説明

乱用が可能な物質の剤形における乱用可能性の減少

使用済み皮膚貼付パッチに残る乱用可能物質の残量に関係する物質乱用の可能性は、除去又は処理方法の一部として乱用可能物質と分離された抗乱用物質を結合させるシステム又は方法の提供により減少させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、典型的には患者の身体に乱用されやすい種類の物質を投与するための経皮投与用剤形、特にそのようなデバイスの使用に関連する乱用の可能性を減少させることに関係する。より具体的には、本発明は、患者への最初の治療のための経皮投与を行った後に経皮パッチデバイスに残った多量の乱用が可能な物質を不動化し、抽出を防止するための結合剤の使用に関係する。そのほかの技術も含まれる。
【背景技術】
【0002】
麻薬及びその他の制御物質の摂取、注射などによる乱用の誘惑及び可能性はよく知られている。この広範囲の乱用問題は、広く使用されている強力な合成鎮痛薬であるフェンタニルに関連する問題に代表される。この薬物の乱用は麻酔科医及びその他の病院関係者の間で重大な問題になっている。
【0003】
反復経口投与の必要がないので、好ましい投与方法である(受動的及び能動的)経皮パッチ技術に関連する乱用の可能性は特別に関心がもたれている。残念ながら、経皮パッチでは、患者が指示された時間貼付した後にパッチの中にかなりの量の薬物が残る。この過剰量の薬物が必要なことはよく知られており、それは貼付時間の間中に経皮適用に適当な推進力を保証するために要求される。例えば、72時間の貼付時間の間中ずっと貼付したDuragesic(Johnson & Johnsonの商標)パッチの公表された試験において、最初に含有されていたフェンタニルの28〜84.4%が依然としてパッチの中に残っていた。試験の著者は、残った量は乱用及び誤用をするのに充分な量であり、致死的な量である可能性さえあると結論した(Marquardt et al,Ann Pharmacother,1995, 29:969−71)。2002年の公表されたフェンタニルの消費量(consumption rate)によると、年間推定5千万かそれ以上のフェンタニルの乱用、毒性用量が環境に放出されている。
【0004】
経皮パッチ使用後の残留フェンタニルの不活化の必要性が認識されたことに伴い、公表された試験の中で研究者は、使用後のパッチを熱い濃塩酸又は硫酸の中に浸漬することを提案した(Zambaux et.al.Ann Pharm Fr 2000,58:176−179)。この方法は、加水分解化学反応により残留フェンタニルを不活化することを見出した。この方法の重大な欠点は、非常に危険な材料と方法を必要とすることである。
【0005】
経皮薬物投与における乱用の可能性を減らす別の方法は、U.S.Patent 5,236,714の中に認められる。その文献は、その投与形態で放出されない形態で存在し、特定の他の投与経路による成分の乱用を防ぐために放出される拮抗薬を一緒に配合して薬物と組合せることを開示している。従って、一緒に配合された拮抗薬は経皮浸透しないが、溶媒を使用したり、その組合せを取り出して摂取することにより(by removing and ingesting the combination)乱用可能物質を取り出そうとすると一緒に抽出されるであろう。この方法の一つの欠点は、経皮パッチの中に二つの活性薬物成分を一緒に製剤化することに関する保存期間の問題である。その他のこの方法の重大な限界は、使用済みパッチが経皮貼付により乱用される可能性があることである。
【0006】
従って、危険な物質を必要とせずに経皮貼付剤による乱用を防ぐ、経皮投与による、過剰量の薬物、特にオピオイド−タイプの薬物に関係する乱用を防ぐための安全にして有効な手段に対するニーズは依然として存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要約
本発明により、最初の使用者からパッチデバイスが取り除かれた後乱用可能物質の残量を含有する皮膚貼付経皮パッチデバイスにおける物質の乱用の可能性を減少させるためのシステム及び方法が提供される。本発明は、接触して乱用可能物質を不動化し不活化することにより乱用の可能性を減少させる結合剤などの離間して存する抗乱用物質の使用に関する。抗乱用物質は、拮抗物質又は刺激化合物又は、ある場合には、後述するような拮抗物質又は刺激化合物も含有することができる。本発明の乱用防止システムは一般的に、皮膚貼付パッチの除去と処理に関し、任意の各種形態をとることができる。
【0008】
好ましい結合組成物は、乱用可能物質に対して吸収剤となり得る結合剤を含む。これらの試薬は乱用可能物質を不動化し、そして通常使用できる方法で再分離されることを防ぐ。活性炭は、フェンタニルのような合成オピオイドを含むオピオイド化合物の吸収に特に適する物質であることが見出された。したがって、これらの化合物と適当な結合剤との接触は、その後の通常の溶媒によるあるいは予想される乱用者が容易に使用できる他の手段による抽出を阻止することが判っている。
【0009】
本発明による乱用可能物質の残量を含有する皮膚貼付経皮パッチデバイス中の物質の乱用の可能性を減少させるためのシステムの一形態は、投与の正常コースの終了時に患者から取り除いた後の皮膚貼付パッチデバイスを入れるための開口部を持つ処理容器又は袋を含む。容器又は袋には、パッチの中に含有される特定の乱用可能物質と併用するために選択される通常結合剤の形態の抗乱用物質が入れられ、それらは容器又は袋の中に存在する。皮膚貼付パッチデバイスが容器又は袋の中に適切に入れられたときは、乱用可能物質を含有するパッチの一部と結合剤とが接触が生じ、その結果、乱用可能物質が不動化及び不活化されるであろう。容器又は袋を閉鎖するための密閉デバイスも設けられ、それにより使用済みの皮膚貼付パッチを処理するための密閉システムも提供することができる。密閉システムは、容器の中にパッチを密封するために接着シール又はジップロックを含むことができる。
【0010】
本発明の別の態様においては、活性炭のような吸収剤の層が、軽く接着する分離膜によって活性成分を含有する層から分離された状態でパッチ自体に設けられる。この分離膜は、最初のパッチの適用及び貼付の間所定位置にあるが、末端近くに接着剤を含み、パッチが適用されたときに患者の皮膚にぴったりと接着する拡張部(extension)又は連結部が付与されている。パッチの除去により、皮膚に一時的に接着した拡張部が残り、それによりパッチが患者から取り除かれたときに、拡張または連結デバイスが抗乱用物質又は吸収物質の層と活性成分を含有する層との間の分離膜を引出して取り除き、その結果、この二つは層の接触が生じ、残った活性成分は結合剤又は吸収剤により不動化又は吸収されて、残量は無害化される。
【0011】
したがって、この発明の主たる目的が、薬物乱用者に使用済み経皮パッチから乱用できる形態で薬物を回収することを防止する点にあることは、認識されるべきである。かくして、活性炭のような結合剤が、使用者に、水、エタノール及びその混合物のような一般に使用できる溶媒を使用して薬物を回収することをさせないようにすることができることを見出した。但し、一部の乱用者は、一般的でない溶媒を入手する可能性があり、その一部は結合剤から薬物を分離すると有効である可能性がある。
【0012】
さらに特別な溶媒を使用する乱用を防ぐために、本発明において選択的に利用することができる方法は、結合剤混合物の一部に一緒に抽出される拮抗物質又は刺激物質のいずれかを加えることである。この場合では、乱用者が結合剤から薬物を取り出そうとしたときに、拮抗物質及び/又は刺激物質が薬物と一緒に抽出される。本明細書で使用する際乱用可能物質に対する拮抗物質は、使用者に対して乱用可能物質の薬理効果を本質的に減少させるか又は阻止するか又はその作用を著しく遅延させるように作用若しくは影響を及ぼす化合物又は組成物である。本明細書で使用する際刺激物質とは、皮膚又は粘膜と接触直後に、長期に接触した後に、又は繰り返し接触した後に炎症を生じるいずれかの物質のことである。適当な予防物質の例には、限定することなく、拮抗物質としてのナロキソン又はナルトレキソン、及び刺激物質としてのカプサイシン又はエピカックが含まれる。
【0013】
本発明により、結合剤の代わりに単純に、分離した拮抗物質及び/又は刺激物質の層を使用することも可能である。上記のU.S.Patent 5,236,714のような先行の考え方に比較してこの方法の利点は、拮抗物質及び/又は刺激物質の層が、保存及び貼付の間は薬物から分離されているように設計されていることで、これにより貯蔵期間の安定性の観点からの利点が示される。しかし、好ましい不活化方法は、結合機構を追加的に又は主として取り入れる方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
詳細な説明
図1は、オピオイドのような乱用可能物質の経皮投与に使用される種類の皮膚貼付パッチ10を示す。このパッチは、通常10で示され、皮膚に固定する接着剤含有層12及び14において皮膚に接触するように設計されたオピオイド含有層を含む。皮膚貼付パッチ10に付随するように設計された処理容器又は袋は一般的に参照数字16によって示され、矢印20により示されているように、オピオイド層14が吸収物質18に面するように使用済み皮膚貼付パッチ10を挿入することにより層14と18の間の接触が生じて層14のオピオイドの吸収と不活化を確実にするように、容器16の一つの側面に接着した吸収物質18の層を含む。容器16には、容器の両側に付けられた接着テープ22で例示されるようなパッチ14を内部に密封する手段も用意されている。このようにして、皮膚貼付パッチ10の層14に含有されるオピオイド物質は層18中の吸収物質により効果的に不活化されたという理解の上で、使用済みパッチ14を入れた容器16を廃棄することができる。オピオイドの場合には、活性炭が好ましい。
【0015】
第2の態様は図2a及び2bに示される。これらの図は、層32中に含有されるオピオイドのような治療用薬物の経皮投与のための皮膚貼付パッチ30の単純化した模式図を示す。吸収物質、例えば活性炭を含有する層は34で示される。図2aにおいて、パッチ30は患者の皮膚に適用されたとき、そして患者に乱用可能物質が投与されている間の様子を示している。パッチには、層34の中の吸収物質と層32の中の投与すべき物質を分離する、軽く接着した、又は取り出し可能な分離膜36が備え付けられている。膜36には、38で示される一体的に構成された連結物が取り付けられ若しくは具備されており、連結物38を42で示される患者の皮膚に接着させる接着剤40を有する。パッチを皮膚に接着させる通常のパッチ接着表層は44で示される。
【0016】
図2bは患者の皮膚42から除去されている際のパッチ30を示す。パッチと共に接着層44を除去すると、皮膚に接着したままになっている接着剤40が連結物38と共に残されることに注意されたい。このようにして、連結物38により分離膜36が層32と34の間から引き抜かれることで、層34中の吸収物質が層32中の活性乱用可能物質の残量と接触し、パッチ中の乱用可能物質の残量が不活化する。
【0017】
図3は、クエン酸フェンタニルの37.7mg/l溶液のUV/VIS分光分析の図を示す。200〜240nmの吸収は溶液中のクエン酸フェンタニルによるものであり、吸収の強さは、その化合物の溶解濃度に正比例する。薬物の濃度は相当な量であることは容易に分る。
【0018】
図4は、活性炭と5分間接触した後の図3の溶液の二回目のUV/VIS分光分析の図である。200〜240nmの吸収の劇的減少に注目されたい。推定97%のクエン酸フェンタニルが、活性炭と5分間接触することにより溶液から除去されたことを、データは示している。最初に含有されていた377マイクログラムのクエン酸フェンタニルのうちわずか11マイクログラムが溶液に残ったに過ぎない。
【0019】
次いで、図3の溶液からクエン酸フェンタニルを吸収するために使用した活性炭素を取り出し、50%エタノール/水溶液中に入れ、吸収されたクエン酸フェンタニルの再溶解を試みた。
【0020】
図5は、50%エタノール溶液のUV/VIS分光分析の別の図を示し、この図では50%エタノール溶液中のクエン酸フェンタニルの回収が極めて低いこと、すなわち、5%未満の薬物の回収を表す。このことは、炭素への薬物の吸収はほぼ完全であるのみならず、強固であることを示す。結合したクエン酸フェンタニルの366マイクログラムのうち、わずか13マイクログラムが試みられた抽出操作により分離されたに過ぎない。
【0021】
さらに、図1の吸収物質の層18及び図2a及び2bの吸収物質の層34には、乱用防止の更なる手段を具備させるために、問題のオピオイド又は他の乱用可能薬物と共に溶液に移行する拮抗物質及び/又は刺激物質を選択的に入れることができることに留意すべきである。乱用者が、結合剤から目的の薬物を分離するために使用する可能性がある一般的に入手できない溶媒を入手したような場合には、拮抗物質及び/又は刺激化合物は追加の乱用防止手段として寄与する。ある状況下において、拮抗物質及び/又は刺激化合物は、層18及び34の活性な抗乱用物質又は成分として完全に結合剤に置き換わる可能性があることも考慮されている。
【0022】
特許法に従うために、そして新しい原理を適用し、必要とする際に特しゅな構成を構築使用するのに必要な情報を当業者に提供するために、この発明をかなり詳細に記述した。しかし、本発明は特別な種々の装置及びデバイスにより実施することができること、そして装置及び操作方法のいずれに関する種々な変更も本発明の範囲から逸脱することなく行うことが可能であることは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】分り易くするために一部を除いたパッチと容器のシステムを示す本発明の一態様の単純化した模式図である。(図を通して同じ数字は同じ部品を示す)。
【図2a】本発明の乱用可能性減少システムの別の態様の単純化した模式図である。
【図2b】本発明の乱用可能性減少システムの別の態様の単純化した模式図である。
【図3】200〜240nmに吸収を示すクエン酸フェンタニルの37.7mg/l溶液のUV/VIS分光分析を示す図である。
【図4】活性炭と5分間接触させた後の図3の溶液のUV/VIS分光分析の図である。
【図5】図4においてクエン酸フェンタニルを吸収するために使用した活性炭から吸収されたクエン酸フェンタニルを抽出する試みに使用された50%エタノール溶液のUV/VIS分光分析の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初の使用者から除去した後に問題の乱用可能物質の残量を含有する皮膚貼付経皮パッチデバイスの物質乱用の可能性を減少させる方法であって、
最初の使用者から除去されたときにパッチデバイス中に残る問題の該乱用可能物質と、該乱用可能物質を不動化及び不活化する結合剤からなる群から選択される別離に保存された抗乱用物質との接触を生じさせ、一緒に溶解可能な拮抗物質及び/又は刺激物質とこれらとの組合せにより該経皮パッチの再使用を不可能にして、乱用可能性を減少させる、ステップを含む、方法。
【請求項2】
前記抗乱用物質が、水、エタノール又はその組み合わせからなる群から選択される溶媒を使用する問題の該乱用可能物質の抽出を防止する結合剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗乱用物質が、活性炭を含む結合剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記抗乱用物質が、ある量の拮抗物質を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記抗乱用物質が、ある量の拮抗物質を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記抗乱用物質が、ある量の刺激物質を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記抗乱用物質が、ある量の刺激物質を含む請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記乱用可能物質が、オピオイドである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記乱用可能薬物が、フェンタニル化合物を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
最初の使用者に投与した後に乱用可能物質の残量を含有する皮膚貼付経皮パッチデバイスの物質乱用の可能性を減少させるシステムにおいて、
(a) 乱用可能物質の残量を含有する皮膚貼付パッチデバイスを入れる開口部を持つ処理容器と;
(b) 該パッチデバイス中の該乱用可能物質に対する結合剤、一緒に溶解可能な拮抗物質、一緒に溶解可能な刺激物質及びそれらの組み合わせからなる群から選択される抗乱用物質を含有する層であって、該容器中に皮膚貼付パッチデバイスが適当に入れられることにより該乱用可能物質の該抗乱用物質を含有する該層との接触が生じ、該容器中で処理される層と;
(c) 使用済み皮膚貼付パッチデバイスを入れた該容器を閉じるための閉鎖手段と
を具備する、システム。
【請求項11】
前記抗乱用層が、水、エタノール又はその組み合わせからなる群から選択される溶媒を使用する問題の前記乱用可能物質の抽出を防止する結合剤を含有する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記抗乱用物質が、活性炭素を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記抗乱用物質が、活性炭素を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記抗乱用物質が、ある量の刺激物質を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記抗乱用物質が、ある量の拮抗物質を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記容器が、柔軟性のある袋の形態である請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記閉鎖デバイスが、接着シールを含む請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
最初の使用者に投与した後に乱用可能物質の残量を含有する皮膚貼付経皮パッチデバイス中の物質乱用の可能性を減少させるシステムにおいて、
(a) 該パッチデバイス中の該乱用可能物質に対する結合剤、一緒に溶解する拮抗物質、一緒に溶解する刺激物質及びそれらの組み合わせからなる群から選択される該パッチデバイス中の該乱用可能物質に対する抗乱用物質を含有し、該パッチデバイス中で処理される抗乱用層と;
(b) 該抗乱用物質を含有する層から離間して配設された、該パッチデバイス中の該乱用可能物質を含有する層と;
(c) 該抗乱用物質を含有する層と該乱用可能物質を含有する層との間に存在してそれらの接触を防いでいる分離膜と;
(d) 使用者から該パッチを剥がす際に該パッチから該分離膜を自動的に取り去ることにより抗乱用層及び乱用可能物質層を接触させる(become engaged)ための連結手段と
を具備するシステム。
【請求項19】
前記抗乱用層が、水、エタノール又はそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒を使用する問題の前記乱用可能物質の抽出を防止する結合剤を含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記抗乱用物質が、活性炭を含む請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記抗乱用物質が、活性炭を含む請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記抗乱用物質が、ある量の刺激物質を含む請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記抗乱用物質が拮抗物質を含む請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記分離膜を自動的に取り除くための前記連結手段が、使用者の皮膚にしっかりと接着して使用者から前記パッチを剥がす際に該パッチから該分離膜を引き抜くデバイスを含む請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
最初の使用者から取り去った後に問題の該乱用可能物質の残量を含有する皮膚貼付経皮パッチデバイス中の物質乱用の可能性を減少させる方法において、
(a) 問題の該乱用可能物質から離れて保持されている抗乱用物質を用意し;
(b) 最初の使用者から取り去った時に、該経皮パッチデバイスの再使用を不可能とするようにパッチデバイスに残っている問題の該乱用可能物質と該抗乱用物質との接触を生じさせる工程を含み、
(c) 該抗乱用物質が、該乱用可能物質を不動化し不活化する結合剤、及び一緒に溶解可能な拮抗物質及び/又は刺激物質とそれらとの組み合わせから選択される、方法。
【請求項26】
前記抗乱用物質が、水、エタノール又はその組み合わせからなる群から選択される溶媒を使用する問題の前記乱用可能物質の抽出を防止する結合剤を含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記抗乱用物質が、活性炭を含む結合剤を含む請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記乱用可能物質が、オピオイドである請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記乱用可能薬物が、フェンタニルの化合物を含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記抗乱用物質が袋の中に貯蔵され、ステップ(b)が取り去ったパッチを袋の中に挿入することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記抗乱用物質が、除去可能な膜によって前記乱用可能物質から分離された層に貯蔵され、ステップ(b)において前記パッチを剥がすことにより該膜が取り去られて、該乱用可能物質の該抗乱用物質との接触を生じさせる請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記抗乱用物質が、ある量の刺激物質を含む請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記抗乱用物質が、ある量の一緒に溶解可能な拮抗物質を含む請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−518819(P2007−518819A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551380(P2006−551380)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/002246
【国際公開番号】WO2005/070003
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(502237663)トラヴァンティ ファーマ インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】