説明

二度打ち防止機構を備えた衝撃試験装置および衝撃試験装置の二度打ち防止方法

【課題】加振後の被測定物とハンマとの再接触を防止する機構を備えた衝撃試験装置を提供する。
【解決手段】本発明による衝撃試験装置は、被測定物を上面に固定するためのプレートと、プレートの下面を打撃するためのハンマと、を具備し、ハンマがプレートを打撃することによってプレートが上昇して上死点に到達し、その後、自由落下によってプレートが落下する衝撃試験装置において、その衝撃試験装置はプレートの落下を制限するための制限手段をさらに具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は打撃式衝撃試験装置に関し、特に加振後の被測定物とハンマとの再接触(二度打ち)を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
使用環境において大きな衝撃が加わる機器には、その機器の対衝撃性能を保証するために、衝撃試験が行われる。この衝撃試験においては、使用環境条件が衝撃応答スペクトル(shock response sector、以下SRS)で与えられ、使用環境条件を満たす衝撃が被測定物に対して加えられる。SRS波形の一例を図5に示す。
【0003】
図6は先行技術による打撃式衝撃試験装置の一例を概略的に示した図である。具体的な試験方法としては、被測定物を剛性が十分に高いプレートに固定し、前記プレートに対してハンマなどを用いて衝撃を加える方法がある。被測定物には加振方向に対して検出軸が平行になるように加速度センサを取り付け、センサから得られた加速度の時間応答結果からSRS波形を算出する。一般的に衝撃応答スペクトルは図5に示したように、1000[G]オーダの衝撃力が必要とされるため、衝撃を加える手段として、簡単な構成でかつ安価に大きな衝撃力が得られるというという利点からエアハンマが用いられる。
【0004】
上記のような衝撃試験において問題となるのがハンマ落下した後の跳ね返りによって被測定物を固定したプレートに再接触する二度打ちである。二度打ちが発生すると、正確なSRS波形が得られないだけでなく、被測定物に対して試験時に定められた回数以上の衝撃が加わり、被測定物に余分な負荷が加わる恐れがある。図7a〜7fは、従来技術による衝撃試験装置の二度打ちの発生過程を示した図である。
【0005】
二度打ちを防ぐための手段の一例が特許文献1に開示されている。図1で示されている衝撃試験装置の加振部分には、砲身の中間に空気排出口が設けられている。圧搾流体によって砲身中の固体弾を加速した場合、空気排出口以降の固体玉は慣性力のみの運動になるため、固体玉が被測定物に衝突した後、固体玉は反発力と重力によって落下する。
【0006】
二度打ちを防ぐための手段の別の例が、特許文献2に開示されている。振動伝達テーブルはショックアブソーバを介して固定リングに結合されている。一方で、衝撃伝達テーブルは中空シリンダを介して固定リングに連結されている。ショックアブソーバの特性は、衝突初期にはショック吸収を避け、衝撃伝達テーブルが自由落下を開始した際にテーブルの落下速度を制限し、衝撃伝達テーブルが振動伝達テーブルの上に軟着座するような、逆吸収特性を持たせている。さらに、特許文献2の装置には、衝突体を急速に引き戻すための構成が設けられており、前述のショックアブソーバとの相互作用によって二度打ちを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−118070号公報
【特許文献2】特開2000-171342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の装置では加振側に二度打ちを防止するための構造が備わっているため、固体弾の形状や質量を変更する場合に、射出口の形状や排気口の位置によってその変更範囲が制限される。このため、衝撃力に関するパラメータの変更範囲が制限されるという課題がある。
【0009】
一方で特許文献2の装置では、衝突体を急速に引き戻すための構成が必要となるため、装置の構成が複雑となる。また、衝突条件変更のために、衝突体の質量を変更した場合、それにともなって、ショックアブソーバの特性も変更しなければならないことも考えられる。そのために容易に試験条件を変更することができないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、被測定物を上面に固定するためのプレートと、プレートの下面を打撃するためのハンマと、を具備し、ハンマがプレートを打撃することによってプレートが上昇して上死点に到達し、その後自由落下によってプレートが落下する衝撃試験装置において、その衝撃試験装置はプレートの落下を制限するための制限手段をさらに具備していることを特徴とする衝撃試験装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、被測定物をプレート上面に固定し、プレートの下面をハンマで打撃することによりプレート上の被測定物に衝撃を与え、打撃によりプレートが上昇して上死点に到達し、その後自由落下する衝撃試験方法において、プレートが落下する際に、プレートの落下を制限するステップを含んでいることを特徴とする衝撃試験装置の二度打ち防止方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、衝撃試験装置の二度打ちが防止される。これによって、衝撃試験の精度および再現性が向上するとともに、作業の効率化および被測定物の品質の保証が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態による二度打ち防止機構を備えた衝撃試験装置を概略的に示した図である。
【図2】本発明の第1実施形態による二度打ち防止機構を備えた衝撃試験装置の動作を概略的に示した図である。(a)は試験開始時の状態を示している。(b)はハンマによって被測定物固定プレートに打撃を加えた状態を示している。(c)は打撃により被測定物固定プレートが上昇するとともに、ハンマが落下している状態を示している。(d)は被測定物固定プレートが上死点に到達するとともに、ハンマに連結されたピストンがシリンダ底部に衝突した状態を示している。(e)は被測定物固定プレートが落下するとともに、ハンマが反発により再上昇している状態を示している。(f)は被測定物固定プレートが停止するとともに、ハンマが再下降している状態を示している。
【図3】本発明の第2実施形態による二度打ち防止機構を備えた衝撃試験装置を概略的に示した図である。
【図4】本発明の第2実施形態による二度打ち防止機構を備えた衝撃試験装置の動作を概略的に示した図である。(a)は試験開始時の状態を示している。(b)はハンマによって被測定物固定プレートに打撃を加えた状態を示している。(c)は打撃により被測定物固定プレートが上昇するとともに、ハンマが落下している状態を示している。(d)は被測定物固定プレートが上死点に到達するとともに、ハンマに連結されたピストンがシリンダ底部に衝突した状態を示している。(e)は被測定物固定プレートが落下するとともに、ハンマが反発により再上昇している状態を示している。(f)はシリンダ内の空気が徐々に流出して被測定物固定プレートが落下するとともに、ハンマが再下降している状態を示している。
【図5】衝撃応答スペクトル(shock response sector)の一例を示した図である。
【図6】従来技術による衝撃試験装置を概略的に示した図である。
【図7】従来技術による衝撃試験装置における二度打ち動作の発生過程を概略的に示した図である。(a)は試験開始時の状態を示している。(b)はハンマによって被測定物固定プレートに打撃を加えた状態を示している。(c)は打撃により被測定物固定プレートが上昇するとともに、ハンマが落下している状態を示している。(d)は被測定物固定プレートが上死点に到達するとともに、ハンマに連結されたピストンがシリンダ底部に衝突した状態を示している。(e)は被測定物固定プレートが落下するとともに、ハンマが反発により再上昇している状態を示している。(f)は被測定物固定プレートとハンマとが再接触している状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態による二度打ち防止機構を取り付けた衝撃試験装置を示している。衝撃試験装置は測定部2、解析部3、打撃装置4、二度打ち防止機構5、およびフレーム6を具備している。
【0015】
測定部2は被測定物固定プレート2aと、衝撃吸収用バネ2bと、およびシャフト2cと、を含んでいる。本実施形態においては、衝撃吸収用バネ2bはコイルバネであり、被測定物固定プレート2aとフレーム6との間に設けられている。シャフト2cは被測定物固定プレート2aの下面から垂直に且つ下向きに延出している。測定部2は、シャフト2cが衝撃吸収用バネ2bとフレーム6に設けられたガイド(図示略)とを貫通するようにフレーム6に組み付けられており、被測定物固定プレート2aはフレーム6に対して上下方向にスライド可能とされている。
【0016】
解析部3は被測定物1に取り付けられる加速度センサ3aと、加速度センサ3aからの信号を解析するための解析装置3bと、を含んでいる。打撃装置4はハンマ4aと、ピストン4bと、シリンダ4cと、ピストンロッド4dと、を含んでいる。ハンマ4aとピストン4bとはピストンロッド4dによって連結されており、ピストン4bとピストンロッド4dとはシリンダ4c内に収容されている。この打撃装置4は、ハンマ4aと被測定物固定プレート2aの下面とが互いに向かい合うように設けられている。これにより、ハンマ4aは被測定物固定プレート2aに対して垂直に打撃を与えることが可能である。
【0017】
二度打ち防止機構は防振ゴム5aと、シリンダ5bと、ピストン5cと、弁5dと、ピストンロッド5eと、を含んでいる。ピストンロッド5eの一端は防振ゴム5aを介して被測定物固定プレート2aに接続されている。ピストンロッド5eの反対側の端部にはピストン5cが連結されている。ピストン5cとピストンロッド5eとはシリンダ5b内に収容されており、ピストン5cはシリンダ5b内において上下方向にスライド可能とされている。シリンダ5bはフレーム6に固定されている。シリンダ5bの長手軸はシャフト2cの長手軸と平行であるので、被測定物固定プレート2aの上下移動と同期してピストン5cは上下移動する。
【0018】
シリンダ5bには弁5dが設けられている。弁5dは逆止弁のような一方向弁であり、シリンダ5bの内側に向かってのみ開放可能とされている。本実施形態においては、ピストン5cの上昇時のみに弁5dが開放され、ピストン5cの下降時には弁5dが閉じるように形成されている。これにより、ピストン5cの上昇時には周囲の空気がシリンダ5b内に流入するが、ピストン5cの下降時にはシリンダ5b内の空気は外部に流出しないように構成されている。本実施形態においては、シリンダ5b内に流入する媒体は装置周囲の空気であるが、オイル等の他の媒体を使用することも可能である。
【0019】
シリンダ5bには排出弁5gがさらに設けられている。排出弁5gは手動または自動により開閉操作することが可能である。排出弁を開放することで、シリンダ内に流入した媒体をシリンダ外に排出することが可能である。
【0020】
次に、本発明の第1実施形態に係る衝撃試験装置の動作について説明する。図2a〜2fには本発明の第1実施形態に係る衝撃試験装置の一連の動作が示されている。被測定物1を被測定物固定プレート2aの上面に固定し、加速度センサ3aを被測定物1上に固定する(図1参照)。次に、シリンダ4c内に圧縮空気を流入させてピストン4bと、ピストン上部のハンマ4aと、を高速で駆動する(図2a)。これにより、ハンマ4aは被測定物固定プレート2aと接触し、被測定物固定プレート2aに衝撃を与える(図2b)。この衝撃は被測定物固定プレート2aを介して被測定物1に伝わり、加速度センサ3aはこの衝撃によって被測定物1に発生した加速度を測定する。これまでの動作において、シリンダ5b内の弁5dは閉じたままである(図2a、2b)。
【0021】
ハンマ4aが被測定物固定プレート2aの下面を打撃することによって、ハンマ4aの運動量が被測定物固定プレート2aに伝わり、これによって被測定物固定プレート2aは上昇を始める(図2c)。被測定物固定プレート2aの上昇に追従して、防振ゴム5aを介して被測定物固定プレート2aに連結されたピストンロッド5eとピストン5cとが上昇する。ピストン5cの上昇によって、ピストン5cの下側のシリンダ5b内に空間5fが形成される。この空間5fの圧力は大気圧に対して負圧となるため、弁5dはシリンダ内に向かって開放され、シリンダ内に空気が流入する(図2c)。
【0022】
被測定物固定プレート2aが上死点に到達すると、被測定物固定プレート2aは自由落下を開始する(図2d)。それと同時に弁5dが閉じる。このとき、空間5fの圧力は大気圧と等しくなっている。被測定物固定プレート2aの落下に追従して、防振ゴム5aを介して被測定物固定プレート2aに連結されたピストンロッド5eおよびピストン5cも下降する。ピストン2cの下降によって、空間5fは圧縮される(図2e)。この圧縮により、空間5fの圧力は大気圧に対して陽圧となり、空間5f内の空気はシリンダ5b外に流出しようとする。しかし、弁5dはシリンダ5b内部に向かってのみ開放可能な構成とされているので、空気はシリンダ5b外に流出することができず、これによってピストン5c、ピストンロッド5eおよび防振ゴム5aを介して被測定物固定プレート2aの落下速度が制限される(図2e)。
【0023】
さらに被測定物固定プレート2aが落下すると、シリンダ内の空間5fはさらに圧縮される。一方で、空間5f内の空気はシリンダ5b外に流出することができないため、空間5fの圧力はさらに増大する。最終的に、被測定物固定プレート2aの荷重を含んだピストン5cにかかる荷重が空間5f内の圧力と等しくなった位置において、被測定物固定プレート2aの落下は停止する(図2f)。被測定物固定プレート2aが打撃時における高さよりも高い位置において停止するように、シリンダ内径を決定することが可能である。
【0024】
一方で、ハンマ4aは被測定物固定プレート2aに衝突した後、衝突の反発力と重力とにより落下する(図2c)。ピストンロッド4dを介してハンマ4aと連結されたピストン4bもハンマ4aと一体となって落下し、その後ピストン4bはシリンダ4cの底部と衝突する(図2d)。この衝突によってピストン4bは反発して再度上昇し、ピストン4bに連結されたハンマ4aもピストン4bと一体となって上昇する(図2e)。
【0025】
ハンマ4aが再上昇して到達する最大高さは、エネルギ損失により、打撃時における高さよりも低いものとなる。一方で、被測定物固定プレート2aは上死点に到達した後、落下してくるが、前術の通り、打撃時の高さよりも高い位置において停止する。したがって、ハンマ4aが被測定物固定プレート2aと再度接触することは無く、二度打ちが防止される。また、次の試験を行う場合には、排出弁5gを開放してシリンダ内の空気を排出することで、被測定物固定プレート2aを初期位置に戻す。
【0026】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は本発明の第2実施形態を示した図である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の部材には同一の参照符号が付されている。
【0027】
第2実施形態の構成は第1実施形態の構成と大部分は同一であるが、第2実施形態の弁5d´が多孔質素材を用いて形成されている点が異なっている。多孔質素材を利用することで、被測定物固定プレート2aの落下時に空間5fの空気はシリンダ5b外に流出することが可能となる。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態に係る衝撃試験装置の動作について説明する。図4a〜4fには本発明の第2実施形態に係る衝撃試験装置の一連の動作が示されている。第2実施形態においても、被測定物固定プレート2aが上死点に到達するまでは第1実施形態と同一の動作である(図4a〜4d)。
【0029】
被測定物固定プレート2aが落下を開始すると同時に弁5d´が閉じる(図4d)。被測定物固定プレート2aの落下に追従して、防振ゴム5aを介して被測定物固定プレート2aに連結されたピストンロッド5eとピストン5cとも下降する。ピストン2cの下降によって、空間5fは圧縮され、ピストン5cの下降速度は制限される(図4e)。その結果、被測定物固定プレート2aの荷重を含んだピストン5cにかかる荷重が空間5f内の圧力と等しくなった位置において、被測定物固定プレート2aの落下は一旦停止する(図4e)
【0030】
しかしながら、圧縮された空気は弁5d´の孔を介してシリンダ5b外へと徐々に流出する。したがって、ピストン5cは再度下降を開始するが、その下降速度は自由落下の速度と比較して大幅に遅くなっている。これによってピストン5cと連結された被測定物固定プレート2aも徐々に下降し(図4e、4f)、被測定物固定プレート2aは初期位置へ復帰する。
【0031】
一方で、第2実施形態におけるハンマ4aの動作は、第1実施形態におけるハンマ4aの動作と同一である。ハンマ4aが再上昇して最大高さに到達したとき、被測定物固定プレート2aは打撃時の高さまで下降していない(図4e)。したがって、ハンマ4aが被測定物固定プレート2aと再度接触することは無く、二度打ちが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、使用環境で大きな衝撃が加わる機器の品質を保証するための衝撃試験において、プレートを二度打ちすること無く衝撃を加えることが可能である。また、本発明は加振側に特別な構成を必要としないため、加振側の衝撃の条件を変更することが容易であり、様々な衝撃条件において衝撃試験が可能となる。
【符号の説明】
【0033】
1 ・・・被測定物
2 ・・・測定部
2a ・・・被測定物固定プレート
2b ・・・衝撃吸収用バネ
2c ・・・シャフト
3 ・・・解析部
3a ・・・加速度センサ
3b ・・・解析装置
4 ・・・打撃装置
4a ・・・ハンマ
4b ・・・ピストン
4c ・・・シリンダ
4d ・・・ピストンロッド
5 ・・・二度打ち防止機構
5a ・・・防振ゴム
5b ・・・シリンダ
5c ・・・ピストン
5d、5d´ ・・・弁
5e ・・・ピストンロッド
5f ・・・空間
5g ・・・排出弁
6 ・・・フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物を上面に固定するためのプレートと、
該プレートの下面を打撃するためのハンマと、を具備し、
該ハンマが前記プレートを打撃することによって前記プレートが上昇して上死点に到達し、その後自由落下によって前記プレートが落下する衝撃試験装置において、
該衝撃試験装置は前記プレートの落下を制限するための制限手段をさらに具備していることを特徴とする衝撃試験装置。
【請求項2】
前記制限手段は、前記プレートの下面に対して垂直且つ下向きに延出したロッドと、該ロッドの下端に接続されたピストンと、該ピストンが内部に収容されたシリンダと、を具備し、
前記プレートは前記ロッドを介して前記ピストンと連結され、前記ピストンは前記シリンダ内部において摺動可能とされた衝撃試験装置において、
前記シリンダには弁が設けられ、該弁は、前記プレートが上昇することによって前記ピストンが前記シリンダ内上方に移動する際に開放されて、前記シリンダ内へ媒体が自由に流入することを許容し、且つ前記プレートが落下することによって前記ピストンが前記シリンダ内下方に移動する際に閉じられて、前記シリンダ内に流入した媒体が流出することを制限することを特徴とする請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項3】
前記弁は閉じられた状態において前記媒体の流出を遮断し、前記ピストンの下降を防止することで前記プレートを落下の中間位置において停止させることを特徴とする請求項2に記載の衝撃試験装置。
【請求項4】
前記シリンダには媒体排出機構が設けられており、前記プレートが落下の中間位置において停止した後に、前記媒体排出機構を操作して前記シリンダ内の媒体を排出して前記プレートを初期位置に復帰させることが可能であることを特徴とする請求項3に記載の衝撃試験装置。
【請求項5】
前記弁は多孔質素材から成り、前記弁が閉じられた状態においても前記多孔質素材の孔を介して前記媒体が通過可能であり、前記媒体が孔を通過する際の抵抗が前記ピストンの下降速度を制限することで、前記プレートの落下速度が制限されることを特徴とする請求項2に記載の衝撃試験装置。
【請求項6】
被測定物をプレート上面に固定し、該プレートの下面をハンマで打撃することにより前記プレート上の被測定物に衝撃を与え、前記打撃によりプレートが上昇して上死点に到達し、その後自由落下する衝撃試験方法において、
前記プレートが落下する際に、前記プレートの落下を制限するステップを含んでいることを特徴とする衝撃試験装置の二度打ち防止方法。
【請求項7】
前記プレートが落下する際に、前記プレートを落下の中間位置において停止させるステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項6に記載の衝撃試験装置の二度打ち防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−193969(P2012−193969A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56214(P2011−56214)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)