供給又は分配するための、例えば皮膚貫入位置として有用であり得る解放位置にあるアプリケータ103の中空マイクロニードル105を説明する。上記したように、リザーバ107は、マイクロニードルデバイスと一体化した、固定された又は専用の薬物リザーバを有するマイクロニードルデバイスと比較して容易に洗浄、滅菌、充填、及び再充填することができる。
【0035】
貫入を実行するために、アプリケータ103は、マニホールドキャリア162の底部、即ち貫入側にマイクロニードルアレイ104を含み得る。例示的な一実施形態において、マイクロニードルアレイ104は、アプリケータ103に永久に取り付けられ、又は着脱可能に取り付けられてもよい。別の例示的な実施形態では、マイクロニードルアレイ104は、マイクロニードルアプリケータプレート163を含んでもよい。マイクロニードルアプリケータプレート163内に、プレート163から突出する中空マイクロニードル105のアレイが形成されている。
【0036】
例示的な一実施形態では、中空マイクロニードル105は、典型的には100μm超〜約3mmの長さを有してもよい。別の実施形態では、中空マイクロニードル105は、約250μm〜約1500mmの範囲の長さ、より典型的には500μm〜1000μmの長さを有してもよい。いくつかの実施形態において、中空マイクロニードル105は、約150μm〜1500μmの深度まで患者の皮膚内に貫入してもよい。より典型的には、中空マイクロニードル105は、約50μm〜400μm、より典型的には約100μm〜300μmの深度まで皮膚内に貫入する。中空マイクロニードル105の深度は、中空マイクロニードル自体の完全長でなくてもよいことを理解するであろう。
【0037】
中空マイクロニードル105は、典型的には、隣接する中空マイクロニードル間にて平均で約0.7mm以上の間隔を有してもよい。より典型的には、マイクロニードルアレイ104は、平均で互いに少なくとも2mm離間された中空マイクロニードル105を有してもよい。中空マイクロニードル105は、平均断面積10〜500μmのチャネルボア(図示せず)を有してもよく、より典型的には、チャネルボアは、平均80〜300μmの範囲であってもよい。中空マイクロニードル105は、3〜18マイクロニードル/cmの間隔密度を有してもよい。ボア(図示せず)は、流体を約20μL/分〜500μL/分の速度で分配することを可能にし得る。ボアは、出口孔で、又は各中空マイクロニードルの側壁上、若しくはニードル先端に隣接する側壁部分上に位置する孔(図示せず)で終結してもよい。
【0038】
本記載は、マイクロニードルを介して流体を送達できる、マイクロニードルの全ての形態を考慮している。また、前記の値は例示であり、必ずしも限定するものではないことを理解するであろう。本記載は、注入及び注射のために、中空マイクロニードル以外にも他のニードルアセンブリの使用も想定していることを更に理解するであろう。したがって、ニードルの長さは、上記したものよりも長い場合がある。また、中空マイクロニードル105の貫入深度は、ニードル毎に変動し得る。中空マイクロニードルは、典型的には、外傷を最小限にし又は低減する様式で患者の真皮内に貫入することを可能にする。例えば本発明の譲受人に譲渡された同時係属の「Hollow Microneedle Array And Method」と題された2008年11月18日出願の米国特許出願第61/115,840号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、外傷と様々な注入/注射パラメータとの関係が存在することを理解するであろう。
【0039】
ここで、例えば図12及び13A〜13Cを参照して、少なくとも1つのカニューレ、マニホールド注入管(manifold inlet tube)、又は貫通ニードルの他の形態を含み得る貫通ニードル165を説明する。貫通ニードル165は、マニホールドキャリア162上の注入口として提供される。貫通ニードル165は、リザーバ107内の流体108を、図示されるような流体経路168を介して、マイクロニードルアレイ104の上方のキャリアリザーバ166に流体的に接続する流路を確立する。1つ以上の貫通ニードル165が想定される。このようにして、流体108は、注入/注射によって、中空マイクロニードル105を介して患者の皮膚(図12に「S」で示す)内に分配され得る。例示的な一実施形態において、貫通ニードル165は、内部にルーメン170(例えば、図5及び12)を含んでもよい。ルーメン170は、流体経路168に流体的に接続されている。貫通ニードル165は、密封されているが開放可能なリザーバ107の末端部の開放を確実にする長さの寸法を有する。貫通ニードル165はまた、座屈し又は別様に破損せずにこれを達成する十分な強度を有する。貫通ニードル165には多種多様な材料が使用され得る。このことを目的として、材料としてはステンレス鋼を含む金属類、プラスチック類、セラミックス、複合材料及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0040】
図12に示されるように、例えばマイクロニードルアレイ104は、例えばマイクロニードルアレイ104をマニホールドキャリア162に超音波溶接することにより固定的に接続されてもよい。例えば、本記載は、スナップ嵌め、UV硬化性接着剤等の接着剤、医療用接着剤、及び他の同様の手法を含むがこれらに限定されない様々な技術によって、マイクロニードルアプリケータプレート163をマニホールドキャリア162に対して保つことを想定している。固定的な接続が記載されているが、使用済みマイクロニードルが交換され得る制御流体放出装置の再使用を含む状況等においては、解放可能な接続が提供されてもよい。図示される実施形態では、解放可能な結合は感圧接着剤等を含む。
【0041】
本記載は、下記に説明する理由により、マニホールドキャリア162を貫入位置に確実に保つことを想定している。これを目的として、マニホールドキャリア162は周囲縁部分162aを有してもよく、前記周囲縁部分162aは、解放位置にある際、対応する下部ハウジング部分109の保持下部ハウジング部分109a(図12)とラッチ止め又は締まり嵌めを形成する量にて径方向に延びる。また、マニホールドキャリア162は環状の側方突出部162bを有してもよく、側方突出部162bは、下部ハウジング部分109に係合してマイクロニードルキャリア162を更にしっかりと停止するよう適合されている。この締まり嵌め及び/又は側方突出部162bは、マニホールドキャリア162を解放位置(例えば、患者の皮膚に貫入するのに有用な)に停止するのに十分であるしたがって、いくつかの実施形態では、これは第1の貯蔵エネルギーデバイス134の解放による反動効果を最小限にする可能性があり、この反動は、減衰されない場合、衝突後、中空マイクロニードル105を患者の皮膚から外れさせる。
【0042】
マイクロニードルアプリケータプレート163は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートを含むアクリル類、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン及びこれらの組み合わせを含む材料から作製することができる。
【0043】
図3及び6に示される例示的な実施形態では、マイクロニードルアプリケータプレート163は、中空マイクロニードル105が存在しない略環状の周囲縁部分163aを有し、下記に記載するように、準備工具(図32)が周囲縁部分163aに係合することを可能にするサイズを有し、それにより下記に説明するように制御流体放出装置100の準備を可能にする。図示される例示的な本実施形態は、周囲縁部分163aを示している。例えば、押す種類の準備工具を使用することを条件として、準備工具と協働し得る、マイクロニードルが存在しないプレート163の他の同様の部分を提供できることを理解するであろう。代替的に又は付加的に、本記載は、アプリケータ103を引いてその準備状態にすることを可能にする。その際、例えばプライヤ等の工具(図示せず)を使用して、例えば上部保持部材152上にて上方に引いてもよい。準備目的のためにアプリケータ103を押す又は引く他の手法も考慮される。
【0044】
ここで、例えば図2、9、10、及び12を参照する。流体貯蔵及び送達システム106は、第2の貯蔵エネルギーデバイス180と協働可能なリザーバ107を含み得る。下記に記載するように、第2の貯蔵エネルギーデバイス180は、リザーバの開放可能な末端部を開放する力を提供してアプリケータ103への流体経路を確立した後、リザーバからマイクロニードルアプリケータアセンブリ上の中空マイクロニードルに流体を流すよう作動可能である。この実施形態では単一のばねが図示されているが、下記に記載するように多種多様な他の手法が考慮される。
【0045】
リザーバ107は例示的な実施形態では薬物カートリッジとして記載されているが、本記載は、同様に機能する様々なサイズ及び構造を有する多種多様なリザーバを想定している。この例示的な実施形態では、リザーバ107は、細長く、比較的薄い壁を有する管状ガラスシリンダー181を含むことができる。ガラスシリンダー181は、焼きなまされ、透明であってもよく、使用している流体に対する加水分解耐性を有し、また本明細書に記載されている様式で加圧された際、亀裂、又は他の破裂に抵抗する十分な強度を有する。図示される例示的な実施形態では、ガラス薬物カートリッジは、典型的には、例えばシリコーン(例えば、焼成及び/又は液体)を用いることにより潤滑性が向上されている。リザーバ薬物カートリッジ用の他の材料としては、収容している流体に対する反応を避けるポリオレフィンを含む多様なタイプのポリマー類が挙げられるが、それらに限定されない。ポリマー類は、通常、ピストンの移動を可能にする摩擦係数を所有する。
【0046】
ガラスシリンダー181は、開放可能な末端部182とプランジャー末端部184とを有する。開放可能な末端部182は、典型的には閉鎖され、エンドキャップ185により密封されている。エンドキャップ185は、末端部182においてガラスシリンダー181のネック部分に固着されていてもよい。エンドキャップ185は、既知の様式で末端部182に圧着される、例えばアルミニウムキャップ等の金属キャップ186を含んでもよい。エンドキャップ185は、開放末端部182を別に密封して閉鎖する隔壁187(例えば、図12)を保持してもよい。
【0047】
隔壁187は、典型的にはリザーバ(例えば、薬物カートリッジ)に使用されているものを含む多数の異なる材料から作製することができる。隔壁187は、圧着され又は圧着されずに末端部182全体に堅固に装着された、貫通可能及び解放可能なエラストマーシール又は隔壁から作製されてもよい。典型的には、エラストマーは、アルミニウム等の材料を用いてガラスシリンダーの末端部上に圧着され得る。他の同様の隔壁材料、及びこの材料をガラスシリンダー181の末端部に固着するモードを使用してもよい。例えば、West Pharmaceutical Services,Incの通称CZシリーズ等のキャップ、又は標準的なシリンジルアーキャップ等のキャップ、又は貫通するのに十分薄い成型末端部等、材料のモールドイン(molded-in)隔壁を使用してもよい。十分な貫通力により貫通され、貫通された後に密封を維持し得る様々な材料を使用することができる。上記したように、隔壁187は、使用中貫通され、貫通ニードルを十分な力で密封してリザーバ107からの流体の移動中に漏洩を防止する。使用後、ニードルを引っ込めた後、隔壁が再び密封することを可能にするいくつかの既知の隔壁材料が考慮される。本記載は、様々な手法により別様に、閉鎖された隔壁187を開封又は開放することを想定している。
【0048】
リザーバ107は、ガラスシリンダー181の内壁に関連して摺動及び密封関係にあるピストン188を含む。これは、ピストン188と末端部182との間に形成されている内部可変容積チャンバ内に貯蔵可能な流体の十分な密封を提供する。チャンバは、ある容積の流体を有するサイズを有し、意図する用量を収容し得る。そのようなリザーバ107(例えば、薬物カートリッジ)は、プレフィルド薬物が、上記した流体等のすぐに使用される(ready-to-be used)タイプのものであり得る。ガラスシリンダー181は、例えばInternational Organization for Standards(ISO)等の国際標準を含む標準を満たす種類のものであってもよい。加えて、ガラスシリンダー181は比較的容易に洗浄及び滅菌することができ、このことは、再使用が所望されるのであれば、非常に有利な特徴である。リザーバ107の他の構成要素も、ISO標準等の標準を満たすよう作製することができる。
【0049】
上記した種類の薬物カートリッジは、それらがすぐに使用でき、また個々の患者にカスタマイズ可能な流体及び用量を供給する際に、医学界がそれらを比較的容易に及び経済的に使用する傾向がある観点から、多用途性を有する利点を提供する。また、それらの薬物カートリッジは、産業界で既知の技術による洗浄及び滅菌の後に再使用可能であり得る。この種類の薬物カートリッジは、当技術分野で使用されている既知の手法により容易に再充填することができる。したがって、本記載の制御流体放出装置におけるその使用は、数個の重要な利点を提供する。
【0050】
図示していないが、本記載は、薬物カートリッジ又はリザーバの開放可能な末端部を開放して、流体を中空マイクロニードルに移動させる弁機構の使用も想定している。例えば、薬物カートリッジと類似したリザーバ内に保持された弁部材を、マイクロニードルアプリケータアセンブリ上の構造(図示せず)、例えばカニューレと協働させることによって、流体遮断又は閉鎖状態から開放することができ、これは、弁部材とカニューレとが作動的に係合されるためである。しかしながら、上記したように、流体連通を確立するには、隔壁を貫通することが、簡素化された、コスト効率のよい手法である。
【0051】
再びピストン188を参照すると、ピストン188は、流体108がリザーバ107から完全に(又はほぼ完全に)押し出され、又は絞り出されるまで、リザーバ107の長さに沿って移動するよう適合されている。典型的には、ピストン188は、リザーバ107に対して密封するが、流体に関連して不活性な材料から作製され得る。例えば、そのようなピストンには、典型的には精製シクロ−ブチル材料が使用され得るが、シリコーンも考慮される。他の同様の材料には、ポリプロピレン、メチルペンテン(methlypentene)、環状オレフィンポリマー類、及び環状オレフィンコポリマー類が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ピストン188は積層構造を含む多様な材料から作製されてもよい。図示される実施形態は、1種類のピストンを使用しているが、他のものも使用することができる。
【0052】
例えば、ここで図26を参照して、使用し得る代替的なピストン2688を説明する。ピストン2688は、鼻部分2692を含む前方末端部2691を有してもよく、鼻部分2692は、リザーバ107の細くなった末端部分182の内側形状に実質的に一致するよう成形されている。これは、流体をリザーバ107から実質的に完全に出すことを容易にする。したがって、リザーバ107内での過剰の流体の残留に関する問題が低減される。ピストン2688は、ピストン2688の反対側の長手方向の末端部分2694において第2の鼻部分2693も有し得る。これはピストン2688の多用途性を向上させ得る。ピストン2688は、比較的容易に成型できるポリプロピレン、メチルペンテン、環状オレフィンコポリマー類等のプラスチック樹脂を含むが、これらに限定されない様々な材料から作製することができる。他の同様の材料も使用し得る。
【0053】
再度、図8〜10、12及び13A〜13Cを参照する。リザーバ107は長手方向軸線107aを有し、軸線107aは、例示的な一実施形態では、患者の皮膚S並びにハウジング102に対して略平行であるよう適合されている。勿論、リザーバ107は、皮膚及びハウジングアセンブリに対して他の角度で配置されてもよい。そのような角度付けは、例えば重力によりリザーバ107が空にされることを補助し得る。制御流体放出装置100の低プロファイルを更に保つために、長手方向軸線107aは垂直軸線130に対して略垂直である。いくつかの点で、この小型な幾何学的配置は有利である。リザーバ107は、例示的な一実施形態では透明なガラス薬物カートリッジであり、流体分配の進行に関する視覚的観察を可能にする。このことは、特に比較的長い時間がかかり得る注入の状況において有利である。そのようなガラス薬物カートリッジは、例えばSchott North America,Elmsford,NJ,USA、及びLionsville,PA,USAのWest Pharmaceutical Services,Inc.製の、市販されているタイプのものであってもよい。同様の性質を有する他の種類のリザーバも想定している。
【0054】
リザーバ107はまた、ガラス製の場合、制御流体放出装置100の多用途性を向上させる点でも有利であり得る。本記載により提供される利点は、リザーバ107が、当該技術分野の多数の薬剤師が一般に、それらを充填するに当たって慣れたサイズ及び形状を有することである。また、リザーバ107は制御流体放出装置100から分離することができるため、使用者は、使用者に特別に定式化したリザーバを使用した後、リザーバを容易に制御流体放出装置内に組み込むことが可能であり得る。更に、患者は、既知の薬物カートリッジを使用できることによって多種多様な薬物を使用することができ、また、固定リザーバを有するディスペンサーの製造業者に用量を依存せずに、患者に特別に誂えた様式で分配することができる。本記載は、予め選択されたサイズを有する専用の又は固定された流体リザーバを備えた既知のマイクロニードル装置及びシステムとは著しく対照的である。更に、後者のカテゴリーは、更に充填並びに滅菌及び再充填とに特別な尽力を必要とし得る。
【0055】
ガラス薬物カートリッジリザーバ107は、それらの長さに関して、約2cm〜約7cmの範囲の寸法を有してもよく、約4mm〜約12mmの範囲の内径を有してもよい。より典型的には、長さは4cm〜6cmの範囲であってもよく、内径は約6mm〜約10mmの範囲であってもよい。本記載は、例えば薬物分配カートリッジのサイズに応じて、他の寸法も想定している。透明ガラス薬物カートリッジリザーバ107を使用し得るが、他の材料も使用し得る。これらの材料及び構造は、収容されている流体に適合性を有し、使用中に生成される圧力に耐え得る必要がある。
【0056】
また、薬物カートリッジは透明である一方、窓が提供される必要はなく又は代わりに窓が提供されて、プロセス中に流体を押し出すピストンの観察を可能にし得る。また、本記載は、本記載と矛盾しない他の種類の略管状容器も使用し得ることを想定している。これは、患者の処置において、全体的な多用途性の観点から重要である。
【0057】
本記載は、そのような薬物カートリッジの単回使用を考慮しているが、薬物カートリッジをカセットに非常に類似するよう交換することも想定している。薬物カートリッジを制御流体放出装置の他の部分から分離することにより、これら2つは独立して作製されることができ、より容易にカスタマイズされて様々な薬物、患者、並びに注入時間を含むがこれらに限定されない様々な要素に適応することができる。
【0058】
図示される実施形態では、ばね解放部190(例えば、図29)が作動されて第2の貯蔵エネルギーデバイス180を解放する。以下に説明するように、リザーバ107内の貯蔵流体は、貫通ニードル165と隔壁187との協働による流体通路の確立後に放出されるであろう。例示的な一実施形態では、第2の貯蔵エネルギーデバイス180は、細長いコイルばねを含んでもよい。第2の貯蔵エネルギーデバイス180は、ばね解放部190により解放されてもよい。ばね解放部190は、ピストン188に当接するプランジャー194に一末端部が取り付けられたラッチ192を含んでもよい。第2の貯蔵エネルギーデバイス180は、プランジャー194と後方壁部分126dとの間に配置されて、第2の貯蔵エネルギーデバイス180がばね解放部190により解放された際に、リザーバ107を変位させるのに十分な作動力を提供する様式で負荷される。
【0059】
ラッチ192とプランジャー194とは互いに分離されていてもよいが、結合されていてもよい。ラッチ192とプランジャー194は、好適なプラスチック類及び金属等の類似した又は類似しない材料から作製されてもよい。ラッチ192は、図示されるように細長くてもよく、又はより短い長さを有してもよい。より長い長さは、下記に記載するように、リザーバ107からの第2の貯蔵エネルギーデバイス180の除去を容易にする。ラッチ194の突出部196は後方壁部分126dに結合され(図9)、それにより第2の貯蔵エネルギーデバイス180をラッチ止めされ、負荷された状態に維持する。保持壁と協働するラッチ192上の突出部196が図示されているが、本記載は上記に定義した種類と同様の他のばね解放機構も想定している。
【0060】
第2の貯蔵エネルギーデバイス180を解放するために、使用者は単に、ラッチ192を後方壁部分126dと係合した状態から上昇させる。次いで、第2の貯蔵エネルギーデバイス180は、リザーバ107が下部ハウジング部分109上の停止部126f(図13A〜13C)に到達するまで、リザーバ107を軸線方向に変位させる。
【0061】
貫通ニードル165は、アプリケータ103がその貫入位置に到達した後、隔壁187を貫通する(図10、13B、13C参照)。リザーバとマイクロニードルアプリケータとの間で流体通路が確立して、リザーバとマイクロニードルアプリケータとの間で流体を連絡させる。その結果、流体はピストン188を押す第2の貯蔵エネルギーデバイス180の影響下で、目下開放された隔壁187を介して押し出される。流体は貫通ニードル165に入ることができ、第2の貯蔵エネルギーデバイス180は、ピストン188を前方に押し出してチャンバを圧縮し、流体をチャンバからアプリケータ103内に押し出す。流体は、貫通ニードル165から流体経路168内に流れ、キャリアリザーバ166から中空マイクロニードル105内へ流れる。リザーバ107上の第2の貯蔵エネルギーデバイス180により提供される自動作動により、システム上に作用する力は、概して使用者が付与する力に関わらず制御され得る。このことは、流体の放出及び分配を達成するために、手動による部材の押し及び/又は摺動を必要とする他のシステムと比較して有利である。上記したように、手動による押し又は引きの力は、不注意で問題を生じ得る。したがって、このことは中空マイクロニードルの外れをもたらすことによって、意図する装置の結果を無にする場合がある。
【0062】
使用済み薬物カートリッジを交換するには、使用者が好適な手工具(図示せず)を使用してラッチ192を牽引して、第2の貯蔵エネルギーデバイス180を再度圧縮し得る。したがって、使用者は、貫通ニードルと隔壁とを分離し得る。その結果、リザーバ107及びラッチ192が除去され得る。制御流体放出装置100内で、除去される1つの薬物カートリッジを新しい薬物カートリッジと交換し得ることを理解するであろう。したがって、使用者は、新しいデバイスを注文する代わりに、カートリッジの交換のみを必要とする。新しい薬物カートリッジを加えるに当たっては、第2の貯蔵エネルギーデバイス180、並びにラッチ192及びプランジャー194を再使用することができる。また、マイクロニードルアレイ104も交換する必要がある。
【0063】
結果として、製造業者又は使用者でさえも、すぐに使用できるリザーバ107を容易に組み込むことができる。これは、薬物カートリッジを図示される位置に挿入した後、第2の貯蔵エネルギーデバイスを図示される位置に挿入することにより達成することができる。リザーバ107及び第2の貯蔵エネルギーデバイス180を別々に組み込むことを可能にすることによって、薬物カートリッジに対してばねを長時間、常に負荷する必要がないため寿命が向上される。
【0064】
本記載の第1の貯蔵エネルギーデバイス及び第2の貯蔵エネルギーデバイスは、ばねデバイス、気体推進装置、化学製品(chemicals)、電気デバイス、及びこれらの組み合わせからなる群からの少なくとも1つの貯蔵エネルギーデバイスを含むことができる。
【0065】
ここで図22及び23を参照して、対応する第1の貯蔵エネルギーデバイス2234及び2334の例示的な代替実施形態を説明する。貯蔵エネルギーデバイス2234は、概ね類似した2つの板状ばね2235及び2236を含む、平行四辺形のアセンブリ形態を提供するよう配置されてもよい。板状ばね2235は、略平行な脚部分の近位端2235a及び2235bが下部ハウジング部分上の装着ブロック2240に取り付けられていると共に、湾曲部分2235cがマニホールドキャリア部材2262上に置かれている。板状ばね2236は、略平行な脚部分の近位端2236a及び2236bが装着ブロック2240に取り付けられていると共に、湾曲部分2236cが溝2251の下方のマニホールドキャリア部材2262上に置かれている。この平行四辺形の構成は、マニホールドキャリア上の中空マイクロニードルを(例えば、皮膚の貫入のために)解放位置内に駆動するのに十分な力を提供する。平行四辺形構成は、この構成が、構成の作動中、認識できる任意の側方移動を可能としないため、構造を簡素化する傾向があり、それによりマニホールドキャリア2262がハウジングアセンブリと協働し、またハウジングアセンブリにより案内される必要性を除去する。したがって、貯蔵エネルギーデバイス2234は、マニホールドキャリア2262が、ハウジングアセンブリ上に形成されたチャネルにより提供される案内(図示せず)なしで使用されることを可能にする。
【0066】
図23は、貯蔵エネルギーデバイス2334の、図22と同様の別の例示的な実施形態である。接頭辞「22」が接頭辞「23」に置き換えられている以外は、同様の参照番号が同様の部分に使用される。貯蔵エネルギーデバイス2334は、板状ばね2335及び2336を含む平行四辺形関係を有する。この実施形態と以前の実施形態との1つの相違点は、板状ばね2336が、1つ以上の一体蝶番2338a、2338b、2338c〜2338n(集合的に2338)を有するよう成型され得ることである。一体蝶番2338は、マニホールドキャリア2362を毎回、軸線に沿って所定のやり方で動作させるよう作用する。ハウジング等による案内の必要性なしでマニホールドキャリア2362の制御動作を可能にする他の平方四辺形構造、並びに他のばねデバイスの配置を提供できることを理解するであろう。
【0067】
ここで図14〜17を参照して、本記載の制御流体放出装置200の別の例示的な実施形態を説明する。この実施形態は、使用者が単に単一の作動デバイスを始動させるのに応答して二重の自動作動を達成できることを含む数個の点で前述の実施形態とは異なる。
【0068】
接頭辞「1」が接頭辞「2」で置き換えられている以外は、同様の参照番号が同様の部分に使用される。この例示的な実施形態では、ハウジング202と、1つ以上の中空マイクロニードル205を支持するマイクロニードルアレイ204に接続されたアプリケータ203と、リザーバ207を含む制御流体放出装置200と、を提供する。アプリケータ203の中空マイクロニードル205を患者の皮膚内に押し出す第1の貯蔵エネルギーデバイス234と、一対のばねデバイス280a及び280bを含む第2の貯蔵エネルギーデバイス280と、が含まれる。第1のばねデバイス280aはコイルばねであってもよく、コイルばねは、ハウジング202とリザーバ207との間に好適に配置されて、下記に説明するように力をリザーバ207に付与して隔壁を貫通し、マイクロニードルアレイ204との流体連通を確立する。第2のばねデバイス280bは、ピストン288を押し出して流体208をマイクロニードルアプリケータ203内に放出し又は押し出す、リザーバ207内のピストン288を押し出すための別のコイルばねであってもよい。
【0069】
ハウジング202は、下部ハウジング部分209と、図示したような内蔵型のマイクロニードル制御流体放出装置200を形成するように一体化可能であり得る上部ハウジング部分210と、を含む。以後明らかとなるように、単一の作動が構成要素の二重自動作動を可能にして、患者の皮膚内に流体を送達する。
【0070】
一実施形態において、下部ハウジング部分209は平面状であってもよく、開口部215を有してマイクロニードルの貫入を可能にする。基部214は、上部ハウジング部分210の開放末端部を完全に覆ってもよい。略平行かつ互いに離間した一対の板状ばねは、第1の貯蔵エネルギーデバイス234(その1つのみを図示する)を形成してもよく、デバイス234は、図示されるように、その近位端を基部214に直接結合されてアプリケータ203を支持し得る。
【0071】
アプリケータ203は、第1の貯蔵エネルギーデバイス234の遠位端上に好適に装着され、それにより中空マイクロニードル205は、遠位端の間を通過し得る。アプリケータ203は、軽量の中空又は中実プラスチックマニホールドキャリア262を含んでもよく、マニホールドキャリア262は、リザーバ207の隔壁287に貫入する貫通ニードル265を有する。この実施形態では、マニホールドキャリア262は、中空マイクロニードル205に至る、例えば図示されるような流体経路268を含むことができる。図示される第1の貯蔵エネルギーデバイス234内の底部板状ばねは、前記の実施形態の板状ばねと同様のばね様特性を所有する。アプリケータ203は、その頂部から突出する直立ラッチ256も含み得る。ラッチ256は、上部ハウジング部分210内の開口部269を通して延びるよう適合され、上部ハウジング部分210上の突出部(図示せず)と係合してラッチ止めされた状態を維持する。ラッチ止めプロセスにおいて、ラッチ256が上部ハウジング部分210の頂部にラッチ止めされているとき、第1の貯蔵エネルギーデバイス234の板状ばねが撓む(図14参照)。このラッチ止め位置は、制御流体放出装置200が準備及び負荷された位置に対応する。
【0072】
リザーバ207は、その長手方向軸線が患者の皮膚表面に対して略平行となるように装着され得る。ハウジング202は、接着剤層(図示せず)も有し得る。リザーバ207は上部ハウジング部分210の支持体211上に装着されて、上部ハウジング部分210に対する摺動が制限されている。アプリケータ203は、リザーバ207の前方部分と係合する停止部257を有して、停止部257と係合した際にリザーバ207の前方動作を防止する。ラッチ256が解放された際、アプリケータ203は第1の貯蔵エネルギーデバイス234の板状ばねの影響下で皮膚貫入位置(図15〜17)に自動的に移動し得る。このことは停止部257をそのリザーバ207との遮断配置から解放する。したがって、リザーバ207が第1のコイルばね280aにより駆動されて、貫通ニードル265が隔壁287に貫入することによって、隔壁287からの流体208の流れが可能となり得る。この貫通に応答して、第2のコイルばね280bは、ピストン288に流体208をアプリケータ203内に放出させる。このリザーバ207の実施形態では、ガラスシリンダーの両端が閉鎖されていてもよく、閉鎖末端部の一方は、第2のコイルばね280bを格納するのに十分であり得る。
【0073】
図18及び19を参照して、制御流体放出装置1800の概略図の別の例示的な実施形態を説明する。接頭辞「1」が接頭辞「18」で置き換えられている以外は、同様の参照番号が同様の部分に使用される。この例示的な実施形態では、単一のアクチュエータの単一の作動が、マイクロニードル貫入の二重自動作動の開始と、並びに流体のリザーバ1807からの放出及び分配と、に関与することが可能である。抑制レバー1890は、一方の末端部がラッチ1892上の突出部と解放可能に協働し、他方の末端部が単一のアクチュエータ1840により係合可能である。単一のアクチュエータ1840を手で押圧することにより抑制ばねに打ち勝ち、次いで第1の貯蔵エネルギーデバイス1834を解放してマニホールドキャリア1862を皮膚と係合させる。
【0074】
アクチュエータ1840を更に下方に変位させると、抑制レバー1890がピボット1898にて枢動し、これは次いで抑制レバー1890のラッチ1892との干渉を除去する。抑制レバー1890以外にも、単一のアクチュエータ1840を押し下げるのに応答して第2の貯蔵エネルギーデバイスを解放する他の機構を使用できることを理解するであろう。その結果、コイルばね等の第2の貯蔵エネルギーデバイス1880が解放されてリザーバ1807を変位させ、それにより貫通ニードル1865が隔壁1887に貫入する。その結果、第2の貯蔵エネルギーデバイス1880がピストン1888を押し出して流体1808をリザーバ1807からアプリケータ1803内に放出する。
【0075】
図20を参照して、本記載の制御流体放出装置2000の更なる別の例示的な実施形態を概略的に説明する。接頭辞「1」が接頭辞「20」で置き換えられている以外は、同様の参照番号が同様の部分に使用される。この実施形態は、前記した二重自動作動を開始するために使用者が単に単一のアクチュエータ2040を始動する必要がある限りにおいて、既述の実施形態と同様である。この例示的な実施形態では、ハウジング2002と、アプリケータ2003と、リザーバ2007と、流体2008と、第1の貯蔵エネルギーデバイス2034、及び第2の貯蔵エネルギーデバイス2080とが提供される。この実施形態と図2に示される実施形態との1つの相違点は、ラッチ2092がもはやリザーバ2007を静止位置にラッチ止めするよう機能しないことである。その代わりに、指係合可能な部分2040が抑制指2045と共に提供され、抑制指2045は、リザーバ2007の前方末端部と係合して、アプリケータ2003が準備状態にある際にリザーバを停止状態に維持する。使用者が指係合可能な部材2040を押し下げた際、捕捉ばね2050が解放されて、第1の貯蔵エネルギーデバイス2034の板状ばねが、アプリケータ2003を準備位置から、中空マイクロニードル2005が患者の皮膚に貫入し得る位置へと押し出す。続いて又は実質的に同時に、抑制指2045は上方に枢動してリザーバ2007との係合から離れる。それにより第2の貯蔵エネルギーデバイス2080の第2のコイルばねが以前の図1〜13Cの実施形態と同様にリザーバ2007を変位させて、薬物カートリッジからの流体の放出及び分配を開始させる。本記載は、単一の作動に応答して第1の貯蔵エネルギーデバイス及び第2の貯蔵エネルギーデバイスを解放し、それにより第1の貯蔵エネルギーデバイス及び第2の貯蔵エネルギーデバイスが、上記したそれらの自動作動を制御様式で開始することができる、多種多様な手法を想定していることを理解するであろう。
【0076】
マニホールドキャリア162と類似したマニホールドキャリア2762の例示的な別の実施形態を概略的に示す図27に、代替的な手法が示されている。この実施形態は、薬物カートリッジ内及びアプリケータ2703の流体経路内の過剰の流体の残留を低減するためのものである。
【0077】
既述したように、薬物カートリッジ内及びマイクロニードルアプリケータアセンブリの流体経路内の過剰の流体の残留を最小限にすることは、薬物の分配に関連したコストを低減するのに有用である。本質的に、マニホールドキャリア2762は、キャリアリザーバ2766に至る流体経路2768と流体連通する貫通ニードル2765を含んでもよい。キャリアリザーバ2766内のマニホールドキャリア2762上に一体形成された突出部2795の1つ以上が、キャリアリザーバ2766の空隙を最小限にする。突出部2795は、流体の流れを可能にするが、突出部2795間の任意の流体の捕捉を最小限にするよう構成されている。この観点から、突出部2795は、適切な寸法、形状を有し、互いに対して離間されて、流体の通過を確実にして注入を提供するが、空気を含む流体ポケットの捕捉を避ける。したがって、リザーバ(例えば、薬物カートリッジ)及び流体経路内にいわゆる過剰の流体が残留する可能性が最小限となる。このことは、例えば流体がインスリンの場合、重要であり得る。
【0078】
更に、いくつかの実施形態において、突出部2795は、中空マイクロニードル2705を介して空気が導入され、流体の注入に負の影響を及ぼす可能性を最小限にし得る。また、本記載は、リザーバ107の隔壁をマニホールドキャリア2762から約10mm未満の所に配置することにより、過剰の流体がリザーバ内及びマニホールドキャリア2762の流体経路内に残留することを最小限にするように、マニホールドキャリア2762を構成することも想定している。また、マニホールドキャリア2762は、管類を排除する。これは、過剰の流体を最小限にするための別の手法である。
【0079】
図25A、25B、30、及び31を参照して、第2の貯蔵エネルギーアセンブリ又はデバイスに関する異なる種類の貯蔵エネルギーデバイス配置を説明する。
【0080】
本記載は、図14〜18に示される一対のばねの代わりに、図25A、25Bに示される一対の第1のばねデバイス及び第2のばねデバイスを使用して貫通作用及び流体注入を達成することも想定している。例えば図25Aでは、貫通ばね2500が提供されて薬物カートリッジ(図示せず)を駆動し、このばねは渦巻ばね2500であってもよい。ピストンを押し出す注入ばね2502は、コイルばね2502であってもよい。図25Bでは、貫通ばね2600は皿ばね(Belleville spring)2600であってもよく、注入ばね2602はコイルばね2602であってもよい。前述した配置は、貫通及び注入を確実及び小型な様式で達成することができる。
【0081】
図30は、第2の貯蔵エネルギーデバイス3080として作用する別の一対の第1のばねデバイス及び第2のばねデバイスを示す。第2の貯蔵エネルギーデバイス3080は、第1のばね部分3080a及び第2のばね部分3080bを有する単一の部材として形成されてもよく、第1のばね部分3080a及び第2のばね部分3080bは、それぞれ他方とは異なる直径及び強度を有して貫通及び注入又は流体送達を達成する。例えば、第1のばね部分3080aは、リザーバ3007の一方の末端部分と協働する貫通部分として作用してリザーバ3007を駆動してもよく、それにより、その隔壁(図示せず)は貫通ニードル(図示せず)により貫入されるであろう。ピストン3088と接触する第2のばね部分3080bは、注入ばねとして作用するよう機能して、貫通ニードルと隔壁とが上記したように流体経路を確立した後、リザーバ3007から流体を押し出す。
【0082】
図31は、リザーバ107上に作用する貫通ばね及び注入ばねが図示されていない実施形態を示す。この実施形態は、気体推進機構3180が貫通ばね及び注入ばねの両方として機能する点で、上記のものとは異なる。第2の貯蔵エネルギーデバイス3180としての気体推進機構は停止部3182を含み、停止部3182は、リザーバ3107の末端部にて静止状態にあるよう配置されている。第2の貯蔵エネルギーデバイス3180の気体推進機構は気体容器3184を含み、気体容器3184は、始動に応答して気体内容物を放出するであろう。第2の貯蔵エネルギーデバイス3180の気体推進機構の始動は、ばね状デバイス(図示せず)による作動に応答する任意の既知の手法によるものであってもよい。始動された後、気体バッグ3186からDuPont Dymel 236fa等の気体内容物が放出され、薬物カートリッジ及びそのピストンの変位を達成するのに十分な力を生成するであろう。第2の貯蔵エネルギーデバイス3180の気体推進機構は、既知の種類のものであってもよい。
【0083】
図32を参照して、準備システム3201と共に使用するよう適合されている制御流体放出装置3200の例示的な一実施形態を説明する。準備システム3201はハウジング3202を含んでもよく、ハウジング3202は1つ以上の凹部3204a〜3204dを有する。ハウジング3202は、プラスチック、金属等を含むがこれらに限定されない任意の好適な材料から作製されてもよい。凹部3204b〜3204d内に適合し得る、圧縮可能であり弾性を有するブロック3206が提供されている。例えば、制御流体放出装置3200がその上に載せられた際等に、使用者はブロック3206を僅かに圧縮することができる。圧縮により、制御流体放出装置3200が、凹部3204a内に位置する不動の準備デバイス3208に対して相対的に動作する。ブロック3206は、圧縮された後、弾性的にその元の状態に戻ることができる好適な発泡体材料から作製されてもよい。そのような材料の例としては、弾性ウレタン発泡体等の弾性プラスチック材料、及び他の同様の材料が挙げられる。
【0084】
準備デバイス3208は細長い基部3210を含み、基部3210は、ハウジング3202内に位置し、上方に延びる直立した略円筒形の準備工具3212を有する。また一対の案内又は整合ピン3214も上方に延び、ピン3214は、制御流体放出装置3200の側方の変位を制限する。ピン3214は、ハウジング3202の側方側と係合し得る。これは制御流体放出装置3200を中心に置くよう又は整合するよう機能し、それにより準備工具3212は、(図示しないが)図3の開口部115に対応する開口部に入って、図1〜13Cに図示される制御流体放出装置の実施形態におけるマイクロニードルアプリケータ(図示せず)と係合することができる。準備工具3212は円形の隆起部3212aを有し、隆起部3212aは、周囲縁部分163a(図3)と係合して、マイクロニードルを損傷させないよう適合されている。
【0085】
作動中、使用者は流体放出装置3200を圧縮可能なブロック3206上に載せる。使用者が制御流体放出装置3200上を下方に押す。これはブロックを圧縮するため、準備工具3212が開口部に入り、152(図13A)に対応する上部保持部材が弾性係合デバイス150(図13A)に対応するばねによりラッチ止めされるまで、アプリケータアセンブリを第1の貯蔵エネルギーデバイスに対して上方に押し出す。準備状態を達成した後、使用者は圧力を解放し、弾性ブロックは続く再使用のためにその圧力を加えられていない状態に戻る。
【0086】
本記載は、前述したクレードルが、上記した内容物を出荷及び保管し得る包装構成の一部を形成し得ることも想定している。制御流体放出装置3200、ブロック3206及び準備デバイス3208の任意の1つ又は全部を覆う包装カバー部材3226を提供してもよい。クレードル、ブロック、及び準備工具は好適な材料から作製されて、前述した機能を実行し得る。したがって、多種多様な材料を使用することができる。また、クレードル内の凹部は、使用者が制御流体放出装置3200を組み立て及び分解することを可能にするよう機能し得る。
【0087】
前述した記載は1つの例示的な実施形態を提供しているが、本開示は、マイクロニードルアセンブリ上にて押し込む多種多様な同様のデバイスを想定している。上記したように、代替的に又は付加的に、本記載は、使用前にマイクロニードルアセンブリ上にて引いてマイクロニードルアセンブリを準備することも想定している。
【0088】
図33は、身体の一部分を支持するのに有用な支持デバイス3302と組み合わせた、図1の制御流体放出装置3300の概略図である。図示される実施形態は前述した実施形態を開示しているが、本記載はそのように限定されない。支持デバイス3302は、患者の任意の身体部分を支持するよう適合されている。制御流体放出装置3300は、上述し、特許請求の範囲に包含されている任意のものを含むことができる。本質的に、制御流体放出装置3300は支持デバイス3302に結合される。制御流体放出装置3300は支持デバイス3302に接続されているため、マイクロニードルアプリケータアセンブリのマイクロニードルがそれらの貫入位置、即ち解放位置に移動した際に、例えば患者の皮膚内等、身体部分に貫入し得る一方で支持デバイスが身体部分を支持する。この後者の観点から、支持デバイス3302は制御流体放出装置3300の開口部(図示せず)と整合する開口部(図示せず)を有し得る。例示的な一実施形態では、中空マイクロニードルが使用される。別の実施形態では、皮膚又は他の身体組織に貫入するためにニードルアプリケータが使用され得る。
【0089】
制御流体放出装置3300は、その小型な性質、及び簡素で確実な作動により、本明細書に記載した種類の支持デバイス、並びに他のデバイスと組み合わせることができる。本記載では制御流体放出装置3300の使用を想定しているが、支持デバイスと共に同様のタイプの他の流体分配デバイスを使用し得ることを理解するであろう。多数の実施形態において、使用者による単一の作動により流体を確実に注入することができる。制御流体放出装置3300は、上記したもの以外の他の構造及び作動を有してもよい。本記載は、中空マイクロニードルを使用し得る流体分配デバイスを、上記した支持デバイスと共に使用することを想定している。
【0090】
本記載によれば、支持デバイス3302は、包帯、創傷被覆材、矯正用下着、装具、及びこれらの組み合わせからなる支持デバイスの群からのものであってもよい。支持デバイスは、身体部分に対して別様に取り付け、固着され、又は装着されてもよい。本記載は、支持デバイスが取り付けられる様式により限定されない。しかしながら、支持デバイスは患者に取り付けられ、制御流体放出装置3300は、装置3300が作動に応答してマイクロニードルの貫入を妨害し又は別様に妨げることなく患者に流体を送達できるように、支持デバイスに固着される。
【0091】
本発明の装置を使用して流体を注入することによる患者の処置方法が提供されることを更に理解するであろう。
【0092】
上記の実施形態について、特定の順序で達成されるように説明してきたが、そのような作業の順序が変更され得、なお本明細書の範囲内であり得ることは理解されるであろう。また、他の手順を加えることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
流体を含み、開放可能な末端部を有するリザーバと、
マイクロニードルアレイを含む第1の主表面を有するアプリケータと、
前記開放可能な末端部と前記マイクロニードルアレイとの間を連通可能な経路と、
前記アプリケータ及び前記リザーバを独立して支持する前記ハウジングと、
前記アプリケータを前記第1の主表面に対して略垂直方向に加速するように前記アプリケータに力を付与する、作動可能な第1の貯蔵エネルギーデバイスと、
前記開放可能な末端部と前記経路とが流体連通するように前記開放可能な末端部を自動的に開放する、作動可能な第2の貯蔵エネルギーデバイスであって、前記開放可能な末端部、前記経路、及び前記マイクロニードルアレイを介して前記流体を押し出す、第2の貯蔵エネルギーデバイスと、を備える、装置。
【請求項2】
前記リザーバが薬物カートリッジである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記第1の貯蔵エネルギーデバイス及び前記第2の貯蔵エネルギーデバイスを作動させるための単一のアクチュエータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロニードルアレイが、中空マイクロニードルのアレイを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが、前記リザーバをまたぐ脚部分と、前記アプリケータと接触する部分と、を有するばねを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ばねが略U字形を呈し、圧力を加えられていない際には、前記リザーバに隣接して、かつ、前記リザーバの長手方向軸線に対して略平行に横たわる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記薬物カートリッジが、前記ハウジング内にて着脱可能に交換可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記薬物カートリッジが、管状部材と、前記管状部材内で移動可能なピストンと、を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記開放可能な末端部が隔壁により密封される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記アプリケータが、前記隔壁を貫通するよう作動可能な貫通ニードルを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の貯蔵エネルギーデバイスが、前記第1の主表面に対して略平行な軸線に沿って前記薬物カートリッジを自動的に変位させる、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記隔壁から前記アプリケータまでの前記流体の流路が、約10mm以下である、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の貯蔵エネルギーデバイス及び第2の貯蔵エネルギーデバイスが、ばねデバイス、気体推進装置、化学製品、電気デバイス、及びこれらの組み合わせからなる群からの少なくとも1つの貯蔵エネルギーデバイスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の貯蔵エネルギーデバイスが第1のばね部材及び第2のばね部材を含み、前記第1のばね部材が、前記薬物カートリッジを移動して前記開放可能な末端部を開放し、前記第2のばね部材が、前記開放可能な末端部が開放された際に、前記ピストンを移動して前記薬物カートリッジから前記流体を押し出す、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のばね部材がコイルばねであり、前記第2のばね部材が皿ばねである、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のばね部材がコイルばねであり、前記第2のばね部材が渦巻ばねである、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが、前記中空マイクロニードルのアレイを約2〜20m/秒の範囲の速度で駆動する、請求項4に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが、前記中空マイクロニードルのアレイを約4〜約12m/秒の範囲の速度で駆動する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが、前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが完全に解放されると、前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが前記アプリケータから分離され、かつ、自由に反動及び振動することができるように前記アプリケータ上に支持されている、請求項4に記載の装置。
【請求項20】
前記ハウジングが、前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが完全に開放されると、前記アプリケータの動作を抑制することにより前記中空マイクロニードルのアレイの反動及び後退を最小限にする、前記ハウジングの部分を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが、前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが完全に解放されると、前記アプリケータに対する正の圧力を連続的に維持する、請求項4に記載の装置。
【請求項22】
前記アプリケータ上の少なくとも1つの振動吸収部材を更に含む、請求項4に記載の装置。
【請求項23】
前記アプリケータが、前記第1の貯蔵エネルギーデバイスと協働する解放可能なラッチ機構により準備状態に解放可能に保たれる、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の貯蔵エネルギーデバイスが、平行四辺形アセンブリを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記平行四辺形アセンブリが、前記ハウジングと前記アプリケータとの間に接続された一対のばね部材を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記平行四辺形アセンブリの前記一対の部材の1つが、一体蝶番を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記アプリケータが、前記経路と前記中空マイクロニードルのアレイとの間に配置された少なくとも1つの突出部を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項28】
前記第2の貯蔵エネルギーデバイスが、前記流体を注入するように前記ピストンを駆動する、請求項8に記載の装置。
【請求項29】
前記第2の貯蔵エネルギーデバイスが、前記流体の前記リザーバを空にするように前記ピストンを駆動する、請求項8に記載の装置。
【請求項30】
前記中空マイクロニードルのアレイの前記中空マイクロニードルが、約500μm〜約1000μmの長さを有する、請求項4に記載の装置。
【請求項31】
前記流体が、医薬品、栄養薬剤、薬用化粧品、診断用薬、及び治療薬から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記薬物カートリッジが透明部分を含み、前記ハウジングが、前記薬物カートリッジの前記透明部分を視認可能にする部分を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項33】
前記アプリケータが解放可能な接着剤層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項34】
ハウジングと、
流体を貯蔵し、開放可能な末端部を有するリザーバと、
マイクロニードルアレイを含む第1の主表面と、前記開放可能な末端部と前記マイクロニードルアレイとの間を連通可能な経路と、を有するアプリケータと、を含み、
前記ハウジングが前記アプリケータと前記リザーバとを独立して支持し、
前記アプリケータを前記第1の主表面に対して略垂直方向に加速するように前記アプリケータに力を付与する、作動可能な第1の貯蔵エネルギーデバイスと、
前記開放可能な末端部と前記経路とが流体連通するように前記開放可能な末端部を自動的に開放する、作動可能な第2の貯蔵エネルギーデバイスであって、前記開放可能な末端部、前記経路、及び前記マイクロニードルアレイを介して前記流体を押し出す、第2の貯蔵エネルギーデバイスと、
前記第1の貯蔵エネルギーデバイス及び前記第2の貯蔵エネルギーデバイスの両方に作動可能に接続され、前記第1の貯蔵エネルギーデバイス及び前記第2の貯蔵エネルギーデバイスを作動させる、作動可能な単一のアクチュエータを含む前記ハウジングと、を含む、装置。
【請求項35】
(a)流体を含み、開放可能な末端部を有する薬物カートリッジと、(b)マイクロニードルアレイを含む第1の主表面を有するアプリケータと、を支持するハウジングを提供する工程と、
前記マイクロニードルアレイを前記第1の主表面に直交する方向に自動的に変位させる工程と、
前記開放可能な末端部を自動的に開放する工程と、
前記開放可能な末端部と前記マイクロニードルアレイとの間の流体連通を確立する工程と、
前記開放可能な末端部を介して流体を前記薬物カートリッジから前記マイクロニードルアレイに自動的に押し出す工程と、を含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25A】
image rotate

【図25B】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate


【公表番号】特表2013−500773(P2013−500773A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522974(P2012−522974)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/043414
【国際公開番号】WO2011/014514
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】