説明

中空糸膜モジュールとその製造方法

本発明の目的は中空糸膜を利用した水処理時に発生するスケールなどの汚染物質除去効率を極大化することができる中空糸膜モジュールとその製造方法を提供することにある。これに本発明は、圧力差による水処理が行われる中空糸膜と、前記中空糸膜束を固定するコレクタと、前記コレクタ内側に伸びて中空糸膜の内部通路と連通して中空糸膜を経た処理水が流通する処理水管と、前記コレクタに設けられて中空糸膜に気泡を噴出するための散気管、前記コレクタに延長設置されて散気管に連結されて空気を供給するための空気管と、前記コレクタ上に設けられて前記中空糸膜束を複数個の領域に区画するためのディバイダーとを含む中空糸膜モジュールを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中空糸膜を利用した水処理用分離膜に関し、さらに詳しくは、洗浄効率を高めた中空糸膜モジュールと中空糸膜モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、浄水・下水・廃水の処理における分離膜の使用は1960年代に始まって以来、今までその使用が飛躍的に増加している。
しかし、従来の分離膜使用は高度処理の概念として1次的に処理された処理水を別途の分離膜工程を置くことにより、さらに改善された水質の処理水を得るためのものであった。
したがって、このような方式は良い水質の処理水を得ることはできるが、既存の施設に付加的施設をさらに備えなければならないために、付加施設を設置・運営・維持するのに多くの費用が追加的にかかる負担がある。
【0003】
ここにおいて、1989年の山本カズオらの“Direct Solid-Liquid Separation Using Hollow Fiber Membranein an Activated Sludge Aeration Tank”論文で、最初に分離膜(中空糸膜)を反応器内に直接浸漬させて処理水を得る実験を報じたのを初めとして、膜生物反応器(Membrane Bio Reactor;MBR)が飛躍的に発展した。
このようなMBR工程は、まず、既存の活性スラッジ工程に比べて高濃度の活性スラッジ濃度(MLSS8,000-15,000ppm)を維持して運転することによって下水を短い滞留時間内に処理できるので、下水処理に必要な空間を縮小することができる。
また、標準活性汚泥法など、主として微生物のみを利用する工程で発生し得る異常現象、つまり、有機物負荷変動、膨化現象、泡現象などの問題が発生して活性スラッジの沈降性がよくない場合に対しても安定な処理水が得られる長所を持っている。
しかし、MBR工程で生じる最も大きな問題は分離膜汚染現象である。これは分離膜の駆動力がほとんど圧力差によるもので、反応槽内の活性スラッジ及びその他の分離膜汚染物質が膜表面や孔隙内に蓄積されて有効膜表面積を低減させ、これによって処理水の水量が減少する問題である。
このような分離膜汚染現象を低減させるために、今まで多くの研究者によって分離膜の材質に関する研究が行われてきており、物理的には膜表面に対向流を誘導する方法も研究されてきた。
【0004】
ここで、分離膜材質に関する研究は主に膜表面を界面活性剤やプラズマなどを利用して親水性に改質する方向に進められてきており、物理的な方法は主に膜表面に空気を利用する等の物理的効果、特に対向流を誘導して膜表面に蓄積されたスラッジケーキを除去したり、蓄積されないようにする方向で研究が進められてきた。
このように膜汚染を最少化するために、次のような多様な試みが開示されている。
三菱レイヨン株式会社(Mitsubishi rayon)や株式会社ゼノン (Zenon)のモジュールの場合、処理水コレクタが中空糸膜の両側に設置された構造で、分離膜を経て処理された処理水は、まず両側のコレクタに集められてポンプを通じて処理水槽に移される。
このように処理水コレクタが中空糸膜の両端にある場合、中空糸膜の両端が固定されて空気による中空糸膜の動きが制限され、そのために空気による十字流または供給された空気による物理的揺動を利用したのでは、分離膜汚染現象低減効果を得るのに限界がある。
また、二つの形態のモジュールとも減圧の影響を最初に受ける位置(つまり、最も高い圧力差を起こす所)が2ケ所であるので、その位置で生じる強い汚染物蓄積現象を防止することができなくなる。
また、ゼノン社のモジュールの場合、下部から供給された空気が上昇しながら活性スラッジを浮上させるが、浮上する活性スラッジがモジュール上部のコレクタによって完全に通過できず、上部コレクタによって流れが円滑に維持できなくて完全に循環せずに上部コレクタによって停止しその位置の圧力差によって再び膜表面に蓄積される現象が発生する。
このような膜汚染(特に、スラッジケーキによる)は引続き圧力差がより大きい領域、つまり、汚染が激しくない部分へ伝播するので、結果的に中空糸膜全体を汚染させ、このような現象は維持補修洗浄の周期を短縮し、そのため中空糸膜の寿命を短縮する結果を招く。
【0005】
一方、1992年T.Ahmedなどが発表した“Use of Sealed-end Hollow Fibers for Bubbleless Membrane Aeration:experimental studies”ではモジュールの用途は異なるが、処理水コレクタが中空糸膜の一側先端にのみ設置された形態のモジュールが開示されている。
【0006】
そして、東レ(Toray)社で出願されたJP11128692やクラレ(Kuraray)社のJP10202270、大韓民国特開2001-112874や大韓民国特開2002-39383号、また、前記論文で言及されたモジュールとほとんど類似な形態のモジュールを開示している。
しかし、前記構造もまた予測可能な問題点を持っているが、例えば、東レ社の中空糸膜モジュールの場合、中空糸膜の下端のみがコレクタに固定されている構造で、モジュール内中空糸膜が倒れやすく、運転中互いに異なる空気フローによって流体流れに異常流れが発生して中空糸膜が絡まり、絡まった流れによる物理的ストレスが集中するので、絡まった部分で中空糸膜が切れたり、固定剤との界面で切れる問題が発生する。
つまり、モジュール内分離膜が倒れるというのは、沈殿槽内で運転する時には発生しないことであるが、維持補修などを目的で中空糸膜モジュールを曝気槽外部に取り出す時に容易に発生することがある。
【0007】
また、モジュール内中空糸膜が絡んで折れる場合は、運転中散気管のバランスを安定的に維持できず散気管が受ける水圧に差が生じることにより、水圧が高い所で供給空気量が少なく、低い所で空気供給量が多くなって、空気供給量の多い地域から供給量の少ない側へ流体の流れが生じ、その流れに沿って中空糸膜が方向性を持って互いに絡む。
また、中空糸膜モジュールがある一方向に傾いている場合、供給される空気の流れがモジュールに接触する位置が互いに相異なって一定パターンの流体流れが誘導できなくなり、このように相異なる流体の流れによってモジュール内に逆行する流れが発生して中空糸膜らが互いに絡み、絡んだ位置で流体流れの物理的ストレスを連続的に受けて絡んだ位置で中空糸膜が切断されたり、全体的ストレスが固定剤と中空糸膜の間の界面に加えられてその位置で中空糸膜が切断される。
前記中空糸膜が倒れる問題は中空糸膜モジュールの大きさが大型化するほど容易に現れ、したがって、前記従来技術のモジュールはその規模を大きくすることができず、大容量で使用する時には多くのモジュールを利用しなければならないなので新設、運転、維持などにかかる経済的負担が大きくなる問題点がある。
【0008】
一方、中空糸膜モジュール製造のためには互いに分離されているそれぞれの中空糸膜を一つの単位ユニットに作らなければならず、このために中空糸膜の外周の間にサーモプラスチックやサーモセッティング材料を利用して固定する工程を経る。
この工程で最も重要な点は、固定剤が中空糸膜内部通路に浸透して内部通路を塞がないようにすることと、中空糸膜と固定剤との間に細孔が発生してその細孔の間に汚染物質が流入しないようにすることである。
これについては、従来は中空糸膜の一端内部通路を先に乗せたり、他の物質を利用して1次的に塞いだ後、固定剤を投入して完全固定し、下部を一定高さに切り出して内部通路を再び回復させる構造が使用されており、中空糸膜の下部を切り出すために帯鋸や鋭い刃、油圧式カッター、レーザーなどが利用された。
【0009】
ところが、前記従来の構造は中空糸膜の下部を切り出した後に捨てられる固定剤及び中空糸膜切れなどの2次廃棄物を発生させ、これら廃棄物は事実上再利用が不可能であるため経済的損失を生じる問題点がある。また、帯鋸を利用する場合、帯鋸によって切れた固定剤切の切片が中空糸膜内部通路を再び塞ぐ場合が発生して圧力損失を誘発し、刃や油圧式カッターを利用する場合、高い圧力や力を利用しなければならないので、固定剤がモールドから脱落する等、汚染物質が処理水内に流入する問題が発生する。
前記問題はほとんど小さいモジュールの場合には余り発生しないが、モジュールが大きくなって大型化された場合には多発し、レーザーを利用する方法はモジュールの大型化には有利であるが、装置、施設費が高価である問題点がある。
【0010】
一方、従来技術において看過できない重要な問題点として中空糸膜モジュールの充填密度がある。
充填密度は成形されるモジュールの単位面積内にどの程度多くの中空糸膜が充填できるかということで、従来の商品化された浸漬型中空糸膜モジュールの場合、その充填密度がよくても10〜25%内外で、より多くのモジュールを使用して廃水を処理しなければならず、その結果経済的損失を誘発する問題点がある。
これはモールド内に中空糸膜を固定する固定剤が比較的高い粘度を持っていて時間の経過によって固体化されて次第に粘度が増加するようになって中空糸膜間隙の間への浸透が容易でないためであって、中空糸膜を一つのモールド内に多数組み込むことができない。
【0011】
また、任意に中空糸膜の相互間隔を決めないでモジュールを成形する場合、充填密度を下げてもいくらかの中空糸膜は稠密に集まって固定剤の浸透が難しくなる場合が発生する。
したがって、従来の商品化されたモジュールの場合、上述の固定剤の浸透問題を解決するためにゼノン社の場合US006294039B1やUS006042677Aなどの特許に開示したように、テープ上に中空糸膜を一定間隔に配列付着して中空糸膜の間の間隔を一定に維持したり接着剤などを利用して同一な効果を得た。
しかし、前記従来の構造は単純に中空糸膜間隙の間への固定剤投入を容易にするためのもので、中空糸膜を任意的に一定空間だけ離隔しなければならないので高い充填密度の達成は期待できない。
【0012】
また、従来特許US20010037967A1やUS20020153299A1の場合、中空糸膜モジュールの成形時に2種類の互いに異なる物質を利用する方法を提示しているが、前者の場合、液相の下部充填材を仮充填材として利用するので仮充填材が毛細管現象によって中空糸膜の間に沿って上昇してその後に完全固定剤が浸透されるべき位置を塞ぐことにより、完全固定剤が中空糸膜モジュールの間に浸透できない問題を引き起こす。
また、後者の場合は仮固定剤として使用される物質を固体で粒子が非常に小さい粉末を利用するので、粉末状態の仮固定剤が中空糸膜内部通路に完壁に浸透されなければならず、中空糸膜の間の間隙にも完全に浸透されなければならない。
しかし、前記従来技術は固体状態の仮固定剤を中空糸膜の間に一定高さで充填することが難しく、仮固定剤が一定大きさ以上である場合、仮固定剤の間の空間が広くなることによってその間へ完全固定剤が浸透して中空糸膜の内部通路を塞ぐ確率が高まり、水溶性でない仮固定剤を使用する場合、仮固定剤を完全に回収することが難しく、この場合、結局処理水内に連続的に仮固定剤が混入されて処理水水質を保障することができなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するために案出されたものであって、その目的は、中空糸膜を利用した水処理時に発生するスケールなどの汚染物質除去効率を極大化することができる中空糸膜モジュールとその製造方法を提供することにある。
第二に、一つのモジュール内に集束される中空糸膜の個数を増やして中空糸膜モジュールの充填密度を高めることができる中空糸膜モジュールとその製造方法を提供することにある。
第三に、本発明は中空糸膜の剛性を補強して中空糸膜全体の動きによる中空糸膜の切断を防止することができる中空糸膜モジュールとその製造方法を提供することにある。
第四に、本発明は一端が自由な状態の中空糸膜が互いに絡んだり倒れることを防止してモジュールの大きさを大型化することができる中空糸膜モジュールとその製造方法を提供することにある。
第五に、本発明は散気管を通じて排出される気泡を中空糸膜に集中的に伝達できるようにして気泡利用率を高め、空気使用量対比汚染物除去率を極大化させることができる中空糸膜モジュールとその製造方法を提供することにある。
第六に、本発明は中空糸膜の固定構造を改善して2次廃棄物の発生を縮小し、中空糸膜の内部通路が塞がったり汚染物質が処理水へ流入したりすることを防止することができる中空糸膜モジュールとその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記第一目的を達成するために本発明は、モジュールを構成する中空糸膜の下端のみがコレクタに固定され、上端は自由端をなすことを特徴とする。
つまり、上端は自由端をなし、下端はコレクタに固定される中空糸膜と、前記コレクタに設けられて気泡を噴出するための散気管、前記コレクタへ伸びて散気管に空気を供給するための空気管と中空糸膜を通じてろ過された処理水を排出するための処理水管を含んで成る。
【0015】
本発明は前記第二及び第三目的を達成するために中空糸膜の外周に水に溶けない材質のコーティング剤が被覆された構造からなっている。
前記コーティング剤としてはエチレンビニルアセテートなどのように中空糸膜と粘着力に優れた材質を使用することが好ましい。
また、本発明の他の実施例によれば、前記コーティング剤は中空糸膜の最下端から一定の高さを隔てて下端を有するようにその上側を被覆することを特徴とする。
そして、前記コーティング剤の上部被覆は後述する完全固定剤の上面から一定の高さを隔てて上端を有するようにその領域を被覆することが好ましい。これは気泡の影響を受ける位置で中空糸膜の減圧を開始させるためである。
コーティング剤被覆によって中空糸膜の間の固定剤浸透効率を高めて浸漬型中空糸膜モジュールに対する中空糸膜の充填密度を80%台に極大化させることができる。
【0016】
本発明は前記第四目的を達成するために、前記モジュールのコレクタに垂直に区画部が設けられてコレクタに固定された中空糸膜が複数個の領域に分離された構造からなっている。
【0017】
また、本発明の第五目的は、前記モジュールの外側に中空糸膜を囲む円筒形態のハウジングを設けた構造によって達成される。
ここで、前記ハウジングは区画部の外側端に設置固定し、前記ハウジングで囲まれた中空糸膜へ廃水が流入できるように前記ハウジングの下端は開放させて廃水流入口を形成することが好ましい。
【0018】
そして、前記第六目的を達成するために、本発明は中空糸膜をモールドに固定するための固定剤が、固液相変化が容易な軟性物質からなる仮固定剤と、実質的に中空糸膜を固定するための完全固定剤に区分されることを特徴とする。
中空糸膜をモールドに固定するために本発明はまず、仮固定剤で中空糸膜をモールドに固定する段階と、仮固定剤上に完全固定剤を成形する段階及び前記仮固定剤が塗布された中空糸膜下端を切断する段階を含む。
前記完全固定剤は仮固定剤と化学的な反応を起こさない粘着性材質を使用する必要があり、好ましくはポリウレタンやエポキシなどの接着性質を有する素材であれば幅広く使用できる。
そして、前記仮固定剤は温度によって固液相変化が可能な接着性の素材であれば特に限定なく使用することができ、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)またはシリコンなどがある。
ここで、前記仮固定剤は液相で使用され、この時、毛細管現象によって液相の仮固定剤が中空糸膜の間の間隙に沿って上昇することがあるが、これを防止するために本発明は温度調節を通じて仮固定剤の粘度を調節する方法を提供する。
【0019】
また、本発明によれば、コーティング剤と関連して前記ハウジングの廃水流入口は前記コーティング剤の上端に位置させることが好ましく、さらに好ましくは廃水流入口の上端高さをコーティング剤の上端高さと同一であるか少し高く形成する。
【0020】
一方、本発明は液相の仮固定剤によって中空糸膜をモールドに固定するために、仮固定剤を融点まで高めて液相にする段階と、前記液相の仮固定剤を中空糸膜とモールドとの間に注入した後、仮固定剤を固体化して一単位束を作る段階と、全モールド内に前記各単位束を入れて仮固定剤上に完全固定剤を浸透させて成形する段階と、前記仮固定剤が成形されたモールド下端の温度を仮固定剤の融点まで高めて液相の仮固定剤を回収する段階とを含む。
したがって、本発明は前記過程を通じて使用された仮固定剤を容易に回収することができる。
【0021】
そして、本発明は仮固定剤を溶解する過程で温度調節を通じて前記仮固定剤の粘度を調節することにより、毛細管現象を防止して仮固定剤を中空糸膜の間に均一な高さに成形する。
【発明の効果】
【0022】
本発明による中空糸膜モジュールとその製造方法によれば、スケールなどの汚染物質の除去効率を高めることができる。
また、中空糸膜モジュールの充填密度を極大化させて単位モジュール当り水処理能力を高めることができる効果がある。
また、中空糸膜が互いに絡んだり倒れることを防止してモジュールの大きさを大型化することができる。
また、散気管を通じて排出される気泡を中空糸膜に集中的に伝達して気泡利用率を高め、空気使用量当りの汚染物除去率を極大化することができる。
また、中空糸膜固定剤による2次廃棄物の発生を減らし、中空糸膜の内部通路が塞がったり汚染物質が処理水へ流入したりすることを防止することができる。
また、中空糸膜の剛性を高めて中空糸膜の切断を防止して寿命を延長することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による中空糸膜モジュールを示した概略的な斜視図であり、図2は本発明による中空糸膜モジュールの側断面図であり、図3は本発明による中空糸膜モジュールの平断面図である。
本実施例では複数個の中空糸膜が一つの単位モジュールを構成することを例として説明する。
下記の実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明が下記の実施例に限られるわけではない。
【0024】
上述の図面によれば、本発明の中空糸膜モジュールは圧力差による水処理が行われる中空糸膜10と、この中空糸膜10の束の下端を固定するモールドが設置されるコレクタ20、前記コレクタ20内側に伸び、中空糸膜10の内部通路と連通して中空糸膜10を経た処理水が流通する処理水管30、前記コレクタ20に設けられて中空糸膜10へ気泡を噴出するための散気管50、前記コレクタ20に延長設置されて散気管50に連結されて空気を供給するための空気管40、前記コレクタ20上に垂直設置されて前記中空糸膜10の束を複数個の領域に区画するための区画部60、中空糸膜10の束の外周を囲んで下端には中空糸膜10へ廃水が流入されるように廃水流入口71が形成された円筒形態のハウジング70、前記中空糸膜の下端外周に被覆されるコーティング剤90を含む。
ここで、本実施例によれば、前記処理水管30はコレクタ20の中央に設けられて中空糸膜10の長さ方向に伸びるが、外側に二重管形態に空気管40が設けられる。
二重管形態にコレクタ20内側に連結設置された空気管40はコレクタ20の散気管50と連結され、内側の処理水管30は下方にさらに伸びてコレクタ20の内側で中空糸膜10の内部通路と連通する。
【0025】
以下では各構成部についてさらに詳しく説明する。
1)中空糸膜
本実施例では中空糸膜としてSKケミカル社で製造されたポリスルホン材質の中空糸膜を使用する。
【0026】
2)コレクタ
前記コレクタ20は内側に中空糸膜10が成形されたモールド(図示せず)が気密状態で装着され、上部には散気管50が位置して気泡を発生させるようになっており、下部には中空糸膜10の内部通路と連通する一定空間が備えられた構造になっている。
そして、コレクタ20の中央に垂直に設置された二重管構造の処理水管と空気管は各々コレクタ20内部まで伸びて空気管40は側面に形成された流通用孔を通じて散気管と連通し、処理水管30は側面に形成された流通用孔を通じて前記空間に連結されて中空糸膜の内部通路と連通する。
【0027】
3)区画部
区画部60はコレクタ20の中央に設けられた空気管40を中心に放射方向に配置され、下端はコレクタ20に固定され、内側端は空気管40に固定される。
本実施例では図1で示したように前記区画部60が6個設けられて中空糸膜10の束を6個の区域に区分する構造になっている。
したがって、一つのモジュールに設置される各中空糸膜10は区画部60で区分されるいくつかの区画された空間内に小単位で配置でき、その結果モジュール全体の中空糸膜10に加えられる外力に対して中空糸膜10の全体が一方向に偏ったり絡むことを防止してモジュールの大きさを大型化することができる。
つまり、前記中空糸膜モジュールは散気管50の水平が一定でないか、モジュール自体の水平が完全でない場合、流体の流れによって中空糸膜10が方向性を有し、流体の流れが逆行して中空糸膜10が互いに偏ったり絡むが、この時、空気管40に対して一定間隔で設置された区画部60が中空糸膜10の動きに制限を加えて中空糸膜10が倒れたり絡む現象を防止する。
もちろん、前記区画部60の設置構造は前記実施例に限定されず、コレクタ20の構造や大きさに応じて変更できる。
【0028】
4)ハウジング
ハウジング70はアクリルまたはPVCなどの材質からなり、中空糸膜10の長さ方向に伸びた円筒形態または四角筒形態になっている。
前記ハウジング70は前記モジュールの中空糸膜10の外側を覆って設置されるが、下端はコレクタ20に固定され、内側端は区画部60の外側先端に付着設置されて支持される。
そして、前記ハウジング70の下端には外周面に沿って廃水流入口71が形成されてハウジング70内側に位置した中空糸膜10に廃水を出入させる構造になっている。
ここで、前記廃水流入口71の設置位置や流入口71の高さ及び幅については中空糸膜のコーティング剤の被覆位置と関連があるので、これについては後述する。
このように前記ハウジング70は中空糸膜モジュールを外部と遮断することによって散気管50から噴出された気泡がハウジング70によって外部に漏出せず、全てハウジング70内部の中空糸膜10へのみ流れて少量の空気でも中空糸膜10の汚染物質を効率的に除去することができる。
下記表1は従来技術による中空糸膜モジュールと本発明によってハウジングが設けられた中空糸膜モジュールの空気供給量比較例である。
【0029】
【表1】

【0030】
表1において、比較例1はハウジングがなく、散気管がモジュールと独立的な構造の浸漬型平膜モジュールである。
比較例2はコレクタが左右側に位置して中空糸膜が水平方向に設けられてハウジングがない構造の浸漬型中空糸膜モジュールである。
比較例3はコレクタが上下端に位置して中空糸膜が垂直方向に設けられてハウジングがない構造の浸漬型中空糸膜モジュールである。
また、実施例は本実施例によってハウジングが設けられた構造の中空糸膜モジュールである。
【0031】
表1から分かるように、従来の技術による比較例と本発明の実施例を比較した結果、ハウジング70を設置した場合が中空糸膜10のみ設置された場合より同一な膜面積当り空気供給量を縮小することができた。
【0032】
5)固定剤
中空糸膜モジュールを製造するためには複数個の中空糸膜10の端部をモールド(図示せず)に固定し、モールドに固定された中空糸膜10の端部の内部通路を回復する過程を経る。
前記固定剤はこの過程で中空糸膜10をモールドに固定するためのものであって、本実施例では前記固定剤が中空糸膜10をモールドに完全に固定するための完全固定剤80と、完全固定剤80による中空糸膜10固定前に中空糸膜10端部をモールドに仮固定するための仮固定剤81からなる構造になっている。
前記完全固定剤80は仮固定剤81と化学的に反応を起こさずに強い接着性を持つ材質を使用する必要があり、好ましくはポリウレタンやエポキシなどを使用するが、特にこれに限定されない。
また、前記仮固定剤81は使用後には中空糸膜10から除去されなければならないが、本実施例では固液相変化を通じて仮固定剤を回収処理する構造で、好ましくは、融点は約45〜60℃程度である材質がよく、さらに好ましくは固液相変化が容易な水溶性材質がよい。
好ましくは、ポリエチレングリコール(PEG)やシリコンなどを使用するが、特にこれに限定されない。
【0033】
前記仮固定剤81と完全固定剤80を利用して中空糸膜10をモールドに固定する方法は次の通りである。
まず、中空糸膜10最下端を先に仮固定剤81で固定するが、前記仮固定剤81をモールドに注入して中空糸膜10の間に仮固定剤81を浸透固定する。
この時、前記仮固定剤81は液相で存在するので、特別な物理的装置や方法適用がなくてもモールドに充填された中空糸膜の間を容易に浸透して充填される。
そして、仮固定剤81がモールドに充填された後には温度を下げて仮固定剤81を固体状態に成形する。
仮固定剤81が完全成形された後には仮固定剤81の上に完全固定剤80を注入してモールドに中空糸膜10を完全に固定する。
そして、完全固定剤80が完全成硬化した後には仮固定剤を再び融点まで加熱することによって固体状態の仮固定剤を再び液相に変化させ、これを回収することで中空糸膜の内部通路を回復させ、仮固定剤を再使用できるように回収する。
前記構造は従来の完全固定剤のみを使用する構造と比較して前記仮固定剤81として水溶性材質のPEGを使用してこれを溶解することによって回収且つ再活用することができるので、2次廃棄物の発生を抑制することができる。
【0034】
一方、本実施例では前記のように液相の仮固定剤81が使用されることによって中空糸膜の間の間隔が均一でない場合、中空糸膜10の間の毛細管現象によって一部では仮固定剤81が中空糸膜10の間に沿って上昇することがあり、そのために仮固定剤81の高さが均一でなくなって、一部では仮固定剤81が、完全固定剤80が注入されるべき部分まで上昇して完全固定剤80の浸透ができなくなる。
したがって、本実施例では温度調節を通じて前記仮固定剤81の粘度を調節し、毛細管現象を防止し仮固定剤81が中空糸膜10の間に均一な高さに成形されるようにする。図4は仮固定剤81が均一に注入成形され、その上に完全固定剤80が注入成形された状態を例示している。
つまり、本実施例の中空糸膜10固定過程は仮固定剤81を融点温度まで上げて粘度を高く維持した液相に溶かす段階と、前記液相の仮固定剤81を中空糸膜10とモールドとの間に注入した後、仮固定剤81を固体化して単位体を作る段階と、全モールド内に前記各単位体を入れて仮固定剤81上に完全固定剤80を浸透させて成形する段階と、仮固定剤81が成形されたモールド下端の温度を高めて仮固定剤81を回収する段階とを含む。
その結果、中空糸膜10の間の相互間隔が一定でない場合にも毛細管現象などの問題を起こさず、各単位体を優先的に成形する。この結果、モジュールが大型化(400m/モジュール以上)される場合にも容易に製造することができる。
また、仮固定剤81を粘度の高い液相に維持できるので、仮固定剤81の高さを低くて均一に維持してモジュール下部のコレクタ20で起こり得る圧力損失を最少化する。
【0035】
6)コーティング剤
コーティング剤90は中空糸膜10の外周で、特に負荷が集中する位置である中空糸膜10の下端にコーティングされて、中空糸膜10の強度を高める作用とともに中空糸膜モジュールの充填密度を高めるのに重要な役割を果たす。
好ましくは、水に溶解せず中空糸膜10との粘着力に優れた材質であるエチレンビニルアセテートからなる。
下記の表2はコーティング剤の被覆厚さと中空糸膜材質による引張強度との関係を示したグラフである。表2に示したように、コーティング剤を被覆した場合がコーティング剤を被覆しなかった場合より引張強度が高く、同じコーティング処理の場合、被覆厚さの大きい場合がさらに引張強度が高いということが確認できた。
【0036】
【表2】

【0037】
表2において、PSfはポリスルホン材質の中空糸膜を示し、PVDFはポリフッ化ビニリデン材質の中空糸膜を示す。
【0038】
そして、表3はコーティング剤が被覆された中空糸膜と、被覆されなかった膜との時間による膜切断個数の累積変化を示したグラフである。コーティング剤が被覆されなかった膜は時間の経過及び空気量が増大することに伴い切断個数がさらに増加する反面、コーティング剤が被覆された中空糸膜の場合、時間が経過しても切断個数の変化がないということが分かった。
【0039】
【表3】

【0040】
このように中空糸膜の下端をコーティング剤で被覆処理することによって、中空糸膜の動きによる切断を防止することができる。
【0041】
一方、コーティング剤は中空糸膜モジュールの充填密度を高める作用をし、コーティング剤の被覆位置は特に固定剤成形の容易性と、気泡による汚染物質除去効率性及びハウジングの廃水流入口位置と密接な関連がある。
本実施例で前記コーティング剤は前記中空糸膜の最下端から所定高さ上側を、完全固定剤の上端より所定高さ以上までの範囲で被覆される構造になっている。
中空糸膜の最下端からではなく一定高さ上側からコーティング剤が被覆されることによって、次のような作用効果が得られる。
【0042】
図5に示したように、モジュールを作るためにコーティング剤90が被覆された中空糸膜10の下端を仮固定剤で固定したり完全固定剤を使用して中空糸膜一つ一つを固定する時、コーティングされた部分の高さを最も底位置より高くすることで、仮固定剤81で一次成形された状態で中空糸膜のコーティングされなかった下部は中空糸膜間の間隔が比較的に広いので中央管を通じて流入される完全固定剤80が膜の間に円滑に浸透できるとともに、コーティングされなかった部分の間で毛細管現象発生でより容易な浸透が可能になり、コーティングされていない中空糸膜より中空糸膜の間の間隔を均一に維持して固定剤の高さ差をなくすことができる。
【0043】
このようにコーティング剤90を被覆してコーティング剤の被覆厚さだけ所望の位置における中空糸膜10外周を調節することによって、中空糸膜10の間の間隙を一定に維持して固定剤の浸透を円滑にし、中空糸膜10の充填密度を高めることができる。
つまり、中空糸膜10が一つのモジュール内に稠密に密集してコーティング剤90が被覆された位置では中空糸膜10間の間隔が狭くても、仮固定剤81が成形された後、仮固定剤高さからコーティング開始位置まではコーティング剤90の厚さだけ中空糸膜10の広い空間を確保して一定間隔で離れているので、完全固定剤80の浸透が容易であり、先に浸透した完全固定剤80が上部に上昇しながらコーティング剤90が被覆された地域、つまり、中空糸膜10の間隙が狭くなる領域と接触する場合、この間隔を充填することにおいても中空糸膜10の間隙がコーティング剤90によって狭くなっていて毛細管現象によって完全固定剤80がより容易に浸透できる。
その結果、モジュール内に中空糸膜10を多く充填しても完全固定剤80の浸透失敗現象を防止することができる。したがって、前記構造を通じて浸漬型モジュールの場合にも中空糸膜10の充填密度を20〜80%まで、好ましくは40〜60%に高めることができ、従来と比較して単位モジュール当り処理容量を2倍以上増加させることができる。
【0044】
下記表4はコーティング剤被覆有無による充填密度と中空糸膜10固定成功率を示したグラフである。
【0045】
【表4】

【0046】
表4で確認できるように、浸漬型モジュールの中空糸膜10にコーティング剤90を被覆した場合、コーティング剤を被覆しなかった場合に比べて充填密度を約60%まで高めた状態でも中空糸膜10を確実に固定することができる。
【0047】
ここで、中空糸膜10モジュールの充填密度とは、中空糸膜10を商品化されたユニットに作った場合、中空糸膜10が充填されるモールドの単位面積に対する充填された中空糸膜の全単位面積(中空糸膜の単位面積/モジュールの単位面積)の百分率またはモジュールの単位面積に対する充填できた中空糸膜の膜個数(thread/cm2)またはモジュールの単位面積に対する充填された中空糸膜の有効膜面積のことを意味し、最終的に成形されるモジュールの単位面積内にどの程度多くの中空糸膜が充填できるかを示す。
【0048】
毛細管現象は液体が固体の面に沿って上昇する現象を言い、上昇する高さは表面張力を密度と重力加速度と半径の積で除した値であり、中空糸膜モジュールで表面張力、密度、重力加速度が一定の方法で決められれば、固定剤が中空糸膜の間に沿って上昇するのに重要な因子は中空糸膜の間の間隔になる。
したがって、仮固定剤81の場合には、中空糸膜10固定初期段階である仮固定剤81で中空糸膜10最下端を固定する過程で中空糸膜最下端間の間隙がコーティング剤90によって拡張されているので、毛細管現象によって仮固定剤81が上昇する高さが制限され、さらに温度調節を通じて仮固定剤81の粘度を増加させる場合、毛細管現象による影響を最少化することができる。
そして、前記構造を通じて仮固定剤の浸透高さを約5〜10mm、好ましくは2〜5mm以内に最少化することができ、その結果、仮固定剤の使用量を減らすことができる。
【0049】
これに反し、完全固定剤80の場合には仮固定剤81の上端からコーティング剤90被覆底部端位置までの間がコーティング剤90によって拡張されていて完全固定剤80の浸透が容易になり、被覆位置からモールドまでの領域はコーティング剤90によってその間隔が縮小された状態で毛細管現象によって完全固定剤が容易に中空糸膜10に沿って上昇して中空糸膜を固定する。
このようなコーティング剤90による作用効果は従来完全固定剤と比重の異なる液相の仮充填材を利用する方法によって引き起こされる問題、つまり、下部の仮充填材が液相であることによって、毛細管現象によって中空糸膜10に沿って上昇して完全固定剤浸透位置を塞ぐ現象を解決することができる。
【0050】
一方、コーティング剤90が完全固定剤80の上端より所定高さ以上まで被覆される理由を見てみれば、本実施例の中空糸膜は減圧を使用して廃水をろ過することによって中空糸膜は完全固定剤80界面で最も大きい圧力を受けて、この位置で汚染が始まるが、この位置は散気管から噴出される気泡によるスクラッビング効果を直接的に受けない所であって、汚染物質が脱落できず、上部へ次第に蓄積されて中空糸膜としての役割遂行が不可能になる。
これは減圧によるろ過の最初開始位置が気泡の影響を受けない所で行われるためで、前記のようにコーティング剤90を完全固定剤80上部から一定高さ以上までコーティングすることによって完全固定剤80界面における中空糸膜最下端部は減圧が発生しないように誘導し、中空糸膜全体的に気泡の影響を受ける位置で減圧を開始する。
【0051】
また、ハウジング70の廃水流入口71と関連しては次の二つが前提となる。
第一に、中空糸膜はコーティング剤90の上端位置(コーティングされなかった中空糸膜の開始位置)で減圧が始まって汚染物質が蓄積され、その位置でスラッジケーキによる汚染現象が上部に増加する。
第二に、ハウジングの下部に形成した廃水流入口は流入口の最上部で最も速い流速を持つ。
したがって、前記二つの前提下でコーティング剤90の上端位置とハウジングの廃水流入口の上端位置を同じ高さに合せたり、廃水流入口の上端位置を相対的に高く位置させることにより、流速を利用して中空糸膜表面に蓄積される汚染物質除去効率を高めることができる。
【0052】
以下、本発明による中空糸膜モジュールの作用について説明する。
廃水はハウジングの流入口71を通じてハウジング70内部に流入し、中空糸膜10を通じてろ過され、ろ過された水は中空糸膜10の内部通路と連通した処理水管30を通じて排出処理される。
そして、空気管40を通じて供給された空気は散気管50を通じて気泡形態に噴出し、噴出された気泡はハウジング70内部に沿って上昇しながら中空糸膜10を振動させ、この過程で中空糸膜に付着した汚染物質が除去される。
【0053】
前記気泡による汚染物洗浄過程をさらに詳しく説明すれば、空気バルブなどの開放作動によって空気管を通じて供給された空気はコレクタの散気管に流入して散気管に形成されている複数の噴射ホールを通じてハウジング内部に気泡形態で排出される。
この時、前記散気管はコレクタ全面にわったて設けられているので、モジュールが区画部によっていくつかの領域に分離されていても気泡は全ての領域に均等に噴出される。
このように噴出される気泡はハウジングによって外部へ流出されない状態で中空糸膜の下から上に向かって上昇しながら、上端が自由な中空糸膜を振動させ、この過程で数多くの中空糸膜に付着した汚染粒子が除去されてスケール形成を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による中空糸膜モジュールを示した概略的な斜視図
【図2】本発明による中空糸膜モジュールの側断面図
【図3】本発明による中空糸膜モジュールの平断面図
【図4】本発明による中空糸膜モジュールの下部固定部を示した概略的な側面図
【図5】本発明による中空糸膜モジュールの一部構成を示した図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力差による水処理が行われ、上端は自由端をなす中空糸膜と、
前記中空糸膜束の下端を束ねて固定するコレクタと、
前記コレクタ内側に伸びて中空糸膜の内部通路と連通して中空糸膜を経た処理水が流出する処理水管と、
前記コレクタに設けられて中空糸膜に気泡を噴出するための散気管と、
前記コレクタに延長設置され、散気管に連結されて空気を供給するための空気管と、
前記コレクタ上に設けられて前記中空糸膜束を複数個の領域に区画するための区画部とを有する中空糸膜モジュール。
【請求項2】
前記中空糸膜モジュールの外側に中空糸膜を囲むハウジングがさらに設置されたことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項3】
前記ハウジングの外側面に、廃水を前記ハウジングの内部に流入させるための廃水流入口が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項4】
前記中空糸膜をコレクタのモールドに固定するための固定剤が、固液相変化が容易な軟性物質からなる仮固定剤と、中空糸膜を固定するための完全固定剤とに区分されたことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項5】
前記完全固定剤は、前記仮固定剤と化学的な反応を起こさないポリウレタンまたはエポキシまたはラバーなどの材質よりなることを特徴とする請求項4に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項6】
前記仮固定剤は、融点が45〜60℃である材質、または固液相変化をする水溶性材質であることを特徴とする請求項4に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項7】
前記仮固定剤は、ポリエチレングリコールまたはシリコンなどの材質であることを特徴とする請求項6に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項8】
前記中空糸膜の外周に非水溶性の材質のコーティング剤が被覆してあることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項9】
前記コーティング剤はエチレンビニルアセテートなどの粘度の高い材質であることを特徴とする請求項8に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項10】
前記コーティング剤は前記中空糸膜の最下端から所定の高さを隔てて下端を有するようにその上側を被覆したものであることを特徴とする請求項9に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項11】
前記コーティング剤は前記完全固定剤の上面から所定の高さを隔てて上端を有するようにその領域を被覆したものであることを特徴とする請求項9に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項12】
前記廃水流入口の上端の高さは、前記コーティング剤の上端部の高さより高いことを特徴とする請求項9に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項13】
前記中空糸膜の間の固定剤浸透率を高めて前記中空糸膜の充填密度を20〜80%の範囲に高めることができる請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項14】
中空糸膜モジュールの製造方法において、
中空糸膜をモールドに固定する過程が、
仮固定剤を液相に溶かす段階と、
前記液相の仮固定剤を中空糸膜とモールドとの間に注入した後、仮固定剤を固体化して単位体を作る段階と、
全モールド内に夫々の前記単位体を入れ、仮固定剤上の中空糸膜に完全固定剤を浸透させて成形する段階と、
前記仮固定剤が成形されたモールド下端を加熱して仮固定剤を回収する段階とを含むことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項15】
前記仮固定剤は中空糸膜の間に毛細管現象が発生しない粘度を有するように温度調節を通じて粘度が調節されたことを特徴とする請求項14に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項16】
中空糸膜の間にある前記仮固定剤の高さは10mm以下であることを特徴とする請求項15に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−528067(P2006−528067A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532039(P2006−532039)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001127
【国際公開番号】WO2004/101120
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(506157422)インダストリー‐アカデミック・コオペレイション・ファウンデイション,ヨンセイ・ユニバーシティ (8)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRY‐ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION, YONSEI UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】YONSEI UNIVERSITY, 134, SHINCHON‐DONG, SEODAEMUN‐GU, SEOUL 120‐749, KOREA
【Fターム(参考)】