説明

乳房切除後に使用するバストパッド

【課題】乳房を切除した女性用のバストパッドについて生活の質を向上させることを可能とする。
【解決手段】下地の厚地絹布(肌に接する層)、薄手ニット(内層)、又は薄地絹ニット(肌に接する層)、化繊綿或いはキルト芯の綿(中間層)、薄手ニット(内層)は、乳房形状に裁断し上部を縫い合わせ、上地の薄手ニット(内層)、不織布(中間層)、薄手ニット(外層、レース仕様)は、乳房の膨らみを形成するように乳房形状に裁断し、上部を縫い合わせ、下地と上地とを重ねて、前記縫い合わせた部分を除いて、外周に沿って縫い合わせて開口部を有する袋状体を形成し、開口部から小粒の天然パール、プラスチックビーズ、及び化繊粒綿を充填し、その後、開口部を縫い合わせてバストパッドを形成する。また、下地の肌に接する層および上地の外層から連接してリンパ覆い部を形成できる。ポケット付、スナップ付も形成できる。各種のアンダーパッドを重ねて使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳ガン手術によって乳房を切除した女性が、その後に使用するバストパッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に乳ガン手術によって乳房を切除した女性のバストを、従前のバストと変わらないように補整する人工乳房や乳房切除後に使用するバストパッドが提供されている。
これは、主に、シリコンゴムやシリコンゲルを外装フィルムで覆ったものである。
【0003】
しかし、前記のものは、通気性がないために、それを改良するものとして、連続多孔質成形体として、吸汗性乃至通気性を付与した人工乳房が提案されている。
【0004】
現在の医療現場においては、プラスチックフィルムからなる覆いの中に、シリコンゴムと微粒子からなる混合物を充填して形成した人工乳房が使用されている。
【0005】
前記の医療現場において使用されている人工乳房は、商品名「AMOENA(登録商標)」といい、カバー用の布製の袋に入れて使用するものである。
人工乳房本体の重さは、Mサイズのもので、約177g有り、布製の袋に入れた全体の重さは、約186gも有るものである。
そして、前記人工乳房は、手術後、約1〜2ヶ月は使用できず、キズが治まった約4〜6ヶ月以降に使用するものである。
【0006】
一方、健常者用のバストアップや乳房の垂れ下がりを防止するために、乳房の矯正を行うバストパッドの素材として、椀状の通気性及び柔軟性を有するシート材の空間部に、合成樹脂を発泡させながら造粒することにより得られた、軽量で、撥水性及び適度の弾性を有する合成樹脂発泡粒子のみが充填されてなることを特徴とする乳房矯正用パッドが提案されている。
【0007】
また、高密度で伸縮性の編織布を用いて所定形状の袋状体を形成し、その一端に弁体を設け、弁体を経て多数の微小発泡ビーズを袋状体内に所定量充填してなるバストパッドも提案されている。この微小発泡ビーズは、粒径が0.5〜1mm程度で、発泡倍数20〜30として形成されたポリスチレン発泡体の粒状のビーズである。
【0008】
前記健常者用のバストパッドは、バストパッドに使用する合成樹脂発泡粒子や微小発泡ビーズによって、静電気が発生し、帯電し易い性質を有するという欠点がある。
また、前記のバストパッドは、健常者用のものであるために、乳房を切除した女性のためには、合成樹脂発泡粒子や微小発泡ビーズでは軽すぎて、失った重量を補填できず、バランスが取れないという欠点がある。
【0009】
さらに、別途、木綿繊維等のセルロース繊維にメタクリル酸をグラフト共重合反応させた改質セルロース繊維が知られている。この改質セルロース繊維は、その分子中にカルボキシル基を導入したことから、アンモニアやアミン、屎尿臭、汗およびワキガ等の塩基性悪臭物質に対する吸着性にすぐれたもので、脱臭性繊維としての作用を示すものである。
この脱臭作用は、洗濯後の天日干しで復活するので、繰り返し使用が可能である。
また、この脱臭作用は、塩基性の悪臭を吸着するものであるから、塩基性でないものは吸着しない。したがって、香水等の香りは、吸着しない。
そして、この脱臭性繊維の糸からなる消臭ミシン糸が「ミレ−ヌ(登録商標)」という商品名で市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平2−291856号公報(特許第2993999号)
【特許文献2】特開2004−310号公報
【特許文献3】米国特許第6,296,800号(US-B1-6,296,800)
【特許文献4】特開2002−285406号公報(特許第3536034号)
【特許文献5】特開2004−143626号公報(特許第3857212号)
【特許文献6】特開平6−184941号公報(特許第3239146号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする問題点は、現在の医療現場において、乳ガン手術によって乳房を切除した女性用のバストパッドは、前記したようなシリコンゴムを外装フィルムで覆ったものである。この製品は、規格品であるために、以下の様な欠点があった。
・重いので肩こりが起こったり、冬は冷たく、夏は蒸れるという欠点があった。
・切除した乳房と、健康な乳房の大きさに対して、切除した乳房の大きさを調節することができない。
・キズが癒えた後でも、傷口が敏感になっているために、袋カバー入り口の縫い目が肌やキズに当たるために、痛みが生じる。
・手術の結果、鎖骨の下の胸元に窪みができるが、製品の形態上、その窪みをカバーができない。
・材質と重量のために、身体に会わず、肌への密着感が無い上に、重いので滑る。
そのために、就寝時に装着すると、滑ってずれるので、不快なために外してしまうことになる。その結果、就寝時には、キズの保護ができないことになる。
・専用のブラジャーに装着して使用するものであるために高価である。
【0012】
また、従来のバストパッドは、乳房のみを対象としていたために、脇の下の腋窩(エキカ)リンパ節を削除した場合に、その傷を保護することができない欠点がある。
さらに、汗をかいた時に、その不快な汗の臭いを取る手軽な手段がなかった。
そして、何よりも術後の女性に対して、生活の質( Quality Of Life 、以下、QOLと略す。)を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明において、下地は、肌に接する層、中間層、および内層からなり、
肌に接する層は、厚地絹布、あるいは薄地絹ニットとかならず絹製品であり、中間層は、化繊綿、キルト芯の綿であり、内層は、薄地ニットである。
これらの組み合わせからなる下地を乳房形状に裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせる。
上地は、内層、中間層、外層(表装としてレース仕様に形成する。)からなり、
内層は、薄地ニットであり、中間層は、不織布、消臭不織布、薄地ニットであり、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は、薄地ニットである。
これらの組み合わせからなる上地を乳房形状に裁断し、前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせる。
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周に沿って縫い合わせて、開口部を有する袋状体を形成する。
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、開口部を縫い合わせて形成したバストパッドであることを最も主要な特徴とする。
【0014】
また、本願発明の別態様において、下地は、肌に接する層、中間層、および内層からなり、肌に接する層は、厚地絹布、あるいは薄地絹ニットとかならず絹製品であり、中間層は、化繊綿、キルト芯の綿であり、内層は、薄地ニットである。
これらの組み合わせからなる下地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせる。
上地は、内層、中間層、外層(表装としてレース仕様に形成する。)からなり、
内層は、薄地ニットであり、中間層は、不織布、消臭不織布、薄地ニットであり、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は、薄地ニットである。
これらの組み合わせからなる上地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせる。
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周から舌片状のリンパ覆い部外周に沿って縫い合わせ、さらに、乳房形状と舌片状のリンパ覆い部の境界を縫い合わせて、リンパ覆い部が連接された開口部を有する袋状体を形成する。
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、開口部を縫い合わせて形成したリンパ覆い部を有するバストパッドであることを最も主要な特徴とする。
【0015】
さらに、前記2つの態様において、本願発明は、下地の肌に接する層を薄地絹ニット2枚とした場合には、乳房形状の薄地絹ニット2枚の下部の両脇に開き止まりを縫い、その中間をポケット入口として形成することにより、ポケット付バストパッド、およびリンパ覆い部を有するポケット付バストパッドとすることを特徴とする。
【0016】
また、前記4つの態様において、本願発明は、乳房形状の上地の外層(表装としてレース仕様に形成する。)上部の位置に、ブラジャーの内部に取り付けた凹スナップに対応する凸スナップを1個または2個取り付けることにより、スナップ付バストパッド、およびリンパ覆い部を有するスナップ付バストパッドとすることを特徴とする。
【0017】
また、本願発明は、付加的な態様として、前記バストパッドおよび前記リンパ覆い部を有するバストパッドの下に、重ねて使用するアンダーパッドを用いることができることを特徴とする。
前記アンダーパッドは、肌に接する層、中間層、および外層からなり、
肌に接する層は、厚地絹布、あるいは薄地絹ニット等とかならず絹製品であり、中間層は、厚地絹布、化繊綿、キルト芯の綿、絹毛布等であり、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は、薄地ニット、化繊綿、キルト芯の綿等であり、これらの素材からなる層を種々に組み合わせて、厚みを調整し、乳房形状に裁断し、あるいは乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、周囲を縫い合わせて形成することを特徴とする。
【0018】
さらに、前記ポケット付バストパッド、およびリンパ覆い部を有するポケット付バストパッドに対して、本願発明は、ポケットの中に使用する中パッドを用いることができることを特徴とする。
前記中パッドは、薄地ニット、キルト芯の綿等の層を適宜組み合わせて厚みを調整し、ポケットの中に入る大きさに裁断し、前記各層を縫い合わせて形成することを特徴とする。
【0019】
さらに、本願発明、前記全ての縫い合わせる作業を、消臭ミシン糸を使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願発明のバストパッドは、QOLに関して、以下のとおりの利点がある。
・下地が厚手の絹毛布なので肌触り、保湿性、吸汗性、保温性が優れている。
・軽量で柔らかさがあり、素材が絹であるために、自然に肌になじむ上に、絹毛布のクッション作用により、キズを保護できるために、24時間装着することができる。
・そのために、装着していることを忘れる位に自然な感じになる。
・乳房は各自大きさが異なることに対して、ダーツの幅を広げたり、立体裁断で調節して対応できる。
・下地と上地との5層を開口部下部の1/3の箇所から下に向かって乳房型の外周に沿って開口部の上部まで乳房型に縫い合わせて袋状体を形成しているので、開口部下部が2重に縫い合わされているので、詰め物の充填に際して、開口部が丈夫である。
・バストパッドの詰め物として、小粒の淡水産天然パールを使用することにより、淡水産天然パールビーズは、プラスチックビーズと比較すると、同重量で1:3の嵩高になるために、重量の調節が可能である。
・このことにより、身体のバランスがとれることになり、肩凝り、前肩(猫背)、背骨が曲がる等の姿勢が悪くなることを解決することができる。
・また、前記小粒の淡水産天然パールは、プラスチックビーズと混合した場合に、プラスチックビーズの帯電を防止するという格別顕著な効果がある。
そのために、ビーズが静電気で固まることが無く、常に、ビーズがバラバラになり、身体の動きに応じて、ビーズが動くことにより、バストパッドが普通の乳房と同じような動きをする。
・さらに、淡水産天然パールビーズは、ゴージャス感があり、ストレスを軽減させるだけでなく、女性にとって大変満足できるものである。
・フルサイズカップの市販のブラジャーが使用できる。
・市販のブラジャーの中に入れて使用すると、身体の動きに対応できるために、運動をしても、バストパッドが飛び出したり、ズレたりしないので、使用感が良い。
・洗濯ネットに入れて洗濯機で洗うことができる。そのために衛生面で優れている。
【0021】
・脇の下の腋窩(エキカ)リンパ節を切除した場合に、その傷を保護することができる。
・リンパを切除した場合には、リハビリをやらないと腕が上がらなくなるので、腕の機能回復のためにリハビリが必須になるが、その際に肌に優しいために、リハビリ作業の負担を軽減することができる。
【0022】
・本体のバストパッドの下に装着してアンダーパッドを使用することにより、パッドの高さの調節ができる。
・また、アンダーパッドは、手軽に交換できる。
・さらに、バストパッド、およびアンダーパッドを縫製する時に、消臭ミシン糸を使用することによって、不快な汗の臭いや、ワキガの臭いを手軽に取ることができる。
・しかも、その脱臭作用は、洗濯後の天日干しで復活するために、繰り返し使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本願発明に係るバストパッドAの外観斜視図である。(実施例1)
【図2】バストパッドAの図1のA−A線の断面図である。(実施例1)
【図3】開口部12を形成するためのミシンの縫い目6を示す説明図である。(実施例1)
【図4】ポケット付バストパッドAの裏側正面図である。(実施例3)
【図5】本願発明に係るリンパ覆い部を有するバストパッドBの正面図である。(実施例4)
【図6】リンパ覆い部を有するバストパッドBのB−B線の断面図である。(実施例4)
【図7】リンパ覆い部を有するポケット付バストパッドBの裏側正面図である。(実施例6)
【図8】スナップ付バストパッドAの外観斜視図である。(実施例)
【図9】リンパ覆い部を有するスナップ付バストパッドBの正面図である。(実施例)
【図10】アンダーパッドC(10)の正面図および断面図である。(実施例)
【図11】リンパ覆い部を有するアンダーパッドD(5)の正面図および断面図である。(実施例)
【図12】リンパ覆い部を有するアンダーパッドD(9)の正面図および断面図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の第1の発明は、以下のとおりである。
下地は、(a)厚地絹布(肌に接する層)および薄地ニット(内層)、または(b)厚地絹布1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)、または(c)薄地絹ニット1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、
前記下地を乳房形状に裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
上地は、(d)薄地ニット(内層)、不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(e)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(F)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、
前記上地を乳房形状に裁断し、前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周に沿って縫い合わせて、開口部を有する袋状体を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするバストパッドである。
【0025】
本願の第2の発明は、以下のとおりである。
下地は、薄地絹ニット2枚(肌に接する層、2層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、前記下地を乳房形状に裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、また、薄地絹ニット2枚の下部の両脇に開き止まりを縫い、その中間をポケット入口とし、
上地は、薄地ニット(内層)、消臭不織布および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、前記上地を乳房形状に裁断し、前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周に沿って、乳房形状下部に形成した開き止まりまで縫い合わせ、かつ、開き止まりの中間は、2枚の薄地絹ニット(肌に接する層)の内側の薄地絹ニットのみを縫い合わせ、上部に開口部を有する袋状体、および内側下部にポケット入り口を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、上部の開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするポケット付バストパッドである。
【0026】
本願の別の態様である第3の発明は、以下のとおりである。
下地は、(a)厚地絹布(肌に接する層)および薄地ニット(内層)、または(b)厚地絹布1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)、または(c)薄地絹ニット1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、
前記下地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
上地は、(d)薄地ニット(内層)、不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(e)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(f)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、
前記上地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、
前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、
前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周から舌片状のリンパ覆い部外周に沿って縫い合わせ、さらに、乳房形状と舌片状のリンパ覆い部の境界を縫い合わせて、リンパ覆い部が連接された開口部を有する袋状体を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするリンパ覆い部を有するバストパッドである。
【0027】
本願の別の態様である第4の発明は、以下のとおりである。
下地は、薄地絹ニット2枚(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、前記下地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、
前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、また、薄地絹ニット2枚の下部の両脇に開き止まりを縫い、その中間をポケット入口とし、
上地は、薄地ニット(内層)、消臭不織布および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、前記上地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、
前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、
前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周に沿って、乳房形状下部に形成した開き止まりまで縫い合わせ、かつ、開き止まりの中間は、2枚の薄地絹ニット(肌に接する層)の内側の薄地絹ニットのみを縫い合わせ、上部に開口部を有する袋状体、および内側下部にポケット入り口を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、上部の開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするリンパ覆い部を有するポケット付バストパッドである。
【0028】
本願のさらに別の態様である第5の発明は、以下のとおりである。
第1および第2の発明であるバストパッドにおいて、上地の外層(表装としてレース仕様に形成する。)左右の上部の位置に、ブラジャーの内部に取り付けた凹スナップに対応する凸スナップを1個または2個取り付けたことを特徴とするスナップ付バストパッドである。
【0029】
本願のさらに別の態様である第6の発明は、以下のとおりである。
第3および第4の発明であるリンパ覆い部を有するバストパッドにおいて、上地の外層(表装としてレース仕様に形成する。)のリンパ覆い部の反対側の上部の位置に、ブラジャーの内部に取り付けた凹スナップに対応する凸スナップを1個取り付けたことを特徴とするリンパ覆い部を有するスナップ付バストパッドである。
【0030】
ここで、前記した下地および上地の素材について説明する。
本願発明において、直接、肌に接する層は、厚地絹布および薄地絹ニットであり、必ず絹製品であることを最も重要な第1の特徴とする。
[厚地絹布、薄地絹ニット]
厚地絹布は、厚地絹ニット、起毛絹ニット、絹毛布、絹ビロード、および絹ベルベット等がある。
厚地絹布は、厚さ約3mmから約5mmのものが適当である。
厚地絹布および薄地絹ニットは、絹100%のものであり、いずれも市販されている。
柔らかい布の素材として、例えば、化繊のマイクロファイバーからなる布地もあるが、このものは柔らかくとも、術後の肌には、チクチクと刺激するうえに、夏は蒸れるという欠点がある。
これに対し、本願発明において、肌に接する層に使用する厚地絹布は、たんぱく繊維である上に、厚みがあるのでクッション性があるあるため、術後の肌にも当たりが柔らかくなる。
なお、薄地絹ニットの場合は、化繊綿あるいはキルト芯の綿と組み合わせて使用する。
また、厚地絹布、薄地絹ニットは、夏、冬をとおして一年中使えるという特徴がある。
【0031】
[その他の布帛]
薄地ニットは、各種製品が市販されており、いずれの製品でも良い。
下地に使用する薄地ニットは、オーミケンシ(株)製の温度調節機能素材「97.6°F(キュウ・ナナ・ロク)」が特に好適である。
さらに、化繊綿、キルト芯の綿、不織布、および消臭不織布は、それぞれ市販されており、いずれの製品でも良い。
【0032】
前記乳房の膨らみを形成する方法について、詳述すると、
乳房の膨らみを形成する方法は、立体裁断による方法や、ダーツを形成する方法等があるが、前記本願発明においては、いずれの方法も任意に採用できる。
以下の実施例においては、ダーツを形成する方法によっている。
具体的には、乳房形状の中央直線部分にダーツを設ける。その幅は、例えば、S、M、L用に10mmから50mm位の必要に応じて任意の幅である。。
前記ダーツは、乳房形状の中央直線の下部に必要幅を取り、中央(乳頭)に向かって三角形に織り込んで縫う。折り代が内側になる。
【0033】
前記詰め物の各々について、詳述する。
本願発明において、詰め物の素材として、小粒の淡水産天然パールを使用することことを最も重要な第2の特徴とする。
[小粒の淡水産天然パール]
小粒の淡水産天然パールは、真球の淡水産天然パール(宝石)でも、ネックレスやブレスレットに使用する孔を形成した淡水産天然パールでも良い。必ずしも、真球である必要はないが、角が無く、丸みを帯びているものが好ましい。
前記淡水産天然パールの粒径は、約2mmから約4mm位が適当である。
前記小粒の淡水産天然パールは、中国産、フィリッピン産のものもあり、前記いずれのものも市販されている。
小粒の淡水産天然パールの使用量は、約5gから100gの範囲で任意に選択できる。
前記小粒の淡水産天然パールは、プラスチックビーズと混合した場合に、プラスチックビーズが発生する静電気の帯電を防止するという格別顕著な効果がある。
また、小粒の淡水産天然パールを使用してみると、体臭が薄くなるので、殺菌効果・消臭効果もあるようです。
【0034】
[プラスチックビーズ]
プラスチックビーズは、粒径が約2mmから約4mm位のものであれば、球状でも、ペレット状でも、市販のいずれのプラスチックビーズでも使用できる。
ペレット状のプラスチックビーズは、角のない物の方が良い。
特に好適なプラスチックビーズは、手芸用の縫いぐるみに充填用として市販されている物である。
プラスチックビーズの使用量は、約2gから100gの範囲で任意に選択できる。
【0035】
[化繊粒綿]
化繊粒綿は、手芸用につぶ状綿パッキングとして市販されている物が使用できる。
化繊粒綿は、バストパッドの袋状体の空間を塞ぎ、形を整えるためのものである。
そのために、化繊粒綿の使用量は、任意である。
また、化繊粒綿の比重が軽いために、その使用重量は、約1gから10gと少量である。
【0036】
[淡水産天然パールとプラスチックビーズとの配合割合]
バストパッドの全体の重量を調節するために、淡水産天然パールとプラスチックビーズとを配合する。
淡水産天然パールと比較するとプラスチックビーズは軽いので、同重量の体積比は、
淡水産天然パール:プラスチックビーズ=1:3 である。
したがって、その配合割合は、前記比率に基づいて、任意に決定できるものであり、それによって必要なバストパッドの重量を決定できる。
【0037】
また、本願の付加的な態様である第7の発明は、以下のとおりである。
第1および第2、並びに第5の発明であるバストパッドの下に、重ねて使用するアンダーパッドであって、
(1)厚地絹布(肌に接する層)1層、
(2)厚地絹布(肌に接する層、および外層)2層、
(3)厚地絹布(肌に接する層)、および化繊綿(外層)との2層、
(4)厚地絹布(肌に接する層)、およびキルト芯の綿(外層)との2層、
(5)厚地絹布(肌に接する層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との2層、
(6)厚地絹布(肌に接する層、中間層、および外層)3層、
(7)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、および化繊綿(外層)との3層、
(8)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、およびキルト芯の綿(外層)との3層、
(9)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(10)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(11)厚地絹布(肌に接する層)、化繊綿(中間層)および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(12)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、キルト芯の綿(中間層)層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(13)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、または、
(14)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(15)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との5層、
(16)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)3層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との6層、
を乳房形状に裁断し、前記各層の乳房形状の周囲を縫い合わせて形成したアンダーパッドであって、これらを必要に応じて重ねて使用することを特徴とするバストパッドである。
【0038】
さらに、本願の付加的な態様である第8の発明は、以下のとおりである。
第3および第4、並びに第6の発明であるリンパ覆い部を有するバストパッドの下に、重ねて使用するアンダーパッドであって、
(1)厚地絹布(肌に接する層)1層、
(2)厚地絹布(肌に接する層、および外層)2層、
(3)厚地絹布(肌に接する層)、および化繊綿(外層)との2層、
(4)厚地絹布(肌に接する層)、およびキルト芯の綿(外層)との2層、
(5)厚地絹布(肌に接する層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との2層、
(6)厚地絹布(肌に接する層、中間層、および外層)3層、
(7)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、および化繊綿(外層)との3層、
(8)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、およびキルト芯の綿(外層)との3層、
(9)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(10)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(11)厚地絹布(肌に接する層)、化繊綿(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(12)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、キルト芯の綿(中間層)層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(13)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、または、
(14)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(15)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との5層、
(16)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)3層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との6層、
について、中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層および外層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、前記各層の乳房形状の外周から舌片状のリンパ覆い部外周に沿って縫い合わせ、さらに、乳房形状と舌片状のリンパ覆い部の境界を縫い合わせて形成したアンダーパッドであって、これらを必要に応じて重ねて使用することを特徴とするリンパ覆い部を有するバストパッドである。
【0039】
また、本願の付加的な態様である第9の発明は、以下のとおりである。
第2および第4の発明であるポケット付バストパッドのポケットの中に使用する中パッドであって、
(1)薄地ニット(上層、下層)2層、キルト芯の綿(中間層)との3層、
(2)薄地ニット(上層、下層)2層、キルト芯の綿(中間層)2枚層との4層、
をポケットの中に入る大きさに裁断し、前記各層のを縫い合わせて形成した中パッドであって、これらを必要に応じてポケットの中に封入して使用することを特徴とするポケット付バストパッドである。
【0040】
本願の付加的な態様である第10の発明は、以下のとおりである。
第1から第9の発明であるバストパッドにおいて、下地および上地の各層を縫い合わせる際に、消臭ミシン糸を使用することを特徴とするバストパッドである。
前記縫い合わせるために使用する消臭ミシン糸は、市販されている消臭ミシン糸「ミレ−ヌ(登録商標)」が適当である。
【実施例1】
【0041】
以下の実施例においては、バストパッドAの乳房の膨らみを形成する方法は各種があるが、ダーツを形成する例について詳述する。
本願発明の実施例1について、図1にバストパッドAの外観斜視図を示す。
図2は、図1のA−A線の断面図である。
なお、バストパッドの形は球形でも良いが、図1に示すバストパッドAの形は、ブラジャーのカップの中に納めるために特に適した形である。
バストパッドが球形だと動いてずれてしまうが、このバストパッドAの形は、4隅のカドが支えになって、ブラジャーのカップの中で、ずれることがない。
なお、図1は、左胸用である。
以下、この形を乳房形状と称す。
本願発明の実施例1に係るバストパッドAは、下地1、上地2、および詰め物3からなる。
【0042】
下地1は、厚地絹布4(肌に接する層)、薄地ニット5(内層)からなる。
厚地絹布4(肌に接する層)の厚さは、約3mm位のものを使用した。
また、下地1は、中間層として、化繊綿6あるいはキルト芯の綿7を使用することができる。
前記下地1の厚地絹布4(肌に接する層)および薄地ニット5(内層)を、乳房形状に裁断し、前記2層の乳房形状の上部に開口部8を形成する部分を、ロックミシンを掛けて縫い合わせる。
前記ロックミシンの縫い目9を図3の1に示す。
【0043】
上地2は、薄地ニット5(内層)、不織布10(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなる。
前記上地2の薄地ニット5(内層)、不織布10(中間層)、および5薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)を、乳房形状に裁断する。
前記上地2の薄地ニット7(内層)、および不織布10(中間層)は、乳房中心下部に約10mm幅のダーツを取り、折り返して乳房中心部の乳頭部に向かってダーツ11を形成して縫い、縫い代を身体中心の外方に向ける。
また、薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)は、同様に、乳房中心下部に約10mm幅のダーツを取り、折り返して乳房中心部の乳頭部に向かってダーツ12を形成して縫い、縫い代を身体中心の内方に向ける。
このように、ダーツ12の縫い代を身体中心の内方と外方とに向けることにより、ダーツ12の厚みを少なくすることができる。
そして、前記上地2の3層の乳房形状の上部に開口部8を形成する部分を、ほつれ止めミシンを掛けて縫い合わせる。
前記ほつれ止めミシンの縫い目12を図3の2に示す。
【0044】
前記下地2と上地3との5層を重ねて、前記2つの縫い合わせた部分(9、13)を除いて、乳房型の外周に沿って、ロックミシンを掛けて縫い合わせる。
このようにして、開口部8を有する袋状体14を形成する。
次いで、開口部8を形成する前記2つの縫い合わせた部分(9、13)の下部から約1/3の箇所まで、普通のミシン掛けをして縫い合わせる。
この普通のミシンの縫い目15を図1および図2に示す。
この処理は、開口部8の補強のためである。
【0045】
詰め物3は、小粒の淡水産天然パール16、プラスチックビーズ17、および化繊粒綿18からなる。
この実施例1において、小粒の淡水産天然パール16は、フィリッピン産の市販のパールを使用した。
また、プラスチックビーズ17は、手芸用の縫いぐるみに充填用として市販されている物を使用した。
さらに、化繊粒綿18は、市販されている手芸用のつぶ状綿パッキングを使用した。
【0046】
前記下地1と上地2との間に形成した前記袋状体14の開口部8から、前記詰め物3を充填する。
実施例1においては、SサイズのバストパッドAの例として、以下の割合を配合した。
小粒の淡水産天然パール16 15g
プラスチックビーズ17 45g
化繊粒綿18 1g
合計 61g
【0047】
前記詰め物3の内、小粒の淡水産天然パール16とプラスチックビーズ17とを先に充填し、その後、化繊粒綿18を充填し、上部には空間部19を残す。
前記詰め物3を充填した後、開口部8の残りの2/3を普通のミシン掛けをして縫い合わせてバストパッドAを形成した。
この普通のミシンの縫い目15を図1および図2に示す。
バストパッドAの上部には、空間部19を残すことが重要である。
この空間部19が有ることにより、身体の移動に応じて、小粒の淡水産天然パール16およびプラスチックビーズ17に可動性が生じ、バストパッドAが、より自然に近い感じになる。
【0048】
前記本願発明に係るバストパッドAは、ブラジャーカップの規格に合わせてブラジャーの内側に詰めて使用する。
ブラジャーは、医療用の専用ブラジャーで有る必要は無く、市販の普通のフルカップブラジャーが使用できる。
【実施例2】
【0049】
実施例2は、実施例1において、上地2の層を、薄地ニット5(内層)、消臭不織布20(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)と変更したものである。
その他は、実施例1と同様であり、同様にしてバストパッドAを形成した。
このバストパッドAは、消臭不織布20(中間層)により、消臭効果を有する。
実施例2の構造は、実施例1と同じになるので、図示は省略する。
【実施例3】
【0050】
実施例3は、本願第2の発明に係るポケット付バストパッドAの例であり、素材や部材について、同じものは実施例1と同じ符号番号を使用する。
下地1は、2枚の薄地絹ニット21(肌に接する層、2層)、キルト芯の綿7(中間層)、および薄地ニット5(内層)からなり、実施例1と同様に、乳房形状に裁断し、乳房形状の上部に開口部8を形成する部分を実施例1と同様に縫い合わせる。
また、2枚の薄地絹ニット21の乳房形状下部の両脇に開き止まり部22を縫い、その中間をポケット入口23とする。
上地2は、薄地ニット5(内層)、消臭不織布20(中間層)、および薄地ニット5(中間層)、薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、実施例1と同様に、乳房形状に裁断し、ダーツにより乳房の膨らみを形成し、乳房形状の上部に開口部8を形成する部分も実施例1と同様に縫い合わせる。
その後も実施例1と同様に、下地1と上地2とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した2つの縫い合わせた部分(9、13)を除いて、乳房形状の外周に沿って、実施例1と同様に縫い合わせ、また、乳房形状下部に形成した開き止まり部22まで縫い合わせ、かつ、開き止まり部22の中間は、2枚の薄地絹ニット21(肌に接する層)の内側の薄地絹ニット21のみを縫い合わせ、上部に開口部8を有する袋状体14、および下地1の肌に接する面の下部にポケット入り口23を形成する。
詰め物3も実施例1と同様であり、同様に充填して、その後、開口部8を縫い合わせてポケット付バストパッドAを形成した。
実施例3のポケット付バストパッドAも、消臭不織布20(中間層)により、消臭効果を有する。
実施例3の構造は、実施例2よりも上地2の中間層が1層増えるだけで、他は同じなので、断面図は省略する。
実施例3のポケット付バストパッドAを裏側(肌に接する側)から見た正面図を図4に示す。
【実施例4】
【0051】
実施例4は、本願第3の発明に係るリンパ覆い部を有するバストパッドBの例であり、素材や部材について、同じものは実施例1と同じ符号番号を使用する。
本願発明の実施例4に係るリンパ覆い部を有するバストパッドBは、下地1、上地2、および詰め物3からなる。
下地1は、厚地絹布4(肌に接する層)、薄地ニット5(内層)からなり、厚地絹布4(肌に接する層)の厚さは、約3mm位であることも実施例1と同じである。
前記厚地絹布4(肌に接する層)は、乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部24を連接して裁断し、薄地ニット5(内層)は、乳房形状に裁断する。
前記下地1の2層の乳房形状の上部に開口部8を形成する部分を、実施例1と同様に縫い合わせる。
前記ロックミシンの縫い目9は、実施例1の図3の1に示すものと同じなので図示は、省略する。
上地2は、薄地ニット5(内層)、不織布10(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなることも実施例1と同じである。
前記上地2の薄地ニット5(内層)、および不織布10(中間層)は、乳房形状に裁断し、薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)は、乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部24を連接して裁断し、上地2の乳房形状を、実施例1と同様にして乳房の膨らみを形成する。
前記上地2の乳房形状の上部に開口部8を形成する部分も同様に縫い合わせる。
そして、下地1と上地2とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した2つの縫い合わせた部分(9、13)を除いて、乳房形状の外周から舌片状のリンパ覆い部24外周に沿って縫い合わせ、さらに、乳房形状と舌片状のリンパ覆い部24の境界を縫い合わせて、リンパ覆い部24が連接された開口部8を有する袋状体14を形成する。
そして、実施例1と同様に、袋状体14の開口部8から、実施例1と同じ詰め物3を袋状体14に充填し、上部には空間部19を残し、その後、開口部8を縫い合わせてリンパ覆い部24を有するバストパッドBを形成した。
実施例4の正面図を図5に示す。図5の縦の断面図は、図2のA−A断面図と同じであるので省略する。図5のB−B断面図を図6に示す。
【0052】
前記本願発明に係るリンパ覆い部23を有するバストパッドBは、ブラジャーカップの規格に合わせてブラジャーの内側に詰めて使用する。
ブラジャーは、医療用の専用ブラジャーで有る必要は無く、市販の普通のフルカップブラジャーが使用できる。
前記本願発明に係るリンパ覆い部23を有するバストパッドBは、脇の下のリンパを削除した後に、その傷が癒えた場合には、舌片状のリンパ覆い部23を切り取ることができる。切り取った後は、実施例1のバストパッドAと同じように使用できる。
【実施例5】
【0053】
実施例5は、実施例4において、上地2の層を、薄地ニット5(内層)、消臭不織布20(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)と変更したものである。
その他は、実施例4と同様であり、同様にしてリンパ覆い部24を有するバストパッドBを形成した。
このリンパ覆い部24を有する消臭バストパッドBは、消臭不織布20(中間層)により、消臭効果を有する。
実施例5の構造は、実施例4と同じになるので、図示は省略する。
【実施例6】
【0054】
実施例6は、本願第4の発明に係るリンパ覆い部24を有するポケット付バストパッドBの例であり、素材や部材について、同じものは前記と同じ符号番号を使用する。
下地1は、2枚の薄地絹ニット21(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)、および薄地ニット5(内層)からなり、前記下地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部24を連接して裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部8を形成する部分を縫い合わせ、また、2枚の薄地絹ニット21の乳房形状下部の両脇に開き止まり部22を縫い、その中間をポケット入口23とする。
上地は、薄地ニット5(内層)、消臭不織布20(中間層)および薄地ニット5(中間層)、薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、前記上地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部23を連接して裁断し、
前記上地の乳房形状を、実施例1と同様にして乳房の膨らみを形成するようにし、前記上地の乳房形状の上部に開口部8を形成する部分を縫い合わせる。
前記下地1と上地2とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分(9、13)を除いて、乳房形状の外周に沿って、乳房形状下部に形成した開き止まり部22まで縫い合わせ、かつ、開き止まり部22の中間は、2枚の薄地絹ニット21(肌に接する層)の内側の薄地絹ニット21のみを縫い合わせ、上部に開口部8を有する袋状体14、および内側下部にポケット入り口23を形成する。
前記下地1と上地2との間に形成した袋状体14の開口部8から、実施例1と同じ詰め物3を袋状体14に充填し、上部には空間部19を残し、その後、上部の開口部8を縫い合わせてリンパ覆い部24を有するポケット付バストパッドを形成した。
このリンパ覆い部24を有するポケット付バストパッドBは、消臭不織布20(中間層)により、消臭効果を有する。
実施例6の構造は、実施例4よりも上地2の中間層が1層増えるだけで、他は同じなので、断面図は省略する。
実施例6のリンパ覆い部24を有するポケット付バストパッドBを裏側(肌に接する側)から見た正面図を図7に示す。
【実施例7】
【0055】
実施例7は、本願第5の発明に係るスナップ付バストパッドAの例であり、素材や部材について、同じものは前記と同じ符号番号を使用する。
実施例7は、実施例1から実施例3のバストパッドにおいて、上地1の薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)左右の上部の位置に、ブラジャーの内部に取り付けた凹スナップに対応する凸スナップ25を1個または2個取り付けたスナップ付バストパッドAである。
代表例として、実施例1のバストパットAの外層表面に凸スナップ25を1個取り付けた例を図8に示す。
この例は、凸スナップ25を外層表面の内側に取り付けた左胸用である。
【実施例8】
【0056】
実施例8は、本願第6の発明に係るリンパ覆い部24を有するスナップ付バストパッドBの例であり、素材や部材について、同じものは前記と同じ符号番号を使用する。
実施例8は、実施例4から実施例6のリンパ覆い部24を有するバストパッドBにおいて、上地1の薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)のリンパ覆い部24の反対側の上部の位置に、ブラジャーの内部に取り付けた凹スナップに対応する凸スナップ25を1個取り付けたリンパ覆い部24を有するスナップ付バストパッドBである。
この例は、凸スナップ25を内側に取り付けた左胸用である。
代表例として、実施例4のリンパ覆い部24を有するバストパットBの外層の内側表面上部に凸スナップ23を1個取り付けた例を図9に示す。
【実施例9】
【0057】
実施例9は、本願第7の発明に係るアンダーパッドCの例であり、実施例1から実施例3、および実施例7のバストパットAの下に、重ねて使用するものである。
素材や部材について、同じものは前記と同じ符号番号を使用する。
このアンダーパッドCは、バストパットAの厚みを調節するものであり、その組み合わせは、以下のとおりである。
(1)厚地絹布4(肌に接する層)1層、
(2)厚地絹布4(肌に接する層、および外層)2層、
(3)厚地絹布4(肌に接する層)、および化繊綿6(外層)との2層、
(4)厚地絹布4(肌に接する層)、およびキルト芯の綿7(外層)との2層、
(5)厚地絹布4(肌に接する層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との2層、
(6)厚地絹布4(肌に接する層、中間層、および外層)3層、
(7)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、および化繊綿6(外層)との3層、
(8)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、およびキルト芯の綿7(外層)との3層、
(9)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(10)厚地絹布4(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(11)厚地絹布4(肌に接する層)、化繊綿6(中間層)および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(12)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、キルト芯の綿7(中間層)層、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(13)厚地絹布4(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)2層、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(14)薄地絹ニット21(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)、薄地絹ニット5(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(15)薄地絹ニット21(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)2層、薄地ニット5(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との5層、
(16)薄地絹ニット21(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)3層、薄地ニット5(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との6層、
上記の各層を乳房形状に裁断し、前記各層の乳房形状の周囲を縫い合わせてアンダーパッドCを形成した。
【0058】
アンダーパッドCは、上記の層を適宜選ぶことにより必要な厚みを得ることができる。
アンダーパッドCの外層に、薄地ニット5(表装としてレース仕様に形成する。)を使用すると、見た目がきれいであるだけでなく、強度が増す。
また、アンダーパッドCは、これらをバストパッドAに必要に応じて重ねて使用することを特徴とする。
上記(1)から(16)の層からなるアンダーパッドCは、左右の乳房の両方に使用可能である。
上記(10)の層からなるアンダーパッドCについて、図10に、正面図、およびそのC−C線の断面図を示す。
C−C断面図には、厚地絹布4(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)、および薄地ニット5(外層、表装としてレース仕様に形成する。)の3層を重ねても、その縫い合わせた所の厚さは、厚手の絹毛布4の1層の厚さとほとんど変わらず、段差ができないことが示されている。
【実施例10】
【0059】
実施例10は、本願第8の発明に係るリンパ覆い部24を有するアンダーパッドDの例であり、実施例4から実施例6、および実施例8のリンパ覆い部24を有するバストパットBの下に、重ねて使用するものである。
素材や部材について、同じものは前記と同じ符号番号を使用する。
このリンパ覆い部24を有するアンダーパッドDは、バストパットBの厚みを調節するものであり、その組み合わせは、以下のとおりである。
(1)厚地絹布4(肌に接する層)1層、
(2)厚地絹布4(肌に接する層、および外層)2層、
(3)厚地絹布4(肌に接する層)、および化繊綿6(外層)との2層、
(4)厚地絹布4(肌に接する層)、およびキルト芯の綿7(外層)との2層、
(5)厚地絹布4(肌に接する層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との2層、
(6)厚地絹布4(肌に接する層、中間層、および外層)3層、
(7)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、および化繊綿6(外層)との3層、
(8)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、およびキルト芯の綿7(外層)との3層、
(9)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(10)厚地絹布4(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(11)厚地絹布4(肌に接する層)、化繊綿6(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(12)厚地絹布4(肌に接する層、中間層)2層、キルト芯の綿7(中間層)層、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(13)厚地絹布4(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)2層、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(14)薄地絹ニット21(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)、薄地ニット5(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(15)薄地絹ニット21(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)2層、薄地ニット5(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との5層、
(16)薄地絹ニット21(肌に接する層)、キルト芯の綿7(中間層)3層、薄地ニット5(中間層)、および薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との6層、
上記の各層について、中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層および外層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部24を連接して裁断し、前記各層の乳房形状の外周から舌片状のリンパ覆い部24外周に沿って縫い合わせ、さらに、乳房形状と舌片状のリンパ覆い部23の境界を縫い合わせてリンパ覆い部24を有するアンダーパッドDを形成した。
【0060】
リンパ覆い部24を有するアンダーパッドDは、上記の層を適宜選ぶことにより必要な厚みを得ることができる。
また、リンパ覆い部24を有するアンダーパッドDは、これらをリンパ覆い部24を有するバストパッドBに必要に応じて重ねて使用することを特徴とする。
上記(5)の層からなるリンパ覆い部24を有するアンダーパッドD(5)について、図11に、正面図、およびそのD−D線の断面図を示す。
D−D断面図には、厚地絹布4に、薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様になっている。)を重ねても、その縫い合わせた所の厚さは、厚地絹布4の1層の厚さとほとんど変わらないことが示されている。
【0061】
また、上記(9)の層からなるリンパ覆い部24を有するアンダーパッドD(9)について、図12に、正面図、およびそのE−E線の断面図を示す。
E−E断面図には、厚地絹布4(肌に接する層)、および厚地絹布4(中間層)に、薄地ニット11(外層、表装としてレース仕様になっている。)を重ねても、その縫い代は、厚地絹布4(肌に接する層)の1層の厚さとほとんど変わらないことが示されている。
【実施例11】
【0062】
実施例11は、本願第9の発明に係る実施例3および実施例6のポケット付バストパッドのポケットの中に収納する中パッドの例である。
素材や部材について、同じものは前記と同じ符号番号を使用する。
この中パッドEの組み合わせは、以下のとおりである。
(1)薄地ニット5(上層、下層)2層、キルト芯の綿7(中間層)との3層、
(2)薄地ニット5(上層、下層)2層、キルト芯の綿7(中間層)2層との4層、
上記の各層をポケットの中に入る大きさに裁断し、前記各層のを縫い合わせて中パッドE形成した。
これらの中パッドEは、ポケット付バストパッドのポケットの中に封入して使用するものである。
これらの中パッドEは、ポケット付バストパッドAおよびリンパ覆い部24を有するポケット付バストパッドBに共用して使用できる。
これらの中パッドEは、図示を省略する。
【実施例12】
【0063】
実施例12は、本願第10の発明に係る消臭ミシン糸を使用する例である。
消臭ミシン糸は、実施例1から実施例12のバストパッドA、リンパ覆い部24を有するバストパットB、アンダーパッドC、およびリンパ覆い部24を有するアンダーパッドDに使用することができる。
上記のバストパッドおよびアンダーパッドの製造において、ミシンを掛けて縫製する際に、ミシン糸として、市販されている消臭ミシン糸「ミレ−ヌ(登録商標)」を使用する例である。
ミシン掛けをする際に、ミシン糸を消臭ミシン糸に変えるだけなので、他の内容は前記の実施例1から実施例11と同じである。
各種アンダーパッドを製造するときに、ミシンを掛けて縫製する際に、ミシン糸として、市販されている消臭ミシン糸「ミレ−ヌ(登録商標)」を使用する例である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
従来の医療現場において使用されている人工乳房は、乳ガンの手術後、約4〜6ヶ月以降に使用するものであるのに対して、本願発明のバストパッドAおよびリンパ覆い部を有するバストパッドBは、当たりが柔らかいので、手術後、約1ヶ月から2ヶ月後に、傷のカサブタができた頃から使用できる。
このような早い時期から装着が可能なために、術後のキズの保護と身体のバランスを保つことができる。
また、乳房は、痩せたり太ったり、生理の前後等で、大きさが変わることに対して、アンダーパッドを使用することにより調節できる。
さらに、ブラジャーの一部として、利用できる。
その上、機能性だけでなく、デザインも考慮することができる。
一方、バストパッドAおよびリンパ覆い部を有するバストパッドBは、実施例のように完成品だけではなく、バストパッドと詰め物とを別にして供給し、各自が自分の症状に会わせて、バストパッドに詰め物を充填し、縫い合わせることで、使用することもできる。
また、リンパ覆い部を有するバストパッドBは、リンパ部のキズが治ったら、ハサミで切り取ることができる。
さらに、バストパッドAおよびリンパ覆い部を有するバストパッドBは、市販のフルサイズのブラジャーなら、どのタイプのものにでも使用可能であり、汎用性が高い。
その上、ポケット付バストパッドAおよびリンパ覆い部を有するポケット付バストパッドBは、ポケットの中に自分の術後の状況に応じて、中パッドEだけではなく、自分で綿等を適宜詰めることができる。
この様にすることにより、千差万別な術後の状態に対応することができる。
以上のような特徴により、本願発明は、術後の強い喪失感を軽減することができる。
その上、バストパッドAおよびリンパ覆い部を有するバストパッドBの下に重ねて、アンダーパッドCおよびリンパ覆い部を有するアンダーパッドDを使用することができる。このアンダーパッドをバストパッドA、およびバストパッドBの下に重ねて装着することにより、高さの調節ができる。
また、アンダーパッドは、洗濯が簡便であり、清潔に保つことができる。
そのために、バストパッドA、およびバストパッドBの洗濯の回数を減らすことができるので、バストパッドA、およびバストパッドBが長持ちする。
さらに、アンダーパッドの数を多く持つことにより、汗をかいた時などに、何回も手軽に交換できて快適である。
【符号の説明】
【0065】
A バストパッド
B リンパ覆い部を有するバストパッド
C アンダーパッドパッド
D リンパ覆い部を有するアンダーパッドパッド
E 中パッド
1 下地
2 上地
3 詰め物
4 厚地絹布(肌に接する層)
5 薄地ニット(内層)
6 化繊綿
7 キルト芯の綿
8 開口部
9 ロックミシンの縫い目
10 不織布
11 薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)
12 ダーツ
13 ほつれ止めミシンの縫い目
14 袋状体
15 普通のミシンの縫い目(ステッチ)
16 小粒の淡水産天然パール
17 プラスチックビーズ
18 化繊粒綿
19 空間部
20 消臭不織布
21 薄地絹ニット(肌に接する層)
22 開き止まり部
23 ポケット入口
24 リンパ覆い部
25 凸スナップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地は、(a)厚地絹布(肌に接する層)および薄地ニット(内層)、または(b)厚地絹布1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)、または(c)薄地絹ニット1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、
前記下地を乳房形状に裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
上地は、(d)薄地ニット(内層)、不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(e)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(F)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、
前記上地を乳房形状に裁断し、前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周に沿って縫い合わせて、開口部を有する袋状体を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするバストパッド。
【請求項2】
下地は、薄地絹ニット2枚(肌に接する層、2層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、前記下地を乳房形状に裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、また、薄地絹ニット2枚の下部の両脇に開き止まりを縫い、その中間をポケット入口とし、
上地は、薄地ニット(内層)、消臭不織布および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、前記上地を乳房形状に裁断し、前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周に沿って、乳房形状下部に形成した開き止まりまで縫い合わせ、かつ、開き止まりの中間は、2枚の薄地絹ニット(肌に接する層)の内側の薄地絹ニットのみを縫い合わせ、上部に開口部を有する袋状体、および内側下部にポケット入り口を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、上部の開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするポケット付バストパッド。
【請求項3】
下地は、(a)厚地絹布(肌に接する層)および薄地ニット(内層)、または(b)厚地絹布1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)、または(c)薄地絹ニット1枚あるいは2枚(肌に接する層)、化繊綿あるいはキルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、
前記下地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
上地は、(d)薄地ニット(内層)、不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(e)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)、または(f)薄地ニット(内層)、消臭不織布(中間層)および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、
前記上地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、
前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、
前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周から舌片状のリンパ覆い部外周に沿って縫い合わせ、さらに、乳房形状と舌片状のリンパ覆い部の境界を縫い合わせて、リンパ覆い部が連接された開口部を有する袋状体を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするリンパ覆い部を有するバストパッド。
【請求項4】
下地は、薄地絹ニット2枚(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(内層)からなり、前記下地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、
前記下地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、また、薄地絹ニット2枚の下部の両脇に開き止まりを縫い、その中間をポケット入口とし、
上地は、薄地ニット(内層)、消臭不織布および薄地ニット(中間層)、薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)からなり、前記上地の内層および中間層は乳房形状に裁断し、外層(表装としてレース仕様に形成する。)は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、
前記上地の乳房形状を、乳房の膨らみを形成するようにし、
前記上地の乳房形状の上部に開口部を形成する部分を縫い合わせ、
前記下地と上地とを重ねて、前記乳房形状の上部に形成した縫い合わせた部分を除いて、乳房形状の外周に沿って、乳房形状下部に形成した開き止まりまで縫い合わせ、かつ、開き止まりの中間は、2枚の薄地絹ニット(肌に接する層)の内側の薄地絹ニットのみを縫い合わせ、上部に開口部を有する袋状体、および内側下部にポケット入り口を形成し、
前記下地と上地との間に形成した袋状体の開口部から、小粒の淡水産天然パール、プラスチックビーズ、および化繊粒綿からなる詰め物を前記袋状体に充填し、上部には空間部を残し、その後、上部の開口部を縫い合わせて形成したことを特徴とするリンパ覆い部を有するポケット付バストパッド。
【請求項5】
請求項1から請求項2記載のバストパッドにおいて、上地の外層(表装としてレース仕様に形成する。)左右の上部の位置に、ブラジャーの内部に取り付けた凹スナップに対応する凸スナップを1個または2個取り付けたことを特徴とするスナップ付バストパッド。
【請求項6】
請求項3から請求項4記載のリンパ覆い部を有するバストパッドにおいて、上地の外層(表装としてレース仕様に形成する。)のリンパ覆い部の反対側の上部の位置に、ブラジャーの内部に取り付けた凹スナップに対応する凸スナップを1個取り付けたことを特徴とするリンパ覆い部を有するスナップ付バストパッド。
【請求項7】
請求項1から請求項2、および請求項5記載のバストパッドの下に、重ねて使用するアンダーパッドであって、
(1)厚地絹布(肌に接する層)1層、
(2)厚地絹布(肌に接する層、および外層)2層、
(3)厚地絹布(肌に接する層)、および化繊綿(外層)との2層、
(4)厚地絹布(肌に接する層)、およびキルト芯の綿(外層)との2層、
(5)厚地絹布(肌に接する層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との2層、
(6)厚地絹布(肌に接する層、中間層、および外層)3層、
(7)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、および化繊綿(外層)との3層、
(8)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、およびキルト芯の綿(外層)との3層、
(9)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(10)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(11)厚地絹布(肌に接する層)、化繊綿(中間層)および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(12)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、キルト芯の綿(中間層)層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(13)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、または、
(14)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(15)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との5層、
(16)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)3層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との6層、
を乳房形状に裁断し、前記各層の乳房形状の周囲を縫い合わせて形成したアンダーパッドであって、これらを必要に応じて重ねて使用することを特徴とするバストパッド。
【請求項8】
請求項3から請求項4、および請求項6記載のリンパ覆い部を有するバストパッドの下に、重ねて使用するアンダーパッドであって、
(1)厚地絹布(肌に接する層)1層、
(2)厚地絹布(肌に接する層、および外層)2層、
(3)厚地絹布(肌に接する層)、および化繊綿(外層)との2層、
(4)厚地絹布(肌に接する層)、およびキルト芯の綿(外層)との2層、
(5)厚地絹布(肌に接する層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との2層、
(6)厚地絹布(肌に接する層、中間層、および外層)3層、
(7)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、および化繊綿(外層)との3層、
(8)厚地絹布(肌に接する層、中間層)2層、およびキルト芯の綿(外層)との3層、
(9)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(10)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(11)厚地絹布(肌に接する層)、化繊綿(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との3層、
(12)厚地絹布(肌に接する層)、厚手の絹毛布(中間層)、キルト芯の綿(中間層)層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(13)厚地絹布(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、または、
(14)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との4層、
(15)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)2層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との5層、
(16)薄地絹ニット(肌に接する層)、キルト芯の綿(中間層)3層、薄地絹ニット(中間層)、および薄地ニット(外層、表装としてレース仕様に形成する。)との6層、
について、中間層は乳房形状に裁断し、肌に接する層および外層は乳房形状および脇の肋骨に当たる舌片状のリンパ覆い部を連接して裁断し、前記各層の乳房形状の外周から舌片状のリンパ覆い部外周に沿って縫い合わせ、さらに、乳房形状と舌片状のリンパ覆い部の境界を縫い合わせて形成したアンダーパッドであって、これらを必要に応じて重ねて使用することを特徴とするリンパ覆い部を有するバストパッド。
【請求項9】
請求項2および請求項4記載のポケット付バストパッドのポケットの中に使用する中パッドであって、
(1)薄地ニット(上層、下層)2層、キルト芯の綿(中間層)との3層、
(2)薄地ニット(上層、下層)2層、キルト芯の綿(中間層)2枚層との4層、
をポケットの中に入る大きさに裁断し、前記各層のを縫い合わせて形成した中パッドであって、これらを必要に応じてポケットの中に封入して使用することを特徴とするポケット付バストパッド。
【請求項10】
請求項1から請求項9記載のバストパッドにおいて、各層を縫い合わせるために、消臭ミシン糸を使用することを特徴とするバストパッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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