説明

中継送信方法

【課題】 受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号をオペレータの介在なく一致した登録内容で中継依頼局及び中継局ファクシミリ装置の双方のワンタッチダイヤル等に登録することができる中継送信方法を提供すること。
【解決手段】 前記中継局ファクシミリ装置は、前記中継依頼局ファクシミリ装置が受信局ファクシミリ装置をファクシミリ番号で指定してきた場合において、その指定されたファクシミリ番号がワンタッチダイヤル等に登録されていないときは、新規に登録してその新規の登録内容を、既に登録されているときはその登録内容を前記中継依頼局ファクシミリ装置に通知し、その中継依頼局ファクシミリ装置はその通知された登録内容を自身のワンタッチダイヤル等に登録することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中継局ファクシミリ装置を介して中継依頼局ファクシミリ装置から受信局ファクシミリ装置に画情報を送信する中継送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ通信では、一般に通信距離が遠くなる程通信料金が高くなる。そのため、遠距離の複数宛先に同一内容の原稿を送信する場合、その宛先数分の遠距離通信費がかかってしまうことになる。
【0003】そこで従来より、複数宛先のファクシミリ装置のそれぞれに画情報を直接送信するのではなく、他のファクシミリ装置を中継して画情報を送信することにより通信料金を節約することができる、いわゆる中継送信がよく行われている。
【0004】この中継送信について、東京に在る会社の本社から、九州の各県に在る支店に共通の原稿を送信する場合を例にして説明する。
【0005】その場合、先ず、東京本社に設置された中継依頼局となるファクシミリ装置(以下、中継依頼局ファクシミリ装置と略す)から、福岡に在る九州支社に設置された中継局となるファクシミリ装置(以下、中継局ファクシミリ装置と略す)に原稿を送信する。その中継局はその原稿を受信蓄積した後、各支店に設置された受信局となるファクシミリ装置(以下、受信局ファクシミリ装置と略す)に順次発呼して蓄積した原稿を送信する。
【0006】以上の原稿送信に要する通信費は、東京から福岡まで原稿を送信するのに要する通信費と、福岡から九州各県へ原稿を送信するのに要する通信費の合計となり、これは、中継送信をしなかった場合の、東京から九州各県へ原稿をぞれぞれ直接送信するのに要する通信費よりもずっと少ない。
【0007】この、中継送信方法において、受信局ファクシミリ装置に原稿を送信したいのは中継依頼局ファクシミリ装置である一方、受信局ファクシミリ装置に実際に原稿を送信するのは中継局ファクシミリ装置である。このため、中継依頼局ファクシミリ装置は、中継局ファクシミリ装置に対して、原稿を送信するに先立って受信局ファクシミリ装置の各ファクシミリ番号を通知する必要がある。しかし、その場合、中継依頼局ファクシミリ装置が、直接各受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号を指定して中継局ファクシミリ装置に通知するのではキー操作が煩しい。
【0008】そこで、従来は、中継依頼局ファクシミリ装置のオペレータが、予め中継局ファクシミリ装置のオペレータに連絡してワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの番号を中継局ファクシミリ装置に登録しておき、原稿を送信するに先立って、中継依頼局ファクシミリ装置にそのワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルを通知することにより行っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は、中継送信する予定がある受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号を、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルとして、中継依頼局ファクシミリ装置に登録しておくために、中継局ファクシミリ装置のオペレータと、中継依頼局ファクシミリ装置のオペレータとが電話等で双方のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル及びグループダイヤルの登録内容を連絡し合い、手作業で登録作業をしていたため、入力ミスが生じやすく、また、その登録作業自体も大変煩わしいという問題点があった。
【0010】本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号をオペレータの介在なく一致した登録内容で中継依頼局ファクシミリ装置と中継局ファクシミリ装置との双方のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録することができる中継送信方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の中継送信方法は、中継依頼局ファクシミリ装置が、中継局ファクシミリ装置に登録されているワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルにより、または、直接ファクシミリ番号により受信局ファクシミリ装置を指定して送信した画情報を、前記中継局ファクシミリ装置が受信蓄積して前記指定された受信局ファクシミリ装置に送信する中継送信方法において、前記中継局ファクシミリ装置は、前記中継依頼局ファクシミリ装置が受信局ファクシミリ装置をファクシミリ番号で指定してきた場合において、その指定されたファクシミリ番号が前記ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録されていないときは、そのファクシミリ番号を前記ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル、またはグループダイヤルのいずれかに新規に登録して、その新規の登録内容を前記中継依頼局ファクシミリ装置に通知し、前記指定されたファクシミリ番号が前記ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに既に登録されているときは、その登録内容を前記中継依頼局ファクシミリ装置に通知し、その中継依頼局ファクシミリ装置はその通知された登録内容を、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録することを特徴とする。
【0012】この構成で、前記中継依頼局ファクシミリ装置のオペレータは、受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号が中継局ファクシミリ装置におけるワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録されていないために、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの番号で受信局ファクシミリ装置を指定できない場合、または、受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号の中継局ファクシミリ装置におけるワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容を知らない場合に、受信局ファクシミリ装置をそのファクシミリ番号で指定する。中継依頼局ファクシミリ装置は、その指定された受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号を中継局ファクシミリ装置に通知する。中継局ファクシミリ装置は、その受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号が自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録されているかを調べ、登録されていないときは、そのファクシミリ番号に新たに自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルのうち、他のファクシミリ番号に割り当てられていない番号を割り当てることにより登録し、その登録内容、すなわち、ファクシミリ番号と、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの番号との対応を前記中継依頼局ファクシミリ装置に折り返し通知する。また、既に通知された受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号が自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録されているときは、その登録内容を前記中継依頼局ファクシミリ装置に折り返し通知する。中継局依頼局ファクシミリ装置は、その通知された登録内容を、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録する。
【0013】これにより、受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号が、中継依頼局ファクシミリ装置と、中継局ファクシミリ装置とで、同一のワンタッチダイヤルのキー番号、短縮ダイヤル番号若しくはグループ番号に登録される。このため、中継依頼局ファクシミリ装置では、その後当該受信局ファクシミリ装置に中継送信する場合は、そのワンタッチダイヤルのキー番号、短縮ダイヤル番号若しくはグループ番号によりその受信局ファクシミリ装置を指定すればよくなり、ファクシミリ番号で指定するよりも、キー操作の回数がずっと少なくて済む。
【0014】請求項2記載の中継送信方法は、中継依頼局ファクシミリ装置が、中継局ファクシミリ装置に登録されているワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルにより、または、直接ファクシミリ番号により受信局ファクシミリ装置を指定して送信した画情報を、前記中継局ファクシミリ装置が受信蓄積して前記指定された受信局ファクシミリ装置に送信する中継送信方法において、前記中継依頼局ファクシミリ装置は、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容が追加または削除されて変更があった場合は、中継送信のために画情報を送信する際に、その変更があった登録内容を前記中継局ファクシミリ装置に通知し、その中継局ファクシミリ装置はその通知された登録内容を、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録変更することを特徴とする。
【0015】この構成で、前記中継依頼局ファクシミリ装置においては、もはやファクシミリ通信をしなくなった受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号についてのワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録の削除作業、または、新たにファクシミリ通信をすることになった受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号の追加登録作業が、オペレータにより日常的に行われている。そのように、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容が追加または削除されて変更があった場合は、前記中継依頼局ファクシミリ装置は、中継送信のために中継局ファクシミリ装置に画情報を送信する際に、その変更があった登録内容を前記中継局ファクシミリ装置に通知する。その中継局ファクシミリ装置はその通知された登録内容を、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録する。すなわち、中継局ファクシミリ装置は、削除された受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号が割り当てられていたワンタッチダイヤルのキー番号、短縮ダイヤル番号若しくはグループ番号の割当てを解除し、新たに追加された受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号のワンタッチダイヤルのキー番号、短縮ダイヤル番号若しくはグループ番号を、中継依頼局ファクシミリ装置における登録内容と同じように登録する。
【0016】これにより、中継依頼局ファクシミリ装置において、受信局ファクシミリ装置のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容に変更があっても、その変更は、中継局ファクシミリ装置におけるワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに反映されるため、オペレータが連絡しあってその登録内容を一致させるための登録作業をする必要がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の実施の形態にかかる中継送信方法が適用されるファクシミリ装置のブロック構成図である。
【0019】同図において、システム制御部1は、システムバス10を介して装置各部を制御すると共に、データのやり取りをするものである。
【0020】操作表示部2は、オペレータからの指令をキー入力により受入れると共に、装置の動作状態等を表示するものである。その操作表示部2には、図示しない、ワンタッチダイヤルのためのワンタッチキー群、短縮ダイヤルモードを指定するための短縮キーおよび、グループダイヤルモードを指定するためのグループキー、その短縮キーまたはグループキーの操作のあとに、短縮ダイヤルまたはグループダイヤルを例えば2桁の数字で指定するためのテンキーが備えられている。また、送信モードを通常の送信モードから中継送信モードに切り換えるための、中継送信キーが備えられている。
【0021】ワンタッチダイヤルで宛先を指定するには、予め登録された登録内容にしたがって、ワンタッチキー群のうち、所望の宛先に対応するワンタッチキーを押下する。
【0022】短縮ダイヤルで宛先を指定するには、短縮キーを押下し、続いて、予め登録された登録内容にしたがって、テンキーを押下して2桁の短縮番号を指定する。
【0023】グループダイヤルで宛先を指定するには、グループキーの押下し、続いて、予め登録された登録内容にしたがって、テンキーを押下して2桁のグループ番号を指定する。そのグループ番号には、例えば、九州各県に所在する九州地区営業所のファクシミリ番号が予め登録されていて、そのグループ番号を1つ指定するだけで、すべての九州地区営業所を宛先指定することができる。
【0024】スキャナ3は、原稿画像を所定の解像度で読取るものである。プリンタ4は、原稿画像を記録出力するものである。メモリ5は、システム制御部1の制御処理のためプログラムや種々のデータが格納されているものであり、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル及びグループダイヤルの各キー番号または、各短縮/グループ番号と、ファクシミリ番号とが対応付けられて登録記憶されている、管理テーブル5aを含んでいる。
【0025】符号化復号化部6は、スキャナ3で読み取った画データを符号化圧縮する一方、受信画データを復号伸長するものである。画像メモリ7は、受信画データを一時蓄積すると共に、符号化復号化部6で符号化圧縮された画データを一時蓄積するものである。通信制御部8は、網制御部9を介して回線網との通信制御を行うものである。
【0026】以上のように構成されるファクシミリ装置が、中継送信について概念的に示した図2の中継依頼局ファクシミリ装置、中継局ファクシミリ装置、受信局ファクシミリ装置A、B及びCに用いられ中継送信システムを構成しているものとする。
【0027】図2において、実線は、中継依頼局ファクシミリ装置から送信される原稿画データ及び、その原稿画データに付随する情報の流れを示し、点線は、中継局ファクシミリ装置から各受信局ファクシミリ装置へ前記原稿画データを中継送信した際の中継送信結果レポートの画データと、その画データに付随する情報の流れを示している。
【0028】以上の構成で、中継送信は例えば図3に示す手順で行われる。すなわち、中継依頼局ファクシミリ装置のオペレータは、中継送信しようとする原稿を中継依頼局ファクシミリ装置のスキャナ3にセットし、中継送信キーを押下して送信モードを中継送信モードにする。そして、中継局ファクシミリ装置のファクシミリ番号を直接に、または、ワンタッチキー若しくは短縮ダイヤルにより指定し、操作表示部2を操作することにより、中継送信の最終的な宛先となる各受信局ファクシミリ装置を、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルで指定するか、または、受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号をテンキーで指定する。
【0029】すべての受信局ファクシミリ装置の指定が完了すると、操作表示部2の送信スタートキーを押下して、中継依頼局ファクシミリ装置に中継送信を開始する。
【0030】中継依頼局ファクシミリ装置は、図3に示される通信手順により、中継局ファクシミリ装置と通信し、原稿画データを送信すると共に、中継送信のための情報を通知する。
【0031】すなわち、中継依頼局ファクシミリ装置は、中継局ファクシミリ装置に発呼トーン(CNG)で発呼し、それに対して、中継局ファクシミリ装置は被呼局識別信号(CED)で応答する。
【0032】その後は、プリメッセージ手順に移行し、中継局ファクシミリ装置は、デジタル識別信号DISにより自身の前標準能力を中継依頼局ファクシミリ装置に通知すると共に、非標準機能識別NSFにより、本発明にかかる中継送信方法にかかる機能を含む、非標準能力の全機能を通知する。
【0033】中継依頼局ファクシミリ装置は、中継局ファクシミリ装置からDISで知された範囲内で標準能力を設定してデジタル送信命令DCSにより中継局ファクシミリ装置に通知すると共に、非標準機能設定NSSにより、非標準能力を設定する。
【0034】その非標準機能設定NSSのファクシミリ情報フィールド(FIF)には、この通信が本発明にかかる中継送信である旨、及び、中継送信の宛先となる受信局ファクシミリ装置を指定するための、ワンタッチキー番号、短縮番号若しくはグループ番号、または、ファクシミリ番号が含まれている。
【0035】なお、中継依頼局ファクシミリ装置は、ファクシミリ情報フィールドを生成する際に、ワンタッチキー番号、短縮番号若しくはグループ番号、または、ファクシミリ番号を、中継局ファクシミリ装置が区別可能にするために、例えば、ワンタッチキー番号には文字「#」を付加し、短縮番号文字「#*」を付加し、グループ番号には文字「#**」を付加し、ファクシミリ番号にはなにも文字付加しないようにしている。
【0036】そして、中継依頼局ファクシミリ装置は、中継局ファクシミリ装置にモデムトレーニング信号TCFを送出し、中継局ファクシミリ装置は、モデムの調整が完了すると、中継依頼局ファクシミリ装置にプリメッセージ手順終了を示す、受信準備確認CFRを送出する。
【0037】中継依頼局ファクシミリ装置は、そのCFRを受けて、フェーズC移行して高速モデムに切替え、原稿画データを伝送する。その後はフェーズD以降の手順を実行する。
【0038】以上の手順で中継局ファクシミリ装置は、中継送信すべき原稿画データを中継依頼局ファクシミリ装置から受信すると共に、その原稿画データを中継送信すべき各受信局ファクシミリ装置をワンタッチキー番号、短縮番号若しくはグループ番号、または、直接ファクシミリ番号により指定される。
【0039】中継局ファクシミリ装置は、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容を検索して対応するファクシミリ番号を読出しその指定された各受信局ファクシミリ装置に順次発呼して、中継依頼局ファクシミリ装置から受信した原稿画像データを送信する。
【0040】すべての受信局ファクシミリ装置への送信が終了すると、中継局ファクシミリ装置は、例えば、各宛先について、その送信が正常に終了したか、あるいは、正常に送信できなかったか、正常に送信できなかった場合のエラー内容は何か等についての送信結果を記した画データ(中継送信結果レポート)を生成して、折り返し中継依頼局ファクシミリ装置に送信する。
【0041】この中継送信結果レポートは、原稿画データの中継送信を依頼するファクシミリ装置(中継依頼局ファクシミリ装置)と、実際に受信局ファクシミリ装置に原稿画データを送信するファクシミリ装置(中継局ファクシミリ装置)とが、距離が離れた別々の装置であるために、中継依頼局ファクシミリ装置がその送信結果を認知できなために、その送信結果のレポートをプロッタ4により記録出力することができず中継依頼局ファクシミリ装置のオペレータが中継送信の結果を知ることができないという弊害をなくすために、行われるものである。
【0042】以上、本発明にかかる中継送信方法についての概略を説明したが、次に、図4、図5及び図6を参照して詳細に説明する。
【0043】いま、中継依頼局ファクシミリ装置は、オペレータにより送信モードが中継送信モードに設定される。続いてオペレータは、これから中継送信しようとする受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号が、中継局ファクシミリ装置におけるワンタッチダイヤル、短縮ダイヤルもしくはグループダイヤルにどのように登録されているかを知らないか、または、まだ、中継局ファクシミリ装置に登録されていないために、受信局ファクシミリ装置を直接そのファクシミリ番号(受信局ファクシミリ番号)で指定する。
【0044】その指定内容は、図4に示されるように、「11−1111−1111」、「22−2222−2222」、「33−3333−3333」…「66−6666−6666」、「77−7777−7777」であるとする。
【0045】上記指定された受信局ファクシミリ装置は、その時点においては、中継局ファクシミリ装置のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに図4に示されるように、登録されているかまたは未登録であるとする。
【0046】すなわち、受信局ファクシミリ番号「11−1111−1111」は、中継局ファクシミリ装置において、ワンタッチダイヤルのキー番号「01」に登録され、「22−2222−2222」は、短縮ダイヤルの「66」番に登録され、「33−3333−3333」は、短縮ダイヤルの「77」番に登録されている。また、受信局ファクシミリ番号「11−1111−1111」、「22−2222−2222」及び「33−3333−3333」は、中継局ファクシミリ装置のグループダイヤルにも登録されており、その登録番号は「10」番である。
【0047】一方、受信局ファクシミリ番号「77−7777−7777」、「88−8888−8888」は、中継局ファクシミリ装置においては、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルのいずれにも未登録である。
【0048】また、中継依頼局ファクシミリ装置は、オペレータにより日常的に行われている受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルへの追加登録、または、登録削除を常に監視しており、その変更された登録内容をメモリ5の管理テーブル5aに記憶している。
【0049】次に、以上のように、中継依頼局ファクシミリ装置において受信局ファクシミリ装置が指定されて中継送信される場合の中継依頼局ファクシミリ装置及び中継局ファクシミリ装置の処理手順について、それらの手順を関連付けながら図5及び図6を参照して説明する。
【0050】図5及び図6において、一点鎖線左側のフローチャートは、中継依頼局ファクシミリ装置の処理手順を示し、右側のフローチャートは、中継局ファクシミリ装置の処理手順を示す。また、点線矢印は、相互の処理の関連を示している。なお、以下の説明においては、中継依頼局ファクシミリ装置、中継局ファクシミリ装置及び受信局ファクシミリ装置を、それぞれ中継依頼局、中継局及び受信局と略す。
【0051】先ず、中継依頼局は、オペレータの操作にしたがって、中継局を指定し(処理101)、前記図4に示される受信局ファクシミ番号を指定する(処理102)。そして、受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループへの追加登録、または登録削除があったかを調べ(判断103)、あった場合(判断103のYes)は、管理テーブル5aを更新する。なかった場合(判断103のNo)は、管理テーブル5aの変更をしない。
【0052】そして、中継依頼局は、中継局に発呼し、この発呼に応答して着呼した中継局は、ファクシミリ伝送制御手順のプリメッセージ手順において、本発明にかかる中継送信方法を含む、自己の非標準機能をNSFにより中継依頼局に通知する(処理201)。中継依頼局は、その中継局から通知されたNSFを解析し(処理106)、中継局が中継機能を備えているかを調べる(判断107)。備えていない場合(判断107のNo)は、中継局を誤った指定したことになるため、処理110に移り、回線を開放して中継送信を中止する。
【0053】中継局が中継機能を備えている場合(判断107のYes)は、管理テーブル5aを読みだして、その中の受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループへの追加登録または登録削除の内容及び、処理102で指定された受信局ファクシミリ番号に基づいてNSSを生成し、中継局に送信する。
【0054】中継局は、その中継依頼局から送信されたNSSを解析して(処理202)、中継依頼局における受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループへの追加登録または登録削除の内容、及び、処理102で指定された受信局ファクシミリ番号を取り出す。その取り出した受信局ファクシミリ番号は、管理テーブル5aに記憶される。
【0055】そして、中継局は、その取り出した中継依頼局における受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルへの追加登録または登録削除の内容にしたがって、自身の管理テーブル5aを更新してワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの追加登録または、登録削除を行う(処理204)。
【0056】これにより、中継依頼局における受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルへの追加登録または登録削除の内容が自動的に中継局のそれに反映されるため、中継依頼局及び中継局のオペレータが互いに登録内容を連絡しあって手作業で登録する必要がなくなり、入力ミスも未然に防ぐことができる。
【0057】さて、以上のプリメッセージ手順が終了すると、中継依頼局は、中継局に中継送信を依頼する原稿画データを送信する(処理109)。中継局は、その中継送信を依頼された原稿画データを受信する(処理205)。
【0058】中継依頼局は、原稿画データの送信が終了すると中継局と接続されている回線を開放する(処理110)。以上の手順により、中継局は、中継送信すべき原稿画データと、その宛先となる受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号とを中継依頼局から通知される。
【0059】中継依頼局はその通知された受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号が自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録済かを調べる。この場合、前記したように、受信局ファクシミリ番号「77−7777−7777」及び「88−8888−8888」は、未登録であるため、図4に示されるように、新たに、「77−7777−7777」には、短縮ダイヤルの「88」番を、「88−8888−8888」には、短縮ダイヤルの「99」番を割当て、さらに、それらの受信局ファクシミリ番号をグループ登録「有り」に設定し、グループダイヤル番号として「10」番を割り当てる。
【0060】このように、未登録の受信局ファクシミリ番号を新たにワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録した後、管理テーブル5aから、前記中継局から通知された受信局ファクシミリ番号を抽出して、その受信局ファクシミリ番号に対応する各受信局に順次発呼して中継局から受信した原稿画データを送信する(処理206)。
【0061】これにより、中継依頼局からの原稿画データが中継局を介して各受信局に送信される。
【0062】中継局は、各受信局への原稿画データの送信が完了すると、受信局へ原稿画データを送信した際の中継送信結果のレポートを中継依頼局に送信するために、中継依頼局に発呼する(処理207)。
【0063】そして、応答した中継依頼局がNSFを送信し(処理301)、そのNSFを中継局が解析して(処理208)、本発明に係る中継送信方法における中継送信結果レポートの送信のための通信である旨を確認し合う。
【0064】中継局は、自身の管理テーブル5aからNSSを生成して中継依頼局に送信する(処理209)。そのNSSには、処理102において中継依頼局が指定した受信局ファクシミリ番号が、中継局においてワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルにどのような登録内容で登録されていたか、あるいは登録されたかについての情報が含まれる。
【0065】すなわち、図4に示される、中継依頼局が指定した受信局ファクシミリ番号のうち、受信局ファクシミリ番号「11−1111−1111」は、中継局ファクシミリ装置において、ワンタッチダイヤルのキー番号「01」に登録済であり、「22−2222−2222」は、短縮ダイヤルの「66」番に登録済であり、「33−3333−3333」は、短縮ダイヤルの「77」番に登録済であり、また、受信局ファクシミリ番号「11−1111−1111」、「22−2222−2222」及び「33−3333−3333」は、中継局ファクシミリ装置のグループダイヤルにも登録済であり、その登録番号は「10」番である旨が通知される。
【0066】また、受信局ファクシミリ番号「77−7777−7777」、「88−8888−8888」は、中継局ファクシミリ装置において、それぞれ、新たに、短縮番号「88」及び「99」が割り当てられ、更に、グループ番号「10」が割当てらけれたことが通知される。
【0067】中継依頼局は、中継局から通知されたNSSを解析して(処理302)、処理102において指定した受信局ファクシミリ番号の中継依頼局における登録内容を取出し、その登録内容にしたがって、自身の管理テーブル5aのワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容を更新する。
【0068】これにより、処理102においてファクシミリ番号で指定した受信局を、以降は、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルで指定することができるため、直接ファクシミリ番号で指定するよりもずっと少ないキー操作で中継送信を行うことができる。また、中継依頼局における、中継局の登録内容に合わせた受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録は、中継依頼局と中継局とが相互に情報を交換して自動的に行われるため、中継依頼局と中継局のオペレータが互いに連絡し有って手作業で登録する必要がなくなり、登録作業の手間を省くことができる。また、入力ミスを未然に防止することもできる。
【0069】さて、以上のプリメッセージ手順が終了すると、中継局は、中継送信の結果レポートを作成して、中継依頼局に送信する(処理210)。中継依頼局は、そのレポートを受信して記録出力する(処理304)。中継依頼局のオペレータは、そのレポートを見て、自分が依頼した中継送信にエラーがなかったか等を確認する。
【0070】レポートの送受信が完了すると。中継局と中継依頼局は、互いの回線を開放し(処理211、305)、中継送信が完了する。
【0071】なお、以上説明した実施の形態では、中継依頼局がすべての受信局をファクシミリ番号で指定する場合について説明したが、本発明はそれに限らず、指定する受信局の一部を中継局の登録内容に合わせたワンタッチダイヤル、短縮ダイヤルもしくはグループダイヤルで指定する場合にも同様に適用できる。
【0072】つまり、ファクシミリ番号で指定された受信局については本発明にかかる中継送信方法により処理する一方、中継局の登録内容に合わせたワンタッチダイヤル、短縮ダイヤルもしくはグループダイヤルで指定された受信局については、従来の中継送信方法同様に処理すればよい。
【0073】また、中継依頼局と中継局とが受信局ファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤルもしくはグループダイヤルの登録内容について情報交換してワンタッチダイヤル、短縮ダイヤルもしくはグループダイヤルの登録内容を自動的に変更した場合は、それらの局のオペレータにその登録内容の変更をいち早く知らせるために、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤルもしくはグループダイヤルの登録内容を記したレポートを記録出力するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、中継依頼局ファクシミリ装置が受信局ファクシミリ装置をファクシミリ番号で指定した場合は、人手を介することなくそのファクシミリ番号が、中継局ファクシミリ装置と、中継依頼局ファクシミリ装置とで同一の登録内容でワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに自動的に登録されるため、オペレータによる登録作業が不要になり、入力ミスも防ぐことができる。
【0075】請求項2に係る発明によれば、中継依頼局ファクシミリ装置において、受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容に変更があった場合は、その変更内容は、中継局ファクシミリ装置における受信局ファクシミリ装置のファクシミリ番号のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容に自動的に反映されるため、オペレータによる登録作業が不要になり、入力ミスも防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるファクシミリ装置のブロック構成図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる中継送信方法が適用されるファクシミリ通信システムの概略図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるファクシミリ通信手順を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる受信局ファクシミリ番号とワンタッチ、短縮及びグループダイヤルの対応を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる中継送信方法の手順を示す図である。
【図6】図5と共に本発明の実施の形態にかかる中継送信方法の手順を示す図である。
【符号の説明】
1 システム制御部
2 操作表示部
3 スキャナ
4 プロッタ
5 メモリ
5a 管理テーブル
6 符号化復号化部
7 画像メモリ
8 通信制御部
9 網制御部
10 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 中継依頼局ファクシミリ装置が、中継局ファクシミリ装置に登録されているワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルにより、または、直接ファクシミリ番号により受信局ファクシミリ装置を指定して送信した画情報を、前記中継局ファクシミリ装置が受信蓄積して前記指定された受信局ファクシミリ装置に送信する中継送信方法において、前記中継局ファクシミリ装置は、前記中継依頼局ファクシミリ装置が受信局ファクシミリ装置をファクシミリ番号で指定してきた場合において、その指定されたファクシミリ番号が前記ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録されていないときは、そのファクシミリ番号を前記ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル、またはグループダイヤルのいずれかに新規に登録して、その新規の登録内容を前記中継依頼局ファクシミリ装置に通知し、前記指定されたファクシミリ番号が前記ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに既に登録されているときは、その登録内容を前記中継依頼局ファクシミリ装置に通知し、その中継依頼局ファクシミリ装置はその通知された登録内容を、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録することを特徴とする中継送信方法。
【請求項2】 中継依頼局ファクシミリ装置が、中継局ファクシミリ装置に登録されているワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルにより、または、直接ファクシミリ番号により受信局ファクシミリ装置を指定して送信した画情報を、前記中継局ファクシミリ装置が受信蓄積して前記指定された受信局ファクシミリ装置に送信する中継送信方法において、前記中継依頼局ファクシミリ装置は、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルの登録内容が追加または削除されて変更があった場合は、中継送信のために画情報を送信する際に、その変更があった登録内容を前記中継局ファクシミリ装置に通知し、その中継局ファクシミリ装置はその通知された登録内容を、自身のワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル若しくはグループダイヤルに登録変更することを特徴とする中継送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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