説明

予約システム

【課題】 出張サービスに係る予約において、集客効果が高く、さらに、同日にかためて集客することが可能となる予約システムを提供する。
【解決手段】 本発明の予約システムは、顧客が端末装置を使って、予約管理サーバにアクセスすることで出張サービスの予約を行える予約システムであって、前記予約管理サ−バは、1日を複数の時間帯に分割して予約管理を行い、顧客の要求に応じて、各時間帯毎の予約の可否及び設定価格を所定日数分確認できる予約状況画面を当該顧客に提供し、新たな予約が登録される際、当該予約日における他の時間帯の設定価格を所定条件に従って、下げる方向に変動させる、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信網を介して、出張サービス等の特定サービスの依頼について予約できる予約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハウスクリーニング等の出張サービスを受けようとする顧客は、電話帳等で該当する業者を探して電話し、希望日時等や必要事項(氏名、住所等)を口頭で伝える等して予約する、というのが一般的であるが、近年のインターネットの普及により、この種の出張サービスの予約をWebサイト上で行えるようにしている業者も珍しくない。
【0003】
その予約方式の一般的な手順について説明すると、業者は、取り扱う作業の内容(例えば、エアコンの清掃、換気扇の清掃等)、出張可能なエリア(地域)の範囲や価格等の情報をWebサイト上に公開し、顧客は、これらの情報を参考にして、当該Webサイトで指定された予約フォームに従い、希望日時(第1〜第3希望等、複数日時を指定させる場合が多い)、依頼したい作業内容、氏名、住所、電話番号等の登録情報を入力し、これを業者宛に送信する(通常、Webサイトの「送信」ボタンを押下することで自動的に送信される)。
【0004】
そして、当該登録情報を受信した業者は、その内容を基にスケジュール調整等を行い、その結果(決定した出張日時等)をメールや電話等で当該顧客に通知する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の予約方式は、Webサイト上で公開する情報が画一的であり、また、予約の時点で実際にサービスを受けられる日時が判明しない等、顧客にとっては決して利便性が良いとはいえず、十分な集客効果を発揮しているとはいえない。
【0006】
また、ハウスクリーニング等の出張サービスは、一般に、1日を複数の時間帯に分割し、それぞれの時間帯単位で予約を受け付け、サービスを提供するという業務形態であるため、作業の効率性や人件費等のコスト面を考えると、なるべく空き時間帯が生じないように予約が入るのが望ましいが、従来の方式では、同日にかためて集客することは困難であった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、集客効果が高く、さらに、同日にかためて集客することが可能となる予約システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る予約システムは、顧客が端末装置を使って、予約管理サーバにアクセスすることで出張サービスの予約を行える予約システムであって、前記予約管理サ−バは、1日を複数の時間帯に分割して予約管理を行い、顧客の要求に応じて、各時間帯毎の予約の可否及び設定価格を所定日数分確認できる予約状況画面を当該顧客に提供し、新たな予約が登録される際、当該予約日における他の時間帯の設定価格を所定条件に従って、下げる方向に変動させる、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る予約システムによれば、顧客は、前記予約管理サーバから提供される予約状況画面を端末装置を介して閲覧することができるので、実際にサービスを受けられる日及び時間帯を即座に把握することができる。
【0010】
また、予約の状況により設定価格が割引されるので、顧客の射幸心を煽り、集客効果を高めることが期待でき、結果として、1日にかためて集客することも可能となる。
【0011】
また、作業場所間の移動時間を短縮させるという観点から、前記予約管理サーバは、複数に区分した地域別に予約の管理を行い、顧客の所望する地域に係る前記予約状況画面を当該顧客に提供する、という構成にしてもよい。
【0012】
また、多くの一般家庭でインターネットの接続環境が整っている昨今の状況を鑑みると、前記予約管理サーバは、インターネット網に接続するWWWサーバであり、前記端末装置との間の通信プロトコルがHTTPである、とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
以上の如く、本発明の予約システムを運用すると、集客効果が高まり、また、なるべく1日にかためて集客することも可能となるので作業性を向上させ、低コスト化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る予約システムの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る予約システムの構成を示す概略図である。図1において、予約管理サーバ1は、エアコン、換気扇等の清掃を行う、いわゆるハウスクリーニングの出張サービスを提供する業者により運営され、端末装置3を使用してアクセスしてきた顧客に対して、当該出張サービスに係る現在の予約状況を提示し、また、新たな予約の受け付けを行うコンピュータである。
【0016】
また、予約管理サーバ1は、インターネット網である通信網2に接続し、端末装置3との間のデータ送受信をHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によって行うWWW(World Wide Web)サーバでもある。
【0017】
端末装置3は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)等を介して通信網2に接続する、例えば、パーソナルコンピュータである。端末装置3はWWWブラウザを備え、、HTTPによって、予約管理サーバ1で公開されるWebサイトを閲覧し、また、予約管理サーバ1に情報を送信することができる。尚、端末装置3は、携帯電話、携帯情報端末等の機器であってもよい。
【0018】
ここで、当該出張サービスの業務形態について説明する。本実施形態の業者は、出張可能なエリア(大エリア)を複数の小エリアに区分し、それぞれの小エリア(地域)毎に専属の作業員(あるいは作業チーム)を割り当てている。したがって、予約の受け付けは、各地域単位で行われる。また、1作業当たりの時間を90分とし、1日を5つの時間帯(9:00〜10:30、10:30〜12:00、13:00〜14:30、14:30〜16:00、16:00〜17:30)に分割し、各時間帯単位で予約の受け付けを行っている。
【0019】
受け付けた予約は、各地域別に用意された予約状況データに登録される。該予約状況データは、予約管理サーバ1が備える図示しないハードディスク装置等の記憶装置に記憶されている。図2に示すように、予約状況データは、年月日、時間帯コード、予約有無コード、価格及び顧客データの各項目からなるレコードで構成されている。
【0020】
次に、本予約システムにおける予約登録の手順を具体的に説明する。先ず、顧客が端末装置3において、WWWブラウザを起動し、予約管理サーバ1のWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)を入力すると、予約管理サーバ1から地域指定画面30が提供され、端末装置3のモニタ(図示せず)に表示される。図3に地域指定画面30の表示例を示す。
【0021】
図3に示す地域指定画面30を使って、顧客は、出張サービスを受ける場所(例えば、自宅)を含む地域の指定を行う。地域指定画面30には、地域コード(A、B、C・・・)とそれに対応する地域の範囲が表示され、顧客は、それらを参照することで、地域選択ボックス31から該当する地域コードを選択することができる。選択後、OKボタンを押下すると、当該選択した地域コードに係る情報が予約管理サーバ1に送信される。
【0022】
予約管理サーバ1は、前記地域コードに係る情報を受信すると、当該地域コードに係る予約状況データを前記記憶装置から取り出し、これを基にして作成した予約状況画面40(図4参照)を当該要求元の端末装置3に送信する。
【0023】
図4に示すように、予約状況画面40には、時間帯毎の予約有無とその価格が、向こう何日に亘って一目で判るように、表形式で表示されている。図4の例では、2005年8月1日から8月7日までの1週間分の予約状況が1画面で示されている。ここで、予約可能な最初の年月日(2005年8月1日)は、現在日から所定日数加算された日となり、例えば、これを3日とすると、現在日は2005年7月29日となる。また、図4右下のNEXTボタンを押下すると、次週(2005年8月8日から14日まで)の予約状況を表示させることができる。
【0024】
図4において、価格が表示されている時間帯は予約が可能であることを示し、”予約済み”と表示されている時間帯は既に予約が入っている(即ち、予約ができない)ことを示している。また、価格又は”予約済み”の何れも表示されていない時間帯に係る日(図4では2005年8月7日)は、営業日でないことを示す。この場合、予約状況データの該当するレコードの時間帯コードには、”00”が設定されている。
【0025】
図4の予約状況画面に表示される価格には、7500〜10000円までの幅があるが、これは次の理由による。つまり、同日営業日において、予約の有り、無しの時間帯をなるべく混在させないように、既に予約を受けた時間帯の周辺の時間帯の価格を後述の条件に従って下げる(割引する)ことで、かかる時間帯の集客効果を高めようしているからである。
【0026】
ここで、顧客が、所望する(即ち、出張サービスの提供を受けたい)年月日の時間帯を年月日選択ボックス41及び時間帯選択ボックス42を用いて選択し、OKボタンを押下すると、かかる情報は予約管理サーバ1に送信される。すると、予約管理サーバ1から、図5に示すような予約フォーム50が送られて来る。ここで、かかる予約フォーム50に従い、顧客が必要事項(氏名、住所、電話番号及びE-mailアドレス)を入力し、OKボタンを押下すると、当該入力したデータ(登録情報)が予約管理サーバ1に送信される。
【0027】
当該登録情報を受信した予約管理サーバ1は、これを基に予約状況データの更新を行う。具体的には、指定された年月日(例えば、2005年8月1日)及び時間帯コード(例えば、10:30〜12:00ならば”02”)に係るレコードについて、予約有無コードを”0”から”1”に変更し、顧客データ項目に当該登録情報の内容(氏名、住所、電話番号及びE-mailアドレス)を設定する。
【0028】
さらに、予約管理サーバ1は価格変動処理を行う。具体的には、当該予約日でまだ予約が入っていない時間帯の価格を下げる(割引する)処理を行う。割引額は、予約済みの時間帯の数(新たな予約を含む)と、該時間帯との位置関係により決められる。本実施形態における価格変動のパターンを図6(イ)〜(ニ)に示す。
【0029】
また、既に予約済みの時間帯に係る価格については、新たな予約が登録される度に、該予約に係る価格と同一となるように更新される(即ち、予約時の価格より上昇することはない)。そして、最終的に決定した価格の通知は、当該営業日について予約ができる最終日(例えば、当該営業日の3日前)の経過後に、予約管理サーバ1からE-mailにて自動的に行われる。また、これとは別に、あるいは併用して、予約状況画面40に現時点の決定価格を表示させることで、顧客が決定価格を随時確認できるようにしてもよい。この場合の表示例を図7(イ)〜(ハ)に示す。
【0030】
以上のように本発明の本実施形態に係る予約システムを運用すると、顧客は、即座にサービスを受けられる日及び時間帯を把握することができ、所望の日及び時間帯を指定した予約を容易にすることができる。また、予約の状況により、価格を下げる方向で変動させるので、顧客の興味をそそり、集客効果を高めることが可能である。
【0031】
さらに、上記価格変動の結果、1営業日になるべく多くかためて集客することが可能になり、作業効率の向上が図れる。
【0032】
尚、本発明に係る予約システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0033】
例えば、上記実施形態における価格の変動方法は、あくまで一例であり、予約済みの時間帯の連続度を高くするために、割引額を調整する趣旨に沿っていれば、如何なる算出方法も取り得る。
【0034】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、価格設定を1種類にしているが、複数の価格設定を必要とする場合(作業内容により価格が異なる場合等)でも本予約システムが適用可能であることは無論である。この場合、例えば、地域別のみならず、価格設定別(作業内容別)でも予約状況データを管理するようにし、また、所望の作業内容を顧客に指定させるようにすれば、容易に価格設定別(作業内容別)の予約状況画面40を顧客に提供できる。
【0035】
また、通信網2は、インターネット網に限定されず、パソコン通信会社が提供するネットワークであってもよい。
【0036】
さらに、上記実施形態では、出張サービスとしてハウスクリーニングを例示したが、本予約システムは、これ以外(例えば、修理、工事等)の出張サービスでも当然適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る予約システムの構成を示す概略図である。
【図2】同実施形態において、予約状況データの内容を示す図である。
【図3】同実施形態において、地域指定画面の一例を示す図である。
【図4】同実施形態において、予約状況画面の一例を示す図である。
【図5】同実施形態において、予約フォームの一例を示す図である。
【図6】同実施形態において、価格変動のパターンを示す図である。
【図7】予約状況画面で決定価格を表示させる場合の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 予約管理サーバ
2 通信網
3 端末装置
30 地域指定画面
31 地域選択ボックス
40 予約状況画面
41 年月日選択ボックス
42 時間帯選択ボックス
50 予約フォーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が端末装置を使って、予約管理サーバにアクセスすることで出張サービスの予約を行える予約システムであって、
前記予約管理サ−バは、
1日を複数の時間帯に分割して予約管理を行い、
顧客の要求に応じて、各時間帯毎の予約の可否及び設定価格を所定日数分確認できる予約状況画面を当該顧客に提供し、
新たな予約が登録される際、当該予約日における他の時間帯の設定価格を所定条件に従って、下げる方向に変動させる、
ことを特徴とする予約システム。
【請求項2】
前記予約管理サーバは、複数に区分した地域別に予約の管理を行い、顧客の所望する地域に係る前記予約状況画面を当該顧客に提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約システム。
【請求項3】
前記予約管理サーバは、インターネット網に接続するWWWサーバであり、前記端末装置との間の通信プロトコルがHTTPであることを特徴とする請求項1又は2に記載の予約システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−72563(P2007−72563A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256237(P2005−256237)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(391057052)株式会社サンパック (16)