説明

人体用の二点識別覚自動測定装置およびその測定方法

【課題】客観的かつ定量的な測定を行なって、測定者の負担も低減し得る人体用の二点識別覚自動測定装置およびその測定方法を提供する。
【解決手段】測定装置10は、相対移動可能に構成された可動支持体14および固定支持体16と、可動支持体14の支持体スライド機構18とを備える。また、両支持体14,16には、前後へ移動可能なプローブ26,28が設けられる。更に、各支持体14,16には、プローブ26,28を前後移動させるプローブ移動手段50が設けられる。制御手段21は、第1モータ32および第2モータ56,56の作動を制御して、両プローブ26,28を所定の離間距離Lとしたもとで、一方または両方のプローブ26,28を前進・進退移動させる。被験者は、プローブ26,28による刺激が1点または2点かについて応答手段を操作して応答する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人体用の二点識別覚自動測定装置およびその測定方法に関し、更に詳細には、統合皮膚感覚の空間分解能の指標となる二点識別覚を自動で測定する装置およびその測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、神経系障害や糖尿病系神経障害等の感覚障害の評価法の1つとして、身体の皮膚における二点識別覚を測定する方法が知られている。この二点識別覚は、統合皮膚感覚の空間分解能の指標となる基本的認知能の一種である。従来、この二点識別覚の測定は、病院や人間ドック等の施設において、ノギス(バーニアキャリパ)の固定ジョーおよび可動ジョーの夫々にプローブ(触針)が設けられたスピアマン触覚計を用いて実施されている。二点識別覚の測定に際しては、医師等の測定者がスピアマン触覚計の両プローブの離間距離を設定した上、被験者の測定部位に一方または両方のプローブの先端を接触させる。そして、このときのプローブの刺激が1点であるか2点であるかについて被験者から回答を得て、これを両プローブの離間距離を変えて複数回行ない、その正答率から二点識別覚の限界閾値を算定するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の測定方法では、スピアマン触覚計を手動で操作するため、被験者に対するプローブの押付力や角度等の測定条件が測定者に大きく依存してしまう。また、被験者の皮膚の性状に合わせて、測定者の主観により測定条件を調整してしまうことがあった。更に、人間同士による測定であるため、被験者と測定者との間に馴合いが生じ、適正かつ客観的な測定が行なわれなくなる弊害も生じる場合もある。しかも、このような手動操作による測定では、測定者が長時間作業に拘束されてしまい、効率性が悪いと云った指摘もある。
【0004】
そこで本発明は、従来技術に内在する前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、二点識別覚を自動で測定して、定量的かつ客観的な測定を行ない得ると共に測定者の負担を減少し得る人体用の二点識別覚自動測定装置およびその測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に係る発明の人体用の二点識別覚自動測定装置は、
被験者の二点間で規定される測定部位に沿って直線的に移動し得るよう配設した一対の支持体と、
第1駆動手段により駆動され、少なくとも前記一方の支持体を他方の支持体に対して相対的に近接・離間移動させる支持体スライド機構と、
前記一対の支持体の夫々に配設されて該支持体の移動方向に対し交差する方向へ前進・後退移動可能で、その前進時に前記測定部位に接触可能なプローブと、
第2駆動手段により駆動され、前記夫々のプローブを前進・後退移動させるプローブ移動手段と、
前記測定部位に接触したプローブによる刺激を1点と認識した場合に被験者が操作して第1信号を送出する第1スイッチおよび該プローブによる刺激を2点と認識した場合に被験者が操作して第2信号を送出する第2スイッチを備えた応答手段と、
前記第1駆動手段および第2駆動手段の駆動を制御すると共に、前記第1スイッチからの第1信号および第2スイッチからの第2信号の入力を受けて二点識別覚の限界閾値を算出する制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、二点識別覚を自動で測定し得るので、測定者の手作業に依存することなく定量的かつ客観的測定を行なうことができ、適正な診断を実施し得る。また、測定者が従来の如く長時間拘束されることがないので、測定者の負担を軽減し、効率性を向上し得る。
【0006】
請求項2に係る人体用の二点識別覚自動測定装置では、前記一対の支持体は、前記測定部位に沿って移動可能な可動支持体と装置本体に固定された固定支持体とからなり、前記支持体スライド機構は、前記可動支持体の移動方向に沿って延在すると共に該可動支持体に螺合する第1送りネジを備え、該第1送りネジを前記第1駆動手段としての第1モータで正逆回転することで可動支持体を移動するよう構成した。
請求項2に係る発明によれば、一方の支持体のみ移動する構成としたので、装置を簡略化してコストを低廉にし得る。また、支持体スライド機構は、第1モータで正逆回転される第1送りネジを備える構成としたので、可動支持体を的確に移動させることができ、可動支持体を適正位置に停止させることが可能となる。更に、第1モータを制御することで、可動支持体の移動速度を自由に調整することができる。
【0007】
請求項3に係る人体用の二点識別覚自動測定装置では、前記制御手段は、予め設定された動作パターンに基づいて前記第1駆動手段および第2駆動手段の駆動を制御するよう構成した。
請求項3に係る発明によれば、制御手段に予め設定した動作パターンでプローブを作動させることができるので、プローブによる各種の接触方法を実行し得る。
【0008】
請求項4に係る人体用の二点識別覚自動測定装置では、前記制御手段は、前記動作パターンと、前記第1スイッチからの第1信号および第2スイッチからの第2信号とを比較して、その正答率から二点識別覚の限界閾値を算出する演算装置を備えている。
請求項4に係る発明によれば、演算装置により二点識別覚の限界閾値を自動で算出することができ、客観的かつ正確な測定を行ない得る。
【0009】
請求項5に係る人体用の二点識別覚自動測定装置では、前記プローブ移動手段は、前記プローブを支持すると共に移動可能な送り体と、前記支持体の移動方向に対し交差する方向に延在すると共に前記送り体に螺合する第2送りネジとを備え、該第2送りネジを前記第2駆動手段としての第2モータで正逆回転することでプローブが前進・後退移動するよう構成される。
請求項5に係る発明によれば、第2モータを制御することで、プローブのストローク量や移動速度を自由に調整することができ、被験者に対するプローブの刺激圧を変更し得る。
【0010】
請求項6に係る人体用の二点識別覚自動測定装置では、前記プローブ移動手段は、前記プローブを支持すると共に移動可能な送り体と、該送り体に連結され、前記第2駆動手段としてのソレノイドにより前記支持体の移動方向に対し交差する方向へ前進・後退移動されるプランジャとを備える。
請求項6に係る発明によれば、プローブ移動手段として、ソレノイドにより前進・後退移動されるプランジャおよび該プランジャに連結された送り体とから構成したので、構成を簡略化して装置のコストを低廉とし得る。
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項7に係る人体用の二点識別覚自動測定方法は、
制御手段)が第1駆動手段の駆動を制御して、一対のプローブを被験者の測定部位に沿って相対的に近接・離間移動させて両プローブを所定の離間距離に位置させ、
前記制御手段が第2駆動手段の駆動を制御して、前記一方または両方のプローブを測定部位に対し前進移動させて該プローブを測定部位に接触させ、
前記測定部位に接触したプローブによる刺激を1点と認識した場合に被験者が操作する第1スイッチからの第1信号および該プローブによる刺激を2点と認識した場合に被験者が操作する第2スイッチからの第2信号を受けて、前記制御手段が二点識別覚の限界閾値を算出することを特徴とする。
請求項7の発明によれば、二点識別覚を自動で測定し得るので、測定者の手作業に依存することなく定量的かつ客観的な測定を行なうことができ、適正な診断を実施し得る。また、測定者が従来の如く長時間拘束されることがないので、測定者の負担を軽減し、効率性を向上し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る人体用の二点識別覚自動測定装置および測定方法によれば、二点識別覚を自動で測定することができるので、定量的かつ客観的評価を行ない得ると共に、測定者の負担を軽減して効率性を向上し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る人体用の二点識別覚自動測定装置およびその測定方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、人体用の二点識別覚自動測定装置の装置本体を図2の状態で見た場合を基準に、図示の矢印の如く「前」、「後」、「左」、「右」と指称する。
【実施例1】
【0014】
図1は、実施例1に係る人体用の二点識別覚自動測定装置(以下、測定装置という)10の全体構成を示す概略図である。測定装置10は、装置本体12と、該装置本体12を制御する制御手段21と、被験者により操作される応答手段66とから基本的に構成される。また、測定装置10は、被験者の二点間で規定される測定部位(唇、舌、手の平等)を定位置に支持する支持手段74が前記装置本体12の前方に近接して設けられている(図2参照)。装置本体12は、図2に示すように、前記支持手段74により支持された被験者の測定部位に沿う方向である左右方向に沿って相対的に近接・離間移動可能に構成された一対の支持体14,16と、第1モータ(第1駆動手段)32により作動され、支持体14,16を移動させる支持体スライド機構18とがケース部材20に配設されて構成される。
【0015】
前記ケース部材20は、図3に示すように、前方が開放すると共に内部にスペースが画成された箱体であって、その底部20aの前部(前記支持手段74に臨む側)からL字状に立ち上がるガイド板24がケース部材20の前方開口部に臨んでいる。このガイド板24には、後述するプローブ26,28が挿通可能で、支持手段74により支持された測定部位に対し近接・離間する前後方向(支持体の移動方向に対し交差する方向)へプローブ26,28が前進・進退移動するのを許容する通孔24aが左右方向に延在するよう開設されている。
【0016】
ケース部材20の底部20aに設けられた支持体スライド機構18は、左右方向に延在すると共に正逆回転可能に配設された第1送りネジ30と、前記第1モータ32と第1送りネジ30との間に介在して、該モータ32の回転出力を第1送りネジ30に伝達する伝達機構34とを備える。前記第1モータ32には、第1エンコーダ36が一体的に設けられ、該エンコーダ36が第1モータ32のパルス数を計数して、後述する可動支持体14の位置を正確に検知し得るようになっている。前記底部20aにおける第1送りネジ30の前方には、左右方向に延在する所定長さの第1ガイドレール38が底部20aから突出して設けられ、前記可動支持体14を左右方向に案内するよう構成される。
【0017】
前記一対の支持体14,16は、左右方向へ直線的に移動可能な可動支持体14(図2では左側の支持体)と、ケース部材20の底部20aの所定位置に固定された固定支持体16(図2では右側の支持体)とから構成される。可動支持体14は、図3に示すように、板状の基体部40と、該基体部40の下側に設けられて前記第1ガイドレール38にスライド自在に係合するスライド支持部42とを備える。また、スライド支持部42の後方には、前記第1送りネジ30に螺合する送り支持部44が設けられている。
【0018】
前記スライド支持部42は、その下面に凹部46が形成され、この凹部46に前記第1ガイドレール38が摺動自在に係合している。また、前記送り支持部44には、左右方向に貫通するネジ孔(図示せず)が形成され、該ネジ孔に前記第1送りネジ30が螺合している。そして、第1送りネジ30が正逆回転することで、送り支持部44(可動支持体14)が左右に移動するようになっている。なお、実施例1では、第1送りネジ30を正方向に回転させることで可動支持体14が右方向へ移動し、第1送りネジ30を逆方向に回転させることで可動支持体14が左方向へ移動するものとする。
【0019】
前記基体部40の上側には、図示形状の如く形成されたプローブ(以下、可動側プローブと指称する場合がある)26が前後方向に前進・進退移動可能に配設されている。前記可動側プローブ26の先端部側は、前方へ向けて次第に薄くなるよう形成され、該先端部を基体部40の前端から所定寸法だけ前方(被験者側)へ延出させている。そして、可動側プローブ26の前進時に、前記支持手段74に支持された測定部位に接触するよう構成される。可動側プローブ26の先端部には、接触センサー(図1参照)48が設けられ、該センサー48により可動側プローブ26が被験者に接触したのを検知するようになっている。なお、可動側プローブ26および固定側プローブ28は、何れも、合成樹脂から形成され、衛生上の観点から測定の度に交換される。
【0020】
前記基体部40には、第2モータ(第2駆動手段)56で作動され、可動側プローブ26を前後方向へ前進・進退移動させるプローブ移動手段50が設けられている。このプローブ移動手段50は、正逆回転自在に配設されて前後方向に延在する第2送りネジ52と、前記可動側プローブ26の後端側を着脱自在に支持すると共に第2送りネジ52に螺合する送り体54とを備えている。また、前記基体部40の上面には、第2ガイドレール58が前後方向に所定長さで延在するよう設けられている。この第2ガイドレール58は、図4に示すように、前記基体部40の上面から所定高さで突出する断面T字状のレール部材であって、送り体54の下面に凹設した摺動溝60と第2ガイドレール58とがスライド自在に係合している。そして、前記第2モータ56により第2送りネジ52が正逆方向に回転されると、前記送り体54が第2ガイドレール58に沿って前後移動し、これにより可動側プローブ26は、最も後退した退避位置(図6(a),(b)参照)から前方へ突出した接触位置(図6(c)参照)まで前後に往復移動するよう構成される。前記第2モータ56には、第2エンコーダ62が一体的に設けられ、該エンコーダ62により第2モータ56のステップ数を計数して、可動側プローブ26の前後の位置(ストローク量)を検知し得るようになっている。なお、第2送りネジ52の正方向への回転が可動側プローブ26の前進に対応し、第2送りネジ52の逆方向への回転が可動側プローブ26の後退に対応するものとする。
【0021】
前記固定支持体16は、基体部40より上側の構成については基本的に可動支持体14と同様であって、前後方向に移動可能なプローブ(以下、固定側プローブと指称する場合がある)28と、該プローブ28を移動させるプローブ移動手段50とを備える。前記固定側プローブ28は、退避位置において、前後の位置が可動側プローブ26と同レベルに設定されており、可動側プローブ26と同様に、固定側プローブ28は、その前進時に被験者の測定部位に接触するようになっている。プローブ移動手段50は、第2送りネジ52と、該送りネジ52に螺合する送り体54とを備え、第2モータ(第2駆動手段)56により該送りネジ52は正逆回転されるようになっている。そして、第2送りネジ52の正逆回転により、送り体54が前後方向に移動し、固定側プローブ28が退避位置から接触位置まで往復移動するよう構成される(図6参照)。また、第2モータ56に第2エンコーダ62が設けられ、該エンコーダ62により第2モータ56のステップ数を計数して、固定側プローブ28の前後の位置(ストローク量)を検知し得るようになっている。
【0022】
なお、固定支持体16は、ケース部材20の底部20aに固定されるため、基体部40より下側の構成は、可動支持体14と相違している。すなわち、固定支持体16の下部(図示せず)は、前記ケース部材20の底部20aに固定され、スライド支持部42、送り支持部44は備えていない。また、固定支持体16の下部には、第1送りネジ30と螺合するネジ孔も開設されていない。なお、前記固定側プローブ28の先端部にも、接触センサー48が設けられ、該センサー48により固定側プローブ28が被験者に接触したのを検知し得るようになっている(図1参照)。
【0023】
図1に示すように、実施例1に係る制御手段21は、装置本体12の作動を制御する制御装置22と、動作パターン(後述)の設定および二点識別覚の限界閾値の算出を行なう演算装置64とから構成されている。制御装置22は、前記動作パターンに基づき第1モータ32および第2モータ56を制御することで、装置本体12を作動させるようになっている。すなわち、前記第1モータ32を制御して可動支持体14を移動させ、両プローブ26,28を所定の離間距離Lに設定すると共に、第2モータ56,56を制御して、プローブ26,28を前進・進退移動させるよう構成される。第1モータ32を制御して可動支持体14を移動させる際、制御装置22に対し、前記第1エンコーダ36が計数したパルス数が送信され、該制御装置22は、可動側プローブ26および固定側プローブ28の離間距離Lを正確に検知し得るようになっている。実施例1に係る測定装置10では、離間距離Lを0.1mm単位で制御し得るようになっている。また、制御装置22は、前記動作パターンに基づいて、一方または両方のプローブ26,28をランダムに前進・進退移動させるようになっている。すなわち、制御装置22は、前記可動側プローブ26および固定側プローブ28を同時に被験者に接触させたり(2点刺激)、片方だけ接触させたり(1点刺激)することが可能となっている。
【0024】
前記演算装置64は、いわゆるパソコン等の情報処理装置であって、前記制御装置22の制御態様を決定する動作パターンを設定することが可能となっている。ここで、動作パターンを決定する制御パラメータとしては、両プローブ26,28の離間距離L、当該距離Lでの刺激回数(プローブ26,28を接触させる回数)、刺激方法(1点または2点)、刺激圧(第2モータ56,56の回転速度およびプローブ26,28のストローク量)等があり、これらの制御パラメータを測定に先立ち演算装置64に入力するよう構成されている。
【0025】
被験者の応答時に操作される応答手段66は、測定部位に接触したプローブ26,28による刺激を1点と認識した場合に被験者が操作して第1信号を送出する第1スイッチ66aと、該プローブ26,28による刺激を2点と認識した場合に被験者が操作して第2信号を送出する第2スイッチ66bとを備える。そして、図1に示すように、応答手段66は前記制御装置22に接続され、前記第1信号および第2信号を制御装置22へ送出するようになっている。そして、前記演算装置64は、前記動作パターン(適正な刺激パターン)と、応答手段66からの第1信号および第2信号に基づく被験者の応答とを比較して正誤判定を行なって、該応答の正答率から二点識別覚の限界閾値を算出するようになっている。なお、演算装置64は、測定で得られた被験者による応答や正答率、限界閾値等のデータを統計処理し、被験者毎に記録するよう設定されている。また、制御装置22には、前記接触センサー48,48が接続され、該センサー48,48からの信号と、被験者が応答手段66を押したタイミングとを比較することで、被験者の反応速度を算出するよう設定されている。
【0026】
被験者の測定部位を定位置に支持する支持手段74は、図5に示すように、支持手段本体74aと、該支持手段本体74aに対し上下方向にスライド自在に設けられ、測定部位を載置する載置部74bとから構成される。そして、前記載置部74bを高さを調整することで、被験者に合わせた適正な高さ位置で測定を行ない得るようになっている。また、前記装置本体12は、測定に際し、支持台68にセットされて使用されるようになっている。この支持台68は、本体部70と装置本体12を支持する取付部72とから構成される。前記取付部72は、本体部70に対し上下方向にスライドし得るようになっており、該取付部72をスライド調整して装置本体12を適正な位置にセットし得るようになっている。また、装置本体12は、前記取付部72に対し回動自在に取付けられ、装置本体12を被験者に合わせた適正な姿勢とし得る。
【0027】
(実施例1の作用)
次に、実施例1に係る測定装置10の作用について、二点識別覚を自動で測定する方法と共に説明をする。なお、以下の説明では、被験者の唇を測定する場合について例示する。また、図6(a)に参照されるように、初期段階では、可動側プローブ26が固定側プローブ28に対し左右方向に最も離間した位置(以下、初期位置という)にあり、両プローブ26,28は最も後退した退避位置にあるものとする。
【0028】
先ず始めに、測定装置10による自動測定の作動手順について概略説明すると、測定装置10は、(1) 動作パターンの設定、(2) プローブ26,28を第1の離間距離Lに設定、(3) 1点または2点による設定回数の刺激、(4) プローブ26,28を第2の離間距離Lに設定、(5) 1点または2点による設定回数の刺激・・・(6) プローブ26,28を第Nの離間距離Lに設定、(7) 1点または2点による設定回数の刺激、(8) 測定終了、(9) 二点識別覚の限界閾値の算出、の順で自動測定を行なう。そこで、測定装置10の作用の詳細について、上記の手順に従って説明を行なう。なお、第1〜第Nの離間距離Lは、Nが大きくなるに従い小さくなるよう設定される(すなわち、両プローブ26,28が次第に近接していく)。
【0029】
(動作パターンの設定)
先ず始めに、前記演算装置64に各種制御パラメータを入力して動作パターンを設定する。すなわち、第1〜第Nの各離間距離L、各離間距離Lでの刺激回数および刺激方法(1点または2点)、プローブ26,28の移動速度およびストローク量等を演算装置64に入力し、動作パターンを決定する。動作パターンを決定したら、支持手段74の載置部74bを被験者に合わせて適正な高さ位置にセットし、該載置部74bに被験者のアゴを載置する。また、前記取付部72の高さを調整すると共に前記装置本体12の角度調整をし、装置本体12を被験者に合わせた適正な姿勢とする。
【0030】
(第1の離間距離Lに設定)
次いで、制御装置22は、動作パターンに基づき第1モータ32および第2モータ56を制御して、自動測定が開始される。例えば、第1の離間距離Lが20.0mmであるとすると、制御装置22は、先ず始めに第1モータ32を作動させ、第1モータ32の回転出力が伝達機構34を介して第1送りネジ30に伝達され、該第1送りネジ30を正方向に回転させる。すると、第1送りネジ30の回転により該送りネジ30に螺合する前記送り支持部44が右方向(固定支持体16に近接する方向)へ移動する。このとき、スライド支持部42が第1ガイドレール38に案内され、可動支持体14は第1ガイドレール38に沿って確実に移動する。このとき、第1エンコーダ36は、第1モータ32からのパルス数を計数し、これを制御装置22へ送る。すると、制御装置22は、このパルス数に基づいて可動側プローブ26と固定側プローブ28との離間距離Lを検知し、第1の離間距離L(この場合20.0mm)に到達したか否かを判定する。そして、両プローブ26,28が第1の離間距離L(20.0mm)に到達すると、前記制御装置22は第1モータ32の作動を停止させ、可動支持体14を停止させる(図6(b)参照)。
【0031】
(1点または2点による設定回数の刺激)
次いで制御装置22は、プローブ26,28による1点または2点の刺激を設定回数(例えば、20回)行なう。先ず、2点刺激を行なう場合について説明すると、可動支持体14および固定支持体16の両第2モータ56,56を同時に作動させ、第2送りネジ52,52を正方向に回転させる。すると、図6(c)に示すように、第2送りネジ52,52の回転により前記送り体54,54が初期位置から前方へ移動し、可動側プローブ26および固定側プローブ28は、所定速度で前進する。このとき、各送り体54は、第2ガイドレール58によって確実に前方へ案内される。また、各第2モータ56に設けた第2エンコーダ62が該モータ56のパルス数を計数し、そのパルス数を制御装置22に送る。すると制御装置22は、このパルス数から可動側プローブ26および固定側プローブ28の移動量(ストローク量)を検知する。
【0032】
両プローブ26,28が更に前進すると、前記ガイド板24の通孔24aを介して両プローブ26,28の先端部がガイド板24の前方へ突出する。そして、両プローブ26,28が所定のストローク量だけ前進して接触位置に到達すると(図6(c)参照)、両プローブ26,28の先端部が被験者の唇に接触する。すると、両プローブ26,28が接触位置に到来すると、前記制御装置22は第2モータ56の作動を停止させる。一方、被験者は、認識したプローブ26,28の刺激(1点または2点)について対応のスイッチ(第1スイッチ66aまたは第2スイッチ66b)を押して応答する。応答手段66からの信号(第1信号または第2信号)は制御装置22を介して演算装置64へ送出され、該演算装置64は、被験者の応答と動作パターンとを比較して正誤判定を行なう。また、前記プローブ26,28の先端部が被験者に接触した際に接触センサー48,48がこれを検知し、この検知信号は制御装置22へ送られる。すると、制御装置22は、両プローブ26,28が接触したタイミング(すなわち、接触センサー48,48からの検知信号の受信時)と、被験者が応答手段66を押したタイミングとを比較し、被験者の反応速度を測定する。なお、この反応速度は、制御装置22から演算装置64へ送られ、該演算装置64にデータとして記録される。
【0033】
一方、制御装置22は、第2モータ56,56を直ちに反転させ、第2送りネジ52,52を逆回転させる。すると、前記送り体54,54が後方へ移動し、可動側プローブ26および固定側プローブ28は接触位置から後退を始める。そして、両プローブ26,28が初期位置に復帰すると、前記制御装置22は両第2モータ56,56を停止させる。
【0034】
次に、可動側プローブ26のみによる1点刺激を行なう場合について説明すると、制御装置22は可動支持体14側の第2モータ56のみを作動させ、可動側プローブ26を前進させる。そして、可動側プローブ26が接触位置に到達すると、該プローブ26の先端部が被験者の唇に接触する。すると、制御装置22は第2モータ56を停止させ、可動側プローブ26の移動を停止させる。一方、被験者は、認識した刺激の数に対応したスイッチ66a,66bを押し、演算装置64は、受信した応答(第1信号または第2信号)についての正誤判定を行なう。
【0035】
(第2の離間距離Lに設定)
以上のように、第1の離間距離Lにおいて、1点または2点による刺激が設定回数だけ行なわれると、第1の離間距離Lにおける刺激を終了して、制御装置22は、可動側プローブ26を第2の離間距離L(例えば、10.0mm)となるまで移動させる。すなわち、前記第1モータ32を作動し、第1送りネジ30を正方向へ回転させて可動支持体14を右方へ移動させる。この場合においても、両プローブ26,28の離間距離Lは、計数されたパルス数に基づき正確に制御される。そして、可動側プローブ26と固定側プローブ28との離間距離Lが10.0mmとなったところで、制御装置22は、第1モータ32の作動を停止させる。そして、上記同様に、第2の離間距離Lにおいて、刺激方法(1点または2点)をランダムに変えた刺激が設定回数(例えば、20回)だけ繰り返される。なお、この場合の被験者の応答も、全て演算装置64において正誤判定がなされ、当該判定結果が演算装置64に記録される。
【0036】
(測定の終了)
そして、第3の離間距離L,第4の離間距離L・・・においても、上記同様な測定を繰り返し、最後に第Nの離間距離Lにおける測定が終了すると、測定装置10による自動測定が終了する。すると、前記演算装置64は、これまでに行なわれた被験者の正誤判定の結果から正答率を算出し、当該正答率に基づいて被験者の二点識別覚の限界閾値を決定する。また、演算装置64は、測定により得られた正答率、反応速度、限界閾値等のデータを統計処理し、被験者毎に記録する。
【0037】
以上に示すように、実施例1に係る測定装置10およびその測定方法によれば、二点識別覚を自動で測定し得るので、測定者の手動操作に依存することなく定量的かつ客観的測定を行なうことができる。また、測定中に測定者が長時間拘束されることがないので、測定者の負担を軽減して効率性を向上し得る。しかも、実施例1では、可動支持体14のみを移動可能な構成としたので、装置を簡略化してコストを低廉にし得る。
【実施例2】
【0038】
次に、実施例2に係る人体用の二点識別覚自動測定装置および測定方法について、以下説明する。なお、実施例2では、実施例1との相違点のみ説明することとし、実施例1と同一の部材については、同じ符号を付して説明を省略することとする。
【0039】
図7は、実施例2に係る人体用の二点識別覚自動測定装置(以下、測定装置という)80の全体構成を示す概略図である。実施例2に係る測定装置80は、装置本体81において、図8に示す如く、第2駆動手段としてソレノイド82,82が採用されている。また、プローブ26,28を前進・進退移動させるプローブ移動手段83は、該プローブ26(28)を支持すると共に前後方向に沿って移動可能な送り体54と、該送り体54に連結され、ソレノイド82により前進・進退移動されるプランジャ86とから構成される。
【0040】
ソレノイド82に通電されていない非励磁状態にあっては、プランジャ86の後端側に設けたバネ88の弾性力により該プランジャ86は後方に引っ張られ、プローブ26,28は退避位置に位置している。一方、ソレノイド82に通電されて励磁状態となると、プランジャ86がバネ88の弾性力に抗して前方へ引き出され、プローブ26,28は前方へ突出した接触位置まで移動する。図7に示すように、両ソレノイド82,82は制御手段21の制御装置22に接続され、該制御装置22の制御のもと、各ソレノイド82への通電は所定時間行なわれる。なお、実施例2では、ソレノイド82を採用しているため、プローブ26,28のストローク量や移動速度を変更することはできない。従って、演算装置64に入力し得る制御パラメータとしては、プローブ26,28による刺激回数や刺激方法、離間距離L等に限定される。
【0041】
実施例2の測定装置80では、実施例1と同様に支持体スライド機構18として第1送りネジ30および伝達機構34が採用され、該支持体スライド機構18は第1モータ32によって作動するよう構成される。但し、第1モータ32には、実施例1の如く、第1エンコーダ36が一体的に設けられておらず、第1送りネジ30の回転量を測る第3エンコーダ90が第1モータ32とは別体に設けられている。すなわち、第3エンコーダ90は、第1送りネジ30の一端側(図8では右端側)に設けられ、該第1送りネジ30の回転量に基づきパルス数を計数するようになっている。なお、第3エンコーダ90は、第1送りネジ30の右端から延出する回転体90aに接続され、該回転体90aの回転を計測することで第1送りネジ30のパルス数を検知するようになっている。この回転体90aは、固定支持体16の下部に設けた通孔を介して該支持体16を貫通している。また、第3エンコーダ90は、図7に示すように、制御装置22に接続され、該エンコーダ90で得られたパルス数から制御装置22は両プローブ26,28の離間距離Lを検知し得るようになっている。
【0042】
(実施例2の作用)
次に、実施例2に係る測定装置80の作用について、その測定方法と共に説明を行なう。なお、測定の基本的な手順は実施例1と同様であるので、異なる点のみ説明する。測定に際しては、先ず始めに、演算装置64に各制御パラメータを入力し、動作パターンを設定する。例えば、第1の離間距離Lを20.0mmとし、両プローブ26,28による2点刺激をする場合について説明すると、制御装置22は、第1モータ32を作動して当該離間距離Lとなるまで可動側プローブ26を右方へ移動させる。可動側プローブ26が所定位置まで到達すると、制御装置22は、第1モータ32を停止させると共に、両ソレノイド82,82に対し同時に通電を行なう。
【0043】
すると、ソレノイド82,82が励磁されてプランジャ86,86がバネ88,88の弾性力に抗して前方へ引き出され、可動側プローブ26および固定側プローブ28を前方へ押し出す。これにより、両プローブ26,28が接触位置に到来して、両プローブ26,28の先端部が被験者の唇に接触する。すると、被験者は、自己が認識した1点または2点の刺激について、対応する第1スイッチ66aまたは第2スイッチ66bを押して応答をする。すると、第1スイッチ66aからの第1信号または第2スイッチ66bからの第2信号が測定装置22へ送出され、この応答結果から、演算装置64は動作パターンと比較して正誤判定を行なう。制御装置22は、接触センサー48,48からの検知信号に基づき被験者の反応速度を算出し、当該速度は、演算装置64に記録される。
【0044】
所定時間経過後、制御装置22は、ソレノイド82,82への通電を終了させる。すると、プランジャ86,86はバネ88,88の弾性力により後方へ引き込まれ、両プローブ26,28は初期位置まで後退する。以後同様にして、第1の離間距離Lにおいて、1点または2点による刺激をランダムに設定回数だけ行ない、全ての応答について正誤判定がなされる。そして、第2の離間距離L、第3の離間距離L・・・と次第に離間距離Lを小さくしていき、第Nの離間距離Lにおける測定を終了したところで、測定装置80による自動測定は終了する。すると演算装置64は、これまでに得られた被験者の正誤判定から正答率を算出し、該正答率に基づき二点識別覚の限界閾値を決定する。また、演算装置64は、測定により得られた正答率、反応速度、限界閾値等のデータを統計処理し、被験者毎に記録する。
【0045】
以上に説明したように、実施例2に係る測定装置80によれば、実施例1と同様に、二点識別覚を自動で測定し得るので、測定者の手動作業に依存することなく定量的かつ客観的測定を行なうことができる。また、測定者が従来の如く長時間拘束されることがないので、測定者の負担を軽減し、効率性を向上し得る。しかも、第2駆動手段としてソレノイド82を採用することで、構成を簡略化することができコストを低廉にし得る。
【0046】
なお、実施例1および2では、制御手段21として、制御装置22および演算装置64から構成したが、演算装置64を制御装置22に内蔵して一体的に構成したり、制御手段21を制御装置22のみから構成してもよい。制御手段21を制御装置22のみで構成した場合、制御装置22に各種の制御パラメータを直接入力し得るようにして、マニュアル操作により動作パターンを設定することとなる。また、実施例1および2では、左側の支持体14のみ移動する構成としたが、右側の支持体16を移動可能としたり、両方の支持体14,16を移動可能としてもよい。更に、実施例1および2では、被験者の唇に対して測定を行なったが、舌や手の平等、その他の部位を測定することも可能である。なお、実施例1および2では、プローブ26,28が前後方向(水平方向)に前進・進退移動する構成としたが、プローブ26,28が鉛直方向(上下方向)に前進・進退移動する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例1に係る測定装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】実施例1に係る測定装置の装置本体を示す概略平面図である。
【図3】実施例1に係る測定装置の装置本体を左側方から見た縦断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】測定時の様子を示す概略図である。
【図6】実施例に係る測定装置の装置本体の作用を示す概略平面図であって、(a)は可動側プローブが初期位置にある状態を示し、(b)は可動側プローブが移動する状態を示し、(c)は両プローブが前方へ移動する状態を示す。
【図7】実施例2に係る測定装置の全体構成を示す概略図である。
【図8】実施例2に係る測定装置の装置本体を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0048】
12 装置本体,14 可動支持体(支持体),16 固定支持体(支持体)
18 支持体スライド機構,21 制御手段,22 制御装置
26 可動側プローブ(プローブ),28 固定側プローブ(プローブ)
30 第1送りネジ,32 第1駆動手段(第1モータ)
50 プローブ移動手段,52 第2送りネジ,54 送り体
56 第2モータ(第2駆動手段),64 演算装置,66 応答手段(応答手段)
66a 第1スイッチ,66b 第2スイッチ,81 装置本体
82 ソレノイド(第2駆動手段),83 プローブ移動手段
86 プランジャ,L 離間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の二点間で規定される測定部位に沿って直線的に移動し得るよう配設した一対の支持体(14,16)と、
第1駆動手段(32)により駆動され、少なくとも前記一方の支持体(14)を他方の支持体(16)に対して相対的に近接・離間移動させる支持体スライド機構(18)と、
前記一対の支持体(14,16)の夫々に配設されて該支持体(14,16)の移動方向に対し交差する方向へ前進・後退移動可能で、その前進時に前記測定部位に接触可能なプローブ(26,28)と、
第2駆動手段(56,82)により駆動され、前記夫々のプローブ(26,28)を前進・後退移動させるプローブ移動手段(50,83)と、
前記測定部位に接触したプローブ(26,28)による刺激を1点と認識した場合に被験者が操作して第1信号を送出する第1スイッチ(66a)および該プローブ(26,28)による刺激を2点と認識した場合に被験者が操作して第2信号を送出する第2スイッチ(66b)を備えた応答手段(66)と、
前記第1駆動手段(32)および第2駆動手段(56,82)の駆動を制御すると共に、前記第1スイッチ(66a)からの第1信号および第2スイッチ(66b)からの第2信号の入力を受けて二点識別覚の限界閾値を算出する制御手段(21)とを備える
ことを特徴とする人体用の二点識別覚自動測定装置。
【請求項2】
前記一対の支持体(14,16)は、前記測定部位に沿って移動可能な可動支持体(14)と装置本体(12,81)に固定された固定支持体(16)とからなり、前記支持体スライド機構(18)は、前記可動支持体(14)の移動方向に沿って延在すると共に該可動支持体(14)に螺合する第1送りネジ(30)を備え、該第1送りネジ(30)を前記第1駆動手段としての第1モータ(32)で正逆回転することで可動支持体(14)を移動するよう構成した請求項1記載の人体用の二点識別覚自動測定装置。
【請求項3】
前記制御手段(21)は、予め設定された動作パターンに基づいて前記第1駆動手段(32)および第2駆動手段(56,82)の駆動を制御するよう構成した請求項1または2記載の人体用の二点識別覚自動測定装置。
【請求項4】
前記制御手段(21)は、前記動作パターンと、前記第1スイッチ(66a)からの第1信号および第2スイッチ(66b)からの第2信号とを比較して、その正答率から二点識別覚の限界閾値を算出する演算装置(64)を備えている請求項3記載の人体用の二点識別覚自動測定装置。
【請求項5】
前記プローブ移動手段(50)は、前記プローブ(26,28)を支持すると共に移動可能な送り体(54)と、前記支持体(14,16)の移動方向に対し交差する方向に延在すると共に前記送り体(54)に螺合する第2送りネジ(52)とを備え、該第2送りネジ(52)を前記第2駆動手段としての第2モータ(56)で正逆回転することでプローブ(26,28)が前進・後退移動するよう構成される請求項1〜4の何れか一項に記載の人体用の二点識別覚自動測定装置。
【請求項6】
前記プローブ移動手段(83)は、前記プローブ(26,28)を支持すると共に移動可能な送り体(54)と、該送り体(54)に連結され、前記第2駆動手段としてのソレノイド(82)により前記支持体(14,16)の移動方向に対し交差する方向へ前進・後退移動されるプランジャ(86)とを備える請求項1〜4の何れか一項に記載の人体用の二点識別覚自動測定装置。
【請求項7】
制御手段(21)が第1駆動手段(32)の駆動を制御して、一対のプローブ(26,28)を被験者の測定部位に沿って相対的に近接・離間移動させて両プローブ(26,28)を所定の離間距離(L)に位置させ、
前記制御手段(21)が第2駆動手段(56,82)の駆動を制御して、前記一方または両方のプローブ(26,28)を測定部位に対し前進移動させて該プローブ(26,28)を測定部位に接触させ、
前記測定部位に接触したプローブ(26,28)による刺激を1点と認識した場合に被験者が操作する第1スイッチ(66a)からの第1信号および該プローブ(26,28)による刺激を2点と認識した場合に被験者が操作する第2スイッチ(66b)からの第2信号を受けて、前記制御手段(21)が二点識別覚の限界閾値を算出する
ことを特徴とする人体用の二点識別覚自動測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−11984(P2010−11984A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173920(P2008−173920)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(593222805)アスカ株式会社 (11)