説明

人工天空装置の人工太陽

【課題】 人工天空装置の人工太陽装置において、色々な大きさの反射鏡や、色々な種類の光源を具備した人工太陽装置に交換をする場合に、容易に交換できるように構成した。
【解決手段】 人工天空装置のドーム内壁部にそって、円弧軌跡を描きながら昇降される人工太陽装置Sにおいて、該人工太陽装置Sは円弧状の反射鏡1と、該反射鏡1の焦点位置に配置した光源2により構成し、該反射鏡1の裏面に嵌装突起3を突出し、該嵌装突起3を、人工太陽取付金具5に設けた被嵌装部4に嵌装して、ストッパーピン6を挿入することにより、人工太陽装置Sを人工太陽取付金具5に対して脱着可能とした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四季における太陽光線の照射環境を実験可能とした人工天空装置の人工太陽の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】人工天空装置の人工太陽に関しては、同一出願人より、特開平4−212035号公報や、特開平4−121777号公報の如き技術が公知とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人工天空装置の人工太陽を、色々な大きさの反射鏡や、色々な種類の光源を具備した人工太陽装置に交換をする場合に、容易に交換できるように構成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。人工天空装置のドーム内壁部に沿って、円弧軌跡を描きながら昇降される人工太陽装置Sにおいて、該人工太陽装置Sは円弧状の反射鏡1と、該反射鏡1の焦点位置に配置した光源2により構成し、該反射鏡1の裏面に嵌装突起3を突出し、該嵌装突起3を、人工太陽取付金具5に設けた被嵌装部4に嵌装して、ストッパーピン6を挿入することにより、人工太陽装置Sを人工太陽取付金具5に対して脱着可能としたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明する。図1は人工天空装置の全体側面断面図、図2は人工太陽装置Sの側面図、図3は人工太陽装置Sの脱着機構を示す図面、図4は人工太陽装置Sの照射光線を示す図面である。
【0006】図1において、人工天空装置の全体構成を説明する。人工天空は全体を半球状のドームDにより構成しており、該ドームDの内側の面をすべて被覆すべく、円及び四角の照射面をもつ照射ユニットUが敷き詰めるように配置されている。該照射ユニットUにはユニット光源20が配置されている。その他に、演出用照明11と遮光パーテーション17とが設けられている。人工天空装置の中央には、クロスリンク式昇降機構16を介して、昇降台15が配置されており、該昇降台15の上に、回転機構Nを介して、人工地面14が支持されている。
【0007】前記昇降台15と回転機構Nとにより、昇降と回転を可能とした人工地面14の上に、模型住宅Hが配置されており、該模型住宅Hの内部への日照の影響を、1年中の何日の何時までシミュレーション出来るように構成している。前記人工地面14には支持杆13を取り付けられるようにし、該支持杆13の先端に椅子12を配置し、観測者がこの椅子12の上において観測できるように構成している。該椅子12は人工地面14と共に、昇降と回転を行うので、模型住宅Hに対して、常に同じ位置で見ることが出来るのである。このように構成したドームDの外側に円弧状支持支柱Mを配置し、該円弧状支持支柱Mにそって、人工太陽装置Sが昇降されるように構成している。
【0008】次に図2と図3と図4において、人工太陽装置Sの構成を説明する。人工太陽装置Sは、反射鏡1を保護する支持枠29を具備している。該支持枠29より、反射鏡1の反射照射側の面に光源2を支持するステイ30を突出している。該ステイ30の中央位置に光源2が支持されている。また該ステイ30の内部を電源コード31が通過しており、該電源コード31の他端には、差込みプラグ10が設けられている。該差込みプラグ10を、人工太陽支持杆8に設けられたコンセント9に差し込んで電力を得ている。
【0009】該コンセント9への電力は、円弧状支持支柱Mに設けられた電力供給板に集電サッシが接触しながら上下することにより、電力を人工太陽支持杆8の側に送電可能に構成している。また、円弧状支持支柱Mを上下する昇降駆動機構に、スライド面体22が固定されており、該スライド面体22に、スライドベアリング機構24を介して、左右に摺動可能板23が支持されている。該摺動可能板23から人工太陽支持杆8が突出されており、該人工太陽支持杆8は、照射ユニットUの間に構成された狭いガードレール21・21の間を上下に昇降可能としている。
【0010】この場合、人工太陽がガードレール21・21の間を昇降する途中で、左右に揺れてしまうことがあるので、この揺れをスライドベアリング機構24により吸収しているのである。前記人工太陽支持杆8の先端に、嵌装ストッパー軸27・27とピン孔26が設けられており、取付板7に設けられた挿入切欠孔7aが、前記嵌装ストッパー軸27・27に嵌入して、ピン孔26と取付板7のピン孔7aが合致した位置で、固定螺子25を螺装して、取付板7と人工太陽支持杆8を固定している。
【0011】前記取付板7に人工太陽取付金具5が固定されており、該人工太陽取付金具5に被嵌装部4が固定されている。該被嵌装部4は実施例では凹部状に構成されており、側面に固定螺子挿入孔28・28が穿設されている。また、前記被嵌装部4は円形の凹部に構成されているが、中央に線状の溝4aが穿設されており、該知りに嵌装突起3の線状突起3aが嵌入して、人工太陽装置Sの回り止め部分を構成している。
【0012】そして、嵌装突起3にも、ストッパーピン6の挿入孔3bが穿設されている。前記被嵌装部4の固定螺子挿入孔28・28と、嵌装突起3の挿入孔3bと合致した状態で、ストッパーピン6を螺装して、人工太陽装置Sと人工太陽取付金具5とを固定しているのである。故に、ストッパーピン6を抜き出すことにより、簡単に、人工太陽装置Sと人工太陽取付金具5とを外すことができるのである。また、前記固定螺子25を外すことによっても、人工太陽装置Sと人工太陽取付金具5を一体的に構成したままで、脱着することが出来るのである。
【0013】図4においては、本発明の人工天空装置の人工太陽による平行光線の照射状態を図示している。光源2は反射鏡1の焦点の位置に配置されて光を反射鏡1の内面に向けて照射しており、該反射鏡1の内面の球内面により、光源2から出た光線が平行光線となって、人工地面14の上の模型住宅Hに照射されるのである。人工太陽装置Sの位置は、前述の円弧状支持支柱Mの位置に配置された牽引チェーンにより昇降が出来るように構成されており、人工太陽の位置は円弧状支持支柱Mの位置で同じであるが、模型住宅Hの位置を人工地面14により変更することにより、何年・何月・何日・何時・何分の位置の太陽の照射状態を作り出すことが出来るのである。
【0014】
【発明の効果】本発明は、以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。第1に、人工太陽装置Sの嵌装突起3と、人工太陽取付金具5の側の被嵌装部4の間で、人工太陽装置Sを簡単に脱着可能に構成したことにより、反射鏡1の大きさの相違する人工太陽装置Sや、光源2の強さや種類の相違する人工太陽装置Sに取り替える場合に、ストッパーピン6を外すことにより、簡単に脱着が出来るようになったのである。第2に、人工太陽装置Sを使用しないで、照射ユニットUのみにより人工天空装置を使用する実験の場合に、邪魔となる人工太陽装置Sを簡単に外すことが出来るようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工天空装置の全体側面断面図。
【図2】人工太陽装置Sの側面図。
【図3】人工太陽装置Sの脱着機構を示す図面。
【図4】人工太陽装置Sの照射光線を示す図面。
【符号の説明】
D ドーム
S 人工太陽装置
M 円弧状支持支柱
H 模型住宅
U 照射ユニット
1 反射鏡
2 光源
3 嵌装突起
4 被嵌装部
5 人工太陽取付金具
6 ストッパーピン
7 取付板
8 人工太陽支持杆
9 コンセント
10 差込みプラグ
14 人工地面
15 昇降台

【特許請求の範囲】
【請求項1】 人工天空装置のドーム内壁部に沿って、円弧軌跡を描きながら昇降される人工太陽装置Sにおいて、該人工太陽装置Sは円弧状の反射鏡1と、該反射鏡1の焦点位置に配置した光源2により構成し、該反射鏡1の裏面に嵌装突起3を突出し、該嵌装突起3を人工太陽取付金具5に設けた被嵌装部4に嵌装して、ストッパーピン6を挿入することにより、人工太陽装置Sを人工太陽取付金具5に対して脱着可能としたことを特徴とする人工天空装置の人工太陽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平10−268758
【公開日】平成10年(1998)10月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−70988
【出願日】平成9年(1997)3月25日
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)