説明

交換可能な毛領域を持つ歯洗浄マウスピース

歯用マウスピースは、該マウスピースが作動させられているときに歯を洗浄するために利用される毛領域を保持するためのアセンブリ14、16、18と、毛保持構造を動かして、毛が前記歯に対する洗浄動作をもたらすようにするための電動アセンブリ12とを含み、該毛領域は交換可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には歯を洗浄するための歯用マウスピースに関し、更に詳細には斯かるマウスピースにおける毛領域を交換するための構造的構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の歯ブラシは、個々の毛が磨耗し毛領域全体が広がってしまうため、一定の間隔で交換されるべきであることは、良く知られている。更に、長期間の使用の後、毛が細菌及びウィルスにとって都合の良い場所になることが多い。米国歯科医師会(American Dental Association)は、従来の歯ブラシは約3ヶ月おきに交換されるべきであると薦めている。電動歯ブラシを用いる場合、機器全体ではなく、着脱可能な毛のブラシヘッドのみが交換される。電動歯ブラシにおける交換可能なブラシヘッドは、同じ持ち手を用いて、異なる洗浄機能又は特殊な目的を達成するために、ユーザが幾つかの異なるブラシヘッドから選択することを可能とする付加的な利点を持つ。例えば、幾つかのブラシヘッドは、歯を研磨するために特に適した毛を持ち、他のものは歯の平坦な面を洗浄するために特に構成された毛を持ち、更に他のものは歯間腔を洗浄するために特に構成された毛を持ち得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
歯垢を除去/減少させるための毛を含む歯洗浄マウスピースにおいても、一定の間隔で毛領域を交換するための必要性がある。しかしながら、歯洗浄マウスピースは歯ブラシとは異なり、例えばマウスピースにおける毛領域の交換は、電動歯ブラシにおいて遭遇するものとは異なる困難を呈する。
【0004】
従って、歯洗浄マウスピースのための交換可能な毛領域機能のための1つ以上の構成を持つことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、歯を洗浄するための歯用マウスピースは、前記マウスピースが作動させられているときに歯を洗浄するために利用される毛領域を保持するための毛領域保持構造と、前記毛領域保持構造を動かして、毛が前記歯に対する洗浄動作をもたらすようにするための電動アセンブリと、を有し、前記毛領域は交換可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施例の側面図である。
【図2】図1の実施例の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図4】図3の実施例の一部の断面図である。
【図5(A)】図3の実施例の変形例の一部の断面図である。
【図5(B)】図3の実施例の変形例の一部の断面図である。
【図6(A)】図3の構成の他の変形例を示す断面図である。
【図6(B)】図3の構成の他の変形例を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施例の一部を示す断面図である。
【図8(A)】本発明の更なる実施例を示す断面図である。
【図8(B)】本発明の更なる実施例を示す断面図である。
【図8(C)】本発明の更なる実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図10】マウスピースの歯受容担体部分を該マウスピースのための駆動部に接続するための一構成の断面図である。
【図11】マウスピースの歯受容担体部分を該マウスピースのための駆動部に接続するための一構成の分解図である。
【図12】歯受容担体部分を駆動部に接続するための他の構成を示す分解図である。
【図13】歯受容担体部分を駆動部に接続するための他の構成を示す斜視図である。
【図14】歯受容担体部分を駆動部に接続するための他の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1、2、10及び11は、歯洗浄マウスピース構成を全体として10で示し、該構成は図1及び2において駆動部及び制御ユニット12、並びに馬蹄形の全体形状で制御ユニット12から延在する剛性の駆動板14を含む。該マウスピースは、ユーザの上側の歯及び下側の歯を受容するように構成された、上部及び下部の剛性馬蹄形歯受容担体部材16及び18を含む。
【0008】
動作時には、駆動板14は駆動ユニットにより動かされ、それぞれが内面において毛領域20を担持する担体部材を駆動する/動かす。該担体部材の運動は、該毛によりもたらされる歯に対する洗浄動作に帰着する。種々の洗浄動作をもたらすために種々の運動の種類が考えられ、こすり洗い、叩き洗い及び他の担体の動きを含む。毛領域20は、接着剤等により剛性の担体16及び18に装着可能な、薄い柔軟な支持部材22上に配置される。該毛領域は、該担体部材の内側垂直側面及び2つの中間水平面上にある。本実施例においては、該毛領域を持つ剛性の担体が全体のユニットとして交換されても良いし、又は、該毛領域を持つ毛支持部材が担体とは独立して交換されても良い。
【0009】
図10及び11は、全体として図1及び2において示されたような、個々の剛性の担体部材100及び102を駆動板104に接続するための一実施例を示す。該接続は、スナップ式接続により為されても良く(図10及び11)、その場合、担体部材における突起106が、駆動板における対応する開口110にスナップ式に留められる。毛を交換するため担体部材(毛領域を持つ)が取り外されるべき場合には、突起106が共に押し付けられ、担体部材が駆動板104から離れる。図12及び13は同様の構成を示すが、ここでは接続部が担体部材118におけるキノコ型のピン120を有し、該ピンが駆動板122における開口119に嵌合し、次いで担体部材118が駆動板122にロックされる位置まで狭い溝126に沿ってわずかに移動させられる。該担体部材は、該担体部材を反対方向に動かすことにより取り除くことができ、ここでは該キノコ型のピンは駆動板の開口119に位置する。
【0010】
図3に示される他の実施例においては、駆動/制御システム26が、ユーザの上側の歯及び下側の歯を受容する上側部29及び下側部(図3においては上側部のみが明らかに見えている)を持つ単一ユニットのマウスピース部材28に直接に接続される。該構成は一体化されたシステムと呼ばれる。駆動部/制御部26は、接続部30によって直接にマウスピース部材28を動かす。該マウスピース部材の上側部及び下側部の両方の内面(歯に面する面)には毛領域32が配置され、該領域は薄い柔軟な支持部材の上に装着され、該支持部材はマウスピース28自体に着脱可能に接続され、該マウスピースに装着されるときに該マウスピースの表面構成に合致する。図3におけるマウスピース部材28は、典型的には駆動部/制御部26から取り外し可能/交換可能ではないが、変形例においては可能であっても良い。毛支持部材とマウスピース部材28との間の接続は、接着剤によるものであっても良いし、又は例えば溶接、成型及び吸盤素子のような他の手段によるものであっても良い。該構成は例えば図4においてより明らかに示されており、該図はマウスピース部材28の一方の側の断面図であり、上側部38及び下側部40の両方を示している。毛領域を持つ柔軟な支持部材は42により示される。
【0011】
図5A及び5Bは、図3の一体化された駆動部/マウスピース構成のための他の毛領域の実施例を示す。しかしながら、本例においては、マウスピース部は、該マウスピース部の上端及び下端に沿った小さなU字型部分44を持つように構成される。毛領域を持つ柔軟な支持部材52は、マウスピースの上側部及び下側部へと滑動させられるU字型構造を定義する。
【0012】
図5Aは、中間部材57によって、上側部53と下側部55とを分割している。図5Bは同様のマウスピース構造を示すが、連続的な中間部材を用いていない。図5Bにおけるマウスピースの2つの側面部材58及び59は、該マウスピースの2つの自由端において、及び2つの前歯の部分に一致する該マウスピースの中央において、細い中間部材(図示されていない)によって接続される。本実施例における毛領域を持つ柔軟な部材は、側面部61及び中央部62を持つ「H」型の形をとる。3つの接続部を用いて、該柔軟な部材の一方の部分が該マウスピースの一方の端から該マウスピースの概ね中間まで延在し、他方の部分は中間から他方の端まで延在する。該マウスピースの側面部材間の付加的な接続も勿論可能であり、H字型の柔軟な支持部材の長さはそれに応じて変化する。
【0013】
図6A及び6Bは同様の構造を示しているが、ここでは柔軟な支持部材がより剛性であり、マウスピース構造内にスナップ式に接続され、該接続は、上側部及び下側部内の場所にスナップ式に接続する(それぞれがU字型の)別個の部材64及び66によるものであっても良いし、又は単一のH字型の部材によるものであっても良い。図6Aにおいて、該上側部及び下側部は、マウスピース全体に沿って中間部材67と接続される。図6Bは図5Bに類似しており、側面部材が、中間部材とマウスピース部材にスナップ式に接続されるように構成された毛領域を持つH字型の支持部材68とにより幾つかの点において接続される。
【0014】
図7は、図3に示された一体化された駆動部/マウスピース構成のための他の実施例を示す。図7は、該マウスピースの一方の側の断面図である。本例においては、マウスピースユニット72は、側面部材73及び77の内面において及び中間部材75の上面及び底面において複数の縦の溝74を含む。該溝には、典型的には列ごとに交換される毛の列78が配置される。各毛の列は、基部を保持するように構成された溝74内に嵌合する基部80を含む。基部80からは個々の毛82が延在する。
【0015】
図8A乃至8Cは、毛88が長さ方向の両側に沿って延在する、薄い毛支持部又は基部部材86を示す。基部部材86は、非常に柔軟で、図8A及び8Bに示されたようなU字型形状をとる担体部材の形状に成型されることができる、パテ/ゲル状物質から作られる。毛が磨耗すると、毛を持つ毛基部部材は取り外されて裏返しにされ、交換が必要となる前に第2の寿命を提供する。
【0016】
図9は、上側及び下側のマウスピース部93及び94を持つ一体化された駆動部/マウスピース構成のための更に他の実施例を示す。本実施例においては、延在する毛98を持つ膜96が、「H」字型のマウスピースの上側及び下側の開口のそれぞれに亘って配置され、自由端99及び100を接続する。該マウスピースが口に挿入されると、歯97は該マウスピースの上側部及び下側部に押し付けられ、下部94に示されるように、該膜が歯の形状に合致する。膜96の端は、上側及び下側マウスピース部の自由端にクランプされる。
【0017】
図14は、馬蹄形のマウスピース部132から切り離し可能な中央駆動部/制御部材130を含む他の実施例を示す。該駆動部制御部材は、3つの接続梁134乃至136により該マウスピース部に接続される。梁135は、最初にマウスピース部132に挿入される。該マウスピース部の自由端138及び140は、ヒンジ部のまわりに外向きに屈曲され、該マウスピース部への対向する梁134及び136の挿入を許容する。該マウスピースが元の形状に回復することが可能とされたときに、これら梁は該マウスピース部に接続する。口の半分しかカバーしないマウスピースが示されているが、マウスピース132は、上側の歯及び下側の歯の両方を受容するため、上側部及び下側部の両方を持つように構成されても良い。
【0018】
このように、歯を洗浄するために利用されるマウスピースにおける毛領域を交換するための幾つかの実施例が開示された。
【0019】
本発明の好適な実施例が説明の目的のために開示されたが、請求項により定義される本発明の精神から逸脱することなく、種々の変更、変形及び代替が該実施例に組み込まれ得ることは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯を洗浄するための歯用マウスピースであって、
前記マウスピースが作動させられているときに歯を洗浄するために利用される毛領域を保持するための毛領域保持構造と、
前記毛領域保持構造を動かして、毛が前記歯に対する洗浄動作をもたらすようにするための電動アセンブリと、
を有し、前記毛領域は交換可能である、歯用マウスピース。
【請求項2】
前記毛領域は、前記保持構造の構成に従って構成を変化させる、請求項1に記載の歯用マウスピース。
【請求項3】
前記毛領域保持構造は剛性の担体を含み、前記毛領域は、前記剛性の担体に着脱可能な薄い柔軟な支持部上に装着された、請求項1に記載の歯用マウスピース。
【請求項4】
前記毛領域保持構造は毛領域のセットを持ち、前記電動アセンブリから交換可能である、請求項1に記載の歯用マウスピース。
【請求項5】
前記電動アセンブリは、前記毛領域保持構造に接続され且つ前記毛領域保持構造に対する支持を提供する駆動部を含み、前記毛領域を持つ前記毛領域保持構造は、前記駆動部から取り外し可能である、請求項4に記載の歯用マウスピース。
【請求項6】
前記保持構造は、ユーザの上側の歯及び下側の歯を受容するように構成された上側部及び下側部を含み、前記支持部材は、前記保持構造の前記上側部及び下側部内に嵌合しか且つ前記上側部及び下側部から交換可能である、請求項5に記載の歯用マウスピース。
【請求項7】
前記保持構造は単一のユニットであり、前記支持部材は、上側の歯及び下側の歯の両方をカバーする単一のユニットである、請求項6に記載の歯用マウスピース。
【請求項8】
前記保持構造は前記電動アセンブリと一体化され、前記保持構造は溝を含み、歯の洗浄のために毛房の列が前記溝に挿入可能であり且つ前記溝から除去可能である、請求項1に記載の歯用マウスピース。
【請求項9】
前記支持部材は毛房が延在するパテ材料であり、前記パテ材料は前記マウスピースの形状に成型可能である、請求項3に記載の歯用マウスピース。
【請求項10】
前記支持部材は、マウスピース部の自由端に亘って最初に配置される膜であり、前記膜は、前記マウスピースが前記ユーザの歯に配置されたときに、歯が前記マウスピース部を噛む動作により前記マウスピース部に押し付けられ前記マウスピースの形状に一致するように配置された、請求項6に記載の歯用マウスピース。
【請求項11】
マウスピース部は、スナップ式接続により駆動板に接続される、請求項4に記載の歯用マウスピース。
【請求項12】
マウスピース部は、駆動板における対応する開口と結合可能なボタン式接続により前記駆動板に接続される、請求項4に記載の歯用マウスピース。
【請求項13】
前記電動アセンブリは、少なくとも3つの別個の梁部によりマウスピース部材に接続される、請求項3に記載の歯用マウスピース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−513794(P2012−513794A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542936(P2011−542936)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055517
【国際公開番号】WO2010/076693
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】