説明

交流電力測定システム

【課題】測定位置において交流電力測定を簡便に実施すること。
【解決手段】交流電力系統の電圧波形を検出して、該電圧波形の位相を特定可能な電圧位相特定情報を送信する少なくとも1つの電圧位相送信装置と、交流電力系統上の測定位置点に設けられ、該位置点における電流波形を、前記交流電力系統に電気接続することなく検出するとともに、該検出した電流波形と、電圧位相送信装置から受信した電圧位相特定情報にて特定される位相の電圧波形とに基づいて算出される電力データを記憶する測定点装置と、から構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電力系統上における位置点での消費電力を測定するための交流電力測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一の交流電力系統上における位置点での正確な消費電力を測定する場合には、該測定位置において、測定装置を交流電力系統に直接電気接続して測定を実施している(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−194703号公報
【特許文献2】特開2009−288070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、正確な消費電力を測定する場合には、電力測定装置を交流電力系統に直接電気接続する必要があるため、該測定位置において、電力測定装置を直接電気接続するための電気工事を実施しなければならず、例えば、有機溶剤等の危険物を使用する工場や部屋等においては、これら電気工事を容易に実施することができず、電力測定装置を簡便に実施することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、電力測定を簡便に実施することのできる交流電力測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の交流電力測定システムは、
同一の交流電力系統上における複数の異なる位置点での消費電力を測定するための交流電力測定システムであって、
前記交流電力系統に電気接続された電圧入力部と、該電圧入力部における電圧波形の少なくとも0点を検出する電圧波形検出手段と、該電圧波形検出手段にて検出された電圧波形に基づいて、該電圧波形の位相を特定可能な電圧位相特定情報を送信する電圧位相特定情報送信手段と、を備え、前記位置点とは異なる交流電力系統上の位置に設けられた少なくとも1つの電圧位相送信装置と、
前記位置点に設けられ、該位置点における電流波形を、前記交流電力系統に電気接続することなく検出する電流波形検出手段と、前記電圧位相特定情報送信手段から送信される電圧位相特定情報を受信する電圧位相特定情報受信手段と、前記電流波形検出手段にて検出された電流波形と、該電流波形と前記電圧位相特定情報受信手段にて受信した電圧位相特定情報にて特定される位相の電圧波形との関係とに基づくデータであって、該位置点における電力を算出可能な電力算出用データ、或いは、該電力算出用データにより算出された電力データを記憶するためのデータ記憶手段と、を備える測定点装置と、
から成ることを特徴としている。
この特徴によれば、交流電力における消費電力の測定に必要となる電流波形と電圧波形のうち、電流波形については電力測定を行う位置点において交流電力系統に非接続にて検出され、電圧波形については、電力測定を行う位置点とは異なる位置において該交流電力系統に電気接続された電圧位相送信装置から送信されるようになるので、位置点においては、測定点装置を交流電力系統に電気接続する必要がないので、電力測定を簡便に実施することができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の交流電力測定システムは、請求項1に記載の交流電力測定システムであって、
前記電圧位相特定情報送信手段は、前記電圧位相特定情報を予め定められた所定期間毎に間欠送信することを特徴としている。
この特徴によれば、電圧位相特定情報の送受信に要する電力を低減できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の交流電力測定システムは、請求項1または2に記載の交流電力測定システムであって、
前記所定期間を設定するための所定期間設定手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、電圧位相送信装置と測定点装置が設置される測定領域の通信環境や、交流電力系統の品質状況に応じて、電圧位相特定情報の送信タイミングを適宜に変更することができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の交流電力測定システムは、請求項1〜3のいずれかに記載の交流電力測定システムであって、
前記電圧位相特定情報の送信開始時点を変更するための送信開始時点変更手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、複数の電圧位相送信装置を使用する場合において、各電圧位相送信装置から送信される電圧位相特定情報の送信開始時期を異なる時期に変更できるので、異なる電圧位相送信装置から電圧位相特定情報が同時に送信されてしまうことによる不都合の発生を回避することができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の交流電力測定システムは、請求項1〜4のいずれかに記載の交流電力測定システムであって、
前記電圧位相特定情報送信手段は、前記電圧位相特定情報を非接触通信にて複数の測定点装置に対して同時に送信することを特徴としている。
この特徴によれば、電圧位相送信装置と各測定点装置を通信ケーブル等で接続する必要がないので、より簡便に複数の測定位置における電力測定を実施することができる。
【0011】
本発明の請求項6に記載の交流電力測定システムは、請求項5に記載の交流電力測定システムであって、
前記測定点装置は、前記電圧位相特定情報受信手段による電圧位相特定情報の受信を報知する報知手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、測定点装置が設置されている位置点において、電圧位相特定情報が受信できていることを測定に先立って確認できるので、電圧位相特定情報が受信できていないことにより、電力測定が良好に出来ていない事態の発生を回避することができる。
【0012】
本発明の請求項7に記載の交流電力測定システムは、請求項1〜6のいずれかに記載の交流電力測定システムであって、
前記電圧位相送信装置は、時刻を特定可能な時刻情報を出力する時計手段を備え、
前記電圧位相特定情報送信手段は、前記電圧位相特定情報の送信時において前記時計手段から取得した時刻情報を該電圧位相特定情報とともに送信し、
前記データ記憶手段は、前記電力算出用データ或いは電力データを、前記電圧位相特定情報受信手段にて電圧位相特定情報とともに受信した時刻情報に対応付けて記憶する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、電力が消費された時刻を特定できるようになるので、把握したい期間のみの電力を正確に特定できるようになるばかりか、各測定点装置毎に時計手段となるデバイスを設ける必要がないので、測定点装置のコストを低減できるとともに、これら時計手段による測定点装置における電力消費を低減することもできる。また、複数の測定点装置における電力を時間的に比較する場合において、個々の測定点装置の時刻を調整する手間も省くこともできる。
【0013】
本発明の請求項8に記載の交流電力測定システムは、請求項1〜7のいずれかに記載の交流電力測定システムであって、
前記測定点装置は、前記データ記憶手段に記憶されている電力算出用データ或いは電力データを、データを収集するデータ収集装置に対して非接触にて送信するデータ送信手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、複数の各測定点装置とデータ収集装置とを通信ケーブルにて接続する必要がないばかりか、データ収集に際して、データ収集装置を各測定点装置に有線接続する必要もないので、複数の各測定点装置からのデータ収集に係わる手間を著しく低減することができる。
【0014】
本発明の請求項9に記載の交流電力測定システムは、請求項1〜8のいずれかに記載の交流電力測定システムであって、
前記位置点が同一の交流電力系統上における複数の異なる位置点であることを特徴としている。
この特徴によれば、近年においては、地球温暖化の一環として、エネルギー節約のために、小さな単位での原単位エネルギーを把握したいというニーズが大きくなってきていることから、複数の測定位置において電力測定を実施したいとゆうニーズにおいて、電流波形については、複数の各位置点において交流電力系統に非接続にて検出され、電圧波形については、交流電力系統に電気接続された電圧位相送信装置から送信されるようになるので、個々の位置点においては、測定点装置を交流電力系統に電気接続する必要がないので、複数の測定位置における電力測定を簡便に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における交流電力測定システムの構成例を示す図である。
【図2】実施例に用いた電圧位相送信機3の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例に用いた測定点装置4の構成を示すブロック図である。
【図4】データ収集装置となるノートパソコン10と、電圧位相送信機3、測定点装置4間において送受信されるデータ内容を示す図である。
【図5】ノートパソコン10における電圧位相送信機設定画面を示す図である。
【図6】実施例において電圧位相情報が送信される流れを示す説明図である。
【図7】測定点装置4に記憶される記憶データテーブルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る交流電力測定システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の交流電力測定システムの構成例を示す図である。尚、本実施例では、本発明の交流電力測定システムを家屋に適用した構成を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の交流電力測定システムは、一般の交流電源系統からの交流電気を使用している各種施設や工場についても適用可能なことは言うまでもない。
【0018】
本発明の交流電力測定システムは、図1に示すように、電圧位相特定情報を送信する少なくとも1つの電圧位相送信装置3と、該電圧位相送信装置3と同一の交流電力系統上における複数の電力測定位置点に設けられた複数の測定点装置4とから構成される。
【0019】
図1においては、家屋内に設置された配電盤1から、該家屋内に設けられている各コンセント2に対して、交流電力線から供給された同一の交流電力が供給される。
【0020】
尚、図1では、家屋の各階毎に、配電盤において個別に電力の供給・停止を制御できるようになっているとともに、階が異なると、電圧位相送信装置3から送信される電圧位相特定情報を測定点装置4が受信し難いことから、それぞれの階毎に電圧位相送信装置3を設けて、それぞれの階に設置された測定点装置4が、同一階に設置された電圧位相送信装置3から電圧位相特定情報を受信するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電圧位相送信装置3から送信される電波出力を大きくできる場合等であって、他の階の測定点装置4が電圧位相特定情報を良好に受信できる場合には、電圧位相送信装置3を1つのみとしても良い。
【0021】
本実施例の電圧位相送信装置3は、図1に示すように、各階の1のコンセント2に装着されている。尚、この電圧位相送信装置3を装着するコンセント2は、同一の階における他のコンセント2に対応して設置される全ての測定点装置4が、該電圧位相送信装置3から送信される電圧位相特定情報を良好に受信できるように、測定点装置4の配置位置のほぼ中央位置となるものを選択すれば良い。
【0022】
また、本実施例の測定点装置4は、図1に示すように、所定の電力測定位置点となる、測定対象とされる電気機器が接続されるコンセント2、あるいは、測定対象とされるコンセント(コンセントに接続される機器を問わない)2に対応して設置される。
【0023】
尚、測定点装置4は、後述するように、コンセント2に電気を供給する電力線を後述する円筒状のクランプ部50に挿通するのみで良く、大きな電気工事等を伴わずに簡単に設置することができるとともに、小型であるので、例えば、壁等にコンセントを形成するために予め設置されている箱状のコンセントケース内部等に配置することができる。
【0024】
ここで、本実施例に用いた電圧位相送信装置3の構成を図2、図4を用いて説明する。本実施例の電圧位相送信装置3は、図4に示すように、コンセントに装着可能なAC・DCアダプタのような小型の箱状体の外観とされており、その特徴としては、電波の送受信を行うためのダイポール型の外部アンテナ39を上面に備えている。
【0025】
背面の下部位置には、コンセント2に挿入可能なコンセントプラグ31が突設されていて、コンセント2に装着することができる。
【0026】
電圧位相送信装置3の内部には、図2に示すように、電圧入力部となるコンセントプラグ31から入力される交流電力系統の電圧を検出する公知の電圧検出器32、該電圧検出器32にて検出されたアナログ電圧を量子化するAD変換器33、本発明の時計手段を成すリアルタイムクロック(RTC)37、電圧位相送信装置3の動作・非動作を切り替えるためのメインスイッチ38、測定点装置4への電圧位相特定情報の送信並びに後述する集計装置となるノートパソコン10との双方向のデータ通信を行うための無線通信モジュール36、ノートパソコン10にて設定された設定データ及び個々の電圧位相送信装置3に固有に付与された装置ID(識別情報)等が記憶された不揮発性メモリであるフラッシュメモリ34と、これら各部に接続されて、電圧位相送信装置3の動作制御を行う制御MPU(マイクロプロセッシングユニット)35とが内蔵されている。
【0027】
尚、図2には示していないが、内蔵されている各デバイスに所定の動作電力を供給する電源回路も内蔵されており、該電源回路は、コンセントプラグ31から入力される交流電気を所定の動作電力に変換して供給する。
【0028】
電圧検出器32は、電圧を検出可能な公知の電圧検出回路を有するものを使用することができ、コンセントプラグ31から入力される交流電力系統の電圧に応じた所定の出力をAD変換器33に与えるものである。
【0029】
AD変換器33は、十分な分解能とサンプリング機能とを有するものであれば、公知のものを使用することができ、本実施例では、電圧検出器32からの出力を、例えば8ビット=256段階、5KHzにてサンプリング(量子化)し、量子化データを制御MPU35に出力する。尚、交流電力系統における電圧波形の周波数は、50Hz(東日本)、60Hz(西日本)でほぼ一定であって10ミリ秒毎(50Hz)、8.3ミリ秒毎(60Hz)に電圧0点が生じるので、これよりも十分に短い時間となる200マイクロ秒間隔となる5000Hzとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電圧0点を良好に特定できるものであれば、これらサンプリングレートを、その他のサンプリングレートとしても良い。
【0030】
このようにして出力される量子化データに基づいて制御MPU35は、図6に示すように変化する交流電圧が0となる時点を把握することができ、該電圧0となった時点において、その時点にRTC37から取得した時刻情報とともに、電圧0点である旨を示す所定のデータを電圧位相特定情報として、無線通信モジュール36から各測定点装置に対して同時送信(一斉送信)する。
【0031】
但し、制御MPU35は、交流電圧が0となる毎に電圧位相特定情報を送信するのではなく、図6に示すように、フラッシュメモリ34に記憶されている設定データに含まれる送信間隔時間がセットされている内部タイマがタイマアップする毎に電圧位相特定情報を送信する。つまり、送信間隔時間として、後述する図5に示す電圧位相送信機設定画面に示すように、例えば1分が設定されていた場合には、1分毎に電圧位相特定情報が送信され、これら電圧位相特定情報の送受信に伴う電力消費、特には、後述するように、該送信される電圧位相特定情報を受信する測定点装置4では、電池を使用しているので、該電圧位相特定情報の受信に消費される電力を低減でき、電池の寿命を延ばすことができるようになる。
【0032】
また、交流電力系統における電圧波形は、周知のように、ほぼ一定周期の正弦波であるので、正弦波上の1点の時期と正弦値とが特定できれば、該点を通過する正弦波が1義的に決定されるので、これら1点の時期と正弦値が電圧の位相を特定可能な電圧位相特定情報となり得るので、本実施例では、正弦値を0とする際の時期を送信することで電圧位相特定情報としている。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電圧の極大点や極小点の時期を送信するようにしても良い。尚、この場合、電圧の極大点や極小点においては、時間変化に対する電圧の変化が少なくなり、これらの極大点や極小点の時間位置がずれ易い(時間誤差が大きくなる)のに対し、0点においては時間変化に対する電圧の変化が大きくなるので、0点を容易に且つ少ない時間誤差にて特定できることから好ましい。
【0033】
また、これら電圧位相送信装置3においては、交流電力系統の電圧波形の全体を測定するのではなく、上述したように、例えば、電圧波形のうち0点のみを検出するようにしても良い。
【0034】
これら電圧位相特定情報を測定点装置4に送信する無線通信モジュール36としては、電波免許が不要な微弱電波による近距離データ通信モジュール、例えば、これら微弱電波による近距離データ通信方式の規格であるIEEE 802.11bに準拠したZigbee方式を採用したZigbeeモジュール等を好適に使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の無線通信方式による無線通信モジュールを使用しても良い。
【0035】
尚、本実施例では、電圧位相特定情報を測定点装置4に送信する通信形態として、非接触通信となる無線データ通信を使用しており、このように、無線通信を使用することは、複数の各測定点装置4と電圧位相送信装置3とを通信ケーブルにて接続するための工事等を行う必要がないばかりか、複数の各測定点装置4に対して、電圧位相特定情報を一斉に送信できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら通信形態としては、通信ケーブルを使用した公知の接触通信や、電力線を介した接触通信である電力線通信(PLC)を用いても良いし、赤外線通信等のその他の非接触通信を用いても良い。
【0036】
次に、本実施例の測定点装置4の構成を図3、図4を用いて説明する。本実施例の測定点装置4は、図4に示すように、設置されるコンセント2に繋がる電力線を挿通可能な円筒状のクランプ部50を側面部に有する縦長の箱状体とされており、その前面には、メインスイッチ48と、電圧位相特定情報の受信を点灯により報知するための報知LED49を備えている。
【0037】
クランプ部50は、可動可能な2つの半月片から構成されており、半月片の導出部に形成されている図示しない開閉レバーを操作することで半月片が動作することにより、クランプ部50内への電力線の出し入れを実施できるようになっている。
【0038】
測定点装置4の内部には、図3に示すように、電力線内を交流電流が流れることによりクランプ部50に発生する交流電流の大きさに応じた微小電流を検出する公知の電流検出器42、該電流検出器42にて検出されたアナログ電流波形を量子化するAD変換器43、測定点装置4の動作・非動作を切り替えるためのメインスイッチ48、電圧位相送信装置3から送信される電圧位相特定情報を、内部アンテナ47を介して受信するとともに、集計装置となるノートパソコン10に対して、フラッシュメモリ44に記憶されている電力データを送信するための双方向のデータ通信を行う無線通信モジュール46、無線通信モジュール46によって電圧位相特定情報が受信されていることを点灯により報知する報知LED49、個々の測定点装置4に固有に付与された装置ID(識別情報)や各時間毎の消費電力が格納される図7に示す電力データテーブル並びに電力算出処理プログラム等の各種プログラムが記憶された不揮発性メモリであるフラッシュメモリ44と、これら各部に接続されて、測定点装置4の動作制御や電力の算出等を行う制御MPU(マイクロプロセッシングユニット)45とが内蔵されている。
【0039】
また、測定点装置4には、電池40と、該電池40からの直流電力を測定点装置4に内蔵されている各デバイスに所定電圧にて供給する電源回路41も内蔵されており、該電池40が消耗するまで測定点装置4は動作する。
【0040】
尚、本実施例では、測定点装置4を、電気工事等を実施することなく容易に実施できるようにするため、測定点装置4を電力線に電気接続しなくても良いように、電池駆動としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら測定点装置4の動作電力を、例えば、電圧位相送信装置3と同様に、対応するコンセントから交流電気の供給を得て動作するようにしても良いし、変流器等の電磁誘導によって動作電力を電力線より非接触にて取得して使用するものや、或いは、これら非接触にて取得した電力をスーパーキャパシタに蓄えて使用するものであっても良い。
【0041】
電流検出器42は、電流を検出可能な公知の電流検出回路有するものを使用することができ、電力線を交流電流が流れることによりクランプ部50に発生する交流電流の大きさに応じた所定の出力をAD変換器43に与えるものである。
【0042】
AD変換器43は、電流波形を電力算出に十分な程度に把握できる分解能とサンプリング機能とを有するものであれば、公知のものを使用することができ、本実施例では、電圧位相送信装置3のAD変換器33と同様に電流検出器42からの出力を8ビット=256「段階、5KHzにてサンプリング(量子化)し、量子化データを制御MPU45に出力する。尚、これらAD変換器43の分解能、サンプリングレートは、電力算出に十分な電流波形を把握できる範囲において適宜に変更しても良い。
【0043】
制御MPU35は、AD変換器43から出力されてくる交流電流の量子化データを順次、フラッシュメモリ44に記憶することで、これら量子化データに基づいて交流電流の電流波形を再生可能に記憶する。
【0044】
そして、無線通信モジュール46にて電圧位相特定情報(電圧0点、時刻情報)を所定期間毎の受信することに応じて、該所定期間の消費電力を算出して、図7に示す電力データテーブルに時刻情報に対応付けて記憶する。
【0045】
これら消費電力を算出する手法(算出方法)は、通常における交流電力測定の場合と同じ手法を用いることができる。つまり、交流電流の場合、電圧波形と電流波形の位相にずれが生じる場合が多く、このように位相にずれがある場合には無効電力が発生する。よって、一般的な消費電力とは、これら無効電力を除いた電圧波形と電流波形の位相の合致部分による力率に基づく有効電力が消費電力となるので、AD変換器43から出力されてくる交流電流の量子化データのみでは有効電力に基づく消費電力を正確に算出できないが、電圧位相特定情報(電圧0点、時刻情報)を受信することで、該電圧位相特定情報の受信時が電圧0点(送信や処理による遅延時間を考慮した時間補正を行っても良い)となるので、上述したように、これら電圧0点の時期と、前回の電圧位相特定情報の受信により特定した電圧0点とから、前回受信時からの電圧波形が一義的に特定されるので、該特定した電圧波形と、記憶している量子化データにより再生される交流電流の電流波形との位相状態を特定して、位相の合致する部分における電圧と電流とから成る面積成分を集計することで、前回の電圧位相特定情報の受信時から今回の電圧位相特定情報の受信時までの電力を算出することができる。
【0046】
そして、このようにして算出された消費電力は、図7に示すように、フラッシュメモリ44に設けられている電力データテーブルに、受信した電圧位相特定情報に含まれる時刻情報に対応付けて記憶され、前回の電圧位相特定情報の受信時から今回の電圧位相特定情報の受信時までに記憶された量子化データが消去される。よって、電力データテーブルにおいて記憶されている各電力値は、対応して記憶さされている時刻情報とその前の時刻情報との間において消費された消費電力である。
【0047】
このように、本実施例では、測定点装置4の制御MPU45が消費電力の算出して、該算出された消費電力のデータをフラッシュメモリ44に記憶するようにしており、このようにすることは、例えば、消費電力を算出可能な電力算出用データとして、AD変換器43からの量子化データと、該量子化データ上において電圧位相特定情報を受信した時点を特定可能なデータを記憶する場合に比較して、データの記憶に必要となるメモリ容量を著しく少なくできるとともに、これら記憶データを収集装置となるノートパソコン10で収集する場合における通信時間も著しく短縮できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、AD変換器43からの量子化データと、該量子化データ上において電圧位相特定情報を受信した時点を特定可能なデータを電力算出用データとしてフラッシュメモリ44に記憶しておき、該電力算出用データをノートパソコン10に収集して、該ノートパソコン10において消費電力を算出するようにしても良い。
【0048】
尚、本実施例では、算出した消費電力を、受信した電圧位相特定情報に含まれる時刻情報に対応付けて記憶することで、消費電力がどの時刻範囲におけるものかを特定できるので、これらの電力データを、ノートパソコン10からの所定の読み出し要求の受信に応じてノートパソコン10に送信することにより、ノートパソコン10によって収集された場合に、例えば、○○時××分から○○時□□分までの消費電力を知りたい場合等のように、時間範囲を限定して消費電力を把握したい場合でも、予め測定点装置4に集計時刻範囲等を設定する等を実施することなく、正確な消費電力を集計できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、測定点装置4の動作開始或いは前回においてデータがノートパソコン10に収集されてからの消費電力を単純に積算記憶するものであっても良い。
【0049】
このように、本実施例の制御MPU45は、ノートパソコン10からの所定の読み出し要求の受信があったことに応じてフラッシュメモリ44の電力データテーブルに記憶されているデータを読み出して、無線通信モジュール46からノートパソコン10に送信するデータ送信処理を実施する。
【0050】
また、本実施例の制御MPU45は、無線通信モジュール46において電圧位相特定情報の受信があった場合には、該受信に応じて所定時間(例えば1秒間)に亘り、報知LED49を点灯する受信報知処理を実施する。
【0051】
また、本実施例の制御MPU45は、電池40の起電力が所定値以下となったことにより電力回路から出力される電力不足信号の入力に応じて、報知LED49を点滅点灯することにより、電池40の交換が必要であることを報知する電池交換報知処理を実施する。
【0052】
以下、本実施例の交流電力測定システムにおける電力測定の流れについて説明する。
【0053】
まず、電力測定を実施する場合には、前述したように、測定対象とする各コンセント2の中心位置となるコンセントに、電圧位相送信装置3を設置する。
【0054】
この場合、設置する電圧位相送信装置3に対して、ノートパソコン10を用いて各種の設定を実施する。
【0055】
具体的には、使用する電圧位相送信装置3をノートパソコン10と通信可能な距離に全て集めた上で、ノートパソコン10において所定操作を実施して表示部11に、図5に示す電圧位相送信機設定画面を表示させて、各電圧位相送信装置3の設定を行う。
【0056】
尚、ノートパソコン10には、電圧位相送信装置3並びに測定点装置4に内蔵されている無線通信モジュール36、46との双方向の無線データ通信を実施可能な、無線モジュール12が装着されているとともに、交流電力測定システムに対応するアプリケーションプログラムが記憶されており、該アプリケーションプログラムにより、電圧位相送信装置3の設定や、測定点装置4からのデータ収集や、収集したデータのデータ分析等の各種処理を実施できるようになっている。
【0057】
本実施例の電圧位相送信機設定画面には、図5に示すように、該ノートパソコン10と通信可能な状態にある電圧位相送信装置3の装置IDを指定するための「送信機ID」の項目と、該「送信機ID」の項目において指定した電圧位相送信装置3に対して設定する送信間隔時間を指定するための「送信間隔」の項目と、複数の電圧位相送信装置3を用いる場合に同一の送信間隔時間を指定した場合において、異なる電圧位相送信装置3から同時に電圧位相特定情報が送信されることを防止するために送信を実行する時間を指定する「送信実行時」の項目と、指定した電圧位相送信装置3の時刻をノートパソコン10の時刻に修正するか否かを指定するための「時刻修正」の項目と、該画面の内容を指定した電圧位相送信装置3に設定する際に操作される「設定」の操作部と、設定操作を中止する際に操作される「キャンセル」の操作部が設けられている。
【0058】
尚、「送信機ID」の項目には、「検索」の操作部が対応して設けられており、該「検索」の操作部を操作することで、その時点において、ノートパソコン10と近距離データ通信が可能である電圧位相送信装置3から装置IDが取得され、該取得された装置IDをポップアップウインドウにおいて選択指定することができる。
【0059】
まず、「送信機ID」の項目において、使用する電圧位相送信装置3のうちから、設定を実施する電圧位相送信装置3のIDを、ポップアップウインドウに表示される装置IDの中から選択指定する。
【0060】
そして、該指定した電圧位相送信装置3に設定する送信間隔時間(例えば1分)を「送信間隔」の項目にて選択指定し、各階の電圧位相送信装置3に同一の送信間隔時間(例えば1分)を設定する場合には、各階の電圧位相送信装置3から同時に電圧位相特定情報が送信されることで、電圧位相特定情報が測定点装置4において良好に受信できなくなることを防止するための時間を指定し、時刻修正をする場合には「する」に対応するチェックボックスをチェック(時刻修正をしない場合には「しない」に対応するチェックボックスをチェック)した後、「設定」の操作部を操作することで、これら電圧位相送信機設定画面の設定内容を含む設定データが該指定した電圧位相送信装置3に送信されてフラッシュメモリ34に記憶さえるとともに、設定内容に応じて時刻修正が実施される。
【0061】
「送信間隔」の項目にて選択指定する時間は、これが長すぎると、後述するように、量子化されたデータの容量が大きくなるとともに、電力計算の演算負荷も大きくなってしまう一方、これが短すぎると、単位時間当たりにおいて電圧位相特定情報を受信する回数が多くなって、電圧位相特定情報の受信に測定点装置4にて消費される電力が大きくなって、電池寿命が短くなってしまうことから、これらのバランスを考慮して適宜な時間を設定すれば良い。
【0062】
尚、「送信実行時」の項目においては、例えば、1階の電圧位相送信装置3には「xx時xx時10秒」(xxは任意の時間で良いことを示す記号)を指定し、2階の電圧位相送信装置3には「xx時xx時20秒」を指定し、1階の電圧位相送信装置3には「xx時xx時30秒」を指定することで、1階の電圧位相送信装置3からは、毎分の10秒となったときに電圧位相特定情報が送信され、2階の電圧位相送信装置3からは、毎分の20秒となったときに電圧位相特定情報が送信され、3階の電圧位相送信装置3からは、毎分の30秒となったときに電圧位相特定情報が送信されるようになり、各階の電圧位相送信装置3から同時に電圧位相特定情報が送信されることを回避できるようになる。
【0063】
また、全ての階の電圧位相送信装置3について時刻修正を実施した場合には、全ての電圧位相送信装置3の時刻が、ノートパソコン10と同一の時刻に修正される、つまり、全ての電圧位相送信装置3の時刻が同一となるので、異なる階の測定点装置4により収集されたデータであっても、共通の時間軸による比較やデータ処理を実施できるようになる。
【0064】
このように、各階の電圧位相送信装置3に対する設定を実施した後、各階の所定のコンセント2に各電圧位相送信装置3をセットする。
【0065】
次いで、測定対象とする各階のコンセント2に対して、測定点装置4を、電力線がクランプ部50内を挿通するようにして設置する。この際、報知LED49が所定間隔毎の1秒程度点灯されるか否かを確認するとともに、点灯時の時刻(秒数、1Fなら毎分の10秒、2Fなら毎分の20秒、3Fなら毎分の30秒)により、同じ階の電圧位相送信装置3からの電圧位相特定情報の受信によるものか否かを確認しておく。
【0066】
このようにして測定対象とする各コンセント2に対して測定点装置4を設置することで、測定点装置4において電力データの記憶が開始され、蓄積されていく。
【0067】
そして、所定の測定対象期間が経過した後に、ノートパソコン10を用いて、各測定点装置4から電力データを収集する。具体的には、ノートパソコン10を、コンセント2に設置されている測定点装置4と近距離無線データ通信可能な位置まで持参して、電力データを送信させるようにすればよい。
【0068】
尚、本実施例では、測定点装置4を電池駆動としているので、電力データの送信に消費される電力を抑えるために、ノートパソコン10からの送信要求があったときのみに電力データを送信するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、フラッシュメモリ44に記憶されている電力データを逐次、ノートパソコン10に送信することで、フラッシュメモリ44のメモリ容量を、さらに少なくできるようにしても良い。
【0069】
以上、本実施例によれば、交流電力における消費電力の測定に必要となる電流波形と電圧波形のうち、電流波形については、複数の各測定位置点となるコンセント2に対応して設置された測定点装置4にて、交流電力系統に非接続にて検出され、電圧波形については、交流電力系統に電気接続された電圧位相送信装置3から送信されるようになるので、個々の測定位置点においては、測定点装置4を交流電力系統に電気接続する必要がないので、複数の測定位置における電力測定を簡便に実施することができる。
【0070】
また、前記実施例によれば、電圧位相送信装置3が電圧位相特定情報を所定期間毎に間欠送信するので、電圧位相特定情報の送受信に要する電力、特に、測定点装置4において電圧位相特定情報の受信に消費される電力を低減でき、測定点装置4の電池寿命を延ばすことができる。
【0071】
また、前記実施例によれば、ノートパソコン10の電圧位相送信機設定画面において、電圧位相特定情報を送信する所定期間を設定できるので、電圧位相送信装置3と測定点装置4が設置される測定領域の通信環境や、交流電力系統の品質状況に応じて、電圧位相特定情報の送信タイミングを適宜に変更することができる。
【0072】
また、前記実施例によれば、電圧位相送信機設定画面の「送信実行時」の項目において、電圧位相特定情報が送信される時点を、個々の電圧位相送信装置3毎に異なるように設定できるので、複数の電圧位相送信装置3を使用し、各電圧位相送信装置3に同一の所定期間を設定する場合であっても、個々の電圧位相送信装置3から電圧位相特定情報が同時に送信されてしまうことによる、電圧位相特定情報の受信不良等の不都合の発生を回避することができる。
【0073】
また、前記実施例によれば、電圧位相送信装置3は、非接触通信である無線通信により、複数の測定点装置4に対して電圧位相特定情報を同時に一斉送信することができるので、電圧位相送信装置3と各測定点装置4を接続する通信ケーブルを架設する必要等がないため、より簡便に複数の測定位置における電力測定を実施することができる。
【0074】
また、前記実施例によれば、測定点装置4は、電圧位相特定情報の受信に応じて報知LED49を所定時間に亘り点灯するので、これら測定点装置4が設置されている位置点において、電圧位相特定情報が確実に受信できていることを測定に先立って確認できるので、電圧位相特定情報が受信できていないことにより、電力測定が良好に出来ていない事態の発生を回避することができる。
【0075】
また、前記実施例によれば、電力値が時刻情報に対応付けて記憶されているため、該電力が消費された時刻を特定できるようになるので、把握したい期間のみの電力を正確に特定できるようになるばかりか、これら時刻情報が、電圧位相送信装置3から送信される電圧位相特定情報に含まれているので、各測定点装置4毎に時計手段となるRTCデバイスを設ける必要がないので、測定点装置のコストを低減できるとともに、これら時計手段による測定点装置4における電力消費を低減することもできる。また、複数の測定点装置4における電力を時間的に比較する場合において、個々の測定点装置4の時刻を調整する手間も省くこともできる。
【0076】
また、前記実施例によれば、測定点装置4は、ノートパソコン10に対して、近距離無線データ通信にて、記憶している電力データを送信するので、複数の各測定点装置4とデータ収集装置であるノートパソコン10とを通信ケーブルにて接続する必要がないばかりか、データ収集に際して、ノートパソコン10を各測定点装置4に有線接続する必要もないので、複数の各測定点装置4からのデータ収集に係わる手間を著しく低減することができる。
【0077】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0078】
例えば、前記実施例では、電圧位相送信装置3をコンセント2に装着しており、このようにすることは、電気工事等することなく電圧位相送信装置3を交流電源系統に電気接続できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら電圧位相送信装置3を、電気工事等を実施して、電力線に直接電気接続するようにしても良い。
【0079】
また、前記実施例では、無線通信に微弱電波を使用しているために、電圧位相送信装置3と測定点装置4との距離が大きいと電圧位相特定情報を良好に受信できないことから、個々の測定点装置4に電圧位相特定情報を送信できる好適な位置となる個々の測定点装置4の中心に近い位置に電圧位相送信装置3を容易に設置できるように、電圧位相送信装置3をコンセントに装着できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら無線通信に比較的強い電波を使用できる場合には、例えば、配電盤1に1つの電圧位相送信装置3のみを設置して、該配電盤1の電圧位相送信装置3から各階の測定点装置4に電圧位相特定情報を送信するようにしても良い。
【0080】
また、前記実施例では、測定点装置4をコンセント2に対応して設置しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、測定位置点は、電力線のいずれの位置であっても良い。
【0081】
また、前記実施例では、電圧位相送信装置3と測定点装置4とを完全に個別のものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電圧位相送信装置3に測定点装置4と同様の電流波形の測定機能を設けることで、システムに必要とされる測定点装置4の数を1つ低減できるようにしても良い。
【0082】
また、前記実施例では、データ収集装置としてノートパソコン10を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらデータ収集装置を、携帯電話やハンディターミナル等の携帯端末を使用するようにしても良い。
【0083】
また、前記実施例では、電圧位相特定情報の報知を報知LED49の点灯により報知しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、音や特定信号の外部出力等であっても良く、これら報知の形態は適宜に選択すれば良い。
【符号の説明】
【0084】
3 電圧位相送信装置
4 測定点装置
10 ノートパソコン
11 表示部
12 無線モジュール
31 コンセントプラグ
32 電圧検出器
33 AD変換器
34 フラッシュメモリ
35 制御MPU
36 無線通信モジュール
37 リアルタイムクロック(RTC)
38 メインスイッチ
39 アンテナ
40 電池
41 電源回路
42 電流検出器
43 AD変換器
44 フラッシュメモリ
45 制御MPU
46 無線通信モジュール
47 内部アンテナ
48 メインスイッチ
49 報知LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力系統上における位置点での消費電力を測定するための交流電力測定システムであって、
前記交流電力系統に電気接続された電圧入力部と、該電圧入力部における電圧波形の少なくとも0点を検出する電圧波形検出手段と、該電圧波形検出手段にて検出された電圧波形に基づいて、該電圧波形の位相を特定可能な電圧位相特定情報を送信する電圧位相特定情報送信手段と、を備え、前記位置点とは異なる交流電力系統上の位置に設けられた少なくとも1つの電圧位相送信装置と、
前記位置点に設けられ、該位置点における電流波形を、前記交流電力系統に電気接続することなく検出する電流波形検出手段と、前記電圧位相特定情報送信手段から送信される電圧位相特定情報を受信する電圧位相特定情報受信手段と、前記電流波形検出手段にて検出された電流波形と、該電流波形と前記電圧位相特定情報受信手段にて受信した電圧位相特定情報にて特定される位相の電圧波形との関係とに基づくデータであって、該位置点における電力を算出可能な電力算出用データ、或いは、該電力算出用データにより算出された電力データを記憶するためのデータ記憶手段と、を備える測定点装置と、
から成ることを特徴とする交流電力測定システム。
【請求項2】
前記電圧位相特定情報送信手段は、前記電圧位相特定情報を予め定められた所定期間毎に間欠送信することを特徴とする請求項1に記載の交流電力測定システム。
【請求項3】
前記所定期間を設定するための所定期間設定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の交流電力測定システム。
【請求項4】
前記電圧位相特定情報の送信開始時点を変更するための送信開始時点変更手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の交流電力測定システム。
【請求項5】
前記電圧位相特定情報送信手段は、前記電圧位相特定情報を非接触通信にて複数の測定点装置に対して同時に送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の交流電力測定システム。
【請求項6】
前記測定点装置は、前記電圧位相特定情報受信手段による電圧位相特定情報の受信を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の交流電力測定システム。
【請求項7】
前記電圧位相送信装置は、時刻を特定可能な時刻情報を出力する時計手段を備え、
前記電圧位相特定情報送信手段は、前記電圧位相特定情報の送信時において前記時計手段から取得した時刻情報を該電圧位相特定情報とともに送信し、
前記データ記憶手段は、前記電力算出用データ或いは電力データを、前記電圧位相特定情報受信手段にて電圧位相特定情報とともに受信した時刻情報に対応付けて記憶する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の交流電力測定システム。
【請求項8】
前記測定点装置は、前記データ記憶手段に記憶されている電力算出用データ或いは電力データを、データを収集するデータ収集装置に対して非接触にて送信するデータ送信手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の交流電力測定システム。
【請求項9】
前記位置点が同一の交流電力系統上における複数の異なる位置点であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の交流電力測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−8016(P2012−8016A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144441(P2010−144441)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(500327636)株式会社ブレインズ (11)