説明

二次電池ロック構造

【課題】携帯電話機において二次電池の取り外しを容易に行える二次電池ロック構造を提供する。
【解決手段】二次電池ロック構造は、フック3の支軸3aがリアカバー1の切り欠き溝6に嵌め込まれ、また板バネ4がリアカバー1のリブ5に取り付けられ、弾性力によりフック3下部を押してフック3を矢印A方向に回動し、ロックを維持する構造を成している。二次電池8をリアカバー1に装着する場合、二次電池8の曲面部8aがフック3と干渉し、フック3は後退する。二次電池8が所定の位置に納まると、フック3は板バネ4の弾性力により、矢印A方向に回転して、二次電池8のロック用溝10と嵌合し、二次電池8をロックする。二次電池8をリアカバー1より取り外す場合、二次電池8を矢印C方向にスライドさせながら矢印B方向に回動すると、ロックは解除される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二次電池ロック構造に関し、特に携帯電話機において二次電池取り外しの際、ロック解除ボタンを押す等の操作を必要としない二次電池ロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の二次電池ロック構造の一例について図面を参照して説明する。図3は従来の二次電池ロック構造の一例を示す平面図、図4は従来の二次電池ロック構造の一例の動作状況を示す断面図である。従来の二次電池ロック構造は、二次電池15をロックするためのフック16と、フック16を常にリアカバー12の外側に押し出すためにフック16後部に取り付けられたスプリング18と、フック16をスライドさせロックを解除するためのテーパー部17aを有するボタン17と、フック16及びボタン17をリアカバー12に保持するための金具19と、この金具19を固定するネジ20とから構成されている。二次電池15はフロントカバー13の後部に設けられた係止爪14と係合させるための係止溝15bとフック16と嵌合させるための凹溝15aとが設けられている。
【0003】二次電池15をリアカバー12に装着する場合、図4(a)に示すように、係止爪14に係止溝15bを係合させ、ここを支点として二次電池15を矢印A方向に回動させていくと、二次電池15の曲面部15cがフック16と干渉し、フック16は矢印B方向に後退する。図4(b)に示すように、二次電池15が所定の位置に納まると、フック16はスプリング18の弾性力により、矢印C方向に押し戻され、凹溝15aに嵌合し、二次電池15はリアカバー12に装着される。
【0004】二次電池15をリアカバー12より取り外す場合、図4(c)に示すように、ボタン17を押すと、ボタン17のテーパー部17aとフック16の中空部16aとが干渉し、フック16は矢印B方向に後退し、ロックは解除され、二次電池15の取り外しを可能とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の第1の問題点は、携帯電話機から二次電池を取り外す際、取り外し動作に時間を要することである。その理由は、ロック解除ボタンを押す等の操作を必要としているからである。
【0006】また、第2の問題点は、コストが高いということである。その理由は、部品点数が多いため、製作費用及び組立工数を要するからである。
【0007】本発明の目的は、携帯電話機から二次電池を取り外す際、ロック解除ボタンを押す等の操作を必要とせず、二次電池の取り外しを容易に行うことができ、また部品点数を削減し、コストを低く抑えた二次電池ロック構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の二次電池ロック構造は、携帯電話機のリアカバーに取り付けるための一対の支軸を有するフックと、ロック状態を維持するための板バネを有し、前記支軸は前記リアカバーに設けられた切り欠き溝に嵌め込まれており、前記板バネは前記リアカバーに設けられたリブに取り付けられ弾性力により前記フックの前記支軸より下部を押してロック状態を維持し、前記フックの前記支軸より下部はフロントカバーの内壁面と接することにより支持され、二次電池には前部に前記リアカバーに設けられた係止爪と係合させるための係止凹部を、かつ後部に前記フックと嵌合させるためのロック用溝をそれぞれ設けた構成である。
【0009】この構成において、前記二次電池を前記リアカバーに装着する場合、前記係止爪に前記係止凹部を係合させ、ここを支点として前記二次電池を回動させていくと、前記二次電池の曲面部が前記フックと干渉し、前記フックは前記支軸を支点として後退し、前記二次電池が所定の位置に納まると、前記フックは前記板バネの弾性力により押し戻され、前記フックが前記ロック用溝と嵌合し、前記二次電池が前記リアカバーに装着される。また、前記二次電池を前記リアカバーにより取り外す場合、前記二次電池を後方にスライドさせながら前記支軸を支点として回動すると、前記フックが後退してロック状態は解除され、前記二次電池の取り外しを可能とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】図1は本発明の実施の一形態の二次電池ロック構造の斜視図である。また、図2は本発明の実施の一形態の動作状況を示す。二次電池ロック構造は、リアカバー1に取り付けるための一対の支軸3aを有するフック3と、ロックを維持するための板バネ4とを有する。支軸3aはリアカバー1に設けられた切り欠き溝6に嵌め込まれており、板バネ4はリアカバー1に設けられたリブ5に取り付けられ、弾性力によりフック3の支軸3aより下部を押してフック3を矢印A方向に回動し、ロックを維持する。板バネ4の弾性力によりフック3がリアカバー1より飛び出さないように、フック3の支軸3aより下部は、フロントカバー2の内壁面と接することにより支持され、フック3はリアカバー1に取り付けられている。リアカバー1とフロントカバー2とはネジ11により組立られている。二次電池8はリアカバー1に設けられた係止爪7と嵌合させるための係止凹部9と、フック3と嵌合させるためのロック用溝10とが設けられている。
【0012】次に、動作について図2を参照して詳細に説明する。二次電池8をリアカバー1に装着する場合、図2(a)に示すように係止爪7に係止凹部9を係合させ、ここを支点として二次電池8を矢印B方向に回動させていくと、二次電池8の曲面部8aがフック3と干渉し、フック3は支軸3aを支点として矢印B方向に後退する。図2(b)に示すように、二次電池8が所定の位置に納まると、フック3は板バネ4の弾性力により、支軸3aを支点として矢印A方向に回転し、フック3がロック用溝10と嵌合し、二次電池8はリアカバー1に装着される。
【0013】二次電池8をリアカバー1より取り外す場合、図2(c)に示すように、二次電池8を矢印C方向にスライドさせながら、支軸3aを支点として、矢印B方向に回動すると、フック3は支軸3aを支点として矢印B方向に後退し、ロックは解除され、二次電池8の取り外しを可能とする。
【0014】
【発明の効果】本発明の第1の効果は、二次電池の取り外しを容易に行うことができるということである。その理由は、携帯電話機から二次電池を取り外す際、ロック解除ボタンを押す等の操作を必要としないからである。
【0015】また、第2の効果は、コスト低減が図れるということである。その理由は、部品点数を削減したからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の二次電池ロック構造を示す。
【図2】本発明の実施の一形態の動作状況を示す。
【図3】従来の二次電池ロック構造の一例を示す。
【図4】従来の二次電池ロック構造の一例の動作状況を示す。
【符号の説明】
1 リアカバー
2 フロントカバー
3 フック
3a 支軸
4 板バネ
5 リブ
6 切り欠き溝
7 係止爪
8 二次電池
8a 曲面部
9 係止凹部
10 ロック用溝
11 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯電話機のリアカバーに取り付けるための一対の支軸を有するフックと、ロック状態を維持するための板バネを有し、前記支軸は前記リアカバーに設けられた切り欠き溝に嵌め込まれており、前記板バネは前記リアカバーに設けられたリブに取り付けられ弾性力により前記フックの前記支軸より下部を押してロック状態を維持し、前記フックの前記支軸より下部はフロントカバーの内壁面と接することにより支持され、二次電池には前部に前記リアカバーに設けられた係止爪と係合させるための係止凹部を、かつ後部に前記フックと嵌合させるためのロック用溝をそれぞれ設けたことを特徴とする二次電池ロック構造。
【請求項2】 前記二次電池を前記リアカバーに装着する場合、前記係止爪に前記係止凹部を係合させ、ここを支点として前記二次電池を回動させていくと、前記二次電池の曲面部が前記フックと干渉し、前記フックは前記支軸を支点として後退し、前記二次電池が所定の位置に納まると、前記フックは前記板バネの弾性力により押し戻され、前記フックが前記ロック用溝と嵌合し、前記二次電池が前記リアカバーに装着されることを特徴とする請求項1記載の二次電池ロック構造。
【請求項3】 前記二次電池を前記リアカバーにより取り外す場合、前記二次電池を後方にスライドさせながら前記支軸を支点として回動すると、前記フックが後退してロック状態は解除され、前記二次電池の取り外しを可能とすることを特徴とする請求項1記載の二次電池ロック構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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