説明

予約チェックインシステム

【課題】 ホテルの客室を予約する際またはチェックインする際は人手による作業が入るため、当該ホテル利用者の負担が少なくなく、当該予約やチェックインを自動化する要請が多い。
【解決手段】 携帯電話、固定電話またはインターネットで客室の予約を申し込み、予約当日にホテルに来館し、ホテルフロントに設置された業務サーバ装置の操作を行い、当該操作によって指示される認証番号に携帯電話よりダイヤルし、携帯電話の発信者通知サービスによる電話番号と予約受付時に取得済みの電話番号と照合し、合致した場合にチェックインを自動で受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約チェックインシステムに関し、詳しくはホテル業向けの情報システムで、ホテルのチェックイン時に予約の時に既に受け付けていた宿泊顧客の電話番号と当該顧客の携帯電話の番号を照合することで、顧客を識別し、当該ホテルへのチェックインを自動化することに関する予約チェックインシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サービス業界のサービス施設、例えばホテルや空港等では、利用者が当該ホテルにチェックインを行うときに、人手を介したチェックインの対応を行っている。昨今、利用者側のホテル利用も多様化してきているため、ホテルによる24時間365日のチェックイン対応業務が利用者から望まれてきている。
【0003】
また、ホテルという業種に限定はされないが、経営者の立場からすれば経営上の観点から不要な人件費を避けるべく、できる限り少ない人数でチェックイン等を対応することを積極的に検討しなくてはならない。このような状況下において、ホテル経営者としては、利用者の要望に応えるために、24時間365日体制でチェックインを行う従業員の手配が必要になっている。この他、利用者の中には、人手を介したチェックインを要望しない人も少なくない。
【0004】
このような状況下で、ホテルや空港などのサービス施設で円滑にチェックインを行うために、幾つかの技術が提案されている。例えば、下記特許文献1記載の従来技術は、利用者が空港でチェックインを行うときの技術である。具体的には、利用者の所有する携帯電話機から空港の予約センターに飛行機の搭乗予約を行うと、空港内の予約センターの予約情報送出機が生成済みの予約情報を携帯電話機に配信する。利用者がチェックインを行うとき、携帯電話機は配信された予約情報を自動チェックイン機に送信する。自動チェックイン機は携帯電話機から送信された予約情報を予約情報送出機が内部的に保持している予約情報と照合し発券処理を行う。
【特許文献1】特開2000―349922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、搭乗予約の受付情報を利用者の携帯電話に返信する仕組みとなっており、利用者が携帯電話内部に記憶されている搭乗予約の受付情報を誤って削除等した場合には、利用者が再度予約センターに対して受付情報の再送を申し込む必要があり煩雑な処理が伴うことがある。さらに、上記特許文献1によれば、ホテルや空港等のサービス施設にチェックインを完了させるために時間がかかることが少なくなく、利用者のチェックイン手続きが迅速に済ませることが難しい場面もある。
【0006】
本発明は、上記従来の事情に基づいて提案されたものであって、特定施設の利用を希望する顧客に対して煩雑な手続きを要求する必要がなく、顧客の当該特定施設への利用(具体的には、客室予約およびチェックイン)を容易な手続きで行うことができる予約チェックインシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。
【0008】
つまり、本発明の第1の構成は、特定施設の利用予約を要求する顧客端末および当該施設の利用予約や当該チェックインを受け付けるとともに表示部を有する業務サーバ装置を備えた予約チェックインシステムにおいて、顧客端末は、施設の利用予約に関する顧客の予約情報および当該顧客端末の内部的識別情報を含めて顧客情報として業務サーバ装置に送信する顧客情報送信手段と、業務サーバ装置の表示部に表示される所定の認証番号に対し、当該内部的識別情報に基づいて発呼する通信手段を備え、業務サーバ装置は、顧客を正当な予約者であるか否かを認証するための認証番号を発生する番号発生手段と、顧客情報送信手段により送信された顧客情報と認証番号とが関連付けられた施設利用予約情報を記憶する施設利用予約情報記憶手段と、施設利用予約情報に含まれる認証番号に対して通信手段により発呼された場合、当該発呼に基づいて取得した顧客端末の内部的識別情報と施設利用予約情報に含まれる内部的識別情報とを照合する顧客照合手段と、顧客照合手段による照合の結果一致すると判断された場合、当該施設へのチェックインを許可するための許可情報を表示部に表示する許可情報表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の構成は、上記第1の構成に加え、施設利用予約情報記憶手段は、顧客の施設へのチェックインの状態情報を管理する予約者チェックイン確認情報も記憶し、許可情報表示手段によってチェックイン許可情報が表示された後、施設利用予約情報記憶手段に記憶される予約者チェックイン確認情報を更新するチェックイン更新手段をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の第3の構成は、上記第2の構成に加え、許可情報表示手段は、チェックイン許可情報を表示した後または当該表示と同時に、当該顧客が自己の利用する客室の鍵を受け取ることが可能である旨の鍵受取可能情報も合わせて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の客室予約チェックインシステムによれば、利用者に煩雑な手続きを要求する必要がなく、利用者の客室予約およびチェックインを容易な手続きで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の詳細を説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0013】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の各装置は、それぞれハードウェア構成、又はハードウェア資源とソフトウェアとの組合せ構成のいずれでも実施可能となっている。組合せ構成のソフトウェアとしては、予めネットワーク又は記憶媒体から対応する装置のコンピュータにインストールされ、対応する装置の機能を実現させるためのプログラムが用いられる。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る客室予約チェックインシステム3の構成を示すシステム構成図である。この客室予約チェックインシステム3は、顧客の利用する顧客端末1、ホテルなどのサービス施設が運営・設置する業務サーバ装置2がネットワーク300を介してデータの送受信が可能な状態となっている。以下、本発明の一実施形態においては業務サーバ装置2が設置されるサービス施設はホテルであるとする。
【0015】
顧客端末1には、携帯電話100、固定電話101、PC(パーソナルコンピュータ)102のいずれか一つで足りる構成となっている。ただし、PC102である場合には、携帯電話または固定電話のような電話機能を有する装置が当該PC102と物理的に電話回線とともに接続されていても良い。
【0016】
業務サーバ2は、図1に示すように、通信部201、制御部202、客室予約受付部203、チェックイン可否判定部204、客室管理部205、客室キー配布許可管理部206、メモリ部207を備えており、客室予約受付部203は顧客端末1からの問い合わせに対応するために音声応答部203aおよびインターネット対応部203bをさらに備える。業務サーバ2は、Windows(登録商標)サーバやUNIX(登録商標)といったオペレーションシステム(以下、OS)が稼動するサーバ型の汎用計算機であり、タッチパネル形式等の表示形式を有する表示部(不図示)を備える。
【0017】
通信部201は、制御部202に制御され、ネットワーク300を介して顧客端末1と通信を行うための通信装置である。
【0018】
制御部202は、客室予約チェックインを行うように各部201,203〜206を制御する機能を有し、具体的には図6〜図8に示す顧客端末1と業務サーバ装置2間の動作を実行するように、各部201,203〜206を制御している。
【0019】
例えば制御部202は、顧客端末1から入力された顧客情報をメモリ部207(後述)に書き込む機能と、当該書き込んだ顧客情報が正しいか否かを確認するために顧客端末1に対して確認画面を提示する機能と、チェックイン可否判定部204による照合の結果その顧客が正当な予約者であることを確認できた場合に業務サーバ装置2の表示部(不図示)にチェックイン可能であることの情報(チェックイン可能情報)を表示する機能等を持っている。
【0020】
客室予約受付部203は、顧客が顧客端末1を用いてホテルの客室予約を行う際に、当該顧客端末1から入力される顧客自身の個人情報や宿泊情報に関する「宿泊予約情報」を受信する機能を持っている。
【0021】
なお、客室予約受付部203は、音声応答部203aを介して顧客に対して「宿泊予約情報」を入力させるための音声ガイダンスを顧客端末1に送信し、その音声ガイダンスを介して顧客の「宿泊予約情報」を受信する場合もあれば、インターネット対応部203bを介して顧客端末1に「宿泊予約情報」を入力させるための入力画面を提示し、その画面に入力された「宿泊予約情報」を受信する場合もある。
【0022】
顧客端末1が携帯電話100又は固定電話101の場合には、客室予約受付部203は音声応答部203aを利用し、顧客端末1がPC102である場合には、客室予約受付部203はインターネット対応部203bを利用するように客室予約受付部203の機能が備わっていることが望ましい。
【0023】
チェックイン可否判定部204は、顧客のチェックインの際、顧客が顧客端末1を用いて業務サーバ装置2の表示部(不図示)に表示される認証番号に発呼した場合に当該携帯電話100の電話番号を取得し、その取得した電話番号とメモリ部207(後述)に記憶されている予約入力テーブル207−a内の携帯電話番号と照合する機能を持っている。
【0024】
客室管理部205は、チェックイン可否判定部204による照合の結果、取得した携帯電話100の電話番号とメモリ部207(後述)に記憶されている予約入力テーブル207−a内の携帯電話番号とが一致した場合に、メモリ部207(後述)に記憶されている予約者チェックイン確認テーブル207−bのチェックインの欄を「0」(チェックイン未)から「1」(チェックイン済)に更新するとともに、当該更新日を書き込む機能を持っている。
【0025】
客室キー管理配布部206は、制御部202によってチェックイン許可情報を業務サーバ装置2の表示部(不図示)に表示した後、その顧客に客室の鍵(キー)を受け取ることが可能である旨の情報(鍵受取可能情報)を同表示部に表示する機能を持っている。
【0026】
次に、メモリ部207の内部構成について図面を用いて説明する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る業務サーバ装置2内のメモリ部207の内部構成を示す模式図である。メモリ部207は、予約入力テーブル207−a、予約者チェックイン確認テーブル207−b、再ダイヤル設定テーブル207−cを備える。
【0028】
予約入力テーブル207−aは、顧客端末1から入力または送信されたホテルの「宿泊予約情報」とチェックインする顧客を正当な予約者であるか否かを認証するための任意の文字列(数字列であることが望ましい)である認証番号とを当該予約毎に関連付けた「宿泊予約情報」をテーブル形式に表したものであり、具体的には図3または図4に示す構成となっている。
【0029】
図3または図4に示すとおり、「認証番号」はチェックインする顧客が正当な予約者であるか否かを認証するために用いる任意の文字列であり、電話番号のような数字列であることが一般的には望ましい。また、実際の運用を考慮すれば、顧客の来館日(宿泊予定日)に応じた認証番号であることが望ましい。例えば、来館日が「2006年11月20日」である場合には、「0320061120」などの番号形式にすることが望ましい。認証番号の桁数も限定する必要は特にない。「宿泊予定日」「客室タイプ」「宿泊日数」「宿泊人数」は顧客端末1から入力または送信される顧客情報であり、「携帯電話番号」は顧客端末1の携帯電話101内部に保持する識別(電話)番号である。図4に示すように、予約入力テーブル207−aは、顧客の「氏名」または「住所」を項目として含んでも良い。
【0030】
予約者チェックイン確認テーブル207−bは、顧客のホテルのチェックインの状態(チェックインが未だ済んでいない/チェックインが済んでいる)を当該予約毎に関連付けた「チェックイン状態情報」をテーブル形式に表したものであり、具体的には図5に示す構成となっている。
【0031】
図5に示すとおり、「認証番号」は図3または図4に示したものと同様、チェックインする顧客が正当な予約者であるか否かを認証するために用いる任意の文字列であり、電話番号のような数字列であることが一般的には望ましい。「予約日」は、顧客端末1から入力または送信された「宿泊予約情報」が予約チェックイン確認テーブル207−bに書き込まれた日付を表す。「予約」は顧客の宿泊予約が完了しているか否かを示す指標であり、この欄が「0」である場合には予約は完了しておらず「1」である場合には予約が完了していることを示す。「チェックイン」は顧客のチェックインが完了しているか否かを示す指標であり、この欄が「0」である場合にはチェックインは完了しておらず「1」である場合にはチェックインが完了していることを示す。「更新日」は、客室管理部205の作用(上述)により「チェックイン」の欄が「0」から「1」に更新されたことによって予約チェックイン確認テーブル207−bが変更された日付を表す。「携帯電話番号」は、図3または図4に示した予約入力テーブル207−aの「携帯電話番号」と同じものであり、予約した顧客の有する顧客端末1(携帯電話100が必須)の携帯電話100の電話番号である。
【0032】
再ダイヤル設定テーブル207−cは、チェックイン可否判定部204により顧客端末1からの発呼番号(ダイヤル番号)時に取得した電話番号と予約入力テーブル207−aに記憶されている携帯電話番号とが一致しない場合に、チェックイン可否判定部204が顧客端末1に認証番号の再ダイヤルを促す場合の催促上限値を定めたデータをテーブル形式に表したものである。なお、再ダイヤル設定テーブルの形式としなくても、ファイル形式であっても問題ない。
【0033】
(事前準備:客室予約の申し込み)
次に、顧客が顧客端末1を用いてホテルの客室の予約を申し込む場合の流れについて図面を用いて説明する。
【0034】
図6は、顧客が顧客端末1を用いてホテルの客室の予約を申し込む場合の流れを示したシーケンス図である。ここでは顧客端末1として携帯電話100が用いられ、業務サーバ装置2としては通信部201、制御部202、客室予約受付部203(音声応答部203aまたはインターネット対応部203b)、メモリ部207が用いられる。
【0035】
始めに、顧客は顧客端末1(携帯電話100)を用いてホテルに電話をかけて客室予約受付部203に接続し、音声応答ガイダンスのガイドに従い、必要な情報をダイヤルキー等で入力する(ST10)。客室予約受付部203は、顧客の使用した顧客端末1が携帯電話100であることがわかるため、音声応答部203aを介して音声ガイダンスを顧客端末1に流すこととなる。
【0036】
この入力時に必要な項目は、「宿泊予定日」、「客室タイプ(例:シングル、ツイン、ダブル、スイート等)」、「宿泊数」、「宿泊人数」、「携帯電話番号(携帯電話100の内部的に保持する識別子となる電話番号)」である。
【0037】
携帯電話100を用いて客室予約受付部203の音声ガイダンスに従って必要項目を入力する例をあげると次のようになる。以下の音声ガイダンスのデータは、業務サーバ装置2が内部に有するメモリ部207に記憶していることが望ましい。
【0038】
音声ガイダンス1:「ABCホテルをご利用有り難うございます。音声ガイダンスに従って、お客様の携帯電話番号のダイヤルキーを入力して下さい。」ここで、携帯電話100の電話番号が入力される。
【0039】
音声ガイダンス2:「それでは、宿泊予定日を入力して下さい。月日の4桁を入力して下さい。」ここで、顧客の宿泊予定日が入力される。例えば、「1120」と入力されたとする。
【0040】
音声ガイダンス3:「宿泊客室タイプを入力して下さい。」シングルは「1」、ツインは「2」、ダブル「3」、スイートは「4」、・・を入力して下さい。ここで、宿泊客室タイプとして「4」が入力されたとする。
【0041】
音声ガイダンス4:「宿泊日数を入力して下さい。」ここで、宿泊日数として「4」が入力されたとする。
【0042】
音声ガイダンス5:「次に人数を入力して下さい。」ここで、人数として「3」が入力されたとする。
【0043】
音声ガイダンス6:「宿泊予定日「11月20日」、客室タイプ「スイート」、宿泊日数「4」、宿泊人数「3」でよろしいですか?よろしければ「1」を、修正したい場合は「2」を、メニューの最初に戻るには「3」を入力して下さい。」この処理は図6の確認処理に対応する(ST11)。ここで、携帯電話100から「1」が入力されたとする。この処理は図6の確認に対応する(ST12)。
【0044】
音声ガイダンス7:ただいま受け付け中です。しばらくお待ち下さい。
【0045】
このとき、客室予約受付部203は、メモリ部207の予約入力テーブル207−aにST10で入力された「宿泊予約情報」が書き込まれることに問題あるか否かを確認する(ST13)。具体的には、客室予約受付部203は、メモリ部207の予約入力テーブル207−aの諸項目(宿泊予定日、客室タイプ、宿泊日数、宿泊人数)がホテルの内部規程ルール情報(メモリ部207に記憶。不図示。)と整合するか否かを確認する。例えば、「宿泊予約情報」で客室タイプ「スイート」に宿泊人数「20」となっている場合には、ホテルの内部規定ルール情報(メモリ部207に記憶。不図示)と整合していないため、顧客端末1(携帯電話100)の入力エラーと判断する。この他、顧客の入力した宿泊予約日および宿泊日数で客室が空いていない場合にも、顧客の入力した「宿泊予約情報」がエラーであることが判断される。
【0046】
顧客端末1の入力エラーと判断された場合または予約入力テーブル207−aの項目で既に同一のデータが書き込まれている場合等には、客室予約受付部203は、顧客端末1(携帯電話100)に「宿泊予約情報」の再入力を催促する(ST14)。つまり、音声応答部203aによる音声ガイダンスを流すまたはインターネット対応部203bによる入力画面を提示する。
【0047】
ST13の照合の結果、ST10で入力された「宿泊予約情報」が予約入力テーブル207−aに書き込まれて問題ないと判断された場合には、客室予約受付部203は、メモリ部207の予約入力テーブル207−aにST10で入力された「宿泊予約情報」を書き込むとともに(ST15)、メモリ部207の予約者チェックイン確認テーブル207−bに「宿泊予約情報」のうち対応する項目(認証番号、予約日、予約「1」、チェックイン「0」、更新日「---」)を書き込む(ST16)。ST15の際、客室予約受付部203は、ST10で入力された「宿泊予約情報」を識別するための識別子および顧客認証用の番号(後述の認証処理で使用)として「認証番号」を発生させ、当該「認証番号」と当該「宿泊予約情報」とを関連付けして予約入力テーブル207−aに書き込む。予約者チェックイン確認テーブル207−bの「認証番号」も同様の認証番号が用いられるものとする。
【0048】
(チェックイン)
次に、顧客がホテルに来館し、客室のチェックインを行う場合の流れについて図面を用いて説明する。
【0049】
図7は、顧客がホテルに来館し、客室のチェックインを行う場合の流れを示したシーケンス図である。ここでは顧客端末1としては携帯電話100が用いられることが必須となる。固定電話101またはPC102(携帯電話100と物理的に接続されている場合を除く。)では不可とする。業務サーバ装置2としては、通信部201、制御部202、チェックイン可否判定部204、客室管理部205、客室キー配布許可管理部206、メモリ部207が用いられる。
【0050】
始めに、顧客はホテルに来館した後、ホテルに設置してある業務サーバ装置2の前に立ち、業務サーバ装置2の表示部(タッチパネルなど。不図示)に表示されたチェックインメニューのボタンを押下し、チェックインを開始するための操作を行う(ST100)。
【0051】
ST100で顧客によりチェックインメニューのボタンが押下されると、業務サーバ装置2のチェックイン可否判定部204は、メモリ部207の予約入力テーブル207−aを一時的なメモリ(不図示。メモリ部207とは異なるものとする。)にロードし(ST101)、当該来館日(宿泊予定日)に対応する認証番号を当該表示部に表示する(ST102)。例えば、来館日が2006年11月20日である顧客が来館した場合には、チェックイン可否判定部204は、予約入力テーブル207−aの認証番号(0320061120)を表示部に表示する。来館日の日付情報は業務サーバ装置2の内部時計(不図示)に基づいて把握することができるものとする。
【0052】
顧客は、顧客端末1(携帯電話100)を用いて、ST102で表示された認証番号にダイヤルする(ST103)。業務管理サーバ装置2のチェックイン可否判定部204は、ST103でダイヤルした顧客端末1(携帯電話100)の発信者番号通知サービス(このサービスが有効であることを前提とする)によりこの携帯電話100の電話番号を取得し(ST104)、予約者照合処理を行う(ST105、詳細は後述)。
【0053】
客室管理部205は、チェックイン可否判定部204が当該顧客を予約者として承認すると、メモリ部207内の予約者チェックイン確認テーブル207−bの当該携帯電話番号に対応するレコードの「チェックイン」を「0」から「1」に更新する(ST106)。例えば、来館日(宿泊予定日)が2006年11月20日で宿泊タイプ「スイート」の顧客(携帯電話100の電話番号が090−aaa−bbbb)がチェックインを済ませた場合には、チェックイン可否判定部204が図5の予約者チェックイン確認テーブル207−bの1行目のチェックイン欄を「0」から「1」に変更する。
【0054】
客室管理部205は、顧客を予約者として正式に受理し、チェックイン許可の通知を業務サーバ装置2の表示部に表示する(ST107)。また、予約入力テーブル207−aに顧客の携帯電話100のメールアドレスまたはPC102のメールアドレスが項目として記憶されている場合には、客室管理部205は、チェックイン許可の通知を当該携帯電話100またはPC102に送信しても良い(ST107b)。
【0055】
次に、予約者照合処理(ST105)の詳細な流れについて図面を用いて説明する。
【0056】
図8は、図7に示した予約者照会処理(ST105)の詳細な流れを示したフローチャートである。
【0057】
チェックイン可否判定部204は、ST103にてダイヤルされた顧客端末1(携帯電話100)の電話番号と同一の電話番号がメモリ部207内の予約入力テーブル207−a内の携帯電話番号に存在するか否かを検索する(ST105−1)。
【0058】
このST105−1の検索の結果、当該同一の電話番号が予約入力テーブル207−a内の携帯電話番号に存在すると判断された場合には、チェックイン可否判定部204は、当該携帯電話100を所有する所有者を正当な予約者であると承認する(ST105−2)。
【0059】
一方、このST105−1の検索の結果、当該同一の電話番号が予約入力テーブル207−a内の携帯電話番号に存在すると判断されなかった場合には、チェックイン可否判定部204は、当該携帯電話100を所有する所有者を正当な予約者でないと判断し、業務サーバ装置2の表示部に表示された認証番号を再度ダイヤルするように催促の通知を出す(ST105−3)。顧客は、業務サーバ装置2の表示部に再ダイヤルの催促通知を表示された場合には、ST103に立ち戻って、認証番号(来館日が2006年11月20日である場合には「0320061120」)を再度ダイヤルする(ST103)。
【0060】
特に図示はしていないが、不正な予約者によるチェックインを排除するため、チェックイン可否判定部204は、ST105−3の再ダイヤルの催促通知の回数をカウントし、メモリ部207内の再ダイヤル設定テーブル207−c内に記憶される再ダイヤルの催促通知回数(上限値)を越えない範囲で催促を行うように構成すると望ましい。このように構成すれば、ホテル側としては、不正な予約者によるチェックインを効果的に排除することができ、正当な予約者がチェックインできない障害を避けることができる。
【0061】
客室キー配布許可管理部206は、客室管理部205によって業務サーバ2装置の表示部にチェックイン許可の通知が表示された後またはその表示と同時に客室鍵(キー)をホテルのフロントから受け取ることが可能である旨の「鍵受取可能通知」も表示する。
【0062】
また、顧客がホテルの来館時に携帯電話100を持参するのを失念してしまった場合や、上記再ダイヤルの上限まで繰り返してもチェックインができなかった場合には、顧客がホテルのフロントに出向き、人手によるチェックインの手続きを行っても構わない。このあたりはホテル側の運用ポリシーの問題である。
【0063】
上述したように本実施形態によれば、携帯電話、固定電話またはインターネットで客室の予約を申し込み、予約日の当日にホテルに来館し、ホテルフロントに設置された業務サーバ装置2の操作を行い、当該操作によって指示される認証番号に携帯電話よりダイヤルし、携帯電話の発信者通知サービスによる電話番号と予約受付時に取得済みの電話番号とを照合し、合致した場合にチェックインを自動で受け付けることができるため、宿泊を予定している顧客に煩わしい手続きを行わせることを不要とし、ホテルのチェックインを自動化させることができる。
【0064】
また、本発明の一実施形態は、ホテルに来館する顧客のチェックインを対象として説明したが、本発明の利用シーンとしては、上記説明に限定されない。例えば、顧客の空港でのチェックインする場面にも適用可能であるし、各種コンサートにおいて当該コンサートのチケット等を受け取る場面でも適用することが可能である。
【0065】
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0066】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0067】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0068】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0069】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
【0070】
尚、本発明における業務サーバ装置は、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0071】
また、本発明における業務サーバ装置は、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0072】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の客室予約チェックインシステムのシステム構成図。
【図2】メモリ部の内部構成図。
【図3】予約入力テーブルのデータ構造の一例。
【図4】予約入力テーブルのデータ構造の別例。
【図5】予約者チェックイン確認テーブルのデータ構造の一例。
【図6】宿泊予約情報の入力から宿泊予約情報の登録完了までの流れを示した図。
【図7】チェックイン開始からチェックイン完了までの流れを示した図。
【図8】予約者照合処理を詳細な流れを示した図。
【符号の説明】
【0074】
1 顧客端末
100 携帯電話
101 固定電話
102 PC
2 業務サーバ装置
201 通信部
202 制御部
203 客室予約受付部
203a 音声応答部
203b インターネット対応部
204 チェックイン可否判定部
205 客室管理部
206 客室配布許可管理部
207 メモリ部
207−a 予約入力テーブル
207−b 予約者チェックイン確認テーブル
207−c 再ダイヤル設定テーブル
3 客室予約チェックインシステム
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定施設の利用予約を要求する顧客端末および当該施設の利用予約や当該チェックインを受け付けるとともに表示部を有する業務サーバ装置を備えた予約チェックインシステムにおいて、
前記顧客端末は、
前記施設の利用予約に関する顧客の予約情報および当該顧客端末の内部的識別情報を含めて顧客情報として前記業務サーバ装置に送信する顧客情報送信手段と、
前記業務サーバ装置の表示部に表示される所定の認証番号に対し、当該内部的識別情報に基づいて発呼する通信手段を備え、
前記業務サーバ装置は、
顧客を正当な予約者であるか否かを認証するための前記認証番号を発生する認証番号発生手段と、
前記顧客情報送信手段により送信された顧客情報と前記認証番号とが関連付けられた施設利用予約情報を記憶する施設利用予約情報記憶手段と、
前記施設利用予約情報に含まれる認証番号に対して前記通信手段により発呼された場合、当該発呼に基づいて取得した顧客端末の内部的識別情報と前記施設利用予約情報に含まれる内部的識別情報とを照合する顧客照合手段と、
前記顧客照合手段による照合の結果一致すると判断された場合、当該施設へのチェックインを許可するための許可情報を前記表示部に表示する許可情報表示手段と、
を備えることを特徴とする予約チェックインシステム。
【請求項2】
前記施設利用予約情報記憶手段は、顧客の施設へのチェックインの状態情報を管理する予約者チェックイン確認情報を記憶し、
前記許可情報表示手段によって前記チェックイン許可情報が表示された後、前記施設利用予約情報記憶手段に記憶される前記予約者チェックイン確認情報を更新するチェックイン更新手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の予約チェックインシステム。
【請求項3】
前記許可情報表示手段は、前記チェックイン許可情報を表示した後または当該表示と同時に、当該顧客が自己の利用する客室の鍵を受け取ることが可能である旨の鍵受取可能情報も合わせて表示することを特徴とする請求項2記載の予約チェックインシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−146287(P2008−146287A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331597(P2006−331597)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)