二脚式歩行装置
【課題】大きな歩幅と安定性とを両立させた二脚式歩行装置において、簡便な構成にてスムーズな歩容が得られるようにする。
【解決手段】接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁とをジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する辺上に位置させた状態において、ジグザグ円筒安定面ローラーが円筒面を接地させながら進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に円筒部と安定平面とが順番に接地して進行するように、右足裏および左足裏が順番に接地し歩行を実行する二脚式歩行装置。
【解決手段】接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁とをジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する辺上に位置させた状態において、ジグザグ円筒安定面ローラーが円筒面を接地させながら進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に円筒部と安定平面とが順番に接地して進行するように、右足裏および左足裏が順番に接地し歩行を実行する二脚式歩行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右の揺動を伴う三次元的二脚式歩行装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された二足歩行ヒューマノイドロボットは、多数の関節部に内蔵された多数のモーターをコンピュータにより複雑に制御することにより、静歩行および動歩行を実現している。
【0003】
非特許文献1には、左右の揺動を伴う三次元的歩行機が販売されている旨が記載されている。
【0004】
また、非特許文献2のように、二脚受動歩行機の研究が進められており、これらは左右への揺動を伴わない二次元型と、左右への揺動を伴う三次元型に分類される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−154078号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本トイザらス株式会社、“ロボザウルス−TR441J”、[online]、2005年8月24日、日本トイザらス株式会社ホームページ(ニュースリリース)、[平成21年11月5日検索]、インターネット〈 URL:http://www2.toysrus.co.jp/truj/press/2005/pdf/20050824.pdf〉
【非特許文献2】Steve Collons, Andy Ruina, Russ Tedrake, Martijn Wisse,"Efficient Bipedal Robots Based on Passive-Dynamic Walkers",SCIENCE Vol.307, pp.1082-1085, (2005). 受動歩行ロボット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の二足歩行ヒューマノイドロボットは、静歩行および動歩行を可能とするため、多数の関節部に内蔵された多数のモーターをコンピュータにより複雑に制御しており、いったんコンピュータの不具合が発生した場合は転倒の可能性があり、貴重品の輸送・移動や人間の搭乗は、危険であり不向きである。また、単独歩行時においても、コンピュータの不具合時の転倒の際には他の物体の破損の可能性があり、危険である。
【0008】
非特許文献1に記載の左右の揺動を伴う三次元的歩行機は、最適な形状決定の理論が存在しない状態で試行錯誤で形状・動作が決定されており、安定性確保のため歩幅が小さく、移動速度が遅いのが現状である。
【0009】
また、非特許文献2に記載の受動歩行機は、左右への揺動を伴わない二次元型と、左右への揺動を伴う三次元型に分類される。二次元型は、人間のもつ二脚とは異なる構成となっており本来の人間の動作を模擬するものではない。一方、左右への揺動を伴う三次元型には様々な形状のものが非特許文献2で挙げられているが、より安定した歩容が求められる。
【0010】
そこで、本出願人は、先に特願2010−247163号にて、大きな歩幅と安定性とを両立させた二脚式歩行装置(以下、先願例1と言う。)を提案している。
【0011】
この先願例1によると、「ジグザグ平面ローラー」の一部が下り坂を転がり落ちる様子、あるいは、同ローラーが重心の移動により水平面を転がり進む様子を、二脚歩行の歩容に応用することで、大きな歩幅と安定性とを両立させることができる(後述する図1〜図3を参照)。
【0012】
この先願例1では、支持脚は最低3点からなる1枚の仮想平面を足裏形状とするもので、その仮想平面の角度が、左右の足裏で異なることで、支持脚が接地している場合に、遊脚が地面から離れるように設計されている。
【0013】
しかし、右脚と左脚の最大開き角の制御や足首角度の制御や膝関節の制御が無い場合、遊脚の振り出し動作の際に、遊脚の足裏の一部が地面に接地し、遊脚の振り出し動作を妨げることがある。すなわち、よりスムーズな歩容を実現するためには、右脚と左脚の最大開き角の制御や足首角度の制御や膝関節の制御が必要であり、構成が複雑になる。
【0014】
さらに、本出願人は、先に,特願2011−039824号にて、先願例1の改良特許出願を行い,よりスムーズな歩容を実現する二脚式歩行装置(以下、先願例2と言う。)を提案している。
【0015】
この先願例2では、接地している脚に対応する足裏の前縁の接地点と他方の脚に対応する足裏の後縁の接地点とをジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する辺上に位置させた状態において、共通する辺を中心に進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、ジグザグ平面ローラーが転がる際にジグザグ平面ローラーの二等辺三角形が順番に接地して進行するように、右足裏および左足裏が順番に接地し歩行を実行する二脚式歩行装置であって、支持脚と遊脚との入れ替えの際に、足裏が接地した後、足裏よりも深い角度を持った追加足裏を接地させ,遊脚の後方から前方への振り出し動作の際に,遊脚の足裏が地面に接触しないように工夫されている。
【0016】
しかし,先願例1ならびに先願例2では,互いに異なった角度で接続されるジグザグ平面ローラーの連続した2つの二等辺三角形平面同士の接合辺を回転軸とした回転運動により遊脚−支持脚の交換を実行する方式であるため,遊脚−支持脚の交換には,大きな重心移動を必要とし,十分にスムーズな歩容を実現できていない。
【0017】
本発明は上記点に鑑みて、大きな歩幅と安定性とを両立させた二脚式歩行装置において、簡便な構成にてスムーズな歩容が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
仮想円柱である基本円柱に対して、両方の円形側面の外周に、一定中心角度毎に頂点を左右互い違いに設け、連続した2つの頂点と反対側側面外周の相対する頂点とを3頂点とした多数の隣接する二等辺三角形を,共通する連接辺を介して立体的に連接させた立体形状のことをジグザグ平面ローラーとし、さらに,
それぞれの連接辺ごとに,当該連接辺を含み,当該連接辺の方向ベクトルを中心軸方向とし,前記基本円柱に等しい半径を有する円筒面のうち,前記基本円柱の中心軸から見て当該連接辺で連接される前記二等辺三角形より離れた円筒面部分を用意し,これらの連接辺ごとに用意された円筒面部分を立体的に連接させた円筒連接立体形状のことをジグザグ円筒ローラーとし,さらに,
ジグザグ円筒ローラーに対して,前記二等辺三角形に平行な安定用小平面を,前記基本円柱の中心軸から見て前記二等辺三角形から遠い位置,かつ,ジグザグ円筒ローラーと接するか交差する位置に付与した立体形状をジグザグ円筒安定面ローラーとしたとき,
前記二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる右足裏上面 および
当該の二等辺三角形に連接する二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる左足裏上面と,
前記基本円柱の中心軸から右足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である右足裏下面 および
前記基本円柱の中心軸から左足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である左足裏下面 と,
前記右足裏上面と前記右足裏下面とで構成される部分を右足裏とし,
前記左足裏上面と前記左足裏下面とで構成される部分を左足裏としたとき,
前記右足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記中心軸上に配置される主軸に回転接続されるとともに前記右足裏に接続される右脚と、
前記左足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記主軸に回転接続されるとともに前記左足裏に接続される左脚とを備えた
二脚式歩行装置であって,
前記右足裏および前記左足裏のうち,前記安定用小平面が接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁を前記ジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する前記連接辺上に位置させた状態において、
接地脚の足裏下面の前部の円筒面部分と,他方の脚の足裏下面の後部の円筒面部分とが共通に成立させるジグザグ円筒安定面ローラーの円筒部分を接地させながら他方の足裏の安定用小平面が接地するまで進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、
前記ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面部分と前記安定用小平面とが順番に接地して進行するように、前記右足裏および前記左足裏が順番に接地し歩行を実行することを特徴とする。
【0019】
これによると、「ジグザグ円筒安定面平面ローラー」の一部が下り坂を転がり落ちる様子、あるいは、同ローラーが重心のわずかな移動により水平面を転がり進む様子を、二脚歩行の歩容に応用することで、大きな歩幅と安定性とを両立させることができる。
【0020】
ここで、「ジグザグ平面ローラー」とは、図1に示すように、原形となる仮想円柱である基本円柱に対して、両方の円形側面の外周に、一定中心角度(T゜)毎に頂点を左右互い違いに設け、連続した2つの頂点と反対側側面外周の相対する頂点とを3頂点とした多数の隣接する二等辺三角形を,共通する連接辺を介して立体的に連接させた立体形状のことを言う。ただし、角度T゜は任意の角度であり、360゜の整数分の1である必要は無い。
【0021】
このローラーを平面(地面)上に置き、回転方向に転がすと、連接辺を支点として,図2のように二等辺三角形の平面が順番に接地すると同時に、ローラー全体が左右に角度F °ずつ揺動し、装置
の重心点から地面へ垂線の足が接地三角形の外側領域(斜線部で示す)に移動し、静的に安定な回転進行が実現される。
【0022】
また、「ジグザグ円筒ローラー」とは、図11に示すように、
ジグザグ平面ローラーに対して,それぞれの連接辺ごとに,当該連接辺を含み,当該連接辺の方向ベクトルを中心軸方向とし,前記基本円柱に等しい半径を有する円筒面のうち,前記基本円柱の中心軸から見て当該連接辺で連接される前記二等辺三角形より離れた円筒面部分を用意し,これらの連接辺ごとに用意された円筒面部分を立体的に連接させた円筒連接立体形状のことを言う。
さらに,「ジグザグ円筒安定面ローラー」とは,「ジグザグ円筒ローラー」に対して,「ジグザグ平面ローラー」の二等辺三角形に平行な安定用小平面を,前記基本円柱の中心軸から見て前記二等辺三角形から遠い位置,かつ,ジグザグ円筒ローラーと接するか交差する位置に付与した立体形状のことを言う。
【0023】
このローラーを平面(地面)上に置き、回転方向に転がすと、円筒部と安定用小平面とが順番に接地すると同時に、ローラー全体が左右に角度F °ずつ揺動し、装置
の重心点から地面へ垂線の足が接地三角形の外側領域(斜線部で示す)に移動し、「ジグザグ平面ローラー」の場合より,はるかに滑らかに,静的に安定な回転進行が実現される。
【0024】
本発明では、図12に示すように、
前記二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる右足裏上面 および
当該の二等辺三角形に連接する二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる左足裏上面と,
前記基本円柱の中心軸から右足裏上面の台形部分を前記「ジグザグ円筒安定面ローラー」に投影した円筒部分である右足裏下面 および
前記基本円柱の中心軸から左足裏上面の台形部分を前記「ジグザグ円筒安定面ローラー」に投影した円筒部分である左足裏下面 と,
前記右足裏上面と前記右足裏下面とで構成される部分を右足裏とし,
前記左足裏上面と前記左足裏下面とで構成される部分を左足裏としたとき,
前記右足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記中心軸上に配置される主軸に回転接続されるとともに前記右足裏に接続される右脚と、
前記左足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記主軸に回転接続されるとともに前記左足裏に接続される左脚とを備えた
二脚式歩行装置であって,
前記右足裏および前記左足裏のうち,前記安定用小平面が接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁を前記ジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する前記連接辺上に位置させた状態において、
接地脚の足裏下面の前部の円筒面部分と,他方の脚の足裏下面の後部の円筒面部分とが共通に成立させるジグザグ円筒安定面ローラーの円筒部分を接地させながら他方の足裏の安定用小平面が接地するまで進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、
前記ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面部分と前記安定用小平面とが順番に接地して進行するように、前記右足裏および前記左足裏が順番に接地し歩行を実行する。
【0025】
例えば、右足が支持脚であり右足裏が「安定用小平面」で接地している場合、後方にあった左足裏は、左足裏の後縁が,支持脚である右足裏の前縁に一致する位置まで前方に振り出される。
遊脚である左脚の振り出し動作時には,本装置は支持脚側に傾いているため,左足裏のいかなる部分も地面に接触しない。
【0026】
支持脚の交換の際には、すでに,右足裏の下面の円筒面と 左足裏の下面の円筒面とが 共通の円筒面を形成しているので,この円筒面を接地させながら前方に転がり倒れることで、重心が新たな支持脚に移動し、安定・安全・スムーズに支持脚と遊脚の交換が完了し、歩を進めることができる。また、下り坂では重力により自動的に歩行を行うことができる。すなわち、重心の移動だけで安定した歩幅の広い二脚歩行が可能である。
【0027】
なお、本発明における「ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に円筒面と安定用小平面と順番に接地して進行するように、右足裏および左足裏が順番に接地する」とは、左右の足裏部が「ジグザグ円筒安定面ローラー」と厳密に一致して接地することのみを意味するものではなく、製造上の誤差や作動上の誤差等により左右の足裏部が「ジグザグ円筒安定面ローラー」と若干ずれて接地することをも含む意味のものである。
【0028】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の二脚式歩行装置において、重心を移動させる手段を搭載した搭載部と、
搭載部を主軸に連結する搭載部連結機構とを備え、
重心が移動することにより、進行方向への転がり動作が行われることを特徴とする。
【0029】
これにより、下り坂のみならず、水平面や上り坂においても自動的に歩行を行うことができる。
【0030】
請求項6に記載の発明では,転倒防止のため,左右両方の足裏下面の前方部位と後方部位に,突出と引き込みが制御されるストッパーを具備することを特徴とする。
【0031】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の二脚式歩行装置において、右足裏および左足裏は、ジグザグ平面ローラーの軸方向中央線から離れていることを特徴とする。
【0032】
これにより、遊脚の振り出しの際に地面とのクリアランスを一層良好に確保することができるので、一層スムーズな歩容を得ることができる。
【0033】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の二脚式歩行装置において、脚の前方への振り出し動作を、右脚および左脚が滑り接続されるレールによって実現することを特徴とする。
【0034】
これにより、低重心を実現でき、安定性が高い二脚式歩行動作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の説明に使用するジグザグ平面ローラーの概念の説明図である。
【図2】地面に置いたジグザグ平面ローラーの説明図である。
【図3】ジグザグ平面ローラーを基にした本発明の二脚式歩行装置の基本構成を示す図である。
【図4(a)】比較例1における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図4(b)】図4(a)の要部拡大図である。
【図4(c)】図4(a)の要部拡大図である。
【図5】比較例1における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図6】比較例1の変形例における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図7】比較例2における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図8】比較例2における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図9】比較例3における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図10】比較例1における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図11】ジグザグ円筒ローラーを示す図である。
【図12】実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、上述した先願例1に相当する比較例1〜3を説明する。
【0037】
(比較例1)
図4および図5に比較例1を示す。図4(a)および図5中の各部は、1:右足裏平面、2:右脚、3:左足裏平面、4:左脚、5:基本円柱右側側面中心、6:基本円柱左側側面中心、7:主軸、8:右足首軸、9:左足首軸、10:基本円柱(仮想)、11:ジグザグ平面ローラー(仮想)、12:ジグザグ平面ローラー中央線(仮想)、13:ジグザグ平面ローラー最外線(仮想)、14:搭載部、15:搭載部連結機構、16:足裏拡張部(両脚)、17:ジグザグ平面ローラー平面部の辺、18:ジグザグ平面ローラー平面部の辺である。
【0038】
右脚2および左脚4が回転接続される主軸7は、基本円柱10の側面中心5、6を含む直線上、すなわち基本円柱10の中心軸上に位置する。搭載部連結機構15により、主軸7に固定される搭載部14の角度が右脚2と左脚4の開き角の半分の角度に自動的に設定される。また、搭載部連結機構15により、右脚2と左脚4の最大開き時に、遊脚の足裏がジグザグ平面ローラー11の平面に一致するように脚の開き角が制限される。
【0039】
なお、搭載部14に、駆動装置や人間を搭載し重心を移動することで、遊脚を前方へ振り出すことができる。また、主軸7を支持点とした場合の、脚2、4の重心、あるいは、搭載部連結機構15によって連結された遊脚(図4(a)では左足裏3および左脚4)および搭載部14の重心を、後方に設定することで、遊脚の前方への振り出し動作を確実することが可能となり、さらに、遊脚の前方への振り出し動作を静的にも行うことが可能となる。具体的には、足裏が接地した状態で、主軸7と足裏の後縁とを結ぶ直線よりも後方に重心を設定するのが好ましい。
【0040】
足裏1、3は、ジグザグ平面ローラー11の二等辺三角形の外側部(底辺側部位)であるが、遊脚の振り出しの際に地面とのクリアランスを確保するために、ジグザグ平面ローラー中央線(ジグザグ平面ローラー11の軸方向中央線)12から離れている必要がある。また、足裏1、3の前縁は、ジグザグ平面ローラー最外線を含まない。
【0041】
脚2、4には、それぞれ、足裏1、3が、足首軸8、9によって回転接続される。足首軸8、9は、ジグザグ平面ローラー11の二等辺三角形の二等分線上に位置する。脚と足裏の角度は、基本的には直角であるが、力あるいは衝撃力が加われば、わずかに(3〜10゜程度)に傾くようになっている。
【0042】
支持脚・遊脚の交換時の安定性を高めるため、地面と干渉しない範囲で、足裏1、3の外縁を拡張することができる。
【0043】
基本円柱の直径および厚さとジグザグ平面ローラー11の頂点間の中心角T゜により決定される左右の傾き角F゜は、装置の重心点から地面への垂線の足が支持脚の足裏にあるように定められる。
【0044】
上記の足裏平面は、平面である必要はなく、上記の足裏形状の範囲内に最少で直線上に配置されない3点の接地点があればよいが、搭載部連結機構15が例えばラチェット機構とラチェット解放機構を具備し、右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、足裏の前縁および後縁にはそれぞれ1点の接地点があればよい。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には2点の接地点があり、もう片方には1点の接地点があればよい。
【0045】
図4(b)に、足裏の前縁および後縁にそれぞれ1点の接地点がある場合の例を示す。この例では、右足裏1および左足裏3は矩形状になっている。右足裏1の前縁内側および後縁内側にそれぞれ1点の接地点25、26があり、他の1点の接地点(図示せず)は、接地点25、26を結ぶ直線から離れて配置されている。同様に、左足裏3の前縁内側および後縁内側にそれぞれ1点の接地点27、28があり、他の1点の接地点(図示せず)は、接地点27、28を結ぶ直線から離れて配置されている。
【0046】
図4(c)に、足裏の前縁および後縁の片方に2点の接地点があり、もう片方に1点の接地点がある場合の例を示す。この例では、右足裏1および左足裏3は台形状になっている。右足裏1の前縁に2点の接地点29、30があり、右足裏1の後縁に1点の接地点31がある。同様に、左足裏3の前縁に2点の接地点32、33があり、左足裏3の後縁に1点の接地点34がある。
【0047】
図6および図7に、足裏1、3の形状の変形例を示す。この例では、足裏1、3は、ジグザグ平面ローラーの二等辺三角形の外側部の台形とジグザグ平面ローラー中央線12に接する放物線形状である。また、足裏1、3の前縁部は、ジグザグ平面ローラー最外線を含まない。
【0048】
比較例1の作動状態を以下に記す。
【0049】
はじめに図4(a)のように右足が支持脚であり、左足が前方に振り出された結果、左足裏3の後縁が接地している状態であるとする。このとき、右脚裏1と左足裏3は、ジグザグ平面ローラー11の面に一致しており、右足裏1の前縁と左足裏3の後縁は、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17と一致する。
【0050】
この状態では、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、重心移動によって搭載部14に前方へ力が掛かっても、両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には最低でも2点の接地点があり、もう片方には最低でも1点の接地点があるため、同様に両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。
【0051】
重心移動によって、この状態のまま、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17を回転軸として前方へ回転し、図5のように左足裏3が接地し、左脚が支持脚となる。この支持脚・遊脚の交換の直後には、右足裏1の前縁は接地しているが、衝撃で左脚4が左首軸9を回転軸として前方へわずかに傾き、足首軸9の直線より後方に位置するように制限された右足裏1の前縁は、地面から離れ遊脚となり前方へ振り出され、右足裏1の後縁が、1面分前方へ回転したジグザグ平面ローラーの次の辺18と一致したところで停止する。こうして、右足裏1の後縁は左足裏3の前縁と一直線となる。
【0052】
以上で、1ストライド分の動作説明を終了するが、この過程が左右交互に連続することで、安定した二脚歩行が実現する。また、下り坂では重力により自動的に歩行を行うことができる。
【0053】
遊脚の振り出し開始から終了までに、遊脚の足裏が地面に接地する場合には、遊脚の足裏と脚の角度がわずかに直角からずれて、干渉を緩め、振り出し動作を続行させる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(比較例2)
図8および図9に比較例2を示す。図8および図9中の各部は、1:右足裏平面、2:右脚、3:左足裏平面、4:左脚、5:基本円柱右側側面中心、6:基本円柱左側側面中心、7:主軸、8:右足首軸、9:左足首軸、10:基本円柱(仮想)、11:ジグザグ平面ローラー(仮想)、12:ジグザグ平面ローラー中央線(仮想)、13:ジグザグ平面ローラー最外線(仮想)、14:搭載部、15:搭載部連結機構、16:足裏拡張部(両脚)、17:ジグザグ平面ローラー平面部の辺、18:ジグザグ平面ローラー平面部の辺、19:アーム、20:バネ付きリンク、21:足首角度固定装置(両脚)、22:足裏非接地センサー(両脚)である。
【0054】
右脚2および左脚4が回転接続される主軸7は、基本円柱10の側面中心5、6を含む直線上に位置する。搭載部連結機構15により、主軸7に固定される搭載部14の角度が右脚2と左脚4の開き角の半分の角度に自動的に設定される。また、搭載部連結機構15により、右脚2と左脚4の最大開き時に、遊脚の足裏がジグザグ平面ローラーの平面に一致するように脚の開き角が制限される。なお、搭載部14に、駆動装置や人間を搭載し重心を移動することで、遊脚を前方へ振り出すことができる。また、主軸7を支持点とした場合の、脚2、4の重心、あるいは、搭載部連結機構15によって連結された遊脚(図8では左足裏3および左脚4)および搭載部14の重心を、後方に設定することで、遊脚の前方への振り出し動作を確実することが可能となり、さらに、遊脚の前方への振り出し動作を静的にも行うことが可能となる。具体的には、足裏が接地した状態で、主軸7と足裏の後縁とを結ぶ直線よりも後方に重心を設定するのが好ましい。
【0055】
足裏1、3は、ジグザグ平面ローラーの二等辺三角形の外側部であるが、遊脚の振り出しの際に地面とのクリアランスを確保するために、ジグザグ平面ローラー中央線12から離れている必要がある。
【0056】
脚2、4には、それぞれ、足裏1、3が、足首軸8、9によって回転接続される。足首軸8、9は、ジグザグ平面ローラーの二等辺三角形の二等分線上に位置する。足裏の角度は、足首角度固定装置21が作動していない場合には、搭載部14に固定されているアーム19と、各足裏1、3を繋ぐバネ付きリンク20により構成される平行リンクによって、搭載部14と直角に固定される。
【0057】
一方、足首角度固定装置21が作動している場合には、足裏の角度は脚に対して直角である。足首角度固定装置21は、反対脚の足裏が接地となり、足裏非接地センサー22が作動した場合に、機械的あるいは電気的に作動し、足首角度が直角に固定される。また、搭載部連結機構15により遊脚の前方への開き角が最大と検知された場合にも、当該脚(遊脚)の足首角度固定装置21が機械的あるいは電気的に作動し、足首角度が直角に固定される。
【0058】
支持脚・遊脚の交換時の安定性を高めるため、地面と干渉しない範囲で、足裏1、3の外縁を拡張することができる。
【0059】
基本円柱の直径および厚さとジグザグ平面ローラーの頂点間の中心角T゜により決定される左右の傾き角F゜は、装置の重心点から地面への垂線の足が支持脚の足裏にあるように定められる。
【0060】
上記の足裏平面は、平面である必要はなく、上記の足裏形状の範囲内に最少で直線上に配置されない3点の接地点があればよいが、搭載部連結機構15が例えばラチェット機構とラチェット解放機構を具備し、右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、足裏の前縁および後縁にはそれぞれ1点の接地点があればよい。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には2点の接地点があり、もう片方には1点の接地点があればよい。
【0061】
比較例2の作動状態の説明を以下に記す。
【0062】
はじめに図8のように右足が支持脚であり、左足が前方に振り出された結果、左足裏3の後縁が接地している状態であるとする。このとき、右脚裏1と左足裏3は、ジグザグ平面ローラーの面に一致しており、右足裏1の前縁と左足裏3の後縁は、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17と一致する。
【0063】
左足裏3が非接地であるため、支持脚の右足裏1の足首角度固定装置21が作動し、右足首は直角に固定されている。また、搭載部連結機構15により遊脚である左脚の前方への開き角が最大と検知されるため、左脚の足首角度固定装置21が作動し、左足首角度も直角に固定されている。
【0064】
この状態では、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、重心移動によって搭載部14に前方へ力が掛かっても、両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には最低でも2点の接地点があり、もう片方には最低でも1点の接地点があるため、同様に両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。
【0065】
重心移動によって、この状態のまま、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17を回転軸として前方へ回転しはじめ、まず、右足裏1が非接地となり、右足裏1の足裏非接地センサー22が作動し、支持脚となる左脚の足首角度が直角に固定される。ついで、図9のように左足裏3が接地し、左脚が支持脚、右脚が遊脚となる。このとき、左足裏3の足裏非接地センサー22が非作動となり、反対側の右足首の角度固定が解除され、搭載部14に固定されているアーム19と、足裏1を繋ぐバネ付きリンク20により構成される平行リンクによって、右足裏の角度が搭載部14と直角に固定され、結果として右足裏の前縁が地面から離れ、右脚2の前方への振り出しが始まる。両脚の開き角は最大ではなくなるが、右足裏1の足裏非接地センサー22が作動しているため、支持脚である左脚の足首角度は直角に固定されている。
【0066】
地面から離れ遊脚となり前方へ振り出された右脚が前方へ最大に開いたとき、搭載部連結機構15により遊脚の前方への開き角が最大と検知されるため、右脚の足首角度が直角に固定され、右足裏の後縁が、1面分前方へ回転したジグザグ平面ローラーの次の辺18と一致したところで停止する。こうして、右足裏1の後縁は左足裏3の前縁と一直線となる。
【0067】
以上で、1ストライド分の動作説明を終了するが、この過程が左右交互に連続することで、安定した二脚歩行が実現する。また、下り坂では重力により自動的に歩行を行うことができる。
【0068】
遊脚の振り出し開始から終了までに、遊脚の足裏は平行リンク機構により、地面に接地することはなく、スムーズな振り出し動作が行われる。
【0069】
なお、足裏非接地センサー22の代わりに足裏接地センサーを用いてもよい。
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(比較例3)
図10に比較例3を示す。比較例3では、比較例1に対して両脚のほぼ中央の位置に膝回転関節23、24を追加している。
【0070】
右脚膝回転関節23および右脚膝回転関節24は、足首関節が後方へは回転するが、脚が前方へは回転しない可動範囲を持っている。
【0071】
遊脚となっている間は、足首関節の角度は非直角で、膝関節は非伸展(膝を曲げた状態)であるが、遊脚が前方への振り出された時のみは足首関節は直角に固定され、膝関節は伸展状態(膝を伸ばした状態)となる。
【0072】
遊脚となっている間は、足首関節の角度は非直角で、膝関節は非伸展であるが、この動作は、バネや、遊脚の前方への振り出し動作による慣性力や、カムなどによる決定論的動作によって成し遂げられる。
【0073】
一方、遊脚が前方への振り出された時のみは足首関節は直角に固定され、膝関節は伸展状態となる動作については、遊脚の前方への振り出し動作による慣性力、あるいは、カムなどによる決定論的動作によって成し遂げられる。
【0074】
膝回転関節23、24を有することによって、遊脚の振り出しの際に地面との干渉を一層防止できる。
【0075】
(実施例)
図12に示すように,先願例1で提供される二脚式歩行装置に対して,足裏形状をジグザグ円筒安定面ローラーの形状にすると,
スムーズで安定な歩行が可能となる。
【0076】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右の揺動を伴う三次元的二脚式歩行装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された二足歩行ヒューマノイドロボットは、多数の関節部に内蔵された多数のモーターをコンピュータにより複雑に制御することにより、静歩行および動歩行を実現している。
【0003】
非特許文献1には、左右の揺動を伴う三次元的歩行機が販売されている旨が記載されている。
【0004】
また、非特許文献2のように、二脚受動歩行機の研究が進められており、これらは左右への揺動を伴わない二次元型と、左右への揺動を伴う三次元型に分類される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−154078号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本トイザらス株式会社、“ロボザウルス−TR441J”、[online]、2005年8月24日、日本トイザらス株式会社ホームページ(ニュースリリース)、[平成21年11月5日検索]、インターネット〈 URL:http://www2.toysrus.co.jp/truj/press/2005/pdf/20050824.pdf〉
【非特許文献2】Steve Collons, Andy Ruina, Russ Tedrake, Martijn Wisse,"Efficient Bipedal Robots Based on Passive-Dynamic Walkers",SCIENCE Vol.307, pp.1082-1085, (2005). 受動歩行ロボット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の二足歩行ヒューマノイドロボットは、静歩行および動歩行を可能とするため、多数の関節部に内蔵された多数のモーターをコンピュータにより複雑に制御しており、いったんコンピュータの不具合が発生した場合は転倒の可能性があり、貴重品の輸送・移動や人間の搭乗は、危険であり不向きである。また、単独歩行時においても、コンピュータの不具合時の転倒の際には他の物体の破損の可能性があり、危険である。
【0008】
非特許文献1に記載の左右の揺動を伴う三次元的歩行機は、最適な形状決定の理論が存在しない状態で試行錯誤で形状・動作が決定されており、安定性確保のため歩幅が小さく、移動速度が遅いのが現状である。
【0009】
また、非特許文献2に記載の受動歩行機は、左右への揺動を伴わない二次元型と、左右への揺動を伴う三次元型に分類される。二次元型は、人間のもつ二脚とは異なる構成となっており本来の人間の動作を模擬するものではない。一方、左右への揺動を伴う三次元型には様々な形状のものが非特許文献2で挙げられているが、より安定した歩容が求められる。
【0010】
そこで、本出願人は、先に特願2010−247163号にて、大きな歩幅と安定性とを両立させた二脚式歩行装置(以下、先願例1と言う。)を提案している。
【0011】
この先願例1によると、「ジグザグ平面ローラー」の一部が下り坂を転がり落ちる様子、あるいは、同ローラーが重心の移動により水平面を転がり進む様子を、二脚歩行の歩容に応用することで、大きな歩幅と安定性とを両立させることができる(後述する図1〜図3を参照)。
【0012】
この先願例1では、支持脚は最低3点からなる1枚の仮想平面を足裏形状とするもので、その仮想平面の角度が、左右の足裏で異なることで、支持脚が接地している場合に、遊脚が地面から離れるように設計されている。
【0013】
しかし、右脚と左脚の最大開き角の制御や足首角度の制御や膝関節の制御が無い場合、遊脚の振り出し動作の際に、遊脚の足裏の一部が地面に接地し、遊脚の振り出し動作を妨げることがある。すなわち、よりスムーズな歩容を実現するためには、右脚と左脚の最大開き角の制御や足首角度の制御や膝関節の制御が必要であり、構成が複雑になる。
【0014】
さらに、本出願人は、先に,特願2011−039824号にて、先願例1の改良特許出願を行い,よりスムーズな歩容を実現する二脚式歩行装置(以下、先願例2と言う。)を提案している。
【0015】
この先願例2では、接地している脚に対応する足裏の前縁の接地点と他方の脚に対応する足裏の後縁の接地点とをジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する辺上に位置させた状態において、共通する辺を中心に進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、ジグザグ平面ローラーが転がる際にジグザグ平面ローラーの二等辺三角形が順番に接地して進行するように、右足裏および左足裏が順番に接地し歩行を実行する二脚式歩行装置であって、支持脚と遊脚との入れ替えの際に、足裏が接地した後、足裏よりも深い角度を持った追加足裏を接地させ,遊脚の後方から前方への振り出し動作の際に,遊脚の足裏が地面に接触しないように工夫されている。
【0016】
しかし,先願例1ならびに先願例2では,互いに異なった角度で接続されるジグザグ平面ローラーの連続した2つの二等辺三角形平面同士の接合辺を回転軸とした回転運動により遊脚−支持脚の交換を実行する方式であるため,遊脚−支持脚の交換には,大きな重心移動を必要とし,十分にスムーズな歩容を実現できていない。
【0017】
本発明は上記点に鑑みて、大きな歩幅と安定性とを両立させた二脚式歩行装置において、簡便な構成にてスムーズな歩容が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
仮想円柱である基本円柱に対して、両方の円形側面の外周に、一定中心角度毎に頂点を左右互い違いに設け、連続した2つの頂点と反対側側面外周の相対する頂点とを3頂点とした多数の隣接する二等辺三角形を,共通する連接辺を介して立体的に連接させた立体形状のことをジグザグ平面ローラーとし、さらに,
それぞれの連接辺ごとに,当該連接辺を含み,当該連接辺の方向ベクトルを中心軸方向とし,前記基本円柱に等しい半径を有する円筒面のうち,前記基本円柱の中心軸から見て当該連接辺で連接される前記二等辺三角形より離れた円筒面部分を用意し,これらの連接辺ごとに用意された円筒面部分を立体的に連接させた円筒連接立体形状のことをジグザグ円筒ローラーとし,さらに,
ジグザグ円筒ローラーに対して,前記二等辺三角形に平行な安定用小平面を,前記基本円柱の中心軸から見て前記二等辺三角形から遠い位置,かつ,ジグザグ円筒ローラーと接するか交差する位置に付与した立体形状をジグザグ円筒安定面ローラーとしたとき,
前記二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる右足裏上面 および
当該の二等辺三角形に連接する二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる左足裏上面と,
前記基本円柱の中心軸から右足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である右足裏下面 および
前記基本円柱の中心軸から左足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である左足裏下面 と,
前記右足裏上面と前記右足裏下面とで構成される部分を右足裏とし,
前記左足裏上面と前記左足裏下面とで構成される部分を左足裏としたとき,
前記右足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記中心軸上に配置される主軸に回転接続されるとともに前記右足裏に接続される右脚と、
前記左足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記主軸に回転接続されるとともに前記左足裏に接続される左脚とを備えた
二脚式歩行装置であって,
前記右足裏および前記左足裏のうち,前記安定用小平面が接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁を前記ジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する前記連接辺上に位置させた状態において、
接地脚の足裏下面の前部の円筒面部分と,他方の脚の足裏下面の後部の円筒面部分とが共通に成立させるジグザグ円筒安定面ローラーの円筒部分を接地させながら他方の足裏の安定用小平面が接地するまで進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、
前記ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面部分と前記安定用小平面とが順番に接地して進行するように、前記右足裏および前記左足裏が順番に接地し歩行を実行することを特徴とする。
【0019】
これによると、「ジグザグ円筒安定面平面ローラー」の一部が下り坂を転がり落ちる様子、あるいは、同ローラーが重心のわずかな移動により水平面を転がり進む様子を、二脚歩行の歩容に応用することで、大きな歩幅と安定性とを両立させることができる。
【0020】
ここで、「ジグザグ平面ローラー」とは、図1に示すように、原形となる仮想円柱である基本円柱に対して、両方の円形側面の外周に、一定中心角度(T゜)毎に頂点を左右互い違いに設け、連続した2つの頂点と反対側側面外周の相対する頂点とを3頂点とした多数の隣接する二等辺三角形を,共通する連接辺を介して立体的に連接させた立体形状のことを言う。ただし、角度T゜は任意の角度であり、360゜の整数分の1である必要は無い。
【0021】
このローラーを平面(地面)上に置き、回転方向に転がすと、連接辺を支点として,図2のように二等辺三角形の平面が順番に接地すると同時に、ローラー全体が左右に角度F °ずつ揺動し、装置
の重心点から地面へ垂線の足が接地三角形の外側領域(斜線部で示す)に移動し、静的に安定な回転進行が実現される。
【0022】
また、「ジグザグ円筒ローラー」とは、図11に示すように、
ジグザグ平面ローラーに対して,それぞれの連接辺ごとに,当該連接辺を含み,当該連接辺の方向ベクトルを中心軸方向とし,前記基本円柱に等しい半径を有する円筒面のうち,前記基本円柱の中心軸から見て当該連接辺で連接される前記二等辺三角形より離れた円筒面部分を用意し,これらの連接辺ごとに用意された円筒面部分を立体的に連接させた円筒連接立体形状のことを言う。
さらに,「ジグザグ円筒安定面ローラー」とは,「ジグザグ円筒ローラー」に対して,「ジグザグ平面ローラー」の二等辺三角形に平行な安定用小平面を,前記基本円柱の中心軸から見て前記二等辺三角形から遠い位置,かつ,ジグザグ円筒ローラーと接するか交差する位置に付与した立体形状のことを言う。
【0023】
このローラーを平面(地面)上に置き、回転方向に転がすと、円筒部と安定用小平面とが順番に接地すると同時に、ローラー全体が左右に角度F °ずつ揺動し、装置
の重心点から地面へ垂線の足が接地三角形の外側領域(斜線部で示す)に移動し、「ジグザグ平面ローラー」の場合より,はるかに滑らかに,静的に安定な回転進行が実現される。
【0024】
本発明では、図12に示すように、
前記二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる右足裏上面 および
当該の二等辺三角形に連接する二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる左足裏上面と,
前記基本円柱の中心軸から右足裏上面の台形部分を前記「ジグザグ円筒安定面ローラー」に投影した円筒部分である右足裏下面 および
前記基本円柱の中心軸から左足裏上面の台形部分を前記「ジグザグ円筒安定面ローラー」に投影した円筒部分である左足裏下面 と,
前記右足裏上面と前記右足裏下面とで構成される部分を右足裏とし,
前記左足裏上面と前記左足裏下面とで構成される部分を左足裏としたとき,
前記右足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記中心軸上に配置される主軸に回転接続されるとともに前記右足裏に接続される右脚と、
前記左足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記主軸に回転接続されるとともに前記左足裏に接続される左脚とを備えた
二脚式歩行装置であって,
前記右足裏および前記左足裏のうち,前記安定用小平面が接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁を前記ジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する前記連接辺上に位置させた状態において、
接地脚の足裏下面の前部の円筒面部分と,他方の脚の足裏下面の後部の円筒面部分とが共通に成立させるジグザグ円筒安定面ローラーの円筒部分を接地させながら他方の足裏の安定用小平面が接地するまで進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、
前記ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面部分と前記安定用小平面とが順番に接地して進行するように、前記右足裏および前記左足裏が順番に接地し歩行を実行する。
【0025】
例えば、右足が支持脚であり右足裏が「安定用小平面」で接地している場合、後方にあった左足裏は、左足裏の後縁が,支持脚である右足裏の前縁に一致する位置まで前方に振り出される。
遊脚である左脚の振り出し動作時には,本装置は支持脚側に傾いているため,左足裏のいかなる部分も地面に接触しない。
【0026】
支持脚の交換の際には、すでに,右足裏の下面の円筒面と 左足裏の下面の円筒面とが 共通の円筒面を形成しているので,この円筒面を接地させながら前方に転がり倒れることで、重心が新たな支持脚に移動し、安定・安全・スムーズに支持脚と遊脚の交換が完了し、歩を進めることができる。また、下り坂では重力により自動的に歩行を行うことができる。すなわち、重心の移動だけで安定した歩幅の広い二脚歩行が可能である。
【0027】
なお、本発明における「ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に円筒面と安定用小平面と順番に接地して進行するように、右足裏および左足裏が順番に接地する」とは、左右の足裏部が「ジグザグ円筒安定面ローラー」と厳密に一致して接地することのみを意味するものではなく、製造上の誤差や作動上の誤差等により左右の足裏部が「ジグザグ円筒安定面ローラー」と若干ずれて接地することをも含む意味のものである。
【0028】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の二脚式歩行装置において、重心を移動させる手段を搭載した搭載部と、
搭載部を主軸に連結する搭載部連結機構とを備え、
重心が移動することにより、進行方向への転がり動作が行われることを特徴とする。
【0029】
これにより、下り坂のみならず、水平面や上り坂においても自動的に歩行を行うことができる。
【0030】
請求項6に記載の発明では,転倒防止のため,左右両方の足裏下面の前方部位と後方部位に,突出と引き込みが制御されるストッパーを具備することを特徴とする。
【0031】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の二脚式歩行装置において、右足裏および左足裏は、ジグザグ平面ローラーの軸方向中央線から離れていることを特徴とする。
【0032】
これにより、遊脚の振り出しの際に地面とのクリアランスを一層良好に確保することができるので、一層スムーズな歩容を得ることができる。
【0033】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の二脚式歩行装置において、脚の前方への振り出し動作を、右脚および左脚が滑り接続されるレールによって実現することを特徴とする。
【0034】
これにより、低重心を実現でき、安定性が高い二脚式歩行動作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の説明に使用するジグザグ平面ローラーの概念の説明図である。
【図2】地面に置いたジグザグ平面ローラーの説明図である。
【図3】ジグザグ平面ローラーを基にした本発明の二脚式歩行装置の基本構成を示す図である。
【図4(a)】比較例1における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図4(b)】図4(a)の要部拡大図である。
【図4(c)】図4(a)の要部拡大図である。
【図5】比較例1における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図6】比較例1の変形例における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図7】比較例2における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図8】比較例2における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図9】比較例3における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図10】比較例1における二脚式歩行装置の全体構成を示す図である。
【図11】ジグザグ円筒ローラーを示す図である。
【図12】実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、上述した先願例1に相当する比較例1〜3を説明する。
【0037】
(比較例1)
図4および図5に比較例1を示す。図4(a)および図5中の各部は、1:右足裏平面、2:右脚、3:左足裏平面、4:左脚、5:基本円柱右側側面中心、6:基本円柱左側側面中心、7:主軸、8:右足首軸、9:左足首軸、10:基本円柱(仮想)、11:ジグザグ平面ローラー(仮想)、12:ジグザグ平面ローラー中央線(仮想)、13:ジグザグ平面ローラー最外線(仮想)、14:搭載部、15:搭載部連結機構、16:足裏拡張部(両脚)、17:ジグザグ平面ローラー平面部の辺、18:ジグザグ平面ローラー平面部の辺である。
【0038】
右脚2および左脚4が回転接続される主軸7は、基本円柱10の側面中心5、6を含む直線上、すなわち基本円柱10の中心軸上に位置する。搭載部連結機構15により、主軸7に固定される搭載部14の角度が右脚2と左脚4の開き角の半分の角度に自動的に設定される。また、搭載部連結機構15により、右脚2と左脚4の最大開き時に、遊脚の足裏がジグザグ平面ローラー11の平面に一致するように脚の開き角が制限される。
【0039】
なお、搭載部14に、駆動装置や人間を搭載し重心を移動することで、遊脚を前方へ振り出すことができる。また、主軸7を支持点とした場合の、脚2、4の重心、あるいは、搭載部連結機構15によって連結された遊脚(図4(a)では左足裏3および左脚4)および搭載部14の重心を、後方に設定することで、遊脚の前方への振り出し動作を確実することが可能となり、さらに、遊脚の前方への振り出し動作を静的にも行うことが可能となる。具体的には、足裏が接地した状態で、主軸7と足裏の後縁とを結ぶ直線よりも後方に重心を設定するのが好ましい。
【0040】
足裏1、3は、ジグザグ平面ローラー11の二等辺三角形の外側部(底辺側部位)であるが、遊脚の振り出しの際に地面とのクリアランスを確保するために、ジグザグ平面ローラー中央線(ジグザグ平面ローラー11の軸方向中央線)12から離れている必要がある。また、足裏1、3の前縁は、ジグザグ平面ローラー最外線を含まない。
【0041】
脚2、4には、それぞれ、足裏1、3が、足首軸8、9によって回転接続される。足首軸8、9は、ジグザグ平面ローラー11の二等辺三角形の二等分線上に位置する。脚と足裏の角度は、基本的には直角であるが、力あるいは衝撃力が加われば、わずかに(3〜10゜程度)に傾くようになっている。
【0042】
支持脚・遊脚の交換時の安定性を高めるため、地面と干渉しない範囲で、足裏1、3の外縁を拡張することができる。
【0043】
基本円柱の直径および厚さとジグザグ平面ローラー11の頂点間の中心角T゜により決定される左右の傾き角F゜は、装置の重心点から地面への垂線の足が支持脚の足裏にあるように定められる。
【0044】
上記の足裏平面は、平面である必要はなく、上記の足裏形状の範囲内に最少で直線上に配置されない3点の接地点があればよいが、搭載部連結機構15が例えばラチェット機構とラチェット解放機構を具備し、右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、足裏の前縁および後縁にはそれぞれ1点の接地点があればよい。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には2点の接地点があり、もう片方には1点の接地点があればよい。
【0045】
図4(b)に、足裏の前縁および後縁にそれぞれ1点の接地点がある場合の例を示す。この例では、右足裏1および左足裏3は矩形状になっている。右足裏1の前縁内側および後縁内側にそれぞれ1点の接地点25、26があり、他の1点の接地点(図示せず)は、接地点25、26を結ぶ直線から離れて配置されている。同様に、左足裏3の前縁内側および後縁内側にそれぞれ1点の接地点27、28があり、他の1点の接地点(図示せず)は、接地点27、28を結ぶ直線から離れて配置されている。
【0046】
図4(c)に、足裏の前縁および後縁の片方に2点の接地点があり、もう片方に1点の接地点がある場合の例を示す。この例では、右足裏1および左足裏3は台形状になっている。右足裏1の前縁に2点の接地点29、30があり、右足裏1の後縁に1点の接地点31がある。同様に、左足裏3の前縁に2点の接地点32、33があり、左足裏3の後縁に1点の接地点34がある。
【0047】
図6および図7に、足裏1、3の形状の変形例を示す。この例では、足裏1、3は、ジグザグ平面ローラーの二等辺三角形の外側部の台形とジグザグ平面ローラー中央線12に接する放物線形状である。また、足裏1、3の前縁部は、ジグザグ平面ローラー最外線を含まない。
【0048】
比較例1の作動状態を以下に記す。
【0049】
はじめに図4(a)のように右足が支持脚であり、左足が前方に振り出された結果、左足裏3の後縁が接地している状態であるとする。このとき、右脚裏1と左足裏3は、ジグザグ平面ローラー11の面に一致しており、右足裏1の前縁と左足裏3の後縁は、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17と一致する。
【0050】
この状態では、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、重心移動によって搭載部14に前方へ力が掛かっても、両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には最低でも2点の接地点があり、もう片方には最低でも1点の接地点があるため、同様に両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。
【0051】
重心移動によって、この状態のまま、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17を回転軸として前方へ回転し、図5のように左足裏3が接地し、左脚が支持脚となる。この支持脚・遊脚の交換の直後には、右足裏1の前縁は接地しているが、衝撃で左脚4が左首軸9を回転軸として前方へわずかに傾き、足首軸9の直線より後方に位置するように制限された右足裏1の前縁は、地面から離れ遊脚となり前方へ振り出され、右足裏1の後縁が、1面分前方へ回転したジグザグ平面ローラーの次の辺18と一致したところで停止する。こうして、右足裏1の後縁は左足裏3の前縁と一直線となる。
【0052】
以上で、1ストライド分の動作説明を終了するが、この過程が左右交互に連続することで、安定した二脚歩行が実現する。また、下り坂では重力により自動的に歩行を行うことができる。
【0053】
遊脚の振り出し開始から終了までに、遊脚の足裏が地面に接地する場合には、遊脚の足裏と脚の角度がわずかに直角からずれて、干渉を緩め、振り出し動作を続行させる。
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(比較例2)
図8および図9に比較例2を示す。図8および図9中の各部は、1:右足裏平面、2:右脚、3:左足裏平面、4:左脚、5:基本円柱右側側面中心、6:基本円柱左側側面中心、7:主軸、8:右足首軸、9:左足首軸、10:基本円柱(仮想)、11:ジグザグ平面ローラー(仮想)、12:ジグザグ平面ローラー中央線(仮想)、13:ジグザグ平面ローラー最外線(仮想)、14:搭載部、15:搭載部連結機構、16:足裏拡張部(両脚)、17:ジグザグ平面ローラー平面部の辺、18:ジグザグ平面ローラー平面部の辺、19:アーム、20:バネ付きリンク、21:足首角度固定装置(両脚)、22:足裏非接地センサー(両脚)である。
【0054】
右脚2および左脚4が回転接続される主軸7は、基本円柱10の側面中心5、6を含む直線上に位置する。搭載部連結機構15により、主軸7に固定される搭載部14の角度が右脚2と左脚4の開き角の半分の角度に自動的に設定される。また、搭載部連結機構15により、右脚2と左脚4の最大開き時に、遊脚の足裏がジグザグ平面ローラーの平面に一致するように脚の開き角が制限される。なお、搭載部14に、駆動装置や人間を搭載し重心を移動することで、遊脚を前方へ振り出すことができる。また、主軸7を支持点とした場合の、脚2、4の重心、あるいは、搭載部連結機構15によって連結された遊脚(図8では左足裏3および左脚4)および搭載部14の重心を、後方に設定することで、遊脚の前方への振り出し動作を確実することが可能となり、さらに、遊脚の前方への振り出し動作を静的にも行うことが可能となる。具体的には、足裏が接地した状態で、主軸7と足裏の後縁とを結ぶ直線よりも後方に重心を設定するのが好ましい。
【0055】
足裏1、3は、ジグザグ平面ローラーの二等辺三角形の外側部であるが、遊脚の振り出しの際に地面とのクリアランスを確保するために、ジグザグ平面ローラー中央線12から離れている必要がある。
【0056】
脚2、4には、それぞれ、足裏1、3が、足首軸8、9によって回転接続される。足首軸8、9は、ジグザグ平面ローラーの二等辺三角形の二等分線上に位置する。足裏の角度は、足首角度固定装置21が作動していない場合には、搭載部14に固定されているアーム19と、各足裏1、3を繋ぐバネ付きリンク20により構成される平行リンクによって、搭載部14と直角に固定される。
【0057】
一方、足首角度固定装置21が作動している場合には、足裏の角度は脚に対して直角である。足首角度固定装置21は、反対脚の足裏が接地となり、足裏非接地センサー22が作動した場合に、機械的あるいは電気的に作動し、足首角度が直角に固定される。また、搭載部連結機構15により遊脚の前方への開き角が最大と検知された場合にも、当該脚(遊脚)の足首角度固定装置21が機械的あるいは電気的に作動し、足首角度が直角に固定される。
【0058】
支持脚・遊脚の交換時の安定性を高めるため、地面と干渉しない範囲で、足裏1、3の外縁を拡張することができる。
【0059】
基本円柱の直径および厚さとジグザグ平面ローラーの頂点間の中心角T゜により決定される左右の傾き角F゜は、装置の重心点から地面への垂線の足が支持脚の足裏にあるように定められる。
【0060】
上記の足裏平面は、平面である必要はなく、上記の足裏形状の範囲内に最少で直線上に配置されない3点の接地点があればよいが、搭載部連結機構15が例えばラチェット機構とラチェット解放機構を具備し、右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、足裏の前縁および後縁にはそれぞれ1点の接地点があればよい。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には2点の接地点があり、もう片方には1点の接地点があればよい。
【0061】
比較例2の作動状態の説明を以下に記す。
【0062】
はじめに図8のように右足が支持脚であり、左足が前方に振り出された結果、左足裏3の後縁が接地している状態であるとする。このとき、右脚裏1と左足裏3は、ジグザグ平面ローラーの面に一致しており、右足裏1の前縁と左足裏3の後縁は、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17と一致する。
【0063】
左足裏3が非接地であるため、支持脚の右足裏1の足首角度固定装置21が作動し、右足首は直角に固定されている。また、搭載部連結機構15により遊脚である左脚の前方への開き角が最大と検知されるため、左脚の足首角度固定装置21が作動し、左足首角度も直角に固定されている。
【0064】
この状態では、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有している場合には、重心移動によって搭載部14に前方へ力が掛かっても、両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。一方、搭載部連結機構15が右脚2と左脚4の最大開き時に最大開き角を保持する機構を有していない場合には、足裏の前縁および後縁の片方には最低でも2点の接地点があり、もう片方には最低でも1点の接地点があるため、同様に両脚2、4がねじれて、開き角が小さくなることはない。
【0065】
重心移動によって、この状態のまま、地面上のジグザグ平面ローラーの辺17を回転軸として前方へ回転しはじめ、まず、右足裏1が非接地となり、右足裏1の足裏非接地センサー22が作動し、支持脚となる左脚の足首角度が直角に固定される。ついで、図9のように左足裏3が接地し、左脚が支持脚、右脚が遊脚となる。このとき、左足裏3の足裏非接地センサー22が非作動となり、反対側の右足首の角度固定が解除され、搭載部14に固定されているアーム19と、足裏1を繋ぐバネ付きリンク20により構成される平行リンクによって、右足裏の角度が搭載部14と直角に固定され、結果として右足裏の前縁が地面から離れ、右脚2の前方への振り出しが始まる。両脚の開き角は最大ではなくなるが、右足裏1の足裏非接地センサー22が作動しているため、支持脚である左脚の足首角度は直角に固定されている。
【0066】
地面から離れ遊脚となり前方へ振り出された右脚が前方へ最大に開いたとき、搭載部連結機構15により遊脚の前方への開き角が最大と検知されるため、右脚の足首角度が直角に固定され、右足裏の後縁が、1面分前方へ回転したジグザグ平面ローラーの次の辺18と一致したところで停止する。こうして、右足裏1の後縁は左足裏3の前縁と一直線となる。
【0067】
以上で、1ストライド分の動作説明を終了するが、この過程が左右交互に連続することで、安定した二脚歩行が実現する。また、下り坂では重力により自動的に歩行を行うことができる。
【0068】
遊脚の振り出し開始から終了までに、遊脚の足裏は平行リンク機構により、地面に接地することはなく、スムーズな振り出し動作が行われる。
【0069】
なお、足裏非接地センサー22の代わりに足裏接地センサーを用いてもよい。
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(比較例3)
図10に比較例3を示す。比較例3では、比較例1に対して両脚のほぼ中央の位置に膝回転関節23、24を追加している。
【0070】
右脚膝回転関節23および右脚膝回転関節24は、足首関節が後方へは回転するが、脚が前方へは回転しない可動範囲を持っている。
【0071】
遊脚となっている間は、足首関節の角度は非直角で、膝関節は非伸展(膝を曲げた状態)であるが、遊脚が前方への振り出された時のみは足首関節は直角に固定され、膝関節は伸展状態(膝を伸ばした状態)となる。
【0072】
遊脚となっている間は、足首関節の角度は非直角で、膝関節は非伸展であるが、この動作は、バネや、遊脚の前方への振り出し動作による慣性力や、カムなどによる決定論的動作によって成し遂げられる。
【0073】
一方、遊脚が前方への振り出された時のみは足首関節は直角に固定され、膝関節は伸展状態となる動作については、遊脚の前方への振り出し動作による慣性力、あるいは、カムなどによる決定論的動作によって成し遂げられる。
【0074】
膝回転関節23、24を有することによって、遊脚の振り出しの際に地面との干渉を一層防止できる。
【0075】
(実施例)
図12に示すように,先願例1で提供される二脚式歩行装置に対して,足裏形状をジグザグ円筒安定面ローラーの形状にすると,
スムーズで安定な歩行が可能となる。
【0076】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想円柱である基本円柱に対して、両方の円形側面の外周に、一定中心角度毎に頂点を左右互い違いに設け、連続した2つの頂点と反対側側面外周の相対する頂点とを3頂点とした多数の隣接する二等辺三角形を,共通する連接辺を介して立体的に連接させた立体形状のことをジグザグ平面ローラーとし、さらに,
それぞれの連接辺ごとに,当該連接辺を含み,当該連接辺の方向ベクトルを中心軸方向とし,前記基本円柱に等しい半径を有する円筒面のうち,前記基本円柱の中心軸から見て当該連接辺で連接される前記二等辺三角形より離れた円筒面部分を用意し,これらの連接辺ごとに用意された円筒面部分を立体的に連接させた円筒連接立体形状のことをジグザグ円筒ローラーとし,さらに,
ジグザグ円筒ローラーに対して,前記二等辺三角形に平行な安定用小平面を,前記基本円柱の中心軸から見て前記二等辺三角形から遠い位置,かつ,ジグザグ円筒ローラーと接するか交差する位置に付与した立体形状をジグザグ円筒安定面ローラーとしたとき,
前記二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる右足裏上面 および
当該の二等辺三角形に連接する二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる左足裏上面と,
前記基本円柱の中心軸から右足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である右足裏下面 および
前記基本円柱の中心軸から左足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である左足裏下面 と,
前記右足裏上面と前記右足裏下面とで構成される部分を右足裏とし,
前記左足裏上面と前記左足裏下面とで構成される部分を左足裏としたとき,
前記右足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記中心軸上に配置される主軸に回転接続されるとともに前記右足裏に接続される右脚と、
前記左足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記主軸に回転接続されるとともに前記左足裏に接続される左脚とを備え、
前記右足裏および前記左足裏のうち,前記安定用小平面が接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁の接地点とを前記ジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する前記連接辺上に位置させた状態において、
接地脚の足裏下面の前部の円筒面部分と,他方の脚の足裏下面の後部の円筒面部分とが共通に成立させるジグザグ円筒安定面ローラーの円筒部分を接地させながら他方の足裏の安定用小平面が接地するまで進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、
前記ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面部分と前記安定用小平面とが順番に接地して進行するように、前記右足裏および前記左足裏が順番に接地し歩行を実行することを特徴とする二脚式歩行装置。
【請求項2】
前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面が,ジグザグ円筒安定面ローラーが当該面部での接地時に滑らかに転がることが可能であり,前記連接辺を含む円筒面以外の曲面であることを特徴とする,請求項1に記載の二脚式歩行装置。
【請求項3】
前記ジグザグ円筒安定面ローラーの前記安定用小平面が,当該安定用小平面での接地時に装置全体が接地脚側に倒れない範囲で,前記二等辺三角形に非平行の角度で設置されていることを特徴とする,請求項1ないし2のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項4】
前記足裏下面の形状に関して,
足裏前縁上に最低1点,足裏後縁上に最低1点,さらに足裏前縁上あるいは足裏後縁上のいずれかに1点の接地点が設けられており,
前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面上には,外側側部および内側側部にそれぞれ数点の接地点が設けられており,
ジグザグ円筒安定面ローラーの安定用小平面上には,最低3点の接地点が設けられていることを特徴とする,
請求項1ないし3のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項5】
重心を移動させる手段を搭載した搭載部と、
前記搭載部を前記主軸に連結する搭載部連結機構とを備え、
重心が移動することにより、前記進行方向への転がり動作が行われることを特徴とする請求項4に記載の二脚式歩行装置。
【請求項6】
脚の前方への振出し動作を,遊脚と前記搭載部の重心が前記主軸より後方に配置された遊脚と搭載部の振り子動作により実現することを特徴とする,
請求項1ないし5のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項7】
脚の前方への振出し動作を,モーターなどの動力源と,機械的機構により実現することを特徴とする,
請求項1ないし5のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項8】
転倒防止のため,左右両方の足裏下面の前方部位と後方部位に,突出と引き込みが制御されるストッパーを具備することを特徴とする,
請求項1ないし7のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項9】
前記右足裏および前記左足裏は、前記ジグザグ平面ローラーの軸方向中央線から離れていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項10】
前記脚の進行方向へ振り出し動作を、前記右脚および前記左脚が滑り接続されるレールによって実現することを特徴とする
請求項1ないし9のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項11】
前記脚ごとに脚の前方へ振出の振り出し角を可変させ,左右への進行方向を変えることのできることを特徴とする
請求項1ないし10のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項1】
仮想円柱である基本円柱に対して、両方の円形側面の外周に、一定中心角度毎に頂点を左右互い違いに設け、連続した2つの頂点と反対側側面外周の相対する頂点とを3頂点とした多数の隣接する二等辺三角形を,共通する連接辺を介して立体的に連接させた立体形状のことをジグザグ平面ローラーとし、さらに,
それぞれの連接辺ごとに,当該連接辺を含み,当該連接辺の方向ベクトルを中心軸方向とし,前記基本円柱に等しい半径を有する円筒面のうち,前記基本円柱の中心軸から見て当該連接辺で連接される前記二等辺三角形より離れた円筒面部分を用意し,これらの連接辺ごとに用意された円筒面部分を立体的に連接させた円筒連接立体形状のことをジグザグ円筒ローラーとし,さらに,
ジグザグ円筒ローラーに対して,前記二等辺三角形に平行な安定用小平面を,前記基本円柱の中心軸から見て前記二等辺三角形から遠い位置,かつ,ジグザグ円筒ローラーと接するか交差する位置に付与した立体形状をジグザグ円筒安定面ローラーとしたとき,
前記二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる右足裏上面 および
当該の二等辺三角形に連接する二等辺三角形の側面側の台形部分であり,台形の斜辺である前縁と後縁と,台形の下底と上底とで囲われる左足裏上面と,
前記基本円柱の中心軸から右足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である右足裏下面 および
前記基本円柱の中心軸から左足裏上面の台形部分を前記ジグザグ円筒安定面ローラーに投影した円筒部分である左足裏下面 と,
前記右足裏上面と前記右足裏下面とで構成される部分を右足裏とし,
前記左足裏上面と前記左足裏下面とで構成される部分を左足裏としたとき,
前記右足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記中心軸上に配置される主軸に回転接続されるとともに前記右足裏に接続される右脚と、
前記左足裏下面 から上方側に向かって前記基本円柱の中心軸まで延び前記主軸に回転接続されるとともに前記左足裏に接続される左脚とを備え、
前記右足裏および前記左足裏のうち,前記安定用小平面が接地している脚に対応する足裏の前縁と他方の脚に対応する足裏の後縁の接地点とを前記ジグザグ平面ローラーの隣り合う二等辺三角形の共通する前記連接辺上に位置させた状態において、
接地脚の足裏下面の前部の円筒面部分と,他方の脚の足裏下面の後部の円筒面部分とが共通に成立させるジグザグ円筒安定面ローラーの円筒部分を接地させながら他方の足裏の安定用小平面が接地するまで進行方向へ転がり動作させることで支持脚と遊脚との入れ替えを行って、
前記ジグザグ円筒安定面ローラーが転がる際に前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面部分と前記安定用小平面とが順番に接地して進行するように、前記右足裏および前記左足裏が順番に接地し歩行を実行することを特徴とする二脚式歩行装置。
【請求項2】
前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面が,ジグザグ円筒安定面ローラーが当該面部での接地時に滑らかに転がることが可能であり,前記連接辺を含む円筒面以外の曲面であることを特徴とする,請求項1に記載の二脚式歩行装置。
【請求項3】
前記ジグザグ円筒安定面ローラーの前記安定用小平面が,当該安定用小平面での接地時に装置全体が接地脚側に倒れない範囲で,前記二等辺三角形に非平行の角度で設置されていることを特徴とする,請求項1ないし2のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項4】
前記足裏下面の形状に関して,
足裏前縁上に最低1点,足裏後縁上に最低1点,さらに足裏前縁上あるいは足裏後縁上のいずれかに1点の接地点が設けられており,
前記ジグザグ円筒安定面ローラーの円筒面上には,外側側部および内側側部にそれぞれ数点の接地点が設けられており,
ジグザグ円筒安定面ローラーの安定用小平面上には,最低3点の接地点が設けられていることを特徴とする,
請求項1ないし3のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項5】
重心を移動させる手段を搭載した搭載部と、
前記搭載部を前記主軸に連結する搭載部連結機構とを備え、
重心が移動することにより、前記進行方向への転がり動作が行われることを特徴とする請求項4に記載の二脚式歩行装置。
【請求項6】
脚の前方への振出し動作を,遊脚と前記搭載部の重心が前記主軸より後方に配置された遊脚と搭載部の振り子動作により実現することを特徴とする,
請求項1ないし5のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項7】
脚の前方への振出し動作を,モーターなどの動力源と,機械的機構により実現することを特徴とする,
請求項1ないし5のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項8】
転倒防止のため,左右両方の足裏下面の前方部位と後方部位に,突出と引き込みが制御されるストッパーを具備することを特徴とする,
請求項1ないし7のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項9】
前記右足裏および前記左足裏は、前記ジグザグ平面ローラーの軸方向中央線から離れていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項10】
前記脚の進行方向へ振り出し動作を、前記右脚および前記左脚が滑り接続されるレールによって実現することを特徴とする
請求項1ないし9のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【請求項11】
前記脚ごとに脚の前方へ振出の振り出し角を可変させ,左右への進行方向を変えることのできることを特徴とする
請求項1ないし10のいずれかに記載の二脚式歩行装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−63492(P2013−63492A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204245(P2011−204245)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】
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