説明

乗継時間計算システム及び乗継時間計算方法

【課題】電子乗車券の利用履歴から乗継時間を効率的かつ正確に算出する。
【解決手段】交通機関の利用者が該交通機関を利用するために駅の改札へ入場した日時、該入場駅の識別子及び該入場改札の識別子を含む入場データと、前記利用者が該交通機関を利用した後に駅の改札から出場した日時、該出場駅の識別子及び該出場改札の識別子を含む出場データと、を保持し、前記利用者識別子に基づいて、前記出場データと、その直後の前記入場データとを組み合わせ、前記出場日時から前記入場日時を減じた滞在時間を含む滞在データを生成する滞在データ生成部と、前記生成された滞在データを用いて、時間帯、駅及び改札の少なくとも一つの条件で前記滞在時間を集計する滞在時間集計部と、を備え、前記滞在時間集計部は、同一改札で入出場したデータを、前記滞在データから除外して前記滞在時間を集計することによって、乗継時間を集計する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道利用者及び鉄道駅に関する情報を生成するための計算機システムに関し、特に、電子乗車券の利用履歴データから鉄道利用者の改札外の乗り継ぎを分析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道の利用において、ICカード、携帯電話に内蔵されたICチップ等の電子乗車券が普及している。電子乗車券は、切符を買う手間を必要とせず、電子マネーとしても利用できる等の乗客への利便性を提供し、さらに、鉄道事業者にも、不正乗車の防止及び効率向上などの利点がある。非特許文献1には、電子乗車券による改札の入出場、チャージ、購買などの処理のたびに、利用履歴が処理端末及びカードに格納され、その後、利用履歴はサーバに集約される。
【0003】
電子乗車券として利用されるICカードには一意の識別子が付与されており、乗車券の識別子に基づいて、駅の改札機の通過履歴及び購買の履歴を利用して、情報配信やマーケティングをすることができる。例えば、特許文献1には、ICカードの履歴(駅の改札機の入出場記録及び購買記録)から、各利用者が乗車した交通機関の路線情報を算出し、算出された路線情報に応じて利用者へ情報を提供する方法が開示されている。
【0004】
一方、鉄道、バス等の公共交通手段によって移動する際に、出発地から目的地までの経路を探索するための経路検索システム(ナビゲーションシステム)が普及している。一般的な経路検索システムでは、出発地及び目的地(さらに、出発時間又は到着時間等)を指定すると、最短所要時間又は最低運賃等の付加的な条件を考慮して、候補となる乗車列車と乗換(乗継)駅等の情報が提示される。ここで、列車の乗り継ぎに必要な所要時間の情報は、標準的な乗継時間が示されるほか、「ゆっくり」又は「急ぎ」等のように標準時間を変更した乗継時間を表示する等、サービスの提供者により様々な工夫がされている。例えば、特許文献2には、交通機関を利用して出発地から目的地までの、乗り継ぎを含む経路を探索して案内するナビゲーションシステムにおいて、乗継場所における乗継時間を実勢に応じて最適化して経路探索を行い、最適な経路を案内するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−266907号公報
【特許文献2】特開2006−193020号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「ICカードが社会を変える」,デジタルプラクティス,一般社団法人情報処理学会,2010年7月15日,Vol.1 No.3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子乗車券の利用履歴を用いることによって、ある利用者又は利用者全体の行動を把握する場合、ログとして記録された改札入場及び改札出場の履歴から、その利用者の出発地、目的地及び乗車経路を推定する必要がある。鉄道利用者が出発地の駅から目的地の駅へ移動する際には、路線図や時刻表から得られる情報に従って途中駅で乗り換えながら列車に乗車して移動する。特に首都圏では複数の鉄道会社の路線が混在しているために、ある鉄道会社で列車から降りて改札を出場した後に、別の鉄道会社の改札に入場して列車に乗車する場合がある。ここで、本明細書において、改札を出ることなく(多くの場合、同一の鉄道会社において)、別の路線に乗り換えることを「乗り換え」と定義し、一旦改札を出て、別の改札(多くの場合、他の鉄道会社)に入り、別の路線に乗り換えることを「乗り継ぎ」と定義する。鉄道利用者の実際の移動経路を把握するためには、「乗り換え」だけでなく「乗り継ぎ」も考慮して、利用者の移動経路を明らかにする必要がある。
【0008】
特許文献1に記載された技術では、カードの識別子をキーに、利用者の利用履歴を収集し、その利用者の改札入場から改札出場までの移動経路をたどることによって乗車路線を算出するが、改札を越える乗り継ぎは考慮されていない。
【0009】
特許文献2に記載された技術では、経路案内という観点から、ある駅における乗換時間(乗継時間)を統計的に算出し、算出した結果を蓄積しておくことによって、経路探索を最適化する。しかし、利用者が実際の所要時間を入力しなければならないので、利用者の入力間違いや、現実と異なる主観的な値の入力を避けることができない。また、長期間にわたってデータを収集することが困難であることから、時系列的な変化を調査することが難しい。
【0010】
本発明は、電子乗車券の利用履歴から乗継時間を効率的かつ正確に算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される乗継時間計算システムであって、交通機関の利用者が該交通機関を利用するために駅の改札へ入場した日時、該入場駅の識別子及び該入場改札の識別子を含む入場データと、前記利用者が該交通機関を利用した後に駅の改札から出場した日時、該出場駅の識別子及び該出場改札の識別子を含む出場データと、を保持し、前記利用者識別子に基づいて、前記出場データと、その直後の前記入場データとを組み合わせ、前記出場日時から前記入場日時を減じた滞在時間を含む滞在データを生成する滞在データ生成部と、前記生成された滞在データを用いて、時間帯、駅及び改札の少なくとも一つの条件で前記滞在時間を集計する滞在時間集計部と、を備え、前記滞在時間集計部は、同一改札で入出場したデータを、前記滞在データから除外して前記滞在時間を集計することによって、乗継時間を集計する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の代表的な実施の形態によれば、改札を通過する駅における乗継時間を効率的かつ正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】鉄道利用者の移動と履歴の関係の例を説明する図。
【図2A】駅の構造と改札を通過する「乗り継ぎ」の種類を示す図。
【図2B】駅の構造と改札を通過する「乗り継ぎ」の種類を示す図。
【図2C】駅の構造と改札を通過する「乗り継ぎ」の種類を示す図。
【図2D】駅の構造と改札を通過する「乗り継ぎ」の種類を示す図。
【図3】本発明の実施形態の乗継時間計算システムの構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態の処理サーバのデータ格納部の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施形態の全体的な処理の流れを説明する図である。
【図6A】駅マスタのデータ構造を説明する図。
【図6B】路線マスタのデータ構造を説明する図。
【図6C】経路マスタのデータ構造を説明する図。
【図6D】カード/ユーザマスタのデータ構造を説明する図。
【図6E】改札マスタのデータ構造を説明する図。
【図6F】店舗マスタのデータ構造を説明する図。
【図7A】元ログのデータ構造を説明する図。
【図7B】移動ログのデータ構造を説明する図。
【図7C】滞在ログのデータ構造を説明する図。
【図8A】駅間別滞在集計結果のデータ構造を説明する図。
【図8B】乗継時間ヒストグラムのデータ構造を説明する図。
【図8C】駅間別乗継集計結果のデータ構造を説明する図。
【図8D】ユーザ別乗継集計結果のデータ構造を説明する図。
【図9】ログ生成処理の手順を説明する図。
【図10】集計処理の手順を説明する図。
【図11】フィルタリング処理の手順を説明する図。
【図12】再集計処理の手順を説明する図。
【図13】乗継用改札がある駅における、乗継時間ヒストグラムの例を示す図。
【図14】各社の駅舎が独立している駅における、乗継時間ヒストグラムの例を示す図。
【図15】徒歩による乗り継ぎが必要な場合における、乗継時間ヒストグラムの例を示す図。
【図16】乗継時間ヒストグラムの分類の例を示す図。
【図17】ユーザ別に乗継時間を集計した例を示す図。
【図18】経路検索条件入力画面の例を示す図。
【図19】経路検索結果画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態では、電子乗車券の履歴として記録される改札の入出場及び購買の情報から、改札内の移動(列車による移動)の情報と改札外の滞在(駅外での滞在および列車以外での移動)の情報とを抽出し、滞在の情報から異なる路線への改札を通過した「乗り継ぎ」に関する情報を抽出し、乗り継ぎに関する情報を集計することによって、乗継駅の特徴及び利用者の特徴に応じた乗継時間を効率的かつ正確に算出する方法を説明する。また、この情報の活用方法についても説明する。
【0015】
具体的には、本実施形態では、同一の乗車券の識別子の入場ログと出場ログとの組を「移動ログ」、同一の乗車券の識別子の出場ログと入場ログとの組を「滞在ログ」とする。「滞在ログ」には改札外の全ての滞在が含まれるため、「滞在ログ」からさらに列車の乗り継ぎが目的であると推測される「乗継ログ」を抽出する。そして、「乗継ログ」を駅間及び個人の観点から集計する。
【0016】
図1は、鉄道利用者の移動と履歴の関係の例を説明する図である。
【0017】
図1に示す例は、太線の矢印で表されるように、A駅401から改札に入場してC駅403で別の路線に乗り換え、B駅402の改札を出場した後、さらに他社線に乗り継ぐ(416)ためにF駅406で改札入場し、H駅408で乗り換えてG駅407で改札を出場する移動の例を示している。
【0018】
前述したように、本明細書において、「乗り換え」は、改札を出ることなく(多くの場合、同一の鉄道会社において)、別の路線に乗り換えることであり、「乗り継ぎ」は、一旦改札を出て、別の改札(多くの場合、他の鉄道会社)に入り、別の路線に乗り換えることである。乗継駅(図1に示す例では、B駅402及びF駅406)は、別の鉄道会社の駅ではあるが、隣接して(例えば、同じ敷地内に)存在しても、少し離れた場所にあり徒歩による移動が必要でもよい。また、複数の鉄道会社間で直通運転による相互乗り入れは、改札を経由しない乗り継ぎなので、本実施形態において定義される「乗り継ぎ」には含まれない。
【0019】
図1において、A駅401からB駅402へ至る選択可能な移動経路には、実線で示されるC駅403を経由する経路の他に、破線で示されるD駅404及びE駅405を経由する経路もある。ただし、電子乗車券には、A駅401での改札入場(417)の履歴及びB駅402での改札出場(418)の履歴のみが残る(移動の途中での購買の履歴も残る)。このため、電子乗車券の利用履歴に格納される改札入出場の履歴からでは、利用者が実際に利用した経路が不明である。F駅(406)からG駅(407)への移動に関しても同様に、利用者が実際に利用した経路は不明である。そこで、移動時間及び時間帯などを考慮して、経路を推定する必要がある。
【0020】
本実施形態では、改札内の経路推定には言及せず、改札を越える乗り継ぎ(416)に着目し、乗継駅における乗継時間の集計や、乗継時間の分布によって駅を特徴付けることを目的とする。
【0021】
図2A〜図2Dに示すように、改札を通過する「乗り継ぎ」は駅の構造等によって、いくつかの種類に分類される。
【0022】
図2Aに示すように、A駅430は、同一の駅舎に複数の鉄道会社のホームがあり、乗継用改札(連絡改札)を介して乗り継ぐことができる。図示した例では、A駅430の中にP社駅舎431及びQ社駅舎432が設けられており、両駅舎は分離されている。P社側には駅の外から通過可能な改札433があり、Q社側には駅の外から通過可能な改札434が設けられており、両駅舎は改札の内外を行き来できる。さらに、P社駅舎431とQ社駅舎432との間には、P社側とQ社側とを行き来できる乗継用の改札435が設けられている。また、P社の路線とQ社の路線とを乗り継ぐ際に、P社の改札433から外に出た後、Q社の改札434から入場してQ社のホームに行くこともできる。
【0023】
つまり、A駅において、P社の路線からQ社の路線に乗り継ぐ経路は、乗継用改札435を通過する経路と、P社の改札433及びQ社の改札434を通過する経路との二つがある。
【0024】
また、図2Bに示すように、B駅441は、同一の駅に各社の駅舎が独立している。図示した例では、B駅441の敷地内に、R社の駅舎442及びS社の駅舎443が設けられており、R社側の改札445、446及びS社側の改札447、448が、独立して設けられている。また、S社改札2(448)は、駅ビル444に隣接しており、駅ビルの営業時間だけ通過することができる。B駅441において、R社の路線からS社の路線に乗り継ぐ場合には、R社の改札445、446から外に出て、S社の改札447、448から入場して、S社のホームに行く。
【0025】
また、図2Cに示すように、C駅451は、同一駅で鉄道会社も同じであるが、路線の乗換に改札を通過する必要がある。このような駅は、東京の地下鉄に実在する(例えば、東京メトロの三越前駅、2011年3月現在)。図示した例では、C駅451には、いずれもT社のD線の駅舎452及びE線の駅舎453があり、両駅舎は同一の鉄道会社であるにもかかわらず、D線からE線に乗り継ぐためには、D線の改札454から外に出て、E線の改札455から入場して、E線のホームに行く。
【0026】
さらに、図2Dに示すように、別の駅間で、徒歩による乗り継ぎが必要な場合もある。F駅461からG駅462に乗り継ぐために、F駅の改札463を出て、G駅462まで徒歩で移動し、G駅の改札464から入場して、ホームに行く。F駅461とG駅462は別の駅であるが、隣接しており、移動時間がほとんどかからない場合や、数分の徒歩による移動が必要な場合もある。
【0027】
以上、駅の構造を単純化した四つの例ついて説明したが、3以上の鉄道会社で互いに乗り継ぎが可能な駅や、前述した例の組み合わせによって構成される駅など、様々な構造の乗継駅がある。改札間の距離や、改札間の動線の分かりやすさ、混雑度合いによっても、乗り継ぎの困難さや、乗り継ぎのための時間は変化する。このような乗り継ぎの複雑さをパターン化して分類することによって、乗客に対するナビゲーションに役立てたり、駅の動線管理に役立てたりすることが可能となる。
【0028】
以下、本発明によって実現されるシステムの実施形態を、図3から図19を用いて説明する。
【0029】
図3は、本発明の実施形態の乗継時間計算システムの構成を示すブロック図である。
【0030】
本実施形態のシステムは、格納されたデータを処理する処理サーバ1を備える。処理サーバ1は、電子乗車券管理サーバ9とオンライン又はオフラインで接続されている。電子乗車券管理サーバ9は通信ネットワーク4’を介して、駅の構内に設置された改札機6、6’、…や、駅の構内に設置された決済端末7と接続されており、改札機6及び決済端末7が収集した電子乗車券の利用履歴を収集及び格納する。この格納された履歴情報10は、適当なタイミングで処理サーバ1のデータ格納部103に格納される。
【0031】
処理サーバ1は、CPU101、メモリ102、記録装置110、データ格納部103及びネットワークI/F107を備える計算機であり、所定のプログラムを実行することによって、鉄道利用者に関する情報を生成する。処理サーバ1の各構成は、内部バスによって接続され、相互にデータの送受信が可能である。
【0032】
CPU101は、主にマイクロプロセッサによって構成され、メモリ102に格納されているプログラムを実行することによって、処理サーバ1の各種機能を実現する。コンピュータプログラムとしては、マスタデータ管理プログラム111、ログ生成プログラム112、データ集計プログラム113、データ抽出・可視化プログラム114及びデータ通信処理プログラム115等が記録装置110に格納されており、CPU101による実行時に、メモリ102にロードされる。
【0033】
メモリ102は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)やリードオンリーメモリ(ROM)等であり、CPU101によって実行されるプログラムや、プログラムの実行時に必要なデータを格納する。記録装置110及びデータ格納部103は、例えば、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置によって構成され、CPU101によって実行されるプログラム及びプログラムによって処理されるデータ(マスタデータ104、ログデータ105、集計データ106)等を格納する。
【0034】
また、処理サーバ1は、鉄道利用者に対して経路検索のサービスを提供するシステムのサーバ8とネットワークを介して接続されている。処理サーバ1が生成、集計及び分析したデータは、経路検索システムサーバ8が経路検索処理を実行する際に利用される。
【0035】
鉄道利用者(ユーザ)2が、電子乗車券5を持って駅の改札機6又は店舗の決済端末7)に触れると、このユーザ2(電子乗車券5)のID、端末6、7の場所、処理コード及び処理日時などを含んだ情報が、処理サーバ1に送信される(301)。この情報は、リアルタイムで送信されてもよいし、改札機6のデータ格納部に格納されてから、適当なタイミングで送信されてもよい。
【0036】
ユーザ2が携帯端末3を用いて経路検索システムサーバ8にアクセスし、条件を入力(選択)すると(302)、経路検索システムサーバ8は、条件に応じた検索結果を返信し(303)、携帯端末3は、その画面上に検索結果を表示する(304)。
【0037】
また、処理サーバ1は通信ネットワーク4を介して制御用端末12と接続される。制御用端末12は、駅の動線解析や構造改善等に役立つ形式で集計結果を鉄道事業者に提供する。制御用端末12は、例えばキーボード、マウス等の入力手段や、液晶表示パネルタやプリンタ等の出力手段を少なくとも備えた計算機である。
【0038】
制御用端末12の指示入力装置から入力された指示は処理サーバ1に送信され、この指示に対する結果が制御用端末12から出力される。
【0039】
データを分析するオペレータ11が制御用端末12の入力装置から入力し指示は処理サーバ1に送信され(302)、この指示に対する結果が制御用端末12に返信され(303)、制御用端末12から出力される(304)。
【0040】
図4は、本発明の実施形態の処理サーバ1のデータ格納部の構成を示すブロック図である。
【0041】
処理サーバ1は、機能的には、主に、データ格納部103及び制御部300から構成される。データ格納部103は、各種処理に必要なデータを格納するマスタデータ格納部104、電子乗車券5の履歴を格納するログデータ格納部105及びログデータを集計した結果を格納する各種集計データ格納部106を含む。
【0042】
マスタデータ格納部104には、駅に関する情報を格納する駅マスタ120、路線に関する情報を格納する路線マスタ130、経路に関する情報を格納する経路マスタ140、カード(電子乗車券5)やユーザに関する情報を格納するカード/ユーザマスタ150、駅に設置された改札機の情報を格納する改札マスタ160及び決済端末7が設置された店舗に関する情報を格納する店舗マスタ170等が含まれる。
【0043】
ログデータ格納部105には、電子乗車券管理サーバ9から取得した電子乗車券利用履歴を格納するID付元ログ200、ID付元ログ200に格納される元データから改札入場と改札出場を関連付けたデータを格納する移動ログ210、ID付元ログ200に格納される元データから改札出場と改札入場とを関連付けたデータを格納する滞在ログ220、滞在ログ220から乗り継ぎが行われたログを抽出した乗継ログ230、及び商品、サービスの購入の履歴を格納する購買ログ231等が含まれる。
【0044】
制御部300は、マスタデータ管理ユニット311、移動ログ及び滞在ログを生成する各種ログ生成処理ユニット312、生成されたログを集計する集計処理ユニット313、データを抽出し、可視化するデータ抽出・可視化ユニット314、外部との通信によってデータを入出力するデータ通信処理ユニット315及び格納されたデータへアクセスするデータアクセス処理ユニット310等が含まれる。マスタデータ管理ユニット311は記録装置110に格納されたマスタデータ管理プログラム111を、各種ログ生成処理ユニット312は各種ログ生成処理プログラム112を、集計処理ユニット313は「集計処理プログラム113を、データ抽出・可視化ユニット314はデータ抽出・可視化プログラム114、データ通信処理ユニット315はデータ通信処理プログラム115を、CPU101が実行することによって実現される。
【0045】
図5は、本発明の実施形態の全体的な処理の流れを説明する図である。
【0046】
電子乗車券管理サーバ9から取得した元ログ200は、前述したとおり、改札入出場及び購買が混ざったログである。まず、この元ログ200を、ある鉄道利用者(ユーザ)に注目して、改札入場と改札出場とを関連付けて、移動ログ210を生成し、改札出場と改札入場とを関連付けして、滞在ログ220を生成し、さらに、購買に関するログを分離して購買ログ231を生成する(321)。
【0047】
具体的には、元ログ200から、購買に関するログだけを抽出し、店舗の最寄り駅の情報を付与することによって購買ログ231が生成される。
【0048】
あるユーザの改札入場から改札出場までの時間は、鉄道による「移動」(図1で説明した「改札内移動」)と考えられる。そこで、元ログ200から、改札入場とその次の改札出場との組を作り、その組に経路を割り当てることによって、移動ログ210が得られる。
【0049】
一方、あるユーザの改札出場から改札入場までの時間は、その駅付近へ「滞在」していると考えられる(図1で説明した「乗り継ぎ」、出発地及び目的地における滞在をすべて含む)。そこで、元ログ200から、改札出場とその次の改札入場の組を作ることによって、滞在ログ220が生成される。滞在ログ220を集計することによって、駅間別滞在集計結果240が得られる(322)。
【0050】
この滞在ログ220を、出場駅と入場駅の組合せや滞在時間等の条件で絞り込み、乗り継ぎが行われたと判定されるログだけを抽出(323)することによって、乗継ログ230が生成される。さらに、乗継ログ230を再集計(324)することによって、乗継時間ヒストグラム250、駅間別乗継集計結果260及びユーザ別乗継集計結果270が生成される。また、乗継ログ230(又は、乗継時間ヒストグラム250、駅間別乗継集計結果260、ユーザ別乗継集計結果270)と移動ログ210とを組み合わせることによって(325)、前後の利用路線の影響281を解析することができる。また、乗継ログ230(又は、乗継時間ヒストグラム250、駅間別乗継集計結果260、ユーザ別乗継集計結果270)と購買ログ231とを組み合わせることによって(326)、購買の影響(282)を解析することができる。これらの結果を用いて、さらにその後の分析(327)を行って、さまざまな分野で活用することができる。
【0051】
次に、データ格納部103に格納されるデータの構造について説明する。
【0052】
図6Aは、駅マスタ120のデータ構造を説明する図である。駅マスタ120は、駅に関する情報を管理するマスタデータであり、駅の識別子121、当該駅の名称122、当該駅を運営する鉄道会社名123、当該駅の所在地124、及び、当該駅の所在地の緯度経度125を含む。
【0053】
図6Bは、路線マスタ130のデータ構造を説明する図である。路線マスタ130は、路線に関する情報を管理するマスタデータであり、路線の識別子131、当該路線の名称132、当該路線を運営する鉄道会社名133、及び、路線タイプ134等の情報を含む。路線タイプ134は、当該路線で運転されている列車の種別(例えば、普通、特急など)を示す。
【0054】
図6Cは、経路マスタ140のデータ構造を説明する図である。経路マスタ140は、経路に関する情報を管理するマスタデータであり、基本的には入場駅と出場駅が指定された移動データに対して、移動経路を割り当てるために使われる。経路マスタ140は、一対の入場駅と出場駅の組(区間)に対して、少なくとも1以上の経路の候補が定義されている。
【0055】
経路マスタ140は、経路の識別子141、当該経路の発駅(入場駅)の識別子142、当該経路の着駅(出場駅)の識別子143、当該経路の乗車回数144、当該経路を使用可能な曜日145、当該経路を使用可能な時間帯146、当該経路の標準的な所要時間147、当該経路の料金148、及び、当該経路の乗車経路149等の情報を含む。乗車経路149は、入場駅から出場駅に行くために乗車する路線、発着駅及び乗継駅を含む詳細な経路情報を定義する。乗車経路の優先度及び所要時間等は、曜日又は時間帯等によって変更してもよい。
【0056】
図6Dは、カード/ユーザマスタ150のデータ構造を説明する図である。カード/ユーザマスタ150は、カード及びユーザに関する情報を管理するマスタデータで、カードの識別子151、当該カードを保持するユーザの個人情報152〜156及び当該ユーザの会員種別157等の情報を含む。ユーザの個人情報は、当該ユーザの識別子152、当該ユーザの氏名153、当該ユーザの性別154、当該ユーザの生年月日155、及び、当該ユーザの居住地域156を含む。
【0057】
ここで、ユーザの個人情報152〜156は、本実施形態のシステムに必須ではないが、データ処理後のマーケティング活動のために有用であるため、ユーザに関する他の情報(職業、勤務地域など)と共に、マーケティング活動のために、収集・格納しておくとよい。
【0058】
図6Eは、改札マスタ160のデータ構造を説明する図である。改札マスタ160は、改札機6と、その改札機が設置された駅に関する情報を管理するマスタデータで、改札機の識別子161、当該改札機が設置された駅の識別子162、当該改札機が設置された改札口又は改札グループの名称163、当該改札機が設置された改札口又は改札グループのタイプ164、及び当該改札口が利用可能な時間165等の情報を含む。改札タイプ164は、乗継専用改札、駅ビルとの連絡改札等の改札口の属性を示す。
【0059】
図6Fは、店舗マスタ170のデータ構造を説明する図である。店舗マスタ170は、決済端末7が設置された店舗に関する情報を管理するマスタデータで、当該決済端末が設置された店舗の識別子171、当該店舗の名称172、当該店舗の種別173、当該店舗の最寄駅又は設置駅174、及び、当該店舗の営業時間175等の情報を含む。
【0060】
図7Aは、元ログ200のデータ構造を説明する図である。元ログ200は、カードと改札機(又は、端末)との間で通信が行われ、改札通過、購買等の処理の履歴を格納するログで、ログの識別子201、カードの識別子202、カードと通信された日時203、カードと通信した端末の識別子204、処理の種別205、及び、支払金額206の情報を含む。処理の種別205とは、改札機6であれば「出場」又は「入場」であり、決済・物販端末7であれば「購入」など、ログが取得された処理の種別を示す。
【0061】
図7Bは、移動ログ210のデータ構造を説明する図である。移動ログ210は、同一カードIDのログを元ログ200から抽出し、入場のログと連続する出場のログとを関連付けたものである。移動ログ210は、移動ログの識別子211、カードの識別子212、改札へ入場した時刻213、改札から出場した時刻214、入場した駅の識別子215、出場した駅の識別子216、入場した改札機の識別子217、出場した改札機の識別子218、支払金額219、及び、経路の識別子208等の情報を含む。経路の識別子208は、経路マスタ140に定義された乗車経路である。
【0062】
図7Cは、滞在ログ220のデータ構造を説明する図である。滞在ログ220は、同一カードIDのログを元ログ200から抽出し、移動ログ210とは異なり、出場のログと連続する入場のログとを関連付けたものである。すなわち、移動ログ210が改札内における鉄道による移動(どこからどこへ行ったか)を表すのに対して、滞在ログ220は改札外での滞在を表すものである。出場と連続する入場が同一の駅でない場合は、厳密には、鉄道以外の手段(徒歩含む)での移動を伴う場合もあるが、これは広い意味での滞在と判断する。
【0063】
滞在ログ220は、滞在ログの識別子221、カードの識別子222、改札から出場した時刻223、改札へ入場した時刻224、出場した駅の識別子225、入場した駅の識別子226、出場した改札機の識別子227、入場した改札機の識別子228、到着路線の識別子229、出発路線の識別子209等の情報を含む。
【0064】
到着路線の識別子229は、出場駅までの移動経路のうち、最後に乗車したと推測される路線の識別子である。出発路線の識別子209は、入場駅からの移動経路のうち、最初に乗車したと推測される路線の識別子である。なお、移動経路は、経路マスタ140に定義されるものを用いる。
【0065】
なお、フィルタリング処理323によって得られる乗継ログ230のデータ構造は、前述した滞在ログ220のデータ構造と同じなので、その説明は省略する。
【0066】
図8Aは、駅間別滞在集計結果240のデータ構造を説明する図である。駅間別滞在集計結果240は、滞在ログ220を、出場→入場の駅及び改札の組毎に集計したものであり、出場駅の名称241、入場駅の名称242、出場した改札の名称243、入場した改札の名称244、条件に合致するデータの件数245、条件に合致するデータの最短滞在時間246、条件に合致するデータの中心滞在時間247等の情報を含む。
【0067】
駅間別滞在集計結果240は、両駅間の滞在時間に関する情報として、最短滞在時間246及び中心滞在時間247を保持する。最短滞在時間246は、条件(出場駅、入場駅、出場改札及び入場改札)が一致するデータのうち、出場から入場までの滞在時間が一番短いものである。中心滞在時間247は、条件(出場駅、入場駅、出場改札及び入場改札)が一致する全データ(滞在時間)の中央値(メディアン)であり、出場駅と入場駅を指定したすべてのログを滞在時間が短い順に並べたときに中央となるログの滞在時間と定義される。中心滞在時間247は、標準的な滞在時間を知るために使用され、滞在時間の平均値、ヒストグラムの最頻値を用いることもできる。
【0068】
図8Bは、乗継時間ヒストグラム250のデータ構造を説明する図である。乗継時間ヒストグラム250は、乗り継ぎとして抽出された滞在ログ220(すなわち、乗継ログ230)について、出場から入場までに利用された改札機、曜日、時間帯等の条件ごとに乗継時間毎の件数を集計したデータである。乗継時間ヒストグラム250は、出場駅の名称251、入場駅の名称242、出場した改札の名称253、入場した改札の名称254、出場駅に到着するために利用された路線の名称255、入場駅から出発するために利用された路線の名称256、平日/休日フラグ257、時間帯258、乗継時間259、及び、件数248等の情報を含む。改札253、254、路線255、256、平日/休日257、時間帯258は、必要に応じて指定されればよく、一つの条件の複数の範囲を合計したヒストグラムを作成してもよい。
【0069】
図8Cは、駅間別乗継集計結果260のデータ構造を説明する図である。駅間別乗継集計結果260は、駅、改札及び路線の組毎に乗継ログ230を集計したものであって、出場駅の名称261、入場駅の名称262、出場した改札の名称263、入場した改札の名称264、件数265、最短乗継時間266、中心乗継時間267等の情報を含む。中心乗継時間267は、前述した駅間別滞在集計結果240と同様に、全データ(滞在時間)の中央値(メディアン)であるが、平均値やヒストグラムの最頻値を用いてもよい。
【0070】
図8Dは、ユーザ別乗継集計結果270のデータ構造を説明する図である。ユーザ別乗継集計結果270は、ユーザ(カードID)毎に乗継ログ230を集計したものであって、カードの識別子271、出場駅の名称272、入場駅の名称273、出場した改札の名称274、入場した改札の名称275、利用頻度276、中心乗継時間277、全体における乗継時間のポジション278等の情報を含む。
【0071】
利用頻度276は、単位時間(例えば、1週間)当たりの利用頻度を示す。中心乗継時間277は、前述した駅間別滞在集計結果240と同様に、全データ(滞在時間)の中央値(メディアン)であるが、平均値やヒストグラムの最頻値を用いてもよい。乗継時間ポジション278は、同じ駅及び改札の間を乗り継ぎで利用した全ユーザを中心乗継時間の短い順に並べたときの全体におけるポジションを示し、当該ユーザの乗り継ぎに必要な時間が速いか遅いかを判断するために用いることができる。
【0072】
次に、本実施形態の各種処理の手順について、図9〜図12を用いて説明する。
【0073】
図9は、ログ生成処理(図5の321)の手順を説明する図である。図9に示すログ生成処理は、移動ログ210、滞在ログ220及び購買ログ231を生成する処理で、各種ログ生成処理ユニット312によって実行される。
【0074】
[0]まず、元ログ200を、カードID(ユーザID)ごとに分類し、各カードIDのデータを時系列に並べる事前処理を行う(330)。
【0075】
[1]次に、分類したカードIDごとのデータについて、[1−1]〜[1−2−3−2]の処理を繰り返す(331)。
【0076】
具体的には、[1−1]メモリ上の入場情報(入場駅、入場改札、入場日時等の入場に関する情報)、出場情報(出場駅・出場改札・出場日時等の出場に関する情報)、及び、経由情報(経由駅、経由日時等)をクリアし(332)、[1−2]ステップ334、337及び340以下の分岐処理を、時系列に並んだ各ログについて繰り返す(333)。
【0077】
[1−2−1]まず、ログの処理種別が「入場」である場合(334)、
[1−2−1−1]メモリ上の入場情報にログの値をセットし(335)、
[1−2−1−2]メモリ上に出場情報がセットされている場合、メモリ上の出場情報と入場情報とを組み合わせ、滞在ログ220に出力し、出場情報をクリアする(336)。
【0078】
[1−2−2]一方、ログの処理種別が「出場」である場合(337)、
[1−2−2−1]メモリ上の出場情報にログの値をセットし(338)、
[1−2−2−2]メモリ上に入場情報がセットされている場合、メモリ上の入場情報と出場情報とを組み合わせ、移動ログ210に出力し、入場情報をクリアする(339)。なお、経由情報がセットされている場合、セットされている経由情報を利用して、所定の処理によって経路を判定し、判定された経路の識別子を移動ログ210に出力し、経由情報をクリアする。
【0079】
[1−2−3]さらに、ログの処理種別が「購買」である場合(340)、
[1−2−3−1]購買ログ231に出力し(341)、
[1−2−3−2]メモリ上に入場情報がセットされている場合、改札内での購買であると判定し、店舗マスタ170から最寄駅を取得して、経路の情報をセットする(342)。
【0080】
以上の処理によって、移動ログ210、滞在ログ220及び購買ログ231が生成される。
【0081】
図10は、集計処理(図5の322)の手順を説明する図である。図10に示す集計処理は、滞在ログ220を集計する処理で、集計処理ユニット313によって実行される。
【0082】
[0]まず、メモリ上の集計用配列をクリアする事前処理を行う(350)。
【0083】
[1]次に、集計対象期間の各滞在ログについて、[1−1]〜[1−3]の処理を繰り返す(351)。
【0084】
具体的には、[1−1]滞在ログから、出場駅、入場駅、出場改札、入場改札、出場日時及び入場日時のデータを取得し(352)、
[1−2]出場日時から入場日時を減じることによって、改札外の滞在時間を計算し(353)、
[1−3]出場駅、入場駅、出場改札、入場改札及び乗継時間をキーとして、メモリ上の集計用配列(ヒストグラム)の件数の値を加算する(354)。
【0085】
[2]ステップ352〜354の処理を、全ての滞在ログデータに繰り返した後、メモリ上の集計用配列の出場駅及び入場駅の組み合わせ(駅間)ごとに、[2−1]〜[2−3]の処理を繰り返す(355)。
【0086】
具体的には、[2−1]駅間ごとに、滞在時間の最小値(最も短かい滞在時間)を求め(356)、
[2−2]駅間ごとに滞在時間の中央値(ヒストグラムにおいて中央となる値)を求め(なお、平均値でもよい)(357)、
[2−3]駅間ごとの滞在件数を数える(358)。
【0087】
そして、最終的に求められた件数、滞在時間の最小値及び中央値を、駅間別滞在集計結果240に出力する(359)。
【0088】
以上の処理によって、駅間別滞在集計結果240が生成される。
【0089】
図11は、フィルタリング処理(図5の323)の手順を説明する図である。図11に示すフィルタリング処理は、滞在ログ220から乗継ログ230を抽出する処理で、各種ログ生成処理ユニット312によって実行される。
【0090】
[1]対象となる滞在ログについて、ステップ[1−1]〜[1−7]の処理を繰り返す(360)。
【0091】
具体的には、[1−1]滞在ログから、出場駅、出場改札、入場駅、入場改札、出場日時、入場日時、到着路線及び出発路線のデータを取得し(361)、
[1−2]出場日時から入場日時を減じることによって、改札外の滞在時間を計算し(362)、
[1−3]出場駅と入場駅の位置関係から、両者の直線距離を計算する(363)。
【0092】
[1−4][1−3]で求めた駅間の距離が所定の値より大きい(遠い)ログデータを除外し、次の滞在ログを処理するために[1−1]に戻る(364)。
【0093】
[1−5][1−2]で求めた滞在時間が、所定の値より大きい(長い)ログデータを除外し、次の滞在ログを処理するために[1−1]に戻る(365)。このとき、乗り継ぎかを判定するための「所定の値」として固定値(例えば、15分や30分)を用いてもよい。また、乗り継ぎかをより正確に判定するために、[1−3]で求めた駅間距離から標準的な徒歩にかかる時間にオフセット値を加えた値を用いてもよい。
【0094】
[1−6]出場と入場が同一駅で、かつ出場改札と入場改札が同一の改札であるログを除外し、次の滞在ログデータを処理するために[1−1]に戻る(365)。
【0095】
[1−7]乗り継ぎであると判定されたログを、乗継ログ230に出力する(367)。
【0096】
なお、出場時刻から入場時刻の間に購買データがある場合、当該ログを除外してもよい。購買データがある場合は、当該乗り継ぎに要する時間に購買のための時間が加算されているからである。
【0097】
以上の処理によって、乗継ログ230が生成される。
【0098】
図12は、再集計処理(図5の324)の手順を説明する図である。図12に示す再集計処理は、乗継ログ230を集計する処理で、集計処理ユニット313によって実行される。
【0099】
[0]まず、メモリ上の集計用配列をクリアする事前処理(370)を行う。この集計用配列は、駅間別の集計用配列と、ユーザ別の集計用配列とを含む。
【0100】
[1]次に、集計対象期間の各乗継ログ230に[1−1]〜[1−4]の処理を繰り返す(371)。
【0101】
具体的には、[1−1]乗継ログ230から、ユーザID、出場駅、入場駅、出場改札、入場改札、出場日時、入場日時、到着路線及び出発路線のデータを取得し(372)、
[1−2]出場日時から入場日時を減じることによって、乗継時間を計算し、平日/休日フラグ及び時間帯をメモリにセットする(373)。平日/休日フラグは、出場日時(又は、入場日時)と、予め設定された判定基準を利用して、判定することができる。
【0102】
[1−3]その後、出場駅、入場駅、出場改札、入場改札、出場日時、入場日時、到着路線、出発路線及び乗継時間をキーとして、メモリ上の駅間別集計用配列(ヒストグラム)の件数の値を加算し(374)、
[1−4]ユーザの識別子、出場駅、入場駅及びその他必要な情報をキーとして、メモリ上のユーザ別集計配列の件数の値を加算する(375)。
【0103】
[2]その後、全ての乗継ログデータに[1−1]〜[1−4]の処理を繰り返した後、駅間別集計用配列の値を、乗継時間ヒストグラム250に出力する(376)。
【0104】
[3]その後、メモリ上の駅間別集計用配列の出場駅及び入場駅の組み合わせ(駅間)ごとに、[3−1]〜[3−3]の処理を繰り返す(377)。
【0105】
具体的には、[3−1]駅間ごとに乗継時間の最小値(最も短かい滞在時間)を求め(378)、
[3−2]駅間ごとに滞在時間の中央値(ヒストグラムにおいて中央となる値)を求め(なお、平均値でもよい)(379)、
[3−3]駅間ごとの乗継件数を数える(380)。
【0106】
そして、最終的に求められた件数、乗継時間の最小値及び中央値を、駅間別乗継集計結果260に出力する(381)。
【0107】
[4]さらに、ユーザ別集計用配列の値を必要な項目ごとにまとめて、ユーザ別乗継集計結果382に出力する(382)。
【0108】
以上の処理によって、乗継時間ヒストグラム250、駅間別乗継集計結果260及びユーザ別乗継集計結果382が生成される。
【0109】
次に、図13〜図15を用いて、乗継時間ヒストグラム250を解析した例について説明する。
【0110】
図13は、乗継用改札がある駅430(図2A)における、乗継時間ヒストグラムの例を示す。
【0111】
乗継用改札435を使う場合、P社駅舎431の出場とQ社駅舎432の入場とが同時なので、乗継時間は0秒である。また、P社改札433とQ社改札434とを経由する場合、乗り継ぎの速い人と遅い人との差が出るため、乗継時間にバラツキが生じる。従って、乗継者全体のヒストグラム(471)は、乗継時間が0分にピークがある乗継用改札利用者のヒストグラム(472)と、1〜3分付近にピークがある乗継用改札利用者以外のヒストグラム(473)とを合わせた形となる。
【0112】
図14は、各社の駅舎が独立している駅441(図2B)における、乗継時間ヒストグラムの例を示す。
【0113】
鉄道事業者ごとに改札が設けられている場合、どの改札の組み合わせを使うかによって乗継時間に差が生じる。このため、乗継者全体のヒストグラム(474)は、図示したように複数のピークを持つ。これを、通過した改札ごとに分けると、R社改札1(446)から出場してS社改札1(447)から入場する人のヒストグラム475は、乗継時間が1分弱の周辺にピークを持ち、R社改札2(446)からS社改札1(447)への乗継者のヒストグラム476は、2分〜3分付近にピークを持つ。このように、通過した改札の組み合わせによって、複数のヒストグラムに分解することができる。
【0114】
図15は、徒歩による乗り継ぎが必要な場合(図2D)における、乗継時間ヒストグラムの例を示す。
【0115】
この場合、改札の組み合わせは1種類しかないので、乗継者全体のヒストグラム(477)は、一つのピークを持ち、他のケースと比べてシンプルな形である。
【0116】
図13〜図15に例示したように、駅舎や改札の構造的な条件によって、乗継時間ヒストグラム250の形は異なる。さらに駅間ごとのヒストグラムを、曜日(平日/休日)や時間帯ごとに分類したヒストグラムを生成することによって、ヒストグラムには異なった特徴が現れる。
【0117】
図16は、乗継時間ヒストグラムの分類の例を示す。
【0118】
乗り継ぎに使われる駅の全ての組み合わせについて、乗継者全体のヒストグラム及び改札の組み合わせごとのヒストグラムを作成し、作成したヒストグラムをいくつかのパターンに分類することによって、乗り継ぎに使われる駅の組み合わせと、その駅舎及び改札の構造を、図16に示すように分類することができる。
【0119】
具体的には、全駅間の乗継時間ヒストグラム250について、特定の駅間の利用者全体のヒストグラム(図13の471、図14の474など)を抽出し、ヒストグラムの形に基づいて駅の構造を分類する(316)。
【0120】
駅間別のヒストグラムの分類の例(481)としては、例えば、
a.乗継用改札により、出場時刻と入場時刻が一致する人が大部分を占める場合
b.ヒストグラムの分散が小さいので、駅間の動線がわかりやすく、みな同じくらいの短時間で乗り継ぐことができる場合
c.駅間の間に徒歩が含まれ、乗り継ぎに時間がかかる場合
d.複数の改札があって、改札によって乗継時間に大きな差がある場合
e.これらが時間帯・曜日で大きく変わる場合と、変わらない場合
のように分類できる。また、駅間の乗継時間ヒストグラム250から、利用改札別のヒストグラムを抽出し、ヒストグラムの形に基づいて分類することもできる(317)。
【0121】
改札別のヒストグラムの分類の例(482)としては、例えば、
a.出場時刻と入場時刻が一致する乗継用改札
b.改札間の動線がわかりやすく、乗継時間のバラツキが小さい改札
c.改札間に徒歩が含まれ、乗り継ぎに時間がかかる改札
d.改札間の動線がわかりにくい、又は、購買機会が多いなど、乗継時間のバラツキが大きい改札
e.これらのパターンが、時間帯及び/又は曜日で変化する改札と、変化しない改札
のように分類できる。
【0122】
このような分類によって、駅及び改札の構造を推測することができ、乗継駅の構造の情報が整理されていない場合や、駅舎の構造が工事等によって変更された場合に、本実施形態の方法によって、電子乗車券の利用ログに基づいて、駅の情報を把握することができる。
【0123】
図13〜図16は、駅間別や改札間別に集計した乗継時間のヒストグラムに対する処理であるが、図17は、ユーザ別に乗継時間を集計した例を示す。
【0124】
全ユーザのユーザ別乗継集計結果270のうち、乗継回数が所定回数以上のユーザの乗り継ぎの傾向に基づいて、ユーザを分類する(318)。分類の例(483)としては、例えば、
a.短い(例えば、いつも最短に近い)時間で乗り継ぎをする人
b.長い時間でゆっくり乗り継ぎをする人
c.時間帯や曜日で傾向が大きく変わる人と、変わらない人
d.よく使う駅(エリア)と、あまり使わない駅で違いがある人と、違いがない人
のように分類できる。
【0125】
このような分類によって、乗り継ぎに関する利用傾向をユーザ別に推測し、ユーザの傾向に基づいた案内や誘導等に利用することができる。
【0126】
前述した例では、駅間別の乗継時間ヒストグラム250を改札別の乗継時間ヒストグラムに分解したが、さらに、購買ログ231を利用して、乗り継ぎの間の購買の有無によってヒストグラムを分類することによって、より詳細な集計結果(購買の影響(図5の282))を得ることができる。一般的に、購買があった時は、購買がない時より、乗継時間は長くなる傾向にある。このため、駅間又は改札間の乗継時間が長い場合、その原因が両者間の距離が長いからなのか、購買の影響によるのかを、購買の有無によって判定することができる。
【0127】
また、乗継時間ヒストグラム250と移動ログ210とを組み合わせて、前後の利用路線の影響(図5の281)を生成することによって、乗り継ぎの前後の移動時の利用路線の影響を検討することができる。
【0128】
次に、図18、図19を用いて、集計結果に基づく経路検索システムの画面例を示す。これらの画面は、経路検索システム提供サーバ8によって、利用者2の携帯端末3に表示される。
【0129】
図18は、ユーザ2の携帯端末3のディスプレイ500に、検索条件を入力するための経路検索条件入力画面501の例を示す。
【0130】
経路検索条件入力画面501には、経路検索の条件として、出発駅502、到着駅503、日付504、時刻505、時刻条件506、検索条件507の入力欄が含まれる。時刻条件506は、入力された時刻505が出発時刻か到着時刻かの選択欄である。検索条件507は、所要時間を優先させる、運賃を優先させる、乗継回数を優先させる等の従来の条件に加えて、乗継時間が短い乗り継ぎパターンを優先させる条件が選択可能である。各条件を入力又は選択し、検索ボタン508を操作すると、入力された検索条件が携帯端末3から経路検索システム提供サーバ8に送信され、経路検索が実行される。
【0131】
図19は、ユーザ2の携帯端末3のディスプレイ500に表示される経路検索結果画面511の例で、経路検索条件入力画面501(図18)において「乗換時間優先」オプションで検索が実行された場合の結果表示の例を示す。
【0132】
経路検索結果表示画面511は、検索条件(出発駅、到着駅、検索日時)512及び、経路の候補513、514の表示欄を含む。経路1は、経路2に比べると所要時間が若干長く、運賃も高いが、乗り継ぎが分かりやすく、乗継時間が短いことが優先されて第1候補として表示されている。経路1のC駅からD駅への乗り継ぎと、経路2のF駅からG駅への乗換が改札外の乗り換え(乗り継ぎ)であり、本発明の実施形態の方法によって計算された乗換時間及び乗継時間が使用されている。
【0133】
また、電子乗車券5の利用者の移動実績から求められたヒストグラムの集計結果から、駅間の乗継時間及び動線のわかりやすさ等の情報515が、検索結果とともに表示される。「乗換詳細」ボタン516を操作すると、便利な乗り継ぎ経路などの詳細な情報を表示することができる。なお、乗継時間が曜日や時間帯によって変化する場合は、検索条件で入力された日時に応じた値が表示される。
【0134】
再検索ボタン517を操作すると、条件を変えて再度検索するために、経路検索条件入力画面501(図18)に戻る。
【0135】
乗継時間に基づく経路検索の結果は、ユーザが経路検索条件として「乗換時間優先」の条件を選んだことによって、表示されたが、その他の条件を選んだ場合にも、乗り継ぎに関する情報を画面に表示してもよい。
【0136】
また、処理サーバ1と経路検索システム提供サーバ8とが連携している場合、処理サーバ1のカード/ユーザマスタ150と、経路検索システム提供サーバ8のユーザ情報とを対応させて、ユーザ別乗継集計結果270を用いて、このユーザの通常の乗り継ぎにおける特徴に応じて、適切な乗り継ぎを経路検索結果表示画面511に表示することができる。
【0137】
本発明の実施形態によると、大勢の人が利用する電子乗車券の利用履歴として記録される改札の入出場及び購買の情報から、乗り継ぎのために改札を通過する駅における乗継時間を取得することによって、乗継駅の特徴や利用者の特徴、また曜日や時間帯等に応じた乗継時間を効率的かつ正確に算出することができる。
【0138】
また、駅の構造の変化や利用者の行動の傾向を反映した情報を提供することができ、これらの情報を利用して案内や駅の構造改善に役立てることができる。特に、乗継時間の分布を解析することによって、予想外の乗継パターンを見出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
電子乗車券の履歴から算出された乗継時間を用いて、駅の構造変化や利用者の行動傾向を反映した情報を提供することができる。また、これらの情報を利用して案内や駅の構造改善に役立てる等の幅広い応用が可能となる。
【符号の説明】
【0140】
1 処理サーバ
3 携帯端末
4 ネットワーク
5 電子乗車券
6 改札機
7 決済端末
8 経路検索システム提供サーバ
9 電子乗車券管理サーバ
10 履歴情報
12 制御用端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される乗継時間計算システムであって、
交通機関の利用者が該交通機関を利用するために駅の改札へ入場した日時、該入場駅の識別子及び該入場改札の識別子を含む入場データと、前記利用者が該交通機関を利用した後に駅の改札から出場した日時、該出場駅の識別子及び該出場改札の識別子を含む出場データと、を保持し、
前記利用者識別子に基づいて、前記出場データと、その直後の前記入場データとを組み合わせ、前記出場日時から前記入場日時を減じた滞在時間を含む滞在データを生成する滞在データ生成部と、
前記生成された滞在データを用いて、時間帯、駅及び改札の少なくとも一つの条件で前記滞在時間を集計する滞在時間集計部と、を備え、
前記滞在時間集計部は、同一改札で入出場したデータを、前記滞在データから除外して前記滞在時間を集計することによって、乗継時間を集計することを特徴とする乗継時間計算システム。
【請求項2】
前記乗継時間計算システムは、前記駅の位置を含む駅情報を保持し、
前記滞在時間集計部は、
前記駅情報を参照して、前記出場駅と前記入場駅との間の距離を計算し、
前記計算された駅間の距離が所定の閾値より長いデータ、及び、前記滞在時間が所定の閾値より長いデータを、前記滞在データから除外して滞在時間を集計することを特徴とする請求項1に記載の乗継時間計算システム。
【請求項3】
前記滞在時間集計部は、
駅間の距離が所定の閾値より長いデータ、前記滞在時間が所定の閾値より長いデータ、及び、同一改札で入出場したデータを、前記滞在データから除外して乗継データを生成し、
前記生成された乗継データを用いて、時間帯、駅及び改札の少なくとも一つの条件で滞在時間を集計することを特徴とする請求項2に記載の乗継時間計算システム。
【請求項4】
前記入場データは、駅へ入場した利用者の識別子を含み、
前記出場データは、駅から出場した利用者の識別子を含み、
前記滞在時間集計部は、前記利用者識別子をキーとして滞在時間を集計することを特徴とする請求項1に記載の乗継時間計算システム。
【請求項5】
前記乗継時間計算システムは、
前記駅を通る路線の情報を含む駅情報を保持し、
前記利用者識別子に基づいて、前記入場データと、その直後の前記出場データとを組み合わせ、該入場から該出場までに利用された路線の情報を含む移動データを生成する移動データ生成部を備え、
前記滞在時間集計部は、前記生成された移動データを参照して、前記路線の情報をキーとして滞在時間を集計することを特徴とする請求項1に記載の乗継時間計算システム。
【請求項6】
前記乗継時間計算システムは、前記利用者が物品又はサービスを購入した日時及び店舗の情報を含む購買データと、前記店舗と前記駅との地理的な関係を示す店舗情報と、を保持し、
前記滞在時間集計手段は、前記駅の乗継時間の集計結果と、当該駅を最寄り駅とする前記購買データとを関連付けて表示するためのデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の乗継時間計算システム。
【請求項7】
前記乗継時間計算システムは、前記利用者が物品又はサービスを購入した日時及び店舗の情報を含む購買データと、前記店舗と前記駅との地理的な関係を示す店舗情報と、を保持し、
前記滞在時間集計部は、前記出場駅又は前記入場駅を最寄り駅とする購買データが前記乗継時間内に記録されている場合、前記購買データを伴うデータを前記滞在データから除外して滞在時間を集計することを特徴とする請求項1に記載の乗継時間計算システム。
【請求項8】
プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される乗継時間計算システムにおいて実行される乗継時間計算方法であって、
前記乗継時間計算システムは、交通機関の利用者が該交通機関を利用するために駅の改札へ入場した日時、該入場駅の識別子及び該入場改札の識別子を含む入場データと、前記利用者が該交通機関を利用した後に駅の改札から出場した日時、該出場駅の識別子及び該出場改札の識別子を含む出場データと、を保持し、
前記方法は、
前記利用者識別子に基づいて、前記出場データと、その直後の前記入場データとを組み合わせ、前記出場日時から前記入場日時を減じた滞在時間を含む滞在データを生成する滞在データ生成ステップと、
前記生成された滞在データを用いて、時間帯、駅及び改札の少なくとも一つの条件で前記滞在時間を集計する滞在時間集計ステップと、を含み、
前記滞在時間集計ステップでは、同一改札で入出場したデータを、前記滞在データから除外して前記滞在時間を集計することによって、乗継時間を集計することを特徴とする乗継時間計算方法。
【請求項9】
前記乗継時間計算システムは、前記駅の位置を含む駅情報を保持し、
前記滞在時間集計ステップでは、
前記駅情報を参照して、前記出場駅と前記入場駅との間の距離を計算し、
前記計算された駅間の距離が所定の閾値より長いデータ、及び、前記滞在時間が所定の閾値より長いデータを、前記滞在データから除外して滞在時間を集計することを特徴とする請求項8に記載の乗継時間計算方法。
【請求項10】
前記滞在時間集計ステップでは、
駅間の距離が所定の閾値より長いデータ、前記滞在時間が所定の閾値より長いデータ、及び、同一改札で入出場した滞在データを、前記滞在データから除外して乗継データを生成し、
前記生成された乗継データを用いて、時間帯、駅及び改札の少なくとも一つの条件で滞在時間を集計することを特徴とする請求項9に記載の乗継時間計算方法。
【請求項11】
前記入場データは、駅へ入場した利用者の識別子を含み、
前記出場データは、駅から出場した利用者の識別子を含み、
前記滞在時間集計ステップでは、前記利用者識別子をキーとして滞在時間を集計することを特徴とする請求項8に記載の乗継時間計算方法。
【請求項12】
前記乗継時間計算システムは、前記駅を通る路線の情報を含む駅情報を保持し、
前記方法は、さらに、前記利用者識別子に基づいて、前記入場データと、その直後の前記出場データとを組み合わせ、該入場から該出場までに利用された路線の情報を含む移動データを生成する移動データ生成ステップを含み、
前記滞在時間集計ステップでは、前記生成された移動データを参照して、前記路線の情報をキーとして滞在時間を集計することを特徴とする請求項8に記載の乗継時間計算方法。
【請求項13】
前記乗継時間計算システムは、前記利用者が物品又はサービスを購入した日時及び店舗の情報を含む購買データと、前記店舗と前記駅との地理的な関係を示す店舗情報と、を保持し、
前記滞在時間集計ステップでは、前記駅の乗継時間の集計結果と、当該駅を最寄り駅とする前記購買データとを関連付けて表示するためのデータを生成することを特徴とする請求項8に記載の乗継時間計算方法。
【請求項14】
前記乗継時間計算システムは、前記利用者が物品又はサービスを購入した日時及び店舗の情報を含む購買データと、前記店舗と前記駅との地理的な関係を示す店舗情報と、を保持し、
前記滞在時間集計ステップでは、前記出場駅又は前記入場駅を最寄り駅とする購買データが前記乗継時間内に記録されている場合、前記購買データを伴うデータを前記滞在データから除外して滞在時間を集計することを特徴とする請求項8に記載の乗継時間計算方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−242996(P2012−242996A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111184(P2011−111184)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】