説明

二次元コードを取り扱うことのできる装置、その制御方法、プログラム、記憶媒体

【課題】 複数の原稿画像から複数のコードを読み取り、このコードを元に新たなコードを生成し原稿に配置するにあたり、原稿の有効領域を特定する。
【解決手段】 原稿の画像データに含まれる白画素数、あるいはコード情報から有効領域を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを取り扱うことのできる装置、その制御方法、プログラム、記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、二次元コードを含んだ原稿をN−UP設定でコピーした場合に、複数の二次元コードを1つにまとめて、後にデコードできるように合成して印字する方法について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−130819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした技術により生成された、1枚の原稿に1つの二次元コードが存在する原稿に対して、その一部のみをコピーした場合に二次元コードが付加されない場合がある。
【0005】
例えば、2つのA4原稿を2in−1設定でA3原稿にコピーした場合に二次元コードが原稿の右上に配置されたとする。この時、左半面の原稿のみをA4でコピーすると、コピー領域に二次元コードが含まれず、コピー原稿に二次元コードが付加されない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1枚目の原稿画像と2枚目の原稿画像とを夫々縮小して1枚の出力画像とする装置であって、
夫々の原稿画像のコードに含まれていた情報を元に別のコードを生成する生成手段と、
夫々の原稿画像の有効領域を検出する検出手段と、
前記生成手段により生成されたコードを、前記検出手段で検出された原稿の領域に配置する配置手段とを備えることを特徴とする装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、N−UP設定でコピーされた原稿の一部をコピーする場合において、二次元コードを付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明における実施例のシステム(その1)の図である。
【図2】二次元コードに含まれた情報を示す図である。
【図3】二次元コードを示す図である。
【図4】本発明における実施例の処理フロー図である。
【図5】本発明における実施例の有効領域判定1処理フロー図である。
【図6】本発明における実施例の有効領域判定2処理フロー図である。
【図7】本発明における実施例のシステム(その2)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明における実施例のシステム(その1)の図である。
【0011】
本発明における実施例のシステムは、画像形成装置としてのMFP105のみで成り立っている。なお、画像形成装置は、画像をメモリ上あるいは紙上に形成できるものであれば何でもよく、MFP(マルチファンクショナルプリンター)に限られない。
【0012】
原稿101には、画像と、原稿101に関する情報が含まれた二次元コード103が印字されている。
【0013】
同様に、原稿102には、画像と、原稿102に関する情報が含まれた二次元コード104が印字されている。
【0014】
ユーザは、原稿を複数枚原稿台にセットし、N(Nは2以上の整数)枚の原稿画像を縮小して同一ページに均等に合成して印字する設定(以降N−UP設定とする)でのコピーを、MFP105に指示する。
【0015】
原稿101、原稿102をMFP105でスキャンすると、MFP105は原稿101、原稿102に含まれる二次元コード103、二次元コード104を検出し、デコードする。
【0016】
原稿上に印字される二次元コードに含まれる情報には、まず、その原稿がコピー禁止か、コピー許可か、パスワードやログインユーザなど条件付きコピー許可かといった原稿のセキュリティに関する情報がある。この情報を、以降、セキュリティ情報という。なお、セキュリティ情報は、コピー許可/不許可に関する情報に限られず、原稿のセキュリティに関する情報であれば何でも良い。例えば、スキャン許可/不許可に関する情報や、外部への送信の許可/不許可に関する情報や、MFP内部のメモリ等への格納の許可/不許可に関する情報などもセキュリティ情報に含まれ得る。
【0017】
次に、誰が印刷出力物の出力(作成)を指示したのかを追跡するのに必要な情報がある。この情報を、以降、追跡情報という。なお、原稿がスキャン対象である紙なのに対して、印刷出力物は、何らかの情報が印字された紙である。印刷出力物がスキャン対象になった場合には、原稿=印刷出力物となるため、両者の間に実質的な違いは無い。
【0018】
この追跡情報には、例えば、印刷出力物の出力を指示したユーザのユーザ名(User Name)と、画像形成装置のシリアル番号(Serial No.)と、印刷出力物の出力時刻(Time)と、画像形成装置の生産会社名(Vendor)が含まれている。
【0019】
ユーザ名だけでなく上記他の情報も、誰が印刷出力物の出力を指示したのかを追跡するのに間接的に役立つことがある為、これらの情報も、追跡情報という単語の意味の中に本実施例では含まれている。
【0020】
本実施例においては、二次元コードに含まれる情報としては、この2種類がある。さらに、これらの2種類の情報を一つずつ含む(つまり合計で2つの情報を含む)ことができる二次元コードのサイズは規定されているものとする。
【0021】
そして、この規定サイズの二次元コードに限って、二次元コードとして検出する。
【0022】
また、二次元コードをデコードすることで、これらの二次元コードに含まれる情報が抽出できる。MFP105は、事前のユーザもしくは管理者からの指示による設定(MFP105内の設定)に基づいて、どの情報を印刷出力物106に含ませるかを判断し、含ませるべきだと判断した情報をエンコードする。
【0023】
こうして生成した二次元コード107を、N−UP設定に基づき縮小した画像と合成し、印刷出力物106を出力する。
【0024】
その結果、印刷出力物106の二次元コード107には、原稿101の二次元コード103、原稿102の二次元コード104に含まれていた情報の中から、必要最低限の情報が選択され、引き継がれる事になる。
【0025】
ここで、本実施例におけるデコード、エンコードという言葉の定義について、図2と図3とを用いて説明する。
【0026】
図2は、二次元コードに含まれた情報を示す図である。例えば、「コピー許可」を示すセキュリティ情報は、「Security: copy_ok」というタグ形式の命令情報として二次元コードに含まれている。
【0027】
図3は、図2に示すタグ形式の命令情報をコード化した二次元コードである。
【0028】
デコードとは、例えば一次元コード、二次元コード、電子透かし等のコードから、情報(例えば、図2に示された情報)を抽出する事を表し、エンコードとは、コードに含まれた情報から、コードを生成する事を表す。
【0029】
以上が、本実施例におけるデコードとエンコードの定義である。
【0030】
尚、本実施例等では、二次元コードの場合を中心に処理の説明を行うが、二次元コード以外のコード、例えば一次元コード、電子透かし等に対しても上記処理が適用可能なことは、当業者であれば容易に理解できよう。
【0031】
図4は、本発明における実施例の処理フロー図である。
【0032】
MFP105は、操作画面上でユーザからN−UP設定の指示を受け付けた後に、コピーを開始するスタートボタンの押下を受け付ける事が出来る。
【0033】
図4のフローチャートにおける各処理は、ユーザからのN−UP設定指示に基づいて、MFP105がN−UP設定をし、その後、MFP105のスタートボタンが押下されると開始される。
【0034】
また、この図4に示すフローチャートにおけるステップS1001〜S1015までの各ステップの処理は、MFP105内のCPUにより統括的に制御される事で実行可能となる。
【0035】
ステップS1001では、原稿台のL枚分の原稿をスキャンし、電気信号としての原稿画像を生成する。
【0036】
ここで、MFP105がN−UP設定しているという前提に立っているので、原稿台に置かれる原稿はL枚(但し、LはN以上の整数)であると想定される。
【0037】
さらに、ステップS1001では、ステップS1001で生成されたL枚分の当該原稿画像の内、出力時に同一ページに合成されるN枚の原稿画像を一組として選択し、ステップS1002に移行する。
【0038】
例えば、原稿台に7枚の原稿をおき、4−UP設定でスキャンした場合、1ページ目、2ページ目、3ページ目、4ページ目の原稿画像と、5ページ目、6ページ目、7ページ目の原稿画像とを、それぞれ別の一組として選択する。
【0039】
ステップS1002では、ステップS1001で選択された全ての原稿画像の夫々に、二次元コードが含まれるか否かを検出する。
【0040】
ステップS1002で二次元コードがたったの一個も検出されなければ、ステップS1015に移行する。
【0041】
そして、このステップS1015では、MFP105で設定可能なセキュリティ情報のうち、最もコピー禁止度の低い情報(例えば、コピー許可を示す情報)をセキュリティ情報として選択する。
【0042】
尚、ステップS1015では、自動的に最もコピー禁止度の低いセキュリティ情報を選択したが、MFP105で設定可能なセキュリティ情報から、ユーザが自らセキュリティ情報を選択してもよい。
【0043】
また、追跡情報として、現在の情報(現在の情報は、印刷出力物の出力を指示したユーザのユーザ名と、画造形性装置のシリアル番号と、印刷出力物の出力時刻と、画造形性装置の生産会社の情報とを含む)を選択する。
【0044】
一方、ステップS1002で二次元コードが検出された場合は、ステップS1003に移行する。
【0045】
ステップS1003では、ステップS1002で検出した二次元コードが複数か否かを判断する。
【0046】
ステップS1003で複数の二次元コードを検出しなかった場合には、ステップS1013に移行し、唯一検出した二次元コードをデコードし、ステップS1014に移行する。
【0047】
ステップS1014では、ステップS1013でデコードした結果から、二次元コードに含まれていたセキュリティ情報及び追跡情報を選択し、ステップS1008に移行して原稿画像に含まれていた二次元コードを削除する。
【0048】
一方、ステップS1003で複数の二次元コードを検出した場合、ステップS1004に移行する。
【0049】
ステップS1004では、原稿画像に含まれる全ての二次元コード(即ち、ステップS1002で検出された全ての二次元コード)を一つ一つデコードし、それらの二次元コードに含まれる情報を抽出する。情報が抽出できたら、ステップS1005に移行する。
【0050】
ステップS1005では、ステップS1004でデコードにより得られた情報の内、複数のセキュリティ情報におけるセキュリティレベル(本実施例では、コピー禁止度)の高さを、MFP105に設定された夫々比較し、ステップS1006に移行する。
【0051】
尚、コピー許可、条件付コピー許可、コピー禁止の3段階においては、ここに記載した順にコピー禁止度が高くなるのは言うまでもない。
【0052】
本実施例ではセキュリティレベルとしてコピー禁止度を例にあげたが、セキュリティレベルは、セキュリティに関するレベルの違いを表すものであれば何でも良い。例えば、スキャン禁止度や、外部への送信の禁止度や、MFP内部のHDD等への保存の禁止度などもセキュリティ情報に含まれ得るのは言うまでもない。
【0053】
例えば、2−UPの設定で2枚の原稿をスキャンした時に、1ページ目にはコピー許可、2ページ目にはパスワード付きコピー許可の情報が二次元コードとして含まれていたとする。
【0054】
この場合、ステップS1006で選択される最もセキュリティレベル(本実施例ではコピー禁止度)の高いセキュリティ情報は、無条件でコピーが出来るコピー許可ではなく、パスワードを知っている人しかコピーが出来ないパスワード付きコピー許可である。
【0055】
ステップS1006では、まず、ステップS1005で比較されたセキュリティレベルのうち最もセキュリティレベルの高いセキュリティ情報を選択する。そして、選択されたセキュリティ情報に付随していた追跡情報(即ち、最もセキュリティレベルの高いセキュリティ情報と同じ二次元コードに含まれていた追跡情報)を選択する。
【0056】
ここで、最もセキュリティレベルの高いセキュリティ情報に付随していた追跡情報を選択する理由は、次のような考え方に基づく。
【0057】
コピー禁止度の高い印刷出力物を出力した人は、その印刷出力物の管理に責任を持たなければならず、N−UP設定により、その印刷出力物における画像が縮小されたとしても、印刷出力物を出力した人の責任が消えることは無い。
【0058】
ゆえに、N−UPコピー(N−UP設定でのコピー)を行う時には、よりコピー禁止度の高いセキュリティ情報の印刷出力物を出力した人を追跡する追跡情報が選択されるのである。
【0059】
例えば、20xx/yy/zzにAさんの指示によりMFP1051が作成したコピー許可原稿と、20aa/bb/ccにBさんの指示によりMFP1052が作成したパスワード付きコピー許可原稿の2枚の原稿があったとする。そして、Cさんが、この2枚の原稿を2−UP設定でのコピーを指示したと仮定する。1枚目のコピー許可原稿は、コピー許可を示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿である。そして、2枚目のパスワード付きコピー許可原稿は、パスワードが入力された場合にのみコピーが許可されることを示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿である。
【0060】
この場合、ステップS1006で最もセキュリティレベル(コピー禁止度)が高いと判断されるセキュリティ情報は、2枚目の原稿に含まれるパスワード付きコピー許可である。
【0061】
よって、Cさんの印刷出力物には、パスワード付きコピー許可のセキュリティ情報と20aa/bb/cc、Bさん、MFP1052を示す追跡情報が、二次元コードとして付加される事になる。
【0062】
尚、ステップS1005で比較されたセキュリティレベルが同じだった場合、印刷出力物の出力時に付加するセキュリティレベルは原稿に含まれていたのと同じセキュリティレベルを選択する。
【0063】
例えば、20uu/vv/wwにDさんの指示によりMFP1061が作成したコピー許可原稿と、20dd/ee/ffにEさんの指示によりMFP1062が作成したコピー許可原稿の2枚の原稿があったとする。そして、Fさんが、この2枚の原稿を2−UP設定でのコピーを指示したと仮定する。
【0064】
1枚目の原稿は、コピー許可を示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿であり、2枚目の原稿も、同じくコピー許可を示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿である。
【0065】
この場合、ステップS1006で最もセキュリティレベルが高いとして判断されるセキュリティ情報は、1枚目及び2枚目の原稿に含まれるコピー許可である。
【0066】
また、この時に選択される追跡情報は、1枚目及び2枚目の追跡情報のうち、最古の情報を選択する。
【0067】
ここで、最古の情報を選択する理由は、次のような考え方に基づく。
【0068】
基本的にセキュリティレベルの高い印刷出力物を出力した人は、その印刷出力物の管理に責任を持たなければならないと考え、セキュリティレベルの高い印刷出力物を印刷した人を特定するべく情報を引き継ぐ。
【0069】
しかし、同じセキュリティレベルだった場合は、より以前にセキュリティレベルの高い印刷物を印刷した人を特定する事で、最初に情報漏洩を行った情報漏洩元を容易に特定できると共に、紙媒体を作成した情報源をも特定することが出来る。
【0070】
よって、Fさんの印刷出力物には、コピー許可のセキュリティ情報と20dd/ee/ff、Eさん、MFP1062を示す追跡情報が二次元コードとして付加される事になる。
【0071】
更に、20rr/ss/ttにGさんの指示によりMFP1071が作成したパスワード付きコピー許可原稿と、20gg/hh/iiにHさんの指示によりMFP1072が作成したパスワード付きコピー許可原稿の2枚の原稿があったとする。そして、Iさんが、この2枚の原稿を2−UP設定でのコピーを指示したと仮定する。
【0072】
1枚目の原稿は、パスワード付きコピー許可を示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿であり、2枚目の原稿も、同じくパスワード付きコピー許可を示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿である。そして、Fさんが、この2枚の原稿を2−UP設定でのコピーを指示したと仮定する。
【0073】
1枚目の原稿は、パスワード付きコピー許可を示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿であり、2枚目の原稿も、同じくパスワード付きコピー許可を示すセキュリティ情報を二次元コードとして含んだ原稿である。
【0074】
この場合、ステップS1006で最もセキュリティレベルが高いとして判断されるセキュリティ情報は、1枚目及び2枚目の原稿に含まれるパスワード付きコピー許可である。
【0075】
この時に、印刷出力物に引き継がれるパスワードは、一枚目及び二枚目の追跡情報のうち、最古の方に付随したパスワードを引き継ぐ。これは、先ほど述べた最古の情報がより重要だとする考え方に基づく。
【0076】
また、この時に選択される追跡情報は、同じ理由から、最古の情報を選択する。
【0077】
よって、Iさんの印刷出力物には、Hさんの設定したパスワードでのパスワード付きコピー許可のセキュリティ情報と、20gg/hh/ii、Hさん、MFP1072を示す追跡情報が、二次元コードとして付加される事になる。
【0078】
ステップS1008では、原稿画像に含まれる二次元コードの存在する領域を白塗りし、二次元コードを削除する。本処理は、二次元コードの含まれている原稿画像の全てに対して行う。
【0079】
なお、二次元コードの存在する領域を白塗りするとは、領域内の各画素の画素値を0(各画素を白)にする事を、本実施例等では意味するものとする。
【0080】
このように、原稿に存在する二次元コードを削除することで、印刷出力物には必要な情報のみを含んだ二次元コードが印字される事になり、例えば二次元コードの検出やデコードなどをより時間を短縮して行う事が出来る。
【0081】
原稿画像の二次元コードを削除したら、ステップS1009へ移行する。
【0082】
ステップS1009では、ステップS1006、ステップS1014、ステップS1015で選択した情報を基に、新たな二次元コードを生成する。
【0083】
この時、スキャンした原稿101、102に付加されていた、規定サイズの二次元コードと同じサイズの二次元コードが生成されるようにエンコードを行う。尚、このように、生成される二次元コードが、スキャンした原稿101、102に付加されていた二次元コードと同じサイズで生成できるのは、ステップS1006を通して、セキュリティ情報と追跡情報を夫々一つに絞った為である。
【0084】
或いは、ステップS1015を通して、現在のセキュリティ情報と追跡情報を夫々一つずつ選択した為である。
【0085】
或いは、ステップS1014を通して、唯一の二次元コードに含まれるセキュリティ情報と追跡情報を夫々一つずつ選択した為である。
【0086】
上述の通り、本実施例等においては、セキュリティ情報と追跡情報が夫々一つずつ選択された場合、それらの情報を含む二次元コードは、上記規定サイズに収まるのである。
【0087】
もちろん、それより情報が少ない場合(セキュリティ情報だけの場合や追跡情報だけの場合)に、その情報を含む二次元コードが上記規定サイズに収まるのは言うまでもない。
【0088】
尚、本実施例等において、追跡情報一つというのは、ユーザ名(User Name)だけ、シリアル番号(Serial No.)だけ、という意味ではない。
【0089】
追跡情報一つというのは、ユーザ名(User Name)と、画像形成装置のシリアル番号(Serial No.)と、印刷出力物の出力時刻(Time)と、画像形成装置の生産会社名(Vendor)とが、セットで一つという意味である。
【0090】
ステップS1010では、N枚の原稿画像をN−UPの設定に合わせて縮小し、縮小処理した画像を一枚の画像領域内に割り付ける。その結果、新たな一枚の原稿画像が得られる。割り付けた後に、ステップS1011へ進む。
【0091】
ステップS1011では、ステップS1010で得られた一枚の原稿画像において有効画像が存在する領域を検出する手段により、ステップS1009で生成された二次元コードを合成する領域を決定する。
【0092】
ステップS1012では、ステップS1010で得られた新たな一枚の原稿画像と、ステップS1009で生成した二次元コードを、ステップS1011で決定された合成領域に合成する。
【0093】
その後、合成画像を出力画像データとする。このように処理することで、出力画像に、二次元コードを含ませるのである。
【0094】
その後、MFP105は、コピーが許可される場合にのみ、この出力画像データを印刷出力物として印刷する。
【0095】
なお、コピーが許可されるか否かは、S1001で選択されたN枚の原稿画像原稿の中に含まれていたセキュリティ情報のうち最もセキュリティレベルの高い情報に基づいて決定される。例えば、最もセキュリティレベルの高い情報がパスワード付きコピー許可情報である場合には、ユーザにパスワードの入力を促し、そのパスワードが正しいか否かを判定することによって決定される。正しい場合には、コピーが許可され、間違っている場合には、コピーが禁止される。
【0096】
図5は、本発明における実施例の有効領域判定1処理フロー図である。
【0097】
ステップS2001では、N−UP設定の対象となるN枚の原稿画像に対して、原稿画像内に存在する白画素を算出する。
【0098】
ここで白画素を算出する理由は、白画素が多い原稿画像は白紙であることを想定しているからである。
【0099】
白画素の算出方法は、画素が白画素を意味する値か否かを判定すれば良い。また、白画素を検出する対象は、原稿画像内の全ての画素でも良く、原稿画像内の一部分を対象としても良い。
【0100】
ステップS2002では、算出された白画素数を比較する。ここでの比較は、各原稿画像に対して大小を比較しても良いし、また、予め閾値を設けてその閾値を超えるか否かを比較しても良い。
【0101】
ステップS2003では、白画素数の比較結果から有効となる領域を判定する。白画素数の最も多い原稿画像を有効領域と判定しても良いし、閾値を超えた原稿画像において最初のページの様な特定個所に配置される原稿画像を有効領域と判定しても良い。
【0102】
図6は、本発明における実施例の有効領域判定2処理フロー図である。
【0103】
ステップS3001では、N−UP設定の対象となるN枚の原稿画像に付加された二次元コードをデコードする。ステップS3001はステップS1004と同一の処理であるため、これらを統合しても良い
ステップS3002では、デコードされた二次元コードのセキュリティレベルを比較する。ここでの比較は、夫々のセキュリティレベルを比較しても良いし、また、ある一定のセキュリティレベルを超えるか否かを比較しても良い。
【0104】
ステップS3003では、セキュリティレベルの高い原稿画像を有効領域と判定する。セキュリティレベルが同レベルとなる原稿が存在した場合は、最初のページの様な特定個所に配置される原稿画像を有効領域と判定する。また、ある一定のセキュリティレベルを超える原稿が複数存在した場合も、同様に特定個所に配置される原稿画像を有効領域と判定しても良い。
【0105】
図7は、本発明における実施例のシステム(その2)の図である。
【0106】
原稿201、原稿202、原稿203には夫々二次元コード204、二次元コード205、二次元コード206が付加されており、これらの原稿を2−UP設定にてMFP105でコピーする。MFP105は、原稿201、原稿202をスキャンし、これらに含まれる二次元コード204、二次元コード205を検出し、デコードする。次に、MFP105はデコードしたセキュリティ情報を取捨選択し、選択したセキュリティ情報を元に二次元コード209を生成する。そして、2−UP設定に基づき縮小した原稿の画像と合成し、印刷物207を出力する。二次元コード209の合成位置は、原稿201および原稿202での白画素数を比較して決めても良いし、二次元コード204および二次元コード205のセキュリティレベルから決めても良い。
【0107】
続いて、MFP105は、原稿203をスキャンし、二次元コード206を検出し、デコードする。MFP105が処理する原稿は1つであるため、二次元コード206のセキュリティ情報はそのまま二次元コード210に引き継がれる。また、MFP105は、原稿203を縮小し、二次元コード210と合成し、印刷物208を出力する。縮小された画像に対して白画素を算出する場合、印刷物208の上側には画像データが存在するが、印刷物208の下側には画像データが存在しないことが分かる。このため、白画素数の比較結果から二次元コード210は印刷物208の上側に配置されることになる。また、セキュリティレベルで比較する場合でも、印刷物208の下側には二次元コードが存在しないため、印刷物208の上側に二次元コード210が配置されることになる。
【符号の説明】
【0108】
101、102 原稿
103,104 二次元コード
105 MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚目の原稿画像と2枚目の原稿画像とを夫々縮小して1枚の出力画像とする装置であって、
夫々の原稿画像のコードに含まれていた情報を元に別のコードを生成する生成手段と、
夫々の原稿画像の有効領域を検出する検出手段と、
前記生成手段により生成されたコードを、前記検出手段で検出された原稿の領域に配置する配置手段とを備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記検出手段において有効領域が検出されなかった原稿に対して前記生成手段により生成されたコードを前記配置手段により配置しないことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
1枚目の原稿画像と2枚目の原稿画像とを夫々縮小して1枚の出力画像とする装置であって、
夫々の原稿画像のコードに含まれていた情報を元に別のコードを生成する生成工程と、
夫々の原稿画像の有効領域を検出する検出工程と、
前記生成工程により生成されたコードを、前記検出工程で検出された原稿の領域に配置する配置工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
前記検出工程において有効領域が検出されなかった原稿に対して前記生成工程により生成されたコードを前記配置工程により配置しないことを特徴とする請求項3に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−244202(P2012−244202A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108968(P2011−108968)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】