説明

交通機関用1分刻みの罫線入り時刻表

【課題】主に鉄道・バス等の交通機関で使用される時刻表に関して、1時間単位の各時間帯別に記入される、すべての発車時刻数字を、その時間差どおりの間隔をあけて表記し、利用者の視覚に訴えて、直感的に、一つひとつの発車時刻とその前後の発車時刻との時間的間隔を容易に把握させ、憶えやすいようにする。
【解決手段】常に横書きで表記される発車時刻数字の、記入欄全体の各時間帯を縦割りにする形で、等間隔に少なくとも60本の罫線を施し、0分から59分までの60通りある発車時刻の数字を記入するための基準位置を定めて、時刻を表記するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種交通機関のうち、日常、一般庶民に最も頻繁に利用されている、主に、鉄道・バス等の時刻表の表記方法の改善に関するものである。
【背景技術】
【0002】
添付書類の特許願中に記した、本発明の属する国際特許分類を中心とした先願調査によっても、本件と同一ないしは類似した出願は、1件も見出せなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来から、主に鉄道やバスを中心とした、各種交通機関側が製作して、多くの利用者が集合・通過する構内各所や停車場・停留所等に掲示したり、または紙面に印刷して利用者に頒布される時刻表等に関しては、発車時刻を表わす1桁または2桁の数字は、通常は発車時刻順に横一列に、若干の間隔を置きながらも、すべての数字を0分の数字が記入される側に、いっせいに詰めて書き込まれていた。この一事によって、以下に述べるような、幾つかの問題点が付随して、利用者にとって、より分かり易い時刻表を作り出そうとする配慮に欠けていた。
【0004】
身近で、具体的なケースを例にあげると、利用者が時刻表を自宅または職場・出先等で目にした時、自分の乗車予定あるいは乗車希望の発車時刻と、それに乗り遅れた場合あるいは見送った場合の、次の発車時刻との間の時間的間隔、即ち、待ち時間が、時刻表を見て瞬時に判断することは中々難しかった。従来の時刻表においては、実際の待ち時間となる“時間差”が、1分であろうが、30分であろうが、はたまた、それが50分であろうが、その時間的間隔の長短はまったく考慮されずに、数字が詰めて書き込まれていた。
【0005】
この表記方法は、極く普通の当たり前のやり方として、この方法しかないと思っているかのように、永年にわたって続けられてきた。利用客が、実際に、その時間的間隔、即ち、待ち時間の長い短いを確認するためには、すべての人が頭の中で、いちいち引き算をしたうえ、その数字の大小で、時間の長短を判断しなければならないという不便さがあった。殊に、計算力も視力も衰えた高齢者や、計算の苦手な人達にとっては、実に煩わしいことであった。
【0006】
【表1】

従来、各交通機関で使われてきた、標準的な時刻表の一部分
【0007】
ただし、時刻表を見て、どの時間帯に発車本数が多いか、少ないかぐらいの事は、従来タイプの時刻表でも、一見しただけで子供でも判断できるであろうけれども、しかし、ある一定の時間に限定して、ダイヤの疎密の程度を、実際の時間間隔を把握しながら知りたい、という時には、旧来タイプの時刻表では、不便さは依然としてつきまとってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような欠陥を解消するのための方法として、本発明は、発車時刻の記入欄全体に、1分刻みに60本の罫線を縦割り状態に等間隔に引くというものである。
【0009】
従って、一般庶民にとり、最も身近な“鉄道関係の時刻表”を例にとってみると、早朝の4時、5時頃から始まって、深夜の12時、1時頃までに達する、20時間以上にも及ぶ長時間にわたって、すべてが横書きに表記される。
そのため、本発明の根幹をなす、1分刻みの時間的間隔と時間的経過を表わす、約60本の罫線は、縦に、即ち垂直方向に引かれることになる。60本の罫線のうち、最初の1本目の罫線は“0分”の位置、順次に進めていって、例えば、21本目の罫線は“20分”の位置、41本目の罫線は“40分”の位置、最後の60本目の罫線は59分の位置というように、全発車時刻の数字を記入するための基準位置を定めておいて、それぞれの位置に、実際の時間間隔に見合った通りの間隔をあけながら、順次、発車時刻の数字を記入していけばよい。
【0010】
【表2】

本発明に基づく、1分刻みの罫線入り時刻表の一部分
【発明の効果】
【0011】
互いに隣接する時刻数字が、実際の時間間隔どおりの空間部分を設けて記入されるため、従来型の時刻表には見られなかった、下記のような幾つかの長所と効果が生み出されることになった。
【0012】
時刻表を、総体的に見た場合、一見しただけで、ダイヤの1日全体または部分的な個所での疎密の程度、即ち、時間帯の違いによる発車本数の集中度合とか、発車時刻の分布状況等が、瞬時に理解・把握することができる。
【0013】
実用面に関しては、予定の電車に乗り損なった直後、あるいは、意図的に見送ろうとする場合に、次の電車の発車時刻まで、何分くらいの時間的な間隔があるのかは、本発明の時刻表を見れば、一瞥しただけで、待ち時間の長さが、視覚的に直感的に判断できる。さらに、もっと正確な時間を知りたければ、引き算をして、確認すればよい。
【0014】
また、朝・夕のラッシュ・アワーを除いた、日中のダイヤには、部分的に同じ発車時刻が何時間かにわたって、繰り返されるケースがよくあるが、従来のような時刻の記入方法では、数字が、時刻表の中央または左側あるいは右側に向かって、ぎっしりと詰めて書き込まれているために、特急なり、準特急なり、急行などの時刻が、同じ発車時刻であっても、記入個所に段差が生じて、縦方向に揃えて表記されるということが少なくなる。それに対して、本発明の時刻表においては、同じ発車時刻であれば、縦一列に見事に揃った状態に表記されるので、見た目にも、同一発車時刻の連続性・反復性が強く視覚に訴えられて、見る者にとって非常に把握しやすく、記憶しやすくなるという、今までには無かった大きな効果をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明による実施例を示す。
【実施例1】
【0016】
掲示板型の時刻表、またはポスター型等の大型の時刻表に関しては、表2に示すものとほぼ同一または類似したものを、そのままの形で表記すればよい。
【実施例2】
【0017】
一方、紙面に印刷して、利用者向けに頒布する目的で作る時刻表については、少なくとも3種類のものが考えられる。1つ目は、小型ポスター型のもので、そのままの形で壁面等に貼り出して使うか、あるいは、利用者の意によっては、縦横に自分の手で折り目を付けて、ポケット・サイズに折り畳んで、持ち歩いて活用するという利用法も考えられる。
【実施例3】
【0018】
2つ目は、従来型のもので、圧倒的に多く見られる名刺判サイズの1枚もの、または、名刺判サイズのものを横に2枚あるいは3枚ぐらいを並べた大きさのものに印刷をして、機械的に折り目を付けて折り畳んで名刺判サイズにしたものである。
【実施例4】
【0019】
最後の3つ目のものこそが、本発明の特徴と効果を最もよく具体化できる実施例である。この形状のものは、日本国特許第2777087号として登録されているものであるが、外国籍である出願人が、世界の主要国において、第三者に広く実施化を提案し、それを推し進めてきた結果、徐々にかつ広範囲に利用者が拡大しているものであって、一つの実施例として有力なものである。
【0020】
図1に示したものが、それである。図で明らかなように、大きな紙面に、大き目の文字で印刷したものを、縦方向と横方向に数本の谷折り、山折りの折り目をつけて、小型のポケット・サイズに折り畳めるように作製したものである。拡げた時の大きな紙面の裏側の、左上と右下の対角線の位置、あるいは右上と左下の対角線の位置のいずれかに、厚めのカード紙が1対糊付けしてあって、拡げる時および折り畳む時に、ここに手を掛けて開閉させれば、扱いやすくなることと、表側のカード紙の表面に、交通機関の時刻表であれば、路線名と駅名などに加えてカラー写真などを印刷すれば、従来の、数字と文字だけの殺風景な時刻表に比べれば、見た目にも綺麗で、見て楽しめる時刻表に仕上げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の時刻表を、大きな紙面に大きめな文字・数字で印刷したものを、折り畳んでポケット・サイズに小型化できる、折畳みシート状の時刻表の斜視図
【図2】図1の折畳みシートが、平たく折り畳まれる状況を示す斜視図
【図3】本発明に基づく、1分刻みの罫線入り時刻表の一部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主に、鉄道・バスを中心とする各種交通機関が、利用者のために掲示する掲示板型の大型時刻表や、利用者のために紙面に印刷して頒布するポケット・サイズの小型時刻表において、常に横書きで表記されるこれら時刻表の、発車時刻数字の記入欄全体の各時間帯を縦割りにする形で、等間隔に少なくとも60本の罫線を施し、0分から59分までの60通りある発車時刻数字を記入するための基準位置を定めて時刻を表記するようにした、交通機関用1分刻みの罫線入り時刻表

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−201419(P2006−201419A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12354(P2005−12354)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(593095726)