説明

乳幼児用衣服

【課題】容易にオムツの取替えが可能な上下が繋がった乳幼児用衣服を提供すること、及び着用している乳幼児が冷えたり、蒸れたりするのを防止することができる上下が繋がった乳幼児用衣服を提供する。
【解決手段】上下が繋がった乳幼児用衣服10において、脚部18、20の先端には、着用者の足を被う足部34、36が設けられており、脚部18、20と足部34、36の間の前側に着用者の足が露出可能な開口部38、40が形成されていることを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、ロンパースなど上下が繋がった乳幼児用衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の乳幼児用衣服50は、図5に示すように胴部52と、左右の袖部54、56と、左右の脚部58、60と、備えており、これらは前身頃と後身頃によって構成されている。前身頃の胴部52は、中央を中心に分断されており、さらに脚部58、60は、前身頃と後身頃の内側の間に沿って分断されている。これらは、上下方向に連なって複数設けられたボタン62、64によって止められるように構成されている。よって、この分断部分を開くことによって乳幼児は、着脱することができ、オムツの取替えは、ボタン62、64を外して、乳幼児の腰部分と脚部分をこの衣服から解放することによって行われている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、オムツを取り替える度に、ボタンを外したり、止めたりするのは、その作業が煩雑である。また、従来の乳幼児用衣服の脚部は、着用者の足を被っておらず、着用者の脚のみ被うように構成されており、このため、冬季や、夏季であっても冷房が強い部屋では、着用する乳幼児が冷え込んでしまう場合がある。一方、足まで被うように乳幼児衣服を構成することも考えられるが、足まで被ってしまうと、例えば夏場に冷房の強い部屋から外に出た場合、逆に蒸れてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、本考案は、容易にオムツの取替えが可能な上下が繋がった乳幼児用衣服を提供することを第1の目的とする。また、本考案は、着用している乳幼児が冷えたり、蒸れたりするのを防止することができる上下が繋がった乳幼児用衣服を提供することを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本考案は、上下が繋がった乳幼児用衣服において、前身頃の腰部に着用者の脚及び臀部を取出し可能な開口部が形成されており、該開口部には、それを開閉可能に被うカバー部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0006】
このような構成により、前身頃の分断部分を開口しなくても、着用者の脚部及び臀部を乳幼児用衣服から取出すことができるので、容易にオムツの取替え作業を行うことができる。
【0007】
この際、前記カバー部材を引っ張ることにより、前記開口部を開口状態にすることができるように、前記カバー部材を前身頃に係り止めする係止部材が設けられていることが好ましく、このように係止部材を設けることにより、容易に開口部を開口することが可能となり、より容易にオムツの取替え作業を行うことができる。
【0008】
また、上記第2の目的を達成するため、本考案は、上下が繋がった乳幼児用衣服において、脚部の先端には、着用者の足を被う足部が設けられており、脚部と足部の間の前側に着用者の足が露出可能な開口部が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成により、着用者は、足部によって足を被うことにより、冷え込むのを防止することができ、また開口部から足を出すことにより蒸れるのを防止することができる。本考案に係る乳幼児用衣服において、脚とは骨盤と足首との間をいい、足とは、足首から下の部分をいう。
【0010】
この際、前記足部の前記開口部より先端側は、前記開口部から前記脚部内に収容可能に構成されていることが好ましく、このように開口部から脚部内に足部の先端側を収容することにより、開口部から足を出している際に足部が邪魔になることを防止することができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
次に、本考案に係る乳幼児用衣服の実施例について図面に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る乳幼児用衣服の正面図である。本実施例に係る乳幼児用衣服10は、前身頃と後身頃を縫合することにより構成されており、前身頃と後身頃によって縫合された乳幼児用衣服10は、胴部12と、左右一対の袖部14、16と、左右一対の脚部18、20と、を備えている。
【0012】
胴部12の前身頃は、中央を中心に分断されており、その分断部分は、上下方向に連なって複数設けられたボタン22によって止められるよう構成されている。また、胴部12の前身頃の腰部分辺りには、その左右方向全域に亘って山状に形成されたカバー部材24が設けられている。胴部12のこのカバー部材24によって被われている部分には、カバー部材24と同様に山状に形成された開口部26が形成されており、カバー部材24は、図2R>2に示すようにその山状の頂点部を下方に移動させることにより、開口部26を開閉できるよう構成されている。この開口部26は、山状に形成することにより、に着用者の脚及び臀部を取出し可能なスペースを十分に確保している。また、カバー部材24の縁24Aの裏面や、縁24Aに沿って設けられた突起部28の裏面には、係止部材としてベロクロファスナー(登録商標)30が複数設けられており、腰部12の前身頃のこれらベロクロファスナー(登録商標)30に対向する位置には、これらベロクロファスナー(登録商標)30と着脱可能なベロクロファスナー(登録商標)32が設けられており、これによりカバー部材24を係止して開口部26を閉口することができる。
【0013】
脚部18、20それぞれの先端には、図1及び図3に示すように着用者の足を被う足部34、36が設けられており、脚部18、20と足部32、34の間の前側に着用者の足が露出可能な開口部38、40が形成されている。この足部34、36の開口部38、40よりも先端側は、図4に示すように開口部36、38から脚部18、20内に収容可能に構成されている。
【0014】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、容易にオムツの取替えが可能な上下が繋がった乳幼児用衣服、及び着用している乳幼児が冷えたり、蒸れたりするのを防止することができる上下が繋がった乳幼児用衣服を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る乳幼児用衣服の実施例の正面図である。
【図2】本実施例に係る乳幼児用衣服の開口部を開口した状態を示す図である。
【図3】本実施例に係る乳幼児用衣服の脚部と足部の拡大側面図である。
【図4】本実施例に係る乳幼児用衣服の足部を脚部に収容した状態の拡大側面図である。
【図5】従来の乳幼児用衣服の正面図である。
【符号の説明】
10  乳幼児用衣服
18、20  脚部
34、36  足部
38、40  開口部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
上下が繋がった乳幼児用衣服において、前身頃の腰部に着用者の脚及び臀部を取出し可能な開口部が形成されており、該開口部には、それを開閉可能に被うカバー部材が設けられていることを特徴とする乳幼児用衣服。
【請求項2】
前記カバー部材を引っ張ることにより、前記開口部を開口状態にすることができるように、前記カバー部材を前身頃に係り止めする係止部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の乳幼児用衣服。
【請求項3】
上下が繋がった乳幼児用衣服において、脚部の先端には、着用者の足を被う足部が設けられており、脚部と足部の間の前側に着用者の足が露出可能な開口部が形成されていることを特徴とする乳幼児用衣服。
【請求項4】
前記足部の前記開口部より先端側は、前記開口部から前記脚部内に収容可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載の乳幼児用衣服。
【請求項5】
前身頃の腰部に着用者の脚及び臀部を取出し可能な第2開口部が形成されており、該第2開口部には、それを開閉可能に被うカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の乳幼児用衣服。
【請求項6】
前記カバー部材を引っ張ることにより、前記第2開口部を開口状態にすることができるように、前記カバー部材を前身頃に係り止めする係止部材が設けられていることを特徴とする請求項2記載の乳幼児用衣服。

【図1】
image rotate



【図2】
image rotate



【図3】
image rotate



【図4】
image rotate



【図5】
image rotate


【登録番号】実用新案登録第3098901号(U3098901)
【登録日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【発行日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【考案の名称】乳幼児用衣服
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2003−3843(U2003−3843)
【出願日】平成15年6月27日(2003.6.27)
【出願人】(391052873)株式会社東京エンゼル本社 (5)