説明

人工ミネラル供給材

【目的】
本発明は、ミネラル含有物質とイオン交換物質が含まれている混合物を人工ミネラル供給材とし、ミネラル含有物質から溶出するミネラル分をイオン交換物質で吸着し植物に供給することで、効率的に緑化できるものを提供する。
【解決手段】
植物が生育するのに不可欠であるミネラル分が不足している陸域に対して適用する材料であって、CaOが6.0質量%以上70質量%以下、T−Feが3.1質量%以上、P2O5が0.3質量以上、Al2O3が4.8質量%以下であるミネラル含有物質と、イオン交換物質の混合物であることを特徴とする人工ミネラル供給材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミネラル含有物質とイオン交換物質が含まれている混合物を人工ミネラル供給材とし、ミネラル含有物質から溶出・抽出するミネラル分をイオン交換物質で吸着し植物に供給することで、効率的に緑化できる方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
公共工事や酸性雨等によって日本全土の土中には、植物に必要なミネラル分が不足している地域がある。従来、このようなミネラルが不足している地域においては、鉄鋼スラグを肥料として使用されているが、多量の鉄鋼スラグを使用すると、植物の成長を阻害させてしまう等の課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−265470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の課題を解決するべく、例えば特許文献1では、土が酸性を示す切土法面上に、鉄鋼スラグ等のアルカリ資材を敷設して客土を充填し植栽する方法を実現している。このように酸性を示す土において鉄鋼スラグで盛土することで、鉄鋼スラグから溶出されるアルカリ水は酸性を示す土と中和し、機能不全となっている土壌構造を改良することが可能である。しかしながら、多量に鉄鋼スラグを永年使用すると、アルカリ水による植物の成長を阻害する問題は解決されておらず、また、鉄鋼スラグから溶出されるミネラル分を植物へ供給するものは示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行った結果、ミネラル含有物質から溶出されるカルシウム、シリカ、リン、鉄等の植物の生育に必要なミネラル分を溶存態としてイオン交換物質に吸着させることで、植物へ供給されやすくなることを見出し、自然循環機能を促進させ中長期においてその機能が低下しない発明を完成した。
【0006】
本発明の第1は、人工ミネラル供給材において、植物が生育するのに不可欠であるミネラル分が不足している陸域に対して適用する材料であって、CaOが6.0質量%以上70質量%以下、T−Feが3.1質量%以上、P2O5が0.3質量%以上、Al2O3が4.8質量%以下であるミネラル含有物質と、イオン交換物質の混合物であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第2は、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物のpHが8.5以下であることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第3は、第1又は第2の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質は、鉄鋼スラグが含まれていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第4は、第1から第3までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物は、炭酸化処理された鉄鋼スラグが含まれていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第5は、第1から第4までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質は、ミネラル補填材が含まれていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第6は、第1から第5までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、キレート作用促進材が含まれていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第7は、第1から第6までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、キレート作用促進材は、酸性を示す固体もしくは液体が含まれていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第8は、第1から第7までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、人工腐植土、もしくは人工腐植土から溶出・抽出された液体が含まれ、イオン交換機能を有していることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第9は、第1から第8までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、人工腐植土は、バーク堆肥、ピートモス、腐葉土、もしくは未分解の草木、樹木のチップ、または、工場、事業所から排出される排水,下水道終末処理場における下水、し尿、家畜排泄物のばっ気処理、発酵処理によって得られる汚泥及びその処理物の少なくとも1種以上が含まれる有機質資材を酸性液体で養生し生成された腐植土を1種または2種以上混合して使用されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第10は、第1から第9までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、陽イオン交換容量が高い物質、もしくは陰イオン交換容量が高い物質を1種、または2種以上配合されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の第11は、第1から第10までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、C/N比で10以上、有機物含有量が70%以上、pHが−1.1〜9.0、電気伝導度が2.0mS/cm以下の値のものが含まれていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第12は、第1から第11までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物を、ゲル化剤、増粘剤・糊料、安定剤を1種類以上使用することによってゲル状にしたものを用い、該混合物からのミネラル分の溶出・抽出量を調整し保持することを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第13は、第1から第12までのいずれか1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物を、C4植物由来のプラスチックで成型したものを用い、混合物からのミネラル分の溶出・抽出量を調整し保持する特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、上記の構成であるから、ミネラル含有物質の成分は、植物に供給できる栄養素の観点から、ミネラル含有物質のCaOが火成岩の平均5.1質量%よりも高い6.0質量%以上70質量%以下、また、T−Feが火成岩の平均の3.1質量%よりも高い3.1質量%以上、また、P2O5が火成岩の平均の0.3質量%よりも高い0.3質量%以上、さらに、Al2O3は堆積岩である砂岩平均の4.8質量%よりも低い4.8質量%以下になるような材料であれば良い。これらの成分を含むミネラル含有物質とイオン交換物質からなる人工ミネラル供給材は、ミネラル含有物質から溶出・抽出するミネラル分が植物に有用な成分を含んでおり、さらにイオン交換物質の存在でミネラル分が溶存態として保持でき、植物が吸収しやすい状態でミネラル分を吸収することが可能となる。
【0020】
また、本発明は、ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物のpHが8.5以下であることを特徴とする。ミネラル含有物質とイオン交換物質からなる人工ミネラル供給材は、pH=8.5以下の場合において、カルシウム、マグネシウム、ケイ素、リン、鉄等のミネラル分がイオン交換物質で保持され、溶存態として多く存在させることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記第1の発明に係る人工ミネラル供給材にあっては、植物が生育するのに不可欠であるミネラル分が不足している陸域に対して適用する材料であって,CaOが6.0質量%以上70質量%以下、T−Feが3.1質量%以上、P2O5が0.3質量%以上、Al2O3が4.8質量%以下であるミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物であることを特徴とする。ミネラル含有物質の成分は、植物に供給できる栄養素の観点から、ミネラル含有物質のCaOが火成岩の平均5.1質量%(京都大学学術出版会:土とは何だろうか?)よりも高い6.0質量%以上70質量%以下、また、T−Feが火成岩の平均の3.1質量%(京都大学学術出版会:土とは何だろうか?)よりも高い3.1質量%以上、また、P2O5が火成岩の平均の0.3質量%(京都大学学術出版会:土とは何だろうか?)よりも高い0.3質量%以上、さらに、Al2O3は堆積岩である砂岩平均の4.8質量%(京都大学学術出版会:土とは何だろうか?)よりも低い4.8質量%以下になる様な材料であれば良い。これらの成分を含むミネラル含有物質とイオン交換物質からなる人工ミネラル供給材は、ミネラル含有物質から溶出・抽出するミネラル分が植物に有用な成分を含んでおり、さらにイオン交換物質の存在でミネラル分が溶存態として保持でき、植物が吸収しやすい状態でミネラル分を吸収することが可能となる。
【0022】
本発明の第2にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物のpHが8.5以下であることを特徴とする。ミネラル含有物質とイオン交換物質からなる人工ミネラル供給材は、pH=8.5以下の場合において、カルシウム、マグネシウム、ケイ素、リン、鉄等のミネラル分がイオン交換物質で保持され、溶存態として多く存在させることが可能である。pH=8.5を超えるとミネラル分は、析出してしまいイオン交換物質で溶存態として保持されにくくなり、急激に植物の成長を阻害してしまうため好ましくない。
【0023】
本発明の第3にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質は、鉄鋼スラグが含まれているものである。鉄鋼スラグとは、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ等の高炉から出滓された高炉スラグ、溶銑予備処理スラグ(脱硫スラグ、脱珪スラグ、脱リンスラグ)、転炉スラグ、電気炉スラグ、ステンレススラグ等の溶鋼を溶製するために利用するあらゆる精錬容器で形成されたスラグである。
【0024】
本発明の第4にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質は、炭酸化処理された鉄鋼スラグが含まれているものである。鉄鋼スラグは植物の栄養源となるカルシウム分を多く溶出・抽出させることが可能であるが、鉄鋼スラグ中の未滓化カルシウムを二酸化炭素含有ガスと接触させ炭酸化反応を行い、炭酸カルシウムにさせた炭酸化処理後の鉄鋼スラグをミネラル含有物質として使用することで、カルシウム以外にマグネシウム、ケイ素、リン、鉄等のミネラル分を効率良く溶出・抽出させることが可能となる。
【0025】
本発明の第5にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル補填材が含まれている特徴を持つ。ミネラル補填材は、ミネラル含有物質中に含まれることで、ミネラル分を選択的に多く溶出・抽出させることを可能とする。ミネラル補填材として、例えば、鉄鋼ダスト、貝殻、石灰等のカルシウムを含む無機物、有機物、また、鉄鉱石、鋼、鉄粉等の鉄分を含んだ物質、また、リンを含む無機物、有機物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0026】
本発明の第6にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、キレート作用促進材が含まれているものである。キレート作用促進材を人工ミネラル供給材へ含有させることで、ミネラル含有物質から溶出するミネラル分をイオン交換物質で吸着させる効果を促進させる。
【0027】
本発明の第7にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、キレート作用促進材は、酸性を示す固体、もしくは液体であればよく、例えば、人工腐植土、バーク堆肥、腐葉土、赤土等のような酸性を示す土でもよく、木酢液、竹酢液等の酢液、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等の無機酸、酢酸、クエン酸等のカルボン酸基を有する化合物、リン酸、ホスホン酸等の有機リン化合物、スルホン酸基を有する化合物のような酸性を示す液体などが挙げられ、これらに限定されない。
【0028】
本発明の第8にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、人工腐植土、もしくは人工腐植土から抽出された液体が含まれ、イオン交換機能を有していることを特徴とする。
【0029】
本発明の第9にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質の一例として使用する人工腐植土は、バーク堆肥、ピートモス、腐葉土、もしくは未分解の草木、樹木のチップ、または、工場、事業所から排出される排水,下水道終末処理場における下水、し尿、家畜排泄物のばっ気処理、発酵処理によって得られる汚泥及びその処理物の少なくとも1種以上が含まれる有機質資材を酸性液体で養生し生成された腐植土を1種または2種以上混合して使用することが好ましい。人工腐植土を製造するために必要な酸性液体は、酸性を有する液体であれば良く、例えば木酢液、竹酢液等の酢液、塩酸、硫酸、硝酸、等の無機酸、酢酸、クエン酸等のカルボン酸基を有する化合物、リン酸、ホスホン酸等の有機リン化合物、スルホン酸基を有する化合物等が挙げられ、これらに有機質資材を浸すことで短時間で腐植物含有量を高めることが可能である。
【0030】
本発明の第10にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、バーク堆肥、腐葉土、赤土、ピートモス、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト等の陽イオン交換容量が高い物質、もしくは陰イオン交換容量が高い物質を1種、または2種以上配合されているものであり、これらをミネラル含有物質に配合させることで、人工ミネラル供給材から溶出されるミネラル分を溶存態として保持させることが可能となる。
【0031】
本発明の第11にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、イオン交換物質は、土壌中の全炭素に対する全窒素の含有比率つまりC/N比が10以上、有機物含有量が70%以上、pH(H2O)が−1.1〜9.0、土壌中の硝酸態窒素、塩素等の濃度を示す電気伝導度が2.0mS/cm以下の値のものを用いる。
【0032】
本発明の第12にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物を、ゲル化剤、増粘剤・糊料、安定剤によってゲル状にしたものを用い、添加量で重量比1〜50%混合することで該混合物からのミネラル分の溶出・抽出量を調整し保持することを特徴とする。
ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物をゲル化することで、人工ミネラル供給材から溶出・抽出されるミネラル分を調整することが可能であり、さらに長期的に動植物へミネラル分の供給させることが可能である。
ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物をゲル化させる方法としては、アルギン酸エステル等のアルギン酸塩、ゼラチン、寒天、カラギーナン、ペクチン等の動植物性由来の粘液質、デンプン、セルロース、グリコーゲン等の増粘剤・糊料、ペンナイト,ガム等の安定剤を用いることで可能となる。
【0033】
本発明の第13にあっては、第1の発明に係る人工ミネラル供給材において、ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物を、光合成でより効率的にCO2を固定するトウモロコシ、サトウキビ、ソルガム、ススキ、キビ、シコクビエ、ギニアグラス、ローズグラス、ニクキビ等のC4植物資源由来のプラスチックで成型したものを用いることで微生物による分解スピードを調節でき、該混合物からのミネラル分の溶出・抽出量を調整し保持することを特徴とする。天然植物資源由来のプラスチックは、最終的に水と二酸化炭素に完全に分解するため、通常のプラスチックに比べて自然環境への負担が少ない。
【実施例】
【0034】
ミネラル含有物質として脱リンスラグと炭酸化処理された脱リンスラグ(以下、「炭酸化スラグ」と称する。)を採用した。各々の物性値を[表1]に示す。また、イオン交換物質として人工腐植土を選択した。人工腐植土は樹木のチップを木酢液に浸漬させた人工的な腐植土壌である。
【表1】

【0035】
さらに、本発明による効果を検証するために、配合条件を変えた人工ミネラル供給材を土壌に施肥した後、植物の種を播種し、成長量とクロロフィル蛍光反応を比較した。
【実施例1】
【0036】
ミネラル供給物質として脱リンスラグ、イオン交換物質として人工腐植土を選択し、各々の配合比を変えた人工ミネラル供給材を作成し、pHを測定した。また、その人工ミネラル供給材を施肥した土壌に、トールフェスクを播種し、5ヶ月後の成長量と植物の活力度の一つの指標であるクロロフィル蛍光反応を測定した。クロロフィル蛍光反応は植物に与えた光エネルギーに対して、どれだけの光を光合成に活用したかを表す比率である。
その条件及び結果を[表2]に示す。
比較例1に対し、実施例1−1〜3の全ての植物において、成長量とクロロフィル蛍光反応の増加が確認できた。また、実施例1−4では、クロロフィル蛍光反応の増加が確認できた。
【0037】
【表2】

【実施例2】
【0038】
ミネラル供給物質として炭酸化スラグ゛、イオン交換物質として人工腐植土を選択し、各々の配合比を変えた人工ミネラル供給材を作成し、pHを測定した。また、その人工ミネラル供給材を施肥した土壌に、トールフェスクを播種し、1ヶ月後の成長量を測定した。
その条件及び結果を[表3]に示す。比較例2に対し、実施例2−2〜4では、成長量とクロロフィル蛍光反応の増加が確認された。また、実施例2−1では、クロロフィル蛍光反応の増加が確認できた。
【0039】
【表3】

【実施例3】
【0040】
本発明による人工ミネラル供給材からミネラル溶出がなされていることを確認するために溶出試験を実施した。
【0041】
以上述べた脱リンスラグ、炭酸化スラグ、人工腐植土を、それぞれ配合して試料を作成した。その試料を[表4]に示す。
溶出試験は、作成した試料40gを透水性のある布に詰め、純水400gに浸漬し、撹拌機を用いて60rpmで24時間以上撹拌を行った。溶出試験終了後、その溶媒の溶出成分の分析を行った。P、SiはICP−AES、Ca2+、Mg2+はイオンクロマトグラフィ、Fe2+は吸光光度法で分析を行った。その結果を[表4]に示す。人工ミネラル供給材よりP、Si、Ca2+、Mg2+、Fe2+ が溶出していることを確認できた。
【0042】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によって、公共工事や酸性雨等によって植物に必要なミネラル分が不足している地域において、減少・消失した自然循環機能を効率良く回復させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物が生育するのに不可欠であるミネラル分が不足している陸域に対して適用する材料であって、
CaOが6.0質量%以上70質量%以下、T−Feが3.1質量%以上、
P2O5が0.3質量%以上、Al2O3が4.8質量%以下であるミネラル含有物質と、
イオン交換物質の混合物であることを特徴とする人工ミネラル供給材。
【請求項2】
ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物のpHが8.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項3】
ミネラル含有物質は、鉄鋼スラグが含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項4】
ミネラル含有物質は、炭酸化処理された鉄鋼スラグが含まれていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項5】
ミネラル含有物質は、ミネラル補填材が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材
【請求項6】
イオン交換物質は、キレート作用促進材が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項7】
キレート作用促進材は、酸性を示す固体もしくは液体が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項8】
イオン交換物質は、人工腐植土、もしくは人工腐植土から溶出・抽出された液体が含まれ、イオン交換機能を有していることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項9】
人工腐植土は、バーク堆肥、ピートモス、腐葉土、もしくは未分解の草木、樹木のチップ、または、工場、事業所から排出される排水,下水道終末処理場における下水、し尿、家畜排泄物のばっ気処理、発酵処理によって得られる汚泥及びその処理物の少なくとも1種以上が含まれる有機質資材を酸性液体で養生し生成された腐植土を1種または2種以上混合して使用されていることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項10】
イオン交換物質は、陽イオン交換容量が高い物質、もしくは陰イオン交換容量が高い物質を1種、または2種以上配合されていることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項11】
イオン交換物質は、C/N比で10以上、有機物含有量が70%以上、pHが−1.1〜9.0、電気伝導度が2.0mS/cm以下の値のものが含まれていることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項12】
ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物を、ゲル化剤、安定剤、増粘剤・糊料を1種類以上を用いることによってゲル状にしたものを用い、該混合物からのミネラル分の溶出・抽出量を調整し保持することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。
【請求項13】
ミネラル含有物質とイオン交換物質の混合物を、C4植物資源由来のプラスチックで成型したものを用い、該混合物からのミネラル分の溶出・抽出量を調整し保持することを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の人工ミネラル供給材。

【公開番号】特開2013−81441(P2013−81441A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225351(P2011−225351)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【出願人】(000170646)国土防災技術株式会社 (23)