説明

二段階ガス化器からの低メタン合成ガスの製造

この開示は一般的にはガス化器から低いメタン含有量を有する合成ガスを得る方法に関する。合成ガスはガス化器のクエンチ部分から抽出ガスとして得られ、そしてメタンを除去するための費用のかかる予備処理を必要とせずに種々の化学製造方法用の供給原料として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関するクロス−リファレンス
本出願は、引用することにより本発明の内容となる「二段階ガス化器からの低メタン合成ガスの製造」の名称の2010年1月12日に出願された米国暫定特許出願第61/294,354号の優先権を35USC§119(e)の下で主張する非暫定出願である。
【0002】
開示の分野
本発明は炭素質供給原料を例えば合成ガスの如き所望する気体状生成物に転化させるガス化方法に関する。より具体的には、この開示はガス化反応器からの低いメタン濃度を有する合成ガスの製造を可能にする改良に関する。本発明の方法は種々の化学物質の工業的規模の製造用の供給原料としての合成ガスの使用前に過剰のメタンを除去するための合成ガスの費用のかかる処理を必要としない。
【背景技術】
【0003】
背景
ガス化方法は固体または液体の供給原料、例えば石炭、石油コークスおよび石油残渣、を合成ガスに転化するために広く使用されている。合成ガスは主として水素ガス(H)および一酸化炭素(CO)から構成され、そして発電用燃料として並びに化学物質、例えば水素、メタノール、アンモニア、合成/代替天然ガスまたは合成輸送機関油、の製造用供給原料としての両方で使用される。炭素質物質のガス化により製造される合成ガスは一般的には幾らかのメタンを含有する。合成ガス中のメタンの相対量は使用するガス化システムのタイプで変動するが、二段階システム、例えばコノコフィルプス(ConocoPhillips)E−GasTM二段階ガス化器、中より高いことがしばしば観察される。別の例はLurgi GmbH(フランクフルト)の固定床乾燥−底部ガス化器設計である。一般的には、合成ガスが2000°Fより低い温度において反応器から出るいずれかのガス化システムにより製造される合成ガスの中には有意量のメタンが存在しうる。
【0004】
二段階ガス化器構造はより高いエネルギー効率の利点を有しており、その理由は第一段階を出る熱い合成ガス中の顕熱の一部は酸素の不存在下で第二段階に加えられる供給原料の一部をガス化するために使用されるからである。熱分解反応が第二段階内で優勢でありそして水素および一酸化炭素だけでなく有意量のメタンも製造する。従って、二段階ガス化反応器から製造される合成ガスはほとんどの単一段階ガス化器設計からの合成ガスより高いメタン含有量を一般的に有する。例えば、E−GasTMガス化器(コノコフィルプス・カンパニー(ConocoPhillips Co.))の中で製造される合成ガスは普通は1.5−4%(乾燥容量)の間のメタンを含有する。製造される合成ガスが電気を発生するガス燃焼タービン用の燃料として使用される時にはこのメタンの量はあまり重要でない。しかしながら、合成ガスが化学物質の製造用の供給原料として使用される時にはメタンのこのレベルは望ましくなく、その理由はHおよびCOがこれらの化学製造方法用の供給原料として使用される合成ガスの成分でありそしてある場合にはメタンの存在が意図する化学製造方法に有害であるためである。この一例はブチルアルデヒドの製造であり、この方法は0.6%(容量)より少ないメタンを含有する供給原料合成ガスを必要とする。
【0005】
供給原料として高いメタン含有量を有する合成ガスを使用する最近の化学製造方法は一般的には原料合成ガスからのメタンの分離を必要とする。生ずるメタンに富んだ排ガスはある場合には燃料ガスとして燃焼されまたは触媒の存在下での高い温度および圧力におけるメタンの水蒸気精製によりさらなる水素および一酸化炭素に転化される。或いは、メタ
ンは他の方法、例えば低温貧油吸収、により除去することができる。しかしながら、これらの方法は建造しそして操作するために費用がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、合成ガスが通常では2000°Fより低い温度において反応器を出るようないずれかのガス化反応器により減じられたメタン含有量を有する原料合成ガスの製造を可能にする改良された技術に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに記述される発明はメタンを除去するための費用のかかる予備処理を必要とせずに化学製造方法用の供給原料としての低−メタン合成ガスを提供するための独特の方法を提供する。
【0008】
発明の要旨
本発明では、炭素質供給原料をガス化する方法が提供される。この方法はガス化反応器中で供給原料を部分的に酸化し、それによりH、CO、および少割合のメタンを含んでなる生成物ガスを製造することを一般的に含んでなる。生成物ガスのメタン含有量は一般的には約0.01%〜1.5%(乾燥容量)の間であるが、0.6%より多いメタン含有量は多くの化学製造方法用の供給原料としての生成物ガスの使用を妨害しうるため好ましくは0.6%より低い。
【0009】
本発明のある種の態様は、以下の段階:a)ガス化反応器を準備し、b)該反応器中で炭素質供給原料を部分的に酸化してH、CO、およびメタンを含んでなる生成物ガスを製造し、c)生成物ガスの一部をガス化器の底部においてクエンチ部分中の出口から抽出して抽出ガスを作成し、ここで該抽出ガスは段階b)の生成物ガスと比べて減じられたメタン含有量を有しており、d)抽出ガス流を導管をとって化学製造方法に送り、そこで抽出ガス流を化学物質の製造用の炭素質供給原料として使用することを包含する方法を含んでなる。抽出ガス中のメタンの百分率は約0.01%〜約1.5%(容量)の間でありうるが、好ましくは0.6%(容量)より低い。
【0010】
ある種の態様では、メタンが枯渇した抽出ガス流は種々の化学製造方法、例えば、フィッシャー−トロプシュ法、またはメタノール、酢酸メチル、ウレア、硝酸アンモニウムウレア、水素ガス、ブチルアルデヒドなどの製造方法、のいずれかのための供給原料として使用される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面の簡単な記述
本発明の利点は以下の記述を利用し且つ添付図面を参照すると当業者に明らかになるであろう。
【図1】図1は二段階ガス化反応器を描写する本発明の1つの態様に従う図式的表示であり、段階の相対的配置並びに炭素質供給区原料用の入口および低メタン含有量を有する抽出ガスを得るための出口を示す。
【0012】
本発明は種々の修正および変更形態が可能であり、そしてそれらの具体的な態様が例示のために図面に示される。図面はものさし通りに描く意図はない。図面およびそれに関連する詳細な記述は発明の範囲を開示された特定態様に限定しようとする意図はない。むしろ、その意図は添付された特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲内に入る全ての修正、同等および変更態様を本発明が包括することである。
【0013】
詳細な記述
本発明は製造される合成ガスの温度が通常は2000°Fより低いいずれのガス化システムにも適用可能であり、そして製造される合成ガスのメタン含有量はメタンの少なくとも一部を最初に除去することなく化学製造用の供給原料としてのその使用を妨害しない。そのような製造方法は石炭−液体プラント、または水素、アンモニア、ウレア、メタノール、もしくはブチルアルデヒドの製造を包含しうるが、それらに限定されない。
【0014】
ガス化方法の詳細は当該技術で既知であり、従ってここには本発明を完全に開示するために必要な詳細事項のみ記述される。ある種の態様では、本発明は米国暫定特許出願第61/165784号明細書、第61/138312号明細書、第61/165,784号明細書、および第61/146189号明細書、並びに米国特許出願第12/192471号明細書および第11/834751号明細書の開示に基づき構成され、それらは引用することにより本発明の内容となる。
【0015】
本発明のある種の態様では、ガス化反応器中での空気または高純度酸素を用いる炭素質供給原料の部分的燃焼によりガス化が行われ、主として水素および一酸化炭素並びに幾らかのメタンを含んでなる熱い合成ガスを作成する。炭素質供給原料の残りの鉱物含有物は溶融スラグを形成し、それはガス化器から連続的に除去される。第一反応区域中で作成される熱い合成ガスは蒸発しそして第二反応区域中に導入されるさらなる炭素質供給原料のガス化のために必要な熱を与える。ガス化反応器を出る合成ガスは冷却されそして粒子および化学汚染物質が清浄化され、そして次にガスタービン用の燃料としてまたは化学物質の製造用の供給原料としてのいずれかの使用の前にさらにコンディショニングされる。本発明の方法は化学物質の製造用の供給原料としての合成ガスの使用に関する。
【0016】
本発明の適用は二段階ガス化方法に限定されないが、本発明のある種の態様は第一および第二反応区域を含んでなる二段階ガス化反応器を準備する。図1はコノコフィルプス・カンパニーにより所有されるE−GasTMガス化反応器構造に従う二段階ガス化反応器を描写している。第一反応区域は反応器下部30を含んでなるが、第二反応区域は反応器上部40を含んでなる。図1では、反応器10の燃焼されない反応器上部40は反応器の燃焼される反応器下部30の頂部に直接連結されるため、第一反応区域の熱い反応生成物は反応器下部30から反応器上部40の第二反応区域に直接運ばれ、それにより熱損失を最少化する。
【0017】
さらに図1を参照すると、炭素質供給原料が酸素−含有ガスおよび/または水蒸気を含んでなるガス流と混合されそして急速な発熱反応が起きる時にガス化方法が第一反応区域(すなわち反応器下部30)内で始まり、そこで炭素質供給原料が水蒸気、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、および例えば灰の如き担持された粒子を含んでなる第一混合生成物に転化される。灰は炭素質供給原料の不燃性鉱物含有物より構成される。第一反応区域30の温度は灰の融点より高く維持され、それにより灰が溶融しそして凝集してスラグとして知られる粘着性液体を形成することが可能になる。スラグは反応器下部30の底に落下しそして穴20を通ってクエンチ室70の中に流れ、そこでそれが水でクエンチされそして出口90を通って最終的廃棄用のスラグ処理システム(示されていない)に向けられる。
【0018】
第一反応区域中で起きる主な燃焼反応は
【数1】

であり、それは高度に発熱性である。それは第一反応区域中の温度を2000°F〜35
00°Fの間に上昇させる。第一反応区域中で発生した熱はガス流と共に上方に運ばれ、それにより供給水の蒸発、炭素−水蒸気反応並びにCOおよびHOの間の水−ガス反応を包含する燃焼されない第二反応区域中で起きる熱分解用の熱を与える。炭素−水蒸気反応はCOおよびHを生成し、それにより、これらの使用可能なガスの収率を増加させる。
【0019】
図1に示される態様では、炭素質供給原料の粉砕された固体の流れが供給装置80および/または80aを通って第二反応区域(すなわち上部40)の中に射出される。ある種の別の態様(描写されていない)では、例えばスラリー供給システムの如くであるがそれに限定されない別の供給装置を使用して供給原料をガス化反応器に加えうる。
【0020】
第二反応区域(すなわち反応器上部40)中の反応の物理的条件を調節して急速なガス化および供給原料のその可塑化反応より高温への加熱を確実にする。反応器上部中に分散されたら、供給原料は第一反応区域(すなわち反応器下部30)から上昇する熱い第一混合生成物と接触する。スラリー中の水が水蒸気になるにつれて炭素質供給原料は乾燥され、そして供給原料の一部は例えば炭素水蒸気反応(C+HO→CO+H)の如き熱分解反応によりガス化されて水素および一酸化炭素を製造する。
【0021】
さらに図1を参照すると、導管120を通ってガス化反応器を出る原料ガス流は1種もしくはそれ以上の以下のものを含んでなりうる:一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、水素(H)、水(HO)、メタン(CH)および他の軽質量炭化水素類、並びに窒素(N)。さらに、原料ガス流は化学物質の製造用の原料ガス流を使用する前に除去しなければならない1種もしくはそれ以上の望ましくない成分(すなわち、汚染物質)を含んでなりうる。硫黄化合物、例えば、硫化水素(HS)、硫化カルボニル(COS)、二硫化炭素(CS)、並びに有機硫黄化合物、例えばメルカプタン類および種々のチオフェン系化合物、も原料ガス流中で見られる普遍的な汚染物質の数例である。原料ガス流中に典型的に存在する汚染物質の他の例はアンモニア(NH)、塩酸(HCl)、およびシアン化水素(HCN)を包含するが、それらに限定されない。高温の原料合成ガスは冷却され、そして当業者に既知でありそしてこの書類の範囲外にある(記述されていない)方法により粒子および酸ガスの両者が除去される。生じた清浄化された合成ガスは次にガスタービンに動力を供給するための燃料として使用することができるが、ある種の化学的適用のためには種々の化学製造方法のいずれかの供給原料としての合成ガスの使用前に過剰のメタンを除去しなければならない。
【0022】
以下の表1は本発明のある種の態様に従う原料合成ガス流の組成をまとめており、そこではE−GasTM構造の二段階のスラリーが供給されたガス化器により合成ガスが製造される。
【0023】
【表1】

【0024】
表1は、ガス化器の第二反応区域(すなわち上部40)から製造される原料合成ガス流が有意量(10容量%まで)のメタンを含有しうることを示している。メタンは、合成ガスのHおよびCO成分を出発物質として使用しそしてある種の場合にはメタンの存在が化学的合成を妨害するような多くの化学合成方法のために有用な供給原料成分でない。
【0025】
再び図1を参照すると、溶融灰の流れをガス化反応器から穴20を通ってクエンチ室70の中に促進させる負の圧力を生ずるために、確立された方法は抽出ガス100をクエンチ室70から引き出す。抽出ガスを引き出すことにより生ずる負の圧力は溶融灰による穴詰まりも防止する。確立された方法論によると、抽出ガス100は粒子除去システム(描写されていない)からの第二反応区域(上部40)上向き流から得られる原料合成ガス120で燃焼される。
【0026】
しかしながら、本発明の方法は第二反応区域(上部40)中で製造される合成ガスのメタン含有量よりはるかに低いメタン含有量を有する合成ガスをガス化反応器から得るための方法を提供する。ある種の態様では、得られる低−メタン合成ガスのメタン含有量は約1.5%(乾燥容量)より低いこともありうる。好ましくは、得られる低−メタン合成ガスのメタン含有量は約0.6%(乾燥容量)より低いこともありうる。最も好ましくは、得られる低−メタン合成ガスのメタン含有量は約0.25%(乾燥容量)より低いこともありうる。本発明では、抽出ガス100は導管を通って洗浄ドラム110に向けられる。洗浄ドラムは水用の入口125を含有しており、そして抽出ガスを洗浄して粒子を除去する。そのような洗浄ドラムに関連する方法および装置は当業者に普遍的に既知である。粒子を含まない合成ガス140が製造されそしてさらなる予備処理なしに種々の化学製造方法用の供給原料として使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施例1
本発明の方法によると、抽出ガス100はクエンチ室70の中の出口から得られる。こ
の抽出ガスは、メタン含有量がガス化器の第二反応区域(上段階40)から出される合成ガスよりはるかに低い合成ガスを含んでなる。二段階のスラリーが供給されたE−GasTMガス化器から出される合成ガスの組成を測定するために分析が行われた。ガス試料は、第二反応区域120の頂部並びにクエンチ室70の中の抽出ガス出口100の両方から採取された。2つの試料の化学的組成が分析され、そして各試料内の種々の気体状成分の相対量が表2に示される。
【0028】
【表2】

【0029】
表2は、第二反応区域の頂部から得られた合成ガスのメタン含有量はクエンチ室から得られた抽出ガス(0.1%)よりはるかに高いメタン含有量(2.7%)を有していたことを示している。抽出ガスは減じられた硫化水素およびアンモニア含有量も有していた。抽出ガスを次に通常の洗浄ドラムの中で簡単な清浄化工程にかけて、種々の化学製造方法用の供給原料としての使用に適する粒子を含まない合成ガスを与える。
【0030】
本発明の方法は合成ガスの成分を供給原料として使用する多種の(記述されているような)化学製造方法に適用可能である。本発明の1つの態様では、精製所により製造された石油コークスは二段階のスラリーが供給されたガス化反応器用の炭素質供給原料として使用される。供給原料のガス化により製造される合成ガスはある種の精製方法(例えば水素化処理など)用の水素ガス源として並びに低−メタン合成ガスをその供給原料として必要とするいずれかの石油化学装置用の供給原料として使用しうる。一例は「オキソ」法であり、それはプロピレンからブチルアルデヒドへのヒドロホルミル化を包含し、そこでは主反応は以下の通りである:CHCH=CH+CO+H→CH−CH−CH−CHO。この化学合成方法は合成ガス供給原料のメタン含有量が0.6%(乾燥容量)より低いことを要求しており、それはメタンを除去するための合成ガスの費用のかかる予備処理を必要とせずに本発明のメタンが減じられた抽出ガスにより容易に満足させられる条件である。
【0031】
定義
この開示の目的のためには、用語「合成ガス(syngas)」は合成ガス(synthesis gas)または合成ガス(synthetic gas)と同義語であり、用語「ガス」はメタン、天然ガス、並びにガソリンまたはいずれかの他の液体炭化水素燃料と同じ意味を有する。
【0032】
この開示の目的のためには、用語「低メタン合成ガス(low methane syngas)」または「低メタン合成ガス(low methane synthesis
gas)」の使用は1.5%(乾燥容量)またはそれより低いメタン含有量を有する合成ガスをさす。
【0033】
全てのガス組成は断らない限り乾燥容量として表示される。
【0034】
本発明の種々の面のさらなる修正および変更態様はこの記述に照らして当業者に明らかになろう。従って、この記述は説明用だけとみなすべきでありそして当業者に本発明の一般的な実施方法を教示する目的のためである。ここに示されそして記述されている発明の形態は態様例としてみなされるべきであることを理解すべきである。本発明のこの記述を利用した後に全てが当業者に自明であるように、構成要素および物質はここに示されそして記述されているものと置換可能であり、部品および方法を逆にすることができそして本発明のある種の特徴を独立して使用することができる。以下の特許請求の範囲で記述されている発明の精神および範囲から逸脱せずにここに記述されている構成要素において変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階:
a)少なくとも1つの反応区域および溶融灰を冷却するためのクエンチ部分を含んでなるガス化反応器を準備し、
b)該反応区域中で炭素質供給原料を部分的に酸化してH、CO、およびメタンを含んでなる生成物ガスを製造し、
c)生成物ガスの一部をガス化器の該クエンチ部分中の出口から抽出して抽出ガスを作成し、該抽出ガスは段階b)の生成物ガスと比べて減じられたメタン含有量を有しており、d)抽出ガス流を化学物質の製造用の炭素質供給原料として使用するために送ること
を含んでなる方法。
【請求項2】
抽出ガスが約0.01%〜約1.5%(容量)の間のメタンを含有する、請求項1の方法。
【請求項3】
抽出ガスが約0.6%(容量)より少ないメタンを含有する、請求項1の方法。
【請求項4】
抽出ガスが約0.25%(容量)より少ないメタンを含有する、請求項1の方法。
【請求項5】
抽出ガスが洗浄ドラムに送られ、該洗浄ドラムは水を使用してガスから粒子を除去する、請求項1の方法。
【請求項6】
ガス化反応器が第一反応区域および第二反応区域を含んでなり、そして供給原料の部分的酸化が第一反応区域内で起きる主反応である一方で、供給原料の熱分解が第二反応区域内で起きる主反応である、請求項1の方法。
【請求項7】
抽出ガス流が第一反応区域の直下にあるクエンチ部分中の出口から製造される、請求項4の方法。
【請求項8】
ガス流がフィッシャー−トロプシュ法またはメタノール、アンモニア、酢酸メチル、ウレア、硝酸アンモニウムウレア、ブチルアルデヒドもしくは水素ガスの製造方法を含んでなりうる化学製造方法用の供給原料として使用される、請求項1の方法。
【請求項9】
部分a)の生成物ガスのメタン含有量が約0.5%〜10%(容量)の間である、請求項1の方法。
【請求項10】
以下の段階:
a)第一反応区域、第二反応区域および溶融灰を冷却するためのクエンチ区域を含んでなるガス化反応器を準備し、供給原料の部分的酸化が第一反応区域内で起きる主反応であり、そして供給原料の熱分解が第二反応区域内で起きる主反応であり、
b)該反応区域中で炭素質供給原料を部分的に酸化してH、CO、およびメタンを含んでなる生成物ガスを製造し、
c)生成物ガスの一部をガス化器の該クエンチ部分中の出口から抽出して抽出ガスを作成し、該抽出ガス流は段階b)の生成物ガスと比べて減じられたメタン含有量を有しており、
d)抽出ガスを洗浄ドラムに送り、該ドラムが水を使用して抽出ガスから大部分の粒子を除去し、それにより清浄化された抽出ガス流を作成し、
e)清浄化された抽出ガス流を化学物質の製造用の炭素質供給原料として使用するために送ること
を含んでなる方法。
【請求項11】
抽出ガスが約0.01%〜約1.5%(容量)の間のメタンを含有する、請求項9の方法。
【請求項12】
抽出ガスが約0.6%(容量)より少ないメタンを含有する、請求項9の方法。
【請求項13】
抽出ガスが約0.25%(容量)より少ないメタンを含有する、請求項1の方法。
【請求項14】
ガス流がフィッシャー−トロプシュ法またはメタノール、アンモニア、酢酸メチル、ウレア、硝酸アンモニウムウレア、ブチルアルデヒドもしくは水素ガスの製造方法を含んでなりうる化学製造方法用の供給原料として使用される、請求項9の方法。
【請求項15】
部分a)の生成物ガスのメタン含有量が重量により約0.5%〜10%の間である、請求項9の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−517333(P2013−517333A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548112(P2012−548112)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2011/020340
【国際公開番号】WO2011/087951
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(312016090)フイリツプス66カンパニー (1)