説明

人体通信を利用した歩行案内装置

【課題】正確な歩行案内情報を提供し、使用便宜性を向上させる人体通信を利用した歩行案内装置が開示される。
【解決手段】歩行案内装置は、杖などに設けられ、歩行案内情報信号を獲得し、獲得した歩行案内情報信号を人体通信が可能な信号に変換した後、使用者の身体を通して伝送する第1の人体通信手段と、第1の人体通信手段から使用者の身体を通して伝送された信号を受信した後、受信した信号を使用者が認知可能な信号に変換して出力する第2の人体通信手段と、を含む。よって、秘話性が高く、正確度の高い歩行案内情報を安定的に提供することができ、使用便宜性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者用歩行案内装置に関し、より詳細には、人体通信を利用して視覚障害者に歩行案内を提供することができる人体通信を利用した歩行案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常に、視覚障害者が移動のために杖を使用する際、踏み切りや階段、車両のドアなどの注意を要する場所や特定位置までの安全な歩行のため、歩道に設けられた誘導ブロックを感知し、自分の位置及び危険を認知する。
【0003】
近年のIT技術の発展に伴い、視覚障害者が移動時に常に携帯する杖にIT及び通信技術を適用し、視覚障害者により便利且つ安全な歩行案内情報を提供するための研究開発が行われている。
【0004】
IT及び通信技術を適用した例としては、視覚障害者のための杖に通信機能を有する集積回路装置を設け、道路上に設けられた通信システムから提供される情報を受信及び処理した後、視覚障害者に音声で歩行案内情報を提供する方法とその装置が提案されている。
【0005】
例えば、道路または構造物の特定場所に通信システムを設ける際、道路の位置や地形の変化、障害物有無、工事有無、温度、湿度、公害状態、混雑度などの道路状態情報を保つ知能型交通システム(Intelligent Transfer System、ITS)として構築した交通通信環境でこれを基盤とする歩行案内情報を提供するための技術の研究結果が発表されつづある。
【0006】
知能型交通システム(ITS)を視覚障害者の杖に活用した例としては、杖にRFID、GPS、赤外線光または可視光通信方式を適用して歩行案内情報を受信し、受信した歩行案内情報を視覚障害者に提供する装置及び方法がある。
【0007】
上述した方法のうち可視光通信方式は、国際標準化グループ(IEEE 802.15.7)で協議されている。可視光通信方式は、基盤交通信号灯や照明施設などを大きく変更することなく様々な道路情報を獲得可能であり、両方向通信が実現される場合、使用者の危険状況をリアルタイムで知らせることができる最適の通信環境を構築できるという利点がある。例えば、可視光通信方式を利用する場合、交通信号灯または照明施設の光源を可視光通信のためのLED(Light Emitting Diode)素子に交替するだけで、GPSとは異なる方式で、道路及び室内外での位置情報を含めて様々な道路情報を容易に獲得することができる。
【0008】
一方、上述したような従来の通信機能を具備した視覚障害者用の杖は、獲得した歩行案内情報を使用者に提供する方法として、杖と有線で連結されたイヤホンを使用したり、ブルートゥース通信方式を利用する。
【0009】
イヤホンを使用して道路情報を視覚障害者に提供する場合には、杖に連結されたイヤホン連結線の断線や杖とイヤホン連結線との接触不良が発生するか、またはイヤホン連結線が絡まったりするおそれがあるため、常に視覚障害者の注意が必要し、これによって使用中に心理的不安を誘発するという欠点がある。
【0010】
また、ブルートゥースを利用して獲得した歩行案内情報を提供する場合には、杖に内蔵された通信装置にブルートゥース機能を追加して音声信号を送信するため、視覚障害者の歩行環境によって混線が発生するおそれがあり、これによって重要な道路情報を聞き取ることができず、安全上深刻な危険にさらされるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】アメリカ特許公開報許2006-0129308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、正確な歩行案内情報を提供することができ、使用便宜性を向上させることができる人体通信を利用した歩行案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の一態様による人体通信を利用した歩行案内装置は、歩行案内情報信号を獲得し、獲得した歩行案内情報信号を人体通信が可能な信号に変換した後、使用者の身体を通して伝送する第1の人体通信手段と、第1の人体通信手段から使用者の身体を通して伝送された信号を受信した後、受信した信号を使用者が認知可能な信号に変換して出力する第2の人体通信手段と、を含む。
【0014】
第1の人体通信手段は、可視光データ信号を検出して電気信号に変換する光検出部と、光検出部から提供された電気信号を変調して変調信号を提供する第1の通信部と、第1の通信部から提供された変調信号を使用者の身体に提供する第1の電極と、を含んでもよい。
【0015】
第1の通信部は、光検出部から提供された電気信号を復調する第1の受信モジュールと、第1の受信モジュールから復調された電気信号の提供を受け、提供された電気信号を使用者の身体を通して伝送可能な信号に変調する第1の送信モジュールと、を含んでもよい。
【0016】
第1の送信モジュールは、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調を行ってもよい。
【0017】
第1の人体通信手段は、第1の人体通信手段が使用者の身体に接触する場合、予め設定された認証情報を利用して使用者認証を行う第1の制御部と、使用者の認証を行うための使用者認証情報が保存された保存部と、をさらに含んでもよい。
【0018】
第2の人体通信手段は、使用者の身体に接触して第1の通信手段から伝送された信号を受信する第2の電極と、第2の電極を介して受信された信号を復調し、復調された信号を提供する第2の通信部と、復調された信号を処理して音声信号として出力する音声処理部と、を含んでもよい。
【0019】
音声処理部は、第1の人体通信手段から伝送された信号に相応する音声信号を生成して出力してもよい。
【0020】
音声処理部は、提供された信号に相応して出力される音声が保存されたデータベースを含んでもよい。
【0021】
音声処理部は、提供された信号が音声データである場合、提供された音声データを音声信号に変換して出力するデジタル信号処理モジュールをさらに含んでもよい。
【0022】
音声処理部は、提供された信号を人体音響通信を利用して使用者に音声で提供してもよい。
【0023】
第1の人体通信手段は、RFID信号、赤外線信号及びGPS信号のうち少なくとも一つの信号を検出して歩行案内情報信号を獲得し、獲得した歩行案内情報信号を人体通信可能な信号に変換した後、使用者の身体を通して伝送してもよい。
【0024】
また、本発明の目的を達成するために、本発明の別の態様による人体通信を利用した歩行案内装置は、歩行案内情報を含む可視光信号を検出し、検出された可視光信号を処理して使用者の身体を通して伝送する第1の人体通信手段と、第1の人体通信手段から使用者の身体を通して伝送された信号を受信した後、受信した信号を処理し、受信した信号に相応する音声信号を出力し、使用者から提供された音声信号を可視光信号に変換して出力する第2の人体通信手段と、を含む。
【0025】
第2の人体通信手段は、使用者の身体に接触して第1の通信手段から伝送された信号を受信する第2の電極と、第2の電極を介して受信した信号を復調してその復調された信号を提供し、逆に使用者から提供される音声データを変調して変調信号を提供する第2の通信部と、上記の復調された信号を処理して音声信号を出力し、使用者から提供された音声を音声データに変換して第2の通信部に提供する音声処理部と、第2の通信部から提供された変調信号に応じて可視光信号を出力する発光部と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0026】
上述したような人体通信を利用した歩行案内装置は、視覚障害者または肢体不自由者などが使用する杖、歩行補助機器または車椅子などに設けられ、可視光、赤外線、RFID、GPSからの道路情報信号を検出し、変調などの処理を行った後、使用者の身体を通して信号を伝送する第1の人体通信装置と、使用者の身体に付着され、第1の人体通信装置から身体を通して伝送された信号を処理し、使用者の認知可能な音声として出力する第2の人体通信装置とを含む。
【0027】
上述したように、本発明の実施形態による歩行案内装置は、有用性及び有効性の高い可視光通信を利用し、人体を通信チャンネルとして利用して歩行案内情報を提供するため、秘話性が高く、正確度の高い歩行案内情報を安定的に提供する。
【0028】
また、杖のように使用者が歩行時に常に携帯する物体に第1の人体通信装置を設け、第2の人体通信装置は使用者の身体に脱着可能な状態に構成し、人体を通して歩行案内情報を獲得することで、使用便宜性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の使用例の概念図である。
【図2】本発明の一実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第1の人体通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第2の人体通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の別の実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第1の人体通信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の別の実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第2の人体通信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、様々な変更を加え、様々な実施形態を具現することができるが、以下では、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明する。
【0031】
しかし、これは本発明を特定の実施形態により限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲内の全ての変更、均等物並びに代替物を含むと理解すべきである。
【0032】
「第1、第2」などの用語は様々な構成要素を説明するのに使用することができるが、上記の構成要素は上記の用語により限定されてはならない。上記の用語は、ある構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲で、第1の構成要素を第2の構成要素と称することもでき、同様に第2の構成要素を第1の構成要素と称することもできる。「及び/または」という用語は、記載した複数の関連項目の組合または記載した複数の関連項目のうち何れかの項目を含む。
【0033】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結または接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」または「直接接続されている」と言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されるべきである。
【0034】
本出願で使用した用語は、特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上明らかな別の記載がない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合わせが存在することを意味するものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合わせなどの存在または付加可能性を予め排除しないと理解されるべきである。
【0035】
別の定義がない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上で内包する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0036】
以下、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。本発明を説明するにあたって 全般的な理解を容易にするために、図面上の同じ構成要素には同じ参照符号を使用し、同じ構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0037】
以下、本発明の実施形態で、歩行案内装置により使用者に提供される歩行案内情報は、道路位置、地形変化、障害物有無、工事有無、温度、湿度、公害状態、交通混雑度、信号灯の信号状態情報などのように、歩行案内装置が周囲の環境から獲得でき、使用者に提供できる全ての情報を含む概念を有する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の使用例を説明するための概念図であり、人体通信装置が杖及び使用者の身体に設けられ、人体を通信チャンネルとして利用して使用者に歩行案内情報を提供する場合を例に挙げて示している。
【0039】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による歩行案内装置は、第1の人体通信装置100及び第2の人体通信装置200を含む。第1の人体通信装置100は、杖10のように使用者の身体と接触可能な物体に設けられてもよく、第2の人体通信装置200は、使用者の手首のような身体20に直接付着されてもよい。第1の人体通信装置100及び第2の人体通信装置200は、人体通信(Human Body Communication)を利用して歩行案内情報を送受信する。
【0040】
人体通信は、人体を通信チャンネルとして利用してデータを送受信する通信技術であり、体内に流れる電流の変化を利用する方式と人体や周りの表面電界の変化を利用する方式が知られている。人体通信は、通信範囲や相手を明確に限定できるため、電話や無線通信とは異なり、混線及び盗聴の危険を減少させることができる利点がある。本発明の実施形態の第1の人体通信装置100及び第2の人体通信装置200は、互いの人体通信のために公知の人体通信方法のうち何れか一つの方法を利用することができる。
【0041】
図1に示す杖10に設けられた第1の人体通信装置100は、例えば、可視光通信機能を具備した交通信号灯からの情報を受信し復調した後、復調された情報を使用者と接触している電極を介して使用者の身体に伝達する。第2の人体通信装置200は、使用者の身体を経由して第1の人体通信装置100から提供された情報を処理して音声信号を出力することで、使用者が音声で情報を取得する。ここで、第2の人体通信装置200は、第1の人体通信装置100から人体を通して送信された情報が音声データである場合には、これを復調して使用者に提供する。そして、提供された情報が直接的な音声信号ではなく単なる位置信号(例えば、GPS信号)の場合には、この情報に相応する音声信号を生成して使用者に提供することができる。
【0042】
また、杖10に設けられる第1の人体通信装置100は、道路または施設物に設けられたRFIDタグを認識できるRFIDリーダー、赤外線光を感知できる赤外線センサ、GPS信号を受信できるGPS受信モジュールまたは可視光通信機能を具備した通信モジュールを含んでもよい。
【0043】
また、図1には第1の人体通信装置100が視覚障害者が主に使用する杖10に設けられた例が示されているが、これは説明の便宜のための一例であり、第1の人体通信装置100は車椅子の取っ手または歩行補助器具の取っ手などのように使用者が接触する様々な物体に設けることができる。ここで接触の意味は、第1の電極(140、図2参照)に直接肌を接触させることと、電極の材質及び大きさによってアンテナ効果を活用する場合に生活手袋などを着用した状態で接触することを全て含む。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第1の人体通信装置を構成するブロック図であり、第1の人体通信装置が可視光信号を検出して歩行案内情報を獲得するように構成した例を示している。
【0045】
図2を参照すると、第1の人体通信装置100は、第1の制御部110、保存部120、第1の通信部130、第1の電極140及び光検出部150を含む。
【0046】
第1の制御部110は、第1の人体通信装置100に含まれる全ての構成要素の動作を制御及び管理し、使用者の認識及び認証情報などを管理する。例えば、第1の制御部110は、使用者が第1の人体通信装置100が設けられた物体(例えば、杖)に接触する場合、予め設定された使用者の認証情報を保存部120に保存された使用者認証情報と比べる。比較の結果、互いに一致する場合、第1の人体通信装置100の動作を活性化させ、二つの情報が互いに一致しない場合には、第1の人体通信装置100の動作を非活性化させてもよい。
【0047】
保存部120は、第1の制御部110の制御に応じ、使用者の認識または認証のための認識情報または認証情報を保存する。
【0048】
第1の通信部130は、第1の受信モジュール131及び第1の送信モジュール133を含んでもよく、第1の制御部110の制御により光検出部150から検出されたデータ信号を処理した後、第1の電極140を介して使用者の身体に信号を伝送する。
【0049】
具体的に、第1の受信モジュール131は、光検出部150から検出された可視光検出信号を復調して第1の送信モジュール133に伝達し、第1の送信モジュール133は、第1の受信モジュール131からのデータ信号を第1の制御部110の変調制御信号に応じて変調した後、変調された信号を第1の電極140を介して使用者の身体に伝送する。ここで、第1の送信モジュール133は、無線通信技術で一般的に使用される様々な変調方法によって伝達された信号を変調することもできるが、人体通信規格に適合する変調方法で変調を行うことが好ましい。そして、光検出部150から提供された信号が位置を示す座標または音声情報のように比較的単純なデータ信号である場合は、低速で変調効率の高いBPSK変調を行ってもよい。
【0050】
第1の電極140は、第1の通信部130から伝達された信号を使用者の身体に伝送する機能を果たす。第1の電極140は、この信号の伝送のために第1の通信部130と電気的に連結され、使用者の身体と接触可能な位置に設けられてもよい。また、第1の電極140は、第1の人体通信装置100が設けられる物体の形状によって様々な材質で様々な形状に製造されてもよい。
【0051】
光検出部150は、光を検出し、検出された光より規定された電気信号に変換する公知のフォトダイオード及び低い電圧レベルを予め設定されたレベルに増幅するための公知の増幅回路を含んでもよい。
【0052】
例えば、光検出部150は、道路及び交通情報を送信するLED(Light Emitting Diode)素子を用いて構成した交通信号灯から提供される可視光信号をフォトダイオードで検出して電気信号に変換し、その電気信号を予め設定されたレベルに増幅した後、第1の通信部130に伝達してもよい。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第2の人体通信装置の構成を示すブロック図である。
【0054】
図3を参照すると、第2の人体通信装置200は、第2の制御部210、第2の通信部220、第2の電極230及び音声処理部240を含む。
【0055】
第2の制御部210は、第2の人体通信装置200に含まれる全ての構成要素の動作を制御及び管理する。
【0056】
第2の通信部220は、第2の受信モジュール221を含んでもよく、第2の電極230を介して第1の人体通信装置が送信した信号を受信して復調した後、復調された信号を音声処理部240に提供する。
【0057】
第2の電極230は、第1の人体通信装置100が使用者の身体を通して送信した信号を受信し、第2の通信部220に伝達する。このために、第2の電極230は第2の通信部220と電気的に連結され、使用者の身体に接触できるように構成される。ここで、接触の意味は、第2の電極230に直接肌で接触することと、電極の材質及び大きさによってアンテナ効果を活用する場合に肌で直接接触せず服等を着用した状態で接触することを全て含む。
【0058】
音声処理部240は、第2の通信部220から提供された信号を処理し、使用者が聴取可能な音声信号として出力する。
【0059】
具体的に、音声処理部240は、位置座標に対応して出力される音声が保存されたデータベース241を含んでもよく、第2の通信部220から位置座標が提供されると、提供された位置座標に対応する音声をデータベース241から読み出して出力することで、使用者に位置情報を提供する。このような音声出力のために、音声処理部240は日常的に使用されている音響スピーカーを含んでもよく、音声信号をイヤホン(またはヘッドホン)出力に適合するように増幅した後、音声を提供するよう構成されてもよい。
【0060】
ここで、第2の人体通信装置200に、第1の人体通信装置100または他の外部装置からの位置情報が音声データとして提供されるように構成された場合、音声処理部240は、デジタル信号処理器(Digital Signal Processor、DSP)を含み、第2の通信部220から提供された音声データを使用者が聴取可能な音声信号に変換した後に出力するよう構成されてもよい。
【0061】
または、音声処理部240は、上述したように提供された歩行案内情報に相応する音声信号をスピーカーまたはイヤホン端子を介して出力するように構成される代りに、現在研究開発中の人体音響通信の方法を活用してもよく、人体音響通信の技術における、例えば高周波信号生成モジュール、音声信号の合成モジュール、帯域通過フィルタまたは増幅回路などを含むように構成されてもよい。
【0062】
図4は、本発明の別の実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第1の人体通信装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
図4を参照すると、本発明の別の実施形態による第1の人体通信装置100‐1は、第1の制御部110、保存部120、第1の通信部130‐1、第1の電極140及び信号検出部150‐1を含む。
【0064】
第1の制御部110は、第1の人体通信装置100に含まれる全ての構成要素の動作を制御及び管理し、使用者の認識及び認証情報などを管理する。例えば、第1の制御部110は、使用者が第1の人体通信装置100が設けられた物体(例えば、杖)に接触する場合、その使用者の情報と保存部120に保存された使用者認証情報とを比べる。そして、互いに一致する場合、第1の人体通信装置100の動作を活性化させ、二つの情報が互いに一致しない場合は、第1の人体通信装置100の動作を非活性化させてもよい。
【0065】
保存部120は、第1の制御部110の制御に応じて使用者の認識または認証のための認識情報または認証情報を保存する。
【0066】
第1の通信部130‐1は、第1の受信モジュール131‐1及び第1の送信モジュール133‐1を含んでもよく、第1の制御部110の制御により信号検出部150‐1から検出されたデータ信号を処理した後、第1の電極140を介して使用者の身体に信号を伝送する。
【0067】
具体的に、第1の受信モジュール131‐1は、信号検出部150‐1から検出された信号を復調して第1の送信モジュール133‐1に伝達し、第1の送信モジュール133‐1は、第1の受信モジュール131‐1から伝達された信号を第1の制御部110の変調制御信号に応じて変調した後、変調された信号を第1の電極140を介して使用者の身体に伝送する。ここで、第1の送信モジュール133‐1は、無線通信技術で一般的に使用される様々な変調方法によって提供された信号を変調することもできるが、人体通信の標準規格に適合する変調方法で変調を行うことが好ましい。
【0068】
第1の電極140は、第1の通信部130‐1から伝達された信号を使用者の身体に提供する機能を果たす。第1の電極140は、この信号の伝送のために第1の通信部130‐1と電気的に連結され、使用者の身体と接触可能な位置に設けられてもよい。また、第1の電極140は、第1の人体通信装置100‐1が設けられる物体の形状に適合する様々な材質で様々な形状に製造されてもよい。
【0069】
信号検出部150‐1は、RFIDリーダー、GPS受信モジュールまたは赤外線センサーで構成されてもよい。例えば、信号検出部150‐1がRFIDリーダーで構成された場合は歩行中、道路または施設物に設けられたRFIDタグからのRFID信号を検出した後、検出された信号を第1の受信モジュール131‐1に提供する。
【0070】
または、信号検出部150‐1がGPS受信モジュールで構成された場合は、受信されたGPS信号を第1の受信モジュール131‐1に提供し、信号検出部150‐1が赤外線センサーで構成された場合は、検出した赤外線に相応する信号を第1の受信モジュール131‐1に提供する。
【0071】
図5は、本発明の別の実施形態による人体通信を利用した歩行案内装置の第2の人体通信装置の構成を示すブロック図であり、知能型交通システム(ITS)の可視光通信規定によって両方向可視光通信が支援される環境で使用可能な第2の人体通信装置200‐1の構成を示す。
【0072】
図5を参照すると、本発明の別の実施形態による第2の人体通信装置200‐1は、第2の制御部210、第2の通信部220‐1、第2の電極230、音声処理部240‐1及び発光部250を含む。
【0073】
第2の制御部210は、第2の人体通信装置200‐1に含まれる全ての構成要素の動作を制御及び管理する。
【0074】
第2の通信部220‐1は、第2の受信モジュール221‐1及び第2の送信モジュール223‐1を含んでもよく、第2の受信モジュール221‐1は、第2の電極230を介して第1の人体通信装置が送信したデータ信号を受信して復調した後、復調された信号を音声処理部240‐1に伝達する。第2の送信モジュール223‐1は、音声処理部240‐1から伝達された音声データを変調して発光部250に伝達する。
【0075】
第2の電極230は、第1の人体通信装置100が使用者の身体を利用して送信した信号を受信して第2の通信部220‐1に伝達する。
【0076】
音声処理部240‐1は、位置座標に対応して出力される音声が保存されるデータベース241を含んでもよく、第2の通信部220‐1から位置座標が伝達されると、提供された位置座標に対応する音声をデータベース241から読み出して出力することで、使用者に位置情報を提供してもよい。このような音声出力のために音声処理部240‐1は、日常に使用される音響スピーカーを含んでもよく、音声信号をイヤホン(またはヘッドホン)出力に適合するように増幅した後に提供するよう構成されてもよい。
【0077】
また、使用者が緊急救助を必要とする状況または災難状況に陥った場合、両方向可視光通信を利用し、使用者の音声を予め設定された特定の目的地に伝送しようとするとき、使用者の音声を獲得するように、音声処理部240‐1はマイク(図示せず)を含んでもよい。
【0078】
具体的に、音声処理部240‐1は、マイクを通して獲得した使用者の音声にデジタル信号処理を行ってデジタル信号に変換した後、第2の送信モジュール223‐1に伝達する。
【0079】
発光部250は、LED素子及びLED素子を駆動するための駆動回路を含んでもよく、第2の送信モジュール223‐1から変調された信号に応じてLED素子を点滅することで発生する可視光を使用してデータを伝送する。
【0080】
このような可視光通信のために、発光部250は、第2の人体通信装置200‐1が使用者に付着されたとき常に可視領域が確保できる位置に設けられることが好ましい。また、歩行案内装置の使用者の要求に応じ、第1の人体通信装置100にも発光部250の機能を追加する場合は両方向の人体通信のために第2の送信モジュール223‐1の出力信号を第2の電極230を介して伝送するよう構成してもよい。
【0081】
図3及び図5に示す本発明の実施形態による第2の人体通信装置200及び200‐1には、図2及び図4に示す第1の人体通信装置100及び100‐1以外の人体通信装置と人体通信を利用して通信する場合、マスター装置の機能を果たしてもよい。また、使用者の接近性及び操作の便利性を考慮して手首に付着されるように製作されたり、イヤホンの連結線を最小化しようとする場合には、使用者の耳に近い位置の腕などに付着可能な形に製作されたり、ヘッドセットとして製作されてもよい。
【0082】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の当業者は下記の特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更可能であることを理解できるはずであろう。
【符号の説明】
【0083】
10 杖
20 身体
100 第1の人体通信装置
200 第2の人体通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行案内情報信号を獲得し、獲得した前記歩行案内情報信号を人体通信が可能な信号に変換した後、使用者の身体を通して伝送する第1の人体通信手段と、
前記第1の人体通信手段から前記使用者の身体を通して伝送された信号を受信した後、受信した信号を前記使用者が認知可能な信号に変換して出力する第2の人体通信手段と、
を含むことを特徴とする人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項2】
前記第1の人体通信手段は、
可視光データ信号を検出して電気信号に変換する光検出部と、
前記光検出部から提供された電気信号を変調して変調信号を提供する第1の通信部と、
前記第1の通信部から提供された前記変調信号を前記使用者の身体に提供する第1の電極と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項3】
前記第1の通信部は、
前記光検出部から提供された電気信号を復調する第1の受信モジュールと、
前記第1の受信モジュールから復調された電気信号の提供を受け、提供された前記電気信号を前記使用者の身体を通して伝送可能な信号に変調する第1の送信モジュールと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項4】
前記第1の送信モジュールは、
BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調を行うことを特徴とする請求項3に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項5】
前記第1の人体通信手段は、
前記第1の人体通信手段が使用者の身体に接触する場合、予め設定された認証情報を利用して使用者認証を行う第1の制御部と、
前記使用者の認証を行うための使用者認証情報が保存された保存部と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項6】
前記第2の人体通信手段は、
前記使用者の身体に接触して前記第1の通信手段から伝送された信号を受信する第2の電極と、
前記第2の電極を介して受信された信号を復調し、復調された信号を提供する第2の通信部と、
前記復調された信号を処理して音声信号として出力する音声処理部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項7】
前記音声処理部は、
前記第1の人体通信手段から伝送された信号に相応する音声信号を生成して出力することを特徴とする請求項6に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項8】
前記音声処理部は、
提供された信号に相応して出力される音声が保存されたデータベースを含むことを特徴とする請求項7に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項9】
前記音声処理部は、
提供された信号が音声データである場合、前記提供された音声データを音声信号に変換して出力するデジタル信号処理モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項10】
前記音声処理部は、
提供された信号を人体音響通信を利用して使用者に音声で提供することを特徴とする請求項8に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項11】
前記第1の人体通信手段は、
RFID信号、赤外線信号及びGPS信号のうち少なくとも一つの信号を検出して歩行案内情報信号を獲得し、獲得した前記歩行案内情報信号を人体通信可能な信号に変換した後、前記使用者の身体を通して伝送することを特徴とする請求項1に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項12】
歩行案内情報を含む可視光信号を検出し、検出された前記可視光信号を処理して使用者の身体を通して伝送する第1の人体通信手段と、
前記第1の人体通信手段から前記使用者の身体を通して伝送された信号を受信した後、前記受信した信号を処理して前記受信した信号に相応する音声信号を出力し、前記使用者から提供された音声信号を可視光信号に変換して出力する第2の人体通信手段と、
を含むことを特徴とする人体通信を利用した歩行案内装置。
【請求項13】
前記第2の人体通信手段は、
前記使用者の身体に接触して前記第1の通信手段から伝送された信号を受信する第2の電極と、
前記第2の電極を介して受信した信号を復調してその復調された信号を提供し、提供された音声データを変調して変調信号を提供する第2の通信部と、
前記復調された信号を処理して音声信号を出力し、前記使用者から提供された音声を音声データに変換して前記第2の通信部に提供する音声処理部と、
前記第2の通信部から提供された変調信号に応じて可視光信号を出力する発光部と、
を含むことを特徴とする請求項12に記載の人体通信を利用した歩行案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−135573(P2011−135573A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277939(P2010−277939)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea