人工授乳乳首先端
ベビー授乳人工乳首には、流体を前記乳首の中を通して運ぶための1つ又はそれ以上の開口が形成される。乳首は、変化する吸込み状態に応答して可変流量を可能にする材料で構成且つ形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、幼児のような授乳の目的のために瓶と一緒に用いられる人工乳首に関する。
【背景技術】
【0002】
母乳のメリットは、科学文献でよく証明されている。栄養的利点、免疫的利点、心理学的な利点及びその他の一般的な健康上の利点を含む多数の利点が知られてきた。人工乳又は配合物は比較して人間の母乳のメリットは理想的な栄養含有物、よりよい吸収、より少ない食物関連アレルギー、もっと有利な心理的発達、よりよい免疫防御、及び実質的な経済的利点を含む。排他的な母乳に対する他の利点は、適正な歯並び及び他の関連した恩恵をもたらす幼児の口腔発達に及ぼす積極的な効果を含む。
【0003】
しかしながら、種々の理由のために、排他的な母乳は常に可能ではない。この1つの例は、養母が幼児に授乳するのに十分な母乳を出すことができない場合である。この様な場合には、人工乳が母乳を補給するのに使用される。仕事に戻る養母は搾乳器を使用して後で幼児に与えるべき乳を絞る。幼児に人工配合物又は前に絞った母乳をやる場合には、人工乳首を備えた瓶を使用して幼児に授乳するのが普通である。
【0004】
母乳の機械的な視点は人工栄養のものと比較して著しく異なる。母乳のベビーでは、舌の作用がローリング又は蠕動運動のものであるように見える。しかしながら、人工栄養のベビーの舌の作用はしばしばよりピストン状又は圧搾運動であると考えられる。端に大きな穴を有する人工乳首の付いた瓶からミルクの沢山の流れを止めるために、幼児は無理やり舌を乳首の穴に向かって上方に上げて配合物が前方に噴出するのを防止する。舌のこの異常な動きは舌スラスト又は逸脱的飲み込みと称される。母乳ベビーが吸い込んでいない又は飲み込んでいないとき、母乳ベビーは、乳首を舌で適度にへこませて休む。人工栄養ベビーは、乳頭を拡張させ、即ち舌をへこませて休む。舌の動きと舌の休み位置の間及び母乳ベビーと人工栄養ベビーとの間の違いはおそらく人工乳首の性質による。
【0005】
過去には、人工乳首は、一般的には、ラテックスで作られ、そしてたった1個の単一孔しか有していなかった。孔は、孔を拡げる又はラテックスに孔を開ける、高温針の様な器具を使用することによって流体の流れを増すために孔を拡張し、あるいは新しい孔を開ける。既存の孔を拡張すること又は新しい孔を加えることは、幼児に必要な又は幼児に取って望ましい流量を増すためになされる。ベビーが授乳中に要求する乳の量はベビーのサイズ(成長)、食欲、又は栄養状態によって変わるかもしれない。
【0006】
シリコーン乳首は益々普及してきた。シリコーン乳首は裂け易い性質を有している。したがって、既存の孔を拡張すること又は追加の孔を開けることは非常に実行可能でない。その結果、シリコーン乳首は、種々の流量が追加の又は大きな孔で提供される。
既存の人工乳首の望ましくない効果は、ベビーが吸引力又は負圧を人工乳首に付与するとき比較的一定の最大流量を含む。人工乳首は、流量の増減を望むとき交換しなければならない。
【0007】
異なる流量のために異なる乳首の必要を減じ又は除去することに加えて、ベビーから野負圧のような吸込みの変化に応答する可変流量を提供する人工乳首を有することが望ましい。本発明は、取り分け、この望みを満たすと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、乳を、吸引レベルのような変化する母乳状態に応答して可変に流れさせる人工乳首を提供することにある。本発明の更に他の目的は、乳首に如何なる修正をもなすことなく単一の人工乳首開口で可変の流量を提供することにある。本発明の更に他の目的は、吸込み作用(例えば吸込み力、圧力等の量)に応じて液体の流れを可能にするように仕立てられたダクト及び又は開口を有する人工乳首を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの側面では、ベビー授乳装置は、流体を乳首の中を通して端開口(孔、穴又はオリフィス)まで運ぶための1つ又はそれ以上のダクトを形成した乳首を含む。1つの形態では、流量はベビーが人工乳首に付与する吸引(又は負圧)の変化に応答する。本発明の特定な側面では、乳首は、約10よりも小さく、ダクト開口又は乳首穴の領域では1以下のショアA硬度であるのがよい。特に、ショア00スケールでは、約20ないし約45の範囲が現在の所最も望ましいと考えられる。乳首の開口は、幼児の吸引作用、口の中での乳首の伸長量、クランプ力、及び送出量に影響を及ぼす他のファクターのような、1つ又はそれ以上の吸込み基準に応じて第1流量に順応するように寸法決めされる。乳首開口を構成する材料は、上記の基準の1つ又はそれ以上の増大のような、要求されるときより大きな流量のために開口の直径を拡張するように仕立てられる。ここに記載する乳首のための軟質で大変可撓性の材料は乳首開口のこの可変の拡張に順応する。
【0010】
乳首は、1つ又はそれ以上の細長いダクトを含むのが良い。流体ダクトは、他の変形例では乳首の中心軸線に関して半径方向にさらに片寄せられるのがよい。さらに、ダクトの端開口はダクト自身の中心軸線に対して半径方向に片寄せられてもよい。拡張する乳首開口の概念に関して、開口の数及び配列は望に応じて多様性を受ける。
【0011】
上記に加えて、少なくとも、ここに言及される比較的低デュロメータ乳首材料の使用の結果、乳首の他の側面は、乳首の全体の機能を最適にする上で有用になり、且つ乳首の流量の調整を設計及び又は行うときに有用な調整可能なパラメータを提供することが見いだされた。特に、ダクトの長さだけを変えることによって、又は変形れいでは、乳首の孔直径又は乳首の他の側面と組み合わせて流量及び負圧の変化に対する乳首の反応を調整することが可能になる。ここでもっと詳細に記載されたように、低デュロメータ材料により、乳首の流量を、乳首に付与される負圧の関数として変化させる。この見地に照らして、そして先行技術の乳首と対照的に、乳首ダクトの軸線方向長さを変えることは、乳首の中の流れ特性に望ましい変化を与える。理論によって制限されたくないが、比較的短いダクト長さは負圧の付与に応答して広範囲の流れを提供する。低デュロメータ材料のために、乳首ダクトを乳首への負圧の付与に応答して拡張させる。乳首ダクトを長くすると、流量は、拡張するのにダクトのより大きい長さが要求されるために、乳首への負圧の付与に応答して比較的低又は小さな可変である。したがって、乳首を、乳首の孔直径又はショア硬度を変えるのではなく比較的長いダクトを設けることによって変化のより小さい又は小さい流量を有するように設計することが可能であり且つ望ましいかもしれない。当然のこととして、本発明においてより長い又はより短いダクトを設けることの効果は、異なるデュロメータ乳首材料を設けること、そして例えば、異なる直径の乳首孔を設けることの効果と相互に影響し合うと期待される。本発明の好ましい実施形態の他の相互に影響し合う側面は、乳首への負圧の付与中乳首の伸び及びそれに対応するダクトの伸びを含む。伸びの量は、一部が軸線方向のダクト長さの変化並びに半径方向横断面積の変化により流れ特性に影響を及ぼす。
【0012】
1実施形態では、乳首は、単一の乳首部分及び一体の取付け部分を含む。取付け部分は乳首部分のショアA硬度と同じショアA硬度を有する材料で形成されるが、この実施形態では、取付け部分は、乳首部分のショアA硬度よりも比較的高いショアA硬度を有する材料で形成される。これは、例えば、容器との取付けのためのより硬い構造を提供する。
【0013】
他の形態では、乳首は乳首端及び本体部分を含むのがよい。本体部分は、これに形成されたベント又は多ベントを含む。ベントは大気と連通した水平な通路と、第1端が水平な通路と、第2端が乳首の内室と連通した垂直通路と、を含む。
【0014】
本発明の他の側面は、約10よりも小さいショアA硬度を有する材料で形成された実質的に中実の乳首を提供し、乳首の先端に又はその近くに若しくは端に、流体を乳首端を通して運ぶための1つ又はそれ以上の拡張可能なダクト及び又は開口を有し、最も好ましくは、ダクトが全体的に中実の乳首部分を貫いて延びる。
【0015】
勿論、乳首は、中実又は実質的に中実である必要はない。拡張するオリフィスの概念は、オリフィスを構成する領域が適当な可撓性を有する在来の中空設計に効果的である。
本発明の他の側面は、流体を乳首の中を運ぶための1つ又はそれ以上の細長いダクト及び流量増加部を有する乳首を含むベビー授乳装置を提供する。1つの流量増加部は、乳首が半径方向に圧縮され及び軸線方向に伸長される一方又は両方であるとき、1つ又はそれ以上のダクトの中の流体の流通を提供する。流体の流量は吸引又は負圧の変化に応答する。流体の流量は、負圧に比例して、逆比例して、等しく、又はこの連続に沿うどこかに応答するように調整することができる。例えば、幼児が人工乳首に加える吸引を増すと、ダク及び又はダクトの終端は拡張し、流体の流量が増す。他の例として、幼児が人工乳首に加える負圧を減ずると、ダクト及び又はダクトの末端は収縮し、流体の流量は減ずる。
【0016】
ダクトは、円形開口とともに横断面が丸いのがよい。ダクトは長手方向スリットで終わるのがよい。他の実施形態では、ダクトは「S」形スリット又は「Y」形スリットで終わってもよい。他の可能性が存在する。
【0017】
本発明の顕著な特徴は、1つの形態では、乳首端部分の非常に低いデュロメータ材料であると考えられる。その材料は、吸込みが、より大きな負圧での大きな流量且つまた小さい負圧での小さい流量の両方が幼児による操作でどのように振る舞うか。好ましい実質的に中実の実施形態における細長いダクトは、この非常に低いデュロメータ材料で、先行技術の人工乳首よりも母の乳首に大変よく似て反応するように見える。幼児はまた乳房での授乳を大変思い出させる方法で延びている部分の遠位端を取り囲み且つこれから外方に延びる柔らかい領域に接すると信じられる。先行技術の人工乳首と違って、本発明により、乳首の流体流れ特性を負圧の変化に応答させる。乳首の低デュロメータ材料は本発明の他の特徴と組み合わせて、例えば、幼児の吸込みによる比較的高い負圧で高い流体流量を可能にする。
【0018】
ここで明らかにされるように、軟質の可撓性乳首に取って最も好ましいデュロメータは約ショアA5又はそれ以下の範囲内にあると考えられる。これは最も好ましくは、約ショア0020ないし45である。後者の範囲以下でも有用である。
【0019】
吸込みによる伸縮の範囲では、この乳首の望ましい結果を見る他の方法は、乳首材料の延びをとおしてである。乳首の細長い部分に大変有用であると見られた材料は、最も好ましい実施形態おいて300%の延びで、ほぼ40psi又はそれ以下の応力を示した。
【0020】
本発明の他の形態では、仕立てられた流量は、種々の直径を有する多乳首ダクト及び又は開口の使用により達成される。各開口タイプは、吸込み作用に応答することによりそれ自身の特性を有する。あるダクト/開口は、例えば、ある閾値負圧(吸引)の付与の際にのみ開くように調整することができる。かくして、月日の経っていないベビーのために、あるダクトだけが流体を運び、他のダクトは、もっと力、圧力等を付与する月日の経っているベビーのために開く。
【0021】
本発明のこの形態では、多ダクト及び又は開口は、拡張する形態について記載した大変軟質の可撓性材料で形成される必要はないが、1つ又はそれ以上の吸込み基準に差動的に応答するバルブ機構又は他の流体流れに影響を及ぼす機構、若しくは差動的に応答する一種類のバルブ機構をもって設計される。
【0022】
これらの目的及び利点は、他の目的及び利点とともに、以下にもっと完全に説明するように発明の構成及び操作の詳細がさらに理解されよう。本発明の一部をなす添付図面を参照するが、同じ番号は全体を通して同じ部分を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は瓶又は袋のような容器と一緒に使用するための、全体的に10で図示した乳首の実施形態を示す。乳首10はどんな適当な材料で作られても良いが、好ましい形態では、シリコーンゴムのようなシリコーン材料で作られる。好ましくは、乳首材料はシリコーンであるのが良いが、ポリイソプレンのような熱可塑性エラストマー(TPE)、哺乳に適合するその他のような他の材料であってもよい。
【0024】
人間の哺乳環境で説明されているが、本発明は流体を非幼児等に与える動物給餌により広い応用を有することは気づかれるであろう。
【0025】
図1に示すように、乳首10は、2つのサブパーツで形成され、サブパーツは、幼児の口への挿入のための及び取り付けられる瓶(図示せず)から流体を運ぶための、近位端の実質的に中実の乳首部分12を含む。表示語である近位及び遠位はここでは、使用者(例えば、幼児)に関して選択される。乳首部分はほぼ円筒形の実質的に中実体である。しかしながら、乳首は「オルソダンティク(orthodontic)デザイン」のような他の形状であってもよいことは理解される。本出願の目的のために用語「実質的に中実」は、完全に中実(即ち、流会を運ぶための1つ又はそれ以上の一般的に細いダクトの存在を除いて気孔又は中空を含まない)から、貫いて形成された1つ又はそれ以上のダクトを含む側壁によって構成された中空内部を有しているまでの範囲と広く定義される。ダクトは、半径幅よりも著しく大きい長手方向長さを有する。理解されるように、完全に中実な構造を必要としない本発明のこの観点の「中実」乳首部分12には、ある機能的な特質がある。その上、本発明の乳首は、中実であることを全く必要としない、それは、1つの好ましい態様である。ここに記載する本発明の第1の形態では、軟質の可撓性材料は、可変直径のダクト及び又は穴構造の利点を得るために穴を構成する領域に設けられさえすればよい。
【0026】
好ましくは、乳首部分12を作る材料は実質的に約1ないし20の範囲内にあるデュロメーターA(又はショアーA)硬度を有する。もっと好ましくは、第1の材料は、1ないし約3の範囲内にあり、又はショアー00スケールに切り替えると、最も好ましくは、約20ない約45の範囲にあるデュロメーターA硬度を有する。それにもかかわらず、後者の範囲以下でも意図した効果を生ずる。文体「Xより小さい」又は「約Xより小さい」の使用はXを含むことが理解されよう。
【0027】
乳首10は、その遠位端に形成された第2サブパーツ又は取付け部分14を含み、この取付け部分は、容器に流体密方法で取り付けられるように設計されている。変形例として、二次カラー又は同様の取付けピースを使用して乳首10を容器に取付けてもよい。取付け部分14を作る材料は、好ましくは、乳首部分12と同じ又はそれよりも大きいデュロメーター硬度からあるデュロメーターA硬度を有する。1つの実施形態では、取付け部分14は約1ないし約100の範囲内であるデュロメーターA硬度を有する。もっと好ましくは、取付け部分14の材料は、実質的に約20ないし約90の範囲内にあり、更にもっと好ましくは約70ないし約90の範囲内にあるデュロメーターA硬度を有する。
【0028】
図1に図示した乳首部分12は複数のダクト16を含む。たった1つを含むどんな数のダクト16を使用しても良い。ダクト16は乳首部分12の材料に形成された長手方向(軸線方向)通路である。各ダクトは乳首10の内室20と連通している内側開口18を含む。各ダクトは乳首10の外部に通じる外側開口22を含む。流体は内室20から、内側開口18に流入し、ダクト16の中を通り、外側開口22から流出する。
【0029】
フランジ状スカート又は移行部材24が、乳首部分12から取付け部分14の上環状面26までほぼ半径方向に延びる。取付け部分14の主本体28は僅かに凹面円筒体30で形成されるのがよいが、この凹面は要求されない。取付け部分14の下部32は、内リップ34と、下リップ36と、それらの間に構成された内溝38と、を含む。下部32は、容器(図示せず)に受け入れられるように弾性的に形成され、内溝38は、容器の対応する相手部に、例えばスナップ嵌め、ネジ取付け等で嵌められる。
【0030】
乳首10は、単一の一体パーツとして形成されてもよいし、或いは2つ又はそれ以上のパーツから互いに接合されても良い。この図示した第1実施形態では、乳首10は2つ之パーツから接合部40によって形成される。接着剤結合、ヒート結合、化学結合、接触結合超音波溶着、又は他の適当な方法が接合部を互いに保持する。乳首10を形成する、例えば、成形、キャスティング、又はツーショット成形のようなどんな適当な方法でも採用できる。
【0031】
図2は他の僅かに異なる実施形態及びダクト116の配列を示す。ダクト116の数はは、個々のダクト6個からなるが、任意適当な数のダクトが考えられる。ダクトは、三角形のパターンに配列され、三角形の各頂点は乳首の中間又中心軸線から同じ様に隔てられている。2つのダクト116はスト組をなし、そして中心軸線から一列に半径方向外方に配列されるように位置決めされる。流体を乳首110の中を効果的に運ぶダクトの他の配列が考えられ、これは、たった1つのダクトである。以下で論ずるように、ダクト116は、例えば、丸い穴、スリット、のみ形穴、「S」形孔又は「Y」形孔(図示せず)、若しくは他の適当な末端孔形状で終わる。ダクトの各々の末端は、スリットであろうと他の形状であろうと、弁として機能する。
【0032】
図2の図示下実施形態では、乳首110も2パーツ構造で形成される。乳首部分112は再び、中空のドーム形本体115まで延びる実質的に中実の乳首端113を含む。乳首部分112は上記のものと同様であり、即ち貫いて延びる複数のダクト116を含む実質的に中実の乳首部分112である。本体115は、乳首112の基部から外方に広がり、そして瓶(図示せず)に連結するためのカラー142に連結する。
【0033】
図3は、乳首端構造についての他の形態を示し、ダクト16(又は事実ここに記載した他のダクトのいずれか)が小さい直径の出口692で終わるほぼ円筒形の内キャビティを有する。図7はこのような構造の端面図を示す。
【0034】
図4は、ダクト16ののみ形末端部を示し、その向かい合った側壁692a及び692bはスリット693で終わり、このスリットは図5に側面図で、また図6で端面図で示されている。
【0035】
図5は、乳首ダクト16の他の末端構造を示し、これはまたスリット693で終わっているのみ形692a及び692bを有する。窪み695内に構成された外側側壁694a及び694bはダックビル形体をこの構造に与える。
【0036】
図4−6のこれらの末端構造の全ては乳首からの流体の流出を考慮に入れているが、一般的には、(又はある構造では、実質的に完全に)乳首への逆流を防止する。
【0037】
上記のタイプの中実型乳首の構造の更なる詳細は、2003年10月29日に出願された米国出願第10/696,910号から収集しることができ、これをここに援用するが、この様な引用は、ここで既に提供した開示及び発明の特徴に照らして必要であるとは思われない。
【0038】
他の実施形態では、図8及び9に示す発明の形態から、同じ多使用概念が同じ乳首に種々の開口を使用して果たすことができる。この形態では、開口22a、22b,22cは各々異なる直径を備えている。この実施形態では、同じ可撓性の軟質材料が上述したように、少なくとも穴を構成する領域に使用される。
【0039】
今図10に目を向けると、乳首ダクト開口(孔、末端部、又は穴)が、第1の状態で、例えば、流体が、幼児の吸ったり引いたりの第1レベル状態の下で流れるような状態で示されている。この第1状態では、開口22は直径d’を有する。第1レベルよりも大きい、乳児の吸ったり引いたりの第2レベルの適用時には、開口22はより大きい直径d’’まで伸びて(図11参照)より多くの流体流れを許す。ここに記載した軟質の可撓性材料は穴直径のこの変更を可能にすることができる。
【0040】
上記のように、種々の基準が、所望される流体流量を決定するダクト及び又は端開口によって確立される。これにより、製造されるべき単一の乳首がある範囲の吸込み条件にそって使用を可能にさせる。
【0041】
しかしながら、開口並びに関連したダクトのこの多様性を在来の硬質又は非可撓性乳首に提供してもよいことは理解されよう。したがって、開口及びダクトの構造は、1つ又はそれ以上の吸込み基準に応じて、例えばバルブの使用によって或いはもっと簡単な流体流れ抵抗によって、流体流れを種々可能にするようにする。例えば、図5に示すあひるのくちばし型構造は、各々の場合に、あるレベル又は所定レベルの負圧の適用の際にのみ開くように修正されても良い。ある場合は第1圧力レベルで流れを許し、他の場合は第2レベルに達したときに流れを許す。
【0042】
かくして、本発明をある好ましい実施形態について説明したが、修正、置換及び他の変更をなすことができ、これらは、請求の範囲に記載されているように発明の意図した範囲に依然として属することが当業者によって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による1実施形態の断面図である。
【図2】本発明による別の実施形態の斜視図である。
【図3】乳首ダクト及び開口形状の拡大断面図である。
【図4】乳首ダクト及び開口形状の拡大断面図である。
【図5】乳首ダクト及び開口形状の拡大断面図である。
【図6】乳首の内側から見たある乳首開口の配列を示す図である。
【図7】乳首の内側から見たある乳首開口の配列を示す図である。
【図8】種々のサイズの開口を有する他の乳首端の部分の拡大部分断面図である。
【図9】図8の実施形態の拡大平面図である。
【図10】穴を第1状態で示す乳首端の拡大部分の平面図である。
【図11】穴を第2状態で示す、図10の同じ平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、幼児のような授乳の目的のために瓶と一緒に用いられる人工乳首に関する。
【背景技術】
【0002】
母乳のメリットは、科学文献でよく証明されている。栄養的利点、免疫的利点、心理学的な利点及びその他の一般的な健康上の利点を含む多数の利点が知られてきた。人工乳又は配合物は比較して人間の母乳のメリットは理想的な栄養含有物、よりよい吸収、より少ない食物関連アレルギー、もっと有利な心理的発達、よりよい免疫防御、及び実質的な経済的利点を含む。排他的な母乳に対する他の利点は、適正な歯並び及び他の関連した恩恵をもたらす幼児の口腔発達に及ぼす積極的な効果を含む。
【0003】
しかしながら、種々の理由のために、排他的な母乳は常に可能ではない。この1つの例は、養母が幼児に授乳するのに十分な母乳を出すことができない場合である。この様な場合には、人工乳が母乳を補給するのに使用される。仕事に戻る養母は搾乳器を使用して後で幼児に与えるべき乳を絞る。幼児に人工配合物又は前に絞った母乳をやる場合には、人工乳首を備えた瓶を使用して幼児に授乳するのが普通である。
【0004】
母乳の機械的な視点は人工栄養のものと比較して著しく異なる。母乳のベビーでは、舌の作用がローリング又は蠕動運動のものであるように見える。しかしながら、人工栄養のベビーの舌の作用はしばしばよりピストン状又は圧搾運動であると考えられる。端に大きな穴を有する人工乳首の付いた瓶からミルクの沢山の流れを止めるために、幼児は無理やり舌を乳首の穴に向かって上方に上げて配合物が前方に噴出するのを防止する。舌のこの異常な動きは舌スラスト又は逸脱的飲み込みと称される。母乳ベビーが吸い込んでいない又は飲み込んでいないとき、母乳ベビーは、乳首を舌で適度にへこませて休む。人工栄養ベビーは、乳頭を拡張させ、即ち舌をへこませて休む。舌の動きと舌の休み位置の間及び母乳ベビーと人工栄養ベビーとの間の違いはおそらく人工乳首の性質による。
【0005】
過去には、人工乳首は、一般的には、ラテックスで作られ、そしてたった1個の単一孔しか有していなかった。孔は、孔を拡げる又はラテックスに孔を開ける、高温針の様な器具を使用することによって流体の流れを増すために孔を拡張し、あるいは新しい孔を開ける。既存の孔を拡張すること又は新しい孔を加えることは、幼児に必要な又は幼児に取って望ましい流量を増すためになされる。ベビーが授乳中に要求する乳の量はベビーのサイズ(成長)、食欲、又は栄養状態によって変わるかもしれない。
【0006】
シリコーン乳首は益々普及してきた。シリコーン乳首は裂け易い性質を有している。したがって、既存の孔を拡張すること又は追加の孔を開けることは非常に実行可能でない。その結果、シリコーン乳首は、種々の流量が追加の又は大きな孔で提供される。
既存の人工乳首の望ましくない効果は、ベビーが吸引力又は負圧を人工乳首に付与するとき比較的一定の最大流量を含む。人工乳首は、流量の増減を望むとき交換しなければならない。
【0007】
異なる流量のために異なる乳首の必要を減じ又は除去することに加えて、ベビーから野負圧のような吸込みの変化に応答する可変流量を提供する人工乳首を有することが望ましい。本発明は、取り分け、この望みを満たすと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、乳を、吸引レベルのような変化する母乳状態に応答して可変に流れさせる人工乳首を提供することにある。本発明の更に他の目的は、乳首に如何なる修正をもなすことなく単一の人工乳首開口で可変の流量を提供することにある。本発明の更に他の目的は、吸込み作用(例えば吸込み力、圧力等の量)に応じて液体の流れを可能にするように仕立てられたダクト及び又は開口を有する人工乳首を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの側面では、ベビー授乳装置は、流体を乳首の中を通して端開口(孔、穴又はオリフィス)まで運ぶための1つ又はそれ以上のダクトを形成した乳首を含む。1つの形態では、流量はベビーが人工乳首に付与する吸引(又は負圧)の変化に応答する。本発明の特定な側面では、乳首は、約10よりも小さく、ダクト開口又は乳首穴の領域では1以下のショアA硬度であるのがよい。特に、ショア00スケールでは、約20ないし約45の範囲が現在の所最も望ましいと考えられる。乳首の開口は、幼児の吸引作用、口の中での乳首の伸長量、クランプ力、及び送出量に影響を及ぼす他のファクターのような、1つ又はそれ以上の吸込み基準に応じて第1流量に順応するように寸法決めされる。乳首開口を構成する材料は、上記の基準の1つ又はそれ以上の増大のような、要求されるときより大きな流量のために開口の直径を拡張するように仕立てられる。ここに記載する乳首のための軟質で大変可撓性の材料は乳首開口のこの可変の拡張に順応する。
【0010】
乳首は、1つ又はそれ以上の細長いダクトを含むのが良い。流体ダクトは、他の変形例では乳首の中心軸線に関して半径方向にさらに片寄せられるのがよい。さらに、ダクトの端開口はダクト自身の中心軸線に対して半径方向に片寄せられてもよい。拡張する乳首開口の概念に関して、開口の数及び配列は望に応じて多様性を受ける。
【0011】
上記に加えて、少なくとも、ここに言及される比較的低デュロメータ乳首材料の使用の結果、乳首の他の側面は、乳首の全体の機能を最適にする上で有用になり、且つ乳首の流量の調整を設計及び又は行うときに有用な調整可能なパラメータを提供することが見いだされた。特に、ダクトの長さだけを変えることによって、又は変形れいでは、乳首の孔直径又は乳首の他の側面と組み合わせて流量及び負圧の変化に対する乳首の反応を調整することが可能になる。ここでもっと詳細に記載されたように、低デュロメータ材料により、乳首の流量を、乳首に付与される負圧の関数として変化させる。この見地に照らして、そして先行技術の乳首と対照的に、乳首ダクトの軸線方向長さを変えることは、乳首の中の流れ特性に望ましい変化を与える。理論によって制限されたくないが、比較的短いダクト長さは負圧の付与に応答して広範囲の流れを提供する。低デュロメータ材料のために、乳首ダクトを乳首への負圧の付与に応答して拡張させる。乳首ダクトを長くすると、流量は、拡張するのにダクトのより大きい長さが要求されるために、乳首への負圧の付与に応答して比較的低又は小さな可変である。したがって、乳首を、乳首の孔直径又はショア硬度を変えるのではなく比較的長いダクトを設けることによって変化のより小さい又は小さい流量を有するように設計することが可能であり且つ望ましいかもしれない。当然のこととして、本発明においてより長い又はより短いダクトを設けることの効果は、異なるデュロメータ乳首材料を設けること、そして例えば、異なる直径の乳首孔を設けることの効果と相互に影響し合うと期待される。本発明の好ましい実施形態の他の相互に影響し合う側面は、乳首への負圧の付与中乳首の伸び及びそれに対応するダクトの伸びを含む。伸びの量は、一部が軸線方向のダクト長さの変化並びに半径方向横断面積の変化により流れ特性に影響を及ぼす。
【0012】
1実施形態では、乳首は、単一の乳首部分及び一体の取付け部分を含む。取付け部分は乳首部分のショアA硬度と同じショアA硬度を有する材料で形成されるが、この実施形態では、取付け部分は、乳首部分のショアA硬度よりも比較的高いショアA硬度を有する材料で形成される。これは、例えば、容器との取付けのためのより硬い構造を提供する。
【0013】
他の形態では、乳首は乳首端及び本体部分を含むのがよい。本体部分は、これに形成されたベント又は多ベントを含む。ベントは大気と連通した水平な通路と、第1端が水平な通路と、第2端が乳首の内室と連通した垂直通路と、を含む。
【0014】
本発明の他の側面は、約10よりも小さいショアA硬度を有する材料で形成された実質的に中実の乳首を提供し、乳首の先端に又はその近くに若しくは端に、流体を乳首端を通して運ぶための1つ又はそれ以上の拡張可能なダクト及び又は開口を有し、最も好ましくは、ダクトが全体的に中実の乳首部分を貫いて延びる。
【0015】
勿論、乳首は、中実又は実質的に中実である必要はない。拡張するオリフィスの概念は、オリフィスを構成する領域が適当な可撓性を有する在来の中空設計に効果的である。
本発明の他の側面は、流体を乳首の中を運ぶための1つ又はそれ以上の細長いダクト及び流量増加部を有する乳首を含むベビー授乳装置を提供する。1つの流量増加部は、乳首が半径方向に圧縮され及び軸線方向に伸長される一方又は両方であるとき、1つ又はそれ以上のダクトの中の流体の流通を提供する。流体の流量は吸引又は負圧の変化に応答する。流体の流量は、負圧に比例して、逆比例して、等しく、又はこの連続に沿うどこかに応答するように調整することができる。例えば、幼児が人工乳首に加える吸引を増すと、ダク及び又はダクトの終端は拡張し、流体の流量が増す。他の例として、幼児が人工乳首に加える負圧を減ずると、ダクト及び又はダクトの末端は収縮し、流体の流量は減ずる。
【0016】
ダクトは、円形開口とともに横断面が丸いのがよい。ダクトは長手方向スリットで終わるのがよい。他の実施形態では、ダクトは「S」形スリット又は「Y」形スリットで終わってもよい。他の可能性が存在する。
【0017】
本発明の顕著な特徴は、1つの形態では、乳首端部分の非常に低いデュロメータ材料であると考えられる。その材料は、吸込みが、より大きな負圧での大きな流量且つまた小さい負圧での小さい流量の両方が幼児による操作でどのように振る舞うか。好ましい実質的に中実の実施形態における細長いダクトは、この非常に低いデュロメータ材料で、先行技術の人工乳首よりも母の乳首に大変よく似て反応するように見える。幼児はまた乳房での授乳を大変思い出させる方法で延びている部分の遠位端を取り囲み且つこれから外方に延びる柔らかい領域に接すると信じられる。先行技術の人工乳首と違って、本発明により、乳首の流体流れ特性を負圧の変化に応答させる。乳首の低デュロメータ材料は本発明の他の特徴と組み合わせて、例えば、幼児の吸込みによる比較的高い負圧で高い流体流量を可能にする。
【0018】
ここで明らかにされるように、軟質の可撓性乳首に取って最も好ましいデュロメータは約ショアA5又はそれ以下の範囲内にあると考えられる。これは最も好ましくは、約ショア0020ないし45である。後者の範囲以下でも有用である。
【0019】
吸込みによる伸縮の範囲では、この乳首の望ましい結果を見る他の方法は、乳首材料の延びをとおしてである。乳首の細長い部分に大変有用であると見られた材料は、最も好ましい実施形態おいて300%の延びで、ほぼ40psi又はそれ以下の応力を示した。
【0020】
本発明の他の形態では、仕立てられた流量は、種々の直径を有する多乳首ダクト及び又は開口の使用により達成される。各開口タイプは、吸込み作用に応答することによりそれ自身の特性を有する。あるダクト/開口は、例えば、ある閾値負圧(吸引)の付与の際にのみ開くように調整することができる。かくして、月日の経っていないベビーのために、あるダクトだけが流体を運び、他のダクトは、もっと力、圧力等を付与する月日の経っているベビーのために開く。
【0021】
本発明のこの形態では、多ダクト及び又は開口は、拡張する形態について記載した大変軟質の可撓性材料で形成される必要はないが、1つ又はそれ以上の吸込み基準に差動的に応答するバルブ機構又は他の流体流れに影響を及ぼす機構、若しくは差動的に応答する一種類のバルブ機構をもって設計される。
【0022】
これらの目的及び利点は、他の目的及び利点とともに、以下にもっと完全に説明するように発明の構成及び操作の詳細がさらに理解されよう。本発明の一部をなす添付図面を参照するが、同じ番号は全体を通して同じ部分を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は瓶又は袋のような容器と一緒に使用するための、全体的に10で図示した乳首の実施形態を示す。乳首10はどんな適当な材料で作られても良いが、好ましい形態では、シリコーンゴムのようなシリコーン材料で作られる。好ましくは、乳首材料はシリコーンであるのが良いが、ポリイソプレンのような熱可塑性エラストマー(TPE)、哺乳に適合するその他のような他の材料であってもよい。
【0024】
人間の哺乳環境で説明されているが、本発明は流体を非幼児等に与える動物給餌により広い応用を有することは気づかれるであろう。
【0025】
図1に示すように、乳首10は、2つのサブパーツで形成され、サブパーツは、幼児の口への挿入のための及び取り付けられる瓶(図示せず)から流体を運ぶための、近位端の実質的に中実の乳首部分12を含む。表示語である近位及び遠位はここでは、使用者(例えば、幼児)に関して選択される。乳首部分はほぼ円筒形の実質的に中実体である。しかしながら、乳首は「オルソダンティク(orthodontic)デザイン」のような他の形状であってもよいことは理解される。本出願の目的のために用語「実質的に中実」は、完全に中実(即ち、流会を運ぶための1つ又はそれ以上の一般的に細いダクトの存在を除いて気孔又は中空を含まない)から、貫いて形成された1つ又はそれ以上のダクトを含む側壁によって構成された中空内部を有しているまでの範囲と広く定義される。ダクトは、半径幅よりも著しく大きい長手方向長さを有する。理解されるように、完全に中実な構造を必要としない本発明のこの観点の「中実」乳首部分12には、ある機能的な特質がある。その上、本発明の乳首は、中実であることを全く必要としない、それは、1つの好ましい態様である。ここに記載する本発明の第1の形態では、軟質の可撓性材料は、可変直径のダクト及び又は穴構造の利点を得るために穴を構成する領域に設けられさえすればよい。
【0026】
好ましくは、乳首部分12を作る材料は実質的に約1ないし20の範囲内にあるデュロメーターA(又はショアーA)硬度を有する。もっと好ましくは、第1の材料は、1ないし約3の範囲内にあり、又はショアー00スケールに切り替えると、最も好ましくは、約20ない約45の範囲にあるデュロメーターA硬度を有する。それにもかかわらず、後者の範囲以下でも意図した効果を生ずる。文体「Xより小さい」又は「約Xより小さい」の使用はXを含むことが理解されよう。
【0027】
乳首10は、その遠位端に形成された第2サブパーツ又は取付け部分14を含み、この取付け部分は、容器に流体密方法で取り付けられるように設計されている。変形例として、二次カラー又は同様の取付けピースを使用して乳首10を容器に取付けてもよい。取付け部分14を作る材料は、好ましくは、乳首部分12と同じ又はそれよりも大きいデュロメーター硬度からあるデュロメーターA硬度を有する。1つの実施形態では、取付け部分14は約1ないし約100の範囲内であるデュロメーターA硬度を有する。もっと好ましくは、取付け部分14の材料は、実質的に約20ないし約90の範囲内にあり、更にもっと好ましくは約70ないし約90の範囲内にあるデュロメーターA硬度を有する。
【0028】
図1に図示した乳首部分12は複数のダクト16を含む。たった1つを含むどんな数のダクト16を使用しても良い。ダクト16は乳首部分12の材料に形成された長手方向(軸線方向)通路である。各ダクトは乳首10の内室20と連通している内側開口18を含む。各ダクトは乳首10の外部に通じる外側開口22を含む。流体は内室20から、内側開口18に流入し、ダクト16の中を通り、外側開口22から流出する。
【0029】
フランジ状スカート又は移行部材24が、乳首部分12から取付け部分14の上環状面26までほぼ半径方向に延びる。取付け部分14の主本体28は僅かに凹面円筒体30で形成されるのがよいが、この凹面は要求されない。取付け部分14の下部32は、内リップ34と、下リップ36と、それらの間に構成された内溝38と、を含む。下部32は、容器(図示せず)に受け入れられるように弾性的に形成され、内溝38は、容器の対応する相手部に、例えばスナップ嵌め、ネジ取付け等で嵌められる。
【0030】
乳首10は、単一の一体パーツとして形成されてもよいし、或いは2つ又はそれ以上のパーツから互いに接合されても良い。この図示した第1実施形態では、乳首10は2つ之パーツから接合部40によって形成される。接着剤結合、ヒート結合、化学結合、接触結合超音波溶着、又は他の適当な方法が接合部を互いに保持する。乳首10を形成する、例えば、成形、キャスティング、又はツーショット成形のようなどんな適当な方法でも採用できる。
【0031】
図2は他の僅かに異なる実施形態及びダクト116の配列を示す。ダクト116の数はは、個々のダクト6個からなるが、任意適当な数のダクトが考えられる。ダクトは、三角形のパターンに配列され、三角形の各頂点は乳首の中間又中心軸線から同じ様に隔てられている。2つのダクト116はスト組をなし、そして中心軸線から一列に半径方向外方に配列されるように位置決めされる。流体を乳首110の中を効果的に運ぶダクトの他の配列が考えられ、これは、たった1つのダクトである。以下で論ずるように、ダクト116は、例えば、丸い穴、スリット、のみ形穴、「S」形孔又は「Y」形孔(図示せず)、若しくは他の適当な末端孔形状で終わる。ダクトの各々の末端は、スリットであろうと他の形状であろうと、弁として機能する。
【0032】
図2の図示下実施形態では、乳首110も2パーツ構造で形成される。乳首部分112は再び、中空のドーム形本体115まで延びる実質的に中実の乳首端113を含む。乳首部分112は上記のものと同様であり、即ち貫いて延びる複数のダクト116を含む実質的に中実の乳首部分112である。本体115は、乳首112の基部から外方に広がり、そして瓶(図示せず)に連結するためのカラー142に連結する。
【0033】
図3は、乳首端構造についての他の形態を示し、ダクト16(又は事実ここに記載した他のダクトのいずれか)が小さい直径の出口692で終わるほぼ円筒形の内キャビティを有する。図7はこのような構造の端面図を示す。
【0034】
図4は、ダクト16ののみ形末端部を示し、その向かい合った側壁692a及び692bはスリット693で終わり、このスリットは図5に側面図で、また図6で端面図で示されている。
【0035】
図5は、乳首ダクト16の他の末端構造を示し、これはまたスリット693で終わっているのみ形692a及び692bを有する。窪み695内に構成された外側側壁694a及び694bはダックビル形体をこの構造に与える。
【0036】
図4−6のこれらの末端構造の全ては乳首からの流体の流出を考慮に入れているが、一般的には、(又はある構造では、実質的に完全に)乳首への逆流を防止する。
【0037】
上記のタイプの中実型乳首の構造の更なる詳細は、2003年10月29日に出願された米国出願第10/696,910号から収集しることができ、これをここに援用するが、この様な引用は、ここで既に提供した開示及び発明の特徴に照らして必要であるとは思われない。
【0038】
他の実施形態では、図8及び9に示す発明の形態から、同じ多使用概念が同じ乳首に種々の開口を使用して果たすことができる。この形態では、開口22a、22b,22cは各々異なる直径を備えている。この実施形態では、同じ可撓性の軟質材料が上述したように、少なくとも穴を構成する領域に使用される。
【0039】
今図10に目を向けると、乳首ダクト開口(孔、末端部、又は穴)が、第1の状態で、例えば、流体が、幼児の吸ったり引いたりの第1レベル状態の下で流れるような状態で示されている。この第1状態では、開口22は直径d’を有する。第1レベルよりも大きい、乳児の吸ったり引いたりの第2レベルの適用時には、開口22はより大きい直径d’’まで伸びて(図11参照)より多くの流体流れを許す。ここに記載した軟質の可撓性材料は穴直径のこの変更を可能にすることができる。
【0040】
上記のように、種々の基準が、所望される流体流量を決定するダクト及び又は端開口によって確立される。これにより、製造されるべき単一の乳首がある範囲の吸込み条件にそって使用を可能にさせる。
【0041】
しかしながら、開口並びに関連したダクトのこの多様性を在来の硬質又は非可撓性乳首に提供してもよいことは理解されよう。したがって、開口及びダクトの構造は、1つ又はそれ以上の吸込み基準に応じて、例えばバルブの使用によって或いはもっと簡単な流体流れ抵抗によって、流体流れを種々可能にするようにする。例えば、図5に示すあひるのくちばし型構造は、各々の場合に、あるレベル又は所定レベルの負圧の適用の際にのみ開くように修正されても良い。ある場合は第1圧力レベルで流れを許し、他の場合は第2レベルに達したときに流れを許す。
【0042】
かくして、本発明をある好ましい実施形態について説明したが、修正、置換及び他の変更をなすことができ、これらは、請求の範囲に記載されているように発明の意図した範囲に依然として属することが当業者によって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による1実施形態の断面図である。
【図2】本発明による別の実施形態の斜視図である。
【図3】乳首ダクト及び開口形状の拡大断面図である。
【図4】乳首ダクト及び開口形状の拡大断面図である。
【図5】乳首ダクト及び開口形状の拡大断面図である。
【図6】乳首の内側から見たある乳首開口の配列を示す図である。
【図7】乳首の内側から見たある乳首開口の配列を示す図である。
【図8】種々のサイズの開口を有する他の乳首端の部分の拡大部分断面図である。
【図9】図8の実施形態の拡大平面図である。
【図10】穴を第1状態で示す乳首端の拡大部分の平面図である。
【図11】穴を第2状態で示す、図10の同じ平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を乳首の中を通して運ぶための少なくとも1つの乳首開口を形成した乳首を含み、前記乳首開口は変化する流量に応答して可変である、改良授乳乳首。
【請求項2】
前記少なくとも1つの乳首開口は、変化する流量をもたらすために寸法が変化する、請求項1の乳首。
【請求項3】
前記乳首開口は、前記乳首に付与される圧力変化に応答して寸法が変化する、請求項1の乳首。
【請求項4】
前記乳首開口は1つ又はそれ以上の吸込み基準に応じて所定の流量に順応するように寸法決めされる、請求項1の乳首。
【請求項5】
前記吸込み基準は幼児の吸引作用によって発生される範囲の負圧に基づかれる、請求項4の乳首。
【請求項6】
前記乳首開口は、負圧を受けたとき拡張する、請求項1の乳首。
【請求項7】
前記乳首は、1よりも大きい長さ対幅比を有する1つ又はそれ以上の細長いダクトを含む、請求項1の乳首。
【請求項8】
前記細長いダクトは前記乳首の中心軸線に関して半径方向に片寄せられる、請求項7の乳首。
【請求項9】
前記乳首及び前記1つ又はそれ以上の細長いダクトは、負圧を受けたとき伸びる、請求項7の乳首。
【請求項10】
伸び量は乳首の中を通る流れ特性に影響を及ぼす、請求項9の乳首。
【請求項11】
流量の変化は前記開口を拡張させることによって達成される、請求項7の乳首。
【請求項12】
流量の変化は前記1つ又はそれ以上の細長いダクトを伸長させることによって達成される、請求項7の乳首。
【請求項13】
流量の変化は前記開口を拡張させ且つ前記1つ又はそれ以上のダクトを伸長させることによって達成される、請求項7の乳首。
【請求項14】
前記乳首の大部分は中実である、請求項1の乳首。
【請求項15】
前記乳首の大部分は中空である、請求項1の乳首。
【請求項16】
前記1つ又はそれ以上の細長いダクトは流量調整部として機能する、請求項7の乳首。
【請求項17】
前記1つ又はそれ以上のダクトの各々はその末端に丸い開口を含む、請求項16の乳首。
【請求項18】
前記1つ又はそれ以上のダクトの各々はその末端にS形スリットを含む、請求項16の乳首。
【請求項19】
前記1つ又はそれ以上のダクトの各々はその末端にY形スリットを含む、請求項16の乳首。
【請求項20】
前記乳首端は、少なくとも前記開口に近い領域に約10よりも小さいショアA硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項21】
前記乳首端は、少なくとも前記開口に近い領域に約1よりも小さいショアA硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項22】
前記乳首端は、少なくとも前記開口の領域に約10よりも小さいショアA硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項23】
前記乳首端は、少なくとも前記開口に近い領域に約20ないし約45のショア00硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項24】
流量は負圧に比例して変化する、請求項1の乳首。
【請求項25】
使用者の口に差し込まれるようになっていて、且つ約10よりも小さいショアA硬度を有する材料で形成されている実質的に中実の乳首部分と
前記乳首部分の端に構成された少なくとも1つの可変開口と、を有する乳首。
【請求項26】
前記少なくとも1つの可変開口は前記乳首の中を通して変化する流量を運ぶ、請求項25の乳首。
【請求項27】
端に形成された複数のダクトを含む乳首を有し、前記複数のダクトの各々は流体を前記乳首の中を通して運ぶための開口で終わっており、前記ダクト及び開口は、異なる吸込み状態に応答して前記ダクト及び開口の中の流体の流通のための変化する流量をもたらすように拡張するようになっている、ベビー授乳用乳首。
【請求項28】
乳首は約10よりも小さいショアA硬度を有する、請求項26の乳首。
【請求項29】
使用者の口に差し込まれるように寸法決めされ且つ成形されている乳首端部分と、
前記端部分に構成された複数の開口と、を有し、前記開口の少なくとも1つは前記複数の開口のうちの他のものと異なる流量で流体を供給する、乳首。
【請求項30】
前記開口は約1つよりも小さいショアA硬度を有する前記乳首の材料で形成される、請求項29の乳首。
【請求項31】
流体を乳首の中を通して運ぶための少なくとも1つのダクトを形成した乳首を有し、前記ダクトは軸線方向長さを有し、前記軸線方向長さは変化する流量をもたらすように可変である、改良授乳乳首。
【請求項1】
流体を乳首の中を通して運ぶための少なくとも1つの乳首開口を形成した乳首を含み、前記乳首開口は変化する流量に応答して可変である、改良授乳乳首。
【請求項2】
前記少なくとも1つの乳首開口は、変化する流量をもたらすために寸法が変化する、請求項1の乳首。
【請求項3】
前記乳首開口は、前記乳首に付与される圧力変化に応答して寸法が変化する、請求項1の乳首。
【請求項4】
前記乳首開口は1つ又はそれ以上の吸込み基準に応じて所定の流量に順応するように寸法決めされる、請求項1の乳首。
【請求項5】
前記吸込み基準は幼児の吸引作用によって発生される範囲の負圧に基づかれる、請求項4の乳首。
【請求項6】
前記乳首開口は、負圧を受けたとき拡張する、請求項1の乳首。
【請求項7】
前記乳首は、1よりも大きい長さ対幅比を有する1つ又はそれ以上の細長いダクトを含む、請求項1の乳首。
【請求項8】
前記細長いダクトは前記乳首の中心軸線に関して半径方向に片寄せられる、請求項7の乳首。
【請求項9】
前記乳首及び前記1つ又はそれ以上の細長いダクトは、負圧を受けたとき伸びる、請求項7の乳首。
【請求項10】
伸び量は乳首の中を通る流れ特性に影響を及ぼす、請求項9の乳首。
【請求項11】
流量の変化は前記開口を拡張させることによって達成される、請求項7の乳首。
【請求項12】
流量の変化は前記1つ又はそれ以上の細長いダクトを伸長させることによって達成される、請求項7の乳首。
【請求項13】
流量の変化は前記開口を拡張させ且つ前記1つ又はそれ以上のダクトを伸長させることによって達成される、請求項7の乳首。
【請求項14】
前記乳首の大部分は中実である、請求項1の乳首。
【請求項15】
前記乳首の大部分は中空である、請求項1の乳首。
【請求項16】
前記1つ又はそれ以上の細長いダクトは流量調整部として機能する、請求項7の乳首。
【請求項17】
前記1つ又はそれ以上のダクトの各々はその末端に丸い開口を含む、請求項16の乳首。
【請求項18】
前記1つ又はそれ以上のダクトの各々はその末端にS形スリットを含む、請求項16の乳首。
【請求項19】
前記1つ又はそれ以上のダクトの各々はその末端にY形スリットを含む、請求項16の乳首。
【請求項20】
前記乳首端は、少なくとも前記開口に近い領域に約10よりも小さいショアA硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項21】
前記乳首端は、少なくとも前記開口に近い領域に約1よりも小さいショアA硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項22】
前記乳首端は、少なくとも前記開口の領域に約10よりも小さいショアA硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項23】
前記乳首端は、少なくとも前記開口に近い領域に約20ないし約45のショア00硬度を有する、請求項1の乳首。
【請求項24】
流量は負圧に比例して変化する、請求項1の乳首。
【請求項25】
使用者の口に差し込まれるようになっていて、且つ約10よりも小さいショアA硬度を有する材料で形成されている実質的に中実の乳首部分と
前記乳首部分の端に構成された少なくとも1つの可変開口と、を有する乳首。
【請求項26】
前記少なくとも1つの可変開口は前記乳首の中を通して変化する流量を運ぶ、請求項25の乳首。
【請求項27】
端に形成された複数のダクトを含む乳首を有し、前記複数のダクトの各々は流体を前記乳首の中を通して運ぶための開口で終わっており、前記ダクト及び開口は、異なる吸込み状態に応答して前記ダクト及び開口の中の流体の流通のための変化する流量をもたらすように拡張するようになっている、ベビー授乳用乳首。
【請求項28】
乳首は約10よりも小さいショアA硬度を有する、請求項26の乳首。
【請求項29】
使用者の口に差し込まれるように寸法決めされ且つ成形されている乳首端部分と、
前記端部分に構成された複数の開口と、を有し、前記開口の少なくとも1つは前記複数の開口のうちの他のものと異なる流量で流体を供給する、乳首。
【請求項30】
前記開口は約1つよりも小さいショアA硬度を有する前記乳首の材料で形成される、請求項29の乳首。
【請求項31】
流体を乳首の中を通して運ぶための少なくとも1つのダクトを形成した乳首を有し、前記ダクトは軸線方向長さを有し、前記軸線方向長さは変化する流量をもたらすように可変である、改良授乳乳首。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−536009(P2007−536009A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511615(P2007−511615)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/015773
【国際公開番号】WO2005/110336
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503134413)メデラ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/015773
【国際公開番号】WO2005/110336
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503134413)メデラ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (9)
【Fターム(参考)】
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