乳児用品用の乳首
潰れることが可能な可撓性の壁を有し、この可撓性の壁の内面に配置された第1及び第2の突出部を有する乳児用品用の乳首である。壁に力が加えられたとき、壁の部分が互いに近接されて、これら突出部が壁の内面に接触するように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳首及びバグレット(baglet)、特に、ボトルのような乳児用品用の乳首、及びおしゃぶり(soother)用のバグレットに関する。
【背景技術】
【0002】
乳児に授乳するとき、乳首が潰されると、乳首から流れ出るミルクが、かなり妨げられるか、遮られることさえもあり、これにより、授乳中の乳児をいらいらさせてしまう。(例えば、乳児の唇、歯茎又は歯から、即ち、ボトル内の圧力を減少させることにより)乳首の外部に対する圧力による乳首の潰れに耐えるために、これらの内壁のリブに補強リブ又は補強突出部を有する乳首が知られている。欧州特許第0151862号は、例えば、乳首のマウスピースの側壁に形成された、傾斜した内向きの補強リブを有する乳首を開示している。補強リブは、英国特許第2402347号にも開示されている。
【0003】
乳首の潰れに対する補強は、ある程度優れている。しかし、補強リブは、乳首又はリブが厚い壁、又は硬質なグレードのシリコーンのような硬質材料でできていない限り、代表的な使用法の下で乳首が完全に潰れるのを防ぐことができない。しかし、このような乳首は、母親の乳房及び乳頭とはかなり異なるので、これら選択肢の両方とも、可撓性がなく、授乳中の乳児にとってなじみのない乳首を与える。これは、乳児による硬質な乳首の拒否という問題につながりうる。
【0004】
例えば、比較的軟質なグレードのシリコーン材料でできた、可撓性の乳首のキーとなる安全性の問題は、長期間使用して乳児により頻繁に噛まれた後さえも、乳首が損傷されないように、乳首が高い噛み耐性を有さなければならないということである。乳首が損傷されてしまうと、乳児が乳首の先端を噛み切ってしまい、危険な窒息の危険性をもたらしうる。
【0005】
乳首が平滑な壁を有するとき、乳首の壁の部分に対する乳児からの噛む力は、比較的大きな表面積上に均等に分配されるので、このような乳首の噛み耐性は、軟質なグレードのシリコーンでさえも、十分に高いことができる。しかし、乳児が内側に突出しているリブを有する乳首を噛んだとき、リブは、壁の小さな局所的な領域に力を加え、リブは、この壁に対して大きな局所的な圧力をもたらされて押圧される。これは、特に、このような領域で乳首へのダメージをかなり増加させ、また、起こりうる不利益なダメージを受ける時間を減少させる。このような問題は、乳首が噛まれたとき、対向している壁の部分にあるリブが互いに押圧されると、さらに悪化される。これは、対向している壁の部分にあるリブが互いに交差する点でかなり高い局所的な圧力の高い領域をもたらすこととなる。
【0006】
従って、従前の乳首では、リブの存在は、乳首の壁が厚くされるか、比較的硬質なグレードの材料が使用されるかしない限り、乳首の噛み耐性が安全基準に欠けうることを意味する。しかし、このような変更は、結果として生じる硬質な乳首を拒否する乳児の問題につながりうる。
【0007】
さらに、従前の乳首では、いくつかの例において、噛む力が乳首に加えられたとき、対向している壁が互いに接触することができ、そして、互いに関連して横方向に動く。このような回転作用は、授乳中の乳児の歯茎又は新たに生えてきた歯を妨げうるので、望ましくない。
【発明の概要】
【0008】
本発明が、特許請求の範囲に規定される。
【0009】
本発明のいくつかの実施の形態は、上の問題を克服するか緩和するものである。一実施の形態に係われば、可撓性の乳首が提供される。乳首の壁は、これら乳首の壁が変形可能かつ潰れることが可能であるように、即ち、ほぼ対向している壁の部分が互いに向かって動くことができるように、厚いか、所定の材料でできているかの少なくとも一方である。構造上の支持及び補強のいくつかの対策を与えるために、補強リブが、乳首の内壁部分に設けられている。乳首及び突出部は、授乳しているとき、即ち、授乳中に乳児の噛む力、又は内部/外部の圧力差が生じたとき、起こりうる比較的通常の状態の下で乳首が潰れる可能性を妨げないように設計されている。潰れることが可能で、乳首を通る流体の通過をなおも可能にする乳首を与えることによって、いくつかの実施の形態は、以下で説明されるように、乳児にとって撓み可能であり硬質すぎなく、起こりうる窒息の危険性を防止するように、十分な噛み耐性がある乳首を提供する。第1の細長い突出部は、乳首の壁の第1の部分の内面に配置され、第2の細長い突出部は、乳首の壁の第1の部分にほぼ対向している乳首の壁の第2の部分の内面に配置されている。第1の細長い突出部は、壁の部分の一方に力が加えられたとき、これら部分が互いに向かって引き寄せられ、第1の細長い突出部は、壁の第2の部分の内面と接触するように引き寄せられる。同様に、第2の細長い突出部は、壁の第1の部分の内面と接触するように配置されている。突出部の上面の形状は、突出部が接触する内壁部分の表面の形状に対応し、かつ相補的であるように設計されている。これは、各突出部とその夫々の内壁部分との間の最大表面積の接触面積を確実にする。乳首の内面にある複数の細長い突出部の追加によるこのような構成は、例えば、同じものを噛んでいる乳児から、乳首の壁に加えられる噛む力が、複数の細長い突出部の間に分散されることを可能にし、これらが乳首を損傷するレベルに達する圧力レベルの局所的な領域にないことを確実にする。さらに、噛む力のような、外力が、壁の部分の一方に加えられたとき、壁の部分が互いに近接されて、これにより、乳首の潰れた状態になり、突出部は、これら突出部が、互いに離間しているように配置され、さらに、これら突出部が、乳首の壁の対向している内壁の間の間隔を維持するように配置されている。これは、乳首の完全な潰れを阻止し、これにより、内壁部分が、互いに接触し、乳首を通る流体の通過を遮る。突出部の構成は、乳首が潰れたときさえも、乳首を通る流体の流れを可能にする、突出部と壁の内面との間のチャネルを与える。従って、これら突出部が、その噛み耐性及び外力を助ける、可撓性の乳首への構造上の支持を与えるだけでなく、突出部の長さ及び幅に沿って力を分配して、これら突出部の間に力を分散するように配置され、突出部の間に規定された通路を通る流体の通過を可能にする。かくして、乳首が潰れた状態でさえも、障害のない授乳をすることができる。さらに、第1及び第2の突出部が乳首の対向している内壁にあるところでは、乳首を圧縮することは、突出部が互いに隣接していることを意味し、突出部が互いに通り過ぎることができないように、互いに重なり合い、乳首の回転を制限するのに効果的である。
【0010】
他の実施の形態では、楕円形の乳首が提供される。このような形状の乳首に関して、乳首は、2つの向きの一方で乳児の口に常に向けらせる。これは、乳児が、同じ領域で乳首を常に噛み、外力が加えられる領域が予期されることができることを確実にする。そして、突出部は、乳首が噛まれたとき、突出部が、押圧されないか、他の突出部と触れないように配置されることができ、これにより、潰れた乳首の突出部が他の突出部と交差する可能性を回避する。また、突出部は、噛む圧力が、一時で複数の突出部の間に分散されるように配置されることができる。複数の領域を利用することによって、噛む力が、比較的大きな領域に分散されて、過大な高い圧力の局所的な領域が防がれ、これにより、乳首の壁へのダメージが低減される。再び、突出部は、乳首を圧縮することが、突出部が互いに隣接していることを意味するように一直線状に配列され、突出部が互いに通り過ぎることができないように、互いに重なり合い、乳首の回転を制限するのに効果的である。
【0011】
本発明の実施の形態の他の特徴及び効果が、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかし、特定の実施の形態の詳細な説明は、添付図面を参照して、非限定的な例によって与えられるものであることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る乳首の断面の側面図である。
【図2】図2は、通常の状態での図1の乳首の横断面の平面図である。
【図3】図3は、潰れた状態での図1の乳首の横断面の平面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施の形態に係る乳首の側面図である。
【図5】図5は、図4の乳首の正面図である。
【図6】図6は、図4の乳首の平面図である。
【図7】図7は、図4の乳首の横断面の平面図である。
【図8A】図8Aは、通常の状態での本発明のさらなる実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図8B】図8Bは、潰れた状態での図8Aの乳首の横断面の平面図である。
【図9A】図9Aは、本発明の他の実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aの乳首の代わりの態様の横断面の平面図である。
【図10A】図10Aは、本発明の他の実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aの実施の形態に係る乳首の側面図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図12A】図12Aは、本発明の他の実施の形態に係る乳首の平面図である。
【図12B】図12Bは、図12Aの実施の形態に係る乳首の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係る乳首1は、乳輪部分のような比較的幅広の中間部分4に接続された乳頭部分3を有する。この中間部分自体は、ベース部分2に延びている。このベース部分は、ねじ込みキャップ(図示されない)によってボトルに取り付けられることができる。乳頭部分は、乳輪部分から延びている。乳首の壁5は、可撓性材料でできており、この可撓性材料は、乳首が変形されることを可能にする。このため、乳首の壁は、図3に示されるように、中心軸線13に向かって内側に潰れることができ、これにより、壁の第1の部分6が、ほぼ対向している壁の第2の部分7に向かって動く。第1の突出部、即ち補強リブ8が、壁の第1の部分6の内面6’に配置されている。同様に、第2のリブ9が、壁の第2の部分7の内面7’に配置されている。
【0014】
一般的に乳頭部分と乳輪部分との少なくとも一方を有する噛み領域は、乳児の唇、歯茎、又は歯が乳首の周りに置かれる乳首の領域に対応している。この領域では、噛む力10は、乳首の壁のほぼ対向している部分の一方又は両方の部分に加えられる。力が十分なところでは、図3の横断面の平面図に示されるように乳首が潰されて、これにより、壁の第1の部分6と第2の部分7とは、これら第1の部分と第2の部分とが近接するように、互いに向かって動く。対照的に、図2は、通常の潰れていない状態での(図1の破線Aに沿った)乳首の同じ横断面の平面図を示し、ここでは、壁の部分は、互いに向かって動かされていない。第1のリブ8は、壁の第1の部分6の内面6’に配置されている。リブは、このリブの上面が壁の第2の部分7の内面7’と接触するのに十分な高さを有する。同様に、第2のリブ9は、この第2のリブが壁の第1の部分6の内面6’と接触するように対応して配置されている。突出部8、9の上面8’、9’は、好ましくは、これら突出部の接触可能な表面積をさらに増加させるように、ほぼ平らで、鋭い縁がなく、これにより、壁の夫々の対向している部分に加えられる圧力を減少させる。好ましくは、乳首が潰れた状態にあるときに乳首の対応している内壁部分7’と接触するリブ8’の上面は、リブと内壁部分との間の接触面積を最大にするように、リブに対して接触する対向している内壁部分7’の表面の形状に相補的であるように形成されている。さらに、これらリブは、これらリブが潰れた状態でさえも互いに離間されてとどまり、互いに触れないように、壁のこれらの夫々の部分に互いに配置されている。これらリブは、これらの夫々の対向壁の内面と接触可能な表面積を増加させるように、細長い。このような配置に対して、乳首に対する乳児の噛む力は、リブの間に均等に分散され、これにより、壁に生じるダメージをかなり減少させる。
【0015】
細長い突出部は、乳頭部分の端部11に向かう方向に一直線状に配列されている。このような一直線状の配列を与えることによって、壁の対向している部分にあるリブは、互いに交差も重なりもせず、乳首が潰れた状態にあるとき、交差又は重なりの点で高い圧力の局所的な領域をもたらす。このような問題は、乳頭部分の端点に向かった、全ての細長いリブの一直線状の配列により回避される。
【0016】
好ましくは、これら細長いリブは、リブの全長に沿ってほぼ均等に、これらリブによるいかなる力の分配も可能にするように構成されている。同様に、壁のこれらの夫々の部分の内面の周りの突出部の分配は、リブによって伝達される力がこれらリブの間に均等に分配されるように配置されている。
【0017】
既に説明されたように、潰れた状態にあるとき、乳首の第1及び第2のリブは、対向している内壁部分と接触するように構成されている。これは、対向している内壁部分が互いに触れるのを防ぎ、図3に示されるように、これらリブの間にチャネル12が規定されることを可能にする。このチャネルは、乳首が潰れた状態にあるときさえも、このチャネルを通して液体の連続した流れを与える。
【0018】
図2は、図1に点線Aで示される乳首の平面に沿った横断面図に対応している。これは、通常の、潰れていない状態での乳首の横断面を示している。可撓性の壁5は、楕円形の横断面形状を有する。これは、使用中にほぼ横向きである対向している細長い壁の部分6、7に対して乳児の口を置いたとき、乳首が、一方向のみ又は両方向に常に向けられるという有利な効果を与える。これは、乳児が常にほぼ同じ領域で乳首を噛むことを確実にし、かくして、力が伝達される領域が予期されることができ、リブが適切に位置されることができる。内壁のリブは、乳首が噛まれて乳首が潰れたとき、リブが他のリブを押圧せず、噛む力が一時で複数のリブに加えられるように配置され、これにより、対向している内壁部分に伝達される圧力を減少させる。
【0019】
図1、図2並びに図3に示される乳首は、2つのリブのみを有する。しかし、表面積をさらに増加させるために、力が、対向している壁の部分にリブによって伝達され、好ましくは、複数のリブが、これらの配置及び一直線状の配列に対する既に述べられた制限に対して各内壁に配置される。複数のリブを同時に利用することによって、噛む力が、比較的大きな面積に分散されて、局所的な圧力は、乳首の壁へのダメージが引き起こされるレベルを超過しない。
【0020】
図4ないし図7に示される実施の形態では、2対のリブ18、19が設けられ、各対の一方の部材は、乳首の第1の内壁部分に配置され、対の他方の部材は、乳首のほぼ対向している第2の内壁部分に配置されている。乳頭部分及び乳輪部分は、楕円形の横断面形状を有し、これは、図4の側面図での断面と比較して図5の正面図の比較的幅広の断面によって示される。ベース2は、円形の横断面形状を有し、これは、標準的な環状のボトル(図示されない)に係合することが可能である。長軸線13と短軸線14とを有する乳輪部分及び乳頭部分の楕円形の横断面形状は、乳首が、使用の際、垂直方向で短軸線に対して、及び水平方向に対して長軸線に対して乳児の口が代表的に向けられることを確実にする。これは、(乳首の乳頭乳輪横断面が円形である場合のように、噛むことが表面の周りにランダムに加えられるというよりも)噛む領域が予期されることができることを保証するように機能する。
【0021】
内壁には、2対の補強リブ18、19が設けられている。これら対は、乳首の乳輪部分の長辺7、6に沿って対向している壁の部分に位置され、これにより、第1の対のリブ18は、第1の長い内壁部分6に位置され、また、第2の対19は、対向している第2の長い内壁部分7に位置されている。これら対のリブは、乳輪部分が噛まれ、長い内壁部分が一緒に力を加えられたならば、第1の対の補強リブ18が、第2の対19の外側に係合するように配置されている。この配置では、噛む力は、4つのリブの周りに均等に分散するので、対向している内壁部分に噛む力によって引き起こされるダメージは、かなり減少される。
【0022】
補強リブの配置は、(噛まれることにより、又は哺乳瓶(ボトル)内の圧力がかなり減少されることにより)乳首が潰れたときさえも、これらリブの間に、及びこれら内壁部分の間にチャネルがあるようになっている。これらチャネルは、乳首が潰れた状態にあるときさえも、ミルクがボトルから乳首に流れて、乳首の先端の開口11から流れ出ることができることを確実にする。
【0023】
さらに、これらリブは、乳首を圧縮することが、リブが互いに隣接していることを意味するように一直線状に配列され、突出部が互いに通り過ぎることができないので、互いに重なり合い、乳首の回転を制限するのに効果的である。
【0024】
乳首は、ボトルのネック部の周りの相補的なねじ山にねじ込みキャップを互いに作用させることによって、標準的なプラスチック又はガラスのボトルに乳首を取り付けるために乳首のベース部分2のフランジ16の上にねじ込みキャップ(図示されない)が係合するような標準的なやり方で哺乳瓶に取着されることができる。さらに、乳首は、複数の孔15、例えば、スリットバルブ又はドームバルブでモールド成形されることができる。代わって、孔は、ねじ込みキャップ(図示されない)にチャネルによって与えられることができる。
【0025】
図6は、図4並びに図5の実施の形態の平面図である。これは、楕円形の形状の乳首及び円形のベース部分を備えた乳頭部分を示している。
【0026】
図7は、この実施の形態では乳輪部分に対応しているが、他の実施の形態では、この領域は、乳頭部分又は両部分であることができる乳首の噛み領域の横断面図である。これら対のリブは、乳首の壁と一体的に形成されている。これらリブは、乳輪部分が噛まれて乳首が潰れたならば、一方の壁の部分にあるリブが、ほぼ対向している壁の部分のリブの内側に係合するように配置されている。当然ながら、リブの他の配置も、当業者にとって自明であり、これらは、潰れた状態にある乳首の内壁部分を分離して支持し保つリブの所望の特性を与え、一方、これらが潰れた状態で互いに触れないように、これらリブ間を離して維持する。理解されることができるように、各リブの上面は、上面が、点状の縁を有する上面を備えたリブに関する場合でよりもその夫々の内壁部分と当接する大きな接触可能な表面積を有するように、ほぼ平らである。
【0027】
図8A並びに図8Bは、リブのさらなる代わりの配置を示し、ここでは、一方のリブの高さが、他方のリブの高さとは異なっている。特に、壁の狭小部分17に近接して位置されたリブ18は、壁の長い部分21の中心領域20に近接して位置されたリブ19よりも低い高さを有する。潰れた状態では、重要なことに、リブが互いに実際に触れも当接もしないが、対向しているリブは、効果的に互いにほぼ係合又は噛合でほぼ効果的であることが図8から理解されることができる。
【0028】
図9Aは、本発明のさらなる実施の形態を示している。この実施の形態では、30で全体を示される乳首は、楕円形の横断面を有し、壁の厚さが可変であり、これにより、乳首32の一方の細長い壁は、比較的薄い厚さを有し、また、対向している細長い壁34は、比較的厚い厚さを有する。複数の補強リブが、比較的薄い壁32の内面から内側に延びて設けられている。図示される実施の形態では、これらリブは、接触リブ(touching rib)のアレイを形成している方向(乳首の軸線に平行)にほぼ直交し、アレイは、細長い壁の全長又は長さの大部分に延びている。この形態は、壁32のさらなる補強を与え、さらに、リブ間の噛む力を分散し、乳首が潰れたときに個々の点接触を減少させ、これにより、リブ36が、対向している壁34の内面に触れる。比較的厚い壁34の補強の効果と関連して、これは、よりよい形態を与える。
【0029】
図9Bに示される代わりの実施の形態では、複数のリブ36が、図9Aと同様にして与えられるが、比較的厚い壁34の内面に複数のリブがあり、これも同様の効果を奏する。さらなる実施の形態(図示されない)では、これらリブは、対向している両面から与えられることができる。光圧が加えられたとき、これらリブは、互いに向かって力を加え、一方の側のリブが、対向しているリブの隣接している対の間にそれ自体を位置させる。補強の効果を与えることに加えて、これは、乳首の回転、即ち対向している壁の横方向の動きをさらに防ぎ、乳首が潰される。
【0030】
図10A並びに図10Bを参照すると、代わりの乳首の形態が提供される。この形態では、乳首は、楕円形、図示されるような円形、又は他の適切な形状であることができる外壁40を有する。乳首は、角度をなして(angularly)配置された3つのリブ42を有する。これらリブはまた、図10Bに示されるように垂直方向に互い違いに配置される。これらリブが補強効果を提供する結果として、乳首が潰れたとき、これらが異なる高さであるので、これらリブは互いに交差しない。3つのリブが図示されるが、垂直方向に互い違いに配置された複数のリブが設けられることができることが理解される。例えば、これらリブは、乳首の内側の周りを通る分断されたらせん上のリブの形態を取ることができる。
【0031】
さらなる実施の形態を参照すると、図11に示されるように、一定の厚さの外壁50を有する乳首が、図9A又は図9Bのいずれかの形態と同様にして、一方の内面に沿って設けられた複数のリブ52を有し、同様の効果が得られることができる。
【0032】
図12A並びに図12Bに示される実施の形態を参照すると、円形の横断面を有する乳首50は、乳首50の内壁の周りに角度をなして均一に離間された3つのリブ52を有する。この形態の結果として、乳首が(例えば、点F1、F2又はF3での対の圧縮力により)圧縮されようとも、これらリブは、交差して点の力を生じるように互いの頂部に対して圧縮されることができない。
【0033】
乳首及びリブは、例えば、圧縮又は注入モールド成形であるような適切な方法で形成されることができ、また、シリコーン、ラテックス又は熱可塑性エラストマ(TPE)のような適切なプラスチック材料でできていることができる。注入モールド成形されたシリコーンは、乳首の所望の弾力を与える。乳首は、表面組織のモールド成形による、あるいは、その表面にパターン化された、肌のような手触りを有することができる。これらリブは、好ましくは、乳首と一体的に形成される。乳首は、例えば、円筒形、又は非対称形、あるいは人間の乳房の形状をかなりまねたものであることができる適切な形状であることができる。
【0034】
他の乳首の形状は、図示されるような円形の又は楕円形の形状の横断面を含み、実施の形態の各々で適切であるようにして適用されることができることが言及される。さらに、いくつかの適切な実施の形態は、図9A並びに図9Bを参照して説明されたような、対向している厚い及び薄い壁を有することができることが言及される。
【0035】
また、いくつかの実施の形態が、乳首に関して説明されてきたが、上で説明された内壁部分にあるリブの構成もまた、噛む弾性を高め窒息の危険性を低減させるという同様の有益な効果を達成するように、乳児のおしゃぶり用のバグレットでもまた使用されることができることが理解される。
【0036】
バグレットは、乳頭よりも大きくない直径を有する管状部分を有する、シャフトのような、中間部分に接続された乳頭を有する。シャフトの他端部は、ベースに延びている。おしゃぶりは、おしゃぶりを飲み込んで窒息するのを防ぐように、硬質なシールドに取り付けられたこのようなバグレットを有する。乳首の乳頭部分と乳輪部分との少なくとも一方に関して上で説明されたようなリブと同じ構成が、バグレットの乳頭部分とシャフト部分との少なくとも一方に同等に適用されることができる。バグレットは、代表的には、閉じられているので、液体は、リブ間のチャネルを通って流れる必要はない。しかし、おしゃぶりが幼児の口に液体の薬を注ぎ込むことができるタイプであれば、おしゃぶりの開いたバグレット内のリブによって形成されたチャネルは、バグレットがバグレット内の噛む圧力又は圧力の減少により潰れたときさえも、液体の薬の流れを与えるように、同様に十分に機能する。
【0037】
本発明は、説明された実施の形態の特徴に限定されない。当業者は、上述の特定の実施の形態以外の形態が本発明から具体化されることが可能であることを容易に理解するであろう。本発明は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳首及びバグレット(baglet)、特に、ボトルのような乳児用品用の乳首、及びおしゃぶり(soother)用のバグレットに関する。
【背景技術】
【0002】
乳児に授乳するとき、乳首が潰されると、乳首から流れ出るミルクが、かなり妨げられるか、遮られることさえもあり、これにより、授乳中の乳児をいらいらさせてしまう。(例えば、乳児の唇、歯茎又は歯から、即ち、ボトル内の圧力を減少させることにより)乳首の外部に対する圧力による乳首の潰れに耐えるために、これらの内壁のリブに補強リブ又は補強突出部を有する乳首が知られている。欧州特許第0151862号は、例えば、乳首のマウスピースの側壁に形成された、傾斜した内向きの補強リブを有する乳首を開示している。補強リブは、英国特許第2402347号にも開示されている。
【0003】
乳首の潰れに対する補強は、ある程度優れている。しかし、補強リブは、乳首又はリブが厚い壁、又は硬質なグレードのシリコーンのような硬質材料でできていない限り、代表的な使用法の下で乳首が完全に潰れるのを防ぐことができない。しかし、このような乳首は、母親の乳房及び乳頭とはかなり異なるので、これら選択肢の両方とも、可撓性がなく、授乳中の乳児にとってなじみのない乳首を与える。これは、乳児による硬質な乳首の拒否という問題につながりうる。
【0004】
例えば、比較的軟質なグレードのシリコーン材料でできた、可撓性の乳首のキーとなる安全性の問題は、長期間使用して乳児により頻繁に噛まれた後さえも、乳首が損傷されないように、乳首が高い噛み耐性を有さなければならないということである。乳首が損傷されてしまうと、乳児が乳首の先端を噛み切ってしまい、危険な窒息の危険性をもたらしうる。
【0005】
乳首が平滑な壁を有するとき、乳首の壁の部分に対する乳児からの噛む力は、比較的大きな表面積上に均等に分配されるので、このような乳首の噛み耐性は、軟質なグレードのシリコーンでさえも、十分に高いことができる。しかし、乳児が内側に突出しているリブを有する乳首を噛んだとき、リブは、壁の小さな局所的な領域に力を加え、リブは、この壁に対して大きな局所的な圧力をもたらされて押圧される。これは、特に、このような領域で乳首へのダメージをかなり増加させ、また、起こりうる不利益なダメージを受ける時間を減少させる。このような問題は、乳首が噛まれたとき、対向している壁の部分にあるリブが互いに押圧されると、さらに悪化される。これは、対向している壁の部分にあるリブが互いに交差する点でかなり高い局所的な圧力の高い領域をもたらすこととなる。
【0006】
従って、従前の乳首では、リブの存在は、乳首の壁が厚くされるか、比較的硬質なグレードの材料が使用されるかしない限り、乳首の噛み耐性が安全基準に欠けうることを意味する。しかし、このような変更は、結果として生じる硬質な乳首を拒否する乳児の問題につながりうる。
【0007】
さらに、従前の乳首では、いくつかの例において、噛む力が乳首に加えられたとき、対向している壁が互いに接触することができ、そして、互いに関連して横方向に動く。このような回転作用は、授乳中の乳児の歯茎又は新たに生えてきた歯を妨げうるので、望ましくない。
【発明の概要】
【0008】
本発明が、特許請求の範囲に規定される。
【0009】
本発明のいくつかの実施の形態は、上の問題を克服するか緩和するものである。一実施の形態に係われば、可撓性の乳首が提供される。乳首の壁は、これら乳首の壁が変形可能かつ潰れることが可能であるように、即ち、ほぼ対向している壁の部分が互いに向かって動くことができるように、厚いか、所定の材料でできているかの少なくとも一方である。構造上の支持及び補強のいくつかの対策を与えるために、補強リブが、乳首の内壁部分に設けられている。乳首及び突出部は、授乳しているとき、即ち、授乳中に乳児の噛む力、又は内部/外部の圧力差が生じたとき、起こりうる比較的通常の状態の下で乳首が潰れる可能性を妨げないように設計されている。潰れることが可能で、乳首を通る流体の通過をなおも可能にする乳首を与えることによって、いくつかの実施の形態は、以下で説明されるように、乳児にとって撓み可能であり硬質すぎなく、起こりうる窒息の危険性を防止するように、十分な噛み耐性がある乳首を提供する。第1の細長い突出部は、乳首の壁の第1の部分の内面に配置され、第2の細長い突出部は、乳首の壁の第1の部分にほぼ対向している乳首の壁の第2の部分の内面に配置されている。第1の細長い突出部は、壁の部分の一方に力が加えられたとき、これら部分が互いに向かって引き寄せられ、第1の細長い突出部は、壁の第2の部分の内面と接触するように引き寄せられる。同様に、第2の細長い突出部は、壁の第1の部分の内面と接触するように配置されている。突出部の上面の形状は、突出部が接触する内壁部分の表面の形状に対応し、かつ相補的であるように設計されている。これは、各突出部とその夫々の内壁部分との間の最大表面積の接触面積を確実にする。乳首の内面にある複数の細長い突出部の追加によるこのような構成は、例えば、同じものを噛んでいる乳児から、乳首の壁に加えられる噛む力が、複数の細長い突出部の間に分散されることを可能にし、これらが乳首を損傷するレベルに達する圧力レベルの局所的な領域にないことを確実にする。さらに、噛む力のような、外力が、壁の部分の一方に加えられたとき、壁の部分が互いに近接されて、これにより、乳首の潰れた状態になり、突出部は、これら突出部が、互いに離間しているように配置され、さらに、これら突出部が、乳首の壁の対向している内壁の間の間隔を維持するように配置されている。これは、乳首の完全な潰れを阻止し、これにより、内壁部分が、互いに接触し、乳首を通る流体の通過を遮る。突出部の構成は、乳首が潰れたときさえも、乳首を通る流体の流れを可能にする、突出部と壁の内面との間のチャネルを与える。従って、これら突出部が、その噛み耐性及び外力を助ける、可撓性の乳首への構造上の支持を与えるだけでなく、突出部の長さ及び幅に沿って力を分配して、これら突出部の間に力を分散するように配置され、突出部の間に規定された通路を通る流体の通過を可能にする。かくして、乳首が潰れた状態でさえも、障害のない授乳をすることができる。さらに、第1及び第2の突出部が乳首の対向している内壁にあるところでは、乳首を圧縮することは、突出部が互いに隣接していることを意味し、突出部が互いに通り過ぎることができないように、互いに重なり合い、乳首の回転を制限するのに効果的である。
【0010】
他の実施の形態では、楕円形の乳首が提供される。このような形状の乳首に関して、乳首は、2つの向きの一方で乳児の口に常に向けらせる。これは、乳児が、同じ領域で乳首を常に噛み、外力が加えられる領域が予期されることができることを確実にする。そして、突出部は、乳首が噛まれたとき、突出部が、押圧されないか、他の突出部と触れないように配置されることができ、これにより、潰れた乳首の突出部が他の突出部と交差する可能性を回避する。また、突出部は、噛む圧力が、一時で複数の突出部の間に分散されるように配置されることができる。複数の領域を利用することによって、噛む力が、比較的大きな領域に分散されて、過大な高い圧力の局所的な領域が防がれ、これにより、乳首の壁へのダメージが低減される。再び、突出部は、乳首を圧縮することが、突出部が互いに隣接していることを意味するように一直線状に配列され、突出部が互いに通り過ぎることができないように、互いに重なり合い、乳首の回転を制限するのに効果的である。
【0011】
本発明の実施の形態の他の特徴及び効果が、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかし、特定の実施の形態の詳細な説明は、添付図面を参照して、非限定的な例によって与えられるものであることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る乳首の断面の側面図である。
【図2】図2は、通常の状態での図1の乳首の横断面の平面図である。
【図3】図3は、潰れた状態での図1の乳首の横断面の平面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施の形態に係る乳首の側面図である。
【図5】図5は、図4の乳首の正面図である。
【図6】図6は、図4の乳首の平面図である。
【図7】図7は、図4の乳首の横断面の平面図である。
【図8A】図8Aは、通常の状態での本発明のさらなる実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図8B】図8Bは、潰れた状態での図8Aの乳首の横断面の平面図である。
【図9A】図9Aは、本発明の他の実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aの乳首の代わりの態様の横断面の平面図である。
【図10A】図10Aは、本発明の他の実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aの実施の形態に係る乳首の側面図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施の形態に係る乳首の横断面の平面図である。
【図12A】図12Aは、本発明の他の実施の形態に係る乳首の平面図である。
【図12B】図12Bは、図12Aの実施の形態に係る乳首の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係る乳首1は、乳輪部分のような比較的幅広の中間部分4に接続された乳頭部分3を有する。この中間部分自体は、ベース部分2に延びている。このベース部分は、ねじ込みキャップ(図示されない)によってボトルに取り付けられることができる。乳頭部分は、乳輪部分から延びている。乳首の壁5は、可撓性材料でできており、この可撓性材料は、乳首が変形されることを可能にする。このため、乳首の壁は、図3に示されるように、中心軸線13に向かって内側に潰れることができ、これにより、壁の第1の部分6が、ほぼ対向している壁の第2の部分7に向かって動く。第1の突出部、即ち補強リブ8が、壁の第1の部分6の内面6’に配置されている。同様に、第2のリブ9が、壁の第2の部分7の内面7’に配置されている。
【0014】
一般的に乳頭部分と乳輪部分との少なくとも一方を有する噛み領域は、乳児の唇、歯茎、又は歯が乳首の周りに置かれる乳首の領域に対応している。この領域では、噛む力10は、乳首の壁のほぼ対向している部分の一方又は両方の部分に加えられる。力が十分なところでは、図3の横断面の平面図に示されるように乳首が潰されて、これにより、壁の第1の部分6と第2の部分7とは、これら第1の部分と第2の部分とが近接するように、互いに向かって動く。対照的に、図2は、通常の潰れていない状態での(図1の破線Aに沿った)乳首の同じ横断面の平面図を示し、ここでは、壁の部分は、互いに向かって動かされていない。第1のリブ8は、壁の第1の部分6の内面6’に配置されている。リブは、このリブの上面が壁の第2の部分7の内面7’と接触するのに十分な高さを有する。同様に、第2のリブ9は、この第2のリブが壁の第1の部分6の内面6’と接触するように対応して配置されている。突出部8、9の上面8’、9’は、好ましくは、これら突出部の接触可能な表面積をさらに増加させるように、ほぼ平らで、鋭い縁がなく、これにより、壁の夫々の対向している部分に加えられる圧力を減少させる。好ましくは、乳首が潰れた状態にあるときに乳首の対応している内壁部分7’と接触するリブ8’の上面は、リブと内壁部分との間の接触面積を最大にするように、リブに対して接触する対向している内壁部分7’の表面の形状に相補的であるように形成されている。さらに、これらリブは、これらリブが潰れた状態でさえも互いに離間されてとどまり、互いに触れないように、壁のこれらの夫々の部分に互いに配置されている。これらリブは、これらの夫々の対向壁の内面と接触可能な表面積を増加させるように、細長い。このような配置に対して、乳首に対する乳児の噛む力は、リブの間に均等に分散され、これにより、壁に生じるダメージをかなり減少させる。
【0015】
細長い突出部は、乳頭部分の端部11に向かう方向に一直線状に配列されている。このような一直線状の配列を与えることによって、壁の対向している部分にあるリブは、互いに交差も重なりもせず、乳首が潰れた状態にあるとき、交差又は重なりの点で高い圧力の局所的な領域をもたらす。このような問題は、乳頭部分の端点に向かった、全ての細長いリブの一直線状の配列により回避される。
【0016】
好ましくは、これら細長いリブは、リブの全長に沿ってほぼ均等に、これらリブによるいかなる力の分配も可能にするように構成されている。同様に、壁のこれらの夫々の部分の内面の周りの突出部の分配は、リブによって伝達される力がこれらリブの間に均等に分配されるように配置されている。
【0017】
既に説明されたように、潰れた状態にあるとき、乳首の第1及び第2のリブは、対向している内壁部分と接触するように構成されている。これは、対向している内壁部分が互いに触れるのを防ぎ、図3に示されるように、これらリブの間にチャネル12が規定されることを可能にする。このチャネルは、乳首が潰れた状態にあるときさえも、このチャネルを通して液体の連続した流れを与える。
【0018】
図2は、図1に点線Aで示される乳首の平面に沿った横断面図に対応している。これは、通常の、潰れていない状態での乳首の横断面を示している。可撓性の壁5は、楕円形の横断面形状を有する。これは、使用中にほぼ横向きである対向している細長い壁の部分6、7に対して乳児の口を置いたとき、乳首が、一方向のみ又は両方向に常に向けられるという有利な効果を与える。これは、乳児が常にほぼ同じ領域で乳首を噛むことを確実にし、かくして、力が伝達される領域が予期されることができ、リブが適切に位置されることができる。内壁のリブは、乳首が噛まれて乳首が潰れたとき、リブが他のリブを押圧せず、噛む力が一時で複数のリブに加えられるように配置され、これにより、対向している内壁部分に伝達される圧力を減少させる。
【0019】
図1、図2並びに図3に示される乳首は、2つのリブのみを有する。しかし、表面積をさらに増加させるために、力が、対向している壁の部分にリブによって伝達され、好ましくは、複数のリブが、これらの配置及び一直線状の配列に対する既に述べられた制限に対して各内壁に配置される。複数のリブを同時に利用することによって、噛む力が、比較的大きな面積に分散されて、局所的な圧力は、乳首の壁へのダメージが引き起こされるレベルを超過しない。
【0020】
図4ないし図7に示される実施の形態では、2対のリブ18、19が設けられ、各対の一方の部材は、乳首の第1の内壁部分に配置され、対の他方の部材は、乳首のほぼ対向している第2の内壁部分に配置されている。乳頭部分及び乳輪部分は、楕円形の横断面形状を有し、これは、図4の側面図での断面と比較して図5の正面図の比較的幅広の断面によって示される。ベース2は、円形の横断面形状を有し、これは、標準的な環状のボトル(図示されない)に係合することが可能である。長軸線13と短軸線14とを有する乳輪部分及び乳頭部分の楕円形の横断面形状は、乳首が、使用の際、垂直方向で短軸線に対して、及び水平方向に対して長軸線に対して乳児の口が代表的に向けられることを確実にする。これは、(乳首の乳頭乳輪横断面が円形である場合のように、噛むことが表面の周りにランダムに加えられるというよりも)噛む領域が予期されることができることを保証するように機能する。
【0021】
内壁には、2対の補強リブ18、19が設けられている。これら対は、乳首の乳輪部分の長辺7、6に沿って対向している壁の部分に位置され、これにより、第1の対のリブ18は、第1の長い内壁部分6に位置され、また、第2の対19は、対向している第2の長い内壁部分7に位置されている。これら対のリブは、乳輪部分が噛まれ、長い内壁部分が一緒に力を加えられたならば、第1の対の補強リブ18が、第2の対19の外側に係合するように配置されている。この配置では、噛む力は、4つのリブの周りに均等に分散するので、対向している内壁部分に噛む力によって引き起こされるダメージは、かなり減少される。
【0022】
補強リブの配置は、(噛まれることにより、又は哺乳瓶(ボトル)内の圧力がかなり減少されることにより)乳首が潰れたときさえも、これらリブの間に、及びこれら内壁部分の間にチャネルがあるようになっている。これらチャネルは、乳首が潰れた状態にあるときさえも、ミルクがボトルから乳首に流れて、乳首の先端の開口11から流れ出ることができることを確実にする。
【0023】
さらに、これらリブは、乳首を圧縮することが、リブが互いに隣接していることを意味するように一直線状に配列され、突出部が互いに通り過ぎることができないので、互いに重なり合い、乳首の回転を制限するのに効果的である。
【0024】
乳首は、ボトルのネック部の周りの相補的なねじ山にねじ込みキャップを互いに作用させることによって、標準的なプラスチック又はガラスのボトルに乳首を取り付けるために乳首のベース部分2のフランジ16の上にねじ込みキャップ(図示されない)が係合するような標準的なやり方で哺乳瓶に取着されることができる。さらに、乳首は、複数の孔15、例えば、スリットバルブ又はドームバルブでモールド成形されることができる。代わって、孔は、ねじ込みキャップ(図示されない)にチャネルによって与えられることができる。
【0025】
図6は、図4並びに図5の実施の形態の平面図である。これは、楕円形の形状の乳首及び円形のベース部分を備えた乳頭部分を示している。
【0026】
図7は、この実施の形態では乳輪部分に対応しているが、他の実施の形態では、この領域は、乳頭部分又は両部分であることができる乳首の噛み領域の横断面図である。これら対のリブは、乳首の壁と一体的に形成されている。これらリブは、乳輪部分が噛まれて乳首が潰れたならば、一方の壁の部分にあるリブが、ほぼ対向している壁の部分のリブの内側に係合するように配置されている。当然ながら、リブの他の配置も、当業者にとって自明であり、これらは、潰れた状態にある乳首の内壁部分を分離して支持し保つリブの所望の特性を与え、一方、これらが潰れた状態で互いに触れないように、これらリブ間を離して維持する。理解されることができるように、各リブの上面は、上面が、点状の縁を有する上面を備えたリブに関する場合でよりもその夫々の内壁部分と当接する大きな接触可能な表面積を有するように、ほぼ平らである。
【0027】
図8A並びに図8Bは、リブのさらなる代わりの配置を示し、ここでは、一方のリブの高さが、他方のリブの高さとは異なっている。特に、壁の狭小部分17に近接して位置されたリブ18は、壁の長い部分21の中心領域20に近接して位置されたリブ19よりも低い高さを有する。潰れた状態では、重要なことに、リブが互いに実際に触れも当接もしないが、対向しているリブは、効果的に互いにほぼ係合又は噛合でほぼ効果的であることが図8から理解されることができる。
【0028】
図9Aは、本発明のさらなる実施の形態を示している。この実施の形態では、30で全体を示される乳首は、楕円形の横断面を有し、壁の厚さが可変であり、これにより、乳首32の一方の細長い壁は、比較的薄い厚さを有し、また、対向している細長い壁34は、比較的厚い厚さを有する。複数の補強リブが、比較的薄い壁32の内面から内側に延びて設けられている。図示される実施の形態では、これらリブは、接触リブ(touching rib)のアレイを形成している方向(乳首の軸線に平行)にほぼ直交し、アレイは、細長い壁の全長又は長さの大部分に延びている。この形態は、壁32のさらなる補強を与え、さらに、リブ間の噛む力を分散し、乳首が潰れたときに個々の点接触を減少させ、これにより、リブ36が、対向している壁34の内面に触れる。比較的厚い壁34の補強の効果と関連して、これは、よりよい形態を与える。
【0029】
図9Bに示される代わりの実施の形態では、複数のリブ36が、図9Aと同様にして与えられるが、比較的厚い壁34の内面に複数のリブがあり、これも同様の効果を奏する。さらなる実施の形態(図示されない)では、これらリブは、対向している両面から与えられることができる。光圧が加えられたとき、これらリブは、互いに向かって力を加え、一方の側のリブが、対向しているリブの隣接している対の間にそれ自体を位置させる。補強の効果を与えることに加えて、これは、乳首の回転、即ち対向している壁の横方向の動きをさらに防ぎ、乳首が潰される。
【0030】
図10A並びに図10Bを参照すると、代わりの乳首の形態が提供される。この形態では、乳首は、楕円形、図示されるような円形、又は他の適切な形状であることができる外壁40を有する。乳首は、角度をなして(angularly)配置された3つのリブ42を有する。これらリブはまた、図10Bに示されるように垂直方向に互い違いに配置される。これらリブが補強効果を提供する結果として、乳首が潰れたとき、これらが異なる高さであるので、これらリブは互いに交差しない。3つのリブが図示されるが、垂直方向に互い違いに配置された複数のリブが設けられることができることが理解される。例えば、これらリブは、乳首の内側の周りを通る分断されたらせん上のリブの形態を取ることができる。
【0031】
さらなる実施の形態を参照すると、図11に示されるように、一定の厚さの外壁50を有する乳首が、図9A又は図9Bのいずれかの形態と同様にして、一方の内面に沿って設けられた複数のリブ52を有し、同様の効果が得られることができる。
【0032】
図12A並びに図12Bに示される実施の形態を参照すると、円形の横断面を有する乳首50は、乳首50の内壁の周りに角度をなして均一に離間された3つのリブ52を有する。この形態の結果として、乳首が(例えば、点F1、F2又はF3での対の圧縮力により)圧縮されようとも、これらリブは、交差して点の力を生じるように互いの頂部に対して圧縮されることができない。
【0033】
乳首及びリブは、例えば、圧縮又は注入モールド成形であるような適切な方法で形成されることができ、また、シリコーン、ラテックス又は熱可塑性エラストマ(TPE)のような適切なプラスチック材料でできていることができる。注入モールド成形されたシリコーンは、乳首の所望の弾力を与える。乳首は、表面組織のモールド成形による、あるいは、その表面にパターン化された、肌のような手触りを有することができる。これらリブは、好ましくは、乳首と一体的に形成される。乳首は、例えば、円筒形、又は非対称形、あるいは人間の乳房の形状をかなりまねたものであることができる適切な形状であることができる。
【0034】
他の乳首の形状は、図示されるような円形の又は楕円形の形状の横断面を含み、実施の形態の各々で適切であるようにして適用されることができることが言及される。さらに、いくつかの適切な実施の形態は、図9A並びに図9Bを参照して説明されたような、対向している厚い及び薄い壁を有することができることが言及される。
【0035】
また、いくつかの実施の形態が、乳首に関して説明されてきたが、上で説明された内壁部分にあるリブの構成もまた、噛む弾性を高め窒息の危険性を低減させるという同様の有益な効果を達成するように、乳児のおしゃぶり用のバグレットでもまた使用されることができることが理解される。
【0036】
バグレットは、乳頭よりも大きくない直径を有する管状部分を有する、シャフトのような、中間部分に接続された乳頭を有する。シャフトの他端部は、ベースに延びている。おしゃぶりは、おしゃぶりを飲み込んで窒息するのを防ぐように、硬質なシールドに取り付けられたこのようなバグレットを有する。乳首の乳頭部分と乳輪部分との少なくとも一方に関して上で説明されたようなリブと同じ構成が、バグレットの乳頭部分とシャフト部分との少なくとも一方に同等に適用されることができる。バグレットは、代表的には、閉じられているので、液体は、リブ間のチャネルを通って流れる必要はない。しかし、おしゃぶりが幼児の口に液体の薬を注ぎ込むことができるタイプであれば、おしゃぶりの開いたバグレット内のリブによって形成されたチャネルは、バグレットがバグレット内の噛む圧力又は圧力の減少により潰れたときさえも、液体の薬の流れを与えるように、同様に十分に機能する。
【0037】
本発明は、説明された実施の形態の特徴に限定されない。当業者は、上述の特定の実施の形態以外の形態が本発明から具体化されることが可能であることを容易に理解するであろう。本発明は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部分(2)と、
乳頭部分(3)と、
前記ベース部分と前記乳頭部分との間に、前記乳頭部分から延びている乳輪部分(4)とを具備する、乳児用品用の乳首(1)であって、
この乳首は、壁の第1の部分(6)と、壁のほぼ対向している第2の部分(7)とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁(5)を具備し、
この乳首は、
前記壁の第1の部分(6)の内面(6’)に配置された第1の突出部(8)と、
前記壁の第2の部分(7)の内面(7’)に配置された第2の突出部(9)とを具備し、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部が、前記壁の第2の部分(7)の前記内面(7’)と接触するように配置されている乳首(1)。
【請求項2】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部(8)は、前記第1の突出部が前記第2の突出部(9)から離間されるように配置されている請求項1の乳首(1)。
【請求項3】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第2の突出部(9)が、前記壁の第1の部分(6)の前記内面(6’)と接触するように配置されている請求項1又は2の乳首(1)。
【請求項4】
前記壁の第1の部分(6)に配置された複数の突出部(18)と、
前記壁の第2の部分(7)に配置された複数の突出部(19)との少なくとも一方をさらに具備し、
さらに、前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記両突出部(18,19)は、前記両突出部が互いに離間されるように配置されている請求項1ないし3のいずれか1の乳首(1)。
【請求項5】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、前記第1の突出部(8)の上面(8’)の形状が、前記壁の第2の部分(7)の前記内面(7’)の形状に相補的であるように形成されている請求項1ないし4のいずれか1の乳首(1)。
【請求項6】
各突出部(8,9)は、細長い突出部である請求項1ないし5のいずれか1の乳首(1)。
【請求項7】
前記細長い突出部(8,9)は、前記乳頭部分(3)の端部(11)に向かう方向に一直線状に配列されている請求項6の乳首。
【請求項8】
各細長い突出部(8,9)は、補強リブを有する請求項6又は7の乳首(1)。
【請求項9】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、各細長い突出部が、その全長に沿ってほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項6ないし8のいずれか1の乳首(1)。
【請求項10】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記両突出部(8,9)が、前記両突出部の間にほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項1ないし9のいずれか1の乳首(1)。
【請求項11】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、前記両突出部(8,9)は、前記壁の第1及び第2の部分の前記内面(6’,7’)が離間されて保たれるように配置されている請求項1ないし10のいずれか1の乳首(1)。
【請求項12】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、少なくとも1つのフローチャネル(12)が、前記両突出部(8,9)の間に規定され、前記フローチャネルに沿って流体が通過することができる請求項1ないし11のいずれか1の乳首(1)。
【請求項13】
前記乳頭部分(3)の少なくとも1つと前記乳輪部分(4)との少なくとも一方が、ほぼ円形の横断面、又はほぼ楕円形の横断面を有し、前記楕円形の横断面は、長軸線(13)を有する請求項1ないし12のいずれか1の乳首(1)。
【請求項14】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、前記乳頭部分(3)と前記乳輪部分(4)との少なくとも一方の横断面が、長軸線を規定しているほぼ細長い形状を形成している請求項1ないし13のいずれか1の乳首(1)。
【請求項15】
前記壁の第1の部分(6)は、前記長軸線(13)の一方の側の前記壁の一部に対応し、前記壁の第2の部分(7)は、前記長軸線の他方の側の前記壁の一部に対応している請求項13又は14の乳首(1)。
【請求項16】
前記第1の突出部(8)は、前記第2の突出部(9)の対応している寸法とは異なる寸法を有する請求項1ないし15のいずれか1の乳首(1)。
【請求項17】
第1の、比較的厚い壁のセグメントと、第2の、比較的薄い壁のセグメントとを有し、前記壁のセグメントは、互いに対向している請求項1ないし16のいずれか1の乳首(1)。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれか1の乳首(1)を具備する乳児用品。
【請求項19】
ベース部分と、
乳頭部分と、
前記ベース部分と前記乳頭部分の間に、前記乳頭部分から延びているシャフト部分とを具備するバグレットであって、
このバグレットは、壁の第1の部分と、壁のほぼ対向している第2の部分とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を具備し、
このバグレットは、
前記壁の第1の部分の内面に配置された第1の突出部と、
前記壁の第2の部分の内面に配置された第2の突出部とを具備し、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部が、前記壁の第2の部分の前記内面と接触するように配置されているバグレット。
【請求項20】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部は、前記第1の突出部が前記第2の突出部から離間されるように配置されている請求項19のバグレット。
【請求項21】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第2の突出部が、前記壁の第1の部分の前記内面に接触するように配置されている請求項19又は20のバグレット。
【請求項22】
前記壁の第1の部分に配置された複数の突出部と、
前記壁の第2の部分に配置された複数の突出部との少なくとも一方をさらに具備し、
さらに、前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記両突出部は、前記両突出部が互いに離間されるように配置されている請求項19ないし21のいずれか1のバグレット。
【請求項23】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部の上面の形状が、前記壁の第2の部分の前記内面の形状に相補的であるように形成されている請求項19ないし22のいずれか1のバグレット。
【請求項24】
各突出部は、細長い突出部である請求項19ないし23のいずれか1のバグレット。
【請求項25】
前記細長い突出部は、前記乳頭部分の端部に向かう方向に一直線状に配列されている請求項24のバグレット。
【請求項26】
各細長い突出部は、補強リブを有する請求項24ないし25のいずれか1のバグレット。
【請求項27】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、各細長い突出部が、その全長に沿ってほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項24ないし26のいずれか1のバグレット。
【請求項28】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記両突出部が、前記両突出部の間にほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項19ないし27のいずれか1のバグレット。
【請求項29】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記両突出部は、前記壁の第1及び第2の部分の前記内面が離間されて保たれるように配置されている請求項19ないし27のいずれか1のバグレット。
【請求項30】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、少なくとも1つのフローチャネルが、前記両突出部の間に規定され、前記フローチャネルに沿って流体が通過することができる請求項19ないし29のいずれか1のバグレット。
【請求項31】
前記乳頭部分の少なくとも1つと前記ステム部分との少なくとも一方が、ほぼ楕円形の横断面を有し、前記楕円形の横断面は、長軸線を有する請求項19ないし30のいずれか1のバグレット。
【請求項32】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記乳頭部分と前記ステム部分との少なくとも一方の横断面が、長軸線を規定しているほぼ細長い形状を形成している請求項19ないし31のいずれか1のバグレット。
【請求項33】
前記壁の第1の部分は、前記長軸線の一方の側の前記壁の一部に対応し、前記壁の第2の部分は、前記長軸線の他方の側の前記壁の一部に対応している請求項19ないし32のいずれか1のバグレット。
【請求項34】
前記第1の突出部は、前記第2の突出部の対応している寸法とは異なる寸法を有する請求項19ないし32のいずれか1のバグレット。
【請求項35】
第1の、比較的厚い壁のセグメントと、第2の、比較的薄い壁のセグメントとを有し、前記壁のセグメントは、互いに対向している請求項19ないし34のいずれか1のバグレット。
【請求項36】
ベース部分と、
乳頭部分とを具備する乳児用品用の乳首又はバグレットであって、
この乳首又はバグレットは、壁の第1の部分と、壁のほぼ対向している第2の部分とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を具備し、
この乳首又はバグレットは、
前記壁の第1の部分の内面に配置された複数の第1の突出部を有し、
前記壁の第2の部分の内面は、ほぼ突出しておらず、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記複数の突出部が、前記壁の第2の部分の前記内面と接触するように配置されている乳首又はバグレット。
【請求項37】
前記複数の突出部は、前記ベース部分と前記乳頭部分との間に延びている方向にほぼ向けられている請求項36の乳首又はバグレット。
【請求項38】
隣接している突出部は、互いに接触している請求項37の乳首又はバグレット。
【請求項39】
前記第1及び第2の部分の一方は、比較的厚く、前記第1及び第2の部分の他方は、比較的薄い請求項36ないし38のいずれか1の乳首又はバグレット。
【請求項40】
前記壁の第1及び第2の部分は、ほぼ楕円形の横断面を有する壁の対向している部分を有し、
前記第1及び第2の部分は、前記楕円形の横断面の長軸線に平行に延びている請求項36ないし39のいずれか1の乳首又はバグレット。
【請求項41】
ベース部分と、
乳頭部分とを具備する乳児用品用の乳首又はバグレットであって、
この乳首又はバグレットは、壁の第1の部分と、壁のほぼ対向している第2の部分とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を具備し、
この乳首又はバグレットは、前記壁の第1の部分の内面の少なくとも1つと、前記壁の第2の部分の内面との少なくとも一方に配置された複数の第1の突出部を有し、
前記第1及び第2の部分の一方は、比較的厚く、前記第1及び第2の部分の他方は、比較的薄く、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の部分が互いに近接される乳首又はバグレット。
【請求項42】
ベース部分と、
乳頭部分とを具備する乳児用品用の乳首又はバグレットであって、
この乳首又はバグレットは、壁のほぼ対向している両部分が互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を有し、
この乳首は、前記壁の内面に配置された複数の突出部を有し、前記突出部は、互いに垂直に離間され、前記壁に力が加えられたとき、前記壁の部分が互いに近接されて、突出部が、前記壁の対向している部分の前記内面と接触するように配置されている乳首又はバグレット。
【請求項43】
前記突出部は、角度をなして離間されている請求項42の乳首又はバグレット。
【請求項44】
前記突出部は、らせん状の経路に沿って配置されている請求項42又は43の乳首又はバグレット。
【請求項45】
乳首の前記内壁の周りに均等に配置された、ほぼ垂直に向けられた第1、第2及び第3の突出部を有する請求項1ないし17又は19ないし44のいずれか1の乳首又はバグレット。
【請求項46】
図面を参照して実質的に記載された乳首、バグレット又は乳児用品。
【請求項1】
ベース部分(2)と、
乳頭部分(3)と、
前記ベース部分と前記乳頭部分との間に、前記乳頭部分から延びている乳輪部分(4)とを具備する、乳児用品用の乳首(1)であって、
この乳首は、壁の第1の部分(6)と、壁のほぼ対向している第2の部分(7)とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁(5)を具備し、
この乳首は、
前記壁の第1の部分(6)の内面(6’)に配置された第1の突出部(8)と、
前記壁の第2の部分(7)の内面(7’)に配置された第2の突出部(9)とを具備し、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部が、前記壁の第2の部分(7)の前記内面(7’)と接触するように配置されている乳首(1)。
【請求項2】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部(8)は、前記第1の突出部が前記第2の突出部(9)から離間されるように配置されている請求項1の乳首(1)。
【請求項3】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第2の突出部(9)が、前記壁の第1の部分(6)の前記内面(6’)と接触するように配置されている請求項1又は2の乳首(1)。
【請求項4】
前記壁の第1の部分(6)に配置された複数の突出部(18)と、
前記壁の第2の部分(7)に配置された複数の突出部(19)との少なくとも一方をさらに具備し、
さらに、前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記両突出部(18,19)は、前記両突出部が互いに離間されるように配置されている請求項1ないし3のいずれか1の乳首(1)。
【請求項5】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、前記第1の突出部(8)の上面(8’)の形状が、前記壁の第2の部分(7)の前記内面(7’)の形状に相補的であるように形成されている請求項1ないし4のいずれか1の乳首(1)。
【請求項6】
各突出部(8,9)は、細長い突出部である請求項1ないし5のいずれか1の乳首(1)。
【請求項7】
前記細長い突出部(8,9)は、前記乳頭部分(3)の端部(11)に向かう方向に一直線状に配列されている請求項6の乳首。
【請求項8】
各細長い突出部(8,9)は、補強リブを有する請求項6又は7の乳首(1)。
【請求項9】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、各細長い突出部が、その全長に沿ってほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項6ないし8のいずれか1の乳首(1)。
【請求項10】
前記壁の第1及び第2の部分(6,7)の少なくとも一方に力(10)が加えられたとき、前記両突出部(8,9)が、前記両突出部の間にほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項1ないし9のいずれか1の乳首(1)。
【請求項11】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、前記両突出部(8,9)は、前記壁の第1及び第2の部分の前記内面(6’,7’)が離間されて保たれるように配置されている請求項1ないし10のいずれか1の乳首(1)。
【請求項12】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、少なくとも1つのフローチャネル(12)が、前記両突出部(8,9)の間に規定され、前記フローチャネルに沿って流体が通過することができる請求項1ないし11のいずれか1の乳首(1)。
【請求項13】
前記乳頭部分(3)の少なくとも1つと前記乳輪部分(4)との少なくとも一方が、ほぼ円形の横断面、又はほぼ楕円形の横断面を有し、前記楕円形の横断面は、長軸線(13)を有する請求項1ないし12のいずれか1の乳首(1)。
【請求項14】
乳首が潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分(6,7)が互いに近接されて、前記乳頭部分(3)と前記乳輪部分(4)との少なくとも一方の横断面が、長軸線を規定しているほぼ細長い形状を形成している請求項1ないし13のいずれか1の乳首(1)。
【請求項15】
前記壁の第1の部分(6)は、前記長軸線(13)の一方の側の前記壁の一部に対応し、前記壁の第2の部分(7)は、前記長軸線の他方の側の前記壁の一部に対応している請求項13又は14の乳首(1)。
【請求項16】
前記第1の突出部(8)は、前記第2の突出部(9)の対応している寸法とは異なる寸法を有する請求項1ないし15のいずれか1の乳首(1)。
【請求項17】
第1の、比較的厚い壁のセグメントと、第2の、比較的薄い壁のセグメントとを有し、前記壁のセグメントは、互いに対向している請求項1ないし16のいずれか1の乳首(1)。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれか1の乳首(1)を具備する乳児用品。
【請求項19】
ベース部分と、
乳頭部分と、
前記ベース部分と前記乳頭部分の間に、前記乳頭部分から延びているシャフト部分とを具備するバグレットであって、
このバグレットは、壁の第1の部分と、壁のほぼ対向している第2の部分とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を具備し、
このバグレットは、
前記壁の第1の部分の内面に配置された第1の突出部と、
前記壁の第2の部分の内面に配置された第2の突出部とを具備し、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部が、前記壁の第2の部分の前記内面と接触するように配置されているバグレット。
【請求項20】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部は、前記第1の突出部が前記第2の突出部から離間されるように配置されている請求項19のバグレット。
【請求項21】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第2の突出部が、前記壁の第1の部分の前記内面に接触するように配置されている請求項19又は20のバグレット。
【請求項22】
前記壁の第1の部分に配置された複数の突出部と、
前記壁の第2の部分に配置された複数の突出部との少なくとも一方をさらに具備し、
さらに、前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記両突出部は、前記両突出部が互いに離間されるように配置されている請求項19ないし21のいずれか1のバグレット。
【請求項23】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記第1の突出部の上面の形状が、前記壁の第2の部分の前記内面の形状に相補的であるように形成されている請求項19ないし22のいずれか1のバグレット。
【請求項24】
各突出部は、細長い突出部である請求項19ないし23のいずれか1のバグレット。
【請求項25】
前記細長い突出部は、前記乳頭部分の端部に向かう方向に一直線状に配列されている請求項24のバグレット。
【請求項26】
各細長い突出部は、補強リブを有する請求項24ないし25のいずれか1のバグレット。
【請求項27】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、各細長い突出部が、その全長に沿ってほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項24ないし26のいずれか1のバグレット。
【請求項28】
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記両突出部が、前記両突出部の間にほぼ均等に力を分配するように配置されている請求項19ないし27のいずれか1のバグレット。
【請求項29】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記両突出部は、前記壁の第1及び第2の部分の前記内面が離間されて保たれるように配置されている請求項19ないし27のいずれか1のバグレット。
【請求項30】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、少なくとも1つのフローチャネルが、前記両突出部の間に規定され、前記フローチャネルに沿って流体が通過することができる請求項19ないし29のいずれか1のバグレット。
【請求項31】
前記乳頭部分の少なくとも1つと前記ステム部分との少なくとも一方が、ほぼ楕円形の横断面を有し、前記楕円形の横断面は、長軸線を有する請求項19ないし30のいずれか1のバグレット。
【請求項32】
バグレットが潰れた状態にあるとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記乳頭部分と前記ステム部分との少なくとも一方の横断面が、長軸線を規定しているほぼ細長い形状を形成している請求項19ないし31のいずれか1のバグレット。
【請求項33】
前記壁の第1の部分は、前記長軸線の一方の側の前記壁の一部に対応し、前記壁の第2の部分は、前記長軸線の他方の側の前記壁の一部に対応している請求項19ないし32のいずれか1のバグレット。
【請求項34】
前記第1の突出部は、前記第2の突出部の対応している寸法とは異なる寸法を有する請求項19ないし32のいずれか1のバグレット。
【請求項35】
第1の、比較的厚い壁のセグメントと、第2の、比較的薄い壁のセグメントとを有し、前記壁のセグメントは、互いに対向している請求項19ないし34のいずれか1のバグレット。
【請求項36】
ベース部分と、
乳頭部分とを具備する乳児用品用の乳首又はバグレットであって、
この乳首又はバグレットは、壁の第1の部分と、壁のほぼ対向している第2の部分とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を具備し、
この乳首又はバグレットは、
前記壁の第1の部分の内面に配置された複数の第1の突出部を有し、
前記壁の第2の部分の内面は、ほぼ突出しておらず、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の両部分が互いに近接されて、前記複数の突出部が、前記壁の第2の部分の前記内面と接触するように配置されている乳首又はバグレット。
【請求項37】
前記複数の突出部は、前記ベース部分と前記乳頭部分との間に延びている方向にほぼ向けられている請求項36の乳首又はバグレット。
【請求項38】
隣接している突出部は、互いに接触している請求項37の乳首又はバグレット。
【請求項39】
前記第1及び第2の部分の一方は、比較的厚く、前記第1及び第2の部分の他方は、比較的薄い請求項36ないし38のいずれか1の乳首又はバグレット。
【請求項40】
前記壁の第1及び第2の部分は、ほぼ楕円形の横断面を有する壁の対向している部分を有し、
前記第1及び第2の部分は、前記楕円形の横断面の長軸線に平行に延びている請求項36ないし39のいずれか1の乳首又はバグレット。
【請求項41】
ベース部分と、
乳頭部分とを具備する乳児用品用の乳首又はバグレットであって、
この乳首又はバグレットは、壁の第1の部分と、壁のほぼ対向している第2の部分とが、互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を具備し、
この乳首又はバグレットは、前記壁の第1の部分の内面の少なくとも1つと、前記壁の第2の部分の内面との少なくとも一方に配置された複数の第1の突出部を有し、
前記第1及び第2の部分の一方は、比較的厚く、前記第1及び第2の部分の他方は、比較的薄く、
前記壁の第1及び第2の部分の少なくとも一方に力が加えられたとき、前記壁の部分が互いに近接される乳首又はバグレット。
【請求項42】
ベース部分と、
乳頭部分とを具備する乳児用品用の乳首又はバグレットであって、
この乳首又はバグレットは、壁のほぼ対向している両部分が互いに向かって動くことができるように、潰れることが可能な可撓性の壁を有し、
この乳首は、前記壁の内面に配置された複数の突出部を有し、前記突出部は、互いに垂直に離間され、前記壁に力が加えられたとき、前記壁の部分が互いに近接されて、突出部が、前記壁の対向している部分の前記内面と接触するように配置されている乳首又はバグレット。
【請求項43】
前記突出部は、角度をなして離間されている請求項42の乳首又はバグレット。
【請求項44】
前記突出部は、らせん状の経路に沿って配置されている請求項42又は43の乳首又はバグレット。
【請求項45】
乳首の前記内壁の周りに均等に配置された、ほぼ垂直に向けられた第1、第2及び第3の突出部を有する請求項1ないし17又は19ないし44のいずれか1の乳首又はバグレット。
【請求項46】
図面を参照して実質的に記載された乳首、バグレット又は乳児用品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公表番号】特表2012−520713(P2012−520713A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500311(P2012−500311)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000524
【国際公開番号】WO2010/106346
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500543845)ジャッケル インターナショナル リミティド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000524
【国際公開番号】WO2010/106346
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500543845)ジャッケル インターナショナル リミティド (3)
【Fターム(参考)】
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