説明

人形及び動植物模型に於ける、電磁誘導を用いた、関節機構及び素体の製造手法

【課題】 従来に於ける、関節部位の駆動及び半固定が可能な、人形及び動植物模型は、構造上、関節部位の駆動範囲が、かなり制限される上に、過度の使用及び、衝撃が加わると、関節部位が破損及び変形した。又、構造に依っては、製造の際に於ける工程が多い上に、素体全身の構成に樹脂を使う為、製造費用が嵩む上に、修理が困難で在った。
【解決手段】 全身の骨格及び関節部位を、磁鉄化が可能な金属を用いて連結し、其の上から、素体の皮膚部位を軟質樹脂で形成する。更に、骨格及び関節部位を磁鉄化したら、骨格及び関節部位と皮膚部位の間に、液体を充填した上で、脱泡処理を施した後に密封する事に依り、骨格部位と関節部位を半固定状態にする。此れに依り、関節部位の強度向上及び駆動範囲の向上、更に、従来の製品と比較して、依り自然で柔軟な素体の形成が出来る。又、従来の製品と比較すると、製造及び修理が容易で、且つ、製造費用も抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨格及び関節部位の、駆動及び半固定性能の向上に加えて、製造及び修理の簡易性、更には、依り柔軟で自然な素体形成を図った、人形及び動物模型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の素体に於ける、素体の形成手段として、樹脂で形成した素体の部品に対し、樹脂や金属で形成した、専用の関節部品で連結して、擬似的に駆動及び半固定を可能にした物が在る(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
或いは、予め全身の骨格及び関節部位を、樹脂及び金属で形成した上から、樹脂で素体を形成する物も在る。
【0004】
以下に於いて、図2及び図3を用いて、従来の素体を説明する。8は頭部の抜け落ちを防ぎつつ、頭部位に於ける左右の回転を可能とする為に、関節部位に留金及び其れに相当する物を用いて、頭部位の半固定を可能としている。9は首関節部位の駆動及び半固定を可能とする為に、9と10の接面に細かい凹凸を持たせる事で、駆動範囲を広くし、且つ僅かな傾きでも半固定が可能と成っている。
【0005】
腕関節部位の接合部で在る11、13、15は、其々の箇所で、17と18に相当する関節部品を連結させた上で、腕部位を形成する12、14、16に連結させている。此れに依り、其々の箇所に於いて、駆動及び半固定を可能としている。脚部位も同様で在る。
【特許文献1】特許公開2006−122248
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べた、従来の人形及び動物模型の構造では、9と10の接面に於いては繰り返し動かしたり、頭部位に強い力が加わると、接面の凹凸が摩耗して、半固定の状態での維持が困難な状態に成る。又、11、13、15に於いては、接合部と水平な方向から強い力が加わると、接合部が外れたり、場合に依っては破損する事が在る。
【0007】
更に、関節部品を内蔵した素体の場合、修復作業が困難で在り、修復しても目立つ傷跡が付いた。又、素体の見た目に於いて不自然で、駆動範囲もかなりの制限を受けている。そして構造上、全体的に軟質樹脂を使わねば為らず、其の結果、素体の形成に必要な工程が多く、且つ製造及び修理費用が嵩んでいた。
【0008】
本発明は、従来の素体が有していた問題を、根本的に解決する物で在り、工程及び修理の簡易化、従来品と比較した際、柔軟且つ広範囲で自然な関節動作、衝撃に対する耐久性の向上、そして製造及び修理費用を抑えた、人形及び動植物模型の実現を目的とする。
【課題を解決する為の手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成する為に、素体に於ける皮膚部位を軟質樹脂で形成した後、磁鉄化が可能な金属を用いた、骨部位及び関節部位に相当する部品を、先に形成した皮膚部位に内蔵した上で、電磁石で骨部位及び関節部位を磁鉄化して連結し、素体内部に液体を充填したら、脱泡処理後に素体を密封して形成する。
【0010】
上述の課題解決手段に依る作用は、次の通りで在る。先ず、従来の製造方法に於いて、解決が困難で在った、素体の作成時に於ける、型枠を使用する事に依る継ぎ目の段差及びバリの発生が無く、極めて自然な外観を形成出来る。
【0011】
又、骨格及び関節部位に磁鉄化した金属を用いる事に依り、従来品と比較して、部品の強度向上と、関節部位への衝撃に対する弛緩性に優れる為、従来品より損傷を受け難く、仮に破損したとしても、内容液を抜き取り、消磁処理を施した上で、表皮部位を切開し、破損した骨部位及び関節部位を交換後、製造時と同様の工程で、修復が可能で在る。
【0012】
更に、皮膚部位を軟質樹脂にした上で、内部に液体を充填する事に依り、従来品と比較して、依り自然な重心移動が出来る。
【発明の効果】
【0013】
上述の結果、従来品と比較すると、素体の製造だけで無く修理も容易で、且つ内容液や破損した部品は、再利用が可能な為、製造費及び修理費を抑える事が出来る。
【0014】
更に、従来品と比較して、依り柔軟且つ自然な外観で、駆動範囲を広く確保出来る上に、半固定状態での姿勢維持に於いて、従来品と比較して安定性が向上する。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0015】
以下に於いて、本発明に於ける実施の形態を、概要を図1、関節の構造を図5〜図11、製造工程を図12〜図40に基づいて説明する。
【0016】
基本的な構造として、図1の様に、全ての骨格部位及び関節部位を磁鉄化する事に依り、骨格部位及び関節部位を連結させて、素体の駆動及び半固定を行える様にする。其の際に於ける関節部位の構造として、図5〜図9の形状が挙げられ、其々の部位に応じた形状の、関節構造を用いるのが望ましい。
【0017】
図1を例にすると、1は頭蓋骨部位の形状を維持するのと、頭蓋骨部位と頸椎関節部位を連結する為に、頭蓋骨部位を磁鉄化が可能な金属で形成する。尚、頭蓋骨部位も内容液を充填する場合、後述する脱泡処理及び密封処理の為に、予め頭頂箇所に穴を空けて措く。2は軟質樹脂を用いた表皮部位と成る。3及び4は19〜23、5は25と26の構成、6及び7は20〜24及び27〜33の組み合わせで、其々の部位が磁鉄化された金属で構成されている。
【0018】
次に、主な関節構造及び、其々の特徴を説明する。
【0019】
19の形状は、製造が比較的容易な上に、双方の駆動範囲が広く取れるので、他の形状と比較して、広角に関節部位を動かせる反面、連結箇所の接面が狭い為に、関節部が外れ易いのと、構造上接面が滑り易い為に、素体が歪んだ状態で半固定される可能性が在る。
【0020】
20及び21の形状は、19と比較すると20に対する21の接面が広く、且つ双方が密着している為、19よりも接合部が外れ難い上に、駆動及び半固定が安定する。但し、其れを可能にするには、20の接合部が確実に球状で在る事に加え、20に対する21の接面が、隙間無く密着する事が求められる。理由として、接合部の周辺が液体で覆われる為、僅かでも接合部の歪みが生じると、其処から液体が流入する為、関節部位が外れ易く成ったり、関節部分が弛む事が生じる。此れは22〜26に関しても同様で在る。
【0021】
22〜24の形状は、20及び21と比較すると、24に対する22及び23の接面積に応じて、駆動可能な範囲は制限されるが、依り自然な関節部位の形状を保つだけで無く、衝撃や牽引に強く、磁力の強さに依っては、消磁処理を施さ無い限り、関節部位に対し、相当な衝撃力や牽引力が加わら無ければ、関節部位が外れる事は無い。
【0022】
25及び26の形状は、球状の関節部位で在る25に対し、棒状及び板状に形成された26を交互に組み合わせる事に依り、多関節及び触手と同様な形状で、駆動及び半固定を可能としている。但し、此の状態では駆動範囲が広いので、或る程度制約したい場合は、後述する、31〜33の様に連結するのが望ましい。反対に、多関節を用いる事に依る、擬似的な触角部位や触手部位、或いは、無脊椎な動物模型の形成に使用する場合は、形状にも依るが、芯材を通さずに、表皮部位の軟質樹脂で、形状を維持するのが望ましい。
【0023】
27〜30は、其々の関節部位をリング状及び鈎状にして、互いに組んだ形状で在る。
構造上、磁力の程度に拘らず、関節部位が外れ難いのと、一定方向に於いては、他の形状と比較すると、駆動及び半固定が安定する。但し、関節部位の構造上捻れや牽引に弱く、過度に捻れた場合や、駆動方向とは別の方向から衝撃が加わった場合及び、過度に双方の関節部位を牽引した場合、接合箇所が破損する場合が在る。又、構造上、接合箇所の加工が必要な為、製造の際に、関節部位を加工する工程が必要と成る。
【0024】
31〜33は、前述した関節部位の構造に、芯材を貫通させて連結させた構造に為る。
関節部位の構造上、接合部の歪みが生じ難い上に、駆動及び半固定の状態が安定するが、接合箇所を駆動させる為に、芯材に柔軟性が必要で、且つ磁鉄化し無い素材を用いる事と、関節部位の駆動範囲が、芯材の長さと伸縮の度合で決まる事が挙げられる。又、構造上、摩耗に依る芯材の破損を防ぐ為に、接合箇所及び関節内部に対し、シリコングリス等の潤滑剤を付着させる事と、関節部位の加工が必要な為、製造の際に、関節部位を加工する工程が必要と成る。
【0025】
次に、図12〜図24を例に、素体の製造工程を説明する。
【0026】
最初に、素体の原型を作成した後、原型の上端部分に、支柱を差し込む穴を空けたら、台座と原型に支柱を差し込み固定する。次に、原型全面及び支柱と台座に対し、離型剤を噴霧や塗布で斑無く付着させたら、離型剤が乾燥する迄、空調及び換気が行き届いた室内で安置する。支柱や台座も離型剤を付着させる理由として、支柱に相当する箇所が、後に内容液の充填処理や、脱泡処理の際に於ける湯口に成るのと、台座に関しては、離型剤を付着させ無いと、後述する、軟質樹脂の原液が硬化した際、台座から軟質樹脂を剥離する事が、極めて困難だからで在る。
【0027】
図12及び図13を例にすると、一般的な人形及び人体模型を形成する場合に於いて、頭部位も含めた全身が形成される素体と、頭部位の交換が可能な形状の素体が在る。其々に於いて、34の頭頂部位に対し、36に固定された35に差し込んで固定する場合と、37の頸椎関節部位と成る箇所に対し、39に固定された38に差し込み固定する場合が在る。何れの場合も、台座に支柱を介して原型を固定した後、全体に斑無く離型剤を付着させたら、離型剤が乾燥する迄、空調及び換気が行き届いた室内で安置する。
【0028】
次に、皮膚部位の形成工程を説明する。
【0029】
素体の皮膚部位に用いる素材は、軟質なシリコンゴムやウレタンゴム(以下、軟質樹脂とする)等の基剤に対し、硬化剤を混合した液体(以下、原液とする)を用いる。此れを素体の原型に噴霧及び塗布で付着させた後、原液が硬化する事で皮膚部位を形成する。
【0030】
軟質樹脂の原液を塗布及び噴霧する際、軟質樹脂の性質上、原液の付着工程及び硬化の際に、有毒ガスが発生するので、室内の空調及び換気を行き届かせた上で、温度及び湿度を、室温を摂氏10度〜20度、湿度を20〜60%程度に整えて施工する。
【0031】
原液を素体及び支柱に付着させたら、硬化する迄の間に、付着させた原液から浮き出た気泡を、針等で丁寧に消す。基本的に、原液を付着させる前段階で、原液に消泡剤を混入後、十分に攪拌した上で原型に付着させるが、其れでも気泡が残るので、完全に硬化する前に行う。理由として、素体の構造上、軟質樹脂内部に気泡が残った場合、素体の駆動時に、気泡の箇所から軟質樹脂が裂ける可能性が在る為、此の段階で極力気泡を減らすのと、原液を付着させる際、原液の表面張力を利用して形成する為で在る。
【0032】
原液の硬化後は、皮膚部位に於ける断面の厚さが、内容液を密封した際に発生する内圧及び、或る程度、外部からの衝撃に耐えられる厚みに成る迄、数回工程を繰り返す。其の際、素体の形状や、原液の粒度及び粘度で、付着面の厚みに差が出る事が在るので、後述する、関節部位を挿入する工程の前に、形成した皮膚部位を切開した後、皮膜が薄い箇所に対し、原液を付着及び充填する。以下に例として、図14〜図16を用いて説明する。
【0033】
例えば、図14の様な形状の部位が在るとする。此の場合、同じ軟質樹脂を硬化させて形成した皮膚部位40及び42と比較して、41の形状が入り組んでる為に、粘度が高い軟質樹脂の原液が、原型と成る素体の形状に沿った状態での、定着及び硬化をさせる事が難しく、且つ軟質樹脂の内部に気泡が出来易い為、以下に述べる手段を用いて対処する。
【0034】
最初に、43に付着させた44に対し、脱泡処理を行った後、43に形状を合わせた、45を密着した上で硬化する迄固定する。其の際に留意する事として、45の接面に対し、離型剤を斑無く付着させる事と、44が完全に硬化する迄の間に、44に対して45を強く押し付けると、44の硬化後に、45を押し付けた事に依る凹みが出来るので、其の場合、44に付着した離型剤を、洗浄して剥離させた上で、皮膚部位を確実に乾燥させた後に、44の上から再度、同様の工程を行う事が挙げられる。
【0035】
原液が硬化したら、図17に於ける破線の様に、皮膚部位を切開し、48及び49から皮膚部位を取り出す。其の後、皮膚部位に付着した離型剤を、洗浄及び乾燥させた後に、取り外した皮膚部位の内側から、気泡が残った箇所に原液を充填する。
【0036】
其の際、気泡が大きい、或いは内側付近の場合は、内側から気泡付近の軟質樹脂を切除した後に原液を充填し、表面に近い箇所の気泡は、気泡が小さい場合、気泡に穴を開けた後に、後述する、表皮部位を仕上げる際に付着させる素材の原液で以て、凹みを埋める。気泡が大きい場合、内側からインジェクター等の注入器具を複数用いて、気泡内部の空気抜きを行いつつ原液を注入する。其の際に留意する事として、出来る限り空気抜きの処理をして注入するのと、気泡内部への充填完了後に、注入器具を引きつつ、注入箇所も原液を充填する事が挙げられる。注入箇所も原液を充填する理由として、素体の性質上、駆動させた際に皮膚部位が収縮する上に、内容液の圧力が掛かる結果、例え僅かな気泡でも、皮膚部位が裂ける事が起こり得るからで在る。
【0037】
以下に図18〜22を例に説明する。素体の原型で在る50から、皮膚部位の51及び55を取り外した後、外側に在る比較的小さい気泡は、其々59及び60の様に処理する。比較的小さい内側の気泡は、61の様に処理する。外側と違い、露出する事は無いので、原液が多少食み出ても構わ無い。
【0038】
63の様に比較的大きな気泡の場合は、最初に65を充填させた64と、空気抜きの為に67を気泡部分に差し込む。其の際、原液を十分に充填させる為に、64と67を其々気泡部分の両端に差し込む様にするのと、65に極力気泡が混入し無い様にする。
【0039】
次に、気泡内の空気を、67に送り出しつつ注入するが、其の際、注入する原液が足り無くなった場合、64に於ける、注射針の箇所を66に残した状態で外し、64に原液を充填したら、再度、注射針の箇所と64を連結して注入する。其の際に留意する事として、原液の注入は気泡内だけで止めず、図21に於ける、69と71の様に、70の内部に残った、気泡内の空気を極力抜いた上で、空気抜きの為に差し込んだ71の内部に、原液が溜る迄注入する事と、注入する場所に依っては、表皮側が膨らむ場合が在るので、其の場合、台座等に皮膚部位の表皮側を当てた状態で、注入作業を行う事が挙げられる。
【0040】
原液の注入が出来たら、注入に使用した68を少しずつ引き抜きながら、74に対し、注射針が刺さっていた箇所にも、原液を注入しつつ引き抜く。注入箇所は皮膚部位の内側なので、多少原液が漏れても構わ無い。其の後、71に対して原液を追加した上で、71にピストン部分を接続し、図22に於ける、72と73の様な状態にしたら、68と同様に処理する。其の際に留意する事として、原液を追加する際に、空気を極力入れ無い様にする事と、71にピストンを接続する際、空気を極力入れ無い様にする為に、71内部を完全に満たす迄、原液を追加してから、ピストンを接続する事が挙げられる。
【0041】
関節部位の挿入工程及び、気泡内部への原液注入処理が済んだら、切開した部分を縫合するが、其の前に、皮膚部位の切断面に対し、軟質素材の原液を斑無く付着させる。理由として、縫合した後に、切断面の隙間が出来るのを防ぎ、且つ縫合工程の次の段階で行う、内容液を充填する工程の際に、内容液が漏れるのを防ぐ為に行う。此の段階では、素体全体に対し、表皮部位を形成する為に用いる、原液を付着させ無いので確実に行う。理由として、表皮部位の形成工程は、内容液を充填及び密封した後で行わ無いと、素体の原型に対し、忠実な形状を保つ、素体の形成が出来無い可能性が生じるからで在る。
【0042】
更に、縫合工程の際に使用する素材として、綿やナイロン繊維等を基材とした、糸状の素材に対し、軟質樹脂の原液を付着させた状態で用いる。理由として、内容液を充填後、表皮部位を形成する際に用いる、軟質樹脂の原液を付着させる際、予め縫合に用いる素材に対し、原液を付着させて於く事で、付着させる原液と、縫合工程に使用した素材の親和性を高めて密着させるのと、内容液の充填後に抜糸を行わず、素体の補強も兼ねて、皮膚部位の内部に対し、縫合工程に使用した素材を残す為で在る。
【0043】
以下に、図23及び図24を用いて説明する。縫合する素体及び、関節部位の構造にも依るが、基本的に、75に対して76の様に縫合する。縫合の方法としては、出来る限り、元の形状を崩さ無い様に、79の接面に対し、軟質樹脂の原液を付着させた上で、77に対して78の様に縫合する。縫合が完了したら、78及び79に付着させた、軟質樹脂の原液が、完全に硬化する迄安置する。
【0044】
次に、頭部位も含めた、全身の皮膚部位を形成する素体の場合に於ける、頭部位の内部構造及び形成工程を説明する。基本的な構造部位として、頭蓋骨部位の前面、顎関節部位、眼球部位、咽喉部位、頭蓋骨部位の後面を、其々結合して形成する。其の際に留意する事として、頭蓋骨部位に於ける、前面と後面の接合部分を密着させる事と、眼球部位及び咽喉部位に接する粘膜部位に、僅かでも、裂け目や穴が出来無い様にする事が挙げられる。理由として、内容液を流入する際、頭部位の皮膚部位や、眼球部位及び咽喉部位から、内容液が漏出するからで在る。尚、頭部位を形成し無い場合は省略しても良い。
【0045】
次に、図25〜図32を例に、頭部位の製造工程を説明する。
【0046】
先ず、80と88を形成する際、81及び82と87を形成する。81を形成する際、後述する、縫合処理の為に、85と90の接合部分に100も形成して措く。
【0047】
次に、89と91を形成した後に80と連結する。其の際に留意する事として、80と88を接合する際、89が皮膚部位側に食み出さ無い様に、80と88を形成する事と、89を形成する際、80と88に対し、出来る限り小さく形成する事が挙げられる。理由として、80と88に対して89が大き過ぎる場合、89が皮膚部位を圧迫する事に依り、顎関節部位が動か無いからで在る。
【0048】
次に、83を形成する。基本的に、クリスタルガラス等の輝度が高い物質を用いるが、場合に依っては、内部にマイクロカメラ等を用いても良い。其の際に留意する事として、後述する、関節部位を磁鉄化した際、マイクロカメラ等の機器が、磁気で破損し無い様に、予め防磁処理を施す事が挙げられる。
【0049】
83を形成したら、83を動作及び半固定する為に84を形成する。使用する素材は、硝子繊維やナイロン繊維等の、柔軟性と耐久性が有り、且つ磁鉄化し無い素材を用いる。図例では、駆動機構を素体外部に出して83を操作するが、素体内部に対し、駆動機構の動力を封入する場合は、素体外部に駆動機構を出さ無くても良い。但し、其の場合は駆動させる動力部品に対し、予め防磁処理を施す必要が在る。形成の方法として、図26を例にすると、92に対し94を、上下左右に等間隔で形成した後、93を94に差し込んだ上で、93と94を、溶着或いは接着して固定させる。
【0050】
83に84を接続したら、83の動作を安定させる為に、86に対し84を挿入する。
86を形成する素材は、塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂等の、耐水性と耐耗性に優れ、且つ磁鉄化し無い物質を用いる。其の際、86の内部で発生する摩擦を軽減する為に、予め86の内部に対し、シリコングリス等の潤滑剤を付着させた上で、84を挿入する。其の際に留意する事として、84を挿入する際、揃えた状態で挿入する事が挙げられる。理由として、86内部で84が捻れるのを防ぐ為で在る。
【0051】
83及び84に86を組み込んだら、素体に充填する内容液が、81から漏水するのを防ぐ為に、83及び84と87の上から、85を被せる様にして組み込む。使用する素材は、シリコンゴムやウレタンゴム等の、耐水性が在り、且つ収縮性に富んだ素材を用いる。其の際に留意する事として、後述する、内溶液を充填する工程の際、81や84から、内容液が漏水し無い様に、80と86の接面を密着して固定する事と、素体が完成した際、83に対して内圧が掛かった状態で、駆動及び半固定をさせる為に、85の内面に対し、シリコングリス等の潤滑剤を、予め付着させて措く事が挙げられる。
【0052】
83及び84と87に85を組み込んだら、85と87の接面付近に対し、軟質樹脂の原液を充填した上で、85と87の接面に対し、針金やシリコンチューブ等を始めとする、紐状な素材を用いて締め付ける事で、後の工程で充填する、内溶液が漏水するのを防ぐ。其の際に留意する事として、85を締め付ける際、強く締め付け過ぎると、87を圧迫する結果、83の調節が困難に成る為、締め付ける強さを調節する必要が在る。
【0053】
85と87の接面に付着させた、軟質樹脂の原液が硬化したら、80に85を固定する。図27を例にすると、予め施工して措いた100に、95を密着させた上で、軟質樹脂の原液を付着させて措いた、99を用いて縫合する。縫合処理が済んだら、80と95の接面と、95と99及び100に対し、軟質樹脂の原液を斑無く付着させる。
【0054】
80と85の接面に付着させた原液が硬化したら、81から85内部の空気を排気した上で、83の位置を調整した後、83及び84の接面で、85の上から83を固定する。
其の際に用いる部品は、83及び85を半固定させる為に、紐状の部品を用いたり、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂等の素材、又は、防錆処理された磁鉄化し無い金属を用いて、83の形状に合わせて形成された、カバー状の部品を用いても良い。其の際に留意する事として、83及び84の接面が破損するのを防ぐ為に、作業の際に強く締め付け過ぎ無い事と、85から排気処理をする際、83及び85が破損し無い様に、81と83の接面に隙間を作った状態で、少しずつ排気する事が挙げられる。
【0055】
80〜87の処理が済んだら、99及び100と同様の処理を、80と90及び91に施す。其の際に留意する事として、89と91を駆動させた際、90が破損し無い様に、予め89と91の駆動範囲を考慮して、90を形成して措く必要が在るのと、後述する、舌部位を形成する場合、予め90をチューブ状に形成して措く必要が在る。尚、口腔部位及び咽喉部位を形成し無い場合は、此の工程を省いても構わ無い。
【0056】
次に、口腔粘膜部位を形成した場合に於ける、口唇部位及び舌部位の形成と、最終的な頭部位の形成を図28〜図32で説明する。
【0057】
基本的な形成手段として、縫合処理を施す為の下穴を102に形成した上で、予め個別に形成して措いた、103に対する104と、105に対する106に、前述した95に対する99及び100と同様の方法で、102に対して縫合処理を施した上で、各部位を形成する。但し、図28に於ける鼻腔部位の様に、皮膚部位を形成した際、併せて各部位を形成した場合は、此の工程を省いても良い。107に関しては、舌部位を形成する場合、上唇側だけ104に固定し、形成し無い場合は、上下共に104に対して103と一緒に固定する。
【0058】
口腔内部に舌部位を形成する場合、舌部位を駆動させるさせ無いに関わらず、下顎部位付近の表皮側から、口腔内部及び舌部位を纏めて縫合して固定する。其の際に留意する事として、縫合処理の後、其々の接面に対し、表皮部位及び口腔部位と同色な、軟質樹脂の原液を付着させる事が挙げられる。理由として、縫合箇所の強度を保つ事と、内容液を充填した際、接合箇所から内容液が漏水するのを防ぐ事、素体の完成時に、縫合箇所が目立た無い様にする事が挙げられる。
【0059】
図29を例にすると、予め109、112、114を形成した上で、112を109に連結させて措く。次に、114に112を通した上で、112と114の接合部に対して防水処理を施す。図例では、112を頭上で操作して駆動させる様に形成するが、例えば、112と同様の部品を、胸部位や腹部位等に内蔵した、駆動機構から駆動させる場合は、112と同様の部品を、動力源に対して連結させる。尚、112を使用し無い場合は、此の工程を省いても構わ無い。
【0060】
次に、109及び110と114を113で以て縫合処理をする。同様に、110及び111に対して114を縫合処理する。其の後、110及び111と114の継ぎ目から、内容液が漏水し無い様に、防水処理を施す。其の際に留意する事として、109を縫合する際、素体が完成した段階で、109が108に触れ無い位置に縫合する事と、114に対し、115の側は完成時に隠れるが、口腔部位の側は、目視が出来る場合が在るので、110や114と同様な軟質樹脂の原液に対し、口腔部位内部と同様の、着色を施した上で、縫合箇所に付着させる事が挙げられる。
【0061】
一通りの縫合処理が終わったら、下顎部位を上下に動かし、口腔部位の駆動及び半固定の動作に問題が無ければ、頭部位全体に対し、表皮部位と同様の色を着色した、軟質樹脂の原液を、噴霧等の処理で以て付着させる。其の際に留意する事として、頭部位に原液を付着させる前に、眼球部位や口唇部位等の箇所に対し、予めマスキング処理を施す事と、後述する、内容液の充填及び脱泡処理工程の為に、80及び88を結合する事で出来る、82及び87の形状に沿った湯口の穴に、湯口を形成する為の支柱を、台座から接続する事、更に、素体の頸部位に対する、関節部位の連結及び縫合処理の為に、頸部位と同様な形状の型枠を、80及び88と91を結合する事で出来る、頭蓋骨部位の下部に設置する事が挙げられる。理由として、マスキング処理を施さ無い状態で、原液を付着させた場合、該当する箇所に不必要な塗膜が出来る為、原型に忠実な素体の製造が、困難に成る事と、湯口を作成し無いと、脱泡処理の際に内容液が噴出する事、頸部位の縫合箇所を作成し無いと、確実に縫合処理が出来無かったり、後の工程で充填する内容液が、縫合箇所から漏水する事が挙げられる。
【0062】
頭蓋骨部位全体に対し、原液の付着処理が終わったら安置する。其の後、原液の硬化が始まった時点で、眉毛部位や睫毛部位等の、縫合が困難な部位を埋め込む。其の際に留意する事として、硬化剤の量や環境にも依るが、付着させた原液が、ゲル状に変化した状態で作業を行うのと、原液が完全に硬化すると修正が困難な為、各部位を埋め込む位置の、均衡を保った状態で埋め込む事が挙げられる。尚、眉毛部位や睫毛部位を使わ無い場合は、此の工程を省いても構わ無い。
【0063】
図30〜32を例にすると、116全体に対し、斑無く軟質樹脂の原液を付着させる為、118を一旦116の内部に入れ込み、117で以て118及び119の先端箇所に、マスキング処理を施し、120及び121もマスキング処理を施す。其の際に留意する事として、120にマスキング処理を施す際、凹凸が無く、且つ出来る限り薄く成る様に、マスキング処理を施す事と、此の後の工程で付着させる原液で以て、123を形成する為、最終的な122の形状に合わせた型枠を、120に対して用いる事が挙げられる。
【0064】
一通りのマスキング処理が終わったら、116全体に対し、軟質樹脂の原液を、噴霧等の処理で斑無く付着させる。其の際に留意する事として、120に添え付けた型枠の位置を確認する事と、型枠全体に原液を付着させると、硬化後の剥離が困難に成る為、型枠の形に合わせて、原液を付着させる事が挙げられる。
【0065】
116に対して斑無く原液を付着させたら、硬化する迄安置する。原液が硬化したら、再度、同様の工程を繰り返し、116に対して一定の厚みを持たせる。
【0066】
116に或る程度の厚みが出来たら、116全体或いは123周辺に、表皮部位と同色な、軟質樹脂の原液を付着させる。此の原液が硬化すると124と成る。124の硬化が始まったら、予め形成を済ませて措いた、125を124に埋め込む。125を形成する素材としては、硝子繊維やナイロン樹脂等の素材を用いる。其の際に留意する事として、124の硬化が完了すると、125の位置を修正するのが困難に成るので、125を確実に埋め込む事が挙げられる。尚、形成する素体に、或る程度の大きさが在る場合、123に一定の厚みが在る為、124の原液を付着させる前に、123に対して切れ込みを入れ、123の切れ込み箇所と125の接合箇所に、124の原液を付着させた上で、125を123に埋め込み、原液が硬化したら再度、124の原液を付着させる事で、124を形成する事も出来る。其の際に留意する事として、123を深く切って、122を傷付け無い事が挙げられる。理由として、122を傷付けると、素体の外観を著しく損なう為、122を交換し、再度付け直す事に成るからで在る。
【0067】
124及び125の処理が済んだら、硬化する迄安置する。其の後、後述する、内容液の充填及び脱泡処理工程の為に、117に施して在ったマスキングのみ剥離して、118を元に戻す。理由として、後述する、関節部位及び骨格部位の導入工程や、関節部位及び骨格部位の磁鉄化工程、内容液の充填及び脱泡処理工程が完了した後に、表皮部位を形成する際、素体全体に対して斑無く原液を付着させる為、118から頭蓋骨部位の内側に、鉤爪状のフックで吊り上げた状態で、表皮部位に用いる原液を付着させるからで在る。
【0068】
118を元の状態に戻したら、素体全体に関節部位及び骨格部位を導入した後、素体の頸椎関節部位を頭蓋骨部位と連結する。具体的には、頸椎関節部位の先端箇所を、頭蓋骨部位に挿入した上で、頸椎関節部位の先端箇所が、頭蓋骨部位から抜け落ち無い様にする為に、リングワッシャー等の部品を用いて、頸椎関節部位の先端箇所を半固定する事で、頭蓋骨部位から頸椎関節部位が外れるのを防ぎつつ、頸椎関節部位の、広範囲な駆動及び半固定を可能にする。
【0069】
頭蓋骨部位と頸椎関節部位を連結したら、頭部位側に於ける表皮部位の縫い代と、素体側に於ける、頸椎部位の表皮部位を縫合した上で、表皮部位と同色な軟質樹脂の原液を、縫合箇所に対して斑無く付着させる。頸椎部位の縫合処理が済んだら、付着させた原液が硬化する迄安置した上で、後述する、関節部位及び骨格部位の磁鉄化工程、内容液の充填及び脱泡処理工程、表皮部位形成工程、湯口の縫合処理工程及び、頭部位の最終形成工程を経た上で、120及び121の型枠及びマスキングを剥離して、頭部位が完成する。
【0070】
図32を例にすると、頸椎関節部位の芯で在る、126を頭蓋部位に挿入する。126に使用する素材は、硝子繊維やナイロン繊維等の、或る程度の強度と柔軟性が在り、且つ磁鉄化し無い素材を用いる。其の際に留意する事として、挿入する前に127が抜け落ち無い様にする為、先端箇所に対し、滑り止めを形成して措く必要が在る。
【0071】
126を挿入したら、126に対して128を必要数通した上で、126の末端箇所を素体本体の関節部位に連結する。其の際に留意する事として、皮膚部位や咽喉粘膜部位を傷付け無い様に、頭蓋骨部位と頸椎関節部位を、連結する事が挙げられる。理由として、此れ等が損傷した場合、後述する、内容液の充填及び脱泡処理工程の際、損傷箇所から、内容液が漏水する為で在る。
【0072】
127及び128の連結処理が済んだら、126及び128が頭蓋骨部位から脱落するのを防ぐ為に、127を用いて126の先端箇所を固定する。其の際に留意する事として、127を導入する際、湯口から127を挿入して固定する為、湯口から126に対して確実に届く、ピンセットやプライヤー等の、専用の固定器具を用いる事と、眼球部位周辺を損傷し無い様に、127を導入する事が挙げられる。理由として、素体の形成上、湯口を大きく形成出来無い為に、専用の器具を用い無いと作業が困難な事と、眼球部位周辺が損傷した場合、内容液の充填及び脱泡処理の際に、内容液が眼球部位から漏水するだけで無く、眼球部位の動作及び半固定が、確実に行え無く成るからで在る。
【0073】
126に対して127を連結したら、129に対して130を縫合処理する。其の後、縫合箇所付近に対し、軟質樹脂の原液を斑無く付着させる。其の際に留意する事として、縫合箇所が目立た無い様にする為、頭部位の根本付近で、縫合処理する事が挙げられる。
【0074】
129及び130の縫合処理が済んだら、縫合箇所付近の原液が硬化する迄安置する。
其の後、後述する工程を経た上で、頭部位の完成と成る。
【0075】
次に、動植物及び擬人の素体形成に於ける、個別の部位を形成する際の工程を、動物の素体形成を例にして説明する。製造の方法として、後述する、内容液の充填及び脱泡処理工程を施す前段階で、予め形成されている素体本体に対し、別工程で形成された、其々に適合した部位を連結した上で、連結箇所付近の皮膚部位を縫合処理する。
【0076】
次に、図33〜35を例に、個別の部位を形成する際の工程を説明する。
【0077】
図33の様に、素体に対して手足の爪部位を形成する場合、予め134を形成した上で、131と134を縫合する為に、134の末端部分に当たる133に対し、縫合する為の下穴を空けて措く。134に用いる素材は、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂等の、或る程度の硬度と、可塑性が在る素材を用いる。
【0078】
133の縫合箇所に下穴を空けたら、131と133の接面に対し、軟質樹脂の原液を付着させる。理由として、131と133の密着性を高めると共に、後述する、内容液の充填及び脱泡処理工程の際、縫合箇所付近から、充填した内容液が漏水するのを防ぐ事が挙げられる。其の際に留意する事として、132の連結箇所に対し、原液が付着し無い様にする事が挙げられる。理由として、132の連結箇所で原液が硬化すると、関節部位の、駆動及び半固定の妨げに成るからで在る。
【0079】
131と133の接面に対し、原液を斑無く付着させたら、原液が硬化する前に、予め131に対して切れ目を入れた上で、133が確実に縫合出来る程度に挿入する。其の後、131と134の接面に対し、表皮部位と同様な素材の原液を、斑無く付着させた上で貼り合わせる。其の上で、131と133を縫合した後、縫合箇所付近に対し、軟質樹脂の原液を付着させる。其の際に留意する事として、縫合箇所付近や、131と133及び、133と134の接面に対し、原液を付着させる際、過度に原液を付着させ無い事と、予め接合箇所周辺に、マスキング処理を施して措く事が挙げられる。理由として、原液を付着させた際、原液が接合箇所から食み出す為、原型に忠実な素体の形成が、困難に成るからで在る。尚、他の部位を形成する際も同様で在る。
【0080】
縫合処理が済んだら、縫合箇所付近に付着させた、原液が硬化する迄安置する。原液が完全に硬化したら、縫合箇所付近のマスキングを剥離する。理由として、後述する、表皮部位の形成工程の際、原型に忠実な表皮部位の形成を、妨げる可能性が生ずるからで在る。尚、他の部位を形成する際も同様で在る。
【0081】
図34の様に、素体に対し、同様の柔軟性が在る部位を接合する場合、先ず素体を形成する際と同様の方法で、138〜140を形成する。其の際に留意する事として、素体側から内容液が流入する事で、138の内部にも内容液を充填する為、138の接合箇所を此の段階では閉じ無い事と、素体の関節部位に対して連結する際、関節部分が崩れ無い様にする為に、139及び140は、此の段階で連結して措く事が挙げられる。
【0082】
138〜140を形成したら、139及び140の末端箇所で在る、137を136に連結する。方法としては、136及び137を互いに組み込む、136に対して137を接着剤等で接着する、136に対し、137の接面を溶かして溶着する等が挙げられる。其の際に留意する事として、135と138を傷付けたり溶かさ無い事と、後の工程で、139及び140も磁鉄化する為、136及び137を密着させる事が挙げられる。尚、羽毛や体毛、或いは鱗等の表皮部位を形成する場合、組み込む前に形成して措くが、後述する、表皮部位の形成工程の際、他の表皮部位と併せて形成する。
【0083】
136と137を連結したら、135と138の接面を縫合した上で、縫合箇所付近に対し、軟質樹脂の原液を斑無く付着させた上で、原液が硬化する迄安置する。マスキング処理を施して在る場合、原液の硬化後にマスキングを剥離する。
【0084】
図35の様に、素体に対し、駆動及び半固定を行う部位を接合する場合、予め関節部位及び表皮部位を形成した上で、接合する部位の仮組を行い、接合する部位の動作に問題が無ければ、図34と同様の方法で接合する。尚、形成する部位に依っては、硬質な箇所と軟質な箇所が混在する事が在るので、其々の部位に応じた素材を使う必要が在る。
【0085】
図35を例にすると、翼部位を形成する142と144〜147を作成する際、最初に147を形成した上で、翼部位の骨格部分に当たる144を、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂等の、或る程度の硬度と可塑性が在る素材で形成し、更に、表皮部位と同様な素材の原液を、144と147の接面に斑無く付着させたら、147を挿入した上で原液が硬化する迄安置する。原液が完全に硬化したら、予め組み上げて措いた、145及び146を147に挿入する。此の段階で、144〜147の動作に問題が無ければ、141を切開した上で142と143を連結し、141の切開した箇所に対して縫合処理を施した上で、縫合箇所付近に対し、軟質樹脂の原液を斑無く付着させた上で、原液が硬化する迄安置する。マスキング処理を施して在る場合は、原液の硬化後にマスキングを剥離する。
【0086】
次に、電磁石に電気を通電する事で、電磁誘導を発生させる事に依る、金属の磁鉄化を利用した、骨格部位及び関節部位の連結工程を説明する。
【0087】
最初に、素体の末端部分に対し、電磁石を密着した上で、電磁石に電気を流す事で発生する、電磁誘導を用いる事に依り、磁鉄化が可能な金属で構成された、骨格部位及び関節部位を連結する。其の際に留意する事として、素体を台座等に安置した後、骨格部位及び関節部位の、抜け落ちが無い事を確認した上で、素体の複数箇所を固定する事と、電磁石に電気を流す際、必ず最初は弱い電力から始め、電磁石に流す電力を段階的に引き上げる事が挙げられる。理由として、骨格部位及び関節部位が、歪んだ状態で連結したり、皮膚部位を破損するからで在る。尚、骨格部位及び関節部位の、磁鉄化に要する電力及び時間は、素体に於ける、骨格部位及び関節部位の、大きさや数量に比準する。
【0088】
骨格部位及び関節部位が磁鉄化したら、連結した箇所が、外れ無い事を確認した上で、電磁石に流れている、プラスとマイナスの電極を逆にする事に依り、電磁石と磁鉄化した素体を反発させて、素体から電磁石を外す。素体の骨格部位及び関節部位を磁鉄化させる工程に、電磁石を用いるのは此の為で在る。
【0089】
次に、図36を例に、電磁誘導を利用した、骨格部位及び関節部位の連結を説明する。
【0090】
最初に、149に対し、全身の骨格部位及び関節部位を挿入した上で、150に対して149を安置する。骨格部位及び関節部位の抜け落ちが無ければ、素体に対し、151を用いて150に固定する。
【0091】
149を安置したら、149の末端部分に対して148を密着させる。其の上で148に電流を流し、149内部に於ける、骨格部位及び関節部位を磁鉄化させる。149内部の骨格部位及び関節部位が、完全に連結が出来る迄磁鉄化したら、148の電極を反対に繋いで、再度電気を流す事に依り、149から148を外す。
【0092】
次に、内容液の充填及び脱泡処理工程を説明する。先ず、素体内部に充填する内容液は、骨格部位及び関節部位の、防錆処理に問題が無ければ、蒸留水等の液体を用いても良いが、基本的には、ゲルシリコン等の流動性が在り、且つ素体内部に対する腐食や、過度の摩擦を起こさ無い素材を用いる。内容液の充填方法として、予め形成して措いた、湯口を上にした状態で、骨格部位及び関節部位を固定したら、湯口から内容液を充填する。其の際に留意する事として、素体に対して少しずつ内容液を充填する事と、複雑な構造の部位は、充填及び脱泡処理工程を、並行して充填する事が挙げられる。理由として、此れ等の工程を確実に行わ無い場合、素体内部の空気が充填処理の妨げに成る為、確実に内容液が行き届か無いからで在る。
【0093】
一定量の内容液を充填したら、骨格部位及び関節部位を固定する、枠の最下段を外し、素体の底辺箇所に対し、内容液が確実に充填される様にする。固定枠を外したら、同様の工程を繰り返しつつ、下段から順番に枠を外す。枠が最上段だけに成ったら、後述する、表皮部位形成工程の為に、素体を吊り下げる為のフックを、湯口から挿入した上で、素体が吊り下がるのを確認したら、最上段の固定枠を外し、一旦素体を台座から外す。外した台座は、後述する、素体の密封処理工程の際に再度使用する。素体から台座を外したら、素体をフックで吊り下げた状態で、素体を振動させたり、末端箇所から徐々に空気を押し出す事で、脱泡処理を行う。其の際に留意する事として、過度に振動させたり、力を加え無い事が挙げられる。理由として、過度に振動を加えたり力を加えた結果、内容液の漏出や、素体の破損を引き起こすからで在る。
【0094】
次に、脱泡処理工程及び、表皮部位形成工程に用いるフックの説明をする。頭蓋骨部位を形成する素体は、頭蓋骨部位の内側に対し、フックを掛けて素体を吊り、頭蓋骨部位を形成し無い素体は、湯口付近の骨格部位にフックを掛けて素体を吊る。理由として、骨格部位に対してフックを掛け無い場合、素体を吊り上げる際、素体の皮膚部位を、フックで損傷するからで在る。
【0095】
素体への挿入方法に関しては、素体の構造上、フックを折り畳んだ状態で挿入し、素体内部でフックを展開したら、内部の骨格部位にフックを掛けた状態で、素体を吊り上げる方法を用いる。其の際に留意する事として、フックに使用する素材及び、フックを支えるアームや天井は、素体を長時間支えられる強度を備え、且つ磁鉄化し無い素材を用いる事が挙げられる。理由として、此れ等が素体を支える為の強度を満たさ無い場合、脱泡処理工程及び、表皮部位形成工程の作業時に、素体の重量に耐えられずに破損し、素体が滑落する結果、内容液の漏出或いは、骨格部位及び関節部位の損傷が生じるからで在る。又、此れ等に磁鉄化する素材を用いた場合、表皮部位形成工程の後に、表皮部位が完全に形成される迄、素体を吊り下げた状態で安置する為、其の間に、骨格部位からの磁気を帯びて磁鉄化した場合、素体の骨格部位から、此れ等を外すのが困難に成るからで在る。
【0096】
更に、フックを挿入する際、湯口を素体内部に入れ込んだ場合、フックの挿入後は必ず湯口を元に戻す事が挙げられる。理由として、脱泡処理工程の際、素体内部に入れ込んだ湯口が、脱泡処理の妨げに成るのと、表皮部位形成工程の際、軟質樹脂の原液が湯口から素体内部に流入する結果、原液が素体内部で硬化するからで在る。
【0097】
次に、図37及び図38を例に、内容液の充填及び脱泡処理工程を説明する。
【0098】
図37の様に、155と連結された153で以て、152を固定する。次に、152の湯口部分から154を充填する。一定量の154を充填する度に、152を固定している153を下段から順番に外しつつ、154を152の隅々迄行き渡らせる為に、或る程度の脱泡処理を行い、最終的に、153の最上段のみで152を固定した状態にする。
【0099】
次に、152に対して図38の様に、158から157を挿入し、156の内部で展開して156に157を掛ける。此の状態で、154が充填された152を吊り上げられる事を確認したら、最上段の153を152から外し、152から155を外して152を吊り下げる。
【0100】
152を吊り下げたら、全体に脱泡処理を行い、空気が完全に抜けたのを確認した後、表皮部位形成工程の為に、152を其の状態で安置する。
【0101】
次に、表皮部位形成工程を説明する。先述した、脱泡処理工程に於いて、素体をフックで吊り上げた状態を維持しつつ、素体の全身に対し、最終的な表皮部位を形成する為に、軟質樹脂の原液を、素体に対して噴霧或いは漬け込む事で、斑無く付着させる。此の工程で使用する原液は、其々に於ける、人形及び動植物模型に応じた、表皮部位の色に併せて措く。其の際に留意する事として、此の工程で用いる原液を付着させ無い箇所には、予めマスキング処理を施して措く事と、予め手足の指部分周辺、腋部分周辺、股間部分周辺等の入り組んだ箇所は、極力間隔を広げた状態で、原液を付着させる事が挙げられる。理由として、此れ等の処理を行わ無い場合、素体に対して塗り斑が出来たり、必要以上に原液が付着する結果、原型に忠実な素体の形成が、困難に成るからで在る。
【0102】
又、作業を行う際に留意する事として、室内の換気を必ず行う事と、室内全体の養生を確実に行う事、作業員の皮膚や粘膜に対し、原液が付着し無い装備をする事が挙げられる。理由として、原液の蒸気が室内に充満する為、吸入する事で中毒症状を引き起こすのを防ぐ事と、原液が飛散する為、作業員や作業場所周辺が、汚染するのを防ぐ為で在る。
【0103】
更に、作業室内に於いて、埃や塵が発生し無い様にする事が挙げられる。理由として、空気中の埃や塵が、作業中の素体に付着する結果、表皮部位が汚れた状態で、硬化する事を防ぐ為で在る。
【0104】
素体に対し、斑無く原液を付着させたら、噴霧で付着させた場合、其の儘の状態で安置し、漬け込んで付着させた場合、素体を吊り下げているフックを引き上げ、原液が入った容器を素体から外した上で、原液が完全に硬化する迄素体を安置する。其の際に留意する事として、素体を安置する間、室内の換気をした上で、埃や塵が発生し無い様にする事が挙げられる。理由として、室内に有毒ガスが充満するのを防ぐ事と、空気中の埃や塵が、素体に付着する結果、表皮部位が汚れた状態で、硬化する事を防ぐ為で在る。
【0105】
次に、図39を例に、素体を原液に漬ける事に依り、表皮部位を形成する場合に於ける、作業工程を説明する。
【0106】
159で161を吊り下げた状態で、162を一定量満たした状態の163に、161を漬け込む。其の際に留意する事として、漬け込む際、159から161が外れ無い様に漬け込む事が挙げられる。理由として、若し161から159が外れた場合、159から161が162に滑落する結果、内容液の漏出や、161内部への162の流入が起こる為、内容液の再充填作業や、161内部に流入した162の排出除去作業が、必要に成るからで在る。同様の理由で、161を漬け込む際、160の上部から162が流入し無い様にする事が挙げられる。
【0107】
161全体に対し、162の付着を確認したら、161から159が外れ無い様に引き上げる。其の後、162が硬化する迄、159に161を吊り下げた状態で安置する。
【0108】
161に付着させた162が完全に硬化したら、再度台座に固定した上で、161から159を外し、最終工程で在る、素体内部に充填した内容液の、密封処理工程を行う。
【0109】
次に、素体内部に充填した内容液の、密封処理工程を説明する。先ず、予め素体を台座に固定し、素体内部の気泡が無い事を確認した上で、湯口の先端箇所に対し、縫合処理を施す。
【0110】
次に、縫合箇所に対し、表皮部位と同色にした、軟質樹脂の原液を付着させる。其の際に留意する事として、眼球部位や関節部位を、動作及び半固定する為の、駆動機構を素体外部に出した場合、其々の箇所を除いて縫合する事と、原液を付着させる前に、縫合箇所周辺及び駆動機構の先端箇所に対し、予めマスキング処理を施して措く事が挙げられる。理由として、後述する、湯口を素体内部に入れ込む作業を容易にする為と、必要箇所以外に、原液が付着するのを防ぐ為で在る。
【0111】
湯口の先端箇所に付着させた原液が硬化したら、湯口を素体内部に押し込む。具体的な方法として、先端が鋭利で無い棒状の器具に対し、塩化ビニル樹脂やカーボン樹脂等で構成される、薄膜状の素材を先端に巻き付けた上で、湯口の根本部分迄、器具で以て素体内部に押し込む。薄膜状の樹脂素材を使用する理由として、器具を素体から引き抜く際、密封処理工程の為に、シリコングリス等の潤滑剤を使用出来無い事と、器具の先端箇所を其の儘押し込むと、押し込んだ器具の先端箇所と湯口に対し、素体からの内圧が掛かる為、器具の先端を引き抜く事が、困難に成る為で在る。
【0112】
湯口を素体内部に押し込んだら、少しずつ器具の先端箇所を引き上げ、素体からの内圧で以て、押し込んだ湯口が、少しずつ締め塞がる様にする。器具を完全に引き抜いたら、押し込んだ湯口に残った樹脂素材を、素体に傷が付か無い様に、押し込んだ湯口から少しずつ引き出すか、湯口の内部に押し込む。此の処理が済んだら、湯口に対して縫合処理を施した上で、縫合箇所に対し、表皮部位と同色な軟質樹脂の原液を付着させる。
【0113】
縫合箇所に付着させた原液が硬化したら、眼球部位や密封した湯口周辺、其の他に必要に応じて施工した、マスキングを全て剥離した上で、パンチングの工法を用いて植毛する。又、ウィッグや体毛等を象った部品を、素体に対して固定する場合は、表皮部位と同色な軟質樹脂の原液を用いて、表皮部位に接着する。尚、ウィッグ等を素体に対して固定し無い、或いは用い無い場合は、此の工程を省いても構わ無い。
【0114】
次に、図40を例に、素体の密封処理工程を説明する。
【0115】
最初に、168の先端箇所や165周辺に対し、マスキング処理を施した上で、168付近を避けつつ、167の先端箇所に縫合処理を施し、表皮部位と同色な軟質樹脂の原液を、167の縫合箇所に付着させる。
【0116】
167の先端箇所に付着させた原液が硬化したら、167を押し込む為の器具を用いて、167を素体内部に少しずつ押し込み、168付近を避けつつ165を縫合処理する。其の上で、165の縫合部分に対し、表皮部位と同色な軟質樹脂の原液を付着させる。
【0117】
165に付着させた原液が完全に硬化したら、168の先端箇所や165及び166、169のマスキングを剥離した上で、168を動かす事で166を微調整したら、169の上から164を被せる。164を完全に固定する場合は、164と169の接面に対し、表皮部位と同色な軟質樹脂の原液を付着させた上で、164と169の接面を密着し、完全に硬化する迄、素体を安置する。其の際、168の先端箇所を、164の外側に出す必要が在る為、164に対し、168を通す為の穴を空けた上で168を通して措くか、164と169の間を通して、164の外側に出す必要が在る。
【0118】
最後に、素体が破損した際に於ける、修復方法を説明する。素体が破損する状況として、表皮部位が損傷した場合と、骨格部位、関節部位、眼球部位、其の他素体に応じた形状の部位が破損する事が挙げられるが、表皮部位に於ける軽度の損傷を除き、最初に消磁機を用いて、磁鉄化した骨格部位及び関節部位の磁力を消失させる。理由として、素体内部の部品を交換する際に、骨格部位及び関節部位が磁鉄化している場合、修復作業が困難に成るからで在る。又、修復前及び修復工程の最中に、内容液が漏出した場合は、不足した内容液を追加で充填する必要が在る。
【0119】
表皮部位の損傷の場合、軽度の損傷なら、損傷箇所周辺を洗浄し、損傷箇所周辺を乾燥させた上で、表皮部位と同様な軟質樹脂の原液を、損傷箇所に斑無く充填した上で、原液を付着させた、糸状の繊維素材を用いて縫合処理を施す。表皮部位の損傷が著しい場合、骨格部位及び関節部位の磁力を消失させた上で、素体内部に内容液が残っている場合は、素体内部の内容液を抜き取り、予め製造して措いた、全身の表皮部位を換装する。其の上で再度、製造工程と同様に、骨格部位及び関節部位の、磁鉄化工程以降の処理を施す。
【0120】
骨格部位、関節部位、眼球部位及び、各素体に応じた形状の部位が破損している場合、骨格部位及び関節部位の磁力を消失させた上で、損傷箇所周辺を、部品が交換出来る程度に切開する。
【0121】
表皮部位を切開したら、切開した箇所から内容液を抜き取り、損傷した部品を交換した上で、切開した箇所を縫合し、縫合箇所周辺に、表皮部位と同様な軟質樹脂の原液を付着させたら、原液が硬化した後、製造工程と同様に、骨格部位及び関節部位の、磁鉄化工程以降の処理を施す。
【符号の説明】
【0122】
1 素体完成例の頭部位
2 素体完成例の表皮部位
3 素体完成例の腕関節部位
4 素体完成例の大腿関節部位
5 素体完成例の背骨関節部位
6 素体完成例の手掌関節部位
7 素体完成例の足部関節部位
8 従来型の頭部関節機構
9 従来型の頸部関節機構
10 従来型の胴部関節機構
11 従来型の肩部関節機構
12 従来型の上腕部位
13 従来型の腕部関節機構
14 従来型の下腕部位
15 従来型の手首関節部位
16 従来型の手掌部位
17 従来型の関節部位、凸型
18 従来型の関節部位、凹型
19 関節構造例1
20 関節構造例2、凸型
21 関節構造例2、凹型
22 関節構造例3、凹型
23 関節構造例3、凹型
24 関節構造例3、球体関節
25 関節構造例4、球体関節
26 関節構造例4、凹型
27 関節構造例5
28 関節構造例6、凸型
29 関節構造例6、凹型
30 関節構造例6、関節駆動支点
【0123】
31 関節構造例7、関節部位
32 関節構造例7、関節部位
33 関節構造例7、関節内部素材
34 頭部位が本体と一体で在る素体の原型
35 支柱及び湯口の原型
36 台座
37 頭部位が本体と一体で無い素体の原型
38 支柱及び湯口の原型
39 台座
40 軟質樹脂で形成された皮膚部位
41 入り組んだ箇所の皮膚部位
42 軟質樹脂で形成された皮膚部位
43 素体原型
44 軟質樹脂で形成された皮膚部位
45 皮膚部位に当てる型枠
46 素体原型
47 入り組んだ箇所の皮膚部位
48 素体原型
49 支柱
50 素体原型
51 皮膚部位
52 外側に生じた中程度の気泡
53 外側に生じた小程度の気泡
54 内側に生じた気泡
55 皮膚部位
56 外側に生じた大程度の気泡
57 大程度の気泡
58 皮膚部位
59 充填処理を施した、中程度の気泡
60 充填処理を施した、小程度の気泡
61 充填処理を施した、内側の気泡
62 皮膚部位
63 充填処理を施した、大程度の気泡
64 インジェクター
65 皮膚部位と同様な素材の原液
66 皮膚部位
67 インジェクター
68 インジェクター
69 皮膚部位と同様な素材の原液
70 皮膚部位
71 インジェクター
72 インジェクター
73 皮膚部位と同様な素材の原液
74 皮膚部位
75 皮膚部位
76 縫合処理跡
77 皮膚部位
【0124】
78 縫合処理に用いる素材
79 切開面
80 頭蓋骨部位
81 瞳孔部位
82 湯口
83 眼球部位
84 眼球位置調整機構に用いる素材
85 眼球粘膜部位及び、眼球部位と眼球位置調整機構を保護する為のカバー
86 眼球位置調整機構を、安定及び保護する為のカバー
87 湯口
88 頭蓋骨部位
89 顎関節部位
90 口腔粘膜部位
91 下顎部位
92 眼球部位
93 眼球位置調整機構に用いる素材
94 眼球部位と、眼球位置調整機構に用いる素材の接面
95 頭蓋骨部位
96 眼球部位及び眼球位置調整機構を、保護する為のカバー
97 眼球位置調整機構に用いる素材
98 瞳孔部位
99 縫合処理に用いる素材
100 縫合処理の為に、頭蓋骨部位に予め空けて措いた穴
101 眼球部位
102 頭部位
103 口唇部位
104 口唇部位の縫い代
105 耳朶部位
106 耳朶部位の縫い代
107 咽喉部位
108 口唇部位
109 舌部位
110 下顎部位付近の皮膚部位
111 皮膚部位
112 舌部位駆動機構
113 舌部位及び口腔粘膜部位を固定する為の縫合処理
114 口腔粘膜部位
115 素体内部に於ける、内容液を充填する箇所
116 頭部位
117 塩化ビニル樹脂等の、マスキング素材
118 湯口
119 眼球位置調整機構
120 眼球部位
121 口唇部位
122 眼球部位
123 皮膚部位
124 上塗りした皮膚部位
【0125】
125 睫部位
126 頸部関節部位を連結する為の芯材
127 頸部関節部位を頭蓋骨部位と連結する為の部品
128 頸部関節部位
129 頭蓋骨部位側の皮膚部位
130 頸部位側の皮膚部位
131 関節部位
132 皮膚部位と爪部位の縫合処理箇所
133 爪部位
135 素体側の皮膚部位
136 素体側の関節部位
137 素体側の関節部位と尾関節部位を連結する箇所
138 尾部位側の皮膚部位
139 尾部位関節の駆動箇所
140 尾部位関節の連結箇所
141 素体側の皮膚部位
142 素体側の関節部位と翼関節部位を連結する箇所
143 素体側の関節部位と翼関節部位を連結する箇所
144 翼部位に於ける硬質皮膚部位
145 翼部位に於ける関節部位
146 翼部位に於ける骨部位
147 翼部位に於ける軟質皮膚部位
148 電磁石
149 素体
150 素体を安置する為の台座
151 素体を台座に固定する為の器具
152 素体の皮膚部位
153 素体を直立した状態で固定する為の器具
154 内容液
155 素体を固定する為の支柱及び台座
156 素体の頭部位
157 素体を吊り上げる為のフック
158 湯口
159 素体を吊り上げる為のフック
160 湯口
161 素体
162 表皮部位を形成する為に用いる、素材の原液
163 容器
164 ウィッグ
165 湯口の縫合箇所
166 眼球部位
167 湯口
168 眼球位置調整機構
169 口唇部位
170 表皮部位
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形及び動植物模型の製造に於いて、電気を通電させた電磁石を用いる事で発生する、電磁誘導を利用する事で、素体の骨格部品及び関節部品を磁鉄化する事に依り、駆動及び半固定が可能で、弛緩性と耐久性に優れる上に、従来品と比較すると製造及び修理が容易な、骨格及び関節機構。
【請求項2】
従来品と違い、皮膚部位と粘膜部位を軟質樹脂で形成し、其の中に、骨格部品及び関節部品を封入した後、骨格部品及び関節部品を磁鉄化し、液体を充填した上で密封する事に依り、素体の関節部位に継ぎ目が無く、且つ自然な形状を保てる、人形及び動物模型。

【公開番号】特開2011−197620(P2011−197620A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88159(P2010−88159)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【特許番号】特許第4705188号(P4705188)
【特許公報発行日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(510095640)
【Fターム(参考)】